説明

磁気テープ再生装置および磁気テープ再生方法

【課題】磁気テープに含まれる情報を高速でかつ正確に再生可能な磁気テープ再生装置および磁気テープ再生方法を提供する。
【解決手段】情報が記録されトラックが形成された磁気テープ11と、磁気テープ駆動部16と、ビーム照射部20と、磁気テープ11から反射した再生ビームを検光子を介して電気的な再生信号に変換する反射ビーム受光部30と、トラックデータ再構成部40と、トラックデータ信号を復調する復調回路50等から構成される。ビーム照射部20により第1シリンドリカルレンズ24でスリット状に再生ビームを整形し、磁気テープ11の複数のトラックに亘って照射し、反射された再生ビームから得られた再生信号をトラックデータ再構成部40によりトラック毎のトラックデータ信号に再構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は種々の磁気テープに記録された情報を光学的に再生する磁気テープ再生装置および磁気テープ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気テープ装置は、磁気ディスク装置や光ディスク装置と比較して大容量でデータ量当たりのコストが低い点を生かし、従来から、情報量の多い音声データや画像データの記録や大型コンピュータのデータのバックアップ用途に用いられてきた。
【0003】
磁気テープ装置には、情報を記録する単位であるトラックがテープ長手方向に沿って形成されるラテラル方式と、テープ長手方向に対して斜め方向にトラックが形成されるヘリカルスキャン方式とがある。ラテラル方式では、テープ幅方向に配列された多数のトラックに対して複数の磁気ヘッドを配置して、テープを走行させることで、データを記録再生している。
【0004】
一方、ヘリカルスキャン方式は、磁気ヘッドを備えたシリンダを高速で回転させ、テープを低速で移動させることでデータを記録再生している。ヘリカルスキャン方式の磁気テープ再生装置として代表的なビデオテープレコーダ(VTR)では、高速な再生するために磁気テープの複数のトラックを横切りながら再生する早送り再生機能を有している(例えば、特許文献1または2参照。)。
【特許文献1】特開平05−046963号公報
【特許文献2】特開平06−311476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、VTRでは早送り再生の場合、トラックに含まれるデータの総てを再生するわけではない。そのため、早送り再生により映像を他の磁気テープ装置に転送してコピーされた磁気テープに含まれる情報は元の磁気テープよりも少なくなり、正確にコピーされた磁気テープが得られないという問題がある。磁気テープに記録された情報を完全に再生するためには実時間の再生が必要となり、高速で再生できないという問題がある。なお、これらの問題は、ラテラル方式の磁気テープ装置でも同様である。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、磁気テープに含まれる情報を高速でかつ正確に再生可能な磁気テープ再生装置および磁気テープ再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、磁気テープに記録された情報を磁気光学効果により光学的に再生する磁気テープ再生装置であって、前記磁気テープを走行させる磁気テープ駆動手段と、前記磁気テープの複数のトラックに亘って直線偏光した再生ビームを照射するビーム照射手段と、前記磁気テープから反射された再生ビームを検光子を介して電気的な再生信号に変換する受光部を有するビーム受光手段と、前記ビーム受光手段からの再生信号を前記トラック毎のトラックデータ信号に再構成するトラックデータ再構成手段と、を備えることを特徴とする磁気テープ再生装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、ビーム照射手段により磁気テープの複数のトラックに亘って再生ビームを照射し、反射された再生ビームはトラックの磁化方向に応じて磁気光学効果により偏光面が回転する。その反射された再生ビームを検光子を介して、受光部により再生ビームを電気的な再生信号に変換し、トラックデータ再構成手段により再生信号をトラック毎のトラックデータ信号に変換する。したがって、複数のトラックに亘って磁気的に記録された情報を光学的に読み出すことができるので、高速でかつ正確に再生可能である。
【0009】
前記ビーム照射手段は、再生ビームをスリット状に整形する第1のシリンドリカルレンズを有し、前記第1のシリンドリカルレンズは、スリット状の再生ビームを複数のトラックに亘って照射する構成としてもよい。第1のシリンドリカルレンズにより再生ビームを複数のトラックに亘って照射するため、短時間で複数のトラックの情報が得られるので再生速度をより高速にできる。
【0010】
