説明

磁気共鳴画像化手段を含む粒子線治療装置

画像化ボリューム内の照射領域へ予め定められた方向に荷電粒子ビームを照射するように構成された粒子線治療装置であって、予め定められた方向に荷電粒子ビームを向けるように構成された荷電粒子ビーム源と、荷電粒子ビームの照射と同時に照射領域に磁場を発生する磁場発生手段とを備え、前記磁場発生手段は照射領域への前記荷電粒子ビームの進入を可能にしかつ前記荷電粒子ビームの照射領域に均一な磁場を生じさせるように構成され、前記磁場は予め定められた方向にほぼ向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁石を含み、それによって粒子線治療中に磁気共鳴画像化(MRI)を可能にする粒子線治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
陽子ビーム及び炭素イオンビームによる放射線治療が有効であることは周知である。さらに、それによって、従来のガンマ放射線治療よりも組織に対する損傷が少なくなることも判明している。
【0003】
しかし、照射される線量の値及び位置を決定するための放射計画は、放射線治療が行われる前に、かなりの時間期間にわたって行われてきたMRI画像化またはCT画像化に基づいている。インターベンション期間中に、照射される組織の位置が移動したり、あるいは、形状を変えている可能性がある。この結果、健康な組織が照射され、および/または、患部組織が照射されない場合がある。
【0004】
放射線治療の場合、一般に、患者は、図13に概略が例示されているように、横断面XYにおいて横断方向110に送られるビームを照射される。
【0005】
荷電粒子ビームは、MRI画像化が行われるのと同時に患者に照射されるのが望ましい。というのも、対象となる標的の位置及び形状をその現在位置において正確に知ることができるからである。
【0006】
現在のMRIスキャナの大部分は、ビームがクライオスタットによって遮られるので、これには適さない。さらに、C形またはH形の磁石を用いるような「開放」スキャナの場合も、スキャナの磁場が荷電粒子ビームの横断方向110に対して垂直になる。これによって、ビームが意図する方向からそれることになる。
【0007】
図14A及び14Bには、磁場Bが磁束線によって例示された2つの従来技術によるMRIスキャナが例示されている。図14Aには、従来のソレノイド磁石構成においてMRI画像化を行われる患者が示されている。例示のように、MRI画像化中に、患者に対して横断方向110に荷電粒子ビームを照射することが可能であれば、ビームは、MRI装置によって生じる磁場Bに対して垂直になり、それゆえビームは、磁場Bによってその意図する標的からそれることになるであろう。このような従来のソレノイド磁石構成の場合、患者の問題となる領域のまわりにソレノイドが存在するため、患者に到達することができない。図14Bには、従来の開放C字形磁石構成においてMRI画像化を行われる患者が示されている。このような磁石構成の場合、患者により到達しやすくなる。しかしながら、例示のように、MRI画像化中に、患者に対して横断方向110に荷電粒子ビームを照射することが可能であれば、ビームは、MRI装置によって生じる磁場Bに対して垂直になり、それゆえビームは、磁場Bによってその意図する標的からそれることになるであろう。
【0008】
米国特許出願公開第2004/0199068号明細書には、MRI(磁気共鳴画像法)を利用して、患者の標的ボリュームの位置を監視し、治療ボリュームに対する粒子ビームの照射にゲート制御を施して、治療ボリュームが患者の標的ボリュームと一致する場合にのみ粒子ビームが放射されるようにするシステムの記載がある。
【0009】
米国特許第6,198,957号には、MRI及び粒子ビーム併用治療装置の記載がある。粒子ビーム治療が施されている間、MRIシステムの磁場はオフになる。
【0010】
