説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】傾斜磁場コイルを端部まで冷却することができるようにする。
【解決手段】MRI装置100が、概略円筒状に形成され、円筒内に発生した静磁場内に置かれた被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル20と、傾斜磁場コイル20に設けられ、管内に冷媒を流通させることで傾斜磁場コイル20を冷却するメインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27とを備える。そして、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する冷却管は、傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場内に置かれた被検体に高周波磁場を印加し、高周波磁場の印加によって被検体から発せられる磁気共鳴信号を検出して画像を生成する装置である。かかる磁気共鳴イメージング装置は、被検体に傾斜磁場を印加することで、磁気共鳴信号に空間的な位置情報を付加する傾斜磁場コイルを備える。
【0003】
この傾斜磁場コイルは、撮像中にパルス電流が繰り返して供給されることによって大きく発熱する。特に、近年では、イメージング技術の高速化にともなって、傾斜磁場のスイッチングの高速化および傾斜磁場の高強度化が必須となっており、傾斜磁場コイルの発熱がさらに顕著になっている。
【0004】
そして、傾斜磁場コイルの発熱は、撮像される画像の画質に影響を与えたり、撮像対象となる被検体に苦痛を与えたりする可能性がある。そこで、例えば、傾斜磁場コイルの内部に設けられた冷却管に冷媒を循環させることによって、撮像中に傾斜磁場コイルを冷却させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−311957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、以下で説明するように、傾斜磁場コイルの端部まで冷却することができないという課題がある。
【0007】
図10は、冷却管を用いた従来技術の課題を説明するための図である。図10は、概略円筒状に形成された傾斜磁場コイルの一端における内部の様子を示している。図10に示すように、例えば、傾斜磁場コイル1において、冷却管2は、傾斜磁場コイル1の一端から他端へ向かう方向に進入した後に外周方向に向かって屈曲し、その後、傾斜磁場コイル1の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら他端まで達するように設けられる。
【0008】
このような場合、例えば、図10に示すように、傾斜磁場コイル1の端部において、侵入直後の冷却管と1周目の冷却管とで囲まれた領域3が形成される。この領域3は、冷却管が配置されないので、冷媒によって冷却されないことになる。その結果、例えば、撮像領域内における静磁場不均一性を補正するために傾斜磁場コイル1に配設される複数の鉄シムのうち、傾斜磁場コイル1の端部に配設された鉄シム5が冷却されなくなってしまう。
【0009】
なお、従来の技術では、傾斜磁場コイルの冷却効率を向上させることを目的として、複数の冷却管を傾斜磁場コイルに並列に巻回させる場合もある。その場合には、傾斜磁場コイルの端部において、複数の冷却管を屈曲させるために必要なスペースがさらに広くなるので、冷却されない領域はさらに大きくなる。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、傾斜磁場コイルを端部まで冷却することができる磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る磁気共鳴イメージング装置は、静磁場内に置かれた被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルに設けられ、管内に冷媒を流通させることで前記傾斜磁場コイルを冷却するコイル冷却管とを備え、前記コイル冷却管は、前記傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って前記一端まで戻るように設けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、傾斜磁場コイルを端部まで冷却することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係るMRI装置の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、実施例1に係る傾斜磁場コイルの構造を示す斜視図である。
【図3】図3は、実施例1に係る傾斜磁場コイルの内部構造を示す構造図である。
【図4】図4は、実施例1に係るシールドコイル側冷却系の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施例1に係る傾斜磁場コイルの一端における第1冷却管および第2冷却管の配置を示す図である。
【図6】図6は、実施例2に係る傾斜磁場コイルの構造を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施例2に係るRFシールドの外観図である。
