説明

磁気テープ記録方法、磁気テープ記録装置及びコンピュータシステム

【課題】迅速にファイルにアクセスすることができ、かつ磁気テープボリュームに保存されるファイルに対してデータの上書きや追加を行っても、後続のファイルの先頭部分のデータを破壊することがない磁気テープ記録方法、磁気テープ記録装置及びコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】本発明の磁気テープ記録方法は、接続された計算機からのファイル記録指示に基づいてファイルを磁気テープに記録し、複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラック(例えば、隣接する2本のトラック)をトラック単位として、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録方法、磁気テープ記録装置及びコンピュータシステムに関し、特に、迅速にファイルにアクセスすることができ、かつ磁気テープボリュームに保存されるファイルに対してデータの上書きや追加を行っても、後続のファイルの先頭部分のデータを破壊することがない磁気テープ記録方法、磁気テープ記録装置及びコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータシステムが有する記録装置に記録される情報のバックアップ媒体として、磁気テープボリュームが利用されてきた。磁気ディスク装置や光磁気ディスクなどの記録媒体が普及した今日においても、磁気テープボリュームは、バックアップ媒体として、重要な位置を占めている。
【0003】
しかし、磁気テープボリュームは、磁気テープを2つのリールに巻き取る形で収納し、該2つのリールを回転させて双方のリールのテープ巻き取り量を変化させることによって磁気テープに対する読み書き磁気ヘッドの位置を移動させ、情報を順次記録していくという順編成によるファイル記録方式を取ることが一般的である。
【0004】
そして、最近では、磁気テープを多くのトラックに分割して使用することによって、磁気テープ自体の記録密度が飛躍的に向上してきている。かかる状況の下で、順編成によるファイル記録方式によれば、ファイルの読み書きのために、必要とするファイルのファイル位置を検索して読み書き磁気ヘッドを必要な記録位置へ位置付ける処理に時間がかかってしまっていた。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1には、多くのトラックに分割して磁気テープを使用する場合に、ファイル毎に標章を付け、トラック毎に標章の数を記憶しておき、この標章の数に基づいて必要とするファイルのファイル位置を検索して読み書き磁気ヘッドを必要な記録位置へ位置付ける処理を行うことにより、磁気テープボリュームにおけるファイルの読み書き速度を向上させた磁気テープ記録装置が開示されている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、リールを逆回転させた状態でも磁気テープに対して情報の読み書きを行うことを可能とすることによって必要とするファイルのファイル位置の検索処理効率を高めた磁気記録再生装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平2−122489号公報
【特許文献2】特開平11−164241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1及び2に代表される従来技術では、磁気テープ上の一往復又は複数のトラックを仮想的に全て繋げて1本のボリュームとして取り扱い、連続させて2つのファイルを記録するために、磁気テープボリュームに保存される複数のファイルに対してデータの上書きや追加を行う場合は、後続のファイルの先頭部分のデータを破壊してデータの上書きや追加が行われてしまうこととなる。
【0009】
このような後続のファイルの先頭部分のデータの破壊を回避しようとした場合には、上書きや追加を行うためのデータは、全てのファイルの最後尾に位置付けられなければならず、同一のファイルが他のファイルに分断された形になってしまい、ファイルアクセスの処理効率の著しい低下を招くこととなる。
【0010】
さらには、長い磁気テープをトラックに分割して使用する場合に、必要とするファイルにアクセスする際に、磁気テープの物理的先頭とファイルの先頭とが一致しないために、ファイルの検索処理に時間がかかってしまうという問題点を有している。
【0011】
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、本発明は、迅速にファイルにアクセスすることができ、かつ磁気テープボリュームに保存されるファイルに対してデータの上書きや追加を行っても、後続のファイルの先頭部分のデータを破壊することがない磁気テープ記録方法、磁気テープ記録装置及びコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した問題を解決し、目的を達成するため、本発明は、複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録方法であって、前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて記憶する管理データセット