説明

磁性材料の製造方法

【課題】NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を高める。
【解決手段】粉末A、粉末B、粉末Cおよび粉末Dから選ばれる少なくとも2種の粉末を、R元素の比率が4〜15原子%、T元素の比率が60〜93原子%、M元素の比率が3〜25原子%となるように混合する。この混合粉末に加圧処理を施しつつ通電し、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の焼結体を作製する。粉末AはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種のR元素の1種または2種以上の単体粉末、粉末BはFe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種のT元素の1種または2種以上の単体粉末、粉末CはSi、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種のM元素の1種または2種以上の単体粉末、粉末DはR元素、T元素およびM元素から選ばれる少なくとも2種の元素で構成される1種または2種以上の化合物粉末である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気冷凍材料や磁歪材料等として優れた特性を発揮する磁性材料およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境配慮型の冷凍技術として、クリーンでエネルギー効率の高い磁気冷凍に対する期待が高まっている。また一方で、磁気冷凍用の磁性材料として、常温近くで大きな磁気エントロピー変化の得られる物質が見出されている。このような磁気冷凍用の磁性物質としては、(Hf,Ta)Fe2、(Ti,Sc)Fe2、(Nb,Mo)Fe2、およびNaZn13型結晶構造を有するLa(Fe,Si)13等が知られている。
【0003】
上述した磁気冷凍物質の中でも、特にNaZn13型結晶構造を有し、La(Fe,Si)13等の化学式で表される物質が注目されている。このような物質においては、NaZn13型結晶構造を有する相(以下、NaZn13型結晶構造相と記す)のZnに相当する位置に主としてFeが入り、Naに相当する位置に主としてLa等の元素が入る(以下、この物質をLaFe13系磁性材料と略称する)。LaFe13系磁性材料はFeを主な構成元素とし、大きな磁気エントロピー変化を得ることができる。しかも、磁気相転移に温度ヒステリシスを生じない等、LaFe13系磁性材料は実用的な磁気冷凍物質として有望な性質を備えている(例えば特許文献1,2参照)。
【0004】
LaFe13系磁性材料の製造方法に関しては、アーク溶解法等を用いて原料の一体化を行い、続いて1000℃で1ヶ月間保持する熱処理を行うことによって、NaZn13型結晶構造相を主相とする磁性材料が得られることが報告されている(非特許文献1参照)。LaFe13系磁性材料の作製工程において、アーク溶解法や高周波溶解法等を適用して原料の一体化(合金化)を行った段階ではα−Fe相を多く含んでおり、NaZn13型結晶構造相はほとんど生成されていない。このため、一体化した合金からLaFe13系磁性材料を得るためには、上述したように高温で長時間にわたる熱処理が必要となる。
【0005】
一方、LaFe13系磁性材料を構成する原料の溶湯を自然冷却して固化する代りに、この溶湯を1×104℃/秒程度の冷却速度で強制冷却して固化すると、安定相であるα−Fe相の生成が抑制され、NaZn13型結晶構造相が生成するようになる(例えば特許文献3参照)。なお、合金溶湯の冷却速度は、高周波溶解やアーク溶解等に代表される溶解法では1×102℃/秒程度であるが、単ロール装置を用いた冷却に代表される液体急冷法では1×104℃/秒以上の速度で冷却できることが一般に知られている。ここでは1×104℃/秒以上の冷却速度による冷却を強制冷却と表現している。
【0006】
例えば、特許文献3にはFeを主成分とするLaFe13系磁性材料の原料溶湯を急冷(強制冷却)して合金を形成し、この合金に400〜1200℃の温度で熱処理を施す方法が記載されている。この方法を適用することで熱処理時間は短縮できるものの、急冷合金においても依然として主相はα-Fe相であることに変わりはない。このため、NaZn13型結晶構造相を主相とするためには熱処理が不可欠である。また、粒子状の磁気冷凍材料として使用するために粉砕した場合、α-Fe相を多く含むことで粒子間の組成均一性が著しく低下するという問題がある。さらに、α-Fe相が多いほど粉砕が困難になる。
【0007】
さらに、特許文献4にはLaFe13系磁性材料の原料組成物にホウ素(B)や炭素(C)等を1.8〜5.4原子%の範囲で含有させることにより、鋳造直後の状態でNaZn13型結晶構造相を有するLaFe13系磁性材料が得られることが記載されている。しかしながら、この方法で鋳造された合金は原料に対するB等の添加に伴って、例えばF2B相のようなBを含む化合物相等が異相として存在するという問題を有している。FeとB等との化合物相の生成は、LaFe13系磁性材料の特性を低下させる要因となる。