【図8】図8は、実施例2に係る傾斜磁場コイルの内部構造を示す構造図である。
【図9】図9は、実施例3に係る冷却管のシールドコイル側冷却系の全体構成を示す斜視図である。
【図10】図10は、冷却管を用いた従来技術の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」と呼ぶ)の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例によって本発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施例では、傾斜磁場コイルを冷却するための冷媒として水(以下、「冷却水」と呼ぶ)を用いた場合について説明する。
【実施例1】
【0015】
まず、図1を用いて、実施例1に係るMRI装置100の構成について説明する。図1は、実施例1に係るMRI装置100の構成を示す構成図である。同図に示すように、このMRI装置100は、静磁場磁石10と、傾斜磁場コイル20と、RFコイル30と、天板40と、傾斜磁場電源50と、送信部60と、受信部65と、シーケンス制御装置70と、計算機システム80と、冷却装置90とを有する。
【0016】
静磁場磁石10は、概略円筒状に形成された真空容器11と、真空容器11の中で冷却液に浸漬された超伝導コイル12とを有し、撮像領域であるボア(静磁場磁石10の円筒内部の空間)内に静磁場を発生させる。
【0017】
傾斜磁場コイル20は、概略円筒状に形成され、静磁場磁石10の内側に設けられる。この傾斜磁場コイル20は、一般的なASGC(Actively Shielded Gradient Coil)であって、メインコイル21とシールドコイル22とを有する。メインコイル21は、傾斜磁場電源50から供給される電流により、X軸,Y軸,Z軸の方向に強さが変化する傾斜磁場を被検体Pに印加する。シールドコイル22は、傾斜磁場コイル20から供給される電流によりメインコイル21の外側に磁場を発生させることで、メインコイル21によって発生する傾斜磁場を遮蔽する。
【0018】
ここで、メインコイル21とシールドコイル22との間には、シムトレイ挿入ガイド23が形成される。このシムトレイ挿入ガイド23には、ボア内における静磁場の不均一性を補正するための鉄シム25を収納したシムトレイ24が挿入される。なお、かかる傾斜磁場コイル20の構造については、後に詳細に説明する。
【0019】
RFコイル30は、傾斜磁場コイル20の内側に、被検体Pを挟んで対向するように固定される。このRFコイル30は、送信部60から送信されるRFパルスに基づいて被検体Pに高周波磁場を印加する。また、RFコイル30は、水素原子核の励起によって被検体Pから放出される磁気共鳴信号を受信する。
【0020】
天板40は、図示していない寝台に水平方向へ移動可能に設けられ、撮影時には被検体Pが載置されてボア内へ移動される。傾斜磁場電源50は、シーケンス制御装置70からの指示に基づいて、傾斜磁場コイル20に電流を供給する。
【0021】
送信部60は、シーケンス制御装置70からの指示に基づいて、RFコイル30にRFパルスを送信する。受信部65は、RFコイル30によって受信された磁気共鳴信号を検出し、検出した磁気共鳴信号をデジタル化して得られる生データをシーケンス制御装置70に対して送信する。
【0022】
シーケンス制御装置70は、計算機システム80による制御のもと、傾斜磁場電源50、送信部60および受信部65をそれぞれ駆動することによって被検体Pのスキャンを行う。そして、シーケンス制御装置70は、スキャンを行った結果、受信部65から生データが送信されると、その生データを計算機システム80に送信する。
【0023】
計算機システム80は、MRI装置100全体を制御する。例えば、入力部を介して操作者から撮像条件の入力を受け付け、受け付けた撮像条件に基づいてシーケンス制御装置70にスキャンを実行させる。また、計算機システム80は、シーケンス制御装置70から送信された生データから画像を再構成する。また、計算機システム80は、再構成された画像を表示部に表示する。
【0024】
冷却装置90は、傾斜磁場コイル20に設けられた冷却管に冷却水を供給する。具体的には、冷却装置90は、傾斜磁場コイル20が有する第1冷却管および第2冷却管それぞれに冷却水を供給する。ここで、冷却装置90は、第1冷却管を流れる冷却水の方向と第2冷却管を流れる冷却水の方向とがそれぞれ反対の方向になるように、それぞれの冷却管に冷却水を供給する。なお、本実施例1では、冷媒として冷却水を用いた場合について説明するが、他の種類の冷媒が用いられてもよい。
【0025】
次に、図2および3を用いて、傾斜磁場コイル20の構造について説明する。図2は、実施例1に係る傾斜磁場コイル20の構造を示す斜視図である。図2に示すように、傾斜磁場コイル20は、それぞれ概略円筒状に形成されたメインコイル21およびシールドコイル22を有する。ここで、メインコイル21とシールドコイル22との間には、複数のシムトレイ挿入ガイド23が形成される。
【0026】
シムトレイ挿入ガイド23は、傾斜磁場コイル20の両端面に開口を形成する貫通穴であり、傾斜磁場コイル20の長手方向に全長にわたって形成される。このシムトレイ挿入ガイド23は、メインコイル21およびシールドコイル22に挟まれた領域に、互いに平行となるように円周方向に等間隔に形成される。そして、かかるシムトレイ挿入ガイド23には、シムトレイ24が挿入される。
