睡眠検査装置および睡眠時無呼吸検査装置
【課題】1台の加速度センサから、睡眠検査や睡眠時無呼吸検査に必要な情報を得るようにする。
【解決手段】x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、三次元の加速度センサ2から得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出することができ、前記x,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを0.3Hz程度のローパスフィルタでフィルタリングし、増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数からは患者の呼吸数を検出することができる。
【解決手段】x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、三次元の加速度センサ2から得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出することができ、前記x,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを0.3Hz程度のローパスフィルタでフィルタリングし、増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数からは患者の呼吸数を検出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠検査または睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep apnea syndrome)の診断のために使用される装置に関し、特にセンサ部分の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠検査または睡眠時無呼吸検査に用いられる生体センサとしては、鼻口などの呼吸を検知するための気流センサ、いびきを検知するための気管音センサ、呼吸運動を計測するための呼吸センサ、心拍を計測するための心拍センサなど様々なセンサが、各々の目的に応じて使用される。特に、睡眠時無呼吸検査では、呼吸運動を計測するために、胸や腹にバンド状の歪ゲージを巻付け、胸と腹との動きの位相差や運動の大きさを計測し、上気道の狭窄による、いわゆる閉塞型であるのか、鼻および口からの換気が停止するのと同時に、胸部と腹部の呼吸も停止する、いわゆる中枢型であるのかなどの診断を行う。またその際、寝姿勢を計測する為の体位センサなどを併用して用いている。
【0003】
したがって、睡眠検査および睡眠時無呼吸検査では、多種多様な生体センサが用いられ、それが患者への負担を大きくさせている。特に、患者が自宅へ検査装置を持ち帰って自らセンサを装着する場合、できるだけ生体センサの種類を少なくし、より多くの情報を得るセンサシステムが強く期待される。
【0004】
一方、特許文献1では、体動を加速度センサで検知して、中途覚醒を判定する中途覚醒の判定システムが提案されている。また、特許文献2では、加速度センサからの出力を周波数分離してそれぞれ解析することで、被検者の日常生活における姿勢や動作を計測するようにした体動解析装置が提案されている。
【特許文献1】特開2002−34955号公報
【特許文献2】特開平7−178073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述のように加速度センサを用いて、睡眠検査および睡眠時無呼吸検査に用いる各生体情報を得ることも考えられる。しかしながら、特許文献1の加速度センサは、体動を検出しているだけで、心拍や脈拍は、別の検出手段で検出しており、上述の問題が残る。一方、特許文献2では、体動を1台の加速度センサで検出しているが、日常生活の立ったり座ったりを検出しており、睡眠時無呼吸検査で測定するような僅かで変化が少ない体動を検出することはできない。特に、心拍に比べて呼吸は、遅く、信号成分を分離するのにノウハウが必要である。
【0006】
本発明の目的は、1台の加速度センサから、睡眠検査および睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができる睡眠検査装置および睡眠時無呼吸検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る睡眠検査装置及び睡眠時無呼吸検査装置の少なくとも一方の機能を実現する構成は、三次元の加速度センサと、前記加速度センサから得られるDC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるAC成分から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、1台の三次元の加速度センサによって患者の寝姿勢および呼吸数を検出することができ、睡眠検査又は睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができる。そして、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【0009】
また、本発明に係る睡眠検査装置及び睡眠時無呼吸検査装置の少なくとも一方の機能を実現する構成は、三次元の加速度センサと、前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzから患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、1台の三次元の加速度センサによって患者の寝姿勢および呼吸数を検出することができ、睡眠検査又は睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができる。そして、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る睡眠検査装置及び睡眠時無呼吸検査装置の少なくとも一方の機能を実現する構成は、三次元の加速度センサと、前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、三次元の加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢(脚側から見た患者の身長軸(y軸)回りの回転)を検出することができ、前記x,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを0.3Hz程度のローパスフィルタでフィルタリングし、増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数からは患者の呼吸数を検出することができる。
【0013】