記憶工程と、前記管理データセット記憶工程により記憶された前記管理データセットに基づいて、指定されたファイルが記録されるトラック単位を特定するトラック単位特定工程と、前記トラック単位特定工程により特定されたトラック単位に、前記指定されたファイルを記録するファイル記録工程とを含んだことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記トラック単位特定工程によっても前記指定されたファイルが記録されるトラック単位が特定不可能であった場合に、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出するトラック単位検出工程をさらに含み、前記ファイル記録工程は、前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記ファイル記録工程により記録される前記指定されたファイルのデータサイズが、前記トラック単位特定工程により特定されたトラック単位又は前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位のデータサイズを超過したことを検知するデータサイズ超過検知工程をさらに含み、前記データサイズ超過検知工程によりデータサイズの超過が検知されると、前記トラック単位検出工程が、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出し、前記ファイル記録工程が、前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、接続された計算機からのファイル記録指示に基づいてファイルを磁気テープに記録し、複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位として、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録装置であって、前記計算機からの指示に応じて、前記トラック単位識別情報及びこれに関連付けられるファイルの管理データセットの入出力を行う管理データセット入出力手段と、前記管理データセット入出力手段により取得した前記トラック単位識別情報及び前記ファイルの管理データセットに基づいた前記計算機からの指示に応じて、前記磁気テープにおける該ファイルの記録位置を決定する位置決定手段と、前記計算機からの指示に応じて、前記位置決定手段により決定された前記磁気テープにおける前記ファイルの記録位置で該ファイルのデータの読み出し又は記録を行うファイルデータ入出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、管理データセット記憶手段を有する磁気テープユニットに収容される複数のトラックを有する磁気テープ上において、複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録装置が接続されたコンピュータシステムであって、前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて前記管理データセット記憶手段に記憶させる制御を行う管理データセット記憶制御手段と、前記管理データセット記憶制御手段により制御されて記憶された前記ファイルの管理データセットに基づいて、指定されたファイルが記録されるトラック単位を特定する制御を行うトラック単位特定制御手段と、前記トラック単位特定制御手段により制御されて特定されたトラック単位に、前記指定されたファイルを記録させる制御を行うファイル記録制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、磁気テープ上で複数のトラックを一つのトラック単位としてトラック識別情報を割り当て、該トラック単位に一つのファイルを割り当てて記録し、該トラック識別情報にファイルの管理データセットを関連付けて記憶し、磁気テープに複数のファイルを記録する場合に、該記憶に基づいて目的とするファイルを検索するので、ファイルアクセスを迅速に行い、磁気テープを読み書き可能位置に比較的短時間で位置付けることが可能となるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、ファイルの管理データセットが未だ関連付けて記憶されていないトラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出して、該検出されたトラック単位に指定されたファイルを記録するので、新規にファイルを記録する場合に、トラック単位識別情報の順序に従って指定されるトラック単位にファイルを記録可能とし、ファイルがトラック単位に無秩序に配置されることを防止し、ファイルアクセスの処理効率の低下を防止することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、ファイルの管理データセットが未だ関連付けて記憶されていないトラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出して、該検出されたトラック単位に指定されたファイルを記録するので、一つのトラック単位にデータを記録仕切れなかったファイルを、複数のトラック単位に跨って記録可能とすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明の磁気テープ記録方法、磁気テープ記録装置及びコンピュータシステムに係る好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例では、本発明を、ホストコンピュータとして集中処理で使用されるメインフレーム計算機に接続される磁気テープ記録装置に適用した場合を示すこととするが、サーバー計算機やパーソナルコンピュータに接続される磁気テープ記録装置にも適用可能である。