さらに、前記ビーム受光手段は、磁気テープで反射した再生ビームをスリット状に整形する第2のシリンドリカルレンズを有し、前記受光部は、複数の受光セルが直線状に配列されてなり、前記スリット状の再生ビームを該複数の受光セルで受光する構成としてもよい。第2のシリンドリカルレンズにより磁気テープにより反射された複数のトラックからの再生ビームをスリット状に整形し、直線状に配列され受光部に照射することで、複数のトラックに亘る情報を含む再生ビームからそれぞれのトラックの情報を取り出すことができる。その結果、再生速度をより高速にできる。
【0011】
さらに、前記複数の受光セルの各々の配列方向に沿った長さは、磁気テープ表面における該長さに対応する仮想的な長さが、再生ビームが一つのトラックを横切る長さの1/2以下となるように設定されてもよい。このように設定することで、各々のトラックには必ず一つの受光セルが対応することになり、より確実にトラックの情報を再生できる。
【0012】
前記ビーム照射手段は、前記トラックに対応して磁気的に転写トラックが形成される磁気転写素子をさらに備え、前記磁気転写素子の複数の転写トラックに亘って再生ビームを照射する構成としてもよい。磁気転写素子は磁気テープに形成されたトラックをそれ自身に磁気的に
転写して転写トラックを形成する。そして、再生ビームを転写トラックに照射することで、転写トラックの磁化に従ってファラデー効果により偏光面が回転し、転写トラックの情報が取り出される。磁気転写素子を用いることで、磁気テープよりも偏光面の回転角を増加させる。したがって、信号対雑音比をいっそう高めることができ、より正確な再生が可能となる。
【0013】
本発明の他の観点によれば、磁気テープに記録された情報を磁気光学効果により光学的に再生する磁気テープ再生方法であって、前記磁気テープを走行させながら磁気テープの複数のトラックに亘って直線偏光した再生ビームを照射し、前記磁気テープから反射した再生ビームを検光子を介して、電気的な再生信号に変換し、前記再生信号をトラック毎のトラックデータ信号に再構成することを特徴とする磁気テープ再生方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、複数のトラックに亘って磁気的に記録された情報を光学的に読み出すので、高速でかつ正確な再生が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、磁気テープに含まれる情報を高速でかつ正確に再生可能な磁気テープ再生装置および磁気テープ再生方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面を参照しつつ実施の形態を説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の構成図である。なお、第1の実施の形態の説明の全体において図1を参照する。
【0018】
本発明の第1の実施の形態に係る磁気テープ再生装置10は、情報を含むトラック(不図示)が形成された磁気テープ11と、磁気テープ11を走行させる磁気テープ駆動部16と、磁気テープ11の複数のトラックに亘って再生ビームを照射するビーム照射部20と、磁気テープから反射した再生ビームを検光子を介して、再生ビームを電気的な再生信号に変換する反射ビーム受光部30と、反射ビーム受光部30からの再生信号をトラック毎のトラックデータ信号に再構成するトラックデータ再構成部40と、トラックデータ信号を復調する復調回路50等から構成される。
【0019】
磁気テープ11は、特に限定されず、ポリウレタンや塩化ビニル等のバインダーに磁性粉を分散させ、例えばPETからなるベースフィルムに塗布・硬化して形成させた記録層を有する塗布型磁気テープや、強磁性金属材料を上記ベースフィルムに蒸着して形成された記録層を有する蒸着型磁気テープのいずれであってもよく、他の公知の磁気テープであってもよい。
【0020】
また、磁気テープ11のトラック記録方式は、テープ長手方向に対して平行にトラックが形成されるラテラル方式でもよく、テープ長手方向に対して斜め方向にトラックが形成されるヘリカルスキャン方式でもよい。ここでは、ヘリカルスキャン方式でトラックが形成された磁気テープを例に説明する。
【0021】
磁気テープ駆動部16は、磁気テープ駆動機構18および磁気テープ駆動回路19等からなる。磁気テープ駆動部16は、磁気テープ駆動回路19により磁気テープ駆動機構18を制御し、磁気テープを所定の速度で走行させる。
【0022】
ビーム照射部20は、半導体レーザ21、コリメータレンズ22、ハーフミラー23、第1シリンドリカルレンズ24、反射板25等からなる。
【0023】
半導体レーザ21は、紫外光、可視光、および赤外光のいずれの光を出射するレーザでもよい。半導体レーザ21は、直線偏光のビームを出射する点、小型・低消費電力の点で好ましい。なお、半導体レーザ21の代わりに他の公知のレーザ装置を用いてもよい。
