着用型薬剤拡散装置
【課題】モータ、電池を使用せずに多くの薬剤を揮散して大気に拡散できる着用型薬剤拡散装置とする。
【解決手段】着用具4で身体に着用され、取付本体10とカバー体11で空気室12を有する装置本体1と、この装置本体1の空気室12内に、当該装置本体1の動作により回転するように取付けた回転体2と、前記カバー体11に取付けた薬剤保持体3と、前記回転体2と前記装置本体1とに取付けられた第1の磁石5、第2の磁石6を備え、前記薬剤保持体3は空気と触れると薬剤を揮散する薬剤含浸体3aを有すると共に、空気室12内の空気が撹拌されることで揮散した薬剤を大気に拡散し、前記回転体2の回転が第1・第2の磁石5,6によって複数回の往復回転に助長され、その薬剤含浸体3aから多くの薬剤を揮散して大気に拡散できるようにする。
【解決手段】着用具4で身体に着用され、取付本体10とカバー体11で空気室12を有する装置本体1と、この装置本体1の空気室12内に、当該装置本体1の動作により回転するように取付けた回転体2と、前記カバー体11に取付けた薬剤保持体3と、前記回転体2と前記装置本体1とに取付けられた第1の磁石5、第2の磁石6を備え、前記薬剤保持体3は空気と触れると薬剤を揮散する薬剤含浸体3aを有すると共に、空気室12内の空気が撹拌されることで揮散した薬剤を大気に拡散し、前記回転体2の回転が第1・第2の磁石5,6によって複数回の往復回転に助長され、その薬剤含浸体3aから多くの薬剤を揮散して大気に拡散できるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間、家畜やペット等の動物などの身体に着用して、殺虫剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤、除菌剤などの揮散性の薬剤を身体の周囲に拡散し、人間などの身体の周りに寄る害虫を避けたり、香りでリラックスしたりする着用型薬剤拡散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に着用型の薬剤拡散装置が開示されている。
この装置は、本体内にモータでファンを回転する送風機と薬剤保持体と電池を設けて送風機を駆動することで吸込口から放出口に空気が流通し、その放出口から放出される空気とともに薬剤保持体の薬剤が大気に拡散される装置本体と、この装置本体に取付けた着用バンドを備え、その着用バンドによって装置本体を人体、動物の体などの身体に着用できる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−24161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の装置は、モータでファンを回転する送風機と、そのモータ用の電源となる電池を備えているので、そのモータ、電池のために重量が重く、装置本体が大きいから、身体に着用して使用する装置としては好ましくはない。
【0005】
また、電源として電池が使用され、電池は寿命がくると交換しなければならず、その交換作業の面倒さ、また費用もかかり経済的でない。また、寿命がきた電池はゴミとして廃棄処理問題がある。さらに電池は有害ゴミとなり環境問題を発生させる。
【0006】
前述のことを解決するには、送風機を使用せずに薬剤保持体から薬剤を自然揮散させ、モータ、電池を必要としないようにすれば良い。
しかし、前述のように薬剤保持体から薬剤を自然揮散するだけでは、その薬剤の揮散量が少なく、実用的ではない。
【0007】
そこで、前述の従来の装置において、モータ、電池を使用せずに、ファンを回転自在とし、身体の動きで装置本体を動作、例えば振るなどしてファンを回転させることが考えられるが、このようにしてファンを回転させるのでは、振る方向やタイミング等によって回転が弱いか、回転しないことがあり、ファンの回転の確実性に欠ける。
【0008】
本発明の目的は、モータ、電池を使用せずに多くの薬剤を確実に揮散することができる着用型薬剤拡散装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、取付本体10とカバー体11とで空気が流通する空気室12を有し、着用具4で身体に装着される装置本体1と、
前記装置本体1の空気室12内に回転自在に設けられ、その装置本体1が動作することで回転し、前記空気室12内の空気を撹拌する回転体2と、
前記カバー体11に、空気室12内の空気が撹拌されることで薬剤含浸体3aに空気が触れると共に、揮散した薬剤が大気に拡散するように取付けた薬剤保持体3と、
前記装置本体1と回転体2に取付けられ、当該回転体2の回転によって反発力が生じ、その回転体2が反対方向に回転して回転を助長する第1の磁石5と第2の磁石6を備えていることを特徴とする着用型薬剤拡散装置である。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、装置本体1を着用具4に、回転体2の回転方向に揺動可能に連結した着用型薬剤拡散装置である。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、回転体2が回転することで、空気室12内の空気が撹拌されると共に、その空気室12内と外部とに亘って空気の流れが生じるようにした着用型薬剤拡散装置である。
【0012】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、回転体2をシロッコファン形状として回転することでカバー体11の表面板11a、筒体11b方向に空気が流れるようにし、
このカバー体11の筒体11b内周面に沿ってリング形状の薬剤含浸体3aを有した薬剤保持体3を取付けた着用型薬剤拡散装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、身体を動かすことで装置本体1が動作し、それによって回転体2が回転することで薬剤保持体3の薬剤含浸体3aから薬剤が揮散し、大気に拡散する。
