説明

硬化性組成物

【課題】大気中に浮遊する自動車排ガス中の煤煙や砂塵等の塵埃に対して硬化後(温水に浸漬しても)長期に渡る汚染防止性能を有し、貯蔵後においても安定的に汚染防止性能を発揮しうる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】架橋性シリル基含有樹脂(A)と、フッ素系界面活性剤(B)と、水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)とを含有する硬化性組成物である。架橋性シリル基含有樹脂(A)としては、架橋性シリル基を含有するアクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系樹脂、及び/又は、架橋性シリル基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂が好ましく、水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)としては、第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中などの水分(湿気)により硬化してゴム状弾性体となる、特に硬化後長期に渡って汚染防止性能に優れた硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築物用、土木用、自動車用などの防水シーリング材、接着剤、塗料などに使用される湿気硬化型の樹脂成分として、一般に変成シリコーンとよばれている主鎖がポリエーテルで分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂やポリウレタン樹脂が作業性や接着性などに優れている点から広く使用されている。
しかしながら、架橋性シリル基含有樹脂をシーリング材や塗膜防水材などに使用するために低〜中引張応力域に設計したとき、これを含有する硬化性組成物は、硬化後の表面にタック(粘着)が残るため、大気中に浮遊する自動車排ガス中の煤煙や砂埃等の塵埃が付着しやすくなり、表面が黒っぽく汚染してしまうという欠点を有している。特に硬化後6ヶ月以上の長期間屋外に暴露されたとき、硬化物表面に対する塵埃の付着が続き表面汚染が進行することにより、美観上著しい不具合が生じてしまうという問題がある。
この硬化後の表面のタック(粘着)を少なくする技術として、架橋性シリル基含有樹脂にフッ素系界面活性剤を添加する発明が開示されている(特許文献1参照。)。しかし、一般的なフッ素系界面活性剤を添加するだけでは、塵埃の付着による表面汚染の防止効果は不十分であり、その効果も暴露直後には見られるものの、長期間暴露後には雨等により添加したフッ素系界面活性剤が流失してしまい、効果がみられなくなってしまう問題がある。また、この問題を解決する事を目的として表面汚染の防止効果を持続的に発揮させるためにフッ素系界面活性剤とアミン化合物を併用する発明が開示されている(特許文献2参照。)が、貯蔵後にその効果が低下してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭59−217757号公報
【特許文献2】特開2008−291159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大気中に浮遊する自動車排ガス中の煤煙や砂塵等の塵埃に対して硬化後(温水に浸漬しても)長期に渡る汚染防止性能を有し、貯蔵後においても安定的に汚染防止性能を発揮しうる硬化性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意研究した結果、架橋性シリル基含有樹脂(A)に、フッ素系界面活性剤(B)と、水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)とを配合することにより上述の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に示されるものである。
【0006】
(1) 架橋性シリル基含有樹脂(A)と、フッ素系界面活性剤(B)と、水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
(2) 前記架橋性シリル基含有樹脂(A)が、架橋性シリル基を含有するアクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系樹脂、及び/又は、架橋性シリル基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂である、前記(1)の硬化性組成物。
(3) 前記水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)が、第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物である、前記(1)の硬化性組成物。
(4) 更に添加剤(D)を含有する、前記(1)〜(3)のいずれかの硬化性組成物。
(5) ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、前記(4)の硬化性組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明により初めて、大気中に浮遊する自動車排ガス中の煤煙や砂塵等の塵埃に対して硬化後(温水に浸漬しても)長期に渡る汚染防止性能を有し、貯蔵後においても安定的に汚染防止性能を発揮しうる硬化性組成物を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明における架橋性シリル基含有樹脂(A)としては、一般にシリコーン樹脂と変成シリコーン樹脂と呼ばれているものを好適に挙げることができ、湿気(水)と反応してシロキサン結合を形成することにより架橋してゴム状硬化物を形成する、分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂である。本発明においては、変成シリコーン樹脂が好ましい。
【0009】
シリコーン樹脂は主鎖がオルガノポリシロキサンであり、分子内に架橋性シリル基を含有する樹脂である。
具体的には、主成分として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと架橋成分として架橋性シリル基含有低分子化合物とを含有する一液型シリコーン樹脂と、主剤として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと硬化剤としてアミノキシアルキルシランとを含有する二液型シリコーン樹脂が代表例として挙げられる。架橋性シリル基含有低分子化合物としては、アシルオキシアルキルシラン、アミノキシアルキルシラン、アルコキシアルキルシランなどが挙げられる。