【0027】
シムトレイ24は、非磁性かつ非電導性材料である樹脂にて作製され、概略棒状に形成される。このシムトレイ24には、所定の数の鉄シム25が収納される。そして、シムトレイ24は、シムトレイ挿入ガイド23に挿入されて、それぞれ傾斜磁場コイル20の中央部に固定される。
【0028】
また、図2では図示を省略しているが、傾斜磁場コイル20には、円筒形状に沿って、螺旋状に複数の冷却管が埋設される。図3は、実施例1に係る傾斜磁場コイル20の内部構造を示す構造図である。図3は、傾斜磁場コイル20の一部分を示している。図3において、上側の面は傾斜磁場コイル20の外周面を示しており、下側の面は傾斜磁場コイル20の内周面を示している。ここで、傾斜磁場コイル20の内側には、被検体が置かれる撮像領域が形成される。
【0029】
図3に示すように、具体的には、傾斜磁場コイル20において、シムトレイ挿入ガイド23とメインコイル21との間には、メインコイル側冷却系26が埋設される。また、シムトレイ挿入ガイド23とシールドコイル22との間には、シールドコイル側冷却系27が埋設される。ここで、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27は、それぞれ、螺旋状に埋設された複数の冷却管を有する。
【0030】
具体的には、メインコイル側冷却系26は、第1冷却管と、第1冷却管と並列になるように設けられた第2冷却管とを有する。第1冷却管は、所定の方向(図3に示す実線矢印の方向)に冷却水を循環させ、第2冷却管は、第1冷却管が冷却水を循環させる方向と反対の方向(図3に示す点線矢印の方向)に冷却水を循環させる。なお、シールドコイル側冷却系27も同様に、第1冷却管と第2冷却管とを有している。かかるメインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27の構成については、後に詳細に説明する。
【0031】
このように、傾斜磁場コイル20では、メインコイル21と鉄シム25との間にメインコイル側冷却系26が配置され、シールドコイル22と鉄シム25との間にシールドコイル側冷却系27が配置される。そして、メインコイル側冷却系26とシールドコイル側冷却系27とは、鉄シム25を挟むようにそれぞれ配置される。これにより、メインコイル21およびシールドコイル22によって発生する熱が鉄シム25に伝わりにくくなる。
【0032】
次に、図4および5を用いて、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27の構成について説明する。なお、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27は、それぞれ同様の構成を有するので、ここでは、シールドコイル側冷却系27を例にあげて説明する。
【0033】
図4は、実施例1に係るシールドコイル側冷却系27の全体構成を示す斜視図である。図4に示すように、シールドコイル側冷却系27は、それぞれ螺旋状に形成された3本の第1冷却管27aと、第1冷却管27aと並列に設けられた3本の第2冷却管27bとを有する。ここで、第1冷却管27aおよび第2冷却管27bの端部には、それぞれ、冷却水を分岐または合流するマニホールド(分岐管)が設けられる。なお、マニホールドは、真鍮などの金属で形成される。
【0034】
具体的には、第1冷却管27aの一方の端部には、入口側マニホールド27cが設けられ、他方の端部には出口側マニホールド27dが設けられる。ここで、入口側マニホールド27cは、冷却装置90から供給される冷却水を分岐し、分岐した冷却水を3本の第1冷却管27aそれぞれに流入させる。また、出口側マニホールド27dは、3本の第1冷却管27aから流出する冷却水を合流して冷却装置90へ戻す。なお、図4に示す実線の矢印は、第1冷却管27aに流れる冷却水の向きを示している。
【0035】
同様に、第2冷却管27bの一方の端部には、入口側マニホールド27eが設けられ、他方の端部には出口側マニホールド27fが設けられる。ここで、入口側マニホールド27eは、冷却装置90から供給される冷却水を分岐し、分岐した冷却水を3本の第2冷却管27bそれぞれに流入させる。また、出口側マニホールド27fは、3本の第2冷却管27bから流出する冷却水を合流して冷却装置90へ戻す。なお、図4に示す点線の矢印は、第2冷却管27bに流れる冷却水の向きを示している。
【0036】
なお、図4に示すように、第1冷却管27aの入口側マニホールド27cと第2冷却管27bの入口側マニホールド27eとは、それぞれ反対側の端部に設けられる。また、第1冷却管27aの出口側マニホールド27dと第2冷却管27bの出口側マニホールド27fとは、それぞれ、反対の側に設けられる。すなわち、第1冷却管27aと第2冷却管27bとは、それぞれ反対の方向に冷却水を流通させることになる。
【0037】
これにより、第1冷却管27aを流れる冷却水の温度が高くなる箇所では、第2冷却管27bを流れる冷却水の温度が低くなり、逆に、第2冷却管27bを流れる冷却水の温度が高くなる箇所では、第1冷却管27aを流れる冷却水の温度が低くなる。したがって、シールドコイル側冷却系27全体として冷却水の温度が均一になるので、傾斜磁場コイル20を均等に冷却することができる。
【0038】
また、シールドコイル側冷却系27が有する各冷却管と各マニホールドとは、それぞれ、絶縁材で形成された管を介してそれぞれ接続される。