また、以下の実施例では、磁気テープは、DLT(Digital Linear Tape)の規格に準拠したものとするが、QIC(Quarter-Inch Cartridge Drive Standards)、DAT(Digital Audio Tape)又はDDS(Digital Data Storage)の規格に準拠するものであってもよい。
【実施例】
【0021】
先ず、従来の磁気テープ記録方法の特徴と問題点を説明する。図1は、従来の磁気テープ記録方法の特徴と問題点を示す図である。同図に示すように、従来は、磁気テープの物理的先頭から所定方向へ向かってあるトラックに記録していき、磁気テープの物理的終端に至ったことにより該トラックの終端に至ると、直下に位置する次トラックのテープの物理的終端をトラックの先頭として該所定方向とは逆の方向へ向かって記録していく。そして、磁気テープの物理的先頭に至ったことにより該次トラックの終端に至ると、さらに直下に位置する次々トラックのテープの物理的先頭をトラックの先頭として該所定方向へ向かって記録していくとする磁気テープ記録方法であった。
【0022】
このように、従来は、磁気テープの物理的先頭又は磁気テープの物理的終端において、隣接するトラック同士の端点を仮想的につなげ、複数のトラックをあたかも1本のトラックであるかのように扱い、磁気テープを往復しながらデータを記録していくという方法をとっていた。
【0023】
かかる磁気テープ記録方式であっては、仮想的には、トラックは1本であるために、この1本のトラックに複数のファイルを記録する場合には、ファイルの終端に続けて次のファイルを記録することが一般的である。
【0024】
しかし、後ろに別のファイルが続いて記録されていると、ファイルにデータを追加する場合に、ファイルのアクセス性を重視して、ファイルは位置の連続性を維持してデータ追加を行うとすると、後ろに続く別のファイルの先頭部分を破壊して上書きすることになってしまい、後ろに続く別のファイルは、使用できなくなってしまうという問題があった。
【0025】
これを、図1を参照して具体的に説明すると、“ファイル1”の後に“ファイル2”が記録されている状態で、“ファイル1”にデータを追加する場合に、“ファイル2”の先頭部分に“ファイル1”の追加データを上書きしてしまうことになる。特に、ファイルの先頭部部には、ファイル管理に必要なデータセットが配置されているために、この管理データセットが破壊されることにより、“ファイル2”は全く使用不可能となってしまうこととなる。
【0026】
本発明は、かかる従来の磁気テープ記録方式が抱える問題点を解消するためになされた。次に、本発明に係る実施例の磁気テープ記録方法の特徴について説明する。図2は、実施例の磁気テープ記録方法の特徴を示す図である。同図に示すように、実施例の磁気テープ記録方法は、管理データセットと磁気テープとの組み合わせで実現される。
【0027】
図2に示すように、磁気テープは、上下に複数のトラックをトラック単位とする。このトラック単位は、トラック単位番号(1、2、・・・、N)が付されている。このトラック単位に含まれるトラックのうち上方のトラックには、テープの物理的先頭からテープの物理的終端へ至る方向でデータが記録される。上方のトラックの先頭は、テープの物理的先端と一致し、上方のトラックの終端は、テープの物理的終端と一致する。
【0028】
また、下方のトラックには、テープの物理的終端からテープの物理的先端へ至る方向でデータが記録される。下方のトラックの先頭は、テープの物理的終端と一致し、下方のトラックの終端は、テープの物理的先端と一致する。そして、上方のトラックの終端と下方のトラックの先頭が仮想的に連結されることにより、この上下2本のトラックは1本のトラックとして取り扱われることになる。この1往復のトラックをトラック単位といい、このトラック単位毎にトラック単位番号が付与されることとなる。また、1つのトラック単位に1つのファイルが、トラックの先頭から記録されることとなる。
【0029】
例えば、図2に示すように、“トラック単位番号”が“1”のトラック単位には、“ファイル1”が記録されている。また、“トラック単位番号”が“2”のトラック単位には、“ファイル2”が記録されている。
【0030】
このトラック単位番号と該トラック単位番号に記録されるファイル名などのファイル属性情報との関係は、管理データセットに記録されている。管理データセットは、所定のテーブル形式で情報を保持するものである。図2に示すように、管理データセットのテーブルは、“トラック単位番号”、“ファイル情報(ファイル名、レコード件数、ファイル終了位置)”及び“連結トラック単位番号”のカラムを持つ。“連結トラック単位番号”については、図3を参照して後述する。
【0031】