【0010】
変成シリコーン樹脂としては、例えば、特開昭52−73998号公報、特開昭55−9669号公報、特開昭59−122541号公報、特開昭60−6747号公報、特開昭61−233043号公報、特開昭63−6003、特開昭63−112642号公報、特開平3−79627号公報、特開平4−283259号公報、特開平5−287186号公報、特開平11−80571号公報、特開平11−116763号公報、特開平11−130931号公報中に開示されているもの、具体的には、分子内に架橋性シリル基を含有する、主鎖がビニル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタンジエンなどの脂肪族炭水化水素系重合体、ポリエステル系重合体、ポリサルファイド重合体、これらの共重合体、混合物などが挙げられる。
変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラスなどの物性の点から、アクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系重合体、及び/又は、アクリル及び/又はメタクリル系共重合体が好ましい。ここにおいて、「アクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよい」とは、ポリオキシプロピレン重合体にアクリル及び/又はメタクリル系(以下、「アクリル及び/又はメタクリル」を(メタ)アクリルという。)単量体をブロック或いはペンダント共重合したもの、ポリオキシアルキレン系重合体に(メタ)アクリル系共重合体を混合したもの、架橋性シリル基を導入したポリオキシアルキレン系重合体中で(メタ)アクリル系単量体を重合したものなどを指す。更にはポリオキシアルキレン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系共重合体が好ましく、特に耐候性を向上させ、かつ製造し易い点で(メタ)アクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系重合体と(メタ)アクリル系共重合体との混合系が好ましい。
架橋性シリル基は、硬化性組成物の硬化性や硬化後の物性などの点から、分子内に1.0個以上、特に1.0〜5.0個含まれるのが好ましい。
更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式で示されるものが好ましい。
【0011】
【化1】

(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる加水分解性の基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が最も好ましい。aは0、1又は2の整数であり、0又は1が最も好ましい。)
【0012】
架橋性シリル基の主鎖への導入は、例えば、以下の公知の方法で行うことができる。
(1)末端に水酸基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系やビニル系などの重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基などの官能基を有するポリオキシアルキレン系やビニル系などの重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
この反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、ビニル型不飽和基含有シラン類、塩素原子含有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロシラン類などが挙げられる。
(3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合物(例えば、CH=CHSi(OCH33やCH=CHCOO(CHSi(OCH33)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させる。
(4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートあるいは(メタ)アクリル酸アリルなど)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合させ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH33基を有する化合物や、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの加水分解性基を有するヒドロシラン類)と反応させる。
【0013】
本発明において、シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂の数平均分子量は1,000以上、特に6,000〜30,000で分子量分布の狭いものが、硬化性組成物の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラスなどの物性が優れているので好適である。
【0014】
本発明において架橋性シリル基含有樹脂(A)として好ましい架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂及び/又は架橋性シリル基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、具体的には、ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリ(メタ)アクリル系ポリオールと、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と、場合により更に有機イソシアネートとを、逐次或いは同時に反応させて得ることができる。逐次に反応させる場合、ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリ(メタ)アクリル系ポリオールに、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と有機モノイソシアネートとはいずれを先に反応させてもよいが、まず架橋性シリル基含有イソシアネート化合物を反応させ、次いで有機モノイソシアネートを反応させるのが好ましい。ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリ(メタ)アクリル系ポリオールの水酸基に対し架橋性シリル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基を、一部水酸基を残す当量比で反応させて樹脂中に目的とするゴム弾性物性を得るのに必要な数だけ架橋性シリル基を導入し、かつ残りの水酸基の一部或いは全部に対し有機モノイソシアネートのイソシアネート基を反応させ、水分硬化性を有しない疎水性の有機基を導入した構造とすることにより、硬化後の耐水性が大幅に向上し、かつモジュラスと伸びを用途に応じて適度に自由調節でき、耐久性に優れたゴム弾性体となる架橋性シリル基含有樹脂(A)を得ることができる。
ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリ(メタ)アクリル系ポリオールと、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物とを反応させる場合は、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1以上/1.0、更には0.5〜1.5/1.0、特に0.9〜1.0/1.0となる範囲で反応させるのが好ましい。また、ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリ(メタ)アクリル系ポリオールと、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物と、有機モノイソシアネートとを、逐次或いは同時に反応させる場合は、ポリオキシアルキレン系ポリオール及び/又はポリ(メタ)アクリル系ポリオールと、架橋性シリル基含有イソシアネート化合物については、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.05〜0.9/1.0、更には0.3〜0.6/1.0となる範囲で反応させるのが好ましく、得られる架橋性シリル基及び水酸基含有ポリオキシアルキレン系樹脂及び/又は架橋性シリル基及び水酸基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂と、有機モノイソシアネートとは、原料合計のイソシアネート基/水酸基の当量比が0.1以上/1.0、更には0.5〜1.5/1.0、特に0.9〜1.0/1.0となる範囲で反応させるのが好ましい。イソシアネート基/水酸基の当量比が0.1/1.0を下回ると、架橋性シリル基含有樹脂(A)に架橋性シリル基が少なく水酸基が多く残るため硬化物の物性が発現せず、かつ耐水性が向上しない。
この反応の際には、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートなどの有機金属化合物、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミンなどの有機アミンやその塩などの公知のウレタン化触媒を用いることができ、また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
【0015】
前記ポリオキシアルキレン系ポリオールは、アルキレンオキシドを開環付加重合させたものや、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどである。
開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、シュークローズなどの低分子アルコール類、ビスフェノールAなどの多価フェノール類、エチレンジアミンなどの低分子ポリアミン類、ジエタノールアミンなどの低分子アミノアルコール類などが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
すなわち、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、具体的には例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−グリコール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシブチレン)−グリコールを挙げることができ、このうちポリオキシプロピレングリコールが特に好ましい。また、これらの各種ポリオールと、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの公知のポリイソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたものも挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、硬化性組成物の低粘度化や硬化物の高い伸びなどの点から、数平均分子量が500〜40,000、更に2,000〜30,000、特に10,000〜30,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均の水酸基の数は2〜8、特に2〜4が好ましく、更に、総不飽和度が0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下の分子量分布の狭いものが好ましい。
【0016】
前記ポリ(メタ)アクリル系ポリオールは、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を少なくとも含有するエチレン性不飽和化合物を重合開始剤の存在下又は不存在下に、そして溶剤の存在下又は不存在下において、バッチ式又は連続重合などの公知のラジカル重合の方法により、好ましくは150〜350℃で高温連続重合反応して得られるものが、反応生成物の分子量分布が狭く低粘度になるため好適である。ポリ(メタ)アクリル系ポリオールは水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を単独で重合して得られるものであってもよく、この2種以上を共重合して得られるものであってもよく、更に、これらそれぞれの1種又は2種以上とこれら以外のエチレン性不飽和単量体とを共重合して得られるものであってもよい。