説明

硬化系およびそれによって得られるコーティング

本発明は、少なくとも1のエポキシド基を有する化合物を20〜89.5重量%、ポリアミンを0.5〜30重量%および共硬化剤を10〜50重量%含有する過酸化物不含硬化系に関し、上記共硬化剤が式Iおよび/またはその互変異性体である式IIaおよび/またはIIbおよび/または式IIIまたはその互変異性体の構造および/またはそれらのオリゴマーの構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1のエポキシド基を有する化合物、ポリアミンおよび共硬化剤を含有する硬化系に関する。本発明はまた、上記系を硬化するための方法およびそれによって得られるコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ基を有する化合物に基づくコーティング組成物は、限られた温度耐性を有し、160℃より上で分解が生じる。
【0003】
米国特許第5,198,515号に、ビスマレイミドと組み合わせることにより、オレフィン性不飽和結合を有する樹脂を変性する方法が記載されている。この方法によれば、1,3−ビス(シトラコンイミドメチレン)ベンゼンを使用して、500℃までの温度耐性を有するポリマーが得られ得る。この製品は、FlexlinkおよびPerkalinkの商品名で入手可能である。
【0004】
Flexlinkは、下記化学式を有する。
【化1】

ここで、Dは1,3−ジメチレンベンゼンを示し、Rはメチルを示す。
【0005】
この硬化系の架橋促進剤は過酸化物である。しかし、過酸化物の存在下では硬化されないでアミン官能性化合物の存在下で硬化される、エポキシド基を有するポリマーの場合には、ほんの少量のFlexlinkが使用され得る。そのような硬化系におけるFlexlink含量は、その限られた溶解性故に、約20%より下である。より高い濃度では、Flexlinkが硬化系において沈殿物を形成する。
【0006】
米国特許第4,837,295号に、エポキシ樹脂接着剤が開示されている。ここでは、ポリオキシアルキレンポリアミンが硬化剤として使用され、モノ−またはビス−不飽和マレイミドが存在するが、N,N’−ヘキサメチレンジシトラコンイミド(それに対する保護は求められていない)も言及されている。しかし、米国特許第4,837,295号のマレイミドは、有毒で発癌性の化合物であり、さらに、本発明のビスシトラコンイミドと比較すると、反応性が異なる。これらの化合物のさらなる欠点は、それらが室温での硬化系において可溶性でなく、固化するので、低温用途で使用され得ないことである。
【0007】
エーテルおよびスルホン基を有するビスシトラコンイミド、例えば4,4’−ビス(3−シトラコンイミドフェノキシ)ジフェニルスルホン、の合成が、特開平01−186865号に開示されている。そのような化合物は、本発明では使用されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,198,515号明細書
【特許文献2】米国特許第4,837,295号明細書
【特許文献3】特開平01−186865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
Flexlinkの場合に可能であるよりもはるかに多い量のビスマレイミドを有する過酸化物不含硬化系のための要求がある。したがって、公知の系よりも毒性および発癌性が小さいところのそのような系を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、少なくとも1のエポキシド基を有する化合物を20〜89.5重量%、ポリアミンを0.5〜30重量%および共硬化剤を10〜50重量%含有する過酸化物不含硬化系に関する。上記共硬化剤は式I:
【化2】

および/またはその互変異性体である式IIaおよび/またはIIb
【化3】

および/または式III
【化4】

またはその互変異性体の構造、
および/またはそれらのオリゴマーの構造を有し、ここで、Dは分岐した(CRまたは下記式
【化5】

を表わし、pは夫々独立に0または1であり、XはCH、OまたはSOであり、

は、メタ−またはパラ−ベンゼン基を表わし、Rは夫々独立にHまたはC1〜C4アルキルであり、RおよびRは夫々独立にHまたは(CHCHであり、少なくとも1の基Rが(CHCHであり、mは0〜2であり、nは1〜10であり、n+mは4〜14であり、R’−CHがRであり、Pはフェニルまたは、非置換のもしくはヒドロキシ置換されたC1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルを表わし、ただし、Rの少なくとも1はC1〜4アルキルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
Dの例は以下の通りである。
【化6】

