説明

石臼

【課題】上臼と下臼の分解組み立てが容易で、被粉砕物の供給量を簡単に微調整ができる石臼を得る。
【解決手段】下臼3及びこの下臼3に固定された下臼ホルダー4からなる下臼ユニット1と、上臼5及びこの上臼5に固定された上臼ホルダー6からなる上臼ユニット2と、下臼ホルダー4を固定支持するホルダー支持部7と、下臼ホルダー4の中心部に設けられた嵌合穴とホルダー支持部7の嵌合穴7aに嵌め込まれ、上部が下臼3及び上臼5の各々の貫通穴3a、5aに通され、上端部にスピンドル穴10aを有する回転軸10と、下端部が回転軸10の上端部のスピンドル穴10aに嵌め込まれたスリーブ軸受11に挿入され、上端部が上臼ホルダー6の中心に設けられた嵌合穴6aに嵌合されたホルダースピンドル12と、上臼ユニット2の回転を阻止する回転止手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀物等を粉砕する石臼に係り、特に、上臼と下臼の分解組み立てが容易な石臼に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の石臼は、下臼に貫通孔が設けられ、上臼には下臼の貫通孔に対応する部位に嵌合部が設けられ、貫通孔に通された回転軸の一端部には、上臼の嵌合部に嵌合する嵌合部が設けられ、回転軸の他端部は下臼の載置部を貫通して延設され、駆動装置に連結されて上臼を回転させている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の石臼は、石臼で粉砕する材料を、石臼の供給孔に供給する材料供給器は、材料を送り出す送出手段と、送出手段の排出部から送り出された材料を穀物供給孔に導き、上臼と共に回転する漏斗手段とを有し、この漏斗手段は、上方の開口部が上臼の回転軸線を取り囲むように形成されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−28374号公報(段落0008〜0013、図1〜3)
【特許文献2】特開2004−89751号公報(段落0012、0013、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の石臼は、特許文献1のように、上臼を回転させる物がほとんどで、上臼の下部の嵌合部に嵌合する嵌合部が設けられた回転軸で上臼を回転させているが、上下の石臼の重量荷重を回転軸が担う必要がなく、回転軸を支える軸受は軽負荷用で足り、構造も簡単でなく造り易い。その反面、反面上臼はともかく下臼を取り外すことが容易で無く掃除や点検がし難く、上下石臼の摺接面の日立作業も分解してからしかできないといった問題があった。
【0005】
また、この問題を解決するために、駆動軸から上下の臼を簡単に取り外し可能な下臼の回転する構造とすると、軸受は重荷重用を用いればよいが、上臼に大きなブッシュ式の軸受等が必要になり、それの嵌め込み構造が必要になるとともに、上臼の共回りを止める構造が必要になり、構造が複雑で造りにくくなるという問題があった。
また、一般に、粉砕物の排出は上臼回転式では、上臼の側面にブラシ等を取り付けて掻き出させているが、下臼回転式でも下臼の側面にブラシ等を取り付けて掻き出させると、下臼下部の軸受等に粉が侵入するという問題があった。
【0006】
また、上臼、下臼は石が使用されるため加工が容易でなく、回転軸関連の穴、または、嵌合部の加工精度が悪いため、上臼と下臼が精度良く同軸線上で相対的に回転可能できないという問題があった。)
【0007】
また、臼への被粉砕物の供給と供給量の調整をする供給器は、上臼回転式では特許文献2のように複雑な構造となるが、下臼回転式としても供給量を調整するのは難しいという問題があった。
