説明

硬脆性ウェーハの平坦化加工方法

【課題】ウェーハ加工速度、ウェーハの表面粗さおよび加工歪の大きさを制御でき、これにより総平坦化加工の工程数の低減、総平坦化加工時間の短縮が可能で、コスト低減も図れる硬脆性ウェーハの平坦化加工方法を提供する。
【解決手段】スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に砥粒のみをガス噴射してブラストによる粗平坦化加工を行い、その後、粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を仕上げ研磨する。これにより、ウェーハ加工速度、ウェーハの表面粗さおよび加工歪の大きさを制御することができる。よって、総平坦化加工の工程数の低減、総平坦化加工時間の短縮が可能となり、コスト低減も図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、硬脆性ウェーハの平坦化加工方法、詳しくは硬脆性材料からなるウェーハを平坦化可能な硬脆性ウェーハの平坦化加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、硬くて脆い硬脆性材料の一種であるサファイア基板および炭化珪素(SiC)基板が注目されている。サファイア基板は、窒化物半導体発光素子のエピタキシャル成長用の基板などに利用され、炭化珪素基板はシリコン基板に比べてバンドキャップが約3倍、絶縁破壊電界が約7倍、熱伝導率が約3倍という半導体基板として優れた物質的性質を有している。
【0003】
このうち、従来のサファイア基板の製造方法としては、例えば特許文献1(特にその実施例3)に開示されたものが知られている。特許文献1の製造方法は、サファイア単結晶インゴットをスライスして得られたサファイアウェーハに対して、順次、GC砥粒などの遊離砥粒を含むラッピング液を使用して行うラッピングと、ウェーハ外周部の面取りと、前記遊離砥粒より小径なダイヤモンド砥粒を含むラッピング液を供給しながら行うダイヤモンドラッピングと、不織布製の研磨布を用いたウェーハ表面の粗研磨と、ウェーハ表面の仕上げ研磨とを施すというものである。
なお、炭化珪素基板は炭化珪素単結晶インゴットを原料とし、上述したサファイア基板の場合と同様のウェーハ加工を順次施して製造される。
【0004】
ところで、従来、研磨布および加工液を使用せず、各種の被加工物の被加工面を研磨する方法として、例えば特許文献2に記載された研磨材を用いたブラスト加工方法が知られている。特許文献2のブラスト加工方法によれば、母材の表面に砥粒が散在した研磨材(ブラスト材)を被加工物の被加工面に噴射して、被加工面をブラスト加工するものである。これにより、被加工面の粗さを制御することができる。砥粒の平均粒径は数μm、研磨材の平均粒径は0.02〜3mmである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−44078号公報
【特許文献2】特開2006−159402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、サファイアウェーハおよび炭化珪素ウェーハは、硬くて脆い物性を有している。そのため、上述したラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨および仕上げ研磨において、それぞれシリコンウェーハを加工する場合より加工レートが低く、かつウェーハの加工層に発生する加工歪も大きくて、マイクロスクラッチが多発していた。これは、ラッピング液中および研磨液中の各遊離砥粒が、金属製のラッピング定盤および研磨定盤に食い込み、遊離砥粒があたかも固定砥粒のように作用するためである。
その結果、増大した加工歪などの除去に必要なウェーハ加工層の総除去量が大きくなり、サファイア基板または炭化珪素基板を作製するための総平坦化加工時間が長くなって、基板の生産性が低下していた。
【0007】
そこで、発明者は、特許文献2に記載されたブラスト加工方法を応用し、弾性体の母材の表面に多数の砥粒が散在した研磨材を、スライス後のサファイアウェーハなどの被加工面に噴射して、これをブラスト加工すれば、上述した課題を解消できるのではないかと思惟した。
【0008】
しかしながら、特許文献2のブラスト加工方法では、研磨材の粒径(数mm)の方が砥粒の粒径(数μm)より大きく、かつ研磨材は弾性体を母材としていた。そのため、特許文献2のブラスト加工時のウェーハ加工層の除去量(取り代)はわずかで、特許文献2のブラスト加工の目的は、被加工面の面粗さレベルまでの制御に留まった。したがって、特許文献2に開示された被加工物の表面に対する面粗度、表面反射率および光沢度の制御方法をこの加工法に応用したとしても、高平坦性が要求されるサファイアウェーハなどの硬脆性ウェーハの平坦性を制御することはできない。