【0039】
具体的には、第1冷却管27aの一方の端部は、絶縁材で形成されたチューブ27gを介して入口側マニホールド27cに接続される。また、第1冷却管27aの他方の端部は、絶縁材で形成されたチューブ27hを介して出口側マニホールド27dに接続される。また、第2冷却管27bの一方の端部は、絶縁材で形成されたチューブ27iを介して入口側マニホールド27eに接続される。また、第2冷却管27bの他方の端部は、絶縁材で形成されたチューブ27jを介して出口側マニホールド27fに接続される。
【0040】
このように、シールドコイル側冷却系27が有する各冷却管と各マニホールドとの間に絶縁材で形成されたチューブを設けることで、シールドコイル側冷却系27が有する各冷却管によって電気的な閉ループが形成されるのを防ぐことができる。
【0041】
なお、ここでは、真鍮などの金属で形成されたマニホールドを用いる場合について説明するが、例えば、テフロン(登録商標)やPETなどの絶縁材で形成されたマニホールドを用いてもよい。これにより、各冷却管によって電気的な閉ループが形成されるのをより確実に防ぐことができる。
【0042】
そして、本実施例1では、第1冷却管27aおよび第2冷却管27bが、それぞれ、傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。
【0043】
例えば、図4に示すように、第1冷却管27aおよび第2冷却管27bは、それぞれ、傾斜磁場コイル20の一端Aから他端Bへ向かう方向に伸びて他端Bに達した後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端Aまで戻るように設けられる。このように、各冷却管を屈曲させる位置を巻き始めの位置から離すことによって、傾斜磁場コイル20の端部まで冷却管を螺旋状に巻き戻した際に、傾斜磁場コイル20の端部に近い位置まで冷却管を巻き付けることができる。
【0044】
図5は、実施例1に係る傾斜磁場コイル20の一端Aにおける第1冷却管27aおよび第2冷却管27bの配置を示す図である。図5に示すように、上記で説明したように第1冷却管27aおよび第2冷却管27bを配置した場合には、第1冷却管27aおよび第2冷却管27bそれぞれを入口側マニホールド27cおよび出口側マニホールド27fの付近まで巻き付けることができる。これにより、従来、傾斜磁場コイル20の端部に生じていた冷却されない領域の大きさを縮小することができる。
【0045】
なお、ここでは、第1冷却管27aおよび第2冷却管27bが、それぞれ、一端から他端に達した後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる場合について説明した。しかしながら、例えば、冷却管は、一端から他端へ向かう方向に伸び、傾斜磁場コイル20の長さの中央付近で折り返して、一端まで戻るように設けられてもよい。その場合には、第1冷却管27aおよび第2冷却管27bをそれぞれ反対の端部から巻き始めるようにする。また、各冷却管を折り返す位置は傾斜磁場コイル20の長さの中央付近に限られず、中央付近からいずれかの端部に向かってずれた位置でもよい。
【0046】
また、図5に示すように、傾斜磁場コイル20には、円筒の一端から他端へ向かう方向に沿って複数の溝部28が形成される。そして、例えば、チューブ27gおよび第1冷却管27a(図示せず)が、溝部28内に配置されて傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。また、チューブ27jおよび第2冷却管27b(図示せず)も同様に、他の溝部28内に配置されて傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。これにより、各冷却管が傾斜磁場コイル20内に効率よく配置される。
【0047】
なお、例えば、溝部28は、図5に示すように、傾斜磁場コイル20に設けられた複数のシムトレイ挿入ガイド23の間に形成される。これにより、従来は使用されていなかった部分が有効的に利用されるとともに、鉄シム25が効率よく冷却される。
【0048】
上述したように、本実施例1では、MRI装置100が、概略円筒状に形成され、円筒内に発生した静磁場内に置かれた被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル20と、傾斜磁場コイル20に設けられ、管内に冷却水を流通させることで傾斜磁場コイル20を冷却するメインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27とを備える。そして、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する冷却管は、傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。したがって、本実施例1によれば、傾斜磁場コイル20の端部に近い位置まで冷却管を巻き付けることが可能になるので、傾斜磁場コイル20を端部まで冷却することができる。
【0049】
また、本実施例1では、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する冷却管が、傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びて他端に達した後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。したがって、本実施例1によれば、冷却管の巻き付け作業が1回で済むので、傾斜磁場コイル20に冷却管を容易に配設することができる。