【0008】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、上臼と下臼の分解組み立てが容易で、下臼下部の軸受等に粉砕物の侵入を防ぐことができ、また、被粉砕物の供給量が簡単な構造で供給量の微調整ができ、また、上臼と下臼が精度良く同軸線上で相対的に回転可能な石臼を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る石臼は、中心に貫通穴を有する下臼及びこの下臼の下部に一体に固定された下臼ホルダーからなる下臼ユニットと、中心に貫通穴を有する上臼及びこの上臼の上部に一体に固定された上臼ホルダーからなる上臼ユニットと、中心部に嵌合穴を有し、前記下臼ユニットの前記下臼ホルダーの下部を固定支持するホルダー支持部と、下部が架台に取り付けられた回転駆動手段に支持され、中間部が前記下臼ホルダーの中心部に設けられた嵌合穴と前記ホルダー保持部の前記嵌合穴に嵌め込まれ、上部が前記下臼及び前記上臼の各々の貫通穴に通され、上端部にスピンドル穴を有する回転軸と、下端部が前記回転軸の上端部のスピンドル穴に嵌め込まれたスリーブ軸受に挿入され、上端部が前記上臼ユニットの前記上臼ホルダーの中心に設けられた嵌合穴に嵌合されたホルダースピンドルと、前記上臼ユニットの回転を阻止する回転止手段と、を備え、前記上臼ユニットの前記上臼と前記下臼ユニットの前記下臼を摺接させて前記下臼ユニットを回転させるものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、中心に貫通穴を有する下臼及びこの下臼の下部に一体に固定された下臼ホルダーからなる下臼ユニットと、中心に貫通穴を有する上臼及びこの上臼の上部に一体に固定された上臼ホルダーからなる上臼ユニットと、中心部に嵌合穴を有し、前記下臼ユニットの前記下臼ホルダーの下部を固定支持するホルダー支持部と、下部が架台に取り付けられた回転駆動手段に支持され、中間部が前記下臼ホルダーの中心部に設けられた嵌合穴と前記ホルダー保持部の前記嵌合穴に嵌め込まれ、上部が前記下臼及び前記上臼の各々の貫通穴に通され、上端部にスピンドル穴を有する回転軸と、下端部が前記回転軸の上端部のスピンドル穴に嵌め込まれたスリーブ軸受に挿入され、上端部が前記上臼ユニットの前記上臼ホルダーの中心に設けられた嵌合穴に嵌合されたホルダースピンドルと、前記上臼ユニットの回転を阻止する回転止手段と、を備えたので、上臼ユニットと下臼ユニットの分解組み立てが容易で、上臼ユニットと下臼ユニットが精度良く同軸線上で相対的に回転可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1はこの発明の実施の形態を示す石臼の部分断面図、図2は回転止手段の平面図、図3は別の回転止手段の部分側面図、図4は排出器の断面図、図5は供給器の動作説明断面図である。
図1において、石臼は、中心に貫通穴3aを有する下臼3及びこの下臼3の下部に一体に固定された下臼ホルダー4からなる下臼ユニット1と、中心に貫通穴5aを有する上臼5及びこの上臼5の上部に一体に固定された上臼ホルダー6からなる上臼ユニット2と、
中心部に嵌合穴7aを有し、下臼ユニット1の下臼ホルダー4の下部を固定支持するホルダー支持部7と、下部が架台8に取り付けられた軸受やモーター等の回転駆動手段(図示せず)に支持され、中間部が下臼ホルダー4の中心部に設けられた下臼ホルダー4の中心部に設けられた貫通穴4aに嵌合されたスリーブ9を介した嵌合穴9aとホルダー支持部7の嵌合穴7aに嵌め込まれ、上部が下臼3及び上臼5の各々の貫通穴3a、5aに通され、上端部にスピンドル穴10aを有する回転軸10とを備えている。
【0012】
なお、下臼ホルダー4と上臼ホルダー6の材料はアルミニウム合金などの軽金属、または、プラスチックやステンレスが用いられている。
また、ホルダー支持部7は、回転軸10にメカニカルロック17でロックされており、下臼ホルダー4は、下臼ホルダー4の下面に設けられた嵌合穴4bに、ホルダー支持部7に設けられた突起18を嵌合させて固定している。
【0013】
また、下端部が回転軸10の上端部のスピンドル穴10aに嵌め込まれたスリーブ軸受11に挿入され、上端部が上臼ユニット2の上臼ホルダー6の中心に設けられた嵌合穴6aに嵌合されたホルダースピンドル12が設けられている。また、ホルダースピンドル12はメカニカルロック19で上臼ホルダー6にロックされている。
また、上臼ユニット2の回転を阻止する回転止め手段13とを備えている。
回転止手段13は、架台8に立設された支柱14と、上臼ホルダー6に取り付けられた回転止部材15からなり、回転止部材15は図2に示すように端部にU字形状の被係合部15aと取り付け穴15bが設けられており、支柱14の上端部が被係合部15aに係合する係合部である。なお、U字形状の被係合部を支柱14に設けてもよい。