これらのうち、ポリ(メタ)アクリル系ポリオールの水酸基の含有量を調節することが容易で、硬化樹脂の物性を選択しやすい点から、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体の1種又は2種以上とこれら以外のエチレン性不飽和単量体の1種又は2種以上とを共重合して得られるものが好ましい。この共重合の際、それぞれ1種又は2種以上の水酸基含有(メタ)アクリル系単量体を、ポリ(メタ)アクリル系ポリオール1分子当たり平均水酸基官能数が1.0〜20個、更に1.0〜10個、特に2.0〜6.0個となるように使用するのが好ましい。平均水酸基官能数が20個を超えると、硬化後の物性が硬くなり過ぎてゴム状弾性がなくなる。このうち、数平均分子量が500〜50,000、更に1,000〜30,000、特に2,000〜20,000、Tgが0℃以下、更に−20℃以下、25℃における粘度が100, 000mPa・s以下、特に50, 000mPa・s以下のポリ(メタ)アクリル系ポリオールが好ましい。数平均分子量50, 000、Tg0℃、25℃における粘度100,
000mPa・sをそれぞれ超えると、施工時の作業性が悪くなる。
【0017】
水酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、後述する架橋性シリル基含有イソシアネート化合物のイソシアネート基との反応性の良さ、および得られる架橋性シリル基含有樹脂の粘度の点から、アルコール性水酸基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましく、具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルメタクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどの多価アルコールのモノアクリレート類又は水酸基残存ポリアクリレート類、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなどの多価アルコールのモノメタクリレート類又は水酸基残存ポリメタクリレート類、シクロヘキセンオキシドとアクリル酸との付加物などのエポキシドとアクリル酸との付加物、シクロヘキセンオキシドとメタクリル酸との付加物などのエポキシドとメタクリル酸との付加物などが挙げられる。
その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、クロルスチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸べヘニル、アクリル酸ベンジル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸べヘニル、メタクリル酸ベンジル、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、エトキシ化フェノールアクリレート、エトキシ化パラクミルフェノールアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、プロポキシ化ノニルフェノールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、イソボルニルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、アクリル酸ダイマー、ポリエステルポリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンジアクリレート、ジンクジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ジンクメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。これらのうち、エチレン性不飽和単量体としては、耐候性と共に硬化後の特性などの点から、アクリル酸エステル系化合物のモノマー、メタクリル酸エステル系化合物のモノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物が好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが更に好ましい。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
【0018】
前記架橋性シリル基含有イソシアネート化合物は、分子内に1個以上のイソシアネート基と1個以上の架橋性シリル基を少なくとも含有すればよいが、反応の制御のしやすさ、硬化後のゴム弾性が良好な点から、分子内に1個のイソシアネート基と1個の前記一般式で示される架橋性シリル基を含有する化合物が好ましい。
架橋性シリル基含有イソシアネート化合物としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラン、イソシアネートトリメトキシシラン、ジイソシアネートジメトキシシランなどが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上混合して使用できる。これらのうち、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0019】
有機モノイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよいが、架橋性シリル基は含有していない。有機モノイソシアネートのイソシアネート基以外の有機基としては、湿気などの水分硬化性の官能基を含有していない疎水性の有機基が好ましい。具体的には、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート、n−クロロエチルモノイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、クロロフェニルモノイソシアネート、3,5−ジクロロフェニルモノイソシアネート、p−フルオロフェニルモノイソシアネート、2,4−ジフルオロフェニルモノイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルモノイソシアネート、p−ニトロフェニルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、2,6−ジイソプロピルモノイソシアネート、p−トルエンスルホニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネート、その他に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。このうち、脂肪族モノイソシアネートが耐水性向上の点から好ましく、特にオクタデシルモノイソシアネートが好ましい。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