この管理データセットのテーブルに格納される“トラック単位番号”と“ファイル情報”との対応により、どのトラック単位にどのファイル属性(ファイル名、レコード件数、ファイル終了位置などのファイル情報)を持つファイルが記録されているかが判明することになる。なお、“レコード件数”は、データの繰り返し構造でファイルに格納されているデータの件数である。また、“ファイル終了位置”は、当該トラック単位内のどの磁気テープ位置にファイルの終端が位置しているかの情報である。
【0032】
このように、1トラック単位に1ファイルのみを格納することとすることによって、ファイルのデータの追加がある場合にも、他のファイルを破壊することなくデータを追加することができる。また、“トラック単位番号”によりファイルの格納位置が判明することから、ファイルアクセス処理を迅速に行うことができる。また、“トラック単位番号”により、目的とするファイルが記録されるトラック単位を特定した後も、ファイルの先頭はトラック単位の先頭と一致するので、各ファイルにランダムにアクセスするような使用法において、ファイルアクセス処理をより迅速に行うことができる。
【0033】
次に、本発明に係る実施例の磁気テープ記録方法の特徴(1ファイルが複数トラックに跨る場合)について説明する。図3は、実施例の磁気テープ記録方法の特徴(1ファイルが複数トラックに跨る場合)を示す図である。同図に示すように、1つのトラック単位に1つのファイルを記録していき、トラック単位の終端に達してもなお記録すべきデータがある場合に、未だファイルが記録されていない空のトラック単位のうち最上位にあるトラック単位を検索して、この最上位にある空のトラック単位に継続してデータを記録することとなる。
【0034】
例えば、図3を参照して、“トラック単位番号”が“1”のトラック単位に“ファイル1”のデータを記録して、該トラック単位の終端に至ってもなお記録すべき“ファイル1”のデータが存在する場合に、“トラック単位番号”が“2”のトラック単位には既に“ファイル2”が記録されているが、“トラック単位番号”が“3”のトラック単位には、未だファイルが記録されていない。この“トラック単位番号”が“3”のトラック単位は、ファイルが未だ記録されていない最上位の空のトラック単位である。
【0035】
そこで、この“トラック単位番号”が“3”のトラック単位に、“ファイル1”を続けて記録することとなる。このとき、管理データセットのテーブルにおいて、“トラック単位番号”が“1”のレコードの“連結トラック単位番号”にカラムに、“3”が記憶されることとなる。このようにして、どのトラック単位に続けてファイルが記録されることとなるのかが管理されることになる。
【0036】
このように、1トラック単位に1ファイルのみを格納し、1トラック単位にファイルが収まり切らない場合にも、“連結トラック単位番号”を指定することによってさらに他のトラック単位を仮想的に連結するため、1トラック単位を超えてファイルのデータの追加がある場合にも、他のファイルを破壊することなくデータを追加することができる。
【0037】
次に、実施例の磁気テープ記録装置及び磁気テープの構成について説明する。図4は、実施例の磁気テープ記録装置及び磁気テープの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、実施例の磁気テープ記録方法に係る装置には、磁気テープ記録装置100とホストコンピュータ200とがある。
【0038】
磁気テープ記録装置100には、着脱可能なカートリッジに磁気テープが収納された磁気テープユニット150が装着されている。磁気テープユニット150は、半導体メモリである管理データセット記憶部151と磁気テープ152とを有する。管理データセット記憶部151には、図2及び3で示した管理データセットが記憶されることとなる。
【0039】
磁気テープ記録装置100は、磁気テープ記録装置100自体の機能構成として、管理データセット入出力部101と、磁気テープデータ入出力部102と、磁気テープ位置付け部103と、ホストコンピュータ200との通信を制御するI/F部104とを有する。磁気テープデータ入出力部102は、トラック単位末尾検出部102aをさらに有する。
【0040】
管理データセット入出力部101は、磁気テープユニット150の管理データセット記憶部151との間で、管理データセットの情報を授受する。即ち、管理データセット記憶部151からトラック単位番号、ファイル情報(ファイル名、レコード件数、ファイル終了位置)及び連結トラック単位番号の情報を読み出して、I/F部104を介してホストコンピュータ200へ送信する。また、ホストコンピュータ200からの指示に基づいて、管理データセットの情報を新規追加又は更新する。
【0041】
磁気テープデータ入出力部102は、読み書き磁気ヘッドを含み、ホストコンピュータ200からの指示に基づいて、磁気テープ152へのデータの書き込み又は磁気テープ152からのデータの読み出しを行う。磁気テープデータ入出力部102が有するトラック単位末尾検出部102aは、データの読み書きを行っている際に、トラック群の末尾を検出するものである。
【0042】
磁気テープ位置付け部103は、磁気テープ152を巻き取っているリールを回転制御して、磁気テープデータ入出力部102の読み書き磁気ヘッドが、指定される磁気テープのテープ位置に位置付けられるように制御するものである。
【0043】