【0014】
なお、回転止手段は図3に示す構成としてもよい。図3(a)は回転止手段を示す部分側面図、図3(b)は回転止め部材の横から見た側面図である。図において、回転止手段41は、架台8に立設され、上端部に上下方向に設けられた軸受42と、この軸受42に軸支される回転軸43を有する回転可能なアーム44を有する支柱14と、上臼ホルダー6の上部に取り付けられた回転止部材45とが設けられ、回転止部材45にアーム44と係合するU字形状の被係合部45aが設けられている。
【0015】
また、回転軸10のスピンドル穴10aの下部に、スリーブ軸受11の摩擦クズ等の異物を排除するための軸方向と交わる貫通穴10bが設けられている。また、回転軸10に嵌合され、下臼3の貫通穴3aの上部と回転軸10との間隙を覆うカラー16が設けられている。これは、被粉砕物や粉砕物が下臼3の貫通穴3aや下臼ホルダー4のスリーブ9と回転軸10の間に入らないようにするためである。
【0016】
また、架台8の上板20に下部が固定され、下臼ユニット1及び上臼ユニット2の外周を離間して囲む筒状の外ガイド21と、上板20に下部が固定され、下臼ホルダー4の下部と上板20の間で下臼3の外周にほぼ沿った位置で回転軸10側を囲む筒状の内ガイド22と、外ガイド21と内ガイド22の間のガイド間上板20aと、このガイド間上板20aに設けられた排出穴20b及びこの排出穴20bに接続された排出管23からなる排出部24と、からなる粉砕物受け部25とが設けられている。
また、図4にも示すように、下臼ホルダー4の外周に設けられた筒状の支持部26と、この筒状の支持部26の下部に設けられた羽根27からなり、下臼ユニット2の回転により粉砕物受け部25内を羽根27が移動して粉砕物受け部25の粉砕物を排出部24から排出させる排出器28とが設けられている。
【0017】
また、上臼ユニット2に設けられた被粉砕物の供給穴31に挿入される供給管32と、
この供給管32の上部に設けられたホッパー33とからなる供給器34を備えている。
【0018】
次に、この発明の実施の形態の下臼ユニット1と上臼ユニット2の組み立てと使用方法について図1、図5により説明する。
下臼ユニット1は、例えば、貫通穴3aを回転軸10の径より大きく加工した下臼3及び下臼ホルダー4を、また、上臼ユニット2は、貫通穴5aを回転軸10の径より大きく加工した上臼5及び上臼ホルダー6を各々接着し一体化する。なお、あらかじめ下臼3と上臼5は図1の形状に加工され、摺接面には粉砕用の溝が形成されている。
【0019】
回転軸10と下臼ユニット1の組み立ては、まず、回転軸10のスピンドル穴10aにスリーブ軸受11を嵌合する。次に、下臼ホルダー4の貫通穴4aにスリーブ9を嵌合し、回転軸10に嵌合する、次に、ホルダー支持部7の嵌合穴7aを回転軸10を嵌合し、メカニカルロック17で回転軸10にロックする。そして、下臼ホルダー4の下面に設けられた嵌合穴4bに、ホルダー支持部7に設けられた突起18を嵌合させ固定する。
【0020】
一方、上臼ホルダー6の嵌合穴6aにホルダースピンドル12を嵌合し、メカニカルロック19でロックする。そして、上臼5と下臼3の摺接面を合わせるようにして、上臼ユニット2のスリンドル12の下端部を回転軸10の上端部のスリーブ軸受11に挿入する。
このとき、回転止部材15のU字形状の被係合部15aを支柱14に係合させるようにして上臼ユニット2を固定する。
【0021】
このように構成された石臼を使用するときは、まず、回転駆動手段により回転軸10を回転させると回転軸10に固定された下臼ユニット1が回転する。被粉砕物を供給器34から供給すると上臼5の摺接面と下臼3の摺接面で被粉砕物が粉砕される。
このとき、被粉砕物の供給量は、図5に示すように、供給器34の位置を上下に移動させて行うが、図5(a)は供給管32の下端が下臼3の摺接面に接触してる状態で、供給量は供給管32の下端と下臼3の摺接面の溝との隙間から供給される場合であり、供給量が最も少ない。図5(b)は供給管32の下端が下臼3の摺接面から少し離れた状態で、供給管32の下端と下臼3の摺接面及び摺接面の溝との隙間から供給される場合であり供給量は少し増加する。図5(c)は供給管32の下端が下臼3の摺接面からさらに離れた状態で、供給管32の下端と下臼3の摺接面及び摺接面の溝との隙間から供給される場合であり供給量はさらに増加する。