【0020】
前記架橋性シリル基含有(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系樹脂は、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂の存在下で、ラジカル重合開始剤の添加あるいは紫外線照射などの通常のラジカル重合方法により、1種又は2種以上の前記(メタ)アクリル系化合物を重合させる等して得ることができる(例えば特開昭59−78223号公報、特公平2−42367号公報参照。)。
【0021】
本発明におけるフッ素系界面活性剤(B)としては、一般に市販されているものが使用でき、具体例としては、ユニダインDS−403、DSN−403N(ダイキン工業社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤(B)は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して0.1〜20質量部、更には1〜10質量部の範囲で使用するのが好ましい。
【0022】
本発明における水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)としては、原料入手の容易性、貯蔵安定性、水との反応性などの点から、第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物を例示することができ、このうち第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物が好ましい。これらのケチミン化合物、エナミン化合物、アルジミン化合物はそれぞれ、ケトン類あるいはアルデヒド類と第1級及び/又は第2級アミンとの脱水反応により得ることができる。
このケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類、プロピオフェノン、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類、アセト酢酸エチル等のβ−ジカルボニル化合物等が挙げられ、アルデヒド類としては、例えば、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド等が挙げられる。前記と同様の点から、このうち4−メチル−2−ペンタノンが好ましい。
第1級及び/又は第2級アミンは融点が35℃以上のもの或いは分子内に1個以上の窒素原子と2個以上の窒素原子結合活性水素を含有するものが、本発明の硬化性組成物の硬化物の表面光沢度を低下させ、表面艶消し能力が大きいため、例えば表面艶消しをした外壁材のシーリングに使用すると、シーリングの目地が目立たず、外壁材の特徴的美観を損なわないので好ましい。
第1級アミンとしては、モノアミンとして、ブチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリンなどを挙げることができ、ジアミンとして、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロへキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミンなどを挙げることができ、ポリアミンとして、トリ(メチルアミノ)へキサンなどを挙げることができる。第2級アミンとしては、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミンなどのモノアミン、N,N′−ジラウリルプロピルアミン、N,N′−ジステアリルブチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルエチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルプロピルアミン、N−ラウリル−N′−ステアリルブチルアミンなどのジアミンなどを挙げることができる。その他のアミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、N−ステアリルプロピレンジアミンなどを挙げることができる。第1級、第2級混合ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチルアミノプロピルアミンなどを挙げることができる。これらのうちで、特に第1級アミンのステアリルアミンとヘキサメチレンジアミンが好ましい。融点が35℃未満のものは、耐熱性、特に夏期の高温で軟化しやすく、融点が100℃を超えるものは硬化表面が固く、脆くなりやすく、弾性を損ねやすいので、第1級及び/又は第2級アミンは融点が35℃以上、特に40〜100℃のものが好ましい。
水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)は、硬化性組成物の硬化表面の艶、光沢を顕著に低く抑えるためには、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して0.1〜20質量部、特に0.5〜10質量部となる量使用するのが好ましい。
【0023】
本発明において配合するのが好ましい添加剤(D)としては、耐候安定剤、架橋触媒、可塑剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などの1種又は2種以上の混合物を好適に例示することができる。
【0024】
耐候安定剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものであり、酸化防止剤や紫外線吸収剤などが挙げられる。
具体的には、酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができ、このうち、ヒンダードアミン系酸化防止剤は分子量が200以上、更には分子量1,000以上の高分子量タイプが好ましい。この高分子量タイプのヒンダードアミン系酸化防止剤と紫外線吸収剤を併用すると、硬化後の表面タックを防止することができ、かつ、表面汚染防止効果を長期間持続させることができる。また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とを混合して使用すると、特に耐候性を顕著に向上させることができる。
