説明

石鹸の芳香成分パッチ並びに筋肉の痙攣及び痛みの治療法

【課題】一般的には、身体的な不快感、さらに具体的には、身体的な不快感の原因(痛み、筋痙攣、関節炎による関節痛を含む不快感など)を治療するために使用されるデバイス及び方法を提供する。
【解決手段】石鹸の構成成分を不快感の部位に経皮投与するパッチを提供する。パッチは、患者に接する浸透性の層と、不浸透性の外カバーとを含む。また、パッチは、パッチを患者に固定するためのテールをも含み得る。石鹸の断片又は石鹸の芳香成分は、治療部位の近傍に保持される。植物油又はヒマシ油で希釈された芳香油も使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、身体的な不快感、さらに具体的には、身体的な不快感の原因(痛み、筋痙攣、及び関節炎による関節痛を含む他の不快感など)を治療するために使用されるデバイス及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の痛み及び不快感を有効に治療することで、痛み及び不快感を経験する人の生活状態を著しく改善することができる。怪我又は手術による事象特有の痛みを感じる人もいれば、断続的な痛みを感じる人もいる。この断続的な痛みは、多少連続的に続く場合もあれば、ほぼ痛みのない間隔と共に反復的に続く場合もある。過敏性腸症候群などの慢性疾患は、断続的である場合があるが、その症状が現れると、重篤になる。手術及び怪我は、長期の痛みを引き起こすことがある。月経痙攣により、著しい不快感を感じる日が毎月発生し、長年にわたって続くことがある。背中の様々な疾患は、関節炎及び高齢者に共通する他の関節痛と同様に、ほとんど恒常的な痛み及び不快感を引き起こし、日常生活を困難にする。
【0003】
激痛及び激しい不快感は、体を衰弱させることがある。痛み又は不快感は、例え軽度であっても、頻繁に起きる場合は、個人の生活様式及び活動を著しく変えることができる。以前から、医療専門家及び開業医は、痛み、不快感、及び多かれ少なかれ患者を衰弱させる他の疾患のための有効な治療法の発見に関心を持ってきた。
【0004】
多くの治療プロトコールは、変化しながら発展してきた。医療専門家が様々な疾患を経験している多くの患者のための有効な治療法を模索しているので、痛み及び不快感の治療における文化的な相違がなくなり始めた。薬剤療法は、幅広く使用され、多くの疾患に対して有効である。しかしながら、薬剤療法に対して良好に反応しない患者及び疾患も存在する。補完的及び代替的な医薬治療、鍼治療、様々な民間療法、マインドコントロール、及び他の治療法を有効的に使用する人もいた。治療の有効性は、例え治療に対する患者の反応によって明白であり、かつ立証されたとしても、医学的又は科学的に説明できないことが多い。有効性が科学的又は医学的に説明できないこのような治療法の1つとして、睡眠中の足の痙攣を防止するために足の近傍(近接するように)に棒状の石鹸を取り付ける治療法がある。本発明者の2005年2月17日提出の同時系属出願第11/059,857号「Transdermal Patch and Treatment for Pain and Discomfort」では、様々な身体疾患を治療する際の石鹸断片及び石鹸の芳香成分の使用が開示されている。
【0005】
ヒマシ油は、病変部に直接塗布し、こすることで代替的な優れた医薬となることが報告されている。しかしながら、ヒマシ油の使用の結果は、一貫性がなく、あまり理解されていない。ヒマシ油の治療は、頭痛、関節炎、消化疾患、虫垂炎、胆嚢疾患、婦人科的問題、感染症、外傷、皮膚疾患などの様々な疾患の優れた治療として報告されてきた。ヒマシ油による治療の成功は、治療的というよりは心理的なものから由来すると考える人もいる。少なくとも、その効果はあまり理解されていない。
【0006】
痛み及び不快感の治療における困難な点の1つは、痛み及び不快感の原因が様々であり、場合によっては、あまり理解されていないということである。運動選手は、筋肉を極度及び過剰に使用することにより、断続的な痛みを経験しがちである。これら及び他の同様な疾患は、多くの場合、「筋肉痛」と言われる。例えば、全ての能力水準の長距離ランナーは、慢性の腓腹筋痛及び大腿筋痛を経験しがちである。これらの疾患は、痛みに加え、筋痙攣を伴う。
【0007】
多くの女性は通常、月経周期において、様々な程度の痛み、筋痙攣、及び他の不快感を数日間経験する。過敏性腸症候群などの疾患は、長期間に続く下痢、便秘又は過度の鼓腸、それらに関連する不快感及び痙攣痛を伴うことがある。これらの原因についてはあまり理解されておらず、これらの症状を経験している全ての人に対して有効な治療法はない。
【0008】
痛み及び不快感を解消するのに鎮痛療法を使用することができるが、これは、限られた期間内のみに有効であり、痛みを継続的に解消するためにはその使用を繰り返されなくてはならない。筋肉弛緩剤は、筋痙攣を軽減するが、その使用を繰り返す必要がある。薬剤を長い間に継続して使用すると、薬剤耐性の高まり(長期の治療のために投与量の増加が必要になる)などの望ましくない副作用が発生しかねない。急速に依存症を引き起こす、及びその依存症が予想さえできる薬剤もあり、それらを注意深く扱う必要がある。さらには、これらの薬剤が必要のない場合には、それらの使用を停止する必要がある。他の副作用として、臓器の機能変化及び損傷、精神的及び人格変化、及び知覚変化などがある。
【0009】