【0012】
共硬化剤は、シトラコンイミドであり、両方のマレイミド部分の一方がその互変異性体のイタコンイミド形であり得る。これらのシトラコンイミド(およびその互変異性体)は、描写されているように生じ得るが、二量体、三量体またはより高次のオリゴマーも容易に形成し得る。共硬化剤シトラコンイミドが言及される場合には、その互変異性体ならびに式I、IIa、IIbおよび/またはIIIの2〜10分子から形成されるオリゴマーも包含される。重量による量は、過酸化物不含硬化系の重量に基づく。
【0013】
本発明はさらに、共硬化剤およびエポキシド基含有化合物を共硬化するのに十分な温度におよび時間で硬化系を加熱することにより、硬化されたポリマーを得る方法に関する。この系において、ポリアミンは、架橋剤としておよび硬化触媒として作用し得、所望により、他の成分がその系に添加される。そのような他の成分は、架橋剤として反応しないモノアミンであり得るが、なおも有効な硬化触媒または助触媒であり得る。
【0014】
上記硬化系は、他の成分、例えばナノ粒子、例えば炭素ナノチューブまたは変性ハイドロタルサイト、接着改善剤、および他の添加剤、例えば染料、顔料など、を含み得る。上記接着改善剤は、ある表面へのコーティングの接着を改善する公知の化合物または組成物であり、例えばシランカップリング剤、チタニウムカップリング剤、ジルコニアカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、オルガノポリシロキサン組成物または米国特許第4,389,432号に記載されたものである。
【0015】
また、ビスシトラコンイミドおよび/またはビスイタコンイミド(I、IIa、IIb)とモノマー状マレイミドまたはイタコンイミドIIIとの混合物を使用することも有用であり得る。そのようなモノマーと二量体との混合物、例えば硬化系の共硬化剤の1〜20重量%のモノマーIII、はより可撓性のネットワークを有する硬化されたポリマーをもたらす。100%までのより多い量は、非常に可撓性乃至極めて可撓性のネットワークをもたらす。さらに、マレイミドはまた、I、IIa、IIbおよび/またはIIIの一部を置き換えるために使用され得る。これは、コーティングの耐熱性をさらに高め、また、独特の硬化可能性、例えば室温での迅速な固着(fixation)(主としてシトラコンイミド硬化)、所望によりその後の高められた温度でのあと硬化(主としてマレイミド硬化)、を与える。
【0016】
硬化は、式(I)(IIaおよび/またはIIbとの混合物として要求される場合)、または(III)の少なくとも1のビスシトラコンイミド、またはそれらの互変異性体またはオリゴマー、エポキシド、ポリアミンおよび所望により他の成分、例えばモノアミン、ナノ粒子など、を含有する系を単に混合し、所望により、(ビス)シトラコンイミドおよびエポキシド含有化合物を共硬化するのに十分な温度に加熱し、その温度をそのレベルで、上記材料を硬化してポリマー状生成物にするのに十分な時間維持することにより行われる。そのような温度および時間は、ルーチン手法を使用して当業者により容易に決定され得る。硬化は、130℃より下の温度、好ましくは室温、で達成されるであろう。硬化時間は、ポリアミンの量および存在する物質の種類に応じて変わるが、標準的な分析技術によって容易に決定され得る。
【0017】
マレイミド系のための追加の窒素含有硬化触媒、例えばアミン含有触媒が使用され得る。
【0018】
上記系は、少なくとも1のエポキシド基を含有する化合物を含むが、1以上のエポキシド基をオレフィン性不飽和基、イソシアネート基またはウレタン基と組み合わせて有する化合物も使用され得る。
【0019】
共硬化剤の例は、米国特許第5,198,515号から公知であるが、これらの一般的に言及された化合物のいずれも、本発明の過酸化物不含のエポキシ含有化合物硬化系に適することについては開示されていない。
【0020】
Flexlinkは、1,3−ビス(シトラコンイミドメチレン)ベンゼンの化学名を有し、Flexsys(ベルギー国ブリュッセル)から入手可能である。異性化(互変異性)によるFlexlinkの融点の低下は、変性されたFlexlinkを提供し、この物質の室温硬化用途のための安定な調製物中での溶解性を改善する。10〜20%より少ないFlexlinkに代えて、25%より多いこの変性されたFlexlinkは、エポキシ変性された2K(2成分)硬化系中に室温で溶解することができ、貯蔵中に沈殿を形成しない。次いで、溶媒を含まず室温で相溶性の安定な2K系が得られる。これは、Flexlinkを互変異性することが、安定な調製物中でのより高い濃度のFlexlinkを得るための必要条件であることを意味する。所望により、適切な反応性のまたは非反応性の溶媒も添加され得る。
【0021】
特に適するビスシトラコンイミドは、式IにおいてDが分岐状のCアルキレン基であるものであり、これは、室温で液体である。この理由のために、この分子は、互変異性することなくそのままで非常に高い濃度で(>50%)使用され得る。異性化は溶解性をさらに高めるであろう。これらの脂肪族シトラコンイミドは、きれいな(clear)コーティングを与え、色安定性であり、UVなどの戸外条件に対して耐性である。市販のFlexlinkからきれいなコーティングを得るためには、標準の入手できるグレードのものを再結晶しなければならない。