しかも、回転体2が一方向に回転すると第1の磁石5が第2の磁石6に接近して反発力が生じ、その反発力によって回転体2が他方向に回転し、再び第1の磁石5が第2の磁石6に接して反発力が生じて回転体2が一方向に回転する。
この動作を複数回繰り返すことで、回転体2は複数回往復回転する。
【0014】
このように装置本体1の動作による回転体2の回転を、第1の磁石5と第2の磁石6とで複数回の往復回転に助長するので、モータ、電池を使用せずに薬剤含浸体3aから多くの薬剤を確実に揮散して大気に拡散できる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、身体が動くことで装置本体1は着用具4に対して回転体3の回転方向に揺動するから、身体が動くだけで回転体2が必ず回転し、身体に着用して使用する薬剤拡散装置として好適である。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、回転体2が回転することで空気室12の空気が撹拌されると共に、外部とに亘って空気が流れるので、その空気が薬剤含浸体3aに十分に触れると共に、外部にスムーズに流れ、より多くの薬剤を揮散して大気に拡散することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、回転体2の回転によってカバー体11の表面板11aと筒体11bとに亘って空気が流れ、リング状の薬剤含浸体3aから多くの薬剤が揮散して大気に拡散することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
装置本体1と、この装置本体1に回転可能に設けた回転体2と、装置本体1に取付けた薬剤保持体3と、前記装置本体1に取付けた着用具4と、前記装置本体1と前記回転体2とに設けられて当該薬剤保持手段2の回転を助長する第1の磁石5、第2の磁石6で着用型薬剤拡散装置としてある。
【0019】
前記装置本体1は着用具4で人間、動物などの身体に着用される。例えば、人間の腰に吊り下げて着用される。
この装置本体1は、取付本体10とカバー体11とで空気室12を有している。この空気室12内には外気が流通可能としてある。
前記回転体2は、前記取付本体10に回転可能に支持され、装置本体1を動作することで回転し、前記空気室12内の空気が撹拌されるようにしてある。
前記薬剤保持体3は、薬剤有効成分を主成分とする薬剤(薬剤組成物)を含浸した薬剤含浸体3aを有し、その薬剤含浸体3aに空気が触れることで前記薬剤が揮散する。
前記薬剤保持体3は、カバー体11に、前記空気室12内の空気が撹拌されることで、その薬剤含浸体3aに空気が触れると共に、揮散した薬剤が大気に拡散するように取付けてある。
【0020】
前記第1の磁石5は回転体2に取付けてある。前記第2の磁石6は装置本体1、例えば取付本体10に取付けてあり、その回転体2が一方向に回転すると第1の磁石5が第2の磁石6に接近して反発力が生じるようにしてある。つまり、第1の磁石5と第2の磁石6の同極が対向することで反発力が生じる。
この反発力によって回転体2が他方向に回転し、再び第1の磁石5が第2の磁石6に接して反発力が生じて回転体2が一方向に回転する。
この動作を複数回繰り返しすることで、回転体2は複数回往復回転する。
【0021】
このように、回転体2が回転することで、空気室12内の空気が撹拌され、薬剤保持手段3の薬剤含浸体3aに対して空気が相対的に流動することになるので、多くの薬剤が揮散する。
しかも、第1の磁石5と第2の磁石6とで回転体2の回転が助長されて複数回往復回転するので、装置本体1を僅かに動作することで回転体2が確実に回転する。
したがって、モータ、電池を用いずに薬剤保持体3の薬剤含浸体3aから多くの薬剤を確実に揮散することができる。
【0022】
次に、各部の好ましい形態を説明する。
前記装置本体1の取付本体10に着用具4が取付けてある。
前記着用具4は、フック4aである。
そして、人間の腰に装着したベルトや、衣服のポケットにフック4aを引っ掛けて装置本体1を腰に吊り下げて使用する。
前記着用具4は、バンド、紐や鎖などでも良く、ベルト等に吊り下げたり腰や首など身体の一部に巻く付け吊り下げて使用することができる。
【0023】
この実施の形態では、前記着用具4をフック4aとすると共に、この着用具4に装置本体1(取付本体10)を回転体2の回転方向に沿って揺動自在に吊り下げ連結する。例えば、ピン7で揺動自在(首振り自在)に連結する。
【0024】
このようにすることで、着用具4の人間の腰のベルトに引っ掛けて吊り下げるようにして着用することで、人間が歩行などすることによって着用具4に対して装置本体1が揺動するので、回転体2が回転する。
したがって、回転体2が確実に連続して回転するので、より多くの薬剤を揮散することができる。
【0025】
前記カバー体11に空気流通部13が形成してある。
この空気流通部13によって空気室12が外部に連通し、その空気室12に空気が流通する。
前記カバー体11は取付本体10に着脱自在に取付けてある。
例えば、前記取付本体10は、プレート10aにリング状の突部10bを設けた形状とし、前記カバー体11を表面板11aと筒体11bを有し、その筒体11bが突部10bに嵌合して取付けられる。
【0026】
この実施の形態では、カバー体11の表面板11aに、薬剤保持体取付用の開口部13aが形成されていると共に、筒体11bにスリット状の開口部13bが複数形成され、この開口部13bで空気流通部13としてある。
【0027】
前記薬剤含浸体3aは、薬剤有効成分を主成分とする薬剤(薬剤組成物)を含浸した不織布などの通気性のシートとしてある。