【0050】
また、本実施例1では、傾斜磁場コイル20が、円筒の一端から他端へ向かう方向に沿って形成された溝部28を有している。そして、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する冷却管が、傾斜磁場コイル20が有する溝部28内に配置されて傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。したがって、本実施例1によれば、傾斜磁場コイル20内に効率よく冷却管を配置することができるので、撮像領域となるボアの口径を大きくすることができる。
【0051】
また、本実施例1では、傾斜磁場コイル20が、傾斜磁場コイル20の両端面に開口を形成する貫通穴であって、静磁場の不均一性を補正する鉄シム25を収容するシムトレイ24が挿入されるシムトレイ挿入ガイド23を複数有する。そして、冷却管が配置される溝部28が、前記複数のシムトレイ挿入ガイド23の間に形成される。したがって、本実施例1によれば、従来は使用されていなかった部分が有効的に利用されるとともに、鉄シム25を効率よく冷却することができる。
【0052】
また、本実施例1では、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が、それぞれ、並列に配置された複数の冷却管を含み、入口側マニホールドが、冷却装置90から供給される冷却水を分岐し、分岐した冷却水を複数の冷却管それぞれに流入させる。また、出口側マニホールドが、各冷却管から流出する冷却水を合流して冷却装置90へ戻す。ここで、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する各冷却管と入口側マニホールドおよび出口側マニホールドとは、絶縁材で形成されたチューブを介してそれぞれ接続される。これにより、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する各冷却管によって電気的な閉ループが形成されるのを防ぐことができる。したがって、本実施例1によれば、冷却管と傾斜磁場コイルとの電磁カップリングを避けることが可能になり、撮像領域内における静磁場の均一性を安定させることができる。
【0053】
また、本実施例1では、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が、それぞれ、所定の方向に冷却水を流通させる第1冷却管と、第1冷却管と並列に設けられた第2冷却管とを含む。そして、第2冷却管は、第1冷却管が冷却水を流通させる方向と反対の方向に冷却水を流通させる。したがって、本実施例1によれば、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27全体として冷却水の温度が均一になるので、被検体Pが置かれる撮像領域を均等に冷却することができる。
【0054】
なお、本実施例1では、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が、第1冷却管および第2冷却管をそれぞれ3本ずつ有する場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、各冷却管の本数をさらに増やした場合には、個々の冷却管の長さが短くてすむようになる。その結果、各冷却管の圧力損失が抑えられるので、冷却水の流量を増やすことが可能になる。したがって、より効率よく撮像領域を冷却することができるようになる。
【0055】
なお、上記実施例1では、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27が有する冷却管が、それぞれ同様に巻回されて配置される場合について説明した。しかしながら、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27のいずれか一方が、図4に示したように巻回されて設けられてもよい。
【0056】
例えば、傾斜磁場コイル20では、構造上、冷却管を配置できる範囲が制限される場合もある。例えば、シムトレイ挿入ガイド23が形成される間隔が狭い場合には、図5に示した溝部28の幅が小さくなってしまい、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27の両方のチューブを溝部28内に配置することができない可能性もある。このような場合には、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27のいずれか一方を、図4に示したように巻回させる。
【0057】
また、溝部28の幅が十分に大きい場合でも、いずれか一方の系の冷却管を図4に示したように巻回させるほうが、両方の系の冷却管を同様に巻回させるときと比べて冷却管を配置する際の作業効率がよくなる。また、一般的に、ASGCでは、シールドコイルは、メインコイルが配置される範囲よりも傾斜磁場コイルの円筒方向に広い範囲にわたって配置される。したがって、少なくともシールドコイル側冷却系27の冷却管を図4に示したように設けるのが、冷却効率を向上させるうえで望ましい。