【0024】
半導体レーザ21から出射された再生ビームはコリメータレンズ22により平行光束化され、ハーフミラー23を透過して第1シリンドリカルレンズ24に入射する。
【0025】
第1シリンドリカルレンズ24は、出射側が凸形状となっており、円筒状の屈折面を有している。第1シリンドリカルレンズ24は、入射した平行光束の再生ビームをスリット状に整形して磁気テープ11に照射する。
【0026】
図2は、再生ビームの磁気テープへの照射の様子を示す概略図である。図2を参照するに、磁気テープ11の記録層には、トラック12が磁気的に形成されている。なお、トラック12は磁気的に形成されているため実際は見えないが、説明の便宜上のため、可視化して示している。トラック12はテープ長手方向に対して斜め方向に沿って多数形成されている。一本のトラックには、例えば画像データでは1フレームに対応するデータが含まれている。従来の磁気テープ装置、例えばVTRではトラック毎にデータが読み出される。
【0027】
本発明では、複数のトラック12の、それぞれのトラック12の部分的なデータが略同時あるいは同時に読み出される。具体的には、再生ビームLBは磁気テープ11の複数のトラック12を横切るようにして照射される。トラック12には、トラック長手方向に沿って磁化の向きが交互に変わる多数の磁化領域(不図示)が形成されている。そして、トラック12内の隣り合う2つの磁化領域の境界には、いわゆる磁化遷移領域(不図示)が形成されている。磁化遷移領域では、磁気テープ11の表面に対して垂直でかつ向きが交互に変わる磁化が形成されている。再生ビームLBが磁化遷移領域に照射されると磁気光学効果(ファラデー効果あるいはカー効果)により磁化の向きに応じて偏光面が回転する。例えば、磁化遷移領域の磁化の向きが磁気テープ表面に対して上向きの場合は+θa、下向きの場合は−θaとなる。なお、磁気テープの記録層の表面で再生ビームが反射する場合はカー効果により偏光面が回転し、記録層とべースフィルムとの間で再生ビームが反射する場合はファラデー効果により偏光面が回転し、両方の効果が生じる場合もある。
【0028】
図1に戻り、反射板25は、磁気テープのトラックが形成された記録層とは反対側に反射板25が設けられている。反射板25は平面ミラーであり、単に磁気テープを透過した再生ビームを反射して再び磁気テープに入射させる。この場合、再生ビームはファラデー効果により上述した偏光面の回転が生じ、記録層を2回透過しているので、反射する場合よりも偏光面の回転角を増加できる。なお、磁気テープ11のみで十分な反射光の強度が得られる場合は、反射板25は必須ではない。
【0029】
反射ビーム受光部30は、上述したビーム照射部20と兼用する第1シリンドリカルレンズ24およびハーフミラー23、検光子31、第2シリンドリカルレンズ32、ラインセンサ33等からなる。磁気テープ11の表面や反射板25で反射した再生ビームは、第1シリンドリカルレンズ24により再び平行光束に戻され、ハーフミラー23により反射され、検光子31に入射する。検光子31の偏光面は、例えば、上述の回転した偏光面の一方、例えば偏光面回転角+θaの光成分が透過するように設定する。これにより、検光子31から出射された再生ビームには、上述の偏光面の回転角に応じた明暗が生じる。
【0030】
再生ビームはさらに第2シリンドリカルレンズ32により再びスリット状に整形さら、ラインセンサ33に入射される。
【0031】
図3は、再生ビームのラインセンサへの入射の様子を説明するための模式図である。なお、図3中、再生ビームLBを破線で示している。
【0032】
図3を参照するに、ラインセンサ33は、光信号を電気信号に変換する光電変換素子である受光セル341〜342Nが一列に配列されている。受光セル341〜342Nは入射した再生ビームLBの光量に応じた電圧の電気信号を出力する。ラインセンサ33は2N個(Nは正の整数である。)の受光セル341〜342Nが配置されているとして説明する。
【0033】
ラインセンサ33により変換された電気信号は、トラックデータ再構成部40に送出される。トラックデータ再構成部40は、図示を省略するが電気信号をA/D変換してデータ信号にするA/D変換回路、受光セル341〜342Nに対応する電気信号を割り振ってトラック毎のデータを選択する演算回路、切り分けられデータをトラックに保持するメモリ領域1〜メモリ領域Nを有するメモリ回路等からなる。トラックデータ再構成部40では電気信号に含まれる複数のトラックの情報を再構なして、トラック毎の情報(トラックデータ信号)に変換し、再生信号として復調回路50に出力する。復調回路50ではトラックデータ信号を復調して再生信号を出力する。復調回路50よりも下流の回路は、通常の磁気テープ再生装置の再生回路、あるいは磁気テープ記録再生装置の再生回路と同様であるので、その説明を省略する。磁気テープ再生装置10はこのような構成および動作によって磁気光学効果により光学的に磁気テープの情報を読み出す。