必要なのは、様々な痛み、不快感、痙攣、及び他の疾患のための安全及び有効な治療法である。このような治療法は、その実施が容易であり、自己投与に適切であり、痛みの部分にのみに局所的に働く必要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、痛み、痙攣、及び筋痙攣などの不快感のための治療を提供する。本発明に係る治療は、疾患部で石鹸の芳香成分を経皮的に伝達することを伴う。個人衛生に適切であり、かつ水酸化ナトリウムで作成された一般的な石鹸の芳香成分は、1つの有効な治療となる。石鹸の断片又は石鹸の芳香油を使用することができる。石鹸の芳香油を植物油で希釈することができる。ヒマシ油で希釈された石鹸の芳香油は、幾つかの治療に対して利点を有する。
【0011】
本発明のある態様では、本発明は、人間の身体的な不快感を治療するための方法を提供する。前記方法は、不快感の部位を同定するステップと、脂肪及びアルカリの鹸化で作成された産物の芳香成分を放出する物質を得るステップと、不快感の部位に前記物質を付けるステップと、不快感の部位に前記物質を保持するステップとを有する。
【0012】
本発明の他の態様では、本発明は、人間の身体的な不快感を治療するためのパッチを提供する。前記パッチは、人間の皮膚の近傍に配置するのに適している内層と、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸の芳香成分を放出する、内層にある物質とを有する。内層及び前記物質を保護するために、内層上に外層材料が設けられている。
【0013】
本発明のさらなる態様では、本発明は、人間の身体的な不快感を治療するための方法を提供する。前記方法は、患者において不快感が感じられている部位を同定するステップと、不快感の部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、不快感が解消するまでの一定の長期間隔の間に石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含む。
【0014】
本発明のさらなる態様では、本発明は、筋痙攣を治療する方法を提供する。前記方法は、患者において筋痙攣が感じられている部位を同定するステップと、筋痙攣の部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、痙攣が解消するまでの一定の長期間隔の間に石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含む。
【0015】
本発明のなおさらなる態様では、本発明は、痛みを治療する方法を提供する。前記方法は、患者において痛みが感じられる部位を同定するステップと、痛みの部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、一定の長期間隔の間に石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含む。
【0016】
本発明のさらなる他の態様では、本発明は、月経痙攣を治療するための方法を提供する。前記方法は、下腹部に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、一定の長期間隔の間に石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含む。
【0017】
本発明のなおさらなる他の態様では、本発明は、過敏性腸症候群及び痙攣性腸疾患を軽減するための方法を提供する。前記方法は、下腹部に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、一定の長期間隔の間に石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含む。
【0018】
本発明のなおさらなる他の態様では、本発明は、筋筋膜疼痛症候群(「トリガーポイント」痛)を治療するための方法を提供する。前記方法は、患者において痛みが感じられる部位を同定するステップと、痛みの部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、一定の長期間隔の間に石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含む。
【0019】
本発明の他の態様では、本発明は、筋筋膜疼痛症候群(「トリガーポイント」痛)などの痛みを治療するための方法を提供する。前記方法は、痛みの部位を同定するステップと、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸及び脂肪とアルカリとの鹸化で生じる産物からの芳香油の内少なくとも1つを含む物質を得るステップと、痛みの部位近傍に前記物質を付けるステップと、前記部位の近傍に前記物質を24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含む。
【0020】
本発明のなおさらなる態様では、本発明は、手術に関連する痛み、筋痙攣などの不快感を感じる患者を治療する方法を提供する。前記方法は、痛みの部位を同定するステップと、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、及び脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸からの芳香油の内少なくとも1つを得るステップと、不快感の部位近傍に前記物質を付けるステップと、不快感の部位の近傍に前記物質を24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含む。
【0021】
本発明のなおさらなる態様では、下痢、過剰な腸内ガス、及び腹部の痙攣(過敏性腸症候群及び痙攣性腸疾患によって引き起こされるものを含めて)を治療する方法を提供する。前記方法は、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸及び脂肪とアルカリとの鹸化で生じる産物からの芳香油の内少なくとも1つを含む物質を得るステップと、腹部の近傍に前記物質を付けるステップと、腹部の近傍に前記物質を24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含む。
