説明

着色コンタクトレンズに使用される光吸収性プレポリマーおよびその製造方法

本発明は、約7,000と約100,000との間の分子量を有する光吸収性プレポリマーであって、少なくとも一つの反応性着色剤から誘導された重合性単位と、親水性モノマー類、疎水性モノマー類およびこれらの混合物からなる群より選択されたモノマー類とを含む、光吸収性プレポリマーを含む、組成物に関するものである。本発明の組成物は、コンタクトレンズを含む眼用装置の製造に有用である。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、着色コンタクトレンズの製造に有用な着色剤に関するものである。具体的には、本発明は、コンタクトレンズを着色するための一ステップ工程、および、当該工程に使用される着色剤を提供するものである。
【0002】
〔発明の背景〕
虹彩の天然色を変更するために、着色コンタクトレンズを使用することは周知である。一般に、着色コンタクトレンズの着色部分は、レンズ中央部分内に配置されており、レンズ装用者の瞳孔および虹彩のいずれか一方または両方に被さることになる。また、コンタクトレンズを着色する際に、視認できる着色、または、着色ロケータ(locator tint)として、レンズ全体が薄く着色されうることも周知である。
【0003】
着色レンズを製造するために使用される着色剤は、一般に、結合性ポリマーと顔料とから構成されている。公知の着色剤は、安定した着色レンズを形成するために、レンズ材料と結合性ポリマーとの共有結合を形成する架橋剤の使用を必要とする。「安定した着色レンズ」とは、着色がレンズから、またはレンズの一部から別の部分に、流出しない、あるいは、浸出しないことを意味する。さらに、着色レンズを形成する一部の公知方法において、着色剤がレンズ上に導入される前に、レンズ本体が形成される必要がある。他の工程および着色剤は、単独で使用されるための複数のステップ、あるいは、着色剤からレンズの外側部分を保護するための特殊なリングとの組み合わせで使用されるための複数のステップを必要とする。
【0004】
したがって、着色レンズを製造するための公知の着色剤および工程は、通常のレンズの製造方法に、付加時間および追加材料の一方または両方を導入することになる。このため、着色剤、および、この着色剤を使用してコンタクトレンズを製造するための方法では、公知の着色剤およびレンズ製造方法の欠点の一部または全部を解消する必要がある。
【0005】
〔本発明および好適な実施の形態の詳細な記述〕
本発明は、着色コンタクトレンズの製造に使用される着色剤、および、本発明の着色剤を用いてコンタクトレンズを着色するための方法を提供するものである。本発明の着色剤が成形型の表面からレンズ材料へ移行することを考えると、その着色剤の移行は、ある意味で、当該着色剤を用いて印刷された模様の高分解能の画像を最終製品のレンズに対して付与することになる。
【0006】
一つの実施の形態において、本発明は、コンタクトレンズを着色する際に使用される着色剤を提供するものであり、当該着色剤は、一つ以上の光吸収性プレポリマーを含むものであり、当該プレポリマーから本質的になるものであり、そして、当該プレポリマーからなるものである。他の実施の形態において、本発明は、着色コンタクトレンズを製造するための方法を提供するものであり、当該方法は、a)少なくとも一つの光吸収性プレポリマーを含む少なくとも一つの着色組成物を、着色有効量で、成形型の成形型表面に塗布するステップ;b)当該成形型内に、レンズ形成量のレンズ材料を注入するステップ;c)当該レンズ材料中で当該着色組成物を膨潤させて当該着色組成物中に当該レンズ材料を拡散させるステップ;および、d)着色コンタクトレンズを形成する上で適した条件下で、当該成形型内で当該レンズ材料を硬化させるステップを含むものであり、当該複数のステップから本質的になるものであり、そして、当該複数のステップからなるものである。さらに他の実施の形態において、本発明は、着色コンタクトレンズの製造に使用される成形型を提供するものであり、当該成形型は、第1および第2の成形型半体を含むものであり、当該二つの半体から本質的になるものであり、そして、当該二つの半体からなるものであり、当該第1および第2の成形型半体の少なくとも一つの成形型表面が、一つ以上の光吸収性プレポリマーを含む着色組成物を含むものであり、当該着色組成物から本質的になるものであり、そして、当該着色組成物からなるものであり、当該光吸収性プレポリマーがレンズ材料との相互貫入高分子網目構造を形成できるものである。
【0007】
本発明の目的上、「相互貫入高分子網目構造(interpenetrating polymer network)」すなわち「IPN」は、一方のポリマーが他方のポリマーの存在下で合成される、および/または、架橋されるような二つ以上の独立ポリマー(independent polymers)の組み合わせとして定義される。したがって、ある程度の相互貫入は、網目構造内で生じている。通常、IPN(相互貫入高分子網目構造)を形成するために使用される独立ポリマーは、網目構造の形態である。IPN(相互貫入高分子網目構造)の一種、具体的には半IPN(半相互貫入高分子網目構造)は、架橋された一つ以上のポリマー類と、実質的に架橋されていない一つ以上のポリマー類とから構成されており、この点については、クレンプナー(Klempner)、スパーリング(Sperling)、および、ウトラッキ(Utracki)により編集された「相互貫入高分子網目構造(Interpenetrating Polymer Networks)」(1994年)第3頁〜第6頁のスパーリング・エル・エイチ(Sperling L.H.)による「相互貫入高分子網目構造:概説(Interpenetrating Polymer Networks: An Overview)」に開示されている。本発明の目的上、使用される相互貫入高分子網目構造の種類は、半IPNである。一つの実施の形態において、半IPNは、架橋されるレンズ材料と、実質的に架橋されていない少なくとも一つの光吸収性プレポリマーを含む着色組成物とを用いて形成される。本発明の目的上、「実質的に架橋されていない」とは、架橋されていない材料が、当該レンズ材料と接触する前に、従来の架橋条件にさらされないことを意味する。半IPNは、一ステップで形成されてもよく、あるいは、連続的な半IPN(sequential semi-IPNs)として知られた一連のステップで形成されてもよい。この技術分野における当業者は、架橋剤が、添加により存在する場合、あるいは、不純物として存在する場合のいずれでも、連続的な相互貫入高分子網目構造の形成に好ましい反応環境を創出できることを認識するはずである。
【0008】
本発明の目的上、「成形型表面」とは、レンズ表面を形成するために使用される成形型の表面を意味する。
【0009】
本発明の光吸収性プレポリマー類は、眼用装置を形成するために、また一つの実施の形態ではコンタクトレンズを形成するために適した、あらゆるモノマー類から調製されてもよい。例えば、光吸収性プレポリマー類は、親水性モノマー類、疎水性モノマー類、および、これらの混合物を含むモノマー類から調製されてもよい。適切な親水性モノマー類の一種は、アクリル基含有モノマー類またはビニル基含有モノマー類を含む。用語「ビニル系」すなわち「ビニル基含有」のモノマー類は、ビニル基(-CH=CH2)を含有するモノマー類を云うものであり、一般的に、反応性が高いものである。このような親水性のビニル基含有モノマー類は、比較的容易に重合化するものとして公知である。
【0010】
「アクリル系」すなわち「アクリル基含有」モノマー類は、アクリル基:(CH2=CRCOX)を含有するモノマー類であり、ここで、Rは水素原子またはCH3であり、Xは酸素原子または窒素原子であり、当該モノマー類も、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸等、容易に重合化するものとして公知である
