説明

着脱可能な動脈瘤頸部ブリッジ

【課題】閉塞部位(たとえば、動脈瘤)で他の閉塞デバイスを保持するために有用な移植可能な医療デバイスの提供、閉塞部位での医療デバイスの導入および組み込み(installing)に関する方法を包含する。保持具デバイスと、包含される血管閉塞物質またはデバイスの組み合わせはまた、本発明の1局面である。特に、本発明は、移植可能な保持具に関し、これは血管カテーテルのような細長い管状送達デバイスを通して送達可能である。
【解決手段】動脈瘤200において血管閉塞デバイス220を保持するための細長い管状送達デバイス204を介して送達可能な移植可能保持具212であって、以下:(a)近位端および遠位端を有するコアワイヤ、(b)接続部、ならびに、(c)該少なくとも1つのアレイ要素を包含する保持具アセンブリ、を包含する、移植可能保持具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、1997年8月13日に出願された、米国仮出願番号第60/05
5,566号が、通常の米国特許出願に変換されたものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、血管系における、首が広い(wide−necked)かまたは首
が狭い(narrow−necked)動脈瘤の、頚部ブリッジのためのデバイ
スである。一般にこれは、動脈瘤における、螺旋巻きコイルのような血管閉塞の
存在を安定させるために使用されるデバイスである。血管閉塞コイルは、好まし
くはコイルワイヤによって送達され、このコイルワイヤは、電気分解的に分離可
能な接合部によってコイルに連結される。このコイルワイヤはしばしば絶縁され
る。保持具アセンブリ自体はまた、別の電気分解的に分離可能な接合部に接続さ
れ、そして典型的にはいくらかの配列要素を有する。この配列要素は、デバイス
がカテーテルの遠位端から展開された後に動脈瘤中に常在性であることが意図さ
れる。この保持具の展開の後に、動脈瘤は少なくとも部分的に、螺旋巻きコイル
のような血管閉塞で充填される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
異なる移植可能な医療用デバイスが、多くの身体管腔に関連した病気の処置の
ために開発されてきた。特に、閉塞性デバイスは、血管性または他の身体空間の
充填に有用である。血管性動脈瘤のようないくつかの身体空間は、動脈壁の弱体
化によって形成される。これらの動脈瘤は、しばしば、脳卒中の部位の内部出血
および破局的部位である。種々の異なる塞栓性試剤は、少なくとも論証できこれ
らの開口部の処理のために適切であるとして公知である。これらの処置は、通常
「人工的な血管閉塞」として公知である。
【0004】
このようなクラスの塞栓性試剤の一つには、注射可能な流体または懸濁液(例
えば、ミクロフィブリルのコラーゲン、種々のポリマー性ビーズ)、およびポリ
ビニルアルコール泡状物が挙げられる。これらのポリマー性試剤はさらに架橋さ
れ得て(ときにはインビボで)、血管部位での試剤の持続性を伸ばす。これらの
薬剤はしばしば、カテーテルを通して血管内に導入される。このような導入の後
、物質はそこで固体空間充填塊を形成する。いくらかは非常に短期間の閉塞を提
供するが、多くは、血液中へのポリマーの吸収に従って、血管の再疎通を可能に
すると考えられる。別の手順においては、部分的に加水分解したポリ酢酸ビニル
(PVA)がエタノール溶媒中に溶解されてそして所望の血管部位に注射され、
これはParkらによって見出された。(弁護士事件番号第29025−201
12.00)米国特許出願第08/734,442、1996年10月17日出
願の「LIQUID EMBOLIC AGENTS」。
【0005】
他の物質(例えば、豚毛および金属粒子の懸濁液)もまた示唆され、閉塞を形
成することを希望するようなものによって使用される。
【0006】
他の物質には、ポリマー性樹脂、典型的にはシアノアクリレートが挙げられ、
これらはまた、注射可能な血管閉塞性物質として使用される。これらの樹脂は典
型的には、放射線不透過性対照物質と混合されるか、またはタンタル粉末の添加
によって放射線不透過性に作製される。これらの使用は、この混合物の配置が極
めて困難であるという問題を伴う。これらの物質は,人体とクロスリンクするよ
うな物質である。正常な血管系における不注意の塞栓症(樹脂の送付先の制御が
できなかったことによる)は、珍しいものではない。この物質はまた、一旦血管
系に配置されると回収が困難または不可能である。
【0007】
過去2、3年の間、血管および動脈瘤の人工的な閉塞は、血管閉塞性デバイス
としての金属コイルの送達および移植によって進歩してきた。血管系管腔または
動脈瘤における、人工的な閉塞デバイスとして有用な移植可能な金属コイルは、
本明細書中で「血管閉塞コイル」と呼ばれる。
【0008】
血管閉塞コイルは一般に、ワイヤ(通常、金属または金属合金からなる)で構
成され、らせん状にされる。多くのこのようなデバイスが、伸ばした線状形態で
カテーテルを通して、選択された標的部位に導入される。血管閉塞デバイスは、
カテーテルの遠位端からのデバイスの放出の際に不規則な形状であると仮定され
、種々の血管閉塞性コイルおよび編組(braid)が公知である。例えば、米
国特許第4,994,069号において、Ritchartらは、細い血管の血
管閉塞において使用するための可撓性の、好ましくはコイル状の、ワイヤを示す
。この場合に先に使用された血管閉塞性コイルとはことなり、Ritchart
は、完全に軟性のコイルであってかつカテーテル管腔中でプッシャーを使用する
