説明

矢印道路標識装置

【課題】横幅を自由に調整して使用でき、かつ、コンパクト化して保管し得る矢印道路標識装置を提供する。
【解決手段】道路上に設置して使用する矢印道路標識装置において、概略四角形状に形成され、前面側に方向指示用の矢印部5A,5Bを有する第1及び第2の2つの標識本体1,2を備える。該両標識本体1,2は、前記矢印部5A,5Bを同一方向に向けると共にガイド手段3により前記矢印部5A,5Bの指示する方向と平行方向に互に移動自在に係合して設け、前記矢印部5A,5Bを横方向に向けて設置するように構成する。前記ガイド手段3は第1の標識本体1の裏面側に設けた第1の案内管30と、第2の標識本体2の裏面側に設けられ第1の案内管30に摺動自在に嵌挿した第2の案内管31とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路上に設置して使用する矢印道路標識装置に関する。さらに詳しくは、例えば、道路上で工事その他の作業等を行なう際に、走行中の車両の運転者に作業中であることを作業場所の手前で事前に知らせて避けてもらい、事故等を防止するための矢印道路標識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種の矢印道路標識装置は、例えば、道路上で事故が発生した際に、二次災害を防止するため、或いは道路工事を実施する際に、事故現場や工事作業現場の手前の道路上に設置し、走行中の車両の運転者に対して前方で作業中であることを認識させて、その現場を避けて走行させるために使用されている。
【0003】
従来、この種の道路標識装置として、横長の四角形状に形成した標識本体の前面側に同一方向を指示するように設けた複数の方向指示用の矢印部を備え、前記本体を支持脚で立設するように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この先行技術(先行技術1)の道路標識装置は、標識本体を横長に形成し、この本体の前面に複数の矢印部を設けて構成したものであるから、これを前記現場の手前に設置することにより、走行中の車両の運転者に作業中等であることを容易に認識させることができる。したがって、上述した目的は一応達成することができる。
【0004】
ところで、事現場や工事作業現場等は、その状況により規模が相違していると共に道路幅も異なっている。しかるに、先行技術1の道路標識装置の標識本体は横幅を変えることができないため、道路幅等の状況によっては、設置し難い場合が生じると共に、ときには設置できない場合が生じる等の問題を有している。
【0005】
また、先行技術1の前記装置は上述したように横長で大きいため、保管する際のスペースが大きくなる問題を有している。そこで、この問題を解消するため、それぞれ矢印部を有する2個の標識本体を二つ折り可能に連結した矢印道路標識装置(先行技術2)が提案されている。
【0006】
上記先行技術2の道路標識装置によれば、前記装置を二つ折りすることによりコンパクト化できるので、上述した保管スペースの問題は解消することができる。しかるに、先行技術2の道路標識装置は、二つ折りした状態で道路上に設置して使用することはできない問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3139894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、横幅を自由に調整して使用でき、かつ、コンパクト化して保管し得る矢印道路標識装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のうち、1つの発明(第1の発明)は、道路上に設置して使用する矢印道路標識装置において、
概略四角形状に形成され、前面側に方向指示用の矢印部を有する第1及び第2の2つの標識本体を備え、
前記両標識本体は、前記矢印部を同一方向に向けると共にガイド手段により前記矢印部の指示する方向と平行方向に互に移動自在に係合して設けられ、
前記矢印部を横方向に向けて設置するように構成されていることを特徴とする。
なお、本発明において「矢印部」の用語は、「→」状の矢印及び「→」の「−」部を省略し、単に「V」字状の部分で構成した矢印の両方を含む概念として用いられている。
【0010】
本発明のうち、他の1つの発明(第2の発明)は、第1の発明の矢印道路標識装置において、前記両標識本体は、略同一大きさの概略四角形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明のうち、さらに他の1つの発明(第3の発明)は、第1の発明の矢印道路標識装置において、前記ガイド手段は、前記第1又は第2のいずれか一方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて平行に配置固定して設けた第1の案内管と、他方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて前記案内管と対応させて平行に配置固定して設けた第2の案内管とを備え、