【0011】
本発明の光吸収性プレポリマー類に導入されることがある親水性のビニル基含有モノマー類は、N-ビニルアミド類、N-ビニルラクタム類(例えば、N-ビニルピロリドン(NVP))、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド等のモノマー類を含み、N-ビニルピロリドン(NVP)が好適とされる。
【0012】
本発明に利用され得る他の親水性モノマー類は、重合性の二重結合を含有する官能基で置換された一つ以上のヒドロキシル末端基を有するポリオキシエチレンポリオール類を含む。この例は、カルバメートまたはエステル基等の連結部分を介してポリエチレンポリオールに結合した一つ以上の重合性のオレフィン系末端基を有するポリエチレンポリオールを生成するために、イソシアナトエチルメタクリレート(「IEM」)、メタクリル酸無水物、メタクリロイルクロリド、ビニルベンゾイルクロリドまたはこれらの同類等の一モル当量以上の末端修飾基と反応した、ポリエチレングリコール、エトキシル化アルキルグルコシドおよびエトキシル化ビフェノールAを含む。
【0013】
さらに他の例としては、米国特許第5,070,215号明細書に開示された親水性ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートのモノマー類、および、米国特許第4,910,277号明細書に開示された親水性オキサゾロンモノマー類がある。他の適切な親水性モノマー類は、この技術分野における当業者にとって明白なはずである。
【0014】
一つの実施の形態において、親水性モノマー類は、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-ビニルピロリドン(NVP)、N-ビニル-N-メチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸等の少なくとも一つの親水性モノマーを含み、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)が最も好適とされる。
【0015】
親水性モノマー類は、所望特性の特定のバランスによって決まる広い範囲の量で、光吸収性プレポリマー中に存在してもよい。光吸収性プレポリマーを調製するために使用される全成分に基づく親水性モノマーの含有率は、約10重量%と約100重量%との間、一部の実施の形態では約1重量%と約50重量%との間、また他の実施の形態では約1重量%と約30重量%との間で許容される。
【0016】
眼用装置がシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである場合に、光吸収性プレポリマーを調製する際のモノマーとして、少なくとも一つの疎水性成分、また一部の実施の形態では少なくとも一つのシリコーン含有成分を含むことが望ましいことがある。含有され得る疎水性モノマーの一種は、少なくとも一つの[-Si-O-]を含有する「シリコーン含有成分」である。好適には、全ケイ素原子(Si)、および、これらのケイ素原子に結合した酸素原子(O)は、シリコーン含有成分の全分子量に対して、約20重量%を超える量で、より好ましくは30重量%を超える量で、当該シリコーン含有成分中に存在している。有用なシリコーン含有成分は、単官能基を有し、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミドおよびスチリルの各官能基等の重合性官能基の1つを含む。適切なシリコーン含有成分は、式I
【化1】


で示される化合物を含む。
ここで、R1は、それぞれ独立して、一価の反応基である一価のアルキル基または一価のアリール基であって、これらのいずれも、ヒドロキシ、アミノ、オキサ(oxa)、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲンまたはこれらの組み合わせから選択された官能基をさらに含むことができる、一価のアルキル基または一価のアリール基;および、1個〜100個の[-Si-O-]反復単位を含有し、かつ、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲンまたはこれらの組み合わせから選択された官能基をさらに含むことができる一価のシロキサン鎖から選択されるものであり、
bは0〜500であり、ここで、bが0以外のときは、bは表示値に等しいモードを有する反復単位数(distribution)であると理解され、
一つのR1は、一価の反応基を含む。
【0017】
この明細書で使用されているように、用語「一価の反応基」は、フリーラジカル重合および/またはカチオン重合に耐えられる基である。限定されないフリーラジカル反応基の例は、アクリレート(メタクリレート)、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C1-6アルキルアクリレート(C1-6アルキルメタクリレート)、アクリルアミド(メタクリルアミド)、C1-6アルキルアクリルアミド(C1-6アルキルメタクリルアミド)、N-ビニルラクタム、N-ビニルアミド、C2-12アルケニル、C2-12アルケニルフェニル、C2-12アルケニルナフチル、C2-6アルケニルフェニルC1-6アルキル、O-ビニルカルバメートおよびO-ビニルカーボネートを含む。限定されないカチオン反応基の例は、ビニルエーテルまたはエポキシド基、および、これらの混合物を含む。一つの実施の形態において、フリーラジカル反応基は、アクリレート(メタクリレート)、アクリロキシ、アクリルアミド(メタクリルアミド)、および、これらの混合物を含む。
【0018】
適切な一価のアルキル基およびアリール基は、置換型および非置換型のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2-ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これら各基の組み合わせ、および、これらの同類の基等、一価の非置換型C1アルキル基〜C16アルキル基、C6-C14アリール基を含む。
【0019】
一つの実施の形態において、bが0であり、1個のR1が一価の反応基であり、少なくとも3個のR1が1個〜16個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択されるものであり、また他の実施の形態では1個〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択されるものである。この実施の形態において、限定されないシリコーン含有成分の例は、2-メチル-,2-ヒドロキシ-3-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiMMA」)、2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピルオキシプロピル-トリス(トリメチルシロキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、3-メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3-メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、およびこれらの混合物を含む。
【0020】