部位に送達されるコイルを教示した。送達カテーテルからの放出の際に、コイル
は、この部位を充填するために使用されるランダムのまたはレギュラーのいくつ
かの形状をとる。コイルは、細い血管部位(例えば、直径0.5〜6mm)で使
用される。コイル自体は、直径0.010インチと0.030インチとの間で記
述される。コイルワイヤの長さは、典型的には閉塞されるべき血管の直径の15
〜20倍である。コイルを形成するワイヤは、例えば、直径0.002〜0.0
06インチであり得る。タングステン、白金、および金の針またはワイヤが好ま
しいとされる。これらのコイルは以下の種々の利点を有する;これらは比較的耐
久性がある、レントゲン写真で容易に画像化される、定義された血管部位に配置
され得る、および回収され得る。
【0009】
通常、これらの血管閉塞性デバイスは、Engelsonによって米国特許第
4,739,768号において開示されるタイプのようなマイクロカテーテルを
通して送達される。これらのマイクロカテーテルは、閉塞のために所望の部位中
または非常に近位の地点まで、ガイドワイヤを通す。コイルはマイクロカテーテ
ル(一旦ガイドワイヤが除去されると)および遠位端孔の外を通して前進し、そ
の結果、選択された空間を少なくとも部分的に充填し、そして閉塞を作成する。
【0010】
血管性閉塞デバイスまたはコイルの空間充填機構を部分的に決定する、予め決
定された第2の形状を有する、血管性閉塞デバイスまたはコイルに加えて、他の
血管閉塞性コイルが開示され、この血管閉塞性コイルは、送達シースから放出さ
れたときにランダムな形状を取る。このようなタイプの1つは、しばしば「液体
コイル」と呼ばれる血管閉塞性コイルである。このような血管閉塞性コイルの一
つの例は、係属中の米国特許出願第08/413,970(1995年3月30
日に出願)に開示される。この明細書は、例えば生理食塩水を使用する送達カテ
ーテルを通した流動注射可能な、非常に軟性および可撓性のコイルを記述する。
【0011】
血管閉塞性コイルの種々のタイプの空間充填機構および形状に加えて、コイル
の設計の他の詳細な特徴(例えば、所望の閉塞部位での血管閉塞性コイルの移植
、および送達カテーテルを通した血管閉塞コイル送達のための機構)もまた記述
されてきた。血管閉塞性コイルの送達機構に基づいた血管閉塞性コイルのカテゴ
リーの例には、押し可能コイル、機械的に取り外し可能コイル、および電気分解
的に取り外し可能コイルが挙げられる。
【0012】
上記で「押し可能コイル」として呼ばれる血管閉塞性コイルのタイプの一つの
例は、上記で議論したRitchartらによって開示される。押し可能なコイ
ルは通常カートリッジ中で提供され、カートリッジから送達カテーテル管腔中に
押されるかまたは「突っ込まれる」。プッシャーは、送達カテーテル管腔を通し
ておよび送達カテーテル管の外へおよび閉塞部位へ、押し可能コイルを進める。
【0013】
機械的に取り外し可能な血管閉塞性デバイスは、典型的にはプッシャー棒で組
み込まれ、送達カテーテルが抜け出た後に、プッシャーの遠位端から機械的に取
り外される。このような機械的に取り外し可能な血管閉塞性コイルの例は、En
gelsonの米国特許第5,261,916号またはPalermoの米国特
許第5,250,071号において見出される。
【0014】
最終的に、電気分解的に取り外し可能な血管閉塞性デバイスは、米国特許第5
,122,136号および同第5,354,295号(それぞれGugliel
miら)において見出され得る。これらのデバイスにおいて、アセンブリの血管
閉塞性部分は、小さな電気分解的に分離可能な接合部を介してプッシャーに接続
される。電気分解的に分離可能な接合部は、コアワイヤ上に適切な電圧をかける
ことによって分離される。接合部は、血管閉塞性デバイス自体またはプッシャー
のコアワイヤのいずれかに優先して侵食される。コアワイヤはしばしば単に絶縁
されて、電流の印可によって引き起こされた電気分解応答を防止する。
【0015】
電気分解的な取り外し機構の際のさらなる改善が記述され、ちょうど、199
4年3月3日に出願された米国特許第08/205,512号において見出され
る。この明細書では、直流信号の上に適度の交流電流を重畳することを記述する
。検出回路はコイルの取り外しが進行したという指標としての交流電流をモニタ
ーする。
【0016】
血栓形成性のまたは金属コイルに対する他の閉塞性組織応答の増強における改
善もまた、開示された。例えば、血管閉塞性コイルであって、それに接着された
繊維を有するコイルが公知である−−例えば、米国特許第5,226,911号
(Cheeら)を参照のこと。
【0017】
上述のデバイスのそれぞれは、動脈瘤の閉塞による処置において使用され得る
。上述のように、動脈瘤は、このような動脈瘤に固有の薄壁の破裂の可能性とい
う危険に依存して、特に急性の医学的なリスクを示す。血管閉塞性コイルの使用
による、隣接する動脈が閉塞することのない動脈瘤の閉塞は、特別の難題であり
、そして破裂のリスクを減少させる所望の方法である。
【0018】
上述のように、動脈瘤の処置における血管閉塞性コイルの使用が広がっている
。これらの血管閉塞性デバイスは以下の様式の動脈瘤中に配置される。初めに、
マイクロカテーテルが、典型的には操作可能なガイドワイヤの使用によって補助
されながら、動脈瘤中または動脈瘤の入り口の近位に操作される。次いでこのワ
イヤは、マイクロカテーテル管腔から取り除かれ、血管閉塞コイルに置き換えら
れる。この血管閉塞コイルは、マイクロカテーテルを通しておよびマイクロカテ
ーテルから進められる。望ましくは、動脈瘤中に完全に送達される。このような