その結果、ウェーハ平坦性を制御する後加工が必要となり、スライスされた例えばサファイアウェーハから製品としてのサファイア基板が作製されるまでの総平坦化加工量(総サファイア除去量)が増大し、総平坦化加工時間が長くなるおそれがあった。
【0009】
そこで、発明者は鋭意研究の結果、硬脆性ウェーハの被加工面の平坦度レベルに達する加工をブラストによって実現するためには、従来法のように、砥粒噴射時、被加工面への衝撃力を緩和する弾性体を母材とした研磨材を噴射するのではなく、砥粒を硬脆性ウェーハの被加工面に、直接、噴射する必要があることを知見し、この発明を完成させた。
【0010】
この発明は、ブラスト加工用の砥粒の種類やサイズを変更することで、加工速度、ウェーハの表面粗さおよび加工歪の大きさ(深さ)を制御することができ、これにより総平坦化加工の工程数の低減および総平坦化加工時間の短縮が可能で、また平坦化加工時にパッドおよび定盤を使用せずコスト低減も図れる硬脆性ウェーハの平坦化加工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、硬脆性インゴットをスライスして得た硬脆性ウェーハに平坦化加工を施す硬脆性ウェーハの平坦化加工方法において、前記平坦化加工は、スライス後の前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、圧縮ガスにより砥粒のみを噴射してブラストする粗平坦化加工と、この粗平坦化加工後の前記硬脆性ウェーハの表面に施される仕上げ研磨とからなる硬脆性ウェーハの平坦化加工方法である。
【0012】
また、この発明では、前記粗平坦化加工は、前記スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に施される第1のブラスト加工と、前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、前記第1のブラスト加工が施された少なくとも表面に施され、かつ前記第1のブラスト加工より研削レートが小さい第2のブラスト加工とを有するようにした方が望ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に砥粒のみを圧縮ガスにより噴射してブラストによる粗平坦化加工を行い、その後、粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を仕上げ研磨する。粗平坦化加工時、ブラスト加工用の砥粒の種類やサイズを変更することで、硬脆性ウェーハの平坦化加工を高速化し、ウェーハの表面粗さおよび加工歪を低減することが可能となる。
【0014】
また、ブラストによる粗平坦化加工を採用したことで、従来法のラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨、仕上げ研磨を順次施す場合に比べて、総平坦化加工の工程数の低減および総平坦化加工時間の短縮が可能となる。さらに、平坦化加工時に、従来法で用いられたパッドおよび定盤を使用しないので、コスト低減も図ることができる。
さらにまた、ブラストにより硬脆性ウェーハの粗平坦化加工を施すので、ウェーハ面内の所望の部分に選択的に砥粒を噴射し、その選択部分のみを高い加工レートで平坦化加工することができる。これにより、硬脆性ウェーハの形状(反り)の制御が容易となる。
【0015】
また、粗平坦化加工として、研削レートが大きい第1のブラスト加工と、研削レートが小さい第2のブラスト加工とを有するものを採用した場合には、硬脆性ウェーハの粗平坦化加工時間、ひいては硬脆性ウェーハの総平坦化加工時間を短縮することができる。しかも、研削レートが小さいダメージ除去優先のブラスト加工が施されるのは、1次ブラスト加工が施された加工ダメージが小さい硬脆性ウェーハであるため、硬脆性ウェーハのスクラッチの発生数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明に係る実施例1の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法を示すフロー図である。
【図2】この発明に係る実施例1の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法のブラスト加工を伴う粗平坦化加工工程を示す側面図である。
【図3】この発明に係る実施例1の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法における仕上げ研磨工程を示す斜視図である。
【図4】この発明に係る実施例2の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法のブラスト加工を伴う粗平坦化加工工程を示す側面図である。