他の実施の形態において、bが2〜20、3〜15、あるいは、一部の実施の形態では3〜10であり、少なくとも1個の末端R1が一価の反応基を含み、残りのR1が1個〜16個の炭素原子を有する一価のアルキル基から、また他の実施の形態では1個〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基から選択されるものである。さらに他の実施の形態において、bが3〜15であり、1個の末端R1が一価の反応基を含み、他の末端R1が1個〜6個の炭素原子を有する一価のアルキル基を含み、残りのR1が1個〜3個の炭素原子を有する一価のアルキル基を含む。この実施の形態において、限定されないシリコーン含有成分の例は、(モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピル)-プロピルエーテル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:400〜1000)(「OH-mPDMS」)、モノメタクリロキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:800〜1000)(「mPDMS」)等のポリジアルキルシロキサン類を含む。
【0021】
他の実施の形態において、bが5〜400または10〜300であり、両末端R1が一価の反応基を含み、残りのR1が、それぞれ独立して、1個〜18個の炭素原子を有すると共に、炭素原子間にエーテル結合を有することができ、かつ、ハロゲンをさらに含有することができる、一価のアルキル基から選択されるものである。
【0022】
他の実施の形態において、1個〜4個のR1が式:
式II
【化2】

で示されるビニルカーボネートまたはビニルカルバメートを含む。
ここで、Yは、O-、S-、または、NH-を示すものであり、
Rは、水素原子またはメチル基を示すものであり、dは、1、2、3または4であり、qは、0または1である。
【0023】
シリコーン含有ビニルカーボネートまたはビニルカルバメートのモノマー類は、具体的には、1,3-ビス[4-(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブチル-1-イル]テトラメチル-ジシロキサン(1,3-bis[4-(vinyloxycarbonyloxy)but-1-yl]tetramethyl-disiloxane);3-(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル-[トリス(トリメチルシロキシ)シラン];3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート;3-[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルメチルビニルカーボネートを含む。
【0024】
一つの実施の形態において、プレポリマーを調製するために使用される複数の成分は、眼用装置を形成するために使用される複数の成分から選択される。他の実施の形態において、眼用装置は、シリコーンヒドロゲルから形成され、かつ、光吸収性プレポリマーは、2-メチル-,2-ヒドロキシ-3-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiMMA」)、2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピルオキシプロピル-トリス(トリメチルシロキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、3-メタクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3-メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、(モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピル)-プロピルエーテル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:400〜1000)(「OH-mPDMS」)、モノメタクリロキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:800〜1000)、これらの混合物、および、これらの同類から選択された少なくとも一つのシリコーン含有成分を含む。他の実施の形態において、光吸収性プレポリマーは、3-メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、(モノ-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシプロピル)-プロピルエーテル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:400〜1000)(「OH-mPDMS」)、モノメタクリロキシプロピル末端モノ-n-ブチル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:800〜1000)、これらの混合物、および、これらの同類から誘導された反復単位を含む。
【0025】
光吸収性プレポリマーは、該光吸収性プレポリマーと共有結合する少なくとも一つの反応性着色剤をも含む。反応性着色剤は、当該光吸収性プレポリマーを調製するために使用される反応性混合物に添加されてもよく、あるいは、当該光吸収性プレポリマーの骨格部上にグラフト化されてもよい。一つの実施の形態において、光吸収性プレポリマーは、このプレポリマー骨格部上にグラフト化されている。多くの光吸収性化合物は、嵩張っており、比較的遅い反応速度を呈する。これらの実施の形態において、グラフト化処理は、反応条件の範囲で、所望の分子量分布を有するプレポリマー骨格部の生成を可能にする。したがって、適切な反応性着色剤は、反応基を含む。
【0026】
反応性着色剤の色の強さ、すなわち、色合いを実質的に劣化させずに、反応基を含有させるように修飾され得る、いずれの着色剤も使用されてもよい。適切な着色剤化合物は、ビニルスルホン系染料、フタロシアニン系染料、ハロトリアジン系染料(halotriazine dyes)、クロロアセチル系染料、α-ブロモクリロイル系染料(α-bromocryloyl dyes)、これらの組み合わせ、および、これらの同類の染料を含む。一つの実施の形態において、着色剤化合物は、少なくとも一つのビニルスルホン系染料、クロロトリアジン系染料、および、これらの混合物を含む。反応性混合物中のモノマー類、または、プレポリマー上の任意の反応性官能基と反応できる、いずれの反応基が使用されてもよい。適切な反応基は、結合性ポリマーを調製するために使用されるモノマー類に従って、この技術分野における当業者によって容易に選択されてもよい。例えば、反応性着色剤が反応性混合物に導入されてプレポリマーを調製する場合における複数の実施の形態では、フリーラジカル反応基が含有されてもよい。反応性着色剤がプレポリマーへの結合部分にグラフト化されることになる場合における複数の実施の形態において、反応性着色剤上の適切な反応基は、プレポリマー上の有効な基と反応させるために選択されてもよい。例えば、仮に、2-ヒドロキシエチルメタクリレートがモノマーとして使用されてプレポリマーを調製する場合に、反応性着色剤上の反応基は、エステルまたは酸等、ヒドロキシル基と共有結合を形成する複数の反応基から選択されるはずである。グラフト化用の他の適切な基は、縮合型反応、芳香族求核置換反応、ミカエル型付加反応、標準的なSN2型求核反応、および、これらの同類の反応に耐えられる基を含む。一つの実施の形態において、着色剤は、ミカエル型付加反応によりプレポリマー骨格部上にグラフト化される少なくとも一つのビニルスルホンを含む。
【0027】