【0022】
本発明のなおさらなる態様では、頸筋の硬直などの筋硬直、筋肉の緊張及び凝りを治療する方法を提供する。前記方法は、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸及び脂肪とアルカリとの鹸化で生じる産物からの芳香油の内少なくとも1つを含む物質を得るステップと、筋硬直の部位の近傍に前記物質を付けるステップと、筋硬直の部位の近傍に前記物質を24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含む。
【0023】
本発明のなおさらなる態様では、本発明は、膀胱痙攣、妊娠中の早期子宮収縮(premature uterine contractions)、並びに痙攣性アンギナ(spasmodic angina)及び血管手術後の血管痙攣などの動脈痙攣の治療を提供する。
【0024】
本発明の他の態様では、本発明は、関節炎などから生じる関節痛及び関節の不快感の治療を提供する。
【0025】
本発明のなおさらなる態様では、本発明は、テニス肘などの腱炎から生じる痛みのための治療を提供する。
【0026】
本発明の特徴及び利点は、「請求項」、並びに下記の「発明を実施するための最良の形態」及び「図面」(それぞれの特徴が数字で示されている)の参照により、当業者に明らかになるであろう。
【0027】
次に、本発明を詳細に説明するが、本発明が次の「発明を実施するための最良の形態」又は「図面」で説明する構成要素の構築及び配置に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態又は様々な方法で実施又は実行可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明のためであって、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書で使用される「など」、「含む」及びそれらの変形型は、その前に記載した項目及びそれらに同等するもの、並びに追加項目及びそれらに同等するものを包括するためである
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図面、特に図1を具体的に参照すると、数字10は、本発明に係る経皮パッチを示す。経皮パッチ10は、治療層12とカバー14とを含む。治療層12とカバー14とを含むパッチ10は、体の異なる部分における使用のために様々な形状及び大きさで作成することができる。
【0029】
治療層12は、綿ガーゼ又は人間の皮膚への使用に適した他の材料のパッドである。ガーゼ層12は、その中に、一般的な石鹸の芳香成分を有する物質20を有する。物質20は、一般的な石鹸の芳香油、又はガーゼ層12に分散した一般の石鹸の断片、切りくず、削りくず、又は他の小片であり得る。図面を簡単及び明確にするために、物質20をガーゼ層の一角のみに図示したが、物質20は、好ましい配置で比較的均一にガーゼ層12中に分散していることを理解されたい。さらに、図を明確にするために、数字20は、物質20の全てではなく、その一部のみを指している。
【0030】
請求項及び本明細書で使用されている「一般的な石鹸」という用語は、標準的な鹸化及び加水分解反応で脂肪とアルカリとから作成される単純及び「純粋」な石鹸を意味する。他の添加物を含む石鹸も使用できるが、過度の香料、着色剤、殺菌剤、ローション、又は他の添加物を含むことなく、脂肪及びアルカリの鹸化で生じる物質で主に作成された単純又は実質的に「純粋」な石鹸が好ましい。本発明では、「Ivory」(Original Blend)の商標でProcter & Gambleが製造するハンド・ソープ又は固形石鹸を効果的に使用した。脂肪と水酸化カリウムなどの他のアルカリとから作成された石鹸もまた、適切であり得る。しかしながら、上記の「Ivory」が特に有効であることが分かった。
【0031】
人間の手又は体の洗浄に使用される種類の石鹸が好ましい。そのような石鹸は、痛み、痙攣、及び他の様々な疾患を軽減するの有効であることが判明した。また、前記石鹸は、治療部位の近傍に長期間に付けられても安全であるように思われる。
【0032】
物質20として実際の石鹸の断片又は小片を使用することができるが、石鹸の芳香油を使用すると、治療効果が高まることが確認された。
【0033】
上記のIvory石鹸の芳香油を用意し、希釈した。ガーゼ層12に石鹸の芳香油希釈液を染み込ませ、下記に詳細に説明するようにガーゼ12を効果的に使用した。したがって、図1に示されている構成要素20は、ガーゼ層12上又は内にある石鹸の断片、並びに石鹸の芳香油の液滴又はガーゼ層12に保持又は吸収された芳香油の希釈液であり得る。また、一般的な石鹸の芳香成分を有するゲル又は他の液体、固体又は半固体などの適切な物質20を担体層に含浸させる方法などの他の構築法も使用できると思われる。
【0034】
カバー14は、実質的に不浸透性の布生地又は他の材料であり、ガーゼ層12及びそれに含まれる物質20の片面を被覆する。カバー14は、ガーゼ層12よりもわずかに大きく、物質20からの芳香成分、昇華物、又は蒸発物をパッチ10が貼り付けられている部位に閉じ込める。カバー14をガーゼ層12に固定するために、カバー14に付着コーティングを設けてもよい。
【0035】
ここまで説明したように、ガーゼ層12の露出面が皮膚に付着し、カバー層14がパッチの外側に露出するようにパッチ10を使用することができる。創傷被覆材の貼り付け及び固定と同様な方法で、接着テープ又は他の接着剤を用いてパッチ10を皮膚の目的の位置に固定することができる。