コイルの動脈瘤中への送達の後、またはおそらくその間に、コイルの一部が動脈
瘤の入り口領域から、そして供給血管内へ移動し得るという特別のリスクがある
。この供給血管中のこのようなコイルの存在は、そこでの閉塞を引き起こすとい
う所望でない応答を起こし得る。また、血管および動脈瘤中での血流が、動脈瘤
からずっと遠くへとコイルの移動を誘導し得、その結果、患者の血管内で、より
発達した塞栓を生じるという定量化できるリスクもある。
【0019】
動脈瘤の一つのタイプ、通常「首の広い動脈瘤」として公知のものは、血管閉
塞性コイルの保持および配置が特に困難であると知られている。首の広い動脈は
、本明細書中で、首または隣接の血管からの「入り口領域」を有する血管壁の動
脈瘤として呼ばれ、その入り口領域は以下の(1)または(2)のいずれかの直
径を有する:(1)動脈瘤の最大の直径の少なくとも80%;または(2)臨床
的に観察されて、上記で議論された技術を使用して展開された血管閉塞性コイル
を効果的に保持するためには広すぎるとされたもの。
【0020】
さらに、実質的に二次的な形状で強度不足の血管閉塞性コイルは、動脈瘤中で
これらがどんなに巧みに配置されたとしても、その位置を維持することは困難で
あり得る。
【0021】
動脈瘤中に血管閉塞性コイルの存在を維持するためのデバイスとして開示され
たものはほとんどない。1つのこのようなデバイスが、米国特許第08/690
,183号(1996年7月26日に出願)、「ANEURYSM CLOSU
RE DEVICE ASSEMBLY」(弁護士事件番号第29025−20
162.00)に示される。この文書は多くのデバイスを記述し、その全てが、
動脈瘤外部の供給血管の管腔中に配置されるべきであり、その結果、コイルを動
脈瘤腔中に維持すると記載される。すなわち、保持具デバイスは血管外部の動脈
瘤に放出される。デバイスは血管壁上の放射状の圧力の存在を介して適所に保持
される。デバイスが放出され、適切な位置に設定された後に、マイクロカテーテ
ルは、保持具デバイスの後ろの管腔の中に挿入され、カテーテルの遠位端は動脈
瘤腔中に挿入される。1つ以上の血管閉塞性デバイスが動脈瘤腔中に導入される
。動脈瘤が大口(large mouth)動脈瘤であるか否かに関わらず、保
持具デバイスは、動脈瘤中のこの血管閉塞性デバイスの存在を維持する。
【0022】
動脈瘤閉鎖のための別のデバイスは、米国特許出願第08/588,195(
1996年1月18日に出願)、「ANEURYSM CLOSURE MET
HOD」(弁護士事件番号第29025−20136.00)に見出される。こ
の手順において、コイルまたは編組のような血管閉塞性デバイスは、その外部表
面にポリマー性組成物を有し、このポリマー性組成物は、人体中でインサイチュ
で再編成されるかまたは凝固される。デバイスは、動脈瘤中に容易に挿入され、
次いでポリマーが再編成されて(例えば、光の適用によって)、融解されるかま
たはそうでなければ血管閉塞デバイスへとポリマー外部が再編成される。次いで
、血管閉塞性デバイス自体は、その種々の接触部位で固着し、そして動脈瘤中に
全体の剛性塊を形成する。
【0023】
種々の他の血管閉塞性コイルおよびデバイスが存在し、本明細書中で特定され
得る。上記で提供された物質は、このようなデバイスを取り扱う特許および出版
物を例示するのみである。本明細書中で記述される構造のコイル無し保持具デバ
イスは、上述の参考文献のいずれかにおいて見られる。
【0024】
本願発明によって以下が提供される:
(1) 動脈瘤において血管閉塞デバイスを保持するための細長い管
状送達デバイスを介して送達可能な移植可能保持具であって、以下:
(a)近位端および遠位端を有するコアワイヤ、
(b)該コアワイヤの該遠位端と少なくとも1つのアレイ要素との間に延びた
接続部であって、該接続部は、該接続部に適切な電流を付加したときに電気分解
的に分離可能であり、該接続部は、該コアワイヤおよび該少なくとも1つのアレ
イ要素よりも比較的電気分解的分離されやすい、接続部、ならびに、
(c)該少なくとも1つのアレイ要素を包含する保持具アセンブリであって、
該保持具アセンブリは、該細長い管状送達デバイス内に保持された場合に第1の
送達形状を有し、遠位送達端と近位送達端とを有し、そして、該保持具アセンブ
リが該管状送達デバイス内に保持されない場合に第1の送達形状とは異なる第2
の展開形状を有し、遠位展開端と近位展開端とを有し、該少なくとも1つのアレ
イ要素は、該第2の展開形状で該接続部から外向きに延び、そしてここで、該コ
アワイヤからの電気分解的分離の後で、該保持具アセンブリが残りの接続部を包
含する、保持具アセンブリ、
を包含する、移植可能保持具。
(2) 前記コアワイヤがその近位端近傍からその遠位端近傍まで電
気絶縁層で覆われている、項目1に記載の移植可能保持具。
(3) 前記少なくとも1つのアレイ要素がプラチナを含有する、請
求項1に記載の移植可能保持具。
(4) 前記少なくとも1つのアレイ要素がタンタルを含有する、請
求項1に記載の移植可能保持具。
(5) 前記少なくとも1つのアレイ要素がステンレス鋼を含有する
、項目1に記載の移植可能保持具。
(6) 前記少なくとも1つのアレイ要素が超弾性合金を含有する、
項目1に記載の移植可能保持具。
(7) 前記少なくとも1つのアレイ要素の少なくとも一部分が放射
線不透過性材料で覆われている、項目1に記載の移植可能保持具。
(8) 前記放射線不透過性材料がプラチナである、項目7に記載
の移植可能保持具。
(9) 前記保持具アセンブリが前記第2の展開形状にある場合、前