前記薬剤保持体3は、通気用開口30を有した容器31に薬剤含浸体3aを入れ、通気用開口32を有した押えプレート33を容器31に嵌合してある。
前記容器31をカバー体11の開口部13a内に嵌合して着脱自在に取付けてある。
【0028】
このようであるから、カバー体11を取付本体10から取り外し、そのカバー体11から薬剤保持体3を取り外して、新しい薬剤保持体3を取付けた後に、そのカバー体11を取付本体10に取付けることで、薬剤保持体3を交換できる。
【0029】
前記回転体2は回転することで空気室12内の空気を撹拌し、空気室12内に空気が出入りするようにしてある。
例えば、前記回転体2は、円板状の中央プレート20とリング状の外周プレート21を放射状の複数のリブ22で一体的に連結した複数の通気用開口部23を有した円板形状で、その中央プレート20に回転軸24が取付けてあると共に、前記各リブ22に羽根片25が設けてある。
前記装置本体1の取付本体10の中央部には孔14が形成してあり、この孔14に前記回転軸24を回転自在に挿入して支持することで回転体2を取付本体10に回転可能に取付けてある。
【0030】
前記第1の磁石5は回転体2の外周プレート21の裏面(回転体2の裏面)に、前記取付本体10と対向して固着してある。
前記第2の磁石6は取付本体10に、前記回転体2の外周プレート21と対向して固着してある。
この第1の磁石5と第2の磁石6は前記回転体2の回転中心(回転軸24)を中心とする同一の円形軌跡上に位置し、回転体2が図3で一方向(矢印a)に回転すると第1の磁石5が第2の磁石6に接近して反発力が生じ、その反発力で回転体2が他方向(矢印b)に回転する。
【0031】
前記着用具4に取付本体10をボルト等で固着しても良いし、着用具4と取付本体10を一体としても良い。
前記着用具4にカバー体11を前述のように取付け、又は一体としても良い。
前記薬剤保持体3は、容器31の代わりに、不織布よりなる薬剤含浸体3aの外周を2枚の枠で挟み固定したものでも良い。
【0032】
また、薬剤は有効成分の他に、溶剤、揮散調整剤、分解防止剤などからなる液製剤である。
本発明の薬剤拡散装置は、薬剤(有効成分)の拡散状況が着用者の動作状態及び使用の環境によって左右され不規則である。このことから、薬剤含浸体3aは有効成分の有無(効力の有無)を目視で確認できる製剤が好ましい。
製剤としては、薬剤として終点表示機能剤を添加した組成物とし、色変化などを目視する。
また、それ自体が表示機能を有する素材を用いることもできる。
製剤種として液剤に限定されず、ゲル化剤によるゲル製剤、昇華剤などからなる固体製剤などとして用いることもできる。製剤自体が減少、又は消滅し、目視で確認できる製剤が好ましい。
また、液剤と含浸物質を組み合わせ、液の減少を目視確認するようにしても良い。
【0033】
前記第2の磁石6はカバー体11に取付けても良い。
また、前記回転体2の第1の磁石5の取付位置としては、その裏面の外周寄り、又は回転体2の外周面、又は回転体2の表面の外周よりが好ましい。一方、取付本体10、又はカバー体11の第2の磁石6は、第1の磁石5に対向する取付本体10の表面の外周寄り、又は取付本体10の外周面内側、カバー体11内の外周面、又はカバー体11内の天面に取付ける。
【0034】
前記第1・第2の磁石5,6の取付け個数は、特に限定されない。
通常、回転体2(薬剤含浸体2a)が回転する往復距離(円周の長さ)が長くなるほど空気が撹拌されて多くの薬剤が揮散することから、磁石の取付け個数は各々1つが好ましい。また動作状態によるが、回転する往復距離が長くなると回転途中で反転することもあり、この場合、各々2つ取付ける、又は一方を1つ、他方を2つ取り付けるようにしても良い。このことから回転する往復距離(回転体2の外径寸法)に応じて取付け個数を決めることが望ましい。
【0035】
前記回転体2は、その裏面に中央から四方に向けて複数の羽根片25(8枚)を有する形状であるが、この羽根片25は回転体2の裏面、外周面、又は裏面と表面などに取付けても良いし、この羽根片25の枚数は限定されない。また、羽根片25の形状は自由であり、垂直形状、斜めに傾いた形状や湾曲した形状、更には通常のファン形状とすることもできる。
例えば、円板の表面に複数の羽根片を放射状に設けた回転体、円板の外周面に複数の羽根片を放射状に設けた回転体、羽根片を中心から外周に向けて直線状ではなく湾曲させた回転体、回転体をプロペラファンとしたもの、回転体をシロッコファンとしたもの等、任意な形状の回転体とすることができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態を図4、図5に基づいて説明する。
装置本体1の取付本体10とカバー体11を取り外しできないように連結し、そのカバー体1の開口部13aに薬剤保持体3を嵌合して着脱自在に取付ける。
例えば、カバー体11の表面板11aにおける開口部13aの周縁に複数のピン15を取付け、薬剤保持体3の容器31にフランジ34を設け、このフランジ34に形成した孔34aを前記ピン15に嵌合して薬剤保持体3を着脱自在に取付ける。
【0037】
前記カバー体11の表面板11aに開口部13aと連続した切欠部13cを形成し、この切欠部13cで空気室12を外部に連通して空気流通部13とする。
第1の磁石5は回転体2の表面に取付けられ、第2の磁石6はカバー体11(筒体11bの内周面)に取付けてある。
前記着用具4は紐4bで、取付本体10の孔16に挿通してある。
【0038】
次に、本発明の第3の実施の形態を図6、図7に基づいて説明する。
装置本体1のカバー体11を、表面板11aと筒体11bを有すると共に、その筒体11bの表面板11aと反対側に裏面に開口した取付用開口部17を有し、かつ筒体11bに着用具取付片18を一体的に設ける。
この着用具取付片18に着用具4を取付ける。例えば、フック4aをピン7で回転体2の回転方向に揺動自在に取付ける。
【0039】