【0036】
パッチ10をさらに完全にするために、ガーゼ層12の内部に面している表面に伝達層22を使用することができる。例示的な実施形態では、伝達層22は、通気性接着テープの層であり、ガーゼ層12を越えて広がっており、ガーゼ層12の周囲でカバー層14に付着する。伝達層22は、物質20の芳香成分、昇華物、又は蒸発物が容易に通過する材料である。したがって、図2に示されているように、物質20含有のガーゼ層12は、その一面の上にある実質的に不浸透性のカバー層14とその他方の面の上にある浸透性の伝達層22とが形成するポケット状の構造に閉じ込められている。
【0037】
図3に示されているさらなる実施形態では、物質20含有のガーゼ層12は、延長ウェブ30に付着している。延長ウェブ30は、ガーゼ層12からそれぞれ反対側に延びたテールエンド部分32、34を有する。ガーゼ層12をウェブ30に付着させるために、前記通気性テープの伝達層22を使用することができる。ウェブ30は、物質20からの芳香成分を閉じ込めるために、カバー14と同様に機能し、付着テープ又は他の実質的に不浸透性の材料であり得る。或いは、ガーゼ層12とウェブ30との間にカバー層14入れることもできる。
【0038】
テール32、34は、目的の位置でのガーゼ層12の固定を容易にするために使用される。したがって、本発明を用いる際にテール32、34が人間の皮膚に付着できるようにするために、テール32、34の表面に接着剤のコーティングを設けることができる。パッチ10が人間の体の様々な部分への使用のための形状を有するようにするために、テール32、34の長さ、形状、及び大きさは様々である。さらに、接着剤の無い延長テール32、34も使用できる。ウェブ30は、患者の脚、腕、又は胴を包むための弾力性包帯又はバインダー材料の性質を有してもよい。テール32、34が非接着性である場合は、一般的に使用される接着テープ、メカニカル・ファスナー、又は他の固定道具を用いてテール32、34を互いに又は患者に固定することができる。さらに他の方法では、テール32、34を互いに固定するために、それぞれにマジックテープ(登録商標)を設けることができる。
【0039】
パッチ10を使用する際には、痛み、痙攣、又は他の不快感の部位を同定する。治療する部位の近傍に物質20を供給するために、前記部位の実質上の中央部にパッチ10を付ける。パッチ10は、テープ、テール32、34、又は他の適切な方法で固定する。パッチ10は、少なくとも6〜8時間又は不快感が解消されるときまでに治療部位上に保持されるべきである。ほぼ連続的にパッチ10を身に付けることができるが、様々な不快感の効果的な治療は、連続24時間中約6〜8時間にパッチ10を使用するときに観察された。したがって、患者が休息又は睡眠し、かつほとんど活動していない夜間にパッチ10を使用することで、様々な不快感に対する効果的な治療を行うことができる。
【0040】
本発明の実用的な他の構築は、図4に示されている。パッチ100として図示されている治療パッチは、Belle Aire Fragrances社(Mundelein, IL)製造のいわゆる標準的な「Ivory」香料と、Scentoils.comで市販されているCiaromaとから作成した。Belle Aire推薦及び市販の高級植物油で石鹸の芳香油を希釈した。5%、10%、及び20%の石鹸の芳香油を含み、その残りが植物油である溶液を使用した。関節炎及び関節の他の不快感を治療するために、石鹸の芳香油の希釈にNow Foods社(Bloomingdale, IL 60108)市販の純粋なヒマシ油を使用した。植物油又はヒマシ油で希釈した石鹸の芳香油の溶液を「Curity(商標)」スポンジパッド102(Kendall社製造)に散布した。パッド102を、厚めの高品質な外科カーテンから切り取った不浸透性の基材104に載せた。カバー106、末端シール108、及び末端補強材110として、異なる気孔率を有する3M社製造の医療テープ(それぞれ「Medipore(商標)」、「Transpore(商標)」、及び「Durapore(商標)」)を使用した。
【0041】
異なる種類の痛み、痙攣、及び一般的な不快感を経験している様々な人に対して本発明を試した。観察された効果は、下記に説明する。
【0042】
あるマラソンランナーは、痙攣、圧痛、及び一般的な痛みを11ヶ月以上にわたり頻繁に経験していた。ふくらはぎ筋肉に触知可能な結節が存在していた。超音波療法、鍼療法、及びマッサージなどの理学療法による治療によって、これらの不快感をほとんど解消することができなかった。そこで、本発明のパッチをふくらはぎ筋肉の上に付けたところ、2日後には、報告された全ての症状は無くなった。次に、ランナーは、本発明のパッチが片方の脚のみに付いた状態でマラソンを走った。その後、ランナーは、パッチを付けなかった脚に痛み、痙攣、及び不快感を感じた。一方、本発明のパッチが付けられた脚に同様な症状を感じることはなかった。
【0043】
ある患者は、肩の後ろの部位に大きな緊張及び不快感を5日間経験していた。連続2晩、睡眠の間に本発明のパッチを付けたところ、2日後には、全ての症状が消えた。
【0044】
ある患者は、肩において筋筋膜疼痛及び緊張を2年間以上経験していた。局部麻酔のトリガーポイント注射、ステロイド治療、及びボトックス注射を行ったところ、短期間しか痛みを解消することができなかった。そこで、本発明のパッチを不快感の部位に付けたところ、1日後には痛みの50%が解消し、2日後には痛みの80%が解消し、5日後には全ての痛みが解消したと患者は報告した。
【0045】