【特許文献1】特開2002-356748号公報
【特許文献2】特開2003-96547号公報
【特許文献3】特開2004-100043号公報
【特許文献4】特開2004-99928号公報
【非特許文献1】X.X.Zhang et al., Appl. Phys. lett., Vol.77, No.19 (2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、磁気冷凍材料や磁歪材料として有用なLaFe13系磁性材料の製造工程においては、NaZn13型結晶構造相を得るために長時間の熱処理が必要であり、この長時間の熱処理に起因して生産性が極めて低いという問題がある。さらに、長時間の熱処理を行うと材料中の酸素量が比較的多くなり、LaFe13系磁性材料の磁気特性も低下しやすい。また、強制冷却を適用して優先的にNaZn13型結晶構造相を生成した場合でも、熱処理を完全に不要にすることは難しい。加えて、強制急冷で得られる材料は球状もしくは薄帯状であるため、形状自由度が低いというような問題を有している。
【0009】
本発明は、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を大幅に向上させると共に、得られる磁性材料の磁気冷凍材料や磁歪材料等としての特性を高めることを可能にした磁性材料の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る磁性材料の製造方法は、粉末A、粉末B、粉末Cおよび粉末Dから選ばれる少なくとも2種の粉末を、R元素の比率が4原子%以上15原子%以下の範囲、T元素の比率が60原子%以上93原子%以下の範囲、M元素の比率が3原子%以上25原子%以下の範囲となるように混合する工程と、前記混合粉末に加圧処理を施しつつ通電し、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の焼結体を作製する工程とを具備することを特徴としている。ここで、粉末AはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種のR元素の1種または2種以上の単体粉末、粉末BはFe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種のT元素の1種または2種以上の単体粉末、粉末CはSi、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種のM元素の1種または2種以上の単体粉末、粉末DはR元素、T元素およびM元素から選ばれる少なくとも2種の元素で構成される1種または2種以上の化合物粉末である。
【0011】
本発明の他の態様に係る磁性材料の製造方法は、R元素を4原子%以上15原子%以下の範囲、T元素を60原子%以上93原子%以下の範囲、M元素を3原子%以上25原子%以下の範囲で含む溶湯を強制冷却して母合金を作製する工程と、前記母合金を粉砕して合金粉末を作製する工程と、前記合金粉末を加圧しつつ加熱し、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の焼結体を作製する工程とを具備することを特徴としている。ここで、R元素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種の元素、T元素はFe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素、M元素はSi、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の元素である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る磁性材料の製造方法によれば、長時間の熱処理を適用することなく、NaZn13型結晶構造相を主相とする磁性材料を得ることができる。従って、磁気冷凍材料や磁歪材料等として優れた特性を発揮する、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を大幅に向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による磁性材料の製造方法を示す工程図である。第1の実施形態による製造方法は、粉末原料101を所定の組成比で混合し、この混合粉末に加圧処理を施しつつ通電する成形工程102を実施することによって、NaZn13型結晶構造相を主相とする磁性材料の成形体103を得る方法である。
【0014】
第1の実施形態においては、まず粉末原料101として、粉末A、粉末B、粉末Cおよび粉末Dから選ばれる少なくとも2種の粉末を、R元素の比率が4原子%以上15原子%以下の範囲、T元素の比率が60原子%以上93原子%以下の範囲、M元素の比率が3原子%以上25原子%以下の範囲となるように用意する。
【0015】