【0022】
互変異性されたFlexlinkは、反応性のエポキシド、グリシジルエーテル、およびグリシジルエステルを有する化合物、例えばEpikote 827/828およびEpikote 1001(Hexion Specialty Chemicals(米国オハイオ州コロンバス)から入手可能)またはThioplast(商品名) EPS(AkzoNobel(オランダ国)製)と組み合わせて使用され得る。
【0023】
エポキシ樹脂に基づく従来市販されている2K系は、高々160℃に加熱され得る。より高い温度では、これらの硬化系は分解する。そのような調製物への変性されたFlexlinkの添加は、耐熱性および安定性を改善する。変性されたシトラコンイミド調製物の場合には、250℃までの高い温度耐性が得られ得るとともに、硬化は室温で行われ得る。変性された(互変異性された)シトラコンイミドFlexlink(約45:55のシトラコンイミド:イタコンイミド比を有する)の融点は、約60〜70℃である。Flexlinkとして市販されている未変性のシトラコンイミド(約95:5のシトラコンイミド:イタコンイミド比を有する)は約90℃の融点を有する。好ましくは、シトラコンイミドが互変異性のイタコン異性体の1または2を6〜50%含む。
【0024】
改善された耐熱性とは別に、本発明の硬化系から得られるコーティングは、改善された耐薬品性および耐引掻性ならびに自動車修理(auto repairing)特性をも示す。
【0025】
硬化系は、ポリアミンをも含む。これは、促進剤および/またはコモノマーとして作用する。適するポリアミンは、少なくとも2の1級および/または2級アミノ基を有する化合物ならびにそのようなポリアミンの混合物である。また、アミン含有オリゴマーおよびポリマー、例えば市販のAradur(商品名)(Huntsman(米国ソルトレイクシティー)製)および他の窒素含有塩基性分子も使用される。本発明の硬化系は、高い濃度の共硬化剤を可能にする。上記濃度は、組成物の少なくとも10%であるべきであり、容易に50%まであり得る。ポリアミンのさらなる例は、実施例に示される。
【0026】
本発明のシトラコンイミドは、きれいなコーティングを与え、色安定性であり、UVなどの戸外条件に対して耐性である。共硬化剤の高濃度での添加は、耐熱性および安定性の改善をもたらし、この改善は、系における共硬化剤の量が多いほど増加する。
【0027】
ナノ粒子、例えば変性ハイドロタルサイト、を添加すると、種々の基板上に自動地形学的3D景観形成(auto-topographic 3D landscape formation)が観察された。これは、装飾用途の場合に魅力的であり得る。また、耐引掻性および耐滑り性も改善された。コーティングの層の厚みは、50ミクロンから数mmまであり得る。層が厚いほど、美的効果がより顕著に得られる。
【0028】
本発明の組成物は、種々の表面に施与され得る。中でも、軟材および硬材、人工木材、例えばマルチプレックス(multiplex)など、ガラス、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、プラスチック、例えばPVC、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレンおよびポリプロピレン、コンクリート、石、ラテックス表面、慣用の塗装表面、天然および合成繊維、例えば脂肪族および芳香族ポリアミド、ポリエステル、木綿などが挙げられる。
【0029】
新しいコーティング組成物のための用途は、きれいなコーティング、接着剤、シーラント、フィラーおよびそれらの組合せである。
【0030】
本発明を、下記実施例を参照してさらに説明するが、以下の実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
【実施例1】
【0031】
Flexlinkを変性する一般的方法
市販のFlexlink(Flexsys(ベルギー国)製)を、触媒として使用された(濃度範囲0.05〜5%m/m、好ましくは0.1〜3.0%m/m、最も好ましくは0.5〜1.0%m/m)弱塩基N−フェニルイミダゾール(または任意の他の弱塩基)と、オーブン中で、約130℃で約10〜20時間または140℃で3〜4時間、混合した。温度が高いほど、より多量のオリゴマー化されたホモ(プレ)ポリマーが形成された。
【0032】
硬化剤として、種々の種類のアミンが使用され得る。非常に速い硬化時間のために、小さいアミン、例えばエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタメチレンヘキサミン(PEHA)など、および官能的に類似の同族体または誘導体が使用され得る。
【実施例2】
【0033】
早い硬化系2K系
混合物1:15gの互変異性化されたFlexlinkをオーブン(70〜90℃)中で溶融し、15gのエポキシ硬化剤(Epikote 827/828または1001)と混合し、そして均一化した。任意的な0.5〜3gのカップリング剤、例えばトリアルコキシグリシジルシラン、をこの混合物に添加して、金属表面上での接着性(adhesion)を改善した。
混合物2:別のカップ中に15gのTEPAが用意された。
【0034】
