説明

研削もしくは研磨機械

本発明は、穀物実、例えば米、小麦またはその他の穀類のための、ふるいバスケット(5)により取り囲まれた研削ロータ(4)を備えた研削および/または研磨機械に関する。研削ロータ(4)は中空軸(8)として形成されており、作業室(14)内への空気の通流のための開口を有している。空気は上下の空気供給部(9,10)から中空軸(8)内に達する。作業室は生産物出口の側で、垂直に可動な堰止めディスク(12)により制限される。堰止めディスク(12)の可動性はダイヤフラム式駆動装置(13)により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物実、例えば米、小麦またはその他の穀類のための、ふるいにより取り囲まれた研削および/または研磨ロータもしくは剥離ロータを備えた研削および/または研磨機械に関する。
【0002】
従来慣用の研削もしくは研磨機械、特に研削機械は、ふるいセグメントから成るアッセンブリを有している。ふるいセグメントは一方の周囲端部でヒンジ軸線に組み付けられており、それに対して他方の周囲端部は、程度の差こそあれ、処理したい穀物実で満たされた室内に進入するように前記軸線を中心に旋回可能である。このことは、ふるいセグメントの自由な端部に対して、半径方向内側への調節により、ロータにより連行される穀物実のための高められた抵抗を提供するという目的を有している。その結果、ロータと穀物実との間の摩擦もしくは穀物実同士の摩擦が生ぜしめられる。
【0003】
本願で「穀物実」と呼ぶ際、種々異なる穀物実が該当することができる。そのような処理は米または小麦において用いられるが、時にはその他の穀類でも用いられる。しかも、そのような機械の応用は既にコーヒー豆のためにも提案されている。
【0004】
研削、研磨または剥離された穀物の糠粒子のふるい分け作用および分離を助成するために、ロータは中空軸を有しており、中空軸の開口を通して圧縮空気が作業室に吹き込まれる。このために、中空軸はベンチレータ/圧縮空気発生器に接続されている。
【0005】
作業室内にコンスタントな生産物圧、ひいてはコンスタントな剥離度または研磨度を達成するために、作業室の出口の手前に、堰止めディスク(抵抗板)が配置されている。堰止めディスクは、生産物圧に抗して反力が作用するように調節可能である。反力は大抵の場合レバー機構/リンク機構を介して手動式に経験値にしたがって調節される。
【0006】
本発明の課題は、公知の構造を、上記欠点を回避しつつ、穀物の一定の研磨、研削または剥離が達成されるように改善することである。課題の解決は主請求項の特徴により実施される。
【0007】
剥離、研削または研磨機械のロータ軸は公知の形式で、周面に空気通流開口を備えた中空軸として形成されているが、中空軸への空気流入は両端面から実施される。このことは作業室の均等な通気を可能にする。別の有利な構成では、ロータ軸がウェッジ形に形成されており、空気通流スリットが垂直に配置されている。
【0008】
機械の作業能力を均等化するために、ロータ軸を駆動するのに歯付きベルトを使用することも貢献する。より僅かな所要エネルギおよびほぼゼロのスリップにより作業能力は向上する。
【0009】
押圧力の大きさは剥離、研削または研磨度に対して直接的な影響を有している。作業室の外側に、生産物出口の手前に、軸方向で取り付けられた力変換器を備えたニューマチック式のダイヤフラム式駆動装置が存在する。この配置により、堰止めディスクにおけるコンスタントな押圧力が生ぜしめられることができる。これにより、従来慣用の重りによる押圧力の手動調節は電空式に模倣される。
【0010】
それにより明らかに簡単に、生産物の種々異なる密度の結果としての生産物圧の変動を補償することができる(堰止めディスクは生産物密度に応じて「移動」する。)。
【0011】
それにより、押圧力だけが測定されればよく、調節重りの絶え間ない調節は省略される。よりコンパクトなダイナミックな制御ユニットにより、運転状態における堰止め圧(押圧力)をより繊細に制御するだけでなく、機械の運転を明らかによりダイナミックに構成することが可能である。許容範囲を介して、押圧力、モータ電流ならびにダイヤフラムにおいて制御される圧力が監視される。
【0012】
特に閉鎖機構である堰止めディスクの従来慣用の電気式またはニューマチック式の駆動装置を、ダイヤフラム操作式の「駆動装置」に代替することにより、堰止めディスクの、小さな許容値(狭い範囲)を有する無段階の操作が達成されることができる。特に、閉鎖位置がエネルギ失陥時にもオープンに保たれ得ることは有利である。
【0013】
堰止めディスクに対する生産物流の圧力は、反力に比較される力を生ぜしめる。生産物により生ぜしめられるこの力は、介在するものなく、すなわち直接的に、レバー機構と力変換器との間の小さなばねにより受容され、制御部の測定時間中物理的に蓄えられる。このシステム変更に基づき新たに予測される力適合もしくは力関係の差異は電気的な制御弁を介して補償される。
【0014】
これにより、ダイヤフラム式駆動装置内の圧縮空気、ひいては堰止めディスクにおける押圧力は、均衡が再び形成されるようになるまで調節される。専ら、嵩重量に依存しないコンスタントな押圧力に調節される。
【0015】
本発明の別の特徴は、図面に概略的に示した実施例の以下の説明から得られる。
図1:本発明による垂直型研削機の縦断面図である。
図2:堰止め圧を制御するための装置の概略的な横断面図である。
【0016】