【0034】
図4は、再生ビームの磁気テープへの照射の様子の詳細を説明するための模式図である。図4では、磁気テープの移動方向は矢印Xが示す方向(紙面右側)とする。
【0035】
図4を参照するに、磁気テープのX方向への移動に伴って、一本の再生ビームの磁気テープ11への照射位置がLB1からLB2、LB3、さらにはLB4と移動する。磁気テープ11の各々のトラック12は磁気テープ11の長手方向すなわち移動方向に対して斜めに形成されており、さらに再生ビームは、トラック長手方向に対して所定の角度θLBをなして照射されている。ここで、アジマス角が0度に設定されてして説明する。なお、アジマス角は、トラック幅方向に対して磁化遷移領域がなす角度であり、言い換えれば、トラック幅方向に対して記録ヘッドの記録ギャップの幅方向がなす角度である。アジマス角が0度の場合、磁化遷移領域はトラック12の幅方向(トラック長手方向に対して直交方向)に形成される。再生ビームは、磁化遷移領域に対して実質的に平行な方がより正確に情報を読み出せる。実質的に平行とは、磁化遷移領域に対して平行か、さらに再生ビームがトラック長手方向に連続する2つの磁化遷移領域を同時に横切らない場合をいう。もちろん、再生ビームは、磁化遷移領域に対して平行、すなわち、角度θLBは90度に設定されることが好ましい。
【0036】
再生ビームLB1〜LB4の各々には、先の図3に示すラインセンサ33の受光セル341〜342Nに対応した仮想的な受光セルC1〜C2Nを示している。図4に示す仮想的な受光セルC1〜C2Nと図3に示すラインセンサ33の受光セル341〜342Nとの関係はそれぞれ添え字が同じ符号を有する仮想的な受光セルと受光セル341〜342Nとが対応するようになっている。例えば、図4に示す仮想的な受光セルC1の位置の情報は、図3に示す341の受光セルで読み取られ、仮想的な受光セルC2Nの位置の情報は、図3に示す342Nの受光セルで読み取られる。このような関係は、反射ビーム受光部30の光学系の倍率(磁気テープ11上の再生ビームの大きさとラインセンサ33に入射された再生ビームの大きさとの比)およびラインセンサの受光セルと大きさ等により設定される。
【0037】
ここで、トラックの情報を読み取る場合の図3に示すラインセンサ33の受光セル341〜342Nとトラック12との関係を、図4に示す再生ビームLB1〜LB4の仮想的な受光セルC1〜C2Nを用いて説明する。トラック12iに注目すると、再生ビームLB1では、仮想的な受光セルC5がトラック12iの情報を読み取る。時間がわずかに経過すると再生ビームLB2の状態になり、さらにはLB3の状態になる。すなわち、トラック12iと再生ビームLB1〜LB4との位置関係が変化する。再生ビームLB2およびLB3の状態ではトラック12iは依然として仮想的な受光セルC5がトラック12iの情報を読み取る。さらに時間が経過すると再生ビームLB4の状態になり、仮想的な受光セルC5はトラック12iと12i+1を跨ぐようになる。このようになると、仮想的な受光セルC5では正しい情報が得られなくなる。このような場合、仮想的な受光セルC6でトラック12iの情報を読み取る。すなわち、テープの移動に伴って、トラック12iを読み取る仮想的な受光セルC1〜C2N、つまり実際の受光セル341〜342Nが変わっていく。
【0038】
仮想的な受光セルC1〜C2Nの長さLcは、再生ビームLB1〜LB4が一つのトラックを横切る長さLtの1/2以下であることが好ましい。これにより仮想的な受光セルの一つが確実に一つのトラック中に配置されることになる。その結果、トラックの情報を確実に読み取ることができる。なお、このように設定するためには、ラインセンサの受光セルの長さおよび反射ビーム受光部30の光学系の倍率の少なくともいずれかを適宜選択すればよい。
【0039】
図5は、トラックデータ再構成部のトラックデータの再構成動作を説明するための図である。なお、図5中、再生ビームLBを仮想的な受光セルC1〜C2Nの部分のみを示す。
【0040】
図5を参照するに、トラックデータ再構成部40は、ラインセンサ33に入射した再生ビームLBが電気信号に変換された電気信号をトラック毎の情報に再構成する。具体的には以下のようにして行う。
【0041】
磁気テープ11の移動に伴って一本の再生ビームの照射位置LBaからLBb、さらにはLBcに移動する。照射位置LBaは、仮想的な受光セルC1が完全にトラック12iに含まれるようになった状態であり、照射位置LBcは、仮想的な受光セルC1が完全にトラック12i+1に含まれるようになった状態であり、照射位置LBbは、照射位置LBaとLbcとの中間的な照射位置である。
【0042】