したがって、1台の加速度センサから、睡眠検査又は睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができ、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の睡眠検査装置および睡眠時無呼吸検査装置は、以上のように、三次元の加速度センサから得られるx,zの各DC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記x,y,zの各AC成分をローパスフィルタでフィルタリングし、増幅した出力から患者の呼吸を検出する。
【0015】
それゆえ、1台の加速度センサから、睡眠検査や睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができ、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係る睡眠時無呼吸検査装置1の電気的構成を示すブロック図である。この睡眠時無呼吸検査装置1は、患者の心拍数、呼吸数および寝姿勢を検出するために患者に装着するセンサとしては、三次元の加速度センサ2のみを用いる。前記加速度センサ2の出力の各x,y,z成分は、フィルタF1〜F3に共通に入力される。前記各フィルタF1〜F3の出力は、それぞれアンプA1〜A3において所望とするゲインで増幅され、アナログ/デジタル変換器AD1〜AD3においてデジタル値に変換された後、マイクロコンピュータおよびその周辺回路などを備えて構成される演算処理回路3へ入力される。前記アナログ/デジタル変換器AD1〜AD3および演算処理回路3は、前記センサ、アンプおよびフィルタの各出力を後述するようにして解析し、睡眠時無呼吸検査に用いられるデータを作成する信号処理手段を構成する。
【0017】
図2および図3は、前記加速度センサ2の取付け状態を示す図である。前記加速度センサ2は、図2において参照符号2aで示すように患者4の胸に、好ましくは、図3で示すように患者4のみぞおち付近に、テープなどで貼付けられる。また好ましくは、図2において参照符号2bで示すように患者4の腹にも設けられることで、胸と腹との動きの位相差を計測することができる。取付け方向は、x軸方向を患者4の左右方向、y軸方向を患者4の身長方向、z軸方向を患者4の体厚方向となっている。
【0018】
図4は、前記フィルタF1〜F3およびアンプA1〜A3の具体的構成を示すブロック図である。前記三次元の加速度センサ2からは、各成分の出力x,y,zに、参照用の出力refが出力される。各出力x,y,z,refの出力端は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサから成る加速度センサ2のバイアス用の高周波信号を除去するコンデンサCx1,Cy1,Cz1,Cr1を介して接地されている。たとえば、Cx1,Cy1,Cz1,Cr1=0.01μFである。
【0019】
前記出力x,zは、抵抗Rx1,Rz1を介して姿勢情報x,zとして出力され、前記アナログ/デジタル変換器AD1に入力される。したがって、前記フィルタF1は、スルーフィルタであり、アンプA1のゲインは、1であり、前記加速度センサ2の出力の殆どを占めるDC成分がそのまま出力されることになる。たとえば、Rx1,Rz1=1kΩである。
【0020】
また、前記各出力x,y,zは、前記フィルタF2を構成する結合コンデンサCx2,Cy2,Cz2および入力抵抗Rx2,Ry2,Rz2を介して、前記アンプA2を構成するオペアンプOPx,OPy,OPzの反転入力端にそれぞれ入力される。このオペアンプOPx,OPy,OPzの非反転入力端には、前記出力refが、入力抵抗Rx3,Ry3,Rz3および平滑コンデンサCx3,Cy3,Cz3を介して入力されている。またこのオペアンプOPx,OPy,OPzの反転入力端には、それぞれの出力が、相互に並列の帰還抵抗Rx4,Ry4,Rz4および帰還コンデンサCx4,Cy4,Cz4を介して負帰還されている。オペアンプOPx,OPy,OPzの出力は、抵抗Rx5,Ry5,Rz5を介して、呼吸情報x,y,zとして出力され、前記アナログ/デジタル変換器AD2に入力される。たとえば、Cx2,Cy2,Cz2=100μFであり、Rx2,Ry2,Rz2=1kΩであり、Rx3,Ry3,Rz3=10kΩであり、Cx3,Cy3,Cz3=0.1μFであり、Rx4,Ry4,Rz4=300kΩであり、Cx4,Cy4,Cz4=0.1μFであり、Rx5,Ry5,Rz5=1kΩである。したがって、加速度センサ2の各出力x,y,zの内、前記DC成分に重畳する微小なAC成分の0.3Hz以下の成分が、300倍に増幅されて出力されることになり、前記フィルタF2は、ローパスフィルタとなる。
【0021】
さらにまた、前記出力Zは、前記フィルタF3を構成する結合コンデンサCz20および入力抵抗Rz20を介して、前記アンプA3を構成するオペアンプOPz0の反転入力端に入力される。このオペアンプOPz0の非反転入力端には、前記出力refが、入力抵抗Rz30および平滑コンデンサCz30を介して入力されている。またこのオペアンプOPz0の反転入力端には、それぞれの出力が、相互に並列の帰還抵抗Rz40および帰還コンデンサCz40を介して負帰還されている。オペアンプOPz0の出力は、抵抗Rz50を介して、心拍情報として出力され、前記アナログ/デジタル変換器AD3に入力される。たとえば、Cz20=10μFであり、Rz20=1kΩであり、Rz30=10kΩであり、Cz30=0.1μFであり、Rz40=400kΩであり、Cz40=0.001μFであり、Rz50=1kΩである。したがって、加速度センサ2の出力zの内、前記DC成分に重畳する微小なAC成分の10〜15Hzの成分が、400倍に増幅されて出力されることになり、前記フィルタF3は、バンドパスフィルタとなる。
【0022】
したがって、上述の図4の構成を模式的に示せば、図5で示すようになる。なお、加速度センサ2の取付け方向は、上述に限らず、後段のフィルタF1〜F3およびアンプA1〜A3に対応していればよい。すなわち、出力xを結合コンデンサCz2,Cz20に入力するようになっていれば、患者4の体厚方向をx方向とすればよい。同様に、左右方向および上下方向も、これに合わせて設定されればよい。
【0023】
前記アナログ/デジタル変換器AD1〜AD3においてデジタル値に変換された上記のような入力信号は、演算処理回路3に取込まれ、デジタルフィルタ処理によってSNを向上させて使用される。
【0024】