【0025】
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物が挙げられる。また、旭電化工業社製のアデカスタブシリーズの次の化学式で表される化合物が挙げられる。
【0026】
【化2】

【0027】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサ−tert−ブチル−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールが挙げられる。
【0028】
紫外線吸収剤としては、例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0029】
酸化防止剤、紫外線吸収剤はそれぞれ、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に0.5〜5質量部配合するのが好ましい。
【0030】
架橋触媒は、架橋性シリル基含有樹脂(A)を架橋(硬化)させるための触媒であり、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられるが、このうち架橋速度にすぐれた有機錫化合物が好ましい。この有機錫化合物は具体的には、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート等であるが、このうち高い架橋速度、毒性及び輝発性の比較的低い液体である点から、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)が最も好ましい。
架橋触媒は、架橋速度、硬化物の物性などの点から、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に0.5〜5質量部配合するのが好ましい。
【0031】
本発明の硬化性組成物には更に、粘度とゴム弾性物性の調節、物性補強や増量、タレ(スランプ)の防止、接着性の向上、貯蔵安定性の向上、着色等のために、可塑剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤等を配合して使用することができる。
【0032】
可塑剤としては、分子量が1,000未満の低分子量の可塑剤、数平均分子量が1,000異常の高分子量の可塑剤などが挙げられ、低分子量の可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類;塩素化パラフィンなどが挙げられ、高分子量の可塑剤としては、ジカルボン酸類とグリコール類とからのポリエステル系樹脂;ポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテル化誘導体やアルキルエステル化誘導体;前記ポリオキシルアルキレングリコールと有機イソシアネートを反応させて得られる分子内にイソシアネート基や活性水素を有しない液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂;低粘度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂;ポリブタジエンやポリイソプレン等のポリオレフィン樹脂、水素添加ポリブタジエンや水素添加ポリイソプレン等のポリアルキレン樹脂などが挙げられる。
これらのうち、粘度が低く、架橋性シリル基含有樹脂(A)と相溶性が良好で、得られる硬化性組成物の作業性が良好な点及び硬化後の表面に移行が少なく硬化物表面の汚染が少ない点で、フタル酸エステル類が好ましく、更にフタル酸ジイソノニルが好ましい。
【0033】
充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、スレート粉、マイカ、カオリン、ゼオライト、珪藻土、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム等が挙げられ、粒径1〜100μmのものが好ましく、このうち脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウムが更に好ましい。
【0034】
揺変性付与剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられる。
【0035】
接着性向上剤としてはカップリング剤を挙げることができ、カップリング剤として、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などのものを挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤が接着性に優れているので好ましい。
シラン系カップリング剤としては、具体的には例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物を挙げることができる。
【0036】
保存安定性改良剤(脱水剤)としては、硬化性組成物中に存在する水分と反応する、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0037】
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0038】
可塑剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、保存安定性改良剤(脱水剤)及び着色剤の合計の配合量は、架橋性シリル基含有樹脂(A)100質量部に対して0〜500質量部、特に50〜300質量部の範囲が好ましい。
【0039】
本発明の硬化性組成物において、前記各成分はそれぞれ1種類又は2種以上を混合して使用することができる。
【0040】
本発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤で架橋性シリル基と反応しないものであればどのようなものでも、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
【0041】