垂直型研削機1は研削ロータ4のための駆動モータ2を有している。駆動力の伝達は複数の歯付きベルト3により実現されている。研削ロータ4を取り巻くようにふるいバスケット5が配置されている。ふるいバスケット5は研削除去された糠粒子の吸引部6に接続されている。研削ロータ4は、一般的な研削工具と、軸方向で延びる縦長の空気通流開口とを有している。研削ロータ4は主軸受7に支承されている。
【0017】
研削ロータ4は中空軸8として形成されており、上側の空気供給部9と下側の空気供給部10とを有している。空気供給は1つもしくは2つの図示しないベンチレータを介して実施される。作業室14の全長にわたって均等な空気の供給の結果として、処理される穀物はそれほど加熱されずに済み、糠の処理および除去はより均等に実施される。
【0018】
研削ロータ4は軽くウェッジ形に形成されている。その際、上側の直径が下側の直径よりも小さい。摩耗はより均等化されている。
【0019】
付加的に、ファン作用を有するさらに1つの羽根付きロータが設けられていることができる。羽根付きロータは作業室14内の空気流動を助成する。
【0020】
生産物放出11は上方から実施される。生産物出口は堰止めディスク12により閉鎖されている。堰止めディスク12は垂直に可動に配置されており、堰止めディスク12の運動はダイヤフラム式駆動装置13を介して閉ループ制御される。
【0021】
ダイヤフラム式駆動装置13は、図示のとおり配置されていてもよいし、垂直型研削機1のハウジングの内部に配置されていてもよい。同様にロータは研磨または剥離工具を有していてもよいかつ/または水平に配置されていてもよい。
【0022】
電子ユニット20は制御弁21の助けを借りてダイヤフラム式駆動装置を監視かつ調整する。目下の押圧力は力変換器(Kraftaufnehmer)22により受容され、電子ユニット20に読み込まれる。所定の押圧力は直接装置(ローカル)に、またはプロセスコントロールシステム(遠隔制御)を介してプリセットされることができる。
【0023】
ニューマチック式に制御されるレバー機構23は、電子ユニット20で予め選択された、生産物に依存する押圧力を制御する。小さなばね24は、生産物により惹起されるレバー力変化を受容する。同時に、軽く撓曲されるばね24は力変換器22における横方向力を補償する。
【0024】
モータ電流が、電子ユニット20で確定された電流限界値を上回ると、レバー機構23は自動的に負荷軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明による垂直型研削機の縦断面図である。
【図2】堰止め圧を制御するための装置の概略的な横断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 垂直型研削機、 2 駆動モータ、 3 歯付きベルト、 4 研削ロータ、 5 ふるいバスケット、 6 吸引部、 7 主軸受、 8 中空軸、 9 空気供給部、 10 空気供給部、 11 生産物放出、 12 堰止めディスク、 13 ダイヤフラム式駆動装置、 14 作業室、 20 電子ユニット、 21 制御弁、 22 力変換器、 23 レバー機構、 24 ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平または垂直に配置された作業室を有する研削、研磨または剥離機械であって、作業室が、工具を装備したロータと、ふるいバスケット(5)との間に形成されており、作業室の生産物出口が堰止めディスク(12)により閉鎖可能であり、かつロータが空気通流開口を備えた中空軸として形成されている形式のものにおいて、堰止めディスク(12)がダイヤフラム式駆動装置(13)により無段階に操作可能であることを特徴とする、研削、研磨または剥離機械。
【請求項2】
垂直に配置された作業室を有する研削、研磨または剥離機械であって、作業室が、工具を装備したロータと、ふるいバスケット(5)との間に形成されており、かつロータが空気通流開口を備えた中空軸(8)として形成されている形式のものにおいて、中空軸(8)が上下の空気供給部(9,10)を有していることを特徴とする、研削、研磨または剥離機械。
【請求項3】
空気通流開口が縦長に、軸線方向で延びるように配置されている、請求項1または2記載の研削、研磨または剥離機械。
【請求項4】
ロータがウェッジ形に形成されている、請求項1または2記載の研削、研磨または剥離機械。
【請求項5】
中空軸(8)が上下の空気供給部(9,10)を有している、請求項1記載の研削、研磨または剥離機械。
【請求項6】
作業室の生産物出口が可動の堰止めディスク(12)により閉鎖可能である、請求項2記載の研削、研磨または剥離機械。
【請求項7】
堰止めディスク(12)がダイヤフラム式駆動装置(13)により操作可能である、請求項6記載の研削、研磨または剥離機械。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−508920(P2007−508920A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525019(P2006−525019)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000445
【国際公開番号】WO2005/023428
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(501003320)ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト (23)
【氏名又は名称原語表記】Buehler AG
【住所又は居所原語表記】CH−9240 Uzwil, Switzerland
【Fターム(参考)】