ホストコンピュータ200は、管理データセット入出力制御部201と、ファイル位置付け部202と、磁気テープ管理情報開始時書き込み部203と、磁気テープデータ入出力制御部204と、磁気テープ管理情報終了時書き込み部205と、トラック単位切り替え制御部206と、磁気テープ記録装置100との通信を制御するI/F部207とを有する。なお、ホストコンピュータ200は、当然ながら、計算機としての機能を有するが、図4では、実施例に係る機能ブロックのみを示し、計算機としての機能ブロックは省略している。
【0044】
管理データセット入出力制御部201は、管理データセット入出力部101を制御して、磁気テープユニット150内の管理データセット記憶部151に記憶される管理データセットの読み込み、書き込み又は更新を行う。
【0045】
ファイル位置付け部202は、ファイル指定に基づき磁気テープ位置付け部103を制御して、指定ファイルを検索して磁気テープデータ入出力部102の読み書き磁気ヘッドを磁気テープの処理開始位置に位置付ける処理を行う。
【0046】
磁気テープ管理情報開始時書き込み部203は、磁気テープにデータを出力(記録)する際に、該出力に先立って、記録するデータの管理情報を管理データセット入出力部101を制御して管理データセット記憶部151に記憶させ、見出しラベル情報を磁気テープデータ入出力部102を制御して磁気テープに記録させる。
【0047】
磁気テープデータ入出力制御部204は、磁気テープへのデータの出力(記録)の終了時に、該終了直後に、記録するデータの管理情報を管理データセット入出力部101を制御して管理データセット記憶部151に記憶させ、見出しラベル情報を磁気テープデータ入出力部102を制御して磁気テープに記録させる。
【0048】
トラック単位切り替え制御部206は、磁気テープへのデータの書き込み又は磁気テープからのデータの読み込みを行っている最中に、磁気テープデータ入出力部102の読み書き磁気ヘッドが現在処理中のトラック単位の終端まで到達したとき、磁気テープデータ入出力部102を制御して読み書き磁気ヘッドを引き続き処理対象となるトラック単位へ位置付ける処理を行う。
【0049】
次に、図4に示した磁気テープ記録装置100及びホストコンピュータ200において実行される磁気テープ記録処理手順について説明する。図5は、図4に示した磁気テープ記録装置100及びホストコンピュータ200において実行される磁気テープ記録処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
先ず、管理データセットを読み込む(ステップS101)。続いて、当該ファイルの書き込み指示は、新規のファイル書き込みか否かを判定し(ステップS102)、新規のファイル書き込みであると判定される場合に(ステップS102肯定)、ステップS103へ処理を移し、新規のファイル書き込みであると判定されない、即ち、既存のファイルのデータ追加更新であると判定される場合に(ステップS102否定)、ステップS108へ処理を移す。
【0051】
ステップS103では、管理データセットの空のトラック単位の先頭のトラック単位(即ち、ファイルが記録されていないトラック単位の内のトラック単位番号が最小であるトラック単位)を確認し、新規ファイルが格納されるトラック単位の物理的先頭に磁気テープを位置付ける(ステップS104)。
【0052】
次に、管理データセット記憶部151に記憶される管理データセットにおいて、空のトラック単位の先頭トラック単位(即ち、ファイルが記録されていないトラック単位の内のトラック単位番号が最小であるトラック単位)のレコードに書き込むファイルの管理情報を記憶する(ステップS105)。
【0053】
次に、磁気テープに、ファイルデータ書き込み前の見出しラベル情報などの管理情報を出力(記録)する(ステップS106)。続いて、磁気テープに当該新規のファイルのデータを書き込む(ステップS107)。ステップS107が終了すると、ステップS113へ処理を移す。
【0054】
一方、ステップS108では、管理データセットにおいて当該データ追加更新されるファイルが格納されるトラック単位を確認し、当該ファイルが格納されるトラック単位のファイル終了位置(即ち、ファイルの末尾)に磁気テープを位置付ける(ステップS109)。
【0055】
次に、管理データセット記憶部151に記憶される管理データセットにおいて、当該ファイルが書き込まれるトラック単位のレコードに書き込むファイルの管理情報を記憶する(ステップS110)。
【0056】
次に、磁気テープに、ファイルデータ書き込み前の見出しラベル情報などの管理情報を出力(記録)する(ステップS111)。続いて、磁気テープに当該追加ファイルの末尾にファイルデータを追加記録する(ステップS112)。ステップS112が終了すると、ステップS113へ処理を移す。
【0057】
ステップS113では、ファイルの書き込みが当該トラック単位に収まったか、即ち、ファイルの書き込み中に、トラック単位末尾検出部102aによりトラック単位の終端が検出されたか否かを判定する。
【0058】
トラック単位の終端が検出されなかった、即ち、書き込みファイルは当該トラック単位に収まったと判定された場合には(ステップS113肯定)、管理データセット記憶部151に記憶される当該ファイルの書き込みに係る管理情報を更新し(ステップS114)、磁気テープに、ファイルデータ書き込み後の見出しラベル情報などの管理情報を出力(記録)する(ステップS115)。
【0059】