国際公開02/065149号には、例えば、コイルの面及びコイルの面間の中間にある面に対して平行な方向の磁場が生じる、MRI装置に用いるのに適したコイル構成の記載がある。それによれば、それぞれ導電性材料の巻線を含む、4組からなる磁気コイルグループを含む磁石アセンブリが得られるが、4組の磁気コイルは中央面と鏡映面の交差軸のまわりに対称に配置されて、鏡映面は中央面に対して垂直をなし、コイルは中央面と鏡映面の両方に対して垂直な別の面に対して対称な面を有するようになっており、各コイルは中央面に対して垂直な軸のまわりに巻き付けられ、巻線は、動作時、電流が鏡映面まわりでは対称で、中央面まわりでは非対称となり、システムの中心において反射平面に対して垂直な合成磁場を生じるように構成されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、荷電粒子ビームの意図する照射方向に対して平行な横断方向110の磁場で動作し、荷電粒子ビームに対する磁場の干渉を最小限に抑えながら患者へのアクセス(接近)を可能にするMRIシステムを提供することによって、粒子線治療と同時にMRI画像化が可能になる。
【0012】
本発明によれば、このような装置を操作して、照射領域のMRI画像化と同時に同じ領域に対する粒子線の照射を行うための方法も提供される。
【0013】
本発明によれば、従って、付属の請求項に記載の装置及び方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のより明確な理解が得られるようにし、これを実行に移すことが可能な方法を示すために、次に、単なる例証として、添付の図面に示された添付の図に関連して本発明による具体的な実施形態、方法、及び、プロセスについて述べることにする。
【0015】
本発明によれば、荷電粒子ビームの照射中に放射線治療の標的領域を監視する手段として国際公開第02/065149号パンフレットに記載の磁石コイル構成が適用される。
【0016】
好都合なことに、本発明によれば、このようなコイル構成は、そのコイルによって生じる磁場が粒子線治療のための粒子ビームの意図する照射方向110に位置するように構成されている。荷電粒子ビームの照射は磁場の方向に行われるので、ビームがそれることはなく、ある線量の粒子線を意図した標的に正確に照射することが可能である。
【0017】
次に、図1〜12を参照しながらこのような構成例について述べることにする。
【0018】
図1には、以下の説明で言及される4つのコイル111,112,114,116とXYZ座標基準フレームからなる構成が示されている。図1に示すコイル111〜116は、横断面ともみなされるXY面に平行な中央面と、鏡映面ともみなされるYZ面とに対して対称に配置されている。コイルはZX面に対して平行な対称面も有している。コイルの矢印118は、互いのコイルの電流方向を明らかにするために示されている。中央面(XY面)の上方に位置するコイル111の電流方向は、中央面XYの下方に位置するコイル114の電流方向とは逆(非対称)である。さらに、正のX空間におけるコイル112,116の電流の回転の向きは、負のX空間におけるそれぞれの対応するコイル111,114の電流の向きとは逆(鏡映対称)である。「バナナコイル」とも呼ばれる図1に示す各コイルの形状は、コイルの鏡映面に最も近い側の曲率半径が逆(凹面)のために、従来の巻き付け方法で製造するのは簡単ではない。
【0019】
コイル111,112,114,116によって生じる磁場及び粒子線治療用荷電粒子ビームの照射方向110が、後続図面において大きな特徴となる太い矢印で表示されている。
【0020】
図1に示す1組のコイルによって生じる磁場では、MRI画像化にとって十分な質の磁場を発生することはできない。以下の説明では、質の向上した磁場を発生することが可能な他の実施形態が提示される。
【0021】
図2,3には、図1に示す構成に対応する構成において、本発明の実施形態の1つに用いるのに適したバナナコイルの2つの別の構造が示されている。図2,3の構造のそれぞれによって生じる磁場は図1の構成の場合と同じである。図2には、第1の方向に100Aの電流を流す120°の円弧状バナナコイル210の中に60°の円弧状バナナコイル212をはめ込まれた入れ子式バナナコイルが示されている。60°コイルは、第1の方向とは逆の方向に200Aの電流を流し、その結果全120°の円弧構造のうち中央の60°の円弧に関して第2の方向に100Aの全電流が生じる。これは図3に示す構造に相当し、図3に示す構造においては、第2の方向に100Aの電流を流す中央の60°の円弧状バナナコイル214が設けられており、2つの周辺の30°円弧状コイル216,218が第1の方向に100Aの電流を流す。