【0022】
なお、図5(d)のように供給管32の下端に切欠き部35を設け、供給管32を限りなく下臼3の摺接面に近づけて供給量を少なくするときの微調整をさらにすることができる。また、この切欠き部35の代わりに、図(e)に示すように供給管32の下端を傾斜面36としてもよい。
【0023】
粉砕された粉砕物は、上臼5の摺接面と下臼3の摺接面の間の外周側から粉砕物受け部25内に落下する。このとき、回転軸10に嵌合され、下臼3の貫通穴3aの上部と回転軸10との間隙を覆うカラー16が設けられているので、被粉砕物や粉砕物が下臼3の貫通穴3aや下臼ホルダー4のスリーブ9と回転軸10の間に入り込まない。
また、粉砕物受け部25は回転軸10側を囲む筒状の内ガイド22が設けられているので、回転軸10と架台8の上板20の隙間から粉砕物が入り込まない。
そして、下臼ホルダー4に取り付けられ、下臼ユニット1の回転とともに回転する排出器28の羽根27により、粉砕物が移動し、粉砕物受け部25の排出器28の排出穴20bと排出管23を介して外部に排出される。
【0024】
次に、使用後の石臼の点検、保守をするときは、まず、上臼ユニットを上方に持ち上げて取り外すが、回転止部材15の被係合部15aが支柱14から外れると同時に、上臼ユニット2のホルダースピンドル12を回転軸10の上端部のスピンドル穴10aに嵌め込まれたスリーブ軸受11から容易に取り外せる。このとき、カラー16も取り外す。
さらに、下臼ユニット1を回転軸10から取り外すが、下臼ユニット1と回転軸10の間のスリーブ9により、上下方向に容易に移動でき、上方に下臼ユニット1を持ち上げれば、下臼ホルダー4の下面に設けられた嵌合穴4bに嵌合されたホルダー支持部7の突起18から外れるので容易に取り外せる。
【0025】
そして、取り外した上臼5と下臼3の摺接面及びカラー16の掃除を行う。また、スリーブ軸受11の摩擦クズ等の異物を、スピンドル穴10aの下部の貫通穴10bから回転軸10と下臼3との隙間に落下させているので、この摩擦クズの掃除も行う。また、上臼5を取り外した時等に、スピンドル穴10aに入り込んだ粉砕物やスリーブ軸受11や回転軸10の摩擦クズの掃除も行う。
【0026】
以上のように、中心に貫通穴3aを有する下臼3及びこの下臼3の下部に一体に固定された下臼ホルダー4からなる下臼ユニット1と、中心に貫通穴5aを有する上臼5及びこの上臼5の上部に一体に固定された上臼ホルダー6からなる上臼ユニット2と、中心部に嵌合穴を有し、下臼ユニット1の下臼ホルダー4の下部を固定支持するホルダー支持部7と、下部が架台8に取り付けられた回転駆動手段に支持され、中間部が下臼ホルダー4の中心部に設けられた嵌合穴とホルダー支持部7の嵌合穴に嵌め込まれ、上部が下臼3及び上臼5の各々の貫通穴3a、5aに通され、上端部にスピンドル穴10aを有する回転軸10と、下端部が回転軸10の上端部のスピンドル穴10aに嵌め込まれたスリーブ軸受11に挿入され、上端部が上臼ユニット2の上臼ホルダー6の中心に設けられた嵌合穴6aに嵌合されたホルダースピンドル12と、上臼ユニット2の回転を阻止する回転止手段13と、を備え、上臼ユニット2の上臼5と下臼ユニット1の下臼3を摺接させて下臼ユニット1を回転させるので、上臼ユニット2と下臼ユニット1の分解組み立てが容易で、上臼ユニット2と下臼ユニット1が精度良く同軸線上で相対的に回転可能である。
また、スリーブ軸受11により、上臼ユニット2は回転軸10と接触することがなく回転の中心位置に存在し.その結果、上臼3は常に回転の中心に位置し、上臼5と下臼3は正確に摺動することができる。
【0027】
また、回転軸10のスピンドル穴10aの下部に軸方向と交わる貫通穴10bを設けたので、スピンドル穴10aに侵入した異物を排除することができる。
【0028】
また、回転軸10に嵌合され、下臼3の貫通穴3aの上部と回転軸10との間隙を覆うカラー16を設けたので、被粉砕物や粉砕物が下臼3の貫通穴3aや下臼ホルダー4のスリーブ9と回転軸10の間に入らないようにすることができる。
【0029】