記少なくとも1つのアレイ要素のそれぞれが前記接続部から遠くで終端する、請
求項1に記載の移植可能保持具。
(10) 前記保持具アセンブリが、前記少なくとも1つのアレイ要
素の近位で開く、複数の外部アレイ要素をさらに包含する、項目1に記載の移
植可能保持具。
(11) 前記外部アレイ要素が、前記アレイ要素の近位端の遠位で
開く、項目10に記載の保持具要素。
(12) 前記外部アレイ要素が前記接合部に対して概して垂直方向
に位置される、項目10に記載の移植可能保持具。
(13) 前記保持具アセンブリが第2の展開形状である場合に、前
記近位展開端が前記近位送達端の遠位である、項目1に記載の移植可能保持具

(14) 前記保持具アセンブリが第2の展開形状にある場合に、前
記近位展開端が前記近位送達端の遠位である、項目10に記載の移植可能保持
具。
(15) 前記第2の形状が血管動脈瘤の形状を近似する、項目1
に記載の移植可能保持具。
(16) 前記保持具アセンブリがある体積を囲み、前記移植可能保
持具が螺旋状創傷血管閉塞デバイスを含む、項目10に記載の移植可能保持具

(17) 体内腔内で使用するための装置であって、以下:
ワイヤ;
選択的に取り外し可能な接続部;
伸張可能なケージであって、該接続部は該ケージを該ワイヤに接続し;該伸張
可能なケージは潰れたまたは伸張した形態を仮定することができ、該伸張した形
態は、該ケージが制限がなくなったときに、該ケージによって専断される、ケー
ジ、
を包含し、
これにより、該ケージが該体内腔内での展開のために伸張する、装置。
(18) カテーテルをさらに包含する項目17に記載の装置であ
って、前記ワイヤおよび伸張可能なケージが、該ケージが前記潰れた形態をとる
とき、該カテーテルの内側で選択的に使い捨て可能であり、該ケージが前記伸張
した形態をとるとき、該カテーテルの外側で選択的に使い捨て可能である、装置

(19) 前記体内腔がそこに配置された少なくとも1つのコイルを
包含し、前記ケージが、該ケージが前記伸張した形態であるとき、該体内腔内に
該コイルを保持する、項目18に記載の装置。
(20) 前記体内腔が動脈瘤であり、前記カテーテルが前記ケージ
を該動脈瘤内に配置するために使用され、該ケージが、このようなケージが該カ
テーテルから該動脈瘤内に配置されるに従って、前記伸張した形態をとり、前記
コイルが該動脈瘤内に配置され、該ケージによってそこに保持される、項目1
9に記載の装置。
(21) 前記体内腔が血管であり、前記遊離コイルが該血管内に配
置され、前記ケージが、該ケージが前記伸張した形態であるとき、該遊離コイル
を該血管内に捕らえて、該捕らえられた遊離コイルが、該血管から該ケージとと
もに除去され得るようにする、項目18に記載の装置。
(22) 前記ケージが記憶を有する複数のワイヤから構成され、該
ケージが制限されていないときに、該ケージが該複数のワイヤによって記憶され
た予め偏った形状をとるようになる、項目17に記載の装置。
(23) 前記ケージが円筒型バレルの形状の複数のワイヤから構成
される、項目22に記載の装置。
(24) 前記円筒型バレルのケージが、該複数のワイヤが一般に共
に連結されている底頂端および上頂端を有する、項目23に記載の装置。
(25) 前記着脱可能な接続部が、前記ワイヤを前記ケージから取
り外すために、電気分解的に分解される、項目17に記載の装置。
(26) 前記着脱可能な接続部が電気分解的に分解可能な領域であ
る、項目17に記載の装置。
(27) 前記着脱可能な接続部が電気分解的に分解可能なビーズで
ある、項目25に記載の装置。
(28) 前記電気分解的に分解可能な領域が、前記ワイヤと前記ケ
ージとの間に連結された可撓性の電気分解的に分解可能なコイルを包含する、請
求項26に記載の装置。
(29) 前記電気分解的に分解可能な領域が、前記コイルを通して
延び、前記ケージに連結された、前記ワイヤのテーパー状先端をさらに包含する
、項目28に記載の装置。
(30) 前記ケージが複数のワイヤを包含し、各ワイヤが2つの末
端を有し、各該ワイヤの一方の末端が共通の頂端で共に連結され、各該ワイヤの
反対の末端が自由であり、該反対の自由な末端が曲線状フック形状を形成する、
項目17に記載の装置。
(発明の要旨)
本発明は、閉塞部位(たとえば、動脈瘤)で他の閉塞デバイスを保持するため
に有用な移植可能な医療デバイスを包含し、そして閉塞部位での医療デバイスの
導入および組み込み(installing)に関する方法を包含する。保持具
デバイスと、包含される血管閉塞物質またはデバイスの組み合わせはまた、本発
明の1局面である。特に、本発明は、移植可能な保持具に関し、これは血管カテ
ーテルのような細長い管状送達デバイスを通して送達可能である。代表的には、
移植可能な保持具は、近位端および遠位端の両方を有するコアワイヤを備える。
遠位端においてコアワイヤの遠位端および多数のアレイ要素の間を延長する接続
部である。この接続部は、この接続部に適切な電流を適用する際に電気分解的に
分離可能である。この接続部は、移植可能な保持具構成物の任意の残りより、電
流が適用された場合、比較的より電気分解的に分解可能である。最後に保持具ア
センブリ自体は、送達カテーテルを通して配置可能である形状(第1または送達
形状)である多数のアレイ要素を備え、カテーテルの遠位端から出る際、すぐに
動脈瘤カテーテルの内部形状に一致する所望の第2形状を呈する。次いで、分離
可能な接続部の電気分解は動脈瘤において保持具アセンブリの配置、および装着
された送達装置の除去を可能にする。次いで、動脈瘤において保持される血管閉
塞デバイスの配置は、動脈瘤におけるアレイ要素間の血管閉塞デバイスおよびそ