一方、トラック単位の終端が検出された、即ち、書き込みファイルは当該トラック単位に収まらなかったと判定された場合には(ステップS113否定)、管理データセット記憶部151に記憶される空のトラック単位の先頭トラック単位(即ち、即ち、ファイルが記録されていないトラック単位の内のトラック単位番号が最小であるトラック単位)を確認する(ステップS116)。
【0060】
次に、当該ファイルが続けて格納されるトラック単位の物理的先頭に磁気テープを位置付け(ステップS117)、管理データセットにおいて、継続して書き込まれるトラック単位の情報(即ち、連結トラック単位番号)を、継続前のトラック単位のレコードに記憶する(ステップS118)。
【0061】
次に、管理データセット記憶部151に記憶される管理データセットにおいて、継続して書き込まれるトラック単位のレコードに、書き込むファイルの管理情報を記憶する(ステップS119)。続いて、磁気テープに当該継続して書き込むファイルのデータを書き込む(ステップS120)。この処理が終了すると、ステップS113へ処理を移す。
【0062】
上記した実施例によれば、各々のファイルはトラック単位毎に記録されることとなるので、ファイルデータの追加を行っても、他のファイルの保存状態に影響を与えることが舞い。さらに、ファイルの先頭とトラック単位の先頭が常に一致しているので、ファイルへのアクセス時間を大幅に短縮することができる。
【0063】
上記した実施例は、各ファイルにインデックスをつけてファイル管理を行う場合に比べても、ファイルアクセスの効率性において優位性がある。これは、インデックスを検索して該インデックス位置まで磁気テープの読み書き磁気ヘッドを位置付ける処理の処理時間は比較的長いが、実施例では、ファイルの先頭がトラック単位の先頭と常に一致し、しかもトラック単位の先頭は磁気テープの物理的先頭であるため、ファイルの先頭に読み書き磁気ヘッドを位置付けるための処理の処理時間が比較的短いことによる。
【0064】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。また、実施例では、トラック単位の一例として、隣接する2本のトラックをトラック単位とする例を示したが、これに限定されるものではない。
【0065】
(付記1)複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録方法であって、
前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて記憶する管理データセット記憶工程と、
前記管理データセット記憶工程により記憶された前記管理データセットに基づいて、指定されたファイルが記録されるトラック単位を特定するトラック単位特定工程と、
前記トラック単位特定工程により特定されたトラック単位に、前記指定されたファイルを記録するファイル記録工程と
を含んだことを特徴とする磁気テープ記録方法。
【0066】
(付記2)前記トラック単位特定工程によっても前記指定されたファイルが記録されるトラック単位が特定不可能であった場合に、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出するトラック単位検出工程をさらに含み、
前記ファイル記録工程は、前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする付記1に記載の磁気テープ記録方法。
【0067】
(付記3)前記ファイル記録工程により記録される前記指定されたファイルのデータサイズが、前記トラック単位特定工程により特定されたトラック単位又は前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位のデータサイズを超過したことを検知するデータサイズ超過検知工程をさらに含み、
前記データサイズ超過検知工程によりデータサイズの超過が検知されると、前記トラック単位検出工程が、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出し、
前記ファイル記録工程が、前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする付記2に記載の磁気テープ記録方法。
【0068】
(付記4)前記管理データセット記憶工程は、前記トラック単位検出工程により検出された、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を、連結トラック単位として該トラック単位識別情報に関連付けてさらに記憶することを特徴とする付記3に記載の磁気テープ記録方法。
【0069】
(付記5)接続された計算機からのファイル記録指示に基づいてファイルを磁気テープに記録し、複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位として、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録装置であって、
前記計算機からの指示に応じて、前記トラック単位識別情報及びこれに関連付けられるファイルの管理データセットの入出力を行う管理データセット入出力手段と、
前記管理データセット入出力手段により取得した前記トラック単位識別情報及び前記ファイルの管理データセットに基づいた前記計算機からの指示に応じて、前記磁気テープにおける該ファイルの記録位置を決定する位置決定手段と、