前記回転体2は取付本体10に回転自在に取付ける。この回転体2は中央の円板26に羽根片25を放射状に複数取付けたもので、その円板26に回転軸24を取付け、その回転軸24を取付本体10の孔14に回転自在に支持してある。
前記第1の磁石5は羽根片25に取付けてある。
前記第2の磁石6は取付本体10に取付けてある。
前記取付本体10は、前記カバー体11の取付用開口17に嵌合して着脱自在に取付けられる。
前記薬剤保持体3は、薬剤含浸体3aの周囲に取付用のリング35を設けたもので、そのリング35をカバー体11の開口部13aに嵌合して取付けてある。
【0040】
このようであるから、カバー体11の取付用開口17から取付本体10を抜き出して取り外しすることで、その取付用開口部17から薬剤保持体3を抜き出してカバー体11から取り外しできるし、新しい薬剤保持体3を取付用開口部17から挿入して表面板11aの開口部13aにリング35を嵌合して取付けできる。
【0041】
次に、本発明の第4の実施の形態を図8、図9に基づいて説明する。
前記回転体2をシロッコファン形状とし、取付本体10に回転自在に取付けてある。
このようにすることで、回転体2が回転することで空気室12内の空気が撹拌されると共に、カバー体11の表面板11aと筒体11bとに亘って空気が流れる。
前記薬剤保持体3をリング形状の薬剤含浸体3aを有するものとし、カバー体11の筒体11bの内周面に沿って設ける。
これによって、前述の空気の流れによって薬剤含浸体3aの薬剤がより効率良く揮散することができる。
【0042】
前記着用具4は、身体に巻きつけて着用するものとしてある。
例えば、装置本体1の取付本体10に一側バンド40と他側バンド41を一体的に設け、その一側バンド40と他側バンド41に相互に係着、離脱する雄テープ片42、雌テープ片43を取付ける。
そして、一側バンド40と他側バンド41を身体(腕など)に巻きつけて雄テープ片42と雌テープ片43を係着することで取付する。
前記一側バンド40、他側バンド41は取付本体10に一体的に設けてあるが、別体としてピン等を利用して回動自在に連結するようにしても良い。
また、雄テープ片42、雌テープ片43の代わりにバックルタイプとしても良い。
【0043】
次に、本発明の第5の実施の形態を図10、図11に基づいて説明する。
この実施の形態は、カバー体11の外表面に薬剤保持体30を取付けるようにしたものである。
前記カバー体11の表面板11aに薬剤取付部、例えば複数の開口部13aを形成し、この薬剤保持体3を開口部13aに掛け止めして取付ける。
この場合には、薬剤保持体3を装飾形状とすることが好ましい。
【0044】
回転体2はプロペラファン形状としてある。例えば、回転板27にプロペラ28を放射状に複数取付けた形状とし、その回転板27に回転軸24を取付ける。
この回転軸24を取付本体10の孔14に回転自在に支承する。
【0045】
前述の各実施例の回転体2の形状、薬剤保持体3の取付け方、着用具4の形状は、図示の組み合わせに限ることはなく、任意に組み合わせることができる。
例えば、第1の実施の形態の回転体2を、シロッコファン形状、プロペラファン形状とする。
また、第1の実施の形態の着用具4を、バンドタイプとする。
【0046】
前述の各実施の形態において、回転体2をさらに効率良く回転させるために、ベアリングを介在させて回転軸24を孔14に支持するようにしても良い。
また、回転軸24を装置本体1側に回転自在に支持し、その回転軸24に回転体2の孔を嵌合して取付けることもできる。
また、薬剤保持体3、装置本体1の形状について円形に限定されない。また、薬剤保持体3と装置本体1の形状を同形状でなく異形状にしても良い。異形状にすることで空気の撹拌を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す全体正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】取付本体に回転体を取付けた状態の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す全体正面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す全体正面図である。
【図7】図6のC−C断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す全体平面図である。
【図9】図9のD−D断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す全体正面図である。
【図11】図10のE−E断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…装置本体、2…回転体、3…薬剤保持体、3a…薬剤含浸体、4…着用具、5…第1の磁石、6…第2の磁石、10…取付本体、11…カバー体、12…空気室。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間、家畜やペット等の動物などの身体に着用して、殺虫剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤、除菌剤などの揮散性の薬剤を身体の周囲に拡散し、人間などの身体の周りに寄る害虫を避けたり、香りでリラックスしたりする着用型薬剤拡散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に着用型の薬剤拡散装置が開示されている。