の送達管状部材(mmber)を単に導入することによって備えられ得る。
【0025】
アレイ要素それら自身は、接続部から動脈瘤腔へ単に延長するループであって
もアームであってもよい。保持具アセンブリは多数の「外部」アレイ部材を包含
し、これらは一般に、接続部の領域から放射状に延長し、展開後供給容器中に−
−動脈瘤中ではなく−−保持するために意図されることは、本発明の範囲内であ
る。これらの外部ループは、動脈瘤の縁または口がフィットし得るそれらの間の
環状領域を、内部アレイ要素とともに規定する。
【0026】
デバイスの種々の部分は、物質の選択によってまたは放射線不透過性ワイヤま
たはリボンの構成要素でラップすることによるような他の手順により放射線不透
過性になるように作成され得る。
【0027】
(発明の詳細な説明)
本発明は、血管閉塞デバイスを動脈瘤に配置した場合の、血管閉塞デバイスの
構造および配置を安定化する問題を解決するためのデバイスおよび手順に関する
。これらの保持具デバイスは、供給容器から標的部位へ入口ゾーンで障壁を形成
することによって、コイルのような1つ以上の閉塞デバイスの標的閉塞部位から
の移動を防止する。口から遠隔操作される保持具デバイスの残りは、一般に、動
脈瘤の口であるデバイスの部分への安定性を提供する。
【0028】
図1Aおよび図1Bは、代表的であるがデバイスの単純な変形を示し、ここに
おいて保持具アセンブリ(100)は、配置された動脈瘤の形状に接近させる形
状を有する。具体的には、保持具デバイス(100)は複数のアレイ要素(10
2)または「内部」アレイ要素(102)を有し、これらは電気分解接続部(1
04)から延長しそして電気分解接続部(104)の近傍にそれ自体を戻して連
結するように周りにあるループを形成する。もちろん、(104)の代わりに電
気分解接続部以外の接続部を使用することが可能である(たとえば、構造を確定
するための機械的な連結に頼る接続部)。しかし、接続部(104)は、このよ
うな接続部がそれらの配置において非常に機能的に柔軟であるので、望ましくは
電気分解的に分離可能である。つまり、動脈瘤保持具をどうにかして偏在させる
、コアワイヤ(106)がその送達カテーテルまたは他の適切な送達管状部材へ
このデバイスを引き出して戻すのに使用され得る事実は、非常に大きな利点であ
る。
【0029】
図1Aは本発明の保持具(100)の側面図であり、これは重要な本発明の別
の局面を示す。この変更において、アレイ部材(102)は近位端(108)お
よび遠位端(110)を有する。同様に、ここで慣例として、コアワイヤ(10
6)は、電気分解接続部(104)のちょうど近位にある遠位端(112)を有
する。ここで図1Aからわかり得るように、接続部(104)およびコアワイヤ
遠位端(112)は、両方とも保持具アセンブリ(108)の近位端から遠位に
配置される。この形状は、少なくとも2つの利点を有する。第一に、接続部それ
自体は、供給動脈に配置されず、そして実質的な妨害物の危険を有する血管にお
いて塞栓の形成を生じるべきではない。さらに、複数のアレイワイヤ(図1Bの
頂面図からわかり得るように)は、保持具デバイス(100)の頂部の骨格漏斗
(skeletal funnel)として特徴づけられ得るものを形成し、そ
して結果的に動脈瘤それ自体において、血管閉塞部材(示さず)の動脈瘤保持具
デバイスの内部容量への導入を可能にするための保持具デバイスにおけるカテー
テルの配置または再配置が単純化される。
【0030】
本発明のこの変更ならびに以下で議論する他のものは、カテーテルのような管
状部材を通して送達される。図1Aに示されるデバイスの形状は、保持具デバイ
ス(100)が送達の遠位端から押し出された後にわかる、いわゆる第二形状で
ある。保持具デバイス(100)は一般に、カテーテルを通して押し出されるの
で、比較的線状形状を有する。この主要または送達形状は、本質的には送達工程
の間カテーテルの内部の形状である。配置後、このデバイスは、図1Aに見られ
るようなその第二形状をとる。
【0031】
形状におけるこのような塊状の変化をおこすために、通常内部アレイ要素(1
02)が超弾性合金のような物質で製造されることが好ましい。超弾性または偽
弾性形状記憶合金は当該分野で周知である。たとえば、米国特許第3,174,
851号;同3,351,463号;および同3,753,700号の各々は、
より周知の超弾性合金の1つを記載する(また、Nitinolとして公知)。
これらの合金は、特定の温度でオーステナイト結晶構造から応力誘導マルテンサ
イト(SIM)構造へ変換されるそれらの能力によって特徴づけられ、次いで応
力が除去された場合、オーステナイト形状に弾性的に戻る。これらの交互の結晶
構造はその超弾性特性を有する合金を提供する。ちょうど上記の3つの特許にお
いて述べられる合金は、ニッケル−チタン合金である。それは、容易に市販入手
可能であり、そして−20℃と+30℃との間の種々の温度においてオーステナ
イト−SIM−オーステナイト転換を起こす。
【0032】
いったん応力が除去されると最初の形状に弾性的に回復する−−ほぼ完全に−
−それらの能力のため、これらの合金は特に適切である。代表的には、これらの
診療において、比較的高いひずみでさえ、ほとんど塑性変形がない。このことは
、保持具デバイス(100)が、圧潰させて管状送達デバイスを入れるにつれて
、そして血管系に戻って通過する際にさらなる屈曲を取り込むにつれての両方で
実質的な屈曲を取り込むことを可能にする。この屈曲にもかかわらず、ねじれま
たは屈曲を保持することなしに、いったん屈曲が妨害されてしまうと、その元の
形状に戻る。