演算処理回路3は、フィルタF2およびアンプA2を介して入力された0.3Hz以下の呼吸情報x,y,zから、前記デジタルフィルタ処理によって0.2Hz近傍の信号を抽出し、得られた呼吸に基づく体動データが、該演算処理回路3内のデータベースに格納されている呼吸中の体動データと、無呼吸中の体動データとに比較され、患者4が呼吸状態か無呼吸状態かのどちらかを推定する。図6には、前記加速度センサ2からの出力x,y,zをフィルタF2およびアンプA2を通過させた信号波形の一例を実線で示し、前記演算処理回路3によるデジタルフィルタ処理後の信号波形の一例を破線で示している。また、各信号を合成した絶対値も示し、その絶対値の信号から演算処理回路3内で求めた呼吸数の変化の一例を図7で示している。
【0025】
さらに、加速度センサ2を、前記図2で示すように胸郭部と腹部とに配置し、計測した場合、無呼吸状態にある体動データから、以下の手順で、中枢性または閉塞性の判断を可能とする。すなわち、両部位の呼吸による体動データを比較すると、周期性のある動きの場合、動きの位相差は、2階微分値に当たる加速度値間でも維持されるので、直接両者の相互相関関数を計算することが可能である。これにより、動きの位相差の算出が可能となる。位相差が予め定める閾値以上の場合、その無呼吸状態が、前記データベースに格納されている中枢性と梗塞性との位相差のデータとの比較によって、無呼吸のタイプを推定することが可能である(前記図7は胸郭部と腹部とのデータを示しているが、健常者のデータである)。
【0026】
同様に、演算処理回路3は、フィルタF3およびアンプA3を介して入力された10〜15Hz付近の心拍情報から、前記デジタルフィルタ処理によって1Hz付近の心拍信号を抽出し、得られた心拍信号のピークが分かると、そこからR−R間隔などの情報を得ることが可能となる。図8には、前記加速度センサ2からの出力zをフィルタF3およびアンプA3を通過させた信号波形の一例と、前記演算処理回路3によるデジタルフィルタ処理後のピークホールドした信号波形の一例とを示している。また、その信号から演算処理回路3内で求めた心拍数の変化の一例を図9で示している。
【0027】
さらにまた、演算処理回路3は、抵抗Rx1,Rz1を介して入力されたDC成分から、体動データの静的な情報を抽出する。図10には、前記抵抗Rx1,Rz1を介する加速度センサ2からの出力x,zの信号波形の一例と、その信号から演算処理回路3内で求めた寝姿勢変化の一例を示している。また図10には、加速度センサ2からの出力yも示しているが、体軸(y軸)回りの姿勢変化であるので、この出力yは殆ど変化せず、左右方向の出力xおよび前後方向の出力zが、寝姿勢を変化させる際に変化していることが理解される。このため、前記出力yは、寝姿勢の変化を検出するために取込んでいない。
【0028】
以下に、寝姿勢、呼吸数および心拍数の解析方法を具体的に説明する。先ず寝姿勢については、前記演算処理回路3は、100msec毎に、x,zの各DC成分DCx,DCzを取込み、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)を求め、前記図10で示す寝姿勢変化のグラフにおいて、x軸方向に各サンプリングタイミングtを取り、y軸方向に患者4の体軸(y軸)回りの姿勢を取り、(t,0)を始点として、求めた値(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)を終点とするベクトルで表す。
【0029】
次に、呼吸数については、図11で示すように、前記演算処理回路3は、先ずステップS1で、タイミングを表す変数iを1に初期化し、以降100msec毎に、ステップS2で、x,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを取込み、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2を求める。これを絶対値Biとする。
【0030】
続いてステップS3では、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る移動平均値Bmeanが更新され、ステップS4では、その平均値Bmeanが前記絶対値Biから減算されてゼロ点シフトが行われる。これを補正値B0iとする。ステップS5では、前記補正値B0iに対して0.3Hzのローパスフィルタ処理が行われ、これをフィルタリング値BFiとする。
【0031】
上述のようにステップS2〜S5でフィルタリング処理が行われると、ステップS11では、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る標準偏差Bσが更新され、ステップS12では、その標準偏差Bσが予め定める閾値Thに加算されて閾値BThが求められる。
【0032】
ステップS13では、今回のフィルタリング値BFiが前記閾値BThを超えているか否かが判断され、超えている場合にはさらにステップS14で、前回のフィルタリング値BFi−1と比較され、超えている場合にはステップS15で、ピーク値BPが今回のフィルタリング値BFiに更新され、さらにステップS16でピーク値BPが存在することを表すフラグFが1にセットされる。前記ステップS13において今回のフィルタリング値BFiが前記閾値BTh以下である場合および前記ステップS16からはステップS17に移り、前記変数iに1が加算されて前記ステップS2に戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0033】
一方、前記ステップS14において今回のフィルタリング値BFiが前回のフィルタリング値BFi−1以下である場合にはステップS18に移り、前記フラグFが1にセットされているか否かが判断され、セットされていない場合には単調に加速度が減少しているものと判断して前記ステップS17からステップS2に戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0034】
これに対して、前記ステップS18において前記フラグFが1にセットされている場合には、既に加速度のピークが検出された後減少しているものと判断し、ステップS19では、前記ピーク値BPが検出されたタイミングBτ(k)が取込まれ、ステップS20では、前回のピーク値BPが検出されたタイミングBτ(k−1)からの周期BT(k)が求められる。さらにステップS21で前記周期BT(k)の逆数を求めることで、今回の1分間当りの呼吸数Bf(k)が求められた後、前記ステップS1に戻って次のピーク検出が行われる。
【0035】
また、図12は、心拍数の解析方法を説明するためのフローチャートである。この図12の解析方法は、前述の図11で示す呼吸数の解析方法に類似し、対応する部分には同一のステップ番号に添字aを付して示す。前記演算処理回路3は、先ずステップS1aで、タイミングを表す変数iを1に初期化し、以降5msec毎に、ステップS2aで、AC成分ACzを取込み、これを今回の値Hiとする。
【0036】