適切な反応性着色剤の特定例は、反応性黒色染料(カラーインデックス(C.I.)5)、反応性黒色染料(カラーインデックス(C.I.)14)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)19)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)20)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)21)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)27)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)28)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)37)、反応性青色染料(カラーインデックス(C.I.)38)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)7)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)14)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)15)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)16)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)23)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)24)、反応性オレンジ色染料(カラーインデックス(C.I.)78)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)13)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)14)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)15)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)17)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)23)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)24)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)37)、反応性黄色染料(カラーインデックス(C.I.)42)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)21)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)22)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)23)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)34)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)35)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)36)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)49)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)50)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)63)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)64)、反応性赤色染料(カラーインデックス(C.I.)180)、反応性紫色染料(カラーインデックス(C.I.))、反応性紫色染料(カラーインデックス(C.I.)5)、反応性茶色染料(カラーインデックス(C.I.)16)、および、参照により、この明細書に組み込まれる米国特許第7,060,829号明細書、米国特許第6,689,828号明細書および米国特許第5,944,853号明細書に開示された染料、これらの組み合わせ、および、これらの同類を含む。
【0028】
他の実施の形態において、反応性着色剤は、国際出願PCT/US2006/013005号に開示された化合物のような、少なくとも一つの反応性ホトクロミック化合物を含む。
【0029】
反応性着色剤は、所望の色および色の強さを与える上で有効な量(「有効着色量」)で、光吸収性プレポリマー中に含有される。反応性着色剤の量は、当該反応性着色剤の色の強さを伴って変化することになる、すなわち、色合いのより強い着色剤は、着色剤の色合いを弱くするように低濃度で使用される。ビニルスルホン等の反応性着色剤では、反応性着色剤の量は、光吸収性ポリマー中に約0.2重量%と約25重量%との間の量で十分である。一つの実施の形態において、光吸収性プレポリマーは、光吸収性プレポリマーの重量に基づいて、約1重量%〜約10重量%の濃度で含有されてもよい。反応性着色剤の組み合わせは、所望の色、陰影および色合いによって決まる配合比で使用されてもよい。
【0030】
レンズ材料と相互貫入高分子網目構造を形成できる光吸収性プレポリマーを用いることによって、安定した着色レンズを形成するために、着色剤とレンズ材料との間に共有結合を形成する必要がなくなる点は、本発明の発見である。着色レンズの安定性は、光吸収性プレポリマーとレンズベースポリマーとが絡み合う構造によって与えられる。
【0031】
本発明の光吸収性プレポリマーは、レンズ材料と同様の溶解度パラメータを有するホモポリマーまたはコポリマー、あるいは、これらの組み合わせから調製される。これらの光吸収性プレポリマーは、該光吸収性プレポリマーをそれ自体およびレンズ材料との相互作用を可能にさせる、官能基を含有してもよい。官能基間の相互作用は、極性、分散性、あるいは、電荷移動錯体の性質を有するものであってもよい。官能基は、ポリマー骨格部またはプレポリマー骨格部上に配置されてもよく、あるいは、当該骨格部から懸垂されてもよい。
【0032】
例えば、光吸収性プレポリマーを調製するために、正電荷を有するポリマーを調製するモノマーまたはモノマー混合物は、負電荷を有するポリマーを調製するモノマーまたはモノマー類と一緒に使用されてもよい。より具体的な例として、メタクリル酸(「MAA」)および2-ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)は、結合性ポリマーを調製するために、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/3-(N,N-ジメチル)プロピルアクリルアミド・コポリマーと混合されるメタクリル酸(MAA)/2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)・コポリマーを与えるために使用されてもよい。
【0033】
光吸収性プレポリマーの分子量は、当該光吸収性プレポリマーがレンズ材料中に対して、多少、溶解性を呈し、かつ、当該レンズ材料中で膨潤するような分子量である必要がある。レンズ材料は光吸収性プレポリマー中に分散し、かつ、当該レンズ材料は、重合化される、および/または、架橋される。しかし、同時に、光吸収性プレポリマーの分子量は、印刷された画像の質に影響を与えるほど高くてはならない。好適には、光吸収性プレポリマーの分子量は、分光電気化学(SEC)分析で最も高いピークの分子量(=Mn×Mw1/2に対応する、約7,000〜約100,000Mpeak、より好ましくは約7,000〜約65,000Mpeak、最も好ましくは約15,000〜約55,000Mpeakである。
【0034】
本発明の目的上、分子量は、90°光散乱検出器および屈折率検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフ装置を用いて、決定される。PW4000およびPW2500の二本のカラム、塩化ナトリウム濃度が50mM(ミリモル/リットル)に調節された含有比75重量部/25重量部のメタノール・水系溶離液、および、標準試料としてポリスチレンを用いる。