【実施例2】
【0058】
次に、実施例2について説明する。実施例1では、傾斜磁場コイル20が、メインコイル21とシールドコイル22との間に冷却管を有する場合について説明した。しかしながら、近年では、傾斜磁場コイルが、メインコイルの内周側にさらに冷却管を有する場合もある。そこで、実施例2では、実施例1に係るMRI装置100の傾斜磁場コイル20が、メインコイル21の内周側にさらに冷却管を有する場合について説明する。
【0059】
図6は、実施例2に係る傾斜磁場コイル120の構造を示す斜視図である。なお、ここでは、図2に示した各部と同様の役割を果たす構成要素については、同一の符号を付すこととして詳細な説明を省略する。図6に示すように、本実施例2では、傾斜磁場コイル120は、メインコイル21およびシールドコイル22の他に、RFシールド128を有する。RFシールド128は、概略円筒状に形成され、メインコイル21の内周側に設けられる。
【0060】
図7は、実施例2に係るRFシールド128の外観図である。図7に示すように、RFシールド128は、概略円筒状に形成される。ここで、RFシールド128は、例えば、断面が半円状となるように湾曲させた2枚の導体板128aおよび128bを組み合せて形成される。なお、ここでは、2枚の導体板を用いた場合について説明するが、RFシールド128は、1枚の導体板で形成されてもよいし、3枚以上の導体板を組み合せて形成されてもよい。
【0061】
ここで、本実施例2では、実施例1と同様に、メインコイル21の外周側に、メインコイル21に近接してメインコイル側冷却系26が設けられる。また、シールドコイル22の内周側に、シールドコイル22に近接してシールドコイル側冷却系27が設けられる。そして、本実施例2では、傾斜磁場コイル120の最内層にも冷却管が設けられる。このように、傾斜磁場コイル120の最内層にも冷却管を設けることによって、傾斜磁場コイル120の冷却を強化するとともに、被検体が置かれる撮像領域の温度上昇をより確実に抑えることができる。
【0062】
図8は、実施例2に係る傾斜磁場コイル120の内部構造を示す構造図である。図8に示すように、シムトレイ挿入ガイド23とメインコイル21との間には、螺旋状に形成されたメインコイル側冷却系26が埋設される。また、シムトレイ挿入ガイド23とシールドコイル22との間には、螺旋状に形成されたシールドコイル側冷却系27が埋設される。これらメインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27には、冷却装置90から送られる冷却水が流入し、流入した冷却水は各冷却管を通って傾斜磁場コイル20の内部を循環したうえで傾斜磁場コイル120の外へ流出する。このように、メインコイル側冷却系26およびシールドコイル側冷却系27を通って冷却水が循環することによって、メインコイル21、シールドコイル22および鉄シム25が冷却される。
【0063】
また、メインコイル21の内側には、RFコイル側冷却系12Aが設けられる。本実施例2では、RFコイル側冷却系12Aは、メインコイル21の内側に設けられたRFシールド128の内側に設けられる。このRFコイル側冷却系12Aは、銅を用いて螺旋状に形成された複数の冷却管を有する。
【0064】
ここで、例えば、メインコイル21とRFシールド128との間に冷却管を設ける場合には、冷却管の分だけRFシールド128がRFコイル30に近付くことになるので、RFコイル30がより強い高周波磁場を発生させる必要がある。しかし、高周波磁場を強くすると、SAR(Specific Absorption Rate)が増加するため、被検体に対する安全性が低下する可能性がある。これに対し、本実施例2では、RFコイル側冷却系12AはRFシールド128の内側に設けられるので、RFシールド128とRFコイル30との間に十分な距離を確保することができる。これにより、高周波磁場の強度を強める必要がなくなるので、被検体に対する安全性が保たれる。
【0065】
また、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管は、メインコイル側冷却系26が有する冷却管の管径よりも小さい管径を有するように形成される。さらに、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管は、メインコイル側冷却系26が有する冷却管と比べて螺旋の間隔が小さくなるように形成される。加えて、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管は、それぞれ、断面が傾斜磁場コイル20の積層方向に圧縮された楕円となるように形成される。
【0066】
そして、RFコイル側冷却系12Aが有する複数の冷却管の間には、低誘電率の物質12Bが充填される。ここでいう低誘電率の物質とは、例えば、テフロン(登録商標)やPET(Polyethylene Terephthalate)などである。これにより、RFコイル側冷却系12Aが有する各冷却管が電気的に結合するのを防ぐことができる。
【0067】