【図5】この発明に係る実施例2の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法の別のブラスト加工を伴う粗平坦化加工工程を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明は、硬脆性インゴットをスライスして得た硬脆性ウェーハに平坦化加工を施す硬脆性ウェーハの平坦化加工方法において、前記平坦化加工は、スライス後の前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に圧縮ガスにより砥粒のみを噴射してブラストする粗平坦化加工と、この粗平坦化加工後の前記硬脆性ウェーハの表面に施される仕上げ研磨とからなる硬脆性ウェーハの平坦化加工方法である。
【0018】
この発明によれば、スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に砥粒のみをガス噴射してブラストによる粗平坦化加工を施し、その後、粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を仕上げ研磨する。粗平坦化加工時には、ブラスト加工用の砥粒の種類やサイズを変更することで、硬脆性ウェーハの平坦化加工を高速化し、ウェーハの表面粗さおよび加工歪を低減することができる。
【0019】
また、ブラストによる粗平坦化加工を採用したことで、従来法のラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨、仕上げ研磨を順次施す場合に比べて、総平坦化加工の工程数の低減および総平坦化加工時間の短縮が可能となる。さらに、平坦化加工に従来法のパッドおよび定盤を使用しないので、コスト低減も図ることができる。
また、ブラストにより硬脆性ウェーハの粗平坦化加工を施すので、ウェーハ面内の所望の部分に選択的に砥粒を噴射し、その選択した部分のみを高い加工レートで平坦化加工することができる。これにより、硬脆性ウェーハの形状制御が容易となる。
【0020】
硬脆性インゴットとしては、例えば、硬脆性材料からなる単結晶インゴットまたは多結晶インゴットを採用することができる。
「硬脆性ウェーハ」としては、例えばサファイアウェーハ、炭化珪素ウェーハなどを採用することができる。その他、窒化ガリウム(GaN)ウェーハまたはダイヤモンドウェーハなどでもよい。
「硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面」としたのは、硬脆性ウェーハの被平坦化加工面が、ウェーハ表裏面のうち、高い平坦度の要求がなされるデバイス形成面となるウェーハ表面を含むようにするためである。
【0021】
ここでいう「ブラスト加工」とは、砥粒を硬脆性ウェーハの被平坦化加工面に、直接噴射し、この噴射された部分に多数の砥粒が連続的に衝突することで、砥粒の研削作用により硬脆性ウェーハの被平坦化加工面を平坦化加工することを意味する。
ここでいう「平坦化加工」とは、硬脆性ウェーハに施される例えばラッピング(ダイヤラッピングを含む)、研削、粗研磨、仕上げ研磨に相当する加工をいう。また、「粗平坦化加工」とは、このうちの仕上げ研磨を除いた加工をいう。粗平坦化加工時には、上記ラッピングから粗研磨まで工程の何れかのみ、または、これら全てを連続的または断続的に行うものとする。
【0022】
また、この発明では、粗平坦化加工は、スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に施される第1のブラスト加工と、硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、第1のブラスト加工が施された少なくとも表面に施され、かつ第1のブラスト加工より研削レートが小さい第2のブラスト加工とを有するようにした方が望ましい。
このようにすれば、硬脆性ウェーハの粗平坦化加工時間、ひいては硬脆性ウェーハの総平坦化加工時間を短縮することができる。しかも、研削レートが小さいダメージ除去優先のブラスト加工が施されるのは、スライス直後の硬脆性ウェーハではなく、1次ブラスト加工が施された加工ダメージが小さい硬脆性ウェーハである。そのため、硬脆性ウェーハのスクラッチの発生数を低減することができる。
【0023】
研削レートが大きくて、研削優先となる第1のブラスト加工の加工条件としては、例えば、その砥粒の素材としてダイヤモンドを採用し、その平均粒径を1〜15μmとする方法などを採用する。
また、研磨レートが小さくてダメージ除去優先となる第2のブラスト加工の加工条件としては、例えば、砥粒の素材として第1のブラスト加工用のものより低硬度の素材を採用することが挙げられる。さらに、第1のブラスト加工用の砥粒と同一素材を使用した場合でも、それより平均粒径が小さい砥粒(例えば第1のブラスト加工用の砥粒の10〜50%)を採用するようにしてもよい。なお、第2のブラスト加工用の砥粒の素材として、第1のブラスト加工用の砥粒のものより低硬度の素材を採用した場合には、第1のブラスト加工用の砥粒より平均粒径が大きい砥粒を用いても、ウェーハの研削レートが小さくなる場合がある。
【0024】
砥粒としては、例えば炭化珪素粒子、ダイヤモンド粒子、アルミナなどを採用することができる。