ここで、粉末AはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種のR元素の1種または2種以上の単体粉末である。粉末BはFe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種のT元素の1種または2種以上の単体粉末である。粉末CはSi、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種のM元素の1種または2種以上の単体粉末である。粉末Dは前記R元素、T元素およびM元素から選ばれる少なくとも2種の元素で構成される1種または2種以上の化合物粉末である。
【0016】
NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料において、NaZn13型結晶構造相のNaに相当する位置には主としてR元素が入り、Znに相当する位置には主としてT元素並びにM元素が入る。このような磁性材料の磁気冷凍材料や磁歪材料としての特性を高める上で、R元素はLa、Pr、CeおよびNdから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。T元素としては特にFe、Coを適用することが望ましい。M元素はSi、Al、BおよびGeから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
【0017】
上述したように、粉末原料101としては各元素の単体粉末に限らず、各元素で構成される化合物粉末や各元素を含む化合物粉末(磁性材料の特性等に悪影響を及ぼさない元素との化合物粉末)を用いてもよい。例えば、単体では反応性の高い元素等は他の元素との化合物粉末を用いることができる。また、粉末原料101は100μm以下の平均粒子径を有することが好ましい。なお、粉末原料101の平均粒子径は日本シイベルヘグナー社製の粒度分布測定装置マスターサイザーで測定した。
【0018】
各粉末の平均粒子径が100μmを超えると組織の均一性が低下するため、成形工程102における焼結効率が低下するおそれがある。すなわち、成形工程102における加圧および通電加熱の効率が低下し、焼結後の成形体(磁性材料の焼結体)103の特性が劣化したり、また成形体103にへき開等が生じるおそれがある。粉末原料101の平均粒子径が小さいほどNaZn13型結晶構造相の生成が促進されやすいが、実用的には1μm以上100μm以下であれば十分効率的に焼結を行うことができる。平均粒子径が1μm未満の粉末原料101は取扱い性に劣ると共に、製造コストの増加等を招くおそれがある。粉末原料101の平均粒子径は1μm以上50μm以下の範囲であることがより好ましい。
【0019】
そして、上述した各元素の粉末原料を所定の組成比となるように混合する。各粉末原料の混合比(組成比)は、R元素の比率が4原子%以上15原子%以下の範囲、T元素の比率が60原子%以上93原子%以下の範囲、M元素の比率が3原子%以上25原子%以下の範囲となるように調整する。これによって、磁気冷凍材料や磁歪材料として優れた特性を示す磁性材料、例えば磁気冷凍材料として大きなエントロピー変化や磁歪材料として大きな磁歪を示す磁性材料を得ることができる。
【0020】
すなわち、R元素の組成比率が4原子%未満または15原子%を超えると、NaZn13型結晶構造相の生成効率が低下する。R元素の組成比率は5原子%以上8原子%以下とすることがより好ましい。同様に、T元素の組成比率が60原子%未満または93原子%を超える場合にも、NaZn13型結晶構造相の生成効率が低下する。T元素は特にFeを43原子%以上87原子%以下の範囲で含むことが好ましい。また、M元素の組成比率が3原子%未満であるとNaZn13型結晶構造相の生成効率が低下し、M元素の組成比率が25原子%を超えると磁性材料の特性が低下する。
【0021】
次に、上述したR元素、T元素およびM元素を所定の組成比で含む混合物に対して加圧と通電を同時に行う成形工程102を実施する。この成形工程102においては、加圧の後に通電を行うことも可能であるが、加圧処理を施しながら通電することによって、各原料粒子間で活性な原子拡散が起こるため、NaZn13型結晶構造相の生成効率がより向上する。加圧しながら通常の熱処理にあたる加熱を施すホットプレス法等でも同様な現象が生じるが、通電処理の方がより原料粒子間の原子拡散が起こりやすいため、NaZn13型結晶構造相を短時間で得ることができる。
【0022】
特に、成形工程102においては混合物に対して加圧と同時にパルス通電を行うことが好ましい。このような加圧とパルス通電とを同時に行う具体的な方法としては、パルス通電加圧焼結法や放電プラズマ焼結法と呼ばれる焼結法が挙げられる。パルス通電加圧焼結法によれば、混合物(圧粉体)にパルス電流を投入することによって、粒子間に発生するジュール熱で急激な原子拡散が起こる。また、パルス通電することで電界の作用による拡散も起こる。これら熱および電界のエネルギーに由来する急激な拡散作用によって、α−Fe相の生成は著しく抑制され、NaZn13型結晶構造相をより安定的に生成することが可能となる。通電方法は連続通電でもよいが、パルス通電の方がより効果的である。
【0023】