【0022】
このようなバナナコイルの製造方法は周知であるが、図4に示すD字形コイルを重ね合わせることによってほぼ同じ磁場を発生するほうがより容易である可能性がある。これによって、D字の真直ぐな辺の配置にさらなる自由度も得られるので、磁場の均一性が向上する。D字形コイルは、交互配置および/または重ね合わせを施すことが可能である。コイルは、図1に関して既述のように対称に配置される。下方のコイルを参照すると、図4には、各D字形コイルにおける電流方向422も示されているので、コイル410,412,414は、形状とそれぞれの電流方向との両方において鏡像をなすコイル416,418,420を有していることが分かる。
【0023】
各D字形コイルは、動作時にZ軸と平行になるように位置合わせされた軸線のまわりに巻き付けられる。コイルは非円形であるが、巻線の曲率半径が逆にならないので、巻付けは簡単である。各コイルの外側表面は凸面または平面である。一般に、D字形コイルは辺の1つに直線部分を備えるものと思われるが、実際には、その辺は完全な直線である必要はなく、線材の巻付けをやりやすくするために、極めて大きい曲率半径を備えていてもよい。同様の理由から、直線部分の両端における角は尖った角ではなく、丸くなっているのが望ましい。こうして、ほぼD字形のコイルは、従来の線材巻付け方法を用いるが、円形コイルに用いられる固定半径ではなく、曲率半径を可変にして容易に巻き付けることが可能である。個々の各コイルの巻付け軸線はZ軸に対して平行であるが、異なるコイルの電流の構成によって、Z軸に対して垂直な方向110におけるシステムの中心に合成磁場が生じる。同様に、システムの外部領域において個々のコイルの磁場が互いに相殺し合って、システム外部に極めて弱い漂遊磁場を生じることになり、特別なコイルのような遮蔽手段の追加を必要としない。
【0024】
図5には、理論的には方向110に質の高い均一な磁場を生じる1組の平面コイルに関する平面図が示されている。図1に関連して既述のように組をなして対称に配置されると、平面コイルは40cmの画像化領域球体における予測ピーク・ピーク値が6ppmの均一性を生じる。コイル510,512は同一であり、YZ面において鏡像をなす電流方向(不図示)に用いられるべきである。これらのコイルの構造は既知のように平面または傾斜磁場コイルと同様である。完成したMRIシステムの中心にゼロ磁場を生じるように構成された傾斜磁場コイルとは異なり、本応用例では、各象限のコイルがMRIシステムの中心に高強度で質の高い均一な磁場を生じるように直列に接続されている。しかしながら、この構成では、高強度で質の高い均一な磁場が生じるが、MRI画像の生成に必要とされる傾斜磁場コイル及びRFコイルに適応することができない。
【0025】
図6には、極グリッド状の扇形コイル610,612,614,616の構成が示されている。扇形コイルは平行面に配置されるが、円をなすコイルの場合、コイル間のギャップ618は中心から技術的現状に合わせて製造された傾斜磁場コイルの半径に相当する半径まで拡大される。中央コイル610,614間における中央の拡大したギャップ618によって、RFコイル、傾斜磁場コイル、及び、シムのための十分なスペースが得られるが、外側コイル612,616間のギャップ620はより狭い。これによって、全合成磁場の均一性が向上し、ある特定の中央磁場の発生に必要な導体の量が減少する。コイルは例示のような複数の小さい扇形コイルとすることが可能である。代わりに、いくつかの隣接部分をより大きいバナナコイルに置き換えることも可能である。別の実施形態では、巻き付けを容易にするために、円弧形コイルは台形コイルに置き換えることが可能である。
【0026】
図7には、図6に示されたコイル構成と同じコイル構成を有するMRIスキャナのZX断面が示されている。コイルは2つのグループ710,712に構成されている。グループ710は、図6において大きいギャップ618を有するコイル610,614に対応する。コイルは既知の超伝導方式で動作するように構成することが可能である。外側コイルは図6のコイル612,616に対応する712として識別される。現在の超伝導体は、低温での動作を必要とし、この例におけるコイルは、熱放射遮蔽の働きをするエンクロージャ(enclosure)714によって包囲されている。さらに、このエンクロージャは冷媒の収容に用いることも可能である。コイル710,712とエンクロージャ714は気密エンクロージャ716によって包囲されている。