また、この発明は、砥粒の平均粒径を13μm以下とし、砥粒の前記硬脆性ウェーハへの噴射圧を0.5MPa程度とした方が望ましい。この構成にすれば、硬脆性ウェーハの表層に深いダメージを与えることなく、ウェーハ表層のダメージ部分を早急に除去することができる。砥粒の平均粒径が13μmを超えれば、大きい粒子が硬脆性ウェーハの表面に深刻なダメージを与える場合がある。
【0025】
砥粒を加速する圧縮ガスとしては、例えば、空気、窒素ガス、アルゴンガスなどを採用することができる。
粗平坦化加工で使用されるブラスト装置としては、噴射ノズルから圧縮ガスとともに砥粒を噴射することができるものであれば、例えばサクション式、直圧式、サイホン式、重力式などの何れでもよい。
ブラスト加工は、硬脆性ウェーハの平坦度の進行に伴い、加工途中でその加工条件を適宜変更することができる。
【0026】
粗平坦化加工後は、デバイス形成面となる表面を高平坦度にするため、硬脆性ウェーハの粗平坦化加工された表面の仕上げ研磨が行われる。
仕上げ研磨では、例えばスエード製の研磨布を使用し、酸化珪素粒子が混入されたコロイダルシリカなどを供給しながら、粗平坦化加工された硬脆性ウェーハの表面を、各種の研磨装置により仕上げ研磨する。
【実施例】
【0027】
以下、図1のフローシートを参照して、この発明の実施例1に係る硬脆性ウェーハの平坦化加工方法を説明する。ここでは、サファイアウェーハの平坦化加工方法を例とする。
すなわち、実施例1の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法が採用されたサファイア基板の製造プロセスは、単結晶サファイアインゴットに順次施される円筒、オリフラ工程と、スライス工程と、面取り工程と、ブラスト加工の粗平坦化加工工程と、仕上げ研磨工程と、洗浄工程とを備えている。
【0028】
以下、前記各工程を具体的に説明する。
まず、高温に加熱したサファイアの溶融液から単結晶サファイアのシードを用いて単結晶サファイアを成長させる。
円筒、オリフラ工程では、単結晶サファイアインゴットから結晶ブロックが切断され、その後、結晶ブロックの円筒研削(外周研削)が行われる。具体的には、レジノイド研削砥石を有した外周研削装置により、結晶ブロックが外周研削される。これにより、各結晶ブロックが円柱状に成形される。
その後、円筒研削された結晶ブロックの外周面の一部分をブロック全長にわたって平坦に研削することで、オリエンテーションフラット部を形成する。
【0029】
スライス工程では、三角配置された3本のグルーブローラにワイヤが巻掛けられたワイヤソーが用いられる。ワイヤソーにより結晶ブロックから、厚さ1000μm以下の多数枚のサファイアウェーハ(硬脆性ウェーハ)がスライスされる。
面取り工程では、回転中の面取り用砥石をサファイアウェーハの外周部に押し付けて面取りする。その後、面取りされたサファイアウェーハに対して粗平坦化加工が行われる。
【0030】
以下、図2を参照して、粗平坦化加工工程を説明する。
図2に示すように、粗平坦化加工工程では、♯3000のグリーンカーボランダム(GC)からなる砥粒aを、圧縮空気(圧縮ガス)の圧力により噴射するサクション式のブラスト装置10が使用される。
ブラスト装置10は、サファイアウェーハWが載置される平面視して矩形状のステージ12と、砥粒aが貯留された砥粒ホッパと、砥粒ホッパの底部から砥粒供給管を通して導入された砥粒aを内部空間で圧縮空気と混ぜ合わせ、それをノズル13から噴射するブラストガンとを備えている。ステージ12は、その平面内で走行可能に構成されている。
一方、ノズル13は、サファイアウェーハWの表面(被平坦化加工面)を基準として、砥粒aの噴射角度θが15°となるように傾斜している。
【0031】
次に、ブラスト装置10を用いて、サファイアウェーハWの表裏面をブラスト加工する方法を説明する。
まず、表面を上に向けたサファイアウェーハWをステージ12の上面に真空吸着する。この状態で、ステージ12を所定速度で走行させながら、ノズル13より砥粒aを圧縮空気の圧力により噴射し、サファイアウェーハWの表面全域をブラスト加工する。ここでのブラスト条件は、噴射圧が0.5MPa、噴射量が120リットル/min、噴射時間が50分である。
ブラスト終了後は、サファイアウェーハWを表裏反転し、これをステージ12の上面に真空吸着する。この状態で、ウェーハ裏面の全域に同様のブラスト加工を施す。
【0032】
このようなブラスト加工は、サファイアウェーハWに噴射される砥粒aの種類および粒径に応じて、そのウェーハ表裏面の除去量を任意に設定することができる。ここでは、前記ブラスト条件としたことで、そのウェーハ表裏面でのサファイア除去量は、噴射時間が50分間という短時間にも拘わらず、ウェーハ両面で90μmと大きかった。しかも、低ダメージ加工を特徴とするブラスト加工を採用したことで、粗平坦化加工後のウェーハ表裏面の面粗さは何れもRaで1nm未満と、従来法に比べて改善された数値となった。
【0033】