成形工程102にパルス通電加圧焼結法を適用する場合の具体的な条件としては、真空下もしくは不活性ガス雰囲気下において、5〜100MPaの圧力で混合物を加圧しながら、電圧1〜20V、受圧力面積比電流100〜1300A/cm2の直流パルス電流を流すことが好ましい。このような条件下でのパルス通電加圧焼結によれば、上記した混合物を800〜1400℃の温度で焼結することができる。この際、混合物に対する通電時間は1秒以上であれば効果が得られるが、より好ましくは1分以上である。さらに、実用的には1分以上1時間以内の通電時間を適用することが好ましい。通電時間は1時間以内で十分であり、それ以上としてもNaZn13型結晶構造相の生成効率は次第に低下する。
【0024】
上述した加圧と通電を同時に行う成形工程102によれば、長時間の熱処理を実施することなく、短時間でNaZn13型結晶構造相を主相とする成形体(磁性材料の焼結体)103を得ることができる。具体的にはNaZn13型結晶構造相の生成比率が70%以上というような成形体103を得ることができる。加圧と加熱を同時に行うホットプレス焼結法、超高圧焼結法、HIP法等によってもNaZn13型結晶構造相が生成するが、その生成効率においてはパルス通電加圧焼結法が最も効率がよい。さらに、成形工程102は操作性や簡便性の点においても優れており、効率的かつ実用的な方法ということができる。
【0025】
このように、加圧と通電を同時に行う成形工程102を適用することによって、R元素、T元素およびM元素の各原料粉末(単体粉末や化合物粉末)からNaZn13型結晶構造相を主相とする磁性材料を直接的に得ることができ、さらにNaZn13型結晶構造相の生成比率を高めることができる。従って、磁気冷凍材料や磁歪材料として優れた特性を示す磁性材料の製造効率を大幅に高めることが可能となる。なお、磁気冷凍材料としてのエントロピー変化や磁歪材料としての磁歪といった物性値のみを考慮した場合、NaZn13型結晶構造相の比率を100%により近づけることが望ましいが、微量の第2相(例えばα−Fe相)を含むことで磁性材料の実用特性である強度や熱伝導性等を調整することができる。従って、成形体103は微量の第2相を含んでいてもよい。
【0026】
さらに、成形工程102を適用して作製した磁性材料は結晶粒径が微細化されることから、磁気冷凍材料や磁歪材料としての特性自体も高めることができる。磁性材料の特性向上には酸素含有量の低減等も寄与する。すなわち、各原料粉末の混合物に対して加圧と通電を同時に行う成形工程102を実施することによって、長時間の熱処理を施す必要がなくなり、磁性材料中の酸素量を低減することができる。磁性材料中の酸素含有量は2原子%以下に抑えることが好ましく、さらには0.2原子%以下とすることが望ましい。このように、第1の実施形態による製造方法は、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を高めることに加えて、磁気冷凍材料や磁歪材料としての特性の向上にも寄与するものである。
【0027】
なお、第1の実施形態による磁性材料の製造方法は、必ずしも成形工程102後の熱処理を除外するものではない。短時間の熱処理であれば製造効率を低下させることなく、磁性材料の特性をより一層高めることができる。また、成形体103を水素雰囲気中で熱処理し、磁性材料中に水素を含有させることも有効である。これによって、大きな磁気エントロピー変化や大きな磁歪の得られる温度域を高めることができ、さらにこのような温度域を室温近傍にすることもできる。磁性材料の水素含有量は2原子%以上22原子%以下の範囲とすることが好ましい。また、成形体103の形状は特に限定されるものではなく、板状、球状、網目状等とすることができる。さらに、所望形状の磁性材料を得るために、成形体103に対して加工を施してもよい。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態による磁性材料の方法について、図2を参照して説明する。図2は本発明の第2の実施形態による磁性材料の製造方法を示す工程図である。第2の実施形態による製造方法は、磁性材料の原料(合金原料)201を一体化する工程202と、一体化合金203を溶融する工程204と、溶湯205を強制冷却する工程206と、強制冷却により得た磁性材料207を粉砕する工程208と、粉砕した合金粉末209を加圧しつつ加熱する成形工程210とを有し、これら各工程によりNaZn13型結晶構造相を主相とする磁性材料の成形体211を得る方法である。
【0029】
第2の実施形態においては、まず原料201として、物質A、物質B、物質Cおよび物質Dから選ばれる少なくとも2種の物質を、R元素の比率が4原子%以上15原子%以下の範囲、T元素の比率が60原子%以上93原子%以下の範囲、M元素の比率が3原子%以上25原子%以下の範囲となるように用意する。ここで、物質AはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種のR元素の1種または2種以上の単体である。物質BはFe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種のT元素の1種または2種以上の単体である。物質CはSi、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種のM元素の1種または2種以上の単体である。物質Dは前記R元素、T元素およびM元素から選ばれる少なくとも2種の元素で構成される1種または2種以上の化合物である。