ステップS3aでは、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る移動平均値Hmeanが更新され、ステップS4aでは、その平均値Hmeanが前記値Hiから減算されてゼロ点シフトが行われる。これを補正値H0iとする。ステップS5aでは、前記補正値H0iに対して10Hzのローパスフィルタ処理が行われ、これをフィルタリング値HFiとする。
【0037】
この図12で示す心拍数の解析では、さらにステップS6で、前記値Hiからフィルタリング値HFiが減算されて、結果として10Hz以上のハイパスフィルタ処理されたフィルタリング値HFi’が求められる。ステップS7aでは、前記フィルタリング値HFi’に対して15Hzのローパスフィルタ処理が行われ、こうしてバンドパスフィルタ処理された結果をフィルタリング値HFi''とする。
【0038】
上述のようにステップS2a〜S7でフィルタリング処理が行われると、ステップS11aでは、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る標準偏差Hσが更新され、ステップS12aでは、その標準偏差Hσが予め定める閾値Thに加算されて閾値HThが求められる。
【0039】
ステップS13aでは、今回のフィルタリング値HFi''が前記閾値HThを超えているか否かが判断され、超えている場合にはさらにステップS14aで、前回のフィルタリング値HFi−1''と比較され、超えている場合にはステップS15aで、ピーク値HPが今回のフィルタリング値HFi''に更新され、さらにステップS16aでピーク値HPが存在することを表すフラグFが1にセットされる。前記ステップS13aにおいて今回のフィルタリング値HFi''が前記閾値HTh以下である場合および前記ステップS16aからはステップS17aに移り、前記変数iに1が加算されて前記ステップS2aに戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0040】
一方、前記ステップS14aにおいて今回のフィルタリング値HFi''が前回のフィルタリング値HFi−1''以下である場合にはステップS18aに移り、前記フラグFが1にセットされているか否かが判断され、セットされていない場合には単調に加速度が減少しているものと判断して前記ステップS17aからステップS2aに戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0041】
これに対して、前記ステップS18aにおいて前記フラグFが1にセットされている場合には、既に加速度のピークが検出された後減少しているものと判断し、ステップS19aでは、前記ピーク値HPが検出されたタイミングHτ(k)が取込まれ、ステップS20aでは、前回のピーク値HPが検出されたタイミングHτ(k−1)からの周期HT(k)が求められる。さらにステップS21aで前記周期HT(k)の逆数を求めることで、今回の1分間当りの心拍数Hf(k)が求められた後、前記ステップS1aに戻って次のピーク検出が行われる。
【0042】
このように加速度センサ2において2軸以上の加速度値をセンシングすることで、重力加速度成分から寝姿勢の判定が可能となり、さらに3軸に次元を増やし、フィルタリングおよび適宜増幅することで、呼吸データおよび心拍データを得てそれらの相関付けが可能となり、1台の加速度センサ2から、睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができ、患者4から加速度センサ2の装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の一形態に係る睡眠時無呼吸検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】加速度センサの取付け状態を示す模式的な側面図である。
【図3】加速度センサの取付け状態を示す模式的な斜視図である。
【図4】図1で示す睡眠時無呼吸検査装置におけるフィルタおよびアンプの具体的構成を示すブロック図である。
【図5】図4の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】加速度センサからの出力をローパスフィルタおよびアンプを通過させた信号波形ならびにそれをデジタルフィルタ処理した信号波形の一例を示す波形図である。
【図7】図6で示す波形から求めた呼吸数の変化の一例を示す波形図である。
【図8】加速度センサからの出力をバンドパスフィルタおよびアンプを通過させた信号波形およびそれをデジタルフィルタ処理した信号波形の一例を示す波形図である。
【図9】図6で示す波形から求めた心拍数の変化の一例を示す波形図である。
【図10】加速度センサからのDC成分出力の信号波形の一例と、その信号から求めた寝姿勢変化の一例を示す波形図である。
【図11】呼吸数の解析方法を説明するためのフローチャートである。
【図12】心拍数の解析方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 睡眠時無呼吸検査
2 加速度センサ
3 演算処理回路
4 患者
A1〜A3 アンプ
AD1〜AD3 アナログ/デジタル変換器
F1〜F3 フィルタ
OPx,OPy,OPz,OPz0 オペアンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠検査または睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep apnea syndrome)の診断のために使用される装置に関し、特にセンサ部分の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠検査または睡眠時無呼吸検査に用いられる生体センサとしては、鼻口などの呼吸を検知するための気流センサ、いびきを検知するための気管音センサ、呼吸運動を計測するための呼吸センサ、心拍を計測するための心拍センサなど様々なセンサが、各々の目的に応じて使用される。特に、睡眠時無呼吸検査では、呼吸運動を計測するために、胸や腹にバンド状の歪ゲージを巻付け、胸と腹との動きの位相差や運動の大きさを計測し、上気道の狭窄による、いわゆる閉塞型であるのか、鼻および口からの換気が停止するのと同時に、胸部と腹部の呼吸も停止する、いわゆる中枢型であるのかなどの診断を行う。またその際、寝姿勢を計測する為の体位センサなどを併用して用いている。
【0003】
したがって、睡眠検査および睡眠時無呼吸検査では、多種多様な生体センサが用いられ、それが患者への負担を大きくさせている。特に、患者が自宅へ検査装置を持ち帰って自らセンサを装着する場合、できるだけ生体センサの種類を少なくし、より多くの情報を得るセンサシステムが強く期待される。
【0004】
一方、特許文献1では、体動を加速度センサで検知して、中途覚醒を判定する中途覚醒の判定システムが提案されている。また、特許文献2では、加速度センサからの出力を周波数分離してそれぞれ解析することで、被検者の日常生活における姿勢や動作を計測するようにした体動解析装置が提案されている。