また、ブラストによる粗平坦化加工を採用したことで、従来法のラッピング、ダイヤモンドラッピング、粗研磨、仕上げ研磨を順次施す場合に比べて、総平坦化加工の工程数を半減させることができるとともに、総平坦化加工時間も短縮することができる。さらに、平坦化加工に従来法のパッドおよび定盤を使用しないので、コスト低減も図ることができる。
また、このようにブラスト加工により硬脆性ウェーハの粗平坦化加工を行うようにしたので、ウェーハ面内の所望の部分に選択的に砥粒を噴射し、その選択した部分のみを高い加工レートで平坦化加工することも可能となる。その結果、ウェーハ形状の制御も容易となる。
【0034】
次に、仕上げ研磨工程では、図3に示すような片面研磨装置20を用い、コロイダルシリカの研磨液を使用し、粗平坦化加工されたサファイアウェーハWの表面のみを仕上げ研磨する(図1)。以下、図3を参照して、片面研磨装置20を具体的に説明する。
片面研磨装置20は、上面にスエード製の研磨布21が展張された研磨定盤22と、この上方に研磨定盤22の回転中心線を中心として90°間隔で配設された4つの研磨ヘッド23とを備えている。各研磨ヘッド23の下面には、表面が下向きに配置された4枚のサファイアウェーハWが、キャリアプレート24を介してワックス貼着されている。
【0035】
仕上げ研磨時には、研磨定盤22と各研磨ヘッド23とを所定方向、所定速度で回転させながら各研磨ヘッド23を徐々に下降し、研磨液が供給されている研磨布21に押し付ける。これにより、各サファイアウェーハWの表面が10μmだけ仕上げ研磨(鏡面研磨)される。このように、粗平坦化加工後は、サファイアウェーハWの表面のみを仕上げ研磨するようにしたので、サファイアウェーハWのデバイス形成面となる表面をさらに高平坦度化することができる。
次の洗浄工程では、外観検査直後の各サファイアウェーハWが最終洗浄され、製品としてのサファイア基板となる(図1)。具体的には、鏡面研磨後の各サファイアウェーハWに対して、アルカリ溶液と酸溶液とを使用した洗浄が行われる。なお、本実施例では直径50mmの結晶ブロックを用いた。
【0036】
次に、図4を参照して、この発明の実施例2に係る硬脆性ウェーハの平坦化加工方法を説明する。
実施例2の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法の特徴は、実施例1の1種類の砥粒aを噴射するブラスト装置10に代えて、2種類の砥粒b、cを所定の順序で噴射可能な砥粒切り換え式のブラスト装置10Aを採用した点である。
【0037】
ブラスト装置10Aは、第1の砥粒bまたは第2の砥粒cと、圧縮空気とが混合されるブラストガン30と、ブラストガン30の砥粒導入部31に先端部が連通され、かつ二股となった元側の端部32a、32bに、対応する第1の開閉弁33Aまたは第2の開閉弁33Bが配設された砥粒供給管32と、一方の元側の端部32aに底部が連通され、かつ平均粒径が1μmのダイヤモンド砥粒である第1の砥粒bが貯留された第1のホッパ34と、他方の元側の端部32bに底部が連通され、かつ♯3000のFO(アルミナ)砥粒である第2の砥粒cが貯留された第2のホッパ35とを備えている。
【0038】
第1の砥粒bを使用する場合には、まず第1の開閉弁33Aを開くとともに第2の開閉弁33Bを閉じる。これにより、第1のホッパ34内の第1の砥粒bが砥粒供給管32を通してブラストガン30の砥粒導入部31へ導入される。この導入された第1の砥粒bは、ブラストガン30のガス導入部36からブラストガン30のジェット部へ導入された圧縮空気と混ざり合い、ノズル13からステージ12上に固定されたスライス直後のサファイアウェーハWの表面に向かって所定時間噴射される。これにより、サファイアウェーハWの表面に対して、従来法のラッピングに該当する研削優先の1次ブラスト加工が施される。
【0039】
次に、第2の砥粒cを使用する場合には、第1の開閉弁33Aを閉じるとともに第2の開閉弁33Bを開く。これにより、第2のホッパ35内の第2の砥粒cが砥粒供給管32を通してブラストガン30の砥粒導入部31へ導入される。導入後の第2の砥粒cは、ガス導入部36から導入された圧縮空気と混ざり合い、ノズル13からステージ12上のサファイアウェーハWの表面に向かって噴射される。これにより、1次ブラスト加工が施されたサファイアウェーハWの表面に対して、従来法の粗研磨に該当するダメージ除去優先の第2のブラスト加工が施される。なお、1次および2次の各ブラスト加工は、サファイアウェーハWの表面だけでなく裏面にも施されることはいうまでもない。
【0040】
このように、粗平坦化加工では、スライス後のサファイアウェーハWの表裏面に対して、研削レートが大きい第1のブラスト加工と、研削レートが小さい第2のブラスト加工とを順次施すようにしたので、サファイアウェーハWの粗平坦化加工時間、ひいてはサファイアウェーハWの総平坦化加工時間を短縮することができる。