【0027】
このエンクロージャの内部は、エンクロージャ716の内側表面からコイルへの対流による熱伝導を最小限に抑えるため真空排気が施される。エンクロージャは傾斜磁場コイルアセンブリ5及びRFコイル4を収容する凹部を備えている。中心磁場は、直径40cmの球体全域にわたって143ppmの均一性を備えた35mega−ampere−per−metre(35メガアンペア/メートル)のコイルセットに関して1Tであると算出された。導体の外径は1.9mであり、導体間のギャップ620は0.7mであり、内部導体間のギャップ618は0.9mである。
【0028】
図8には、図7に描かれた実施形態に関してXZ面における磁束線810が示されている。磁束線は、例えば磁気共鳴画像化のために必要とされコイルによって発生する極めて望ましい均一な平行磁場を示している。図8A〜8Cには、それぞれ、Y=0、Y=0.1m、Y=0.2mにおけるXZ面の磁場Bを表わした一定磁場強度の線が示されている。従って、既述のコイル構成によれば、好都合なことに十分な均一性の半径0.2m診断ボリュームを実現可能にする実施形態が得られる。
【0029】
図9には、ZX面における図7に示すコイルアセンブリに関して計算されグラフ化した5ガウスの線910が示されている。+X+Z象限における5ガウスの線だけが示されている。これによって、既述のコイル構成の低漂遊磁場特性が明確に立証されている。
【0030】
図10には、1つの実施形態1000の全ての一次磁石が斜視図で示されている。各象限には、3つのコイル1010,1012,1014,...1032が並んで含まれており、中心コイル1012,1018,1024,1030はXZ面にある。1つの象限の各コイルの電流方向1034〜1040は同じである。
【0031】
図11には、各象限毎に6つのコイル1110〜1120が存在する点を除いて図10と同様の構成が示されている。明らかに、いくつかの用途については広い画像化領域を備えることが望ましい場合もある。代わりに、小さいサブコイルを用いると、製造コストを節減できる可能性がある。
【0032】
図12では、各バナナコイル1210,1214,1218,1222に、バナナコイルの内側円弧に位置する補助矩形コイル1212,1216,1220,1224が設けられており、各象限のコイルの電流方向が逆になっている点を除いて、図1に対応している。図12のコイル構成は、本発明の実施形態の1つにおける主磁場発生手段として設けることが可能である。
【0033】
既述のような磁気共鳴画像化アセンブリに適した磁気コイルを配置するための構成によれば、その設計から数多くの利点が生じる、例えば、磁場全体が、中央面XYに平行な方向110において構造に対して垂直に発生するので、開放型設計によって患者接近レベルが高くなる。画像化ボリュームの両側の対向コイル間における吸引磁力が弱まるので、コイルグループ間における支持体構造は開放型またはC字形磁石について知られているほど頑丈でなくても済むようにすることが可能になる。患者は任意の角度の磁場に沿って頭部から足指まで位置合わせすることが可能になる。より小形の磁石を用いると、導線の量が付随して減少することになり、製造コストの有益な節減を達成することが可能になる。
【0034】
上記構成は、粒子線治療装置に組み込むのに適することが判明している。
【0035】
本発明によれば、上述の磁気コイル構成を用いて粒子線治療装置を改良することが可能になる。本発明によれば、荷電粒子ビーム源は、照射領域へ予め定められた方向に荷電粒子ビームを向けるように構成されている。さらに、荷電粒子ビームの照射と同時に照射領域に磁場を発生する磁場発生手段が設けられ、磁場発生手段は、照射領域への荷電粒子ビームの進入を可能にし、荷電粒子ビームの照射領域に均一な磁界を生じさせるように構成されている。前記磁場は予め定められた方向にほぼ向けられる。
【0036】