【特許文献1】特開2002−34955号公報
【特許文献2】特開平7−178073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述のように加速度センサを用いて、睡眠検査および睡眠時無呼吸検査に用いる各生体情報を得ることも考えられる。しかしながら、特許文献1の加速度センサは、体動を検出しているだけで、心拍や脈拍は、別の検出手段で検出しており、上述の問題が残る。一方、特許文献2では、体動を1台の加速度センサで検出しているが、日常生活の立ったり座ったりを検出しており、睡眠時無呼吸検査で測定するような僅かで変化が少ない体動を検出することはできない。特に、心拍に比べて呼吸は、遅く、信号成分を分離するのにノウハウが必要である。
【0006】
本発明の目的は、1台の加速度センサから、睡眠検査および睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができる睡眠検査装置および睡眠時無呼吸検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る睡眠検査装置及び睡眠時無呼吸検査装置の少なくとも一方の機能を実現する構成は、三次元の加速度センサと、前記加速度センサから得られるDC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるAC成分から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、1台の三次元の加速度センサによって患者の寝姿勢および呼吸数を検出することができ、睡眠検査又は睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができる。そして、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【0009】
また、本発明に係る睡眠検査装置及び睡眠時無呼吸検査装置の少なくとも一方の機能を実現する構成は、三次元の加速度センサと、前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzから患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、1台の三次元の加速度センサによって患者の寝姿勢および呼吸数を検出することができ、睡眠検査又は睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができる。そして、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る睡眠検査装置及び睡眠時無呼吸検査装置の少なくとも一方の機能を実現する構成は、三次元の加速度センサと、前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、三次元の加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢(脚側から見た患者の身長軸(y軸)回りの回転)を検出することができ、前記x,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを0.3Hz程度のローパスフィルタでフィルタリングし、増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数からは患者の呼吸数を検出することができる。
【0013】
したがって、1台の加速度センサから、睡眠検査又は睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができ、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の睡眠検査装置および睡眠時無呼吸検査装置は、以上のように、三次元の加速度センサから得られるx,zの各DC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記x,y,zの各AC成分をローパスフィルタでフィルタリングし、増幅した出力から患者の呼吸を検出する。
【0015】
それゆえ、1台の加速度センサから、睡眠検査や睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができ、患者からセンサの装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係る睡眠時無呼吸検査装置1の電気的構成を示すブロック図である。この睡眠時無呼吸検査装置1は、患者の心拍数、呼吸数および寝姿勢を検出するために患者に装着するセンサとしては、三次元の加速度センサ2のみを用いる。前記加速度センサ2の出力の各x,y,z成分は、フィルタF1〜F3に共通に入力される。前記各フィルタF1〜F3の出力は、それぞれアンプA1〜A3において所望とするゲインで増幅され、アナログ/デジタル変換器AD1〜AD3においてデジタル値に変換された後、マイクロコンピュータおよびその周辺回路などを備えて構成される演算処理回路3へ入力される。前記アナログ/デジタル変換器AD1〜AD3および演算処理回路3は、前記センサ、アンプおよびフィルタの各出力を後述するようにして解析し、睡眠時無呼吸検査に用いられるデータを作成する信号処理手段を構成する。
【0017】
図2および図3は、前記加速度センサ2の取付け状態を示す図である。前記加速度センサ2は、図2において参照符号2aで示すように患者4の胸に、好ましくは、図3で示すように患者4のみぞおち付近に、テープなどで貼付けられる。また好ましくは、図2において参照符号2bで示すように患者4の腹にも設けられることで、胸と腹との動きの位相差を計測することができる。取付け方向は、x軸方向を患者4の左右方向、y軸方向を患者4の身長方向、z軸方向を患者4の体厚方向となっている。
【0018】
図4は、前記フィルタF1〜F3およびアンプA1〜A3の具体的構成を示すブロック図である。前記三次元の加速度センサ2からは、各成分の出力x,y,zに、参照用の出力refが出力される。各出力x,y,z,refの出力端は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサから成る加速度センサ2のバイアス用の高周波信号を除去するコンデンサCx1,Cy1,Cz1,Cr1を介して接地されている。たとえば、Cx1,Cy1,Cz1,Cr1=0.01μFである。
【0019】
前記出力x,zは、抵抗Rx1,Rz1を介して姿勢情報x,zとして出力され、前記アナログ/デジタル変換器AD1に入力される。したがって、前記フィルタF1は、スルーフィルタであり、アンプA1のゲインは、1であり、前記加速度センサ2の出力の殆どを占めるDC成分がそのまま出力されることになる。たとえば、Rx1,Rz1=1kΩである。