また、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管とRFシールド128との間には、絶縁材で形成された絶縁膜129が設けられる。ここでいう絶縁材とは、例えば、テフロン(登録商標)やPETなどである。または、絶縁材はFRP(Fiberglass Reinforced Plastics)であってもよい。これにより、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管とRFシールド128とが電気的に結合するのを防ぐことができる。また、RFコイル側冷却系12Aおよびメインコイル側冷却系26は、メインコイル21を挟むようにそれぞれ設けられる。これにより、メインコイル21を効果的に冷却することができる。
【0068】
このような構成において、本実施例2では、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管が、図4に示した第1冷却管27aおよび第2冷却管27bと同様に設けられる。すなわち、RFコイル側冷却系12Aが有する冷却管は、それぞれ、傾斜磁場コイル20の一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイル20の円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。これにより、RFコイル側冷却系12Aが有する各冷却管を傾斜磁場コイル20の端部に近い位置まで巻き付けることができるようになるので、被検体が置かれる撮像領域の広い範囲を冷却することができる。
【実施例3】
【0069】
次に、実施例3について説明する。実施例1および2では、冷却管が螺旋状に巻回される場合について説明したが、冷却管の形状はこれに限られない。そこで、実施例3では、他の一例として、冷却管が傾斜磁場コイル20の長さ方向に沿って折り返すように設けられる場合について説明する。
【0070】
図9は、実施例3に係る冷却管のシールドコイル側冷却系の全体構成を示す斜視図である。なお、図9では、シールドコイル側冷却系227に含まれる第1冷却管のみを示している。図9に示すように、本実施例3では、3本の第1冷却管227aが設けられる。そして、各第1冷却管227aは、傾斜磁場コイル20の一端Aから他端Bへ向かう方向に伸びて他端Bに達した後に屈曲し、他端Bから一端Aへ向かう方向に伸びて一端Aに達した後にさらに屈曲し、さらに一端Aから他端Bへ向かう方向に伸びる形状が傾斜磁場コイル20の周方向に位置をずらしながら繰り返されるように設けられる。
【0071】
各第1冷却管227aにおいて、冷却水は、例えば、傾斜磁場コイル20の一端Aに位置する端部から流入し、他端Bに位置する端部から流出するように流される(矢印Iおよび矢印Oを参照)。すなわち、第1冷却管227aは、冷却水を一方の端部から取り込んで、反対の端部から排出する。また、各第1冷却管227aに流入される冷却水は、実施例1における第1冷却管27aと同様に、入口側マニホールドによって分岐される。また、各第1冷却管227aから流出する冷却水は、実施例1における第1冷却管27aと同様に、出口側マニホールドによって合流される。
【0072】
なお、図9では図示を省略しているが、傾斜磁場コイル20には、実施例1と同様に、第1冷却管と反対の方向に冷却水を流通させる第2冷却管が第1の冷却管に沿って並列に設けられる。また、ここでは、シールドコイル側冷却系について説明したが、メインコイル側冷却系に含まれる冷却管や、RFコイル側冷却系に含まれる冷却管が図9に示した形状で配置されてもよい。
【0073】
このように、第1冷却管227aを傾斜磁場コイル20の両端部で屈曲させることによって、傾斜磁場コイル20の長さ方向に広い範囲にわたって第1冷却管227aを配置させることができる。これにより、傾斜磁場コイル20の広い範囲を冷却することができるようになる。
【0074】
また、上記実施例1、2および3では、概略円筒状に形成された傾斜磁場コイルを有するMRI装置について説明したが、実施例はこれに限られない。例えば、被検体の体軸方向に垂直な傾斜磁場を発生させる、いわゆるオープン型と呼ばれるMRI装置でも、上記実施例で説明した技術を実施することができる。
【0075】
一般的に、オープン型のMRI装置は、被検体が置かれる撮像空間を挟んで対向するように配置された1対の静磁場磁石と、静磁場磁石によって撮像空間に発生した静磁場に傾斜磁場を付加する傾斜磁場コイルと、撮像空間に置かれた被検体に高周波磁場を印加するRFコイルとを備える。例えば、1対の静磁場は、上下に配置されて、垂直方向に静磁場を発生させる。また、傾斜磁場コイルおよびRFコイルは、それぞれ平板状に形成され、上下の静磁場磁石それぞれに固定される。
【0076】
そして、このようなオープン型のMRI装置でも、傾斜磁場コイルに発生する熱を冷却するためのコイル冷却管が設けられる場合がある。例えば、オープン型のMRI装置では、例えば、コイル冷却管は、傾斜磁場コイルの外表面または傾斜磁場コイル内部の同一平面内に渦巻状に配置される。この場合には、例えば、コイル冷却管は、傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、傾斜磁場コイルの平面形状に沿って渦巻状に巻回されながら一端まで戻るように設けられる。これにより、傾斜磁場コイルの周縁部に近い位置まで冷却管を巻き付けることが可能になるので、傾斜磁場コイルの広い範囲を冷却することができるようになる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
100 MRI装置(磁気共鳴イメージング装置)
10 静磁場磁石
20 傾斜磁場コイル