第2の患者は、スポーツ関連の怪我の後に、肩において筋筋膜疼痛を1年間以上経験していた。標準的な治療は効果的ではなかった。本発明のパッチを連続して使用したところ、痛みが完全に解消したと報告した。
【0046】
第3の患者は、肩甲骨の間に筋筋膜疼痛を5日間経験していた。本発明のパッチを圧痛部位に2晩連続して付けたところ、痛みが完全に解消した。
【0047】
ある患者は、癌のために頸部の根治手術及び放射能療法を受けた後、激しい頸肩痛を経験していた。痛み及び緊張は、全ての行われた治療(理学療法、薬剤、ヨガ、マッサージ、加温パッド、温浴、ウェイトトレーニング、及び特定の装置の使用など)に対して反応しなかった。そこで、本発明のパッチを痛みの部位に一晩中付けた。連続5回の治療の後に、痛み及び緊張の80%が解消したと報告された。夜間でのパッチの使用を継続したところ、痛みの解消が継続した。2週間後、全ての痛み及び不快感が解消した。本発明のパッチを5ヶ月間継続して常用したところ、痛み及び不快感が再発生することはなかった。
【0048】
重度の月経痙攣を毎月長年の間に感じていた複数の患者が、植物油で希釈された石鹸の芳香油から作成された本発明のパッチを使用した。連続して使用したところ、痛みの完全な解消が毎月に報告された。痙攣の発症時にパッチを使用したところ、全ての患者において症状が急速に解消した。また、以前に痙攣が感じられた月経サイクルの約2日間にパッチを継続して使用したところ、痙攣がさらに発生することはなかった。
【0049】
ある患者は、長年の間に激しい月経痙攣を経験していることを報告した。激しい、かつほとんど耐え難い痙攣の最初の日にパッチを付けたところ、痙攣の有意な解消が確認された。パッチを連続2日間付けたところ、痙攣が100パーセント解消した。
【0050】
腹腔鏡の卵管結紮(laparoscopic tubal ligation)による不快感を経験していたある患者が臍の上にパッチを付けたところ、痛み又は不快感がなくなり、気分が大抵良くなったと報告した。
【0051】
ある椎間板ヘルニア(L3−4)の患者は、持続性の背痛を1年間以上経験していたと報告していた。そこで、希釈された石鹸の芳香油のパッチを付けたところ、50%以上の痛みが解消した報告した。皮膚反応(おそらく、芳香油による)により、パッチの使用を停止した。芳香油をさらに希釈したところ、皮膚反応は解消した。
【0052】
椎間板ヘルニアを3ヶ月間経験していたある患者が10日おきにステロイドの硬膜外注射を受けたところ、不快感はわずかにしか解消しなかった。そこで、パッチをつけたところ、不快感の70パーセントが解消した。筋痙攣関連の痛みは解消したが、椎間板ヘルニアによる神経圧迫から発生していた痛みは解消しなかった。
【0053】
椎間板の膨隆を2ヶ月間経験していたある患者は、鍼治療及び脊椎指圧療法を受けたが、痛みは一時的にしか解消しなかった。また、ステロイドの硬膜外注射を受けたところ、3日後に痛みが解消することはなかった。温熱パックと共にパッチを30分間付け、その後はパッチのみを付けたところ、3日後には症状の50パーセントが改善した。
【0054】
ある患者は、過敏性腸症候群を50年間以上経験しており、過去5年間に症状が悪化していたことを報告した。症状として、過剰な腸内ガス、激しい腸管運動、頻回の尿意及び排便(一日に7又は8回)、及び頻回の下痢を伴う軟便があった。処方された又は市販の医薬の連日投与、及び食生活の変更を行ったが、これらの症状が解消することはほとんどなかった。睡眠中に、最初には、下腹部に断片20を含むパッチを付け、その後、石鹸の芳香油20を含むパッチを付けた。その結果、第1週目に症状の徐々な回復が報告された。他の全ての医薬の投与を停止したところ、80パーセントの症状の改善が報告された。過剰な腸内ガス、軟便、及び下痢は解消し、便意は1日に3又は4回にまで減少した。
【0055】
過敏性腸症候群を長期間経験していた44歳のある女性は、腹部の痙攣及び痙攣痛の症状を頻繁に感じていた。接着性のパッチを下腹部に付けたところ、痙攣痛が完全に解消した。
【0056】
55歳のある男性は、起床時に頸部に硬直を感じると報告した。患部にパッチを付けたところ、症状は、1時間以内に減少し、1日以内に完全に解消した。症状の解消は一時的であり、2日目に硬直が再発生した。一見症状がより強い部位にパッチを再配置すると、症状がさらに解消した。
【0057】
パッチ10は、様々な原因及び疾患に由来する筋痙攣及び不快感の治療に対する有効性を示した。他の痛み、不快感、及び痙攣もパッチ10による治療に対して同様に反応すると考えられる。本発明に反応する疾患は、基礎疾患の治療なしに症状を治療することで症状の解消が得られるものである。尚、疾患は、他の方法で治療される、又は単に治癒する若しくは治癒段階に入る。一方、本発明は、激しい炎症、筋断裂、又は神経圧迫若しくは損傷に関連する不快感及び痛みの治療に対して有効であるとは示さなかった。
【0058】
治療の機構はあまり理解されていないが、芳香成分又はその構成要素、及び治療部位への芳香成分の明白な経皮伝達に関係があるように思われる。石鹸の芳香油で作成された本発明のパッチを使用したときの方が、石鹸断片を用いた同様な治療のときよりも治療結果が向上したと報告する使用者がいた。そのため、治療効果には石鹸の芳香成分の構成要素が関わっていると考えられる。しかしながら、他の構成要素(潜在的には、物質20の昇華によって発生する物質など)が治療効果の原因であり得る。この治療効果のある構成要素には、石鹸を作成する際の脂肪とアルカリとの鹸化で生じる物質、又は残存する未反応の脂肪若しくはアルカリが含まれ得る。また、経皮伝達以外の機構が起こり得る。機構がどれであれ、物質20を治療部位の近傍に配置し、一定の時間(24時間内に少なくとも約6〜8時間など)に物質20をその配置位置に保持することで有意な治療効果が得られる。
【0059】