【0020】
また、前記各出力x,y,zは、前記フィルタF2を構成する結合コンデンサCx2,Cy2,Cz2および入力抵抗Rx2,Ry2,Rz2を介して、前記アンプA2を構成するオペアンプOPx,OPy,OPzの反転入力端にそれぞれ入力される。このオペアンプOPx,OPy,OPzの非反転入力端には、前記出力refが、入力抵抗Rx3,Ry3,Rz3および平滑コンデンサCx3,Cy3,Cz3を介して入力されている。またこのオペアンプOPx,OPy,OPzの反転入力端には、それぞれの出力が、相互に並列の帰還抵抗Rx4,Ry4,Rz4および帰還コンデンサCx4,Cy4,Cz4を介して負帰還されている。オペアンプOPx,OPy,OPzの出力は、抵抗Rx5,Ry5,Rz5を介して、呼吸情報x,y,zとして出力され、前記アナログ/デジタル変換器AD2に入力される。たとえば、Cx2,Cy2,Cz2=100μFであり、Rx2,Ry2,Rz2=1kΩであり、Rx3,Ry3,Rz3=10kΩであり、Cx3,Cy3,Cz3=0.1μFであり、Rx4,Ry4,Rz4=300kΩであり、Cx4,Cy4,Cz4=0.1μFであり、Rx5,Ry5,Rz5=1kΩである。したがって、加速度センサ2の各出力x,y,zの内、前記DC成分に重畳する微小なAC成分の0.3Hz以下の成分が、300倍に増幅されて出力されることになり、前記フィルタF2は、ローパスフィルタとなる。
【0021】
さらにまた、前記出力Zは、前記フィルタF3を構成する結合コンデンサCz20および入力抵抗Rz20を介して、前記アンプA3を構成するオペアンプOPz0の反転入力端に入力される。このオペアンプOPz0の非反転入力端には、前記出力refが、入力抵抗Rz30および平滑コンデンサCz30を介して入力されている。またこのオペアンプOPz0の反転入力端には、それぞれの出力が、相互に並列の帰還抵抗Rz40および帰還コンデンサCz40を介して負帰還されている。オペアンプOPz0の出力は、抵抗Rz50を介して、心拍情報として出力され、前記アナログ/デジタル変換器AD3に入力される。たとえば、Cz20=10μFであり、Rz20=1kΩであり、Rz30=10kΩであり、Cz30=0.1μFであり、Rz40=400kΩであり、Cz40=0.001μFであり、Rz50=1kΩである。したがって、加速度センサ2の出力zの内、前記DC成分に重畳する微小なAC成分の10〜15Hzの成分が、400倍に増幅されて出力されることになり、前記フィルタF3は、バンドパスフィルタとなる。
【0022】
したがって、上述の図4の構成を模式的に示せば、図5で示すようになる。なお、加速度センサ2の取付け方向は、上述に限らず、後段のフィルタF1〜F3およびアンプA1〜A3に対応していればよい。すなわち、出力xを結合コンデンサCz2,Cz20に入力するようになっていれば、患者4の体厚方向をx方向とすればよい。同様に、左右方向および上下方向も、これに合わせて設定されればよい。
【0023】
前記アナログ/デジタル変換器AD1〜AD3においてデジタル値に変換された上記のような入力信号は、演算処理回路3に取込まれ、デジタルフィルタ処理によってSNを向上させて使用される。
【0024】
演算処理回路3は、フィルタF2およびアンプA2を介して入力された0.3Hz以下の呼吸情報x,y,zから、前記デジタルフィルタ処理によって0.2Hz近傍の信号を抽出し、得られた呼吸に基づく体動データが、該演算処理回路3内のデータベースに格納されている呼吸中の体動データと、無呼吸中の体動データとに比較され、患者4が呼吸状態か無呼吸状態かのどちらかを推定する。図6には、前記加速度センサ2からの出力x,y,zをフィルタF2およびアンプA2を通過させた信号波形の一例を実線で示し、前記演算処理回路3によるデジタルフィルタ処理後の信号波形の一例を破線で示している。また、各信号を合成した絶対値も示し、その絶対値の信号から演算処理回路3内で求めた呼吸数の変化の一例を図7で示している。
【0025】
さらに、加速度センサ2を、前記図2で示すように胸郭部と腹部とに配置し、計測した場合、無呼吸状態にある体動データから、以下の手順で、中枢性または閉塞性の判断を可能とする。すなわち、両部位の呼吸による体動データを比較すると、周期性のある動きの場合、動きの位相差は、2階微分値に当たる加速度値間でも維持されるので、直接両者の相互相関関数を計算することが可能である。これにより、動きの位相差の算出が可能となる。位相差が予め定める閾値以上の場合、その無呼吸状態が、前記データベースに格納されている中枢性と梗塞性との位相差のデータとの比較によって、無呼吸のタイプを推定することが可能である(前記図7は胸郭部と腹部とのデータを示しているが、健常者のデータである)。
【0026】
同様に、演算処理回路3は、フィルタF3およびアンプA3を介して入力された10〜15Hz付近の心拍情報から、前記デジタルフィルタ処理によって1Hz付近の心拍信号を抽出し、得られた心拍信号のピークが分かると、そこからR−R間隔などの情報を得ることが可能となる。図8には、前記加速度センサ2からの出力zをフィルタF3およびアンプA3を通過させた信号波形の一例と、前記演算処理回路3によるデジタルフィルタ処理後のピークホールドした信号波形の一例とを示している。また、その信号から演算処理回路3内で求めた心拍数の変化の一例を図9で示している。
【0027】
さらにまた、演算処理回路3は、抵抗Rx1,Rz1を介して入力されたDC成分から、体動データの静的な情報を抽出する。図10には、前記抵抗Rx1,Rz1を介する加速度センサ2からの出力x,zの信号波形の一例と、その信号から演算処理回路3内で求めた寝姿勢変化の一例を示している。また図10には、加速度センサ2からの出力yも示しているが、体軸(y軸)回りの姿勢変化であるので、この出力yは殆ど変化せず、左右方向の出力xおよび前後方向の出力zが、寝姿勢を変化させる際に変化していることが理解される。このため、前記出力yは、寝姿勢の変化を検出するために取込んでいない。
【0028】
以下に、寝姿勢、呼吸数および心拍数の解析方法を具体的に説明する。先ず寝姿勢については、前記演算処理回路3は、100msec毎に、x,zの各DC成分DCx,DCzを取込み、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)を求め、前記図10で示す寝姿勢変化のグラフにおいて、x軸方向に各サンプリングタイミングtを取り、y軸方向に患者4の体軸(y軸)回りの姿勢を取り、(t,0)を始点として、求めた値(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)を終点とするベクトルで表す。
【0029】