前記第1又は第2のいずれか一方の案内管は他方の案内管に、長手方向へ摺動自在に嵌挿させてあり、
前記両標識本体は、前記両案内管により案内されて互に前記平行方向へ移動自在に係合されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のさらに他の1つの発明(第4の発明)は、第1の発明の矢印道路標識装置において、前記ガイド手段は、前記第1又は第2のいずれか一方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて平行に配置固定して設けたガイドレールと、他方の前記識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて前記ガイドレールと対応させて平行に配置固定して設けた係合案内部材とを備え、
前記案内部材は前記ガイドレールに、長手方向へ摺動自在に係合させてあり、
前記両標識本体は、前記ガイドレール及び係合案内部材により案内されて互に前記平行方向へ移動自在に係合されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに他の1つの発明(第5の発明)は、第1の発明の矢印道路標識装置において、前記第1及び第2の前記両標識本体は、同一方向を指示するように設けた複数の前記矢印部を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明のさらに他の1つの発明(第6の発明)は、第1又は第5の発明の矢印道路標識装置において、前記両標識本体は、前記各矢印部に所望数のLEDを有し、前記各LEDから前記両本体の前方側へ光を照射させるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明のさらに他の1つの発明(第7の発明)は、第1ないし第6のいずれかの発明の矢印道路標識装置において、前記第1又は第2のいずれかの前記標識本体は、前記本体の裏面側方向へ起伏自在に設けた支持脚部を備えていること特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、次のような作用効果を奏する。
(1)第1及び第2の標識本体は、ガイド手段により矢印部の指示する方向と平行方向に互に移動自在に係合して設けてあるので、標識装置の横幅を任意に調整することができる。
(2)第1及び第2の標識本体は、矢印部を同一方向に向けて前記ガイド手段により平行方向へ互に移動自在に係合して設けてあるので、横幅を調整した状態で道路上に設置して使用することができる。
(3)道路標識装置をコンパクト化して保管することができる。
(4)前記装置をコンパクト化できるので、持ち運び等の取扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の矢印道路標識装置を示す図であって、同図(a)は前記標識装置全体の構成を概略的に示す正面図、同図(b)は同じく平面図、同図(c)は同じく背面図である。
【図2】図2(a)は図1の前記標識装置の構成を概略的に示す側面図、図2(b)は前記標識装置を道路の路面上に設置した状態を概略的に示す説明図である。
【図3】前記標識装置の一方(第1)の標識本体の構成を概略的に示す背面図側から見た斜視図である。
【図4】前記標識装置の他方(第2)の標識本体の構成を概略的に示す背面図側から見た斜視図である。
【図5】前記標識装置の一部を拡大し、その構成を概略的に示す背面図である。
【図6】図5のB−B線で切断し、その一部の構成を概略的に示す説明図である。
【図7】図1のA−A線で切断し、その構成を概略的に示す拡大断面図である。
【図8】前記標識装置の構成において、ガイド手段及び電気コードの配線の構成を概略的に示す背面側から見た説明図である。
【図9】前記標識装置の一方(第2)の標識本体を他方(第1)の標識本体に対して約半分程度まで摺動した状態の構成を概略的に示す説明図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図である。
【図10】前記標識装置の一方の標識本体を他方の標識本体に対して最終の位置(最も幅狭になる位置)まで摺動した状態の構成を概略的に示す説明図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図である。
【図11】前記標識装置に採用されている電気回路図の一例を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。
【0019】
図1ないし図11は本発明の一実施形態の矢印道路標識装置を示す。これら図1ないし図11に示すように、本実施形態は道路上に設置して使用する矢印道路標識装置であって、第1の標識本体1と、第1の標識本体2と、ガイド手段3と、支持脚部4とを備えている。