しかも、研削レートが小さいダメージ除去優先のブラスト加工が施されるのは、スライス直後のサファイアウェーハWではなく、1次ブラスト加工が施された加工ダメージが小さいサファイアウェーハWである。そのため、サファイアウェーハWのスクラッチの発生数を低減することができる。
【0041】
また、このような砥粒切り換え式のブラスト装置10Aに代えて、図5に示すように、第1,2の砥粒b,cを、専用の第1,2のノズル13A,13Bにより別々に噴射する独立噴射型のブラスト装置10Bを採用してもよい。こうすれば、砥粒供給管32の下流部分、ブラストガン30およびノズル13の各内部において、第1,2の砥粒b,cの混合が発生せず、第2のブラスト加工中に第1の砥粒bが混入して噴射されることで生じるスクラッチなどを無くすことができる。
ブラスト装置10Bは、前記第1,2のノズル13A,13Bの他に、両ノズル13A,13Bに配設された一対のブラストガン30A,30Bと、各ブラストガン30A,30Bの砥粒導入部31A,31Bに先端部がそれぞれ連通され、かつ途中部に一対の第1の開閉弁33A、33Bが配設された2本の砥粒供給管32A,32Bと、一方の砥粒供給管32Aの元側の端部に底部が連通された前記第1のホッパ34と、他方の砥粒供給管32Bの元側の端部に底部が連通された前記第2のホッパ35とを備えている。
【0042】
第1の砥粒bを使用した1次ブラスト加工時には、ステージ12を第1のノズル13Aの直下に配置し、第1の開閉弁33Aのみを開く。これにより、第1のホッパ34内の第1の砥粒bが、一方の砥粒供給管32Aを経て砥粒導入部31Aから一方のブラストガン30Aへ供給される。ここでガス導入部36Aから導入された圧縮空気と混ざり合い、第1のノズル13Aからステージ12上のサファイアウェーハWの表面に噴射されて、1次ブラスト加工される。
【0043】
次に、第2ブラスト加工時には、ステージ12を第2のノズル13Bの直下へ移動し、第1の開閉弁33Aを閉じ、第2の開閉弁33Bを開く。これにより、第2のホッパ35内の第2の砥粒cは、砥粒供給管32Bを通してブラストガン30B内へ導入され、ここでガス導入部36Bからの圧縮空気と混ざり合い、第2のノズル13Bからステージ12上のサファイアウェーハWの表面に噴射される。これにより、1次ブラスト加工されたサファイアウェーハWの表面に、第2のブラスト加工が施される。
【0044】
実施例2では、このように砥粒切り換え式のブラスト装置10Aを採用したので、サファイアウェーハWの粗平坦化加工時間、ひいてはこれの総平坦化加工時間の短縮を図ることができる。しかも、第2の砥粒cによりブラスト加工するのは、スライス直後のサファイアウェーハWの表面ではなく、1次ブラスト加工が施された加工ダメージが小さいサファイアウェーハWの表面であるため、サファイアウェーハWの表面へのスクラッチの発生数を低減することができる。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので、説明を省略する。
【0045】
ここで、実際に本発明(試験例1〜5)および従来(比較例1)の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法により、サファイアウェーハに各種のウェーハ平坦化加工を順次施してサファイア基板を得た。なお、試験例1〜4では、ブラスト装置10として実施例1の装置を採用し、試験例5では実施例2のブラスト装置10Aを採用した。
その際、仕上げ研磨前の平坦化加工に用いられるブラスト加工用の砥粒の種類および粒径と、ブラスト加工かパッドを有した粗研磨であるかの違い(仕上げ研磨前の平坦化加工材)により、サファイアウェーハの総平坦化加工特性と、仕上げ研磨前のサファイアウェーハの特性と、仕上げ研磨後のサファイアウェーハの特性とが、どのように異なるのかを調べた。その結果を表1に示す。
【0046】
ここでいう「総平坦化加工特性」とは、サファイアウェーハに施される総平坦化加工時間(仕上げ研磨を含む)、総平坦化加工工程数および総平坦化加工でのサファイアの総除去量(加工量)である。また、「仕上げ研磨前のサファイアウェーハの特性」とは、仕上げ研磨が施される前のサファイアウェーハの反り量および表面粗さである。さらに、「仕上げ研磨後のサファイアウェーハの特性」とは、仕上げ研磨後のサファイアウェーハの最終反り量、最終表面粗さ、マイクロスクラッチの発生量である。
【0047】
試験例1では、粗平坦化加工工程であるブラスト加工用の砥粒として、♯3000(平均粒径4〜10μm)のGC(グリーンカーボランダム)を採用している。試験例2では、ブラスト加工用の砥粒として、♯3000のFO(アルミナ)砥粒を採用している。試験例3では、ブラスト加工用の砥粒として、平均粒径が3μmのダイヤモンド砥粒を採用している。試験例4では、平均粒径が1μmのダイヤモンド砥粒を採用している。一方、比較例1では、粗平坦化加工工程に代えて、順次施されるラッピング工程、ダイヤモンドラッピング工程、粗研磨工程を採用している。試験例5では、ブラスト加工用の砥粒として、平均粒径が3μmのダイヤモンド砥粒と♯3000のFO(アルミナ)砥粒とを採用している。