【0035】
この技術分野における当業者は、光吸収性プレポリマーの生成に連鎖移動剤を用いることによって、大量の重合開始剤を用いることによって、リビング重合を用いることによって、適切なモノマーおよび重合開始剤の濃度を選択することによって、溶媒の量および種類を選択することによって、あるいは、これらの組み合わせによって、所望の光吸収性プレポリマーの分子量が得られ得ることを認識するはずである。好適には、連鎖移動剤は、所望の分子量を達成するために、重合開始剤と一緒に使用される、あるいは、より好ましくは、重合開始剤および一つ以上の溶媒と一緒に使用される。または、少量の超高分子量の光吸収性プレポリマーは、該光吸収性プレポリマーにとって望ましい粘度を維持するために、大量の溶媒と一緒に使用されてもよい。
【0036】
本発明に使用される光吸収性プレポリマーを調製する上で有用な連鎖移動剤は、約0.01を超える連鎖移動定数値、好ましくは約7を超える連鎖移動定数値、より好ましくは約25,000を超える連鎖移動定数値を有するものである。このような連鎖移動剤の適切なものは公知であり、かつ、当該連鎖移動剤は、式:R-SHで示される脂肪族チオール類を含み、ここで、Rが1個〜12個の炭素原子(C1 to C12)を有する脂肪族化合物、ベンジル、CH3(CH2)x-SHで示され、xが1〜24である環状脂肪族化合物、ベンゼン、n-塩化ブチル、三級塩化ブチル、n-臭化ブチル、2-メルカプトエタノール、1-ドデシルメルカプタン、2-クロロブタン、アセトン、酢酸、クロロホルム、ブチルアミン、トリエチルアミン、n-硫化ジブチル(di-n-butyl sulfide)およびジスルフィド、四塩化炭素および四臭化炭素、および、これらの同類、および、これらの組み合わせであるが、これらに限定されるものではない。連鎖移動剤は、概ね、ポリマー処方の全重量に基づいて、約0重量%〜約7重量%で使用されるはずである。ドデカンチオール、デカンチオール、オクタンチオール、または、これらの組み合わせは、連鎖移動剤として、好適に使用される。
【0037】
紫外線、可視光、熱重合開始剤、および同類、および、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない、任意の所望の重合開始剤が使用されてよい。好適には、熱重合開始剤が使用され、より好ましくは2,2-アゾビスイソブチロニトリル、および、2,2-アゾビス2-メチルブチロニトリルが使用される。使用される重合開始剤の量は、処方の全重量に基づいて、約0.1重量%〜約5重量%となるはずである。好適には、2,2-アゾビス2-メチルブチロニトリルは、ドデカンチオールと共に使用される。
【0038】
本発明の光吸収性プレポリマー類は、ラジカル連鎖重合、段階重合、乳化重合、イオン連鎖重合、開環重合、基移動重合、原子移動重合、および、これらの同類を含むが、これらに限定されることなく、都合の良いいずれかの重合工程によって調製されてもよい。好適には、熱開始型のラジカル重合法が使用される。重合を実施する条件は、この技術分野における当業者の知識の範囲にある。
【0039】
光吸収性プレポリマーの生成に有用な溶媒は、約120℃と約230℃との間に沸点を有する中沸点溶媒である。使用される溶媒の選択は、生成される光吸収性プレポリマーの種類、および、その分子量に基づいて行われるはずである。適切な溶媒は、ジアセトンアルコール、シキロヘキサノン、乳酸イソプロピル、3-メトキシ-1-ブタノール、1-エトキシ-2-プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、および、これらの同類を含むが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明の光吸収性プレポリマーは、水中での膨張率に関して、使用されるはずのレンズ材料に合わせて調整される。包装溶液中での、光吸収性プレポリマーの膨張率を硬化されたレンズ材料の膨張率に適合させる、あるいは、実質的に適合させることは、光学不良およびレンズパラメータ変動をもたらす、レンズ内での応力発生を回避する。さらに、光吸収性プレポリマーは、本発明の着色剤を用いて印刷された画像の膨張を許容するように、レンズ材料中で膨潤性を呈する必要がある。この膨張により、画像は、レンズの快適性に何ら影響を与えることなく、レンズ材料内に取り込まれることになる。
【0041】
光吸収性プレポリマーに加えて、本発明の着色組成物は、レンズ表面上に当該着色組成物の被膜を形成する際に役立つ一つ以上の溶媒を含有する。着色組成物が、この着色組成物が塗布されるレンズ表面で流出せず、あるいは、移動しないことを保証するために、当該着色組成物が約27ミリニュートン/メートル未満の表面張力を有することが望ましく、かつ、好適であるという点は、本発明の他の発見である。この表面張力は、着色剤が塗布されるはずの表面、例えば成形型の表面に対する処理によって達成されてもよい。表面処理は、限定されないが、プラズマ処理およびコロナ処理等、この技術分野において公知の方法によって達成されてもよい。または、好適には、所望の表面張力は、着色組成物中に使用される溶媒の選択によって達成されてもよい。
【0042】
したがって、本発明の着色組成物に有用な溶媒は、着色剤の粘度を増減でき、かつ、表面張力を調節する上で役立つ溶媒である。適切な溶媒は、シクロペンタノン、4-メチル-2-ペンタノン、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、乳酸イソプロピル、N,N-ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、および、これらの同類、ならびに、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。好適には、1-エトキシ-2-プロパノール、乳酸イソプロピル、N,N-ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、および、これらの組み合わせが使用される。
【0043】
他の実施の形態において、少なくとも三つの異なる溶媒は、本発明の着色組成物中で使用される。これらの溶媒のうち、第一群の二つの溶媒は、両方とも中沸点溶媒であり、結合性ポリマーの生成に使用される。これらの溶媒が、結合性ポリマーの形成後に、当該結合性ポリマーから除去されてもよいが、当該溶媒が結合性ポリマーに保持されることが好ましい。好適には、中沸点溶媒は、1-エトキシ-2-プロパノール、乳酸イソプロピル、N,N-ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、および、これらの混合物から選択される。約75℃と約120℃との間の沸点を有する溶媒を意味する追加の低沸点溶媒が、要望どおりに着色剤の粘度を低減させるために、使用される。適切な低沸点溶媒は、2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-プロパノール、および、これらの同類、ならびに、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。好適には、1-プロパノールが使用される。
【0044】
使用される溶媒の特定の含有量は、多くの要素によって決まるはずである。例えば、結合性ポリマーを調製する際に使用される溶媒の量は、所望の結合性ポリマーの分子量、ならびに、当該結合性ポリマーに使用されるモノマー類およびコポリマー類等の構成成分によって決まるはずである。使用される低沸点溶媒の量は、着色組成物にとって望ましい粘度および表面張力によって決まるはずである。さらに、仮に、光吸収性プレポリマーが成形型に塗布され、かつ、レンズ材料と共に硬化される場合に、使用される溶媒の量は、使用されるレンズ材料および成形型材料によって、ならびに、当該成形型材料がその湿潤性を向上させるあらゆる表面処理を受けたか否かによって決まるはずである。使用される溶媒の正確な量の決定は、この技術分野における当業者の技量の範囲内である。一般に、使用される当該溶媒の全重量は、使用されることになる溶媒の約40重量%〜約75重量%とされる。