21 メインコイル
22 シールドコイル
26 メインコイル側冷却系
27 シールドコイル側冷却系
90 冷却装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁場内に置かれた被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、
前記傾斜磁場コイルに設けられ、管内に冷媒を流通させることで前記傾斜磁場コイルを冷却するコイル冷却管とを備え、
前記コイル冷却管は、前記傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って前記一端まで戻るように設けられる、磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記コイル冷却管は、前記傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びて前記他端に達した後に屈曲し、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って前記一端まで戻るように設けられる、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記傾斜磁場コイルは、前記一端から他端へ向かう方向に沿って形成された溝部を有し、
前記コイル冷却管は、前記傾斜磁場コイルが有する前記溝部内に配置されて前記傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って螺旋状に巻回されながら前記一端まで戻るように設けられる、
請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記傾斜磁場コイルは、前記傾斜磁場コイルの両端面に開口を形成する貫通穴であって、前記静磁場の不均一性を補正する鉄シムを収容するシムトレイが挿入されるシムトレイ挿入ガイドを複数有し、
前記溝部は、前記複数のシムトレイ挿入ガイドの間に形成される、
請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記コイル冷却管は、並列に配置された複数の冷却管を含み、
冷却装置から供給される冷媒を分岐し、分岐した冷媒を前記複数の冷却管それぞれに流入させる分岐管をさらに備える、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記複数の冷却管と前記分岐管とは、絶縁材で形成された管を介してそれぞれ接続される、
請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記コイル冷却管は、第1の冷却管と、前記第1の冷却管と並列に設けられた第2の冷却管とを含み、
前記第2の冷却管は、前記第1の冷却管が冷媒を流通させる方向と反対の方向に冷媒を流通させる、
請求項1〜6のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記コイル冷却管は、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って巻回されながら前記一端まで戻った後にさらに屈曲し、前記傾斜磁場コイルの前記他端まで伸びるように設けられる、
請求項1〜7のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記傾斜磁場コイルは、
前記静磁場内に置かれた被検体に傾斜磁場を印加するメインコイルと、
前記メインコイルの外周側に設けられ、前記メインコイルによって発生する傾斜磁場を遮蔽するシールドコイルとを含み、
前記コイル冷却管は、
前記シールドコイルに近接して設けられ、管内に冷媒を流通させることで前記シールドコイルを冷却するシールドコイル側冷却管を含み、
前記シールドコイル側冷却管は、前記傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って巻回されながら前記一端まで戻るように設けられる、
請求項1〜8のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
前記コイル冷却管は、前記メインコイルに近接して設けられ、管内に冷媒を流通させることで前記メインコイルを冷却するメインコイル側冷却管をさらに含み、
前記メインコイル側冷却管は、前記傾斜磁場コイルの一端から他端へ向かう方向に伸びた後に屈曲し、前記傾斜磁場コイルの形状に沿って巻回されながら前記一端まで戻るように設けられる、
請求項9に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
前記傾斜磁場コイルは、概略円筒状に形成され、円筒内に発生した静磁場内に置かれた被検体に前記傾斜磁場を印加し、
前記コイル冷却管は、前記傾斜磁場コイルの円筒形状に沿って螺旋状に巻回されながら前記一端まで戻るように設けられる、
請求項1〜10のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−87915(P2011−87915A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182462(P2010−182462)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】