本発明の硬化性組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、まず、ステンレス製や鉄製の反応装置を用いて、架橋性シリル基含有樹脂(A)と、水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)を別々に反応合成しておく。これらの反応は添加剤(D)の存在下において行ってもよいし、不存在下において行ってもよい。次いで、撹拌、混合装置に架橋性シリル基含有樹脂(A)とフッ素系界面活性剤(B)を仕込み、さらに水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)と必要に応じて添加剤(D)を加えて混練り後、減圧脱泡して製造する方法が挙げられる。架橋性シリル基含有樹脂(A)や水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)は湿気に触れると反応して、増粘や加水分解を起こすため、反応合成や撹拌、混合は、湿気に触れないように密封状態、窒素ガス雰囲気下などの湿気を遮断した状態において行うのが好ましい。
撹拌、混合装置としては、ステンレス製や鉄製のプラネタリーミキサー、ニーダー、アジター、ナウタミキサー、ラインミキサーなど各種挙げられる。
製造した硬化性組成物もまた湿気に触れると反応して増粘、硬化するものであるため、貯蔵に際しては、湿気を遮断できる容器に詰め、密封して貯蔵するのが好ましい。
前記容器としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス製、鉄製等の金属製ドラム缶、金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器、ラミネート処理した紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種挙げられる。
【0042】
本発明の硬化性組成物が施工の対象とする材料としては、モルタルやコンクリート等のセメント系材料、大理石等の天然石材料、サイディングやタイル等の窯業系材料、ポリプロピレンや塩化ビニルなどの各種合成樹脂製のシート状や板状の材料、木材や合板等の木質系材料などが、接着性等が良好なため好適に挙げられる。
【実施例】
【0043】
以下、本発明について実施例などにより更に詳細に説明する。ここにおいて、硬化性組成物の例としてシーリング材組成物を示すが、これに限定されるものではない。
【0044】
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温反応容器に、窒素ガス気流下でポリ(メタ)アクリル系ポリオール(東亞合成社製UH−2000、数平均分子量4,900、重量平均分子量13,000、水酸基価20.5mgKOH/g、平均水酸基数1.8個)を800g(OH当量:0.29)仕込み、攪拌しながら3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製Y−5187、分子量205.4)30g(NCO当量:0.146)(R値(NCO当量/OH当量)=0.5)とジブチル錫ジラウレート0.08gを加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却した。次いでこの中に、オクタデシルモノイソシアネート(保土谷化学工業社製ミリオネートO、分子量295)43.1g(NCO当量:0.146)(R値(原料合計のNCO当量/OH当量)=1.0)を加えたのち、加温して70〜80℃で3時間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認して、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られたトリメトキシシル基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂は、粘度15,000mPa・s/25℃の常温で透明の液体であった。この樹脂をA−1と称する。
【0045】
合成例2
加熱装置及びエステル管付き攪拌容器に、加熱溶解したステアリルアミン(花王社製、ファーミン80、アミン価207)を500g入れた後、攪拌しながら4−メチル−2−ペンタノン(分子量100.2)を203g加えた。この中に更にトルエン130gを加えたのち加温して110〜150℃で3時間攪拌を続けて、エステル管により水29.9gを脱水した。次いで減圧して、過剰の4−メチル−2−ペンタノン及びトルエンを除去して、ステアリルアミンのケチミン化合物を得た。このケチミン化合物は常温で半透明の液体であった。この化合物をC−1と称する。
【0046】
実施例1
窒素シール管付き混練容器に、窒素ガス気流下で、合成例1で得たトリメトキシシリル基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1 50g、架橋性シリル基含有アクリル変性ポリオキシプロピレン系樹脂(カネカ社製、MSポリマーS943、粘度55,000mP・s/25℃)50gを仕込み撹拌し、次いでヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1010)4g、ヒンダードアミン系酸化防止剤(旭電化工業社製、アデカスタブLA−63P、分子量2,000)2.5g、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、TINUVIN 327)2.5g、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、カルファイン200M)100g、脂肪酸アマイド(花王社製、脂肪酸アマイドS)4.5g、ビニルトリメトキシシラン3gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。その後110℃で1時間滅圧脱水を行い、冷却後、フッ素系界面活性剤B−1(ダイキン社製、ユーダインDS−403)2.5g、合成例2で得たステアリルアミンのケチミン化合物C−1 6g、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製、ネオスタンU−220)1g及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製、サイラエースS310)1gを仕込み、攪拌、混合してシーリング材組成物を調製した。
【0047】
実施例2
実施例1において、フッ素系界面活性剤B−1(ダイキン社製、ユーダインDS−403)の代わりにフッ素系界面活性剤B−2(ダイキン社製、ユーダインDSN−403N)を使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0048】
比較例1