【0045】
溶媒に加えて、少なくとも一つの可塑剤は、着色組成物および光学的成形型部品の乾燥中に、ひび割れ発生を低減し、着色組成物を用いて生成される画像の最終的な質を向上させ、かつ、レンズ材料による着色剤の拡散性および膨潤性を向上させるために、着色組成物に添加されてもよく、また、添加されることが好ましい。使用される可塑剤の種類および量は、使用される光吸収性プレポリマーの分子量、および、使用前に保存される成形型上に配置される着色組成物に関する所望の安定寿命期間によって決まるはずである。有用な可塑剤は、シリコーン油、シリコーン含有界面活性剤、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、400または600、および、これらの同類、ならびに、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。一つの実施の形態において、プロピレングリコールを含む可塑剤が使用される。使用される可塑剤の量は、結合性ポリマーの重量に基づいて、0重量%〜約10重量%とされる。
【0046】
着色組成物の不透明度は、着色組成物中の光吸収性プレポリマーの濃度、および、使用される光吸収性プレポリマーの濃度を変更させることによって調節されてもよく、一部の実施の形態では、着色組成物(複数の着色組成物)から構成される複数層をレンズまたはレンズ成形型に塗布することによって、容易に調節され得る。または、乳白剤が使用されてもよい。例えば、二酸化チタンまたは酸化亜鉛等の適切な乳白剤は、市販されている。
【0047】
また、着色組成物の吸収性は、光吸収性プレポリマーを結合性ポリマー(光吸収性化合物を含有しないプレポリマー)および溶媒と混合させることによって、調節されてもよい。例えば、一部の実施の形態において、結合性ポリマーは、着色組成物中の全成分に基づいて、約0重量%〜約40重量%の量で、他の実施の形態では約5重量%と約15重量%との間の量で、着色組成物中に含有されてもよい。
【0048】
本発明の好適な着色混合物において、約0.30重量%〜約45重量%の光吸収性プレポリマー;約0重量%〜約40重量%の結合性ポリマー;約40重量%〜約70重量%の溶媒;約0重量%〜約25重量%の二酸化チタン;および、約0.2重量%〜約7重量%の可塑剤が使用される。重量百分率は、着色混合物の全重量に基づいている。
【0049】
この技術分野における当業者は、上述した成分以外の添加剤も本発明の着色組成物中に含有されることがあると認識するはずである。適切な添加剤は、流動化および平滑化に役立つ添加剤、発泡抑制用の添加剤、レオロジー改善用の添加剤、および、これらの同類、ならびに、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の光吸収性プレポリマーは、レンズ材料を硬化させる際に、当該レンズ材料中に組み込まれることになる。したがって、レンズ吸収性プレポリマーは、形成されたレンズの前面か、または後面に、より接近して組み込まれてもよく、それは着色剤が塗布される、レンズに面する成形型の表面によって決まる。さらに、一層以上の着色剤が任意の順で塗布されてもよい。さらに他の実施の形態において、透明な結合性ポリマー層は、着色組成物と共に使用されてもよい。例えば、本発明の方法において、透明な結合性ポリマー層は、着色組成物の塗布前に、成形型半体の成形型表面に塗布されてもよい。透明な結合性ポリマー層は、光吸収性プレポリマーを調製するために使用される同一または異なる親水性モノマー類および疎水性モノマー類から構成されてもよい。仮に、透明な結合性ポリマー層が光吸収性プレポリマーと異なる場合に、当該結合性ポリマーは、膨張率および膨潤性に関して、光吸収性プレポリマーおよびレンズ材料に適合する必要があり、かつ、レンズ材料中での膨潤性を有する必要がある。
【0051】
本発明は、あらゆる公知のレンズ材料、あるいは、そのようなレンズの製造に適した材料から形成された着色ハードコンタクトレンズまたは着色ソフトコンタクトレンズを提供するために使用されてもよい。好適には、本発明のレンズは、約0%〜約90%の含水率を有するソフトコンタクトレンズである。より好適には、レンズは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、または、これらの両方の基を含有するモノマー類から形成されるか、あるいは、シロキサン類、ヒドロゲル類、シリコーンヒドロゲル類、および、これらの組み合わせ等のシリコーン含有ポリマー類から形成される。本発明のレンズの形成に有用な材料は、マクロマー類、モノマー類、および、これらの組み合わせの混合物を、重合開始剤等の添加剤と共に反応させることによって製造されてもよい。適切な材料は、上述したシリコーン含有成分および親水性成分から調製されたシリコーンヒドロゲル類、シリコーンマクロマー類および親水性モノマー類から調製されたシリコーンヒドロゲル類、および、これらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。シリコーン含有モノマー類を含む処方の例は、国際公開WO03/022321号中に見出される例を含むが、これに限定されるものではない。シリコーンマクロマー類の例は、米国特許第4,259,467号明細書、米国特許第4,260,725号明細書および米国特許第4,261,875号明細書に記述された親水性ペンダント基でメタクリレート化されたポリジメチルシロキサン;米国特許第4,136,250号明細書、米国特許第4,153,641号明細書、米国特許第4,189,546号明細書、米国特許第4,182,822号明細書、米国特許第4,343,927号明細書、米国特許第4,254,248号明細書、米国特許第4,355,147号明細書、米国特許第4,276,402号明細書、米国特許第4,327,203号明細書、米国特許第4,341,889号明細書、米国特許第4,486,577号明細書、米国特許第4,605,712号明細書、米国特許第4,543,398号明細書、米国特許第4,661,575号明細書、米国特許第4,703,097号明細書、米国特許第4,837,289号明細書、米国特許第4,954,586号明細書、米国特許第4,954,587号明細書、米国特許第5,346,946号明細書、米国特許第5,358,995号明細書、米国特許第5,387,632号明細書、米国特許第5,451,617号明細書、米国特許第5,486,579号明細書、米国特許第5,962,548号明細書、米国特許第5,981,615号明細書、米国特許第5,981,675号明細書および米国特許第6,039,913号明細書に記述された重合性官能基を有するポリジメチルシロキサンマクロマー類;および、これらの組み合わせを含むが、これに限定されるものではない。また、当該材料は、米国特許第5,010,141号明細書、米国特許第5,057,578号明細書、米国特許第5,314,960号明細書、米国特許第5,371,147号明細書、米国特許第5,336,797号明細書および米国特許第6,867,245号明細書に記述されているような親水性モノマー類を組み入れたポリシロキサンマクロマー類;あるいは、米国特許第4,871,785号明細書および米国特許第5,034,461号明細書に記述されているようなポリジメチルシロキサン部およびポリエーテル部を含むマクロマー類を用いて形成されてもよい。引用された全特許文献は、参照によって、この明細書にそっくりそのまま組み込まれる。
【0052】