なお、試験例1〜5および比較例1における各サファイアウェーハの試験実施枚数は10枚で、表1中の各試験値はその平均値である。また、試験例1〜5および比較例1におけるその他の構成は、実施例1に準ずる。
【0048】
比較例1のラッピング工程では、鋳鉄製の上下のラッピング定盤を備えたラッピング装置を使用し、GC砥粒を含むラッピング液をラッピング定盤間に供給しながらサファイアウェーハをラッピングする。次のダイヤモンドラッピング工程では、下方のみのラッピング定盤を銅製とし、ダイヤモンド粒子を含むラッピング液をラッピング定盤間に供給しながら、サファイアウェーハの表面のみをラッピングする。
また、粗研磨工程では、遊星歯車方式の浜井産業株式会社製の上下の研磨定盤の各対向面にニッタハース株式会社製の不織布からなる研磨布をそれぞれ貼着し、研磨布にコロイダルシリカ(加工液)を供給しながら、サファイアウェーハの表裏面を粗研磨する。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示すように、試験例1では、スライス直後のサファイアウェーハに対する平坦加工として、ブラスト装置を使用し、♯3000のGC砥粒をウェーハ表裏面へ圧縮空気により噴射する「ブラスト加工」と、サファイアウェーハの表面のみにスエードパッドとコロイダルシリカを用いて施す「仕上げ研磨」との2段加工を採用した。ブラスト加工時の砥粒の噴射時間は54分間であった。
その結果、総平坦化加工時間が平均6時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均91μmであった。また、ブラスト加工後のサファイアウェーハの反り量は平均10.4μmであった。ブラスト加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均1nm以下だった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均10.5μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、スクラッチ発生枚数を全検査枚数で割って一枚あたりの発生数としたとき(以下同様とする)、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は平均0.1個であった。
【0051】
試験例2では、スライス直後のサファイアウェーハに対する平坦加工として、ブラスト装置を使用し、♯3000のFO砥粒をウェーハ表裏面へ圧縮空気により噴射する「ブラスト加工」と、サファイアウェーハの表面のみにスエードパッドとコロイダルシリカを用いて施す「仕上げ研磨」との2段加工を採用した。ブラスト加工時の砥粒の噴射時間は64分間であった。
その結果、総平坦化加工時間が平均5時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均91μmであった。また、ブラスト加工後のサファイアウェーハの反り量は平均10.3μmであった。ブラスト加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均1nm以下だった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均10.3μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は平均0.1個であった。
【0052】
試験例3では、スライス直後のサファイアウェーハに対する平坦加工として、ブラスト装置を使用し、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒をウェーハ表裏面へ圧縮空気により噴射する「ブラスト加工」と、サファイアウェーハの表面のみにスエードパッドとコロイダルシリカを用いて施す「仕上げ研磨」との2段加工を採用した。ブラスト加工時の砥粒の噴射時間は32分間であった。
【0053】
その結果、総平坦化加工時間が平均7時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均91μmであった。また、ブラスト加工後のサファイアウェーハの反り量は平均10.5μmであった。ブラスト加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均3nm程度だった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均10.4μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は平均0.1個であった。
【0054】