前記計算機からの指示に応じて、前記位置決定手段により決定された前記磁気テープにおける前記ファイルの記録位置で該ファイルのデータの読み出し又は記録を行うファイルデータ入出力手段と
を備えたことを特徴とする磁気テープ記録装置。
【0070】
(付記6)前記ファイルデータ入出力手段は、前記トラック単位の終端を検知するトラック単位終端検出手段をさらに備えたことを特徴とする付記5に記載の磁気テープ記録装置。
【0071】
(付記7)複数のトラックを有し、複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録可能な磁気テープユニットであって、
前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて記憶する管理データセット記憶手段を備えたことを特徴とする磁気テープユニット。
【0072】
(付記8)管理データセット記憶手段を有する磁気テープユニットに収容される複数のトラックを有する磁気テープ上において、複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録装置が接続されたコンピュータシステムであって、
前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて前記管理データセット記憶手段に記憶させる制御を行う管理データセット記憶制御手段と、
前記管理データセット記憶制御手段により制御されて記憶された前記ファイルの管理データセットに基づいて、指定されたファイルが記録されるトラック単位を特定する制御を行うトラック単位特定制御手段と、
前記トラック単位特定制御手段により制御されて特定されたトラック単位に、前記指定されたファイルを記録させる制御を行うファイル記録制御手段と
を備えたことを特徴とするコンピュータシステム。
【0073】
(付記9)前記トラック単位特定制御手段による制御によっても前記指定されたファイルが記録されるトラック単位が特定不可能であった場合に、前記管理データセット記憶制御手段による制御を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位の検出を制御するトラック単位検出制御手段をさらに備え、
前記ファイル記録制御手段は、前記トラック単位検出制御手段による制御により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする付記8に記載のコンピュータシステム。
【0074】
(付記10)前記ファイル記録制御手段により制御されて記録される前記指定されたファイルのデータサイズが、前記トラック単位特定制御手段による制御により特定されたトラック単位又は前記トラック単位検出制御手段による制御により検出されたトラック単位のデータサイズを超過したことを検知するデータサイズ超過検知手段をさらに含み、
前記データサイズ超過検知手段によりデータサイズの超過が検知されると、前記トラック単位検出制御手段が、前記管理データセット記憶制御手段による制御を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位の検出を制御し、
前記ファイル記録制御手段が、前記トラック単位検出制御手段による制御により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録させる制御を行うことを特徴とする付記9に記載のコンピュータシステム。
【0075】
(付記11)前記管理データセット記憶制御手段は、前記トラック単位検出制御手段による制御により検出された、前記管理データセット記憶制御手段による制御を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を、連結トラック単位として該トラック単位識別情報に関連付けてさらに記憶させるよう制御することを特徴とする付記10に記載のコンピュータシステム。
【0076】
(付記12)前記複数のトラックが、隣接する2本のトラックであることを特徴とする付記1に記載の磁気テープ記録方法。
【0077】
(付記13)前記複数のトラックが、隣接する2本のトラックであることを特徴とする付記5に記載の磁気テープ記録装置。
【0078】
(付記14)前記複数のトラックが、隣接する2本のトラックであることを特徴とする付記7に記載の磁気テープユニット。
【0079】
(付記15)前記複数のトラックが、隣接する2本のトラックであることを特徴とする付記8に記載のコンピュータシステム。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、磁気テープ記録において、迅速にファイルにアクセスすることができ、かつ磁気テープボリュームに保存されるファイルに対してデータの上書きや追加を行っても、後続のファイルの先頭部分のデータを破壊することがないようにしたい場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来の磁気テープの記録方法の特徴と問題点を示す図である。
【図2】実施例の磁気テープ記録方法の特徴を示す図である。
【図3】実施例の磁気テープ記録方法の特徴を示す図(1ファイルが複数トラック単位に跨る場合)である。