【0033】
最近の入手可能な超弾性合金のうち、本発明者らは、名目上50.6±2%の
ニッケルおよび残りのほとんどはチタンである好ましい物質を考慮している。合
金の約5%までは、別のメンバーの鉄属の金属(特にクロムおよび鉄)であり得
る。この合金は、酸素、炭素、または窒素を百万分率で約500部より多く含む
べきではない。この物質の転移温度は特に重要ではないが、合理的には使用中オ
ースチナイト相であることを可能にするような人体の代表的な温度以下であるべ
きである。好ましくは、アレイ要素から製造したワイヤまたはリボンの直径は、
直径で約0.010インチより小さい。図10と組み合わせて以下で議論される
ように、代表的な超弾性合金は、蛍光透視下でいつも完全に可視であるわけでは
ない。結果として、いくつかの被覆のタイプを加えて放射線不透過性のデバイス
を改良することがしばしば望ましい。金および白金のような放射線不透過性金属
が周知である。
【0034】
本発明者らは、これらのデバイスが望ましくは超弾性合金から製造される構想
を議論してきたが、他の金属が特定の状況で適切であり得る。このような金属は
、超弾性合金でなければ、多数のステンレス鋼および他の高弾性を含む。さらに
、合金要素(102)がポリマー材料であることは、本発明の範囲内である。ポ
リマー材料はデバイスを形成する際に用いる処理を幾分容易にし、そしてまた動
脈瘤内の適切な部位に血管閉塞デバイスを維持するために適切であり得る。ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、種々のナイロンなど
のような材料は、本明細書中で示される目的のために当業者によって容易に選択
される。
【0035】
電解分解分離可能な接続部(104)は、犠牲連結とも呼ばれ得る。コアワイ
ヤ(106)は代表的には、血液または他のイオン性媒体中で電気分解を介して
分解を受けにくい電気絶縁体を用いて被覆される。コアワイヤ(106)のため
の適切な被覆には、ポリフルオロカーボン(たとえば、テフロン(登録商標))、ポリウレタ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドまたは他の適切なポリマー材料
のような絶縁材料が挙げられる。犠牲接続部(104)はこのような絶縁体で被
覆されず、そして血液中の電気分解を受けやすい材料である。接続部(104)
は、たとえばステンレス鋼コアワイヤ(106)の単に絶縁されていない延長部
分であり得、これは接続部の近位で絶縁されている。犠牲接続部(106)はア
レイ要素(102)より電気分解を受けやすいことも明白であるはずである。こ
のような接続部の構成、配置および他の物理的詳細のさらなる議論は、米国特許
第5,122,136号(Guglielmiら);同5,354,295号(
Guglielmiら);同5,624,449号(Phamら)などに見いだ
され得る。
【0036】
アレイ要素(104)は一般に、保持具デバイス(100)を通して、各々の
軸に対して規則的およびほぼ同じ形状であることがわかるが、このように明らか
である場合は必要ではない。保持具アセンブリが不規則な動脈瘤の形状にフィッ
トするために形状が不規則であることは、本発明内である。このようなデバイス
の配置は、いくつかのことを注意して行わなければならないが、いくつかの説明
で当業者の範囲内である。
【0037】
図2Aは、アレイ要素が2つの異なる種類である、本発明の保持具アセンブリ
(120)の別の変形を示す。アレイ要素(122)は、図1Aおよび図1Bに
示されるような同じ外形を有する。アレイ要素(122)は、動脈瘤中に直接延
びる。アレイ要素(124)は対になって、接続部(104)の部分から軸方向
に延びる。これらの軸方向に延びているループ(124)はまた、動脈瘤内に合
うように意図され、保持具デバイス(120)の配置に対する方向安定性を提供
する。単一の軸アレイ要素(122)のみが、図2Aおよび2Bに示される。本
発明は、明らかに、そのように限定されない。ほぼ垂直なアレイ要素(124)
は、同様に示されるものより大きなループを有し得る。再び、このデバイスは、
接続部(104)の電気分解による分離の後で、以前の接続部(104)を接続
された任意の要素の残部(126)が、この動脈瘤の供給血管内に延びないよう
な、その第2の形状に置かれる。この保持具アセンブリ(120)が、相当長い
がごくわずかな幅の動脈瘤を閉じるのを補助するために使用され得る。
【0038】
図3Aおよび3Bは、本発明のデバイスのさらに別の変形(140)を示す。
この変形は、1つの内部アレイ部材(142)を示すが、複数のアレイ部材が使
用され得る。さらに、図3Aおよび3Bは、複数の外部アレイ部材(144)を
示し、この部材は、動脈瘤が展開されたときに、動脈瘤の外側に残るように意図
される。これらの外部(exterior)または外側(outer)アレイ部
材(144)は、これより前に議論した図に示したものと同様の一般仕上げおよ
び物質である。
【0039】
図3Aおよび3Bに示すこのデバイス(140)の全体の構成が、図1A、1
B、2Aおよび2Bに示す変形と同様の様式で、その頂部にあることが意図され
得るが、この頚部形状は本発明の変形を完成するために示されている。この外部
アレイ部材(144)および内部アレイ部材(142)は、口輪(146)を介
して、おそらくはこのデバイス要素を一緒に圧着することによって、またはおそ
らくはこのデバイス要素を一緒に溶接することによって、コアワイヤ(150)
に取り付けられ得る。コアワイヤ(150)の電気分解性接続部(148)もま