【0020】
第1の標識本体1は、略四角形状(図示では横長の略長方形状)に形成したパネル10と、このパネル10の前面側に設けた方向指示用の矢印部5A,5Bとを有している。パネル10は矢印部5A,5Bを除く位置に設けた通風孔11を有している。前記通風孔11は、標識本体1が風圧を受けた際、その風圧によって移動したり、倒れたりするのを防止するために設けたものである。
【0021】
前記標識本体1のパネル10は、例えばアルミ合金等で形成されている。但し、上記素材に限定するものではない。パネル10の一側端部(図1(a)において左側端部)及び他側部近く(図1(a)において右側部近く)における上下縁には、適当な大きさの脚台部材12…12が固定して設けてある。これらの脚台部材12の取付構成については追ってさらに詳細に説明する。
【0022】
前記本体1は、パネル10の前面側における四隅部に配置して設けたスペーサー用の台座部13…13を有している。前記台座部13は標識装置を積み重ねた際、装置同士の間にスペース(間隙部)を形成し、矢印部5A,5Bの前面部等を損傷するのを防止するために設けたものである。前記台座部13は所望に応じて設けるものである。
【0023】
第1の標識本体1は、前記矢印部5A,5Bを複数個(図示では2個)有している。両矢印部5A,5Bは同一方向を指示するように配置して設けてある。本実施形態では、一方の矢印部5Aを「→」状の矢印部で形成し、また、他方の矢印部5Bは「→」状の矢印の「−」部を省略し、「V」字状の部分で構成されている。
【0024】
本実施形態の両矢印部5A,5Bは図7に詳細に示すように、パネル10の前面側の所定部に任意の手段で固定して設けた枠板部50と、この枠板部50の先端部を閉塞して設けた前面部51とを有して構成されている。両矢印部5A,5Bの前面部51は、硬質かつ有色(例えば赤色系)のポリカーボネート等の反射(光反射)性の板材で構成されている。これにより、前面部51に車両(図示せず)のライトが照射すると反射するように構成されている。なお、後述する第2の標識本体2の矢印部5C,5Dも前記矢印部5A,5Bと同様に構成されている。
【0025】
第2の標識本体2は、第1の標識本体1のパネル10と略同一大きさの略四角形状に形成したパネル20と、このパネル20の前面側に設けた方向指示用の矢印部5C,5Dとを有している。パネル20は前記パネル10と同様に、矢印部5C,5Dを除く位置に設けた通風孔21を有している。前記通風孔21は前記通風孔11と同様の理由により設けたものである。
【0026】
前記標識本体2のパネル20は、前記パネル10と同様に例えばアルミ合金等で形成されている。パネル20の一側端部(図1(a)において右側端部)における上下縁には、適当な大きさの脚台部材22,22が固定して設けてある。
【0027】
第2の標識本体2は、前記矢印部5C,5Dを複数個(図示では2個)有している。両矢印部5C,5Dは同一方向を指示するように配置して設けてある。本実施形態の両矢印部5C,5Dは「→」状の矢印の「−」部を省略し、「V」字状の部分で構成されている。両矢印部5C,5Dは上述したように矢印部5A,5Bと同様に構成されている。
【0028】
第1及び第2の標識本体1及び2は、前記本体1の矢印部5A,5Bと、前記本体2の矢印部5C,5Dを同一方向に向けると共にガイド手段3により矢印部5A…5Dの指示する方向と平行方向に互に移動自在に係合して設けてある。本実施形態ではガイド手段として案内管を採用している。
【0029】
即ち、ガイド手段3は、第1又は第2のいずれか一方の標識本体1又は2の裏面側における上下端近くに沿わせて平行に配置固定して設けた第1の案内管30,30と、他方の標識本体2又は1の裏面側における上下端近くに沿わせて前記案内管30と対応させて平行に配置固定して設けた第2の案内管31,31とを備える。前記いずれか一方の案内管は他方の案内管に、長手方向へ摺動自在に嵌挿させてある。そして、両標識本体1,2は、両案内管30,31により案内されて互に前記平行方向へ移動自在に係合させる構成を採用している。
【0030】
前記構成をさらに具体的に説明する。第1の標識本体1は、パネル10の裏面側における上下端部近くに沿わせて平行に配置固定して設けた第1の案内管30,30を備える。前記両案内管30は金属管や硬質プラスチック管等で構成され、両端部を支持部材32,32、33,33で固定支持して設けてある。前記両標識本体1,2は、両案内管30,31をガイドとして互に移動自在に設けるものであり、そのため、前記支持部材32、33は、第2の標識本体2の厚さ(パネルの肉厚+矢印部の高さの和)の寸法の空隙部を形成した位置に設けてある。
【0031】