【0030】
次いで、これら各合金原料201をアーク溶解法や高周波溶解法等を適用して一体化する工程202を実施する。さらに、一体化した合金203を溶融する工程204を行い、強制冷却工程の原料となる溶湯205を作製する。このように、各合金原料201を一旦溶融して合金化しておくことによって、溶湯205の均一性を高めることができる。ただし、一体化工程202は強制冷却工程206で使用する溶湯205の均一性を確保することができればよいため、アーク溶解法や高周波溶解法等の溶解法に限らず、他の方法を適用してもよい。さらに、溶融工程204自体で均一な溶湯205が得られれば、一体化工程202自体を省いてもよい。すなわち、合金原料201を用いて直接的に溶融工程204を実施してもよい。
【0031】
上述した溶融工程204で作製する溶湯205は、R元素の比率が4原子%以上15原子%以下の範囲、T元素の比率が60原子%以上93原子%以下の範囲、M元素の比率が3原子%以上25原子%以下の範囲となるように、組成比を調整する。これら各元素の組成比は第1の実施形態と同様に、NaZn13型結晶構造相の生成効率や磁性材料の特性等を高めるために、上記した各範囲とする。R元素の組成比率は5原子%以上8原子%以下とすることがより好ましい。T元素は特にFeを43原子%以上87原子%以下の範囲で含むことが好ましい。また、M元素の組成比率が3原子%未満であるとNaZn13型結晶構造相の生成効率が低下し、25原子%を超えると磁性材料の特性が低下する。
【0032】
次に、上述した溶湯205を強制冷却する工程206を実施し、母合金となる磁性材料207を作製する。この時点で組織(合金組織)が微細化されるため、最終的な磁性材料中のNaZn13型結晶構造相の生成を促進することができる。強制冷却工程206における溶湯205の冷却速度は1×104℃/秒以上とすることが好ましい。溶湯205の冷却速度が1×102℃/秒ないし1×103℃/秒では、α−Fe相の生成が他の相の生成よりも優先されるため、冷却による組織の微細化効果を十分に得ることができない。
【0033】
溶湯205の冷却速度を1×104℃/秒以上とすることで組織の微細化が生じ、さらに安定相のα−Fe相の生成が抑制され、NaZn13型結晶構造相をより安定的に形成することができる。さらに、強制冷却工程206における溶湯205の冷却速度が速いほど、α−Fe相の生成が抑制されると同時に、NaZn13型結晶構造相の生成が優先されるようになる。また、組織の微細化効果も増大する。従って、溶湯205の冷却速度は1×105℃/秒以上とすることがより好ましい。このような効果は冷却速度が1×108℃/秒であっても維持される。
【0034】
強制冷却工程206は上述したような冷却速度を実現することが可能な方法であればよく、冷却方法自体は特に限定されるものではない。強制冷却を実現するための溶湯205の急冷方法としては、例えば水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、遠心力アトマイズ法、プラズマアトマイズ法、回転電極法、RDP法、単ロール急冷法、双ロール急冷法等が挙げられる。これらの方法のうち、単ロール急冷法や双ロール急冷法を用いた場合には、溶湯205の吐出量、ロールの周速、雰囲気等を適宜に選択することによって、高速の強制冷却をよく制御された状態で実施することができる。
【0035】
水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、遠心力アトマイズ法、プラズマアトマイズ法、回転電極法、RDP法においては、得られる粒径を小さくすることで高い冷却速度を得ることができる。例えば、粒径を100μm以下にすることによって、1×104℃/秒以上の冷却速度を得ることができる。また、強制冷却工程206にロール急冷法を適用した場合、得られる合金薄帯の平均厚さは10〜100μmの範囲であることが好ましい。合金薄帯の平均厚さが100μmを超えると、試料全体にわたって十分な冷却速度が得られないおそれが生じる。よって、平均厚さはより小さい方が好ましいが、10〜100μmの範囲であれば十分な冷却効果が得られる。より好ましくは10〜50μmの範囲である。
【0036】
次に、強制冷却工程206で作製した母合金(磁性材料207)を粉砕する工程208を実施して、成形工程210の原料粉末となる合金粉末209を作製する。母合金は平均粒子径が100μm以下となるように粉砕することが好ましい。合金粉末209の平均粒子径が100μmを超えると組織の均一性が低下し、成形工程210における加圧や加熱の効率が低下すると共に、焼結後の成形体211にへき開等が生じるおそれがある。合金粉末209の平均粒子径が小さいほどNaZn13型結晶構造相の生成が促進されるが、実用的には1μm以上100μm以下であれば十分効率的に焼結を行うことができる。合金粉末209の平均粒子径は1μm以上50μm以下の範囲であることがより好ましい。
【0037】