また、回転止手段13は、前記架台に立設された支柱14と、上臼ホルダー6に取り付けられた回転止部材15と、を備え、支柱14上部と回転止部材15端部に互いに係合する係合部あるいは被係合部を設けたので、容易に係合部を取り外せる構成で上臼ユニット2の固定をすることができる。
【0030】
また、回転止手段13は、架台8に立設され、上端部に上下方向に回転可能なアーム44有する支柱14と、上臼ホルダー6の上部に取り付けられた回転止部材45と、を備え、アーム44と回転止部材45端部に互いに係合する係合部あるいは被係合部を設けたので、容易に係合部を取り外せる構成で上臼ユニット2の固定をすることができる。
【0031】
被係合部はU字形状をなし、前記係合部は前記被係合部に係合する棒状部材であるので、簡単な構成とすることができる。
【0032】
架台8の上板20に下部が固定され、下臼ユニット1及び上臼ユニット2の外周を離間して囲む筒状の外ガイド21と、架台8の上板20に下部が固定され、下臼ホルダー4の下部と架台8の上板20の間で下臼3の外周にほぼ沿った位置で回転軸10側を囲む筒状の内ガイド22と、外ガイド21と内ガイド22の間のガイド間上板20aと、からなる粉砕物受け部25と、ガイド間上板20aに設けられた排出穴20b及びこの排出穴20bに接続された排出管23からなる排出部24と、下臼ホルダー4の外周に設けられた筒状の支持部26と、この筒状の支持部26の下部に設けられた羽根27からなり、下臼ユニット2の回転により移動して粉砕物受け部25の粉砕物を排出部24から排出させる排出器28と、を備えたので、内ガイド22により、回転軸10と架台8の上板20の隙間から粉砕物が入り込まないので、軸受や電動機等のトラブルを防止することができ、また、粉砕物を効率的に排出することができる。
【0033】
上臼ユニット2に設けられた供給穴31に挿入される供給管32と、この供給管32の上部に設けられたホッパー33と、からなる供給器34を備え、供給器34の供給管32の下端と下臼3の上面との間隔を密接状態から間隔を変えることにより被粉砕物の供給量を変えるので、簡単な構造で被粉砕物の供給量を0〜100%まで微調整をすることができる。
【0034】
供給管32の下端部に切欠き部35を設けたので、供給管32を限りなく下臼3の摺接面に近づけて供給量を少なくするときの微調整ができ、かつ、上下臼5、3の面同士の直接接触を防ぐことができる。
【0035】
供給管32の下端部を傾斜させたので、供給管32を限りなく下臼3の摺接面に近づけて供給量を少なくするときの微調整ができ、かつ、上下臼5、3の面同士の直接接触を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態を示す石臼の要部断面図である。
【図2】この発明の実施の形態を示す石臼の回転止手段の平面図である。
【図3】この発明の実施の形態を示す石臼の回転止手段の部分側面図である。
【図4】この発明の実施の形態を示す石臼の排出器の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態を示す石臼の供給器の動作説明断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 下臼ユニット、2 上臼ユニット、3 下臼、3a 貫通穴、3a、5a 貫通穴、4 下臼ホルダー、4a 貫通穴、4b 嵌合穴、5 上臼、5a 貫通穴、6 上臼ホルダー、6a 嵌合穴、7 ホルダー支持部、7a 嵌合穴、8 架台、10 回転軸、10a スピンドル穴、10b 貫通穴。11 スリーブ軸受、12 ホルダースピンドル、13 回転止手段、14 支柱、15回転止部材、15a 被係合部、15b 穴、16 カラー、18突起、20 上板、20a ガイド間上板、20b 排出穴、21 外ガイド、22 内ガイド、23 排出管、24 排出部、25 粉砕物受け部、26 筒状支持部、27 羽根、28 排出器、 31 供給穴、32 供給管、33 ホッパー、34 供給器、35 切欠き部、36 傾斜面、41 回転止手段、42 軸受、43 回転軸、44 アーム、45 回転止部材、45a 被係合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に貫通穴を有する下臼及びこの下臼の下部に一体に固定された下臼ホルダーからなる下臼ユニットと、