本実施形態では、図3及び図6等に詳細に示すように、パネル10の一側端部(図3において右側端部)の裏面側における上下端部に適当な高さのスペーサー用の台部材34,34を固定して設け、この台部材34上に一方の支持部材32を固定して設けてある。また、パネル10の他側部近く(図3において左側部近く)の裏面側に、パネル10の幅(上下幅)と略同一の長さ、かつ、適当な幅の金属製等の杆材35aの両端に適当な長さの折曲片35bを設けて概略コ字状に形成した取付用のバー部材35を固定して設け、前記杆材35aの内側に他方の支持部材33を固定して設けてある。
【0032】
そして、前記両第1の案内管30は、一端を支持部材32で固定支持させると共に他端部近くを支持部材33で固定支持させて設けてある。また、前記案内管30の支持部材33側の端部は、支持部材33から適当な長さを突出させてある。
【0033】
第1の標識本体1のパネル10の一側端部の上下縁(上下端)に設けられる前記脚台部材12,12は、図3に詳細に示すように、前記台部材34に固定して設けてある。また、パネル10の他側端部の上下縁(上下端)に設けられる前記脚台部材12,12は前記バー部材35の折曲片35bに固定して設けてある。
【0034】
第2の標識本体2は、パネル20の裏面側における上下端部近くに沿わせて第1の案内管30と対応させて平行に配置固定して設けた第2の案内管31,31を備える。両案内管31は金属管や硬質プラスチック管等で構成されている。両案内管31は第1の案内管30に適合して長手方向に摺動自在に嵌挿し得る直径を有する管材で形成される。
【0035】
第2の案内管31,31は、一端を支持部材36,36で固定支持させると共に他端側を第1の案内管30,30に嵌挿(挿入)して設けられる。本実施形態では、図4等に詳細に示すように、パネル20の一側端部(図4において左側端部)の裏面側における上下端部に支持部材36,36を固定して設けてある。
【0036】
そして、前記両第2の案内管31は、一端を支持部材36で固定支持させると共に他端側を第1の案内管30に挿入して設けてある。また、第2の標識本体2は、パネル20の他側端部(図4において右側端部)の裏面側における上下端部に第1の案内管30を長手方向に摺動可能に支持する支持部材37,37を固定して設けてある。第1の案内管30,30は、前記支持部材32と33との間の部位を支持部材37で長手方向に摺動可能に支持させてある。前記両支持部材37は、両標識本体1,2の往復移動の円滑性及びストッパーの役目をなすものである。
【0037】
上記構成により、両標識本体1,2は、矢印部5A,5Bと5C,5Dを同一方向に向けると共にガイド手段3(両案内管30,31)により前記矢印部の指示する方向と平行方向に互に移動自在に係合して設けられている。そして、両標識本体1,2を伸長する方向へ移動し、第1の標識本体1の支持部材33と第2の標識本体2の支持部材37とが当接することにより、両本体1,2のそれ以上の伸長方向への動き(移動)は規制される。したがって、上記状態が両標識本体1,2で構成される矢印道路標識装置の最大幅(横幅)になる。
また、両本体1,2を縮小方向へ移動し、第2の標識本体2の支持部材37と第1の標識本体1の支持部材32とが当接することにより、両本体1,2のそれ以上の縮小方向への動き(移動)は規制される。この状態が両本体1,2で構成される矢印道路標識装置の最小幅(横幅)になる。この最小幅の状態は第1の標識本体1の横幅と略同じ幅になる。
【0038】
前記支持脚部4は、両標識本体1,2を起立させた状態で支持して道路上に設置するもので、第1又は第2の標識本体1又は2の裏面側方向へ起伏自在に取付けて設けてある。本実施形態では、支持脚部4を第2の標識本体2の裏面側に取付けてある。
【0039】
本実施形態の支持脚部4は、図4等に詳細に示すように、適当な径及び長さの金属杆等で概略コ字状に形成したものを採用している。支持脚部4の両支持杆40,40の両端(フリー端)は対向する方向へ略L字形状に折曲して形成した取付杆部41,41を有している。第2の標識本体2のパネル20の裏面側における一側端部(図4において右側端部)には取付杆部41,41を回動自在に嵌合する軸受筒体42,42が所定の間隔を存して固定して設けてある。そして、支持脚部4は両取付杆部41,41を軸受筒体42,42に回動自在に挿入してパネル20に取付け、前記本体2に対して裏面側方向に起伏自在に成るように設けてある。
また、両取付杆部41の先端には外側方向(図4において右側方向)へ略直角に折曲して形成したストッパー用の係合杆部43,43が設けてある。これにより、支持脚部4が標識本体2(パネル20)に対して起立する方向へ所定の位置まで回動した時点で両係合杆部43がパネル20の裏面に当接(衝当)し、それ以上の裏面側方向への動き(回動)を規制するように構成されている(図4,図5参照)。
【0040】
上記により、支持脚部4は、標識本体2の裏面側に当接する位置から前記両係合杆部43がパネル20の裏面に当接する位置までの間(範囲内)を自由に回動(旋回)させることができるように構成してある。