照射位置LBaでは、仮想的な受光セルはC1から一つおきに各々のトラックに含まれる。すなわち、仮想的な受光セルC1はトラック12iに、C3は12i-1に、C5は12i-2に、…、C2N-1は12i-N+1にそれぞれ含まれようになる。したがって、受光セル341、343、345、…、342N-1にトラック12i、12i-1、12i-2、…、12i-N+1の情報が入力され、これらの情報を各々、トラックデータ再構成部40のメモリ回路のメモリ領域1〜メモリ領域Nに保持する。
【0043】
次いで、照射位置LBbでは、仮想的な受光セルC1はトラック12iから外れ、仮想的な受光セルC2がトラック12iに含まれるようになり、C2から一つおきに各々のトラックに含まれるようになる。したがって、受光セル342、344、346、…、342Nにトラック12i、12i-1、12i-2、…、12i-N+1の情報が入力され、これらの情報を各々、メモリ領域1〜メモリ領域Nに後付して格納される。
【0044】
以上を繰り返すことで、トラック12iの情報を仮想的な受光セルC1〜C2N、すなわち実際の受光セル341〜342Nがトラック全体に亘って順次読み取ったデータがメモリ領域1に格納される。なお、データを読み取るタイミング、例えば、照射位置LBa〜LBcでデータを読み取るタイミングは、磁気テープのコントロールトラック13に記録されているコントロール信号13a(例えば、ヘリカルスキャン方式のヘッドの位置が記録されている。)を用いてもよい。磁気テープ駆動部16に設けた制御用磁気ヘッド17によりコントロ−ルトラックに記録されたコントロ−ル信号13aを読み出す。コントロール信号13aは、規則的に記録されているので、データを読み取るタイミング信号として使用できる。
【0045】
次にデータを読み取るタイミングをさらに詳しく説明する。
【0046】
図6は、デジタル記録の場合のトラック長手方向のトラックデータの読み取り動作を説明するための図である。図6には、説明の便宜上、一つのトラック12iのみを示し、そのトラックデータを読み取る動作を説明する。
【0047】
図6を参照するに、デジタル記録の場合は、トラックデータの1ビットが磁気テープ11上に記録される長さ(ビット長)LMTが決まっている。例えば、放送用のD−3テープの場合、ビット長LMTは0.1925μmである。トラックデータはビット長LMTの整数倍の長さの磁化領域の組み合わせで構成されている。すなわち、磁化遷移領域Mtにより区切られた磁化領域M1〜M7は、その長さががビット長LMTの整数倍の長さに形成されている。トラックデータを正確に読み取るためには、ビット長LMTの間隔、すなわち時刻t1〜t11のタイミングで読み取る。時刻t1では仮想的な受光セルC1により磁化領域M1のデータを読み取り、時刻t2では磁化領域M2のデータを読み取る。磁化領域M1およびM2で、受光セルC1により得られる光量が交互に変化しトラックデータが“1”と読み取られる。また、例えば、磁化領域M3ではトラックデータが“1” 、“0” と読み取られる。このようにして、トラック12iのトラックデータが仮想的な受光セルC1(受光セル341)により読み取られ、上記メモリ領域1に送られる。さらに、時刻t6では仮想的な受光セルC1はトラック12iを跨ぐようになるので、メモリ領域1にトラックデータを送出する仮想的な受光セルをC2(受光セル342)に切り替えて、時刻t6〜t10でのトラックデータを読み取る。さらに、時刻t11では仮想的な受光セルC2はトラック12iを跨ぐので、次の仮想的な受光セルC3に切り替える。
【0048】
以上のようにして、デジタル記録の場合の磁気テープのトラック12iのトラックデータを読み取ることができる。なお、他のトラックについても同様にして読み取り、メモリ領域に送出する。
【0049】
図7は、アナログ記録の場合のトラック長手方向のトラックデータの読み取り動作を説明するための図である。
【0050】
図7を参照するに、アナログ記録の場合は、記録された信号の最高周波数の2倍以上の周波数で読み取りを行うことで、記録された情報を正確に読み取れることが知られている(いわゆる、サンプリング定理)。アナログ記録の場合、トラック12iにおいて、トラック長手方向の最短の磁化領域(その長さをLMRで示している。)の1/2以下の間隔で読み取る。時刻t1〜t5では仮想的な受光セルC1(受光セル341)により読み取り、時刻t6で受光セルC1はトラック12iを跨ぐので、次の仮想的な受光セルC2(受光セル342)に切り替える。さらに、時刻t6〜t10では仮想的な受光セルC2により読み取り、時刻t11では仮想的な受光セルC1はトラック12iを跨ぐので、次の仮想的な受光セルC3に切り替える。このようにして、上記メモリ領域1にそのデータを送出する。以上のようにして、アナログ記録の場合の磁気テープのトラック12iのトラックデータを読み取ることができる。なお、他のトラックについても同様にして読み取り、メモリ領域に送出する。
【0051】
以上のようにして、メモリ領域1に格納されたデータを復調回路50により復調して、再生信号に変換される。このようにしてメモリ領域1〜メモリ領域Nに順次トラックデータが再構成される。