次に、呼吸数については、図11で示すように、前記演算処理回路3は、先ずステップS1で、タイミングを表す変数iを1に初期化し、以降100msec毎に、ステップS2で、x,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを取込み、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2を求める。これを絶対値Biとする。
【0030】
続いてステップS3では、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る移動平均値Bmeanが更新され、ステップS4では、その平均値Bmeanが前記絶対値Biから減算されてゼロ点シフトが行われる。これを補正値B0iとする。ステップS5では、前記補正値B0iに対して0.3Hzのローパスフィルタ処理が行われ、これをフィルタリング値BFiとする。
【0031】
上述のようにステップS2〜S5でフィルタリング処理が行われると、ステップS11では、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る標準偏差Bσが更新され、ステップS12では、その標準偏差Bσが予め定める閾値Thに加算されて閾値BThが求められる。
【0032】
ステップS13では、今回のフィルタリング値BFiが前記閾値BThを超えているか否かが判断され、超えている場合にはさらにステップS14で、前回のフィルタリング値BFi−1と比較され、超えている場合にはステップS15で、ピーク値BPが今回のフィルタリング値BFiに更新され、さらにステップS16でピーク値BPが存在することを表すフラグFが1にセットされる。前記ステップS13において今回のフィルタリング値BFiが前記閾値BTh以下である場合および前記ステップS16からはステップS17に移り、前記変数iに1が加算されて前記ステップS2に戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0033】
一方、前記ステップS14において今回のフィルタリング値BFiが前回のフィルタリング値BFi−1以下である場合にはステップS18に移り、前記フラグFが1にセットされているか否かが判断され、セットされていない場合には単調に加速度が減少しているものと判断して前記ステップS17からステップS2に戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0034】
これに対して、前記ステップS18において前記フラグFが1にセットされている場合には、既に加速度のピークが検出された後減少しているものと判断し、ステップS19では、前記ピーク値BPが検出されたタイミングBτ(k)が取込まれ、ステップS20では、前回のピーク値BPが検出されたタイミングBτ(k−1)からの周期BT(k)が求められる。さらにステップS21で前記周期BT(k)の逆数を求めることで、今回の1分間当りの呼吸数Bf(k)が求められた後、前記ステップS1に戻って次のピーク検出が行われる。
【0035】
また、図12は、心拍数の解析方法を説明するためのフローチャートである。この図12の解析方法は、前述の図11で示す呼吸数の解析方法に類似し、対応する部分には同一のステップ番号に添字aを付して示す。前記演算処理回路3は、先ずステップS1aで、タイミングを表す変数iを1に初期化し、以降5msec毎に、ステップS2aで、AC成分ACzを取込み、これを今回の値Hiとする。
【0036】
ステップS3aでは、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る移動平均値Hmeanが更新され、ステップS4aでは、その平均値Hmeanが前記値Hiから減算されてゼロ点シフトが行われる。これを補正値H0iとする。ステップS5aでは、前記補正値H0iに対して10Hzのローパスフィルタ処理が行われ、これをフィルタリング値HFiとする。
【0037】
この図12で示す心拍数の解析では、さらにステップS6で、前記値Hiからフィルタリング値HFiが減算されて、結果として10Hz以上のハイパスフィルタ処理されたフィルタリング値HFi’が求められる。ステップS7aでは、前記フィルタリング値HFi’に対して15Hzのローパスフィルタ処理が行われ、こうしてバンドパスフィルタ処理された結果をフィルタリング値HFi''とする。
【0038】
上述のようにステップS2a〜S7でフィルタリング処理が行われると、ステップS11aでは、予め定める以前のサンプリング数のデータに亘る標準偏差Hσが更新され、ステップS12aでは、その標準偏差Hσが予め定める閾値Thに加算されて閾値HThが求められる。
【0039】
ステップS13aでは、今回のフィルタリング値HFi''が前記閾値HThを超えているか否かが判断され、超えている場合にはさらにステップS14aで、前回のフィルタリング値HFi−1''と比較され、超えている場合にはステップS15aで、ピーク値HPが今回のフィルタリング値HFi''に更新され、さらにステップS16aでピーク値HPが存在することを表すフラグFが1にセットされる。前記ステップS13aにおいて今回のフィルタリング値HFi''が前記閾値HTh以下である場合および前記ステップS16aからはステップS17aに移り、前記変数iに1が加算されて前記ステップS2aに戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0040】
一方、前記ステップS14aにおいて今回のフィルタリング値HFi''が前回のフィルタリング値HFi−1''以下である場合にはステップS18aに移り、前記フラグFが1にセットされているか否かが判断され、セットされていない場合には単調に加速度が減少しているものと判断して前記ステップS17aからステップS2aに戻り、次の加速度の計測値が取込まれる。
【0041】
これに対して、前記ステップS18aにおいて前記フラグFが1にセットされている場合には、既に加速度のピークが検出された後減少しているものと判断し、ステップS19aでは、前記ピーク値HPが検出されたタイミングHτ(k)が取込まれ、ステップS20aでは、前回のピーク値HPが検出されたタイミングHτ(k−1)からの周期HT(k)が求められる。さらにステップS21aで前記周期HT(k)の逆数を求めることで、今回の1分間当りの心拍数Hf(k)が求められた後、前記ステップS1aに戻って次のピーク検出が行われる。
【0042】