中心に貫通穴を有する上臼及びこの上臼の上部に一体に固定された上臼ホルダーからなる上臼ユニットと、
中心部に嵌合穴を有し、前記下臼ユニットの前記下臼ホルダーの下部を固定支持するホルダー支持部と、
下部が架台に取り付けられた回転駆動手段に支持され、中間部が前記下臼ホルダーの中心部に設けられた嵌合穴と前記ホルダー保持部の前記嵌合穴に嵌め込まれ、上部が前記下臼及び前記上臼の各々の貫通穴に通された回転軸と、
この回転軸の上端部に設けられたスピンドル穴と、
下端部が前記回転軸の上端部のスピンドル穴に嵌め込まれたスリーブ軸受に挿入され、上端部が前記上臼ユニットの前記上臼ホルダーの中心に設けられた嵌合穴に嵌合されたホルダースピンドルと、
前記上臼ユニットの回転を阻止する回転止手段と、
を備え、
前記上臼ユニットの前記上臼と前記下臼ユニットの前記下臼を摺接させて前記下臼ユニットを回転させることを特徴とする石臼。
【請求項2】
前記回転軸のスピンドル穴の下部に軸方向と交わる貫通穴を設けたことを特徴とする請求項1記載の石臼。
【請求項3】
前記回転軸に嵌合され、前記下臼の貫通穴の上部と前記回転軸との間隙を覆うカラーを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の石臼。
【請求項4】
前記回転止手段は、前記架台に立設された支柱と、
上臼ホルダーに取り付けられた回転止め部材と、
を備え、
前記支柱上部と前記回転止め部材端部に互いに係合する係合部あるいは被係合部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の石臼。
【請求項5】
前記回転止手段は、前記架台に立設され、上端部に上下方向に回転可能なアームを有する支柱と、
上臼ホルダーの上部に取り付けられた回転止め部材と、
を備え、
前記アームと前記回転止め部材端部に互いに係合する係合部あるいは被係合部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の石臼。
【請求項6】
前記被係合部はU字形状をなし、前記係合部は前記被係合部に係合する棒状部材であることを特徴とする請求項4または5記載の石臼。
【請求項7】
前記架台の上板に下部が固定され、前記下臼ユニット及び前記上臼ユニットの外周を離間して囲む筒状の外ガイドと、
前記架台の上板に下部が固定され、前記下臼ホルダーの下部と前記架台の上板の間で前記下臼の外周にほぼ沿った位置で前記回転軸側を囲む筒状の内ガイドと、
前記外ガイドと前記内ガイドの間のガイド間上板と、
からなる粉砕物受け部と、
前記ガイド間上板に設けられた排出穴及びこの排出穴に接続された排出管からなる排出部と、
前記下臼ホルダーの外周に設けられた筒状の支持部と、この筒状の支持部の下部に設けられた羽根からなり、前記下臼ユニットの回転により前記粉砕物受け部内を前記羽根が移動して前記粉砕物受け部の粉砕物を前記排出部から排出させる排出器と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の石臼。
【請求項8】
前記上臼ユニットに設けられた供給穴に挿入される供給管と、
この供給管の上部に設けられたホッパーと、
からなる供給器を備え、
前記供給器の供給管の下端と前記下臼の上面との間隔を密接状態から前記間隔を変えることにより前記被粉砕物の供給量を変えること特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の石臼。
【請求項9】
前記供給管の下端部に切り欠き部を設けたこと特徴とする請求項8記載の石臼。
【請求項10】
前記供給管の下端部を傾斜させたこと特徴とする請求項8記載の石臼。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−313452(P2007−313452A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147109(P2006−147109)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(594083874)
【Fターム(参考)】