この装置は、本体内にモータでファンを回転する送風機と薬剤保持体と電池を設けて送風機を駆動することで吸込口から放出口に空気が流通し、その放出口から放出される空気とともに薬剤保持体の薬剤が大気に拡散される装置本体と、この装置本体に取付けた着用バンドを備え、その着用バンドによって装置本体を人体、動物の体などの身体に着用できる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−24161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の装置は、モータでファンを回転する送風機と、そのモータ用の電源となる電池を備えているので、そのモータ、電池のために重量が重く、装置本体が大きいから、身体に着用して使用する装置としては好ましくはない。
【0005】
また、電源として電池が使用され、電池は寿命がくると交換しなければならず、その交換作業の面倒さ、また費用もかかり経済的でない。また、寿命がきた電池はゴミとして廃棄処理問題がある。さらに電池は有害ゴミとなり環境問題を発生させる。
【0006】
前述のことを解決するには、送風機を使用せずに薬剤保持体から薬剤を自然揮散させ、モータ、電池を必要としないようにすれば良い。
しかし、前述のように薬剤保持体から薬剤を自然揮散するだけでは、その薬剤の揮散量が少なく、実用的ではない。
【0007】
そこで、前述の従来の装置において、モータ、電池を使用せずに、ファンを回転自在とし、身体の動きで装置本体を動作、例えば振るなどしてファンを回転させることが考えられるが、このようにしてファンを回転させるのでは、振る方向やタイミング等によって回転が弱いか、回転しないことがあり、ファンの回転の確実性に欠ける。
【0008】
本発明の目的は、モータ、電池を使用せずに多くの薬剤を確実に揮散することができる着用型薬剤拡散装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、取付本体10とカバー体11とで空気が流通する空気室12を有し、着用具4で身体に装着される装置本体1と、
前記装置本体1の空気室12内に回転自在に設けられ、その装置本体1が動作することで回転し、前記空気室12内の空気を撹拌する回転体2と、
前記カバー体11に、空気室12内の空気が撹拌されることで薬剤含浸体3aに空気が触れると共に、揮散した薬剤が大気に拡散するように取付けた薬剤保持体3と、
前記装置本体1と回転体2に取付けられ、当該回転体2の回転によって反発力が生じ、その回転体2が反対方向に回転して回転を助長する第1の磁石5と第2の磁石6を備えていることを特徴とする着用型薬剤拡散装置である。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、装置本体1を着用具4に、回転体2の回転方向に揺動可能に連結した着用型薬剤拡散装置である。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、回転体2が回転することで、空気室12内の空気が撹拌されると共に、その空気室12内と外部とに亘って空気の流れが生じるようにした着用型薬剤拡散装置である。
【0012】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、回転体2をシロッコファン形状として回転することでカバー体11の表面板11a、筒体11b方向に空気が流れるようにし、
このカバー体11の筒体11b内周面に沿ってリング形状の薬剤含浸体3aを有した薬剤保持体3を取付けた着用型薬剤拡散装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、身体を動かすことで装置本体1が動作し、それによって回転体2が回転することで薬剤保持体3の薬剤含浸体3aから薬剤が揮散し、大気に拡散する。
しかも、回転体2が一方向に回転すると第1の磁石5が第2の磁石6に接近して反発力が生じ、その反発力によって回転体2が他方向に回転し、再び第1の磁石5が第2の磁石6に接して反発力が生じて回転体2が一方向に回転する。
この動作を複数回繰り返すことで、回転体2は複数回往復回転する。
【0014】
このように装置本体1の動作による回転体2の回転を、第1の磁石5と第2の磁石6とで複数回の往復回転に助長するので、モータ、電池を使用せずに薬剤含浸体3aから多くの薬剤を確実に揮散して大気に拡散できる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、身体が動くことで装置本体1は着用具4に対して回転体3の回転方向に揺動するから、身体が動くだけで回転体2が必ず回転し、身体に着用して使用する薬剤拡散装置として好適である。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、回転体2が回転することで空気室12の空気が撹拌されると共に、外部とに亘って空気が流れるので、その空気が薬剤含浸体3aに十分に触れると共に、外部にスムーズに流れ、より多くの薬剤を揮散して大気に拡散することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、回転体2の回転によってカバー体11の表面板11aと筒体11bとに亘って空気が流れ、リング状の薬剤含浸体3aから多くの薬剤が揮散して大気に拡散することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
装置本体1と、この装置本体1に回転可能に設けた回転体2と、装置本体1に取付けた薬剤保持体3と、前記装置本体1に取付けた着用具4と、前記装置本体1と前記回転体2とに設けられて当該薬剤保持手段2の回転を助長する第1の磁石5、第2の磁石6で着用型薬剤拡散装置としてある。
【0019】
前記装置本体1は着用具4で人間、動物などの身体に着用される。例えば、人間の腰に吊り下げて着用される。
この装置本体1は、取付本体10とカバー体11とで空気室12を有している。この空気室12内には外気が流通可能としてある。