なお、強制冷却工程206で作製した母合金(磁性材料207)の平均粒子径が粉砕するまでもなく、所望の平均粒子径(例えば100μm以下)を満足していた場合には、粉砕工程208を要しないことは言うまでもない。
【0038】
次に、上記した合金粉末209を加圧しつつ加熱する成形工程210を実施する。この成形工程210においては、加圧しつつ通常の熱処理にあたる加熱を行ってもよいし、第1の実施形態と同様に加圧しつつ通電加熱を行ってもよい。成形工程210で加圧と通電を同時に実施することで、よりNaZn13型結晶構造相の生成が促進される。加圧しつつ通常の熱処理にあたる加熱を施すホットプレス法等でも同様な効果が得られるが、通電加熱の方がより原料粒子間の原子拡散が起こりやすいため、NaZn13型結晶構造相が比較的短時間で生成され、磁性材料(成形体211)を効率的に得ることができる。特に、合金粉末209に対して加圧と同時にパルス通電を行うことが好ましい。このような方法としては、前述したようにパルス通電加圧焼結法が挙げられる。パルス通電加圧焼結法によれば、NaZn13型結晶構造相をより短時間で安定的に生成することができる。
【0039】
成形工程210にパルス通電加圧焼結法を適用する場合の具体的な条件としては、真空下もしくは不活性ガス雰囲気下において、5〜100MPaの圧力で混合物を加圧しながら、電圧1〜20V、受圧力面積比電流100〜1300A/cm2の直流パルス電流を流すことが好ましい。このような条件下でのパルス通電加圧焼結によれば、上記した合金粉末を800〜1400℃の温度で焼結することができる。この際、合金粉末に対する通電時間は1秒以上であれば効果が得られるが、より好ましくは1分以上である。さらに、実用的には1分以上1時間以内の通電時間を適用することが好ましい。通電時間を1時間以内で十分であり、それ以上としてもNaZn13型結晶構造相の生成効率は次第に低下する。
【0040】
上述した成形工程210によれば、長時間の熱処理を実施することなく、短時間でNaZn13型結晶構造相を主相とする成形体(磁性材料の焼結体)211を得ることができる。具体的にはNaZn13型結晶構造相の生成比率が95%以上というような成形体211を得ることもできる。加圧と加熱を同時に行うホットプレス焼結法、超高圧焼結法、HIP法等によってもNaZn13型結晶構造相が生成するが、パルス通電加圧焼結法は操作性や簡便性の点においても優れており、かつ数分という短時間での焼結が可能である。
【0041】
このように、加圧と加熱(特に通電加熱)を同時に行う成形工程210を適用することによって、NaZn13型結晶構造相の生成比率を短時間で効率的に高めることができる。従って、磁気冷凍材料や磁歪材料として優れた特性を示す磁性材料の製造効率を高めることが可能となる。なお、磁気冷凍材料としてのエントロピー変化や磁歪材料としての磁歪といった物性値のみを考慮した場合、NaZn13型結晶構造相の比率を100%により近づけることが望ましいが、微量の第2相(例えばα-Fe相)を含むことで磁性材料の実用特性である強度や熱伝導性等を高めることができる。従って、成形体211は微量の第2相を含んでいてもよい。
【0042】
さらに、成形工程210を適用して作製した磁性材料は、母合金の微細組織等に基づいて結晶粒径が微細化されることから、磁気冷凍材料や磁歪材料としての特性自体も高めることができる。磁性材料の特性向上には酸素含有量の低減等も寄与する。すなわち、成形工程210の短時間化等によって、磁性材料中の酸素量を低減することができる。磁性材料中の酸素含有量は2原子%以下に抑えることが好ましく、さらには0.2原子%以下とすることが望ましい。このように、第2の実施形態による製造方法は、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を高めることに加えて、磁気冷凍材料や磁歪材料としての特性の向上にも寄与するものである。
【0043】
なお、第2の実施形態による磁性材料の製造方法は、必ずしも成形工程210後の熱処理を除外するものではない。短時間の熱処理であれば製造効率を低下させることなく、磁性材料の特性をより一層高めることができる。また、成形体211を水素雰囲気中で熱処理し、磁性材料中に水素を含有させることも有効である。これによって、大きな磁気エントロピー変化や大きな磁歪の得られる温度域を高めることができ、さらにこのような温度域を室温近傍に調整することもできる。磁性材料の水素含有量は2原子%以上22原子%以下の範囲とすることが好ましい。また、成形体211の形状は特に限定されるものではなく、板状、球状、網目状等とすることができる。さらに、所望形状の磁性材料を得るために、成形体211に対して加工を施してもよい。
【実施例】
【0044】
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
【0045】
実施例1
まず、LaSi、Fe、Siの各粉末を、La(Fe0.88Si0.1213の化学量論比となるように混合した後、この混合物を平均粒子径が50μm以下となるように粉砕して微細化した。この微細化した混合粉末を、パルス通電加圧焼結装置を用いて焼結した。焼結はチャンバ内の真空度を2Paとし、40MPaで試料を加圧しながら最大電圧3.2V、最大受圧力面積比電流500A/cm2の直流パルス電流を流すことにより行った。パルス条件はパルス電流のON-OFF周期を12-2とした。焼結温度は約1000℃であり、その状態を10分間保持した。