【0052】
以上により、第1の実施の形態によれば、複数のトラックに亘って同時に再生ビームを照射して記録された情報を光学的に読み取り、トラックデータを再構成する。読み取り速度は、ラインセンサ33の転送速度およびトラックデータ再構成部40のメモリ回路の転送速度によるので高速化が容易であり、磁気テープに含まれる情報を高速でかつ正確に再生できる。
【0053】
さらに、第1の実施の形態によれば、磁気テープ再生装置は、機械的に高速で動作する部材(例えば従来のVTRのシリンダ)を必要としないので、制御が容易であり、また、長期信頼性に優れる。
【0054】
なお、第1の実施の形態の変形例に係る磁気テープ再生装置として、第1シリンドリカルレンズ24および第2シリンドリカルレンズ32を用いる代わりに、高速でスポット状の再生ビームを走査しながら磁気テープに照射する構成としてしてもよい。このような構成は、例えば、一軸ガルバノミラーとF−θレンズを用いることで実現できる。再生ビームを複数のトラックに亘って高速に走査することで、上述した図1に示す磁気テープ再生装置10と同様の効果を得ることができる。
【0055】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る磁気テープ再生装置は、磁気テープのトラックに2つのアジマス角が設定されている場合に好適なものである。第2の実施の形態に係る磁気テープ再生装置は、第1の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の変形例である。
【0056】
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の構成図、図9は第2の実施の形態の再生ビームの磁気テープへの照射の様子の詳細を説明するための模式図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号あるいは添え字としてaまたはbを付した以外は同一参照符号を付し、このような事項については説明を省略する。
【0057】
図8および図9を参照するに、磁気テープ再生装置55は、ビーム照射部20a,20b、反射ビーム受光部30a,30b、トラックデータ再構成部40a,40bを有している以外は、図1に示す磁気テープ再生装置と略同様である。
【0058】
図9に示すように、磁気テープには2つの互いに異なるアジマス角θa.θbが交互に設定されたトラック12a,12bが交互に形成されている。アジマス角は、トラック幅方向に対して磁化遷移領域Mta,Mtbがなす角度であり、図9では、所定の角度θa.θbに設定されている。アジマス角θaは例えば+10度、アジマス角θbは例えば−10度である。これらのトラック12a,12bに対して、再生ビームLBa,LBbを磁化遷移領域Mta,Mtbのそれぞれに対して実質的に平行になるように、すなわち、アジマス角θa.θbの方向に実質的に平行に照射する。実質的に平行とは、磁化遷移領域に対して平行か、さらに再生ビームがトラック長手方向に連続する2つの磁化遷移領域を同時に横切らない場合をいう。これにより、再生ビームLBa,LBbが一つのトラック内でトラック長手方向に連続する2つ以上の磁化遷移領域Mta,Mtbを同時に横切ることが回避されるので、情報を正確に読み取ることができる。
【0059】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果と同様の効果を有し、さらに、2つの異なるアジマス角に設定されたトラックの情報をそれぞれ読み取るビーム照射部20a,20b、反射ビーム受光部30a,30b、トラックデータ再構成部40a,40bを有するので、磁気テープ11に記録された情報を正確に読み取ることができる。
【0060】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る磁気テープ再生装置は、磁気テープのトラックを磁気的に転写する磁気転写素子を設けたものである。第3の実施の形態に係る磁気テープ再生装置は、第1の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の変形例である。
【0061】
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の構成図、図11は、第3の実施の形態の再生ビームの磁気転写素子への照射の様子を説明するための模式図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0062】