前記回転体2は、前記取付本体10に回転可能に支持され、装置本体1を動作することで回転し、前記空気室12内の空気が撹拌されるようにしてある。
前記薬剤保持体3は、薬剤有効成分を主成分とする薬剤(薬剤組成物)を含浸した薬剤含浸体3aを有し、その薬剤含浸体3aに空気が触れることで前記薬剤が揮散する。
前記薬剤保持体3は、カバー体11に、前記空気室12内の空気が撹拌されることで、その薬剤含浸体3aに空気が触れると共に、揮散した薬剤が大気に拡散するように取付けてある。
【0020】
前記第1の磁石5は回転体2に取付けてある。前記第2の磁石6は装置本体1、例えば取付本体10に取付けてあり、その回転体2が一方向に回転すると第1の磁石5が第2の磁石6に接近して反発力が生じるようにしてある。つまり、第1の磁石5と第2の磁石6の同極が対向することで反発力が生じる。
この反発力によって回転体2が他方向に回転し、再び第1の磁石5が第2の磁石6に接して反発力が生じて回転体2が一方向に回転する。
この動作を複数回繰り返しすることで、回転体2は複数回往復回転する。
【0021】
このように、回転体2が回転することで、空気室12内の空気が撹拌され、薬剤保持手段3の薬剤含浸体3aに対して空気が相対的に流動することになるので、多くの薬剤が揮散する。
しかも、第1の磁石5と第2の磁石6とで回転体2の回転が助長されて複数回往復回転するので、装置本体1を僅かに動作することで回転体2が確実に回転する。
したがって、モータ、電池を用いずに薬剤保持体3の薬剤含浸体3aから多くの薬剤を確実に揮散することができる。
【0022】
次に、各部の好ましい形態を説明する。
前記装置本体1の取付本体10に着用具4が取付けてある。
前記着用具4は、フック4aである。
そして、人間の腰に装着したベルトや、衣服のポケットにフック4aを引っ掛けて装置本体1を腰に吊り下げて使用する。
前記着用具4は、バンド、紐や鎖などでも良く、ベルト等に吊り下げたり腰や首など身体の一部に巻く付け吊り下げて使用することができる。
【0023】
この実施の形態では、前記着用具4をフック4aとすると共に、この着用具4に装置本体1(取付本体10)を回転体2の回転方向に沿って揺動自在に吊り下げ連結する。例えば、ピン7で揺動自在(首振り自在)に連結する。
【0024】
このようにすることで、着用具4の人間の腰のベルトに引っ掛けて吊り下げるようにして着用することで、人間が歩行などすることによって着用具4に対して装置本体1が揺動するので、回転体2が回転する。
したがって、回転体2が確実に連続して回転するので、より多くの薬剤を揮散することができる。
【0025】
前記カバー体11に空気流通部13が形成してある。
この空気流通部13によって空気室12が外部に連通し、その空気室12に空気が流通する。
前記カバー体11は取付本体10に着脱自在に取付けてある。
例えば、前記取付本体10は、プレート10aにリング状の突部10bを設けた形状とし、前記カバー体11を表面板11aと筒体11bを有し、その筒体11bが突部10bに嵌合して取付けられる。
【0026】
この実施の形態では、カバー体11の表面板11aに、薬剤保持体取付用の開口部13aが形成されていると共に、筒体11bにスリット状の開口部13bが複数形成され、この開口部13bで空気流通部13としてある。
【0027】
前記薬剤含浸体3aは、薬剤有効成分を主成分とする薬剤(薬剤組成物)を含浸した不織布などの通気性のシートとしてある。
前記薬剤保持体3は、通気用開口30を有した容器31に薬剤含浸体3aを入れ、通気用開口32を有した押えプレート33を容器31に嵌合してある。
前記容器31をカバー体11の開口部13a内に嵌合して着脱自在に取付けてある。
【0028】
このようであるから、カバー体11を取付本体10から取り外し、そのカバー体11から薬剤保持体3を取り外して、新しい薬剤保持体3を取付けた後に、そのカバー体11を取付本体10に取付けることで、薬剤保持体3を交換できる。
【0029】
前記回転体2は回転することで空気室12内の空気を撹拌し、空気室12内に空気が出入りするようにしてある。
例えば、前記回転体2は、円板状の中央プレート20とリング状の外周プレート21を放射状の複数のリブ22で一体的に連結した複数の通気用開口部23を有した円板形状で、その中央プレート20に回転軸24が取付けてあると共に、前記各リブ22に羽根片25が設けてある。
前記装置本体1の取付本体10の中央部には孔14が形成してあり、この孔14に前記回転軸24を回転自在に挿入して支持することで回転体2を取付本体10に回転可能に取付けてある。
【0030】
前記第1の磁石5は回転体2の外周プレート21の裏面(回転体2の裏面)に、前記取付本体10と対向して固着してある。
前記第2の磁石6は取付本体10に、前記回転体2の外周プレート21と対向して固着してある。
この第1の磁石5と第2の磁石6は前記回転体2の回転中心(回転軸24)を中心とする同一の円形軌跡上に位置し、回転体2が図3で一方向(矢印a)に回転すると第1の磁石5が第2の磁石6に接近して反発力が生じ、その反発力で回転体2が他方向(矢印b)に回転する。
【0031】
前記着用具4に取付本体10をボルト等で固着しても良いし、着用具4と取付本体10を一体としても良い。
前記着用具4にカバー体11を前述のように取付け、又は一体としても良い。
前記薬剤保持体3は、容器31の代わりに、不織布よりなる薬剤含浸体3aの外周を2枚の枠で挟み固定したものでも良い。
【0032】
また、薬剤は有効成分の他に、溶剤、揮散調整剤、分解防止剤などからなる液製剤である。
本発明の薬剤拡散装置は、薬剤(有効成分)の拡散状況が着用者の動作状態及び使用の環境によって左右され不規則である。このことから、薬剤含浸体3aは有効成分の有無(効力の有無)を目視で確認できる製剤が好ましい。
製剤としては、薬剤として終点表示機能剤を添加した組成物とし、色変化などを目視する。