本発明で治療できると観察された及び予期される疾患を次に要約する。
【0060】
子宮収縮に関連する月経痙攣の治療。症状の解消に失敗することなく、非常に効果的な結果が観察された。結果は、通常、数分間ほどですぐに得られた。月経痙攣の治療で観察された結果から、早期分娩開始などの子宮収縮に関連する他の疾患を治療するのに本発明を使用できると考えられる。本発明を使用することにより、全身作用のある従来の医薬を使用するときよりも多くの利点が得られるであろう。
【0061】
痙攣、緊張、結節、及び硬直を伴う骨格筋痛の治療。本発明でうまく治療できる疾患として、激しい運動、激しい及び/又は長時間の労働、外傷、悪い位置、姿勢、又は労働状況から生じる疾患、一見自発的に生じるような頸部強直、トリガーポイントの痛み、手術後の痛み、椎間板ヘルニアに関連する筋痙攣がある。
【0062】
本発明による治療の観察により、平滑筋疾患は、一貫して骨格筋疾患よりもさらに効果的及び容易に治療されることが判明した。骨格筋の治療は、一般的に、平滑筋疾患の治療よりもより広範囲な治療部位及びより長い治療時間を必要とする。石鹸の芳香油の濃度を高めることで、治療をさらに効果的にすることができる。
【0063】
消化器系の痙攣、とりわけ、腸痙攣を伴う腹部の痙攣の治療。治療が成功した疾患は、痙攣性腸疾患、慢性消化不良、過剰な腸内ガス、及び過敏性腸症候群から発生したものである。
【0064】
本発明が平滑筋の痙攣の治療において効果を示したことから、本発明は動脈痙攣などの他の種類の平滑筋痙攣の治療に対しても効果を示すと考えられる。この治療には、痙攣性アンギナの治療も含まれ得る。
【0065】
気管支壁は、平滑筋組織である。したがって、本発明で気管支痙攣を治療することができると考えられる。パッチよりもむしろ、噴霧器が使用され得る。
【0066】
胆嚢疾患による痙攣、尿管結石によって生じる痙攣、及び膀胱痙攣などの腹部の様々な痙攣性平滑筋疾患もまた、本発明の治療に反応するはずである。
【0067】
前述の各患者による本発明の使用の結果は、少なくとも幾つかの結論を支持する。石鹸は、疾患部位の近傍に配置され、かつそこに長時間に保持されるとき、一部の疾患に対して治療効果を示す。石鹸の構成成分は、疾患部位に経皮的に投与されると治療効果を示す。内部器官の平滑筋痙攣を治療するために、石鹸の芳香成分を経皮投与することができる。これらの結論、特に内部器官の平滑筋痙攣が石鹸の構成要素の経皮投与によって治療できるという指摘は、本明細書に記載されたような石鹸及び石鹸の物質の使用を越えて、他の薬剤及び医薬の使用にも影響を与える。
【0068】
上記に記載したように、前記石鹸の芳香油をヒマシ油で希釈し、パッチ100の作成に使用した。変形性関節炎由来の痛み及び不快感、並びに他の関節痛を治療するためにヒマシ油で作成されたパッチを使用したところ、治療は成功した。治療した疾患は下記に示す。
【0069】
両方の足首に末期の骨関節炎を有するある患者は、固定手術を受けた。石鹸の芳香油とヒマシ油とから作成された本発明のパッチを使用したところ、両方の足首の痛みは解消した(一方の足首の痛みは、他方の痛みよりもより著しく、かつ速く解消した)。
【0070】
足に末期の骨関節炎を有するある患者は、鎮痛のために毎日大量の麻酔薬を使用していた。石鹸の芳香油とヒマシ油とから作成された本発明のパッチによる治療の一週間後、痛みは解消した。
【0071】
両方の親指に関節炎痛を有するある患者が小さなパッチを使用したところ、痛みは解消した。
【0072】
関節炎由来と考えられる未診断のひざの痛みもパッチにより解消した。
【0073】
激しいひざの痛みで睡眠が妨害されていたある若い女性が本発明のパッチを使用したところ、その一週間後には痛みを感じることは全くなかった。
【0074】
脊髄の狭窄及び坐骨神経痛の症状を有するある患者が石鹸の芳香油とヒマシ油とから作成されたパッチを使用したところ、その一週間後に痛みを感じることは全くなかった。
【0075】
足の痛みを有し、腱が損傷していると診断されたあるランナーは、石鹸の芳香油とヒマシ油とから作成されたパッチによる治療で痛みが著しく解消したと報告した。
【0076】
変形性関節症による慢性膝関節痛を有する多くの患者がヒマシ油と芳香油とから作成されたパッチを使用したところ、痛みが完全に解消した。
【0077】
膝に慢性関節炎を経験していた他の患者がヒマシ油と芳香油とから作成されたパッチを使用したところ、痛みが完全に解消した。
【0078】
テニス肘(腱炎)を診断された50歳、56歳、及び62歳のある3人の患者がヒマシ油で希釈された石鹸の芳香油のパッチを使用したところ、痛みが完全に解消した。
【0079】
なお、本発明では、各実施形態で説明した内容に限られることなく、その要旨を変更しない範囲内で様々な変更が可能である。本明細書で開示及び定義した本発明は、文章及び/又は図面で言及した又は明らかな個々の特徴を複数組み合わせたものを含むことを理解されたい。これらの全ての異なる組み合わせは、本発明の他の様々な態様の一部である。本明細書に記載した実施形態は、本発明を実施する際の最良の形態を示し、当業者が本発明を使用するのを可能にする。本発明の特許請求の範囲は、従来技術の許す範囲で他の実施形態をも含む。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】治療に適切な本発明に係るパッチを示す平面図である。
【図2】図1に示されているパッチを示す断面図である。尚、この切断面は、図1のパッチの2−2線に沿っている。
【図3】図2と同様な断面図であるが、本発明のさらなる実施形態を示す。
【図4】図2及び3と同様な断面図であるが、本発明のさらなる実施形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体的不快感を治療するための方法であって、