【0041】
本実施形態では、図4等に示すように、第2の標識本体2のパネル20の裏面側の適当部(本実施形態では図4において右側部)に収容部6が設けてある。この収容部6に後述するLED7A,7B(発光ダイオード)を制御する電子回路60や電池61及びスイッチ62等(符号60,61,62については図11参照)が収容されている。本実施形態のスイッチ62は、図11に示すように、点滅用スイッチ62aと、連続点灯用スイッチ62bと、OFF点62cとを有する点灯・点滅切替スイッチで構成されている。
前記収容部6の適当部には、図4等に示すように、前記スイッチ62を操作するスイッチボタン63が設けてある。前記スイッチ62はスイッチボタン63を押動して切替操作するように構成されている。
【0042】
本実施形態の両標識本体1,2は前記各矢印部5A…5Dに所望数のLED7A…7A、7B…7Bを備えている。本実施形態では図1(a),図11等に示すように、各矢印部5A…5Dにそれぞれ10個のLED7A,7Bを設けた例が開示されている。また、本実施形態では、「→」状に形成した矢印部5Aの「−」部の部位にも所望数(図示では10個)のLED7Aを備えている。前記LEDの数量は任意に増減することができる。
【0043】
各LED7A,7Bは両標識本体1,2の前方側へ光を照射させるように、適当な間隔を存して配置して設けてある。本実施形態では、各矢印部の前面部51に所望(適当)の間隔を存して透孔52(図7参照)を開設してある。また、各LED7A,7Bは図7に示すように、前記各孔52間の間隔と対応する間隔を存して取付板53に固定して設けられ、各LED7A,7Bの先端を対応する前記各孔52に位置させて、取付板53を適当部に任意の手段で固定して設けてある。
【0044】
上記により、スイッチボタン63を操作して点滅用スイッチ62aを閉成(ON)することにより、各LED7A,7Bを点滅させ、また、連続点灯用スイッチ62bを閉成(ON)することにより、各LED7A,7Bを連続点灯させるように構成してある。なお、この場合において、流れ用の電子回路(図示せず)を追加して設け、スイッチボタン64(図4等参照)を押動操作することにより、各LED7A,7Bを矢印部の指示する方向へ流れるように時間差を設けて点滅させるように構成してもよい。
【0045】
なお、本実施形態では、各LEDを電源部(電池61)と電気的に接続する電気コード65中、第1の標識本体1の矢印部5A,5Bに設けた各LED7Aを電源部と接続する電気コード65の一部は、図8に示すように、第1及び第2の案内管30,31内を通して配線されている。そして、両案内管30,31の部位における電気コード65はカールコード65a(カールした電気コード)で構成されている。これにより、両案内管30,31を互に長手方向に摺動して両案内管30,31を伸縮しても、これに追従してカールコード65aが伸縮するので、各LED7Aと電源部(電池61)との接続は支障なく行なえる。なお、図8では、パネル10,20に設けた通風孔11,21及びパネル20に設けた支持脚部4は省略してある。
また、電気コード65のカールコード65a以外の部位は保護部材66により被覆されている。さらにまた、図5においてもパネル10,20に設けた通風孔11,21は省略してある。
【0046】
本実施形態の矢印道路標識装置は上記のように構成したもので、次に使用方法の一例について説明する。この標識装置は、指示脚部4を標識本体の裏面側方向へ回動(旋回)して起立させ、図2(b)に示すように、道路8の所望箇所における路面上等に設置する。そして、スイッチボタン63を操作して各LED7A,7Bを点滅させ、或いは連続点灯させて使用するものである。また、設置場所の道路幅等が狭いときは、図9に示すように、両標識本体1,2を縮小方向へ互に移動(スライド)させて前記両本体間の横幅を設置場所の道幅等に対応する長さ(横幅)に調整し、その状態で前記と同様に路面上等に設置して使用する。
なお、標識装置を図2(b)と天地逆にして設置することにより、矢印部の指示する方向が前記と逆向きになる。
【0047】
そして、不使用時は、図10に示すように、両標識本体1,2を縮小方向へ移動して最小幅になるようにすると共に支持脚部4を第2の標識凡退2の裏面上に倒伏し、この状態で標識装置を積み重ねて倉庫その他に保管する。なお、両標識本体1,2を上述したように最小幅になる位置まで移動した状態であっても、道路の路面上等に設置して使用することができる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、ガイド手段3として、第1及び第2の案内管30,31を採用して構成した例を開示したが、前記一方の案内管に代えてガイドレールを設けると共に他方の案内管に代えて係合案内部材を設け、前記レールと前記案内部材とを互いに長手方向に移動自在に係合する構成等、他の任意の構成のガイド手段を採用することができる。要は両標識本体を前記平行方向へ互に移動自在になるように構成すればよいものである。