また、それ自体が表示機能を有する素材を用いることもできる。
製剤種として液剤に限定されず、ゲル化剤によるゲル製剤、昇華剤などからなる固体製剤などとして用いることもできる。製剤自体が減少、又は消滅し、目視で確認できる製剤が好ましい。
また、液剤と含浸物質を組み合わせ、液の減少を目視確認するようにしても良い。
【0033】
前記第2の磁石6はカバー体11に取付けても良い。
また、前記回転体2の第1の磁石5の取付位置としては、その裏面の外周寄り、又は回転体2の外周面、又は回転体2の表面の外周よりが好ましい。一方、取付本体10、又はカバー体11の第2の磁石6は、第1の磁石5に対向する取付本体10の表面の外周寄り、又は取付本体10の外周面内側、カバー体11内の外周面、又はカバー体11内の天面に取付ける。
【0034】
前記第1・第2の磁石5,6の取付け個数は、特に限定されない。
通常、回転体2(薬剤含浸体2a)が回転する往復距離(円周の長さ)が長くなるほど空気が撹拌されて多くの薬剤が揮散することから、磁石の取付け個数は各々1つが好ましい。また動作状態によるが、回転する往復距離が長くなると回転途中で反転することもあり、この場合、各々2つ取付ける、又は一方を1つ、他方を2つ取り付けるようにしても良い。このことから回転する往復距離(回転体2の外径寸法)に応じて取付け個数を決めることが望ましい。
【0035】
前記回転体2は、その裏面に中央から四方に向けて複数の羽根片25(8枚)を有する形状であるが、この羽根片25は回転体2の裏面、外周面、又は裏面と表面などに取付けても良いし、この羽根片25の枚数は限定されない。また、羽根片25の形状は自由であり、垂直形状、斜めに傾いた形状や湾曲した形状、更には通常のファン形状とすることもできる。
例えば、円板の表面に複数の羽根片を放射状に設けた回転体、円板の外周面に複数の羽根片を放射状に設けた回転体、羽根片を中心から外周に向けて直線状ではなく湾曲させた回転体、回転体をプロペラファンとしたもの、回転体をシロッコファンとしたもの等、任意な形状の回転体とすることができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態を図4、図5に基づいて説明する。
装置本体1の取付本体10とカバー体11を取り外しできないように連結し、そのカバー体1の開口部13aに薬剤保持体3を嵌合して着脱自在に取付ける。
例えば、カバー体11の表面板11aにおける開口部13aの周縁に複数のピン15を取付け、薬剤保持体3の容器31にフランジ34を設け、このフランジ34に形成した孔34aを前記ピン15に嵌合して薬剤保持体3を着脱自在に取付ける。
【0037】
前記カバー体11の表面板11aに開口部13aと連続した切欠部13cを形成し、この切欠部13cで空気室12を外部に連通して空気流通部13とする。
第1の磁石5は回転体2の表面に取付けられ、第2の磁石6はカバー体11(筒体11bの内周面)に取付けてある。
前記着用具4は紐4bで、取付本体10の孔16に挿通してある。
【0038】
次に、本発明の第3の実施の形態を図6、図7に基づいて説明する。
装置本体1のカバー体11を、表面板11aと筒体11bを有すると共に、その筒体11bの表面板11aと反対側に裏面に開口した取付用開口部17を有し、かつ筒体11bに着用具取付片18を一体的に設ける。
この着用具取付片18に着用具4を取付ける。例えば、フック4aをピン7で回転体2の回転方向に揺動自在に取付ける。
【0039】
前記回転体2は取付本体10に回転自在に取付ける。この回転体2は中央の円板26に羽根片25を放射状に複数取付けたもので、その円板26に回転軸24を取付け、その回転軸24を取付本体10の孔14に回転自在に支持してある。
前記第1の磁石5は羽根片25に取付けてある。
前記第2の磁石6は取付本体10に取付けてある。
前記取付本体10は、前記カバー体11の取付用開口17に嵌合して着脱自在に取付けられる。
前記薬剤保持体3は、薬剤含浸体3aの周囲に取付用のリング35を設けたもので、そのリング35をカバー体11の開口部13aに嵌合して取付けてある。
【0040】
このようであるから、カバー体11の取付用開口17から取付本体10を抜き出して取り外しすることで、その取付用開口部17から薬剤保持体3を抜き出してカバー体11から取り外しできるし、新しい薬剤保持体3を取付用開口部17から挿入して表面板11aの開口部13aにリング35を嵌合して取付けできる。
【0041】
次に、本発明の第4の実施の形態を図8、図9に基づいて説明する。
前記回転体2をシロッコファン形状とし、取付本体10に回転自在に取付けてある。
このようにすることで、回転体2が回転することで空気室12内の空気が撹拌されると共に、カバー体11の表面板11aと筒体11bとに亘って空気が流れる。
前記薬剤保持体3をリング形状の薬剤含浸体3aを有するものとし、カバー体11の筒体11bの内周面に沿って設ける。
これによって、前述の空気の流れによって薬剤含浸体3aの薬剤がより効率良く揮散することができる。
【0042】
前記着用具4は、身体に巻きつけて着用するものとしてある。
例えば、装置本体1の取付本体10に一側バンド40と他側バンド41を一体的に設け、その一側バンド40と他側バンド41に相互に係着、離脱する雄テープ片42、雌テープ片43を取付ける。
そして、一側バンド40と他側バンド41を身体(腕など)に巻きつけて雄テープ片42と雌テープ片43を係着することで取付する。
前記一側バンド40、他側バンド41は取付本体10に一体的に設けてあるが、別体としてピン等を利用して回動自在に連結するようにしても良い。
また、雄テープ片42、雌テープ片43の代わりにバックルタイプとしても良い。
【0043】
次に、本発明の第5の実施の形態を図10、図11に基づいて説明する。
この実施の形態は、カバー体11の外表面に薬剤保持体30を取付けるようにしたものである。