不快感の部位の位置を同定するステップと、
脂肪とアルカリとの鹸化から生じる産物の芳香成分を放出する物質を獲得するステップと、
前記不快感の部位の近傍に前記物質を付けるステップと、
前記不快感の部位に前記物質を保持するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記不快感の部位と比較的不浸透性の材料で形成されたカバーとの間に前記物質を挟むステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記物質とヒマシ油とを混合するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記不快感の部位と前記物質との間に浸透性材料の層を設けるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記物質を獲得するステップは、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成される石鹸及び人間の皮膚を洗浄するための石鹸の断片を獲得するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記物質を獲得するステップは、脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された、人間の皮膚の洗浄に適した石鹸の芳香油などの物質を獲得するステップを含み、
当該方法は、吸収層を設けるステップと前記吸収層に前記芳香油を加えるステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記不快感の部位と前記吸収層との間に浸透性材料の層を設けるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、
浸透性材料の層と比較的不浸透性の材料で形成されたカバーとの間に前記吸収層を挟むステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項6の方法であって、
植物油及びヒマシ油の内の少なくとも1つで前記石鹸の芳香油を希釈するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
身体的な不快感を治療するための経皮パッチであって、
皮膚の近傍での配置に適合した内層と、
脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された、人間の皮膚の洗浄に適した石鹸の芳香成分を放出する内層内物質と、
前記内層と前記物質とを保護するための、前記内層の上に設けられた外層とを含むこと特徴とするパッチ。
【請求項11】
請求項10に記載のパッチであって、
前記外層は、前記物質の芳香成分を実質的に通過せないことを特徴とするパッチ。
【請求項12】
請求項11に記載のパッチであって、
前記外層とは反対側の内層面の上に伝達層が設けられていることを特徴とするパッチ。
【請求項13】
請求項11に記載のパッチであって、
前記内層を越えて互いの反対側に延びるテールを有するウェブが設けられていることを特徴とするパッチ。
【請求項14】
請求項10に記載のパッチであって、
前記物質は、石鹸の断片であることを特徴とするパッチ。
【請求項15】
請求項10に記載のパッチであって、
前記物質は、石鹸の芳香油であること特徴とするパッチ。
【請求項16】
請求項15に記載のパッチであって、
前記芳香油は、植物油及びヒマシ油の内の少なくとも1つで希釈されていることを特徴とするパッチ。
【請求項17】
請求項16に記載のパッチであって、
希釈された前記芳香油の濃度は、20パーセント以下であることを特徴とするパッチ。
【請求項18】
身体的不快感を治療するための方法であって、
不快感が感じられている部位を同定するステップと、
前記不快感の部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、
不快感が解消するまでの一定の長期間隔の間に前記芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
不快感が再発及び/又は再び増大する際に、前記石鹸の芳香成分の経皮投与を繰り返すステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
少なくとも約6時間の連続時間の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項18に記載の方法であって、
連続24時間中少なくとも約6時間の連続時間の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
筋痙攣、筋肉の緊張、及び筋肉の凝りのための方法であって、
筋痙攣、筋肉の緊張、及び筋肉の凝りの内の少なくとも1つが感じられる部位を同定するステップと、
同定された前記部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、
一定の長期間隔の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
手術後の痛み及び外傷の痛みなどの痛みを治療するための方法であって、
痛みが感じられる部位を同定するステップと、
前記痛みが感じられる部位に一般的な石鹸の芳香成分を経皮投与するステップと、
一定の長期間隔の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
月経痙攣を治療するための方法であって、
前記一般的な石鹸の芳香成分を下腹部に経皮投与するステップと、