このように加速度センサ2において2軸以上の加速度値をセンシングすることで、重力加速度成分から寝姿勢の判定が可能となり、さらに3軸に次元を増やし、フィルタリングおよび適宜増幅することで、呼吸データおよび心拍データを得てそれらの相関付けが可能となり、1台の加速度センサ2から、睡眠時無呼吸検査に必要な生体の情報を得ることができ、患者4から加速度センサ2の装着や計測の負担を低減することができるとともに、データ取得エラーの低減化に期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の一形態に係る睡眠時無呼吸検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】加速度センサの取付け状態を示す模式的な側面図である。
【図3】加速度センサの取付け状態を示す模式的な斜視図である。
【図4】図1で示す睡眠時無呼吸検査装置におけるフィルタおよびアンプの具体的構成を示すブロック図である。
【図5】図4の構成を模式的に示すブロック図である。
【図6】加速度センサからの出力をローパスフィルタおよびアンプを通過させた信号波形ならびにそれをデジタルフィルタ処理した信号波形の一例を示す波形図である。
【図7】図6で示す波形から求めた呼吸数の変化の一例を示す波形図である。
【図8】加速度センサからの出力をバンドパスフィルタおよびアンプを通過させた信号波形およびそれをデジタルフィルタ処理した信号波形の一例を示す波形図である。
【図9】図6で示す波形から求めた心拍数の変化の一例を示す波形図である。
【図10】加速度センサからのDC成分出力の信号波形の一例と、その信号から求めた寝姿勢変化の一例を示す波形図である。
【図11】呼吸数の解析方法を説明するためのフローチャートである。
【図12】心拍数の解析方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 睡眠時無呼吸検査
2 加速度センサ
3 演算処理回路
4 患者
A1〜A3 アンプ
AD1〜AD3 アナログ/デジタル変換器
F1〜F3 フィルタ
OPx,OPy,OPz,OPz0 オペアンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサから得られるDC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるAC成分から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠検査装置。
【請求項2】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzから患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠検査装置。
【請求項3】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠検査装置。
【請求項4】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサから得られるDC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるAC成分から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠時無呼吸検査装置。
【請求項5】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzから患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠時無呼吸検査装置。
【請求項6】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠時無呼吸検査装置。
【請求項1】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサから得られるDC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるAC成分から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠検査装置。
【請求項2】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzから患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠検査装置。
【請求項3】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠検査装置。
【請求項4】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサから得られるDC成分から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるAC成分から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠時無呼吸検査装置。
【請求項5】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzから患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠時無呼吸検査装置。
【請求項6】
三次元の加速度センサと、
前記加速度センサの出力をフィルタリングするフィルタと、
前記加速度センサの出力を所望とするゲインで増幅するアンプと、
x軸方向を患者の左右方向とし、y軸方向を患者の身長方向とし、z軸方向を患者の体厚方向とするとき、前記加速度センサから得られるx,zの各DC成分DCx,DCzを用いて、(DCx/(DCx2+DCz2)1/2,DCz/(DCx2+DCz2)1/2)から患者の寝姿勢を検出し、前記加速度センサから得られるx,y,zの各AC成分ACx,ACy,ACzを前記フィルタでフィルタリングし、さらに前記アンプで増幅した出力を用いて、(ACx2+ACy2+ACz2)1/2のピーク周期の逆数から患者の呼吸数を検出する信号処理手段とを含むこと
を特徴とする睡眠時無呼吸検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−320733(P2006−320733A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182693(P2006−182693)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【分割の表示】特願2005−145076(P2005−145076)の分割
【原出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【分割の表示】特願2005−145076(P2005−145076)の分割
【原出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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