磁場発生手段は上述のコイル構成の1つを含むと望ましい。この場合、磁場発生手段は、それぞれ導電材料の巻線を含む磁気コイルを含み、磁気コイルが中央面(XY)及び鏡映面(YZ)について対称に配置され、鏡映面が中央面に対して垂直であり、それによりコイルは中央面と鏡映面との両方に対して垂直な別の面(XZ)に対して対称な面を有する。各コイルが、中央面に対して垂直な軸線のまわりに巻き付けられるのが望ましい。動作時に、電流は鏡映面については対称となり中央面については非対称となって、システムの中心に、鏡映面に対して垂直でありかつ予め定められた方向にほぼ向けられた合成磁場Bが発生する。
【0037】
いくつかの実施形態では、磁気コイルは、4組のコイルからなるグループに構成され、4組のコイルは上述のように対称に配置される。
【0038】
磁場発生手段は、磁気共鳴画像化システムでの利用に適応させて、荷電粒子ビームの照射と同時に荷電粒子ビームの照射領域の磁気共鳴画像化を実施できるようにするのが望ましい。
【0039】
粒子線治療装置はさらにクライオスタット装置と傾斜磁場磁石アセンブリとを備えると望ましく、前記磁場発生手段は、超伝導が可能になる動作温度にするためにクライオスタット内に配置され、傾斜磁場磁石アセンブリは予め定められた面に磁場を生じさせて、磁気共鳴画像化を行えるようにする。
【0040】
本発明によれば、患者の磁気共鳴画像化と同時に患者に粒子線治療を実施するための方法も提供される。荷電粒子ビームが、患者の照射領域へ予め定められた方向に照射される。荷電粒子ビームの照射領域に均一な磁場が生じるが、前記磁場は予め定められた方向にほぼ向けられる。
【0041】
均一な磁場は、それぞれ導電材料からなる巻線を含む磁気コイルによって発生され、磁気コイルが中央面(XY)および鏡映面(YZ)について対称に配置され、鏡映面が中央面に対して垂直であり、それによりコイルが中央面と鏡映面との両方に対して垂直な別の面(XZ)に対して対称な面を有し、各コイルが、中央面に対して垂直な軸線のまわりに巻き付けられ、巻線は、動作時に電流が鏡映面については対称となり中央面については非対称となって、システムの中心に、鏡映面に対して垂直でありかつ予め定められた方向にほぼ向けられた合成磁場が発生するように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、磁気コイルは4組のコイルからなるグループに構成され、4組のコイルは上述のように対称に配置される。
【0043】
この方法には、さらに、超伝導が可能になる温度まで磁気コイルを冷却するステップと、電流方向が鏡映面については対称となり中央面については非対称となるように磁気コイルに電流を流すステップを含むことが可能である。
【0044】
本発明の説明は、単なる例証として限られた数の特定の実施形態に関して行われたが、当該技術者には明らかなように、付属の請求項の範囲内で本発明の多様な修正及び変更を導き出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の1つによる4つの磁石コイルによる構成の斜視図
【図2】2つのバナナコイル構成の比較を示す図
【図3】2つのバナナコイル構成の比較を示す図
【図4】本発明の別の実施形態による磁石コイルアセンブリの構成に関する斜視図
【図5】本発明の別の実施形態による構成の断面図
【図6】本発明の別の実施形態による凹部を備えた1組の扇形コイルの斜視図
【図7】MRIシステムの他のコンポーネントに関連して図6に例示のようなコイル構成を示す本発明の実施形態の1つのXZ面における断面図
【図8】磁束線に関連して図7に示すコイル構成に関するXZ面における磁場方向を示す図
【図8A】図7に示すコイル構成によって生じる磁場に関する磁束強度等高線を示す図
【図8B】図7に示すコイル構成によって生じる磁場に関する磁束強度等高線を示す図
【図8C】図7に示すコイル構成によって生じる磁場に関する磁束強度等高線を示す図
【図9】図7によるシステムのXZ面における5ガウスの線を示す図
【図10】代替実施形態を示す図
【図11】代替実施形態を示す図
【図12】代替実施形態を示す図
【図13】粒子線治療を実施するための、患者に対する粒子ビームの意図する照射方向を示す図
【図