【0049】
上述したガイドレールと係合案内部材を採用する場合には、例えば以下のように構成する。第1又は第2のいずれか一方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせてガイドレールを平行に配置固定して設けると共に他方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて前記ガイドレールと対応させて係合案内部材を平行に配置固定して設ける。そして、前記案内部材をガイドレールに、長手方向へ摺動自在に係合させ、前記両標識本体を前記レール及び係合案内部材により案内させて互に上述した平行方向へ移動自在に係合させるように構成することができる。
【0050】
また、上記した実施形態は一例として開示したもので、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想を越脱しない範囲において任意に変更可能なものである。
【符号の説明】
【0051】
1 第1の標識本体
2 第2の標識本体
3 ガイド手段
5A 矢印部
5B 矢印部
30 第1の案内管
31 第2の案内管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に設置して使用する矢印道路標識装置において、
概略四角形状に形成され、前面側に方向指示用の矢印部を有する第1及び第2の2つの標識本体を備え、
前記両標識本体は、前記矢印部を同一方向に向けると共にガイド手段により前記矢印部の指示する方向と平行方向に互に移動自在に係合して設けられ、
前記矢印部を横方向に向けて設置するように構成されている、
ことを特徴とする、矢印道路標識装置。
【請求項2】
前記両標識本体は、略同一大きさの概略四角形状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の矢印道路標識装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は、前記第1又は第2のいずれか一方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて平行に配置固定して設けた第1の案内管と、他方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて前記案内管と対応させて平行に配置固定して設けた第2の案内管とを備え、
前記第1又は第2のいずれか一方の案内管は他方の案内管に、長手方向へ摺動自在に嵌挿させてあり、
前記両標識本体は、前記両案内管により案内されて互に前記平行方向へ移動自在に係合されていることを特徴とする、請求項1に記載の矢印道路標識装置。
【請求項4】
前記ガイド手段は、前記第1又は第2のいずれか一方の前記標識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて平行に配置固定して設けたガイドレールと、他方の前記識本体の裏面側における上下端部近くに沿わせて前記ガイドレールと対応させて平行に配置固定して設けた係合案内部材とを備え、
前記案内部材は前記ガイドレールに、長手方向へ摺動自在に係合させてあり、
前記両標識本体は、前記ガイドレール及び係合案内部材により案内されて互に前記平行方向へ移動自在に係合されていることを特徴とする、請求項1に記載の矢印道路標識装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の前記両標識本体は、同一方向を指示するように設けた複数の前記矢印部を有していることを特徴とする、請求項1に記載の矢印道路標識装置。
【請求項6】
前記両標識本体は、前記各矢印部に所望数のLEDを有し、前記各LEDから前記両本体の前方側へ光を照射させるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は5に記載の矢印道路標識装置。
【請求項7】
前記第1又は第2のいずれかの前記標識本体は、前記本体の裏面側方向へ起伏自在に設けた支持脚部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の矢印道路標識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−117210(P2011−117210A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276123(P2009−276123)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(591124684)株式会社ポータ工業 (5)
【Fターム(参考)】