た示される。本発明のこの変形はより好ましくない。なぜならば、口輪部材(1
46)が流れている動脈に存在し得る可能性のためである。
【0040】
図4Aおよび4Bは、別数の外部アレイ部材(162)を有する、本発明のデ
バイスの別の変形(160)を示す。動脈瘤の後壁が特に弱いと決定されるよう
ないくつかの場合、および動脈瘤の頸部がもっとも強い保持点であると考えられ
るいくつかの場合、図3A、3B、4Aおよび4Bに示されるようなデバイスが
、非常に有用であることに留意すべきである。動脈瘤内の単一ループアレイ部材
(164)の存在は、有用であり得る。
【0041】
図5Aおよび5Bは、本発明のデバイスの非常に単純な変形(170)を示す
。この変形は、動脈瘤内に配置されるべき単純な対のアレイ部材(172)であ
る。これもまた接続部材(174)を有し、この部材は、そこから内部部材(1
74)が延び得る部分であり得る。コアワイヤ(176)は、上記で議論した他
の配置とほとんど同様に、接続部材(174)から内側へ延びる。
【0042】
図6Aおよび6Bは、本発明のデバイスの非常に単純な変形(180)を示す
。この変形(180)において、アレイ部材(182)は、接続部(184)、
おそらくは接続部材(186)の部分から離れて延び、動脈瘤の底部に延びるル
ープを形成しない。このデバイスは、小さな表面コイルを有するように示される
(このコイルは、以下の図10に関してより詳細に議論される)。この変形にお
いて、接続部(184)から最も離れたアレイアーム(182)の末端が、動脈
瘤壁と接触する部分を形成し、従って、この保持具デバイス(180)に安定性
を与えることが、典型的であり得る。つまり、上記で議論した保持具(動脈瘤の
内側の複数の部位で接触させることによって保持具が動かないようになっている
)とは異なり、このデバイスは、その動脈瘤の最も遠い壁と接触するのみであり
得る。
【0043】
図7Aおよび7Bは、一般的に、図6Aおよび6Bのデバイスならびに図1A
、1B、2Aおよび2Bに示したデバイス両方の特徴の別の変形を示す。つまり
、本発明のデバイス(190)はアレイ部材(192)としてループを利用し、
この部材は動脈瘤の底部に延び得る。電気分解的分離のための接続部(194)
は、デバイス(190)の近位端中に引っ込む。アレイワイヤ(192)の上部
は、放射線不透過性の覆い(196)で覆われる。
【0044】
図1Aから7Bに示したデバイスの第2の形状は、保持具デバイスが大気中に
置かれたとき(すなわち、動脈瘤内でない)に起こる第2の形状であることが理
解されるべきである。ヒト体内でのこれらのデバイスの任意の配置は、第2の形
状を歪めるようである。これらのデバイスが実際に動脈瘤内でとる形状は、好ま
しくは上記で述べた図面に記載したものであるが、描かれたようでないこともあ
り得る。
【0045】
図8は、所望の電気分解性接続部構成の拡大部分断面図を示す。図8において
、コアワイヤ(200)は、それを覆う可塑性スリーブ(202)を有し、この
スリーブは偏りまたは角度(204)で切断されている。電気分解性接続部(2
06)は小さい不連続の領域であり、これは、その接続部の分離を促進するため
にその領域に電流を集める。好ましくは、接続部(208)にまさに近接する領
域もまた、絶縁体で覆われる。電気分解性接続部(206)は、アセンブリが分
離後のギザギザの縁部および尖点を防止することが合理的に可能である程度の遠
い遠位に配置される。この変形において、接続ブロック(210)は可塑性接続
部であり、ここに、両方の要素(212)(接続部(206)の遠位端)が埋め
込まれる。アレイ要素(214)もまた示され、これらは同様に、可塑性連結部
材(210)に埋め込まれる。この配置は、いくつかの利点を提供し得、この利
点とは、電流がコアワイヤ(200)に付与された場合、アレイ部材(214)
に電流が流れる傾向がないという点であり、なぜならば、これらは、連結ブロッ
ク(210)により絶縁されるからである。これは、接続部(206)の分離を
促進すると考えられる。
【0046】
図9は、接続部(206)および近位被覆(208)を備えたコアワイヤ(2
00)の遠位端の別の拡大部分断面図を示す。図8に示した変形と図9に示した
変形との間の主要な違いは、口輪(220)を使用して、アレイ部材(214)
が遠位部材(212)に圧着されていることである。このような口輪(220)
は、アレイ部材(214)をコアワイヤ(220)に単に機械的につけられ得る
か、または追加の接続配置(例えば、溶接など)が用いられ得る。遠位要素(2
12)の近位端にギザギザの接続部が作製される可能性のため、ハンダ付けが典
型的には望ましくないが、いくつかの場合には、それをハンダ付けする事も許容
され得る。
【0047】
図10は、内部ワイヤ(222)およびその外部周りに覆われた放射性不透過
性コイル(224)を有するアレイアーム(220)の部分切断図を示す。外部
ワイヤ(224)はまた、本発明の教示を用いる設計者により好ましい変形であ
る場合、外部リボンなどであり得る。コイル(224)は、デバイス全体(22
0)のための単なる放射性不透過物である。
【0048】
このデバイスは、以下の様式で展開され得る。図11Aは、動脈壁(202)
から広がる漿果状動脈瘤(200)を示す。遠位端に放射性不透過性帯(206
)を有するカテーテル(204)が示される。カテーテル(204)の遠位端は
、動脈瘤(200)の開口部(208)内に延びる。図11Bは、上記で議論し
たものと類似した形状を有する保持具デバイス(212)を示す。本発明の保持
具(212)のこの変形は、内部アレイ部材(214)および外部アレイ部材(