図10および図11を参照するに、磁気テープ再生装置60は、磁気テープ11に近接して磁気転写素子71が設けられている。磁気転写素子71は、透明基板72の表面に磁性ガーネット膜73が形成されてなり、磁性ガーネット膜73側を磁気テープ11側に面するように配置されている。磁性ガーネット膜73には、磁気テープ11に記録された残留磁化により生じた漏洩磁界が印加され、磁性ガーネット膜73が膜面に垂直な方向に磁化される。そして、基板72側から照射される直線偏光の再生ビームが磁性ガーネット膜73を紙面下方に透過し、磁性ガーネット膜73と外部との界面で反射され、再び磁性ガーネット膜73を紙面情報に透過する。再生ビームが磁性ガーネット膜73を2回通過することで、ファラデー回転角は2倍となり、SN比の高い再生を行うことができる。
【0063】
なお、磁性ガーネット膜73の表面(磁気テープ側の表面)にAl、Crからなる金属反射膜(不図示)を設けてもよい。再生ビームの反射率が向上し、さらにSN比を向上することができ、また、金属反射膜は、磁性ガーネット膜73の保護膜としても機能する。また、硬度が磁気テープ11に含まれる研磨剤や磁気テープ保護膜と同程度かそれ以上の硬度の材料からなる保護膜を磁性ガーネット膜73の表面や反射膜の表面に設けてもよい。保護膜としては例えば、水素化カーボン膜やSiC膜等が挙げられる。
【0064】
磁性ガーネット膜73はフェリ磁性を有し、A3512(Aは希土類元素のサイトの元素を示し、Bは鉄元素を含むサイトの元素を示す。)で表される組成を有する。元素AはBiおよび希土類元素を含み、元素BはFeのみでもよく、Feにさらに例えばIn、Ge、Ga、Alからなる群から少なくとも1種が選択される元素を含む。このような磁性ガーネット膜73として、例えば、{Bi1Gd11}[In0.3Ga0.2Fe4.5]O12、{Bi0.252.75}[In0.2Ga1.2Fe3.6]O12が挙げられる。なお、上記括弧{ }内はAサイトの元素を示し、上記括弧[ ]はBサイトの元素を示す。
【0065】
磁性ガーネット膜73は、その厚さを0.5μm〜10μmに設定することが、転写状態が良好な点で好ましい。また、磁性ガーネット膜15は、保磁力を100Oe(7.9kA/m)以下に設定することが好ましい。磁気テープ11の記録層からの漏洩磁界が小さい場合でも転写トラックを形成できる。
【0066】
基板72には、磁性ガーネット膜73をエピタキシャル成長し得る非磁性基板が選択され、ガーネット構造を有する非磁性基板であることが好ましい。基板16には、例えば、Gd3Ga512、(GdGa)3(ZrMgGa)512、Nd3Ga512、(GdCa)3(ZrMgGa)512を用いることが好ましい。
【0067】
図11に示すように、再生ビームLBは、磁気転写素子74に磁気的に形成された転写トラック74に照射する。再生ビームLBの転写トラックに対する角度等は第1の実施の形態と同様である。
【0068】
第3の実施の形態によれば、磁気テープ11のトラック12を磁気転写素子71に転写して、磁気転写素子71に再生ビームを照射して転写トラック74の情報を読み取る。磁気転写素子71の磁気光学効果は磁気テープ11よりも極めて大きいのでSN比の高い再生が可能となる。また、磁性ガーネット膜の磁気テープ側の表面にさらに反射膜を設けることで、再生ビームの反射率を向上することでさらにSN比の高い再生が可能となる。
【0069】
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0070】
なお、図1に示す磁気テープ再生装置では、ラインセンサ33を用いたが、受光セルがマトリクス状に配置されたCCDセンサやCMOSセンサで代用してもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態では磁気記録媒体として磁気テープを例に説明したが、本発明は、フレキシブルディスクや金属薄膜の記録層を有するハードディスクに適用できる。また、本発明は、面内記録方式の磁気記録媒体に限らず、図2に示す転写のメカニズムから垂直記録方式の磁気記録媒体にも適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の構成図である。
【図2】再生ビームの磁気テープへの照射の様子を示す概略図である。
【図3】再生ビームのラインセンサへの入射の様子を説明するための模式図である。
【図4】再生ビームの磁気テープへの照射の様子の詳細を説明するための模式図である。
【図5】トラックデータ再構成部のトラックデータの再構成動作を説明するための図である。
【図6】デジタル記録の場合のトラック長手方向のトラックデータの読み取り動作を説明するための図である。
【図7】アナログ記録の場合のトラック長手方向のトラックデータの読み取り動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の構成図である。
【図9】第2の実施の形態の再生ビームの磁気テープへの照射の様子の詳細を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る磁気テープ再生装置の構成図である。