両方の混合物を互いに混合した。発熱反応が生じた(>100℃)。この加熱期間中にまた、ある量のFlexlinkが互変異性化された。数分以内にこのコーティング系が薄層コーティング、フィラー、ライナーまたは接着剤として、表面、例えば木材、金属などの上に施与され得る。これらの2K系はまた、専門家用の用途のためにノズル中で噴霧・混合され得る。
【0035】
最終の硬化系においてより大きい弾性が要求されるならば、2〜5gのThioplast(商品名)EPSが添加され得、および/またはより少ないエポキシが使用され得る(例えば15gの代わりに13〜10g)。
【0036】
長い操作時間、例えば数分の代わりに数時間、が要求されるならば、より多くの脂肪アミン誘導体(例えばDuomeen(商品名)同族体、Akzo Nobel製)およびより少ないEDAまたはその同族体が添加されるべきである。
【0037】
カップリング剤はまた、最初に金属表面を苛性ソーダで活性化し(洗浄手段による)、次いでその表面をカップリング剤の存在下で一緒に脱脂することにより別個に施与され得る。その場合には、カップリング剤は特に、コーティングへの金属の接着のために存在する。
【実施例3】
【0038】
遅い硬化2K系
混合物1:15gの互変異性化されたFlexlinkをオーブン(70〜90℃)中で溶融し、15gのエポキシ硬化剤(Epikote 827/828または1001)と混合し、そして均一化した。金属表面上での改善された接着性(adhesion)のために、任意的に0.5〜3gのカップリング剤(例えばトリアルコキシグリシジルシラン)がこの混合物に添加された。
【0039】
混合物2:別のカップ中に15gのココプロピレンジアミン(Duomeen CD)または他のDuomeenタイプ(モノ置換されたプロピレンジアミンの同族体)が用意された。
両方の混合物が互いに混合された。わずかに発熱反応を生じ、それによって、温度が約30〜50℃に上昇した。
【0040】
操作時間は、このコーティング系を木材、金属または他の物質の表面上への薄層コーティングとして、フィラーとして、ライナーとして、または接着剤として施与するために、少なくとも数時間である。室温で10〜15時間乾燥した後、系が硬化された。これらの2K系はまた、専門家用の用途のためにノズル中で噴霧・混合され得る。
【0041】
最終の硬化系においてより大きい弾性が要求されるならば、2〜5gのThioplast EPSが添加され得、および/またはより少ないエポキシが使用され得る(例えば15gの代わりに13〜10g)。
【0042】
より短い操作時間、例えば数時間の代わりに30分、が要求されるならば、例えばTETAが添加され得、そしてより少ないDuomeen同族体が添加され得る。
【0043】
カップリング剤はまた、最初に金属表面を苛性ソーダで活性化し(洗浄手段による)、次いでその表面をカップリング剤の存在下で一緒に脱脂することにより別個に施与され得る。その場合には、カップリング剤は特に、コーティングへの金属の接着のために存在する。
【0044】
撥水性(耐食性など)が要求されるならば、脂肪(ポリ)アミンおよび誘導体が使用され得る。種々のアミンが試験され、Duomeen(商品名)、トリ−および線状および分岐状のTetrameen(商品名)(モノ置換されたトリプロピレンテトラミン、Akzo Nobel製)に関して良好な結果が得られた。
【0045】
種々のアミン、例えば短いアミンおよび脂肪アミン、の組合せを適用することにより、硬化時間が調整される。ジェフアミン(Jeffamine)(ポリオキシアルキレンアミン)、デンドリマーおよび/またはポリアミノアミドも使用され得る。
【実施例4】
【0046】
三次元自動地形学的景観形成(three dimensional auto topographic landscape formation)のためのナノ技術適用
実施例3の組成物が基本の組成物として使用された。混合物1(イミド/エポキシ部分)において、0.1〜10%m/m、好ましくは0.5〜5%m/m、最も好ましくは1〜4%m/mの変性されたハドロタルサイトF100がさらに添加され、完全に混合された。4gのHTC F100が混合物1に添加された。
【0047】
この混合物1を少なくとも30分間エージングに付してデフォリエイト(defoliate)した後、混合物2と混合した。
【0048】
この混合物を数時間の操作時間で、金属(アルミニウムまたはステンレス鋼)、木材、コンクリートまたは他の表面上にコーティングした。
【0049】
室温で5〜10時間放置(乾燥)すると、自動地形学的景観が自動的に形成された。24時間後に、クロコダイルの外観を有する乾燥した三次元のきれいなコーティングが得られた。美学的な色を付与するために、任意的に0.1〜1%の染料または20〜30%の顔料が添加され、使用され得る。色本体は、主として島の上に集中し、ストリート上でははるかに少ない。これは、美学的な色の分布および分離も得られたことを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のエポキシド基を有する化合物を20〜89.5重量%、ポリアミンを0.5〜30重量%および共硬化剤を10〜50重量%含有する過酸化物不含硬化系において、上記共硬化剤が式I:
【化1】