また、適切な材料は、米国特許第5,760,100号明細書、米国特許第5,776,999号明細書、米国特許第5,789,461号明細書、米国特許第5,807,944号明細書、米国特許第5,965,631号明細書および米国特許第5,958,440号明細書に記述されているようなオキシパーム(oxyperm)成分とイオノパーム(ionoperm)成分との組み合わせから調製されてもよい。親水性モノマー類は、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、N-ビニルピロリドン、2-ビニル-4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン-5-オン、メタクリル酸および2-ヒドロキシエチルメタクリルアミドを含む当該コポリマー中に組み込まれてもよい。追加のシロキサンモノマー類は、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、あるいは、米国特許第5,998,498号明細書、米国特許第3,808,178号明細書、米国特許第4,139,513号明細書、米国特許第5,070,215号明細書、米国特許第5,710,302号明細書、米国特許第5,714,557号明細書および米国特許第5,908,906号明細書に記述されたシロキサンモノマー類等に組み込まれてもよい。当該材料は、種々の強化剤、紫外線遮断剤および湿潤剤をも含有してもよい。当該材料は、第一級アルコール類、あるいは、米国特許第6,020,445号明細書に記述された第二級アルコール類または第三級アルコール類等の希釈剤を用いて調製されてもよい。引用された全特許文献は、参照によって、この明細書にそっくりそのまま組み込まれる。
【0053】
コンタクトレンズを製造するための材料は、周知であり、市販されている。さらに他の実施の形態において、使用されるレンズ材料は、エタフィルコンA等の2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)系ヒドロゲル、あるいは、ポリビニルアルコール系ヒドロゲルである。レンズ材料が2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)系ヒドロゲルである場合における一つの実施の形態において、光吸収性プレポリマーは、メタクリル酸(「MAA」)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(「HMA」)およびラウリルメタクリレート(「LMA」)から形成された反復単位;メタクリル酸(MAA)と2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)との線状、ランダム、ブロックコポリマー類;2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とラウリルメタクリレート(LMA)との線状、ランダム、ブロックコポリマー類;あるいは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のホモポリマーを含む。
【0054】
さらに他の実施の形態において、使用されるレンズ材料は、ガリフィルコン、セノフィルコン、コムフィルコン(comfilcon)、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、あるいは、バラフィルコン等のシリコーンヒドロゲルである。
【0055】
本発明のレンズに使用される着色組成物は、都合の良いいずれかの方法によってレンズ表面に塗布される。本発明の好適な方法において、ポリプロピレン樹脂またはポリスチレン樹脂を含むが、これらに限定されない任意の適切な材料から形成される熱可塑性樹脂製の光学的成形型が使用される。着色有効量の着色組成物は、成形型の成形型表面の所望の部分に塗布される。塗布処理は、都合の良いいずれかの方法によって実行されてもよい。好適には、塗布処理は、パッド印刷法またはタンポ印刷法によって実行されてもよい。また、着色組成物は、インクジェット印刷法を含むが、これに限定されることなく、この技術分野において公知の他の方法によって塗布されてもよい。
【0056】
レンズ形成量のレンズ材料は、成形型内に注入される。「レンズ形成量」とは、所望のサイズおよび厚さを有するレンズを製造する上で十分な量を意味する。通常は、約10ミリグラム〜約40ミリグラムのレンズ材料が使用される。
【0057】
レンズ材料中では、着色剤が膨潤状態となる。好適には、膨潤は、着色剤の乾燥時の厚さの約1倍〜約4倍まで、当該着色剤を膨潤させる上で適した条件下で、行われる。そのような膨潤は、通常、約40℃〜約68℃、約1分間〜約30分間で達成されてもよい。
【0058】
レンズ材料および着色剤を収容する成形型は、その後に、着色レンズを形成する上で適した条件に曝される。正確な条件は、選択された着色剤およびレンズ材料の成分によって決まるはずであり、当該条件の決定は、この技術分野における当業者の技量の範囲内である。一旦、硬化処理が完了すると、レンズは成形型から取り外され、かつ、緩衝生理食塩溶液中で平衡化されてもよい。
【0059】
着色レンズを製造するための好適な方法は、以下のように、パッド印刷法を用いて実行される。好ましくは鋼製、より好ましくはステンレス鋼製の金属プレートは、一旦、硬化したら水不溶性になることができるフォトレジスト材料で被覆される。着色剤用の模様は、選択され、あるいは、設計された後に、写真技法等の多くの技術のいずれかを用いて、所望のサイズまで縮小され、当該金属プレート上に配置されて、当該フォトレジスト材料が硬化される。当該模様をエッチング処理するための条件は、この技術分野における当業者の知識の範囲内である。
【0060】
当該模様の形成後に、金属プレートが水溶液で洗浄され、結果的に得られる画像が、エッチング処理により、例えば、約20ミクロン(約20マイクロメートル)の適切な深さになるように金属プレートに形成される。その後、着色剤が当該模様上に堆積されて、金属プレート上の凹部を着色剤で満たす。適切な形状を有し、かつ、ショア(デュロメータA)硬度単位を概ね、約1〜約10の範囲で変更したシリコーン製パッドが金属プレート上の画像に押し付けられて、当該画像上の着色剤を除去した後に、着色剤が溶媒を蒸発させることによって僅かに乾燥処理される。その後、パッドが光学的成形型の成形型表面に押し付けられ、これにより、着色剤が乾燥させられる。成形型は、この成形型内にレンズ形成量のレンズ材料が満たされた後に、過剰な溶媒および酸素を除去するために、12時間以下、脱気処理される。その後、相補的な成形型半体が使用されて、成形型アセンブリを完成させ、印刷された画像が膨潤状態とされた後に、成形型アセンブリが、使用されたレンズ材料を硬化させる上で適した条件に曝される。
【0061】
本発明は、限定されない、以下の実施例を考慮することによって、さらに具体的に説明されるはずである。
【0062】
〔実施例〕
〔実施例1〕
100ミリリットルのフラスコには、2.4グラム(2.42ミリモル)の反応性黒色染料#5および15ミリリットルの脱イオン水が添加された。フラスコ内容物は、周囲温度で30分間、撹拌された。当該フラスコには、5グラム(38.42ミリモル)のポリHEMA(分子量=20,000)が添加された。反応混合溶液は、20分間、撹拌された。その後、反応混合溶液には、138.21ミリグラム(1.00ミリモル)の炭酸カリウム(K2CO3)を含む脱イオン水5ミリリットルが添加された。反応混合溶液は、40℃に加熱され、かつ、96時間、撹拌された。96時間後、反応混合溶液は、冷却され、かつ、あらゆる未反応染料を除去するために、大量の脱イオン水で洗浄された。黒色ポリマーは、減圧下で乾燥されて、定量的な収量で、硬質の黒色ポリマーを与えた。
【0063】
〔実施例2〕