一定の長期間隔の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
過敏性腸症候群を軽減するための方法であって、
前記一般的な石鹸の芳香成分を下腹部に経皮投与するステップと、
一定の長期間隔の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
筋筋膜疼痛を治療するための方法であって、
筋筋膜疼痛が感じられる部位を同定するステップと、
前記一般的な石鹸の芳香成分を前記筋筋膜疼痛が感じられる部位に経皮投与するステップと、
一定の長期間隔の間に前記石鹸の芳香成分の経皮投与を継続するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
痛み及び痙攣などの不快感を治療するための方法であって、
不快感の部位を同定するステップと、
脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、及び脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸の芳香成分を有する物質の内の少なくとも1つを獲得するステップと、
前記脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、及び脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸の芳香成分を有する物質の内の少なくとも1つを前記不快感の部位の近傍に付けるステップと、
前記脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、及び脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸の芳香成分を有する物質の内の少なくとも1つを前記不快感の部位の近傍に24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
下痢、過剰な腸内ガス、及び過敏性腸症候群などによって引き起こされる腹部の痙攣を治療するための方法であって、
脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、並びに脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸及び脂肪とアルカリとの鹸化で生じる産物の芳香成分を有する物質の内の少なくとも1つを含む物質を獲得するステップと、
前記物質を下腹部の近傍に付けるステップと、
前記物質を前記下腹部の近傍に24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
頸筋の凝りなどの筋硬直を治療するための方法であって、
筋硬直の部位を同定するステップと、
脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、並びに脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸及び脂肪とアルカリとの鹸化で生じる産物の芳香成分を有する物質の内の少なくとも1つを含む物質を獲得するステップと、
前記物質を前記筋硬直の部位の近傍に付けるステップと、
前記物質を前記筋硬直の部位の近傍に24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
内部器官の平滑筋痙攣を治療するための方法であって、
治療する器官を同定するステップと、
脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸、並びに脂肪と水酸化ナトリウムとから作成された石鹸及び脂肪とアルカリとの鹸化で生じる産物の芳香成分を有する物質の内の少なくとも1つを含む物質を獲得するステップと、
前記物質を前記同定された治療する器官の近傍に付けるステップと、
前記物質を前記治療する器官の近傍に24時間中少なくとも6時間保持するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項31に記載の方法であって、
前記平滑筋は血管であり、治療する疾患は血管痙攣であることを特徴とする方法。
【請求項32】
関節炎及び非関節炎関節痛を治療するための方法であって、
治療する関節を同定するステップと
ヒマシ油で石鹸の芳香油を希釈した希釈液を作成するステップと、
前記治療する関節を覆う皮膚の部位の近傍に前記希釈液を付けるステップと、
前記皮膚の部位の近傍に前記希釈液を長期の連続期間の間に保持するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
腱炎による痛みを治療するための方法であって、
腱炎による痛みの部位を同定するステップと、
ヒマシ油で石鹸の芳香油を希釈した希釈液を作成するステップと、
前記腱炎の部分を覆う皮膚の部位の近傍に前記希釈液を付けるステップと、
前記皮膚の部位の近傍に前記希釈液を長期の連続期間の間に保持するステップとを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−530199(P2008−530199A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555738(P2007−555738)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050395
【国際公開番号】WO2006/087652
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507274881)
【Fターム(参考)】