前記カバー体11の表面板11aに薬剤取付部、例えば複数の開口部13aを形成し、この薬剤保持体3を開口部13aに掛け止めして取付ける。
この場合には、薬剤保持体3を装飾形状とすることが好ましい。
【0044】
回転体2はプロペラファン形状としてある。例えば、回転板27にプロペラ28を放射状に複数取付けた形状とし、その回転板27に回転軸24を取付ける。
この回転軸24を取付本体10の孔14に回転自在に支承する。
【0045】
前述の各実施例の回転体2の形状、薬剤保持体3の取付け方、着用具4の形状は、図示の組み合わせに限ることはなく、任意に組み合わせることができる。
例えば、第1の実施の形態の回転体2を、シロッコファン形状、プロペラファン形状とする。
また、第1の実施の形態の着用具4を、バンドタイプとする。
【0046】
前述の各実施の形態において、回転体2をさらに効率良く回転させるために、ベアリングを介在させて回転軸24を孔14に支持するようにしても良い。
また、回転軸24を装置本体1側に回転自在に支持し、その回転軸24に回転体2の孔を嵌合して取付けることもできる。
また、薬剤保持体3、装置本体1の形状について円形に限定されない。また、薬剤保持体3と装置本体1の形状を同形状でなく異形状にしても良い。異形状にすることで空気の撹拌を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す全体正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】取付本体に回転体を取付けた状態の正面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す全体正面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す全体正面図である。
【図7】図6のC−C断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示す全体平面図である。
【図9】図9のD−D断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示す全体正面図である。
【図11】図10のE−E断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1…装置本体、2…回転体、3…薬剤保持体、3a…薬剤含浸体、4…着用具、5…第1の磁石、6…第2の磁石、10…取付本体、11…カバー体、12…空気室。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付本体10とカバー体11とで空気が流通する空気室12を有し、着用具4で身体に装着される装置本体1と、
前記装置本体1の空気室12内に回転自在に設けられ、その装置本体1が動作することで回転し、前記空気室12内の空気を撹拌する回転体2と、
前記カバー体11に、空気室12内の空気が撹拌されることで薬剤含浸体3aに空気が触れると共に、揮散した薬剤が大気に拡散するように取付けた薬剤保持体3と、
前記装置本体1と回転体2に取付けられ、当該回転体2の回転によって反発力が生じ、その回転体2が反対方向に回転して回転を助長する第1の磁石5と第2の磁石6を備えていることを特徴とする着用型薬剤拡散装置。
【請求項2】
装置本体1を着用具4に、回転体2の回転方向に揺動可能に連結した請求項1記載の着用型薬剤拡散装置。
【請求項3】
回転体2が回転することで、空気室12内の空気が撹拌されると共に、その空気室12内と外部とに亘って空気の流れが生じるようにした請求項1又は2記載の着用型薬剤拡散装置。
【請求項4】
回転体2をシロッコファン形状として回転することでカバー体11の表面板11a、筒体11b方向に空気が流れるようにし、
このカバー体11の筒体11b内周面に沿ってリング形状の薬剤含浸体3aを有した薬剤保持体3を取付けた請求項1又は2記載の着用型薬剤拡散装置。
【請求項1】
取付本体10とカバー体11とで空気が流通する空気室12を有し、着用具4で身体に装着される装置本体1と、
前記装置本体1の空気室12内に回転自在に設けられ、その装置本体1が動作することで回転し、前記空気室12内の空気を撹拌する回転体2と、
前記カバー体11に、空気室12内の空気が撹拌されることで薬剤含浸体3aに空気が触れると共に、揮散した薬剤が大気に拡散するように取付けた薬剤保持体3と、
前記装置本体1と回転体2に取付けられ、当該回転体2の回転によって反発力が生じ、その回転体2が反対方向に回転して回転を助長する第1の磁石5と第2の磁石6を備えていることを特徴とする着用型薬剤拡散装置。
【請求項2】
装置本体1を着用具4に、回転体2の回転方向に揺動可能に連結した請求項1記載の着用型薬剤拡散装置。
【請求項3】
回転体2が回転することで、空気室12内の空気が撹拌されると共に、その空気室12内と外部とに亘って空気の流れが生じるようにした請求項1又は2記載の着用型薬剤拡散装置。
【請求項4】
回転体2をシロッコファン形状として回転することでカバー体11の表面板11a、筒体11b方向に空気が流れるようにし、
このカバー体11の筒体11b内周面に沿ってリング形状の薬剤含浸体3aを有した薬剤保持体3を取付けた請求項1又は2記載の着用型薬剤拡散装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−11239(P2009−11239A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176874(P2007−176874)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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