216)を有する。外部アレイ部材(216)が動脈瘤(200)の外部にあり
、残りのアレイ部材(214)が動脈瘤(200)の内部にあることにもまた留
意すべきである。様々なアレイ部材が、任意の様々な有効なまたは有害な方法(
ある種の破裂が起こらないように)で、動脈瘤を挟むべきでないことはおそらく
明白であるはずである。
【0049】
図11Cにおいて、コアワイヤ(218)に電圧が付与され、電気分解性接続
部が溶解されていることが理解され得る。次いで、コアワイア(218)がカテ
ーテル(204)から取り除かれ、捨てられる。図11Cにおいて、保持具デバ
イス(212)に隣接した接続部の領域が動脈流(202)から引っ込められる
こともまた分かり得る。
【0050】
図11Dにおいて、カテーテル(204)が動脈瘤(200)の頸部内に再び
導入され、多数の血管閉塞デバイス(この場合、コイル(220))が保持具ア
センブリ(212)により形成される容積内に導入される。
【0051】
図11Eは、血管閉塞コイル(220)のインプラントを有する供給血管から
のカテーテル(204)の引き抜きを示し、これらの安定化保持具アセンブリ(
212)が完成する。
【0052】
多くの変更および改変が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当
業者によってなされ得る。例示した実施態様は、明瞭化の目的で示されており、
実施例は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明を限定するものとしてとら
えられるべきではなく、現在または後のいずれに考案されるかに関わらず、全て
の相当物を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1Aは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の側面図である。図1Bは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の頂面図である。
【図2】図2Aは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の側面図である。図2Bは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の頂面図である。
【図3】図3Aは、この場合において動脈瘤の外側に配置されるアレイを含む、本発明の動脈瘤保持具の頂面図である。図3Bは、この場合において動脈瘤の外側に配置されるアレイを含む、本発明の動脈瘤保持具の側面図である。
【図4】図4Aは、本発明の動脈瘤保持具の頂面図を示す。図4Bは、本発明の動脈瘤保持具の側面図を示す。
【図5】図5Aは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の側面図を示す。図5Bは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の頂面図を示す。
【図6】図6Aは、アレイ部材がループではない本発明の動脈瘤保持具の1変形の側面図を示す。図6Bは、アレイ部材がループではない本発明の動脈瘤保持具の1変形の頂面図を示す。
【図7】図7Aは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の側面図を示す。図7Bは、本発明の動脈瘤保持具の1変形の頂面図を示す。
【図8】図8は、本発明において使用するために適切な電気分解接続部の拡大部分断面図である。
【図9】図9は、本発明において使用するために適切な電気分解接続部の部分断面図である。
【図10】図10は、本発明における使用にまた適切な放射線不透過性ワイヤを用いてラップしたアレイ部材の拡大部分断面図を示す。
【図11】図11Aは配置する方法、本発明に従って作成されたデバイスおよびその中の血管閉塞デバイスを示す。図11Bは配置する方法、本発明に従って作成されたデバイスおよびその中の血管閉塞デバイスを示す。図11Cは配置する方法、本発明に従って作成されたデバイスおよびその中の血管閉塞デバイスを示す。図11Dは配置する方法、本発明に従って作成されたデバイスおよびその中の血管閉塞デバイスを示す。図11Eは配置する方法、本発明に従って作成されたデバイスおよびその中の血管閉塞デバイスを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書等に記載されるような、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−173497(P2008−173497A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55631(P2008−55631)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【分割の表示】特願2000−509353(P2000−509353)の分割
【原出願日】平成10年8月4日(1998.8.4)
【出願人】(500013418)ボストン サイエンティフィック リミテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Boston Scientific Limited
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 1317 Seaston House,Hastings Christ Church, Barbados
【Fターム(参考)】