実施例1において、フッ素系界面活性剤B−1(ダイキン社製、ユーダインDS−403)を使用しない以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0049】
比較例2
実施例1において、ステアリルアミンのケチミン化合物C−1を使用しない以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0050】
比較例3
実施例2において、ステアリルアミンのケチミン化合物C−1を使用しない以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0051】
比較例4
実施例1において、合成例1で得たトリメトキシシリル基含有ポリ(メタ)アクリル系樹脂A−1 50gの代わりに架橋性シリル基含有樹脂(カネカ社製、SA310S)15gを、架橋性シリル基含有樹脂(カネカ社製、MSポリマーS943、粘度55,000mP・s/25℃)50gの代わりに架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系樹脂(カネカ社製、MSポリマーS−203)10gを、フッ素系界面活性剤B−1(ダイキン社製、ユーダインDS−403)2.5gの代わりにフッ素系界面活性剤(セイミケミカル社製、サーフロンKH−40、HLB値9.8)0.2gを、脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、カルファイン200M)100gの代わりに脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(神島化学工業社製、カルシーズPLS−505)43gを、ビニルトリメトキシシラン3gの代わりにビニルエトキシシラン(チッソ社製、サイラエースS−220)1gを、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製、ネオスタンU−220)1gの代わりにジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製、ネオスタンU−220)0.6gとジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)0.2gを、合成例2で得たステアリルアミンのケチミン化合物C−1 6gの代わりにココナットアミン(花王社製、ファーミンCS)1.6gを使用し、更に、アルキルベンゼン(新日本石油化学社製、アルケン200P)5.5gとアクリル系可塑剤(東亞合成社製、ARUFON UP−1000)1.3gを使用し、かつ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と脂肪酸アマイドとN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランを使用しない以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
【0052】
〔汚染防止性能試験〕
厚さ5mmのスレート板の表面に、厚さ5mm×幅20mmの短冊状に切り出したスレート板を四角枠上に配置し、接着剤を用いて接着し、深さ5mm×幅20mm×長さ150mmの目地を作製し、この目地にシーリング材組成物を充填し、余分のシーリング材組成物をヘラでかきとり表面を平らにし、温度23℃、相対湿度50%の室内で14日間養生したものを試験体とした。
(1)表面汚染性
試験体の表面に5%のカーボン水を吹きかけた後、直ちに霧吹き等で水道水を吹きかけて洗浄し、表面をふき取らずに温度23℃、相対湿度50%の室内で1日間乾燥した後、コニカミノルタ社製分光測色計CM−2500dを用いて、試験前の状態との色差(△E)を測定した。
(2)水に対する接触角の測定
温度23℃、相対湿度50%の室内において、試験体表面に1マイクロリットルの純水を滴下し、1分後の接触角を接触角計を用いて測定した。
(3)温水耐久性
50℃の温水に試験体を所定の時間浸漬した後、取り出した試験体を23℃、相対湿度50%の室内で1日間乾燥した後、前記の方法に従って表面汚染性及び水に対する接触角の測定を行った。
〔貯蔵安定性試験〕
容器に充填された状態のシーリング材組成物を製造直後及び50℃の恒温器中に入れ所定の期間保存した後、前記の表面汚染性の測定を行った。
実施例1、2、比較例1〜3の前記シーリング材組成物の原料組成と試験結果をまとめて表1に示し、実施例1、比較例4の前記試験結果のみをまとめて表2に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の硬化性組成物は、硬化後のゴム弾性物性を低硬度で高伸びから高硬度で低伸びのものまで調節することができ、更に接着性、耐水性や耐候性等の耐久性に優れているため、建築用、土木用の塗料、塗膜防水剤、接着剤、シーリング材などの各種の用途に使用できるが、特に建築用、土木用などのシーリング材として好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋性シリル基含有樹脂(A)と、フッ素系界面活性剤(B)と、水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
【請求項2】
前記架橋性シリル基含有樹脂(A)が、架橋性シリル基を含有するアクリル及び/又はメタクリル変性されていてもよいポリオキシアルキレン系樹脂、及び/又は、架橋性シリル基含有ポリアクリル及び/又はメタクリル系樹脂である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記水と反応して第1級及び/又は第2級アミンを生成する化合物(C)が、第1級及び/又は第2級アミンのケチミン化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
更に添加剤(D)を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記添加剤(D)が、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である、請求項4に記載の硬化性組成物。

【公開番号】特開2010−248301(P2010−248301A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96604(P2009−96604)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000103541)オート化学工業株式会社 (83)
【Fターム(参考)】