および/またはその互変異性体である式IIaおよび/またはIIb
【化2】

および/または式III
【化3】

またはその互変異性体の構造、
および/またはそれらのオリゴマーの構造を有する、ここで、Dは分岐した(CRまたは下記式
【化4】

を表わし、pは夫々独立に0または1であり、XはCH、OまたはSOであり、

は、メタ−またはパラ−ベンゼン基を表わし、Rは夫々独立にHまたはC1〜4アルキルであり、RおよびRは夫々独立にHまたは(CHCHであり、少なくとも1の基Rが(CHCHであり、mは0〜2であり、nは1〜10であり、n+mは4〜14であり、R’−CHがRであり、Pはフェニルまたは、非置換のもしくはヒドロキシ置換されたC1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルを表わし、ただし、Rの少なくとも1はC1〜4アルキルである、ところの前記硬化系。
【請求項2】
Rがメチルであり、R’がHである、請求項1記載の硬化系。
【請求項3】
共硬化剤の6〜50%が式IIaおよび/またはIIbを有する、請求項1または2記載の硬化系。
【請求項4】
組成物の20〜40重量%の共硬化剤を含有する、請求項1または2記載の硬化系。
【請求項5】
共硬化剤が、分岐したC6アルキレン基を表わすところの部分Dを有する、または共硬化剤が1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンである、請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化系。
【請求項6】
ナノ粒子および/または接着改善剤をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の硬化系。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化系から得られ得る架橋されたポリマーを含有するコーティングにおいて、少なくとも1のエポキシド基を有する化合物がポリアミンによって架橋されているところのコーティング。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化系を硬化する方法において、共硬化剤、少なくとも1のエポキシド基を有する化合物およびポリアミンを共硬化するのに十分な温度にかつ十分な時間、該硬化系を加熱することによって硬化が行われる方法。
【請求項9】
硬化が130℃より低い温度で行われる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
硬化が室温で行われる、請求項9記載の方法。

【公表番号】特表2011−506665(P2011−506665A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537450(P2010−537450)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067329
【国際公開番号】WO2009/077420
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(510159975)フレクシス ホールディング ビー.ブイ. (1)
【Fターム(参考)】