ポリHEMA(分子量=12,000)のアセトニトリル溶液は、ポリHEMAポリマーから溶媒を除去するために、真空下で乾燥された。一旦、全溶媒が除去されたら、乾燥ポリマーは、溶媒中に存在したあらゆる不純物を除去するために、水洗され、かつ、減圧下で乾燥されて、白色の結晶性ポリマーを得た。5グラム(38.42ミリモル)の乾燥ポリHEMA(分子量=12,000)は、反応性黒色染料#5(2.40グラム、2.42ミリモル)および25ミリリットルの脱イオン水を含む溶液中に添加された。反応混合溶液は、20分間、撹拌された。その後、反応混合溶液には、165.85ミリグラム(1.20ミリモル)の炭酸カリウム(K2CO3)を含む脱イオン水5ミリリットルが添加された。反応混合溶液は、40℃に加熱され、かつ、96時間、撹拌された。96時間後、反応混合溶液は、冷却され、かつ、当該反応混合溶液のpHは、希塩酸で、6.5に調整された。ポリマーは、あらゆる未反応染料を除去するために、大量の脱イオン水で洗浄され、かつ、冷蔵庫内で一晩、冷却された。黒色ポリマーは、減圧下で乾燥され、3.40グラムの黒色ポリマーを得た。
【0064】
〔実施例3〕
ポリHEMA(分子量=12,000)のアセトニトリル溶液は、ポリHEMAポリマーから溶媒を除去するために、真空下で乾燥された。一旦、全溶媒が除去されたら、乾燥ポリマーは、溶媒中に存在したあらゆる不純物を除去するために、水洗され、かつ、減圧下で乾燥されて、白色の結晶性ポリマーを得た。5グラムのポリHEMA(分子量=12,000)(38.42ミリモル)は、レマゾール・ブリリアント青色染料(Remazol Brilliant Blue)(1.52グラム、2.42ミリモル)および25ミリリットルの脱イオン水を含む溶液中に添加された。反応混合溶液は、30分間、撹拌された。その後、反応混合溶液には、165.85ミリグラム(1.20ミリモル)の炭酸カリウム(K2CO3)を含む脱イオン水5ミリリットルが添加された。反応混合溶液は、40℃に加熱され、かつ、96時間、撹拌された。96時間後、反応混合溶液は、冷却され、かつ、当該反応混合溶液のpHは、希塩酸で、7.0に調整された。ポリマーは、あらゆる未反応染料を除去するために、大量の脱イオン水で洗浄され、かつ、冷蔵庫内で一晩、冷却された。青色ポリマーは、減圧下で乾燥され、3.20グラムの青色ポリマーを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物において、
約7,000と約100,000との間の分子量を有する光吸収性プレポリマーであって、前記組成物が実質的に重合開始剤を有しないことを条件として、少なくとも一つの反応性着色剤から誘導された重合性単位と、親水性モノマー類、疎水性モノマー類、および、これらの混合物からなる群より選択されたモノマー類と、を含む、光吸収性プレポリマー、
を含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、
前記光吸収性プレポリマーは、約7,000と約65,000との間の分子量を有する、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物において、
前記光吸収性プレポリマーは、約15,000と約55,000との間の分子量を有する、組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物において、
前記モノマー類は、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、および、これらの混合物からなる群より選択された少なくとも一つの親水性モノマーを含む、組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物において、
前記光吸収性プレポリマーは、実質的に反応性を有しない、組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物において、
前記反応性着色剤は、前記光吸収性プレポリマーの骨格部に重合化される、組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物において、
前記反応性着色剤は、前記光吸収性プレポリマーの骨格部上にグラフト化される、組成物。
【請求項8】
着色組成物において、
少なくとも一つの溶媒と、
約65,000未満の分子量を有する光吸収性プレポリマーであって、少なくとも一つの反応性着色剤から誘導された重合性単位、ならびに親水性モノマー類、疎水性モノマー類、および、これらの混合物からなる群より選択されたモノマー類を含む、光吸収性プレポリマーと、
を含む、着色組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の着色剤において、
前記少なくとも一つの溶媒は、少なくとも一つの中沸点溶媒、および一つの低沸点溶媒を含む、着色剤。
【請求項10】
請求項8に記載の着色剤において、
前記着色剤は、約27ミリニュートン/メートル未満の表面張力を有する、着色剤。
【請求項11】
請求項8に記載の着色剤において、
前記中沸点溶媒は、1-エトキシ-2-プロパノールおよび乳酸イソプロピルを含む、着色剤。
【請求項12】
請求項8に記載の着色剤において、
可塑剤と、
乳白剤と、
をさらに含む、着色剤。
【請求項13】
請求項8に記載の着色剤において、
前記光吸収性プレポリマーは、実質的に反応性を有しない、着色剤。
【請求項14】
着色コンタクトレンズを製造するための方法において、
a)成形型の成形型表面に、少なくとも一つの光吸収性プレポリマーおよび一つ以上の溶媒を含む着色有効量の着色剤を塗布するステップと、
b)前記成形型内に、レンズ形成量のレンズ材料を注入するステップと、
c)前記レンズ材料中で前記着色剤を膨潤させるステップと、
d)前記成形型内で前記レンズ材料を硬化させて前記着色コンタクトレンズを形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記光吸収性プレポリマーは、約65,000未満の分子量を有する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
前記光吸収性プレポリマーおよび前記レンズ材料は、相互貫入高分子網目構造を形成する、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、
前記モノマー類は、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、および、これらの混合物からなる群より選択された少なくとも一つの親水性モノマーを含む、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法において、
前記光吸収性プレポリマーは、実質的に反応性を有しない、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、
前記少なくとも一つの溶媒は、少なくとも一つの中沸点溶媒および一つの低沸点溶媒を含む、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法において、
前記着色剤は、約27ミリニュートン/メートル未満の表面張力を有する、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法において、
前記中沸点溶媒は、1-エトキシ-2-プロパノールおよび乳酸イソプロピルを含む、方法。

【公表番号】特表2010−508547(P2010−508547A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534708(P2009−534708)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/023010
【国際公開番号】WO2008/054791
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(591175675)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】