【図4】実施例の磁気テープ記録装置及び磁気テープの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】磁気テープ記録処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
100 磁気テープ記録装置
101 管理データセット入出力部
102 磁気テープデータ入出力部
102a トラック単位末尾検出部
103 磁気テープ位置付け部
104 I/F部
150 磁気テープユニット
151 管理データセット記憶部
152 磁気テープ
200 ホストコンピュータ
201 管理データセット入出力制御部
202 ファイル位置付け部
203 磁気テープ管理情報開始時書き込み部
204 磁気テープデータ入出力制御部
205 磁気テープ管理情報終了時書き込み部
206 トラック単位切り替え制御部
207 I/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録方法であって、
前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて記憶する管理データセット記憶工程と、
前記管理データセット記憶工程により記憶された前記管理データセットに基づいて、指定されたファイルが記録されるトラック単位を特定するトラック単位特定工程と、
前記トラック単位特定工程により特定されたトラック単位に、前記指定されたファイルを記録するファイル記録工程と
を含んだことを特徴とする磁気テープ記録方法。
【請求項2】
前記トラック単位特定工程によっても前記指定されたファイルが記録されるトラック単位が特定不可能であった場合に、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出するトラック単位検出工程をさらに含み、
前記ファイル記録工程は、前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ記録方法。
【請求項3】
前記ファイル記録工程により記録される前記指定されたファイルのデータサイズが、前記トラック単位特定工程により特定されたトラック単位又は前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位のデータサイズを超過したことを検知するデータサイズ超過検知工程をさらに含み、
前記データサイズ超過検知工程によりデータサイズの超過が検知されると、前記トラック単位検出工程が、前記管理データセット記憶工程を経てもなお前記ファイルの管理データセットが関連付けて記憶されていない前記トラック単位識別情報のうち最も最先に順序付けられるトラック単位を検出し、
前記ファイル記録工程が、前記トラック単位検出工程により検出されたトラック単位に前記指定されたファイルを記録することを特徴とする請求項2に記載の磁気テープ記録方法。
【請求項4】
接続された計算機からのファイル記録指示に基づいてファイルを磁気テープに記録し、複数のトラックを有する磁気テープ上で複数のトラックをトラック単位として、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録装置であって、
前記計算機からの指示に応じて、前記トラック単位識別情報及びこれに関連付けられるファイルの管理データセットの入出力を行う管理データセット入出力手段と、
前記管理データセット入出力手段により取得した前記トラック単位識別情報及び前記ファイルの管理データセットに基づいた前記計算機からの指示に応じて、前記磁気テープにおける該ファイルの記録位置を決定する位置決定手段と、
前記計算機からの指示に応じて、前記位置決定手段により決定された前記磁気テープにおける前記ファイルの記録位置で該ファイルのデータの読み出し又は記録を行うファイルデータ入出力手段と
を備えたことを特徴とする磁気テープ記録装置。
【請求項5】
管理データセット記憶手段を有する磁気テープユニットに収容される複数のトラックを有する磁気テープ上において、複数のトラックをトラック単位とし、該トラック単位それぞれに順序付け可能なトラック単位識別情報を割り当て、各トラック単位の一方のトラックと他方のトラックとで一のファイルを往復記録する磁気テープ記録装置が接続されたコンピュータシステムであって、
前記トラック単位識別情報に、該トラック単位識別情報により識別されるトラック単位に記録されるファイルの管理データセットを関連付けて前記管理データセット記憶手段に記憶させる制御を行う管理データセット記憶制御手段と、
前記管理データセット記憶制御手段により制御されて記憶された前記ファイルの管理データセットに基づいて、指定されたファイルが記録されるトラック単位を特定する制御を行うトラック単位特定制御手段と、
前記トラック単位特定制御手段により制御されて特定されたトラック単位に、前記指定されたファイルを記録させる制御を行うファイル記録制御手段と
を備えたことを特徴とするコンピュータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−265476(P2007−265476A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86348(P2006−86348)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】