【0046】
実施例2
LaSi、Fe、Co、Siの各粉末を、La(Fe0.83Co0.05Si0.1213となるように混合した後、実施例1と同様の条件で焼結を行った。
【0047】
実施例3
LaSi、Fe、Co、Siの各粉末を、La(Fe0.88Co0.03Si0.0913となるように混合した後、実施例1と同一条件で焼結を行った。
【0048】
このようにして得た磁性材料の焼結体の構成相を調べるために、粉末X線回折を行った。実施例1による磁性材料のX線回折結果を図3に示す。図3から明らかなように、NaZn13型結晶構造相が主相として生成しており、NaZn13型結晶構造相のメインピーク強度はα−Fe相のメインピーク強度の3.34倍であった。また、粉末X線回折結果からNaZn13型結晶構造相の生成比率を求めたところ、NaZn13型結晶構造相が77%存在していることが確認された。なお、NaZn13型結晶構造相の生成比率は、[NaZn13相のメインピーク強度/(NaZn13相のメインピーク強度+α−Fe相のメインピーク強度)]×100(%)の式により求めた。実施例2〜3についても同様の評価を行った結果、NaZn13型結晶構造相の生成比率は75%、71%であった。
【0049】
このように、LaFe13系磁性材料を構成する各元素の単体粉末(または化合物粉末)の混合体に対して、加圧とパルス通電を同時に行うことによって、鋳造合金を数日間以上にわたって熱処理する方法と同程度のNaZn13型結晶構造相を有する磁性材料を極めて短時間で得ることができる。従って、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を大幅に高めることが可能となる。
【0050】
実施例4〜5および比較例1〜3
本発明に対する比較例1〜3として供試体1〜3を、また本発明の実施例4〜5として供試体4〜5を作製した。比較例1としての供試体1は、La(Fe0.88Si0.1213の化学量論比に調整した各元素の原料を、アーク溶解法で合金一体化して作製した。供試体1の形状は直径30mm、厚さ10mmのボタン状である。比較例2としての供試体2は、供試体1を真空下において1000℃で170時間の均質化熱処理を施すことにより作製した。比較例3としての供試体3は、供試体1をAr雰囲気下で高周波溶解し、この溶湯を単ロール急冷装置を用いて急冷することにより作製した。急冷は溶湯を周速30m/秒で回転するCuロールに出湯して行った。供試体3の形状は平均厚さ30μm、幅0.9mmの薄帯状であった。
【0051】
実施例4としての供試体4は、供試体3を粉砕して平均粒子径が50μm以下の粉末とし、この合金粉末をホットプレス装置を用いて焼結することにより作製した。焼結はチャンバ内の真空度を2Paとし、40MPaで試料を加圧しながら1000℃の温度で2分間行った。実施例5としての供試体5は、供試体3を粉砕して平均粒子径が50μm以下の粉末とし、この合金粉末をパルス通電加圧焼結装置を用いて焼結することにより作製した。パルス通電加圧焼結は、チャンバ内の真空度を2Paとし、40MPaで試料を加圧しながら最大電圧3.0V、最大受圧力面積比電流480A/cm2のパルス電流を流すことにより行った。パルス条件はパルス電流のON-OFF周期を12-2とした。焼結温度は約1000℃となり、その状態を3分間保持した。
【0052】
上述した供試体1〜5について、X線回折により結晶構造解析を行った。供試体1〜3のX線回折結果を図4に、供試体4〜5のX線回折結果を図5に示す。供試体1(図4(a))ではNaZn13型結晶構造相の生成はほとんど確認されず、α-Fe相と(La,Si,Fe)相の生成が確認された。供試体2(図4(b))ではNaZn13型結晶構造相の生成が進んでおり、α−Fe相と(La,Si)相は大幅に減少していた。これら各供試体におけるNaZn13型結晶構造相の生成比率を求めたところ、供試体1は21%、供試体2は75%であった。供試体3(図4(c))では、供試体1と比較してNaZn13型結晶構造相の生成が進んでいるものの、α−Fe相が多く残っていた。供試体3のNaZn13型結晶構造相の生成比率は40%であった。
【0053】
上述した各比較例の供試体1〜3に対して、実施例4としての供試体4(図5(a))および実施例5としての供試体5(図5(b))では、NaZn13型結晶構造相の生成が非常に多く見られた。これら供試体4、5のNaZn13型結晶構造相の生成比率は66%、74%であった。
【0054】
このように、LaFe13系磁性材料を構成する各元素を所定の比率で含む合金溶湯を強制冷却し、さらにこれを粉末化した合金を加圧焼結、特に通電加圧焼結することによって、鋳造合金を数日間以上にわたって熱処理する方法と同程度のNaZn13型結晶構造相を有する磁性材料を極めて短時間で得ることができる。従って、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の製造効率を大幅に高めることが可能となる。加えて、強制冷却で薄帯状とした合金はアーク溶解法等で作製した塊状の合金と比較して粉砕が極めて容易であるため、製造コストの観点からも有利であると言える。なお、上記した実施例1〜5および比較例1〜3の結果を表1にまとめて示す。