【図11】第3の実施の形態の再生ビームの磁気転写素子への照射の様子を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0073】
10、55、60 磁気テープ再生装置
11 磁気テープ
12、12i-N+1〜12i+2 トラック
13 コントロールトラック
16 磁気テープ駆動部
17 制御用磁気ヘッド
18 磁気テープ駆動機構
19 磁気テープ駆動回路
20、20a、20b、70 ビーム照射部
21 半導体レーザ
22 コリメータレンズ
23 ハーフミラー
24 第1シリンドリカルレンズ
25 反射板
30、30a、30b 反射ビーム受光部
31 検光子
32 第2シリンドリカルレンズ
33 ラインセンサ
341〜342N 受光セル
40 トラックデータ再構成部
50 復調回路
71 磁気転写素子
72 透明基板
73 磁性ガーネット膜
74 転写トラック
1〜C2N 仮想的な受光セル
LB 再生ビーム
LBa〜LBc,LB1〜LB4 再生ビームの照射位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気テープに記録された情報を磁気光学効果により光学的に再生する磁気テープ再生装置であって、
前記磁気テープを走行させる磁気テープ駆動手段と、
前記磁気テープの複数のトラックに亘って直線偏光した再生ビームを照射するビーム照射手段と、
前記磁気テープから反射された再生ビームを検光子を介して電気的な再生信号に変換する受光部を有するビーム受光手段と、
前記ビーム受光手段からの再生信号を前記トラック毎のトラックデータ信号に再構成するトラックデータ再構成手段と、を備えることを特徴とする磁気テープ再生装置。
【請求項2】
前記ビーム照射手段は、再生ビームをスリット状に整形する第1のシリンドリカルレンズを有し、
前記第1のシリンドリカルレンズは、スリット状の再生ビームを複数のトラックに亘って照射することを特徴とする請求項1記載の磁気テープ再生装置。
【請求項3】
前記ビーム受光手段は、磁気テープで反射した再生ビームをスリット状に整形する第2のシリンドリカルレンズを有し、
前記受光部は、複数の受光セルが直線状に配列されてなり、前記スリット状の再生ビームを該複数の受光セルで受光することを特徴とする請求項2記載の磁気テープ再生装置。
【請求項4】
前記複数の受光セルの各々の配列方向に沿った長さは、磁気テープ表面における該長さに対応する仮想的な長さが、再生ビームが一つのトラックを横切る長さの1/2以下となるように設定されてなることを特徴とする請求項3記載の磁気テープ再生装置。
【請求項5】
前記ビーム照射手段は、磁気テープに対して再生ビームの照射側とは反対側に、磁気テープを透過した再生ビームを反射する反射部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の磁気テープ再生装置。
【請求項6】
前記ビーム照射手段は、前記トラックに対応して磁気的に転写トラックが形成される磁気転写素子をさらに備え、
前記磁気転写素子の複数の転写トラックに亘って再生ビームを照射することを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか一項記載の磁気テープ再生装置。
【請求項7】
前記磁気テープが、隣接するトラックが互いに異なる第1のアジマス角と第2のアジマス角で記録されている場合に、前記ビーム照射手段は第1のアジマス角の方向に対して実質的に平行に再生ビームを照射する共に、
前記第2のアジマス角の方向に対して実質的に他の再生ビームを照射する他のビーム照射手段と、前記磁気テープから反射された他の再生ビームを検光子を介して電気的な再生信号に変換する他の受光部を有する他のビーム受光手段と、前記他のビーム受光手段からの他の再生信号を前記トラック毎のトラックデータ信号に再構成する他のトラックデータ再構成手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のうち、いずれか一項記載の磁気テープ再生装置。
【請求項8】
磁気テープに記録された情報を磁気光学効果により光学的に再生する磁気テープ再生方法であって、
前記磁気テープを走行させながら磁気テープの複数のトラックに亘って直線偏光した再生ビームを照射し、
前記磁気テープから反射した再生ビームを検光子を介して電気的な再生信号に変換し、
前記再生信号をトラック毎のトラックデータ信号に再構成することを特徴とする磁気テープ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−184062(P2007−184062A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2705(P2006−2705)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】