試験例4では、スライス直後のサファイアウェーハに対する平坦加工として、ブラスト装置を使用し、平均粒径1μmのダイヤモンド砥粒をウェーハ表裏面へ圧縮空気により噴射する「ブラスト加工」と、サファイアウェーハの表面のみにスエードパッドとコロイダルシリカを用いて施す「仕上げ研磨」との2段加工を採用した。ブラスト加工時の砥粒の噴射時間は50分間であった。
その結果、総平坦化加工時間が平均7.5時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均91μmであった。また、ブラスト加工後のサファイアウェーハの反り量は平均10.2μmであった。ブラスト加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均2nm程度だった。また、仕上げ研磨後のウェーハの反り量は平均10.3μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は平均0.1個であった。
【0055】
試験例5では、スライス直後のサファイアウェーハの表裏面に対しての平坦加工として、ブラスト装置を用いて、平均粒径3μmのダイヤモンド砥粒を30分間噴射する「第1のブラスト加工」と、♯3000のFO砥粒を13分間噴射する「第2のブラスト加工」と、サファイアウェーハの表面のみに、スエードパッドとコロイダルシリカを用いる「仕上げ研磨」とを順次行う3段加工を採用した。ブラスト加工時の砥粒の総噴射時間は43分間であった。
【0056】
その結果、総平坦化加工時間は平均4.7時間を要した。総平坦化加工におけるサファイアの総除去量は、ウェーハ表裏面で平均91μmであった。また、第2のブラスト加工後のサファイアウェーハの反り量は平均10.3μmであった。第2のブラスト加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均1nm以下であった。また、仕上げ研磨後のサファイアウェーハは、反り量が平均10.3μmで、ウェーハ表裏面の粗さがRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面のスクラッチ検査の結果、一枚当たりのウェーハに存在する1cm以上のスクラッチの発生数は、平均0.1個以下と良好であった。
【0057】
比較例1では、平坦加工として、鋳鉄定盤とGC砥粒を使用した「ラップ加工」と、銅定盤とダイヤモンド砥粒とを使用した「ダイヤモンドラップ加工」と、不織布とコロイダルシリカ砥粒を使用した「粗研磨加工」と、スエード製の研磨布とコロイダルシリカを使用した「仕上げ研磨加工」の4段加工(総平坦化加工)を実施した。その結果、総平坦化加工に要する時間は平均18時間であった。このとき、総平坦化加工におけるサファイアの総除去量はウェーハ表裏面で平均181μmだった。
また、不織布を用いて粗研磨を施した後のウェーハの反り量は平均11.2μmで、粗研磨加工後のウェーハ表裏面の粗さはRaで平均7nm程度だった。また、仕上げ研磨まで施した場合のウェーハの反り量は平均11.5μmで、ウェーハ表裏面の粗さはRMSで平均0.2nm程度だった。仕上げ研磨後のウェーハ表面での1cm以上のスクラッチの発生数は、平均1個であった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
この発明は、硬脆性材料(例えばサファイア、SiC、GaNなど)の仕上げ研磨(鏡面加工)までの総加工時間の短縮技術として有用である。
【符号の説明】
【0059】
W サファイアウェーハ(硬脆性ウェーハ)、
a〜c 砥粒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬脆性インゴットをスライスして得た硬脆性ウェーハに平坦化加工を施す硬脆性ウェーハの平坦化加工方法において、
前記平坦化加工は、
スライス後の前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に、圧縮ガスにより砥粒のみを噴射してブラストする粗平坦化加工と、
この粗平坦化加工後の前記硬脆性ウェーハの表面に施される仕上げ研磨とからなる硬脆性ウェーハの平坦化加工方法。
【請求項2】
前記粗平坦化加工は、
前記スライス後の硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、少なくとも表面に施される第1のブラスト加工と、
前記硬脆性ウェーハの表面および裏面のうち、前記第1のブラスト加工が施された少なくとも表面に施され、かつ前記第1のブラスト加工より研削レートが小さい第2のブラスト加工とを有した請求項1に記載の硬脆性ウェーハの平坦化加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−124331(P2012−124331A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273855(P2010−273855)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】