【0055】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施形態による磁性材料の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による磁性材料の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の実施例1による磁性材料のX線回折結果を示す図である。
【図4】比較例1〜3による磁性材料のX線回折結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例4〜5による磁性材料のX線回折結果を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
101…粉末原料、102…成形工程、103…成形体、201…合金原料、202…一体化工程、203…一体化合金、204…溶融工程、205…溶湯、206…強制冷却工程、207…母合金(磁性材料)、208…粉砕工程、209…合金粉末、210…成形工程、211…成形体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記粉末A、下記粉末B、下記粉末Cおよび下記粉末Dから選ばれる少なくとも2種の粉末を、下記R元素の比率が4原子%以上15原子%以下の範囲、下記T元素の比率が60原子%以上93原子%以下の範囲、下記M元素の比率が3原子%以上25原子%以下の範囲となるように混合する工程と、
前記混合粉末に加圧処理を施しつつ通電し、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の焼結体を作製する工程と
を具備することを特徴とする磁性材料の製造方法。
粉末A:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種のR元素の1種または2種以上の単体粉末。
粉末B:Fe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種のT元素の1種または2種以上の単体粉末。
粉末C:Si、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種のM元素の1種または2種以上の単体粉末。
粉末D:前記R元素、T元素およびM元素から選ばれる少なくとも2種の元素で構成される1種または2種以上の化合物粉末。
【請求項2】
請求項1記載の磁性材料の製造方法において、
前記混合粉末に対して加圧とパルス通電とを同時に行う処理を施すことを特徴とする磁性材料の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の磁性材料の製造方法において、
前記混合粉末は100μm以下の平均粒子径を有することを特徴とする磁性材料の製造方法。
【請求項4】
下記R元素を4原子%以上15原子%以下の範囲、下記T元素を60原子%以上93原子%以下の範囲、下記M元素を3原子%以上25原子%以下の範囲で含む溶湯を強制冷却して母合金を作製する工程と、
前記母合金を粉砕して合金粉末を作製する工程と、
前記合金粉末を加圧しつつ加熱し、NaZn13型結晶構造相を有する磁性材料の焼結体を作製する工程と
を具備することを特徴とする磁性材料の製造方法。
R元素:Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびYbから選ばれる少なくとも1種の元素。
T元素:Fe、Co、Ni、MnおよびCrから選ばれる少なくとも1種の元素。
M元素:Si、B、C、Ge、Al、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の元素。
【請求項5】
請求項4記載の磁性材料の製造方法において、
前記合金粉末に対して加圧と通電加熱を同時に行う処理を施すことを特徴とする磁性材料の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の磁性材料の製造方法において、
前記合金粉末に対して加圧とパルス通電を同時に行う処理を施すことを特徴とする磁性材料の製造方法。
【請求項7】
請求項4ないし請求項6のいずれか1項記載の磁性材料の製造方法において、
前記母合金を平均粒子径が100μm以下となるように粉砕することを特徴とする磁性材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−316324(P2006−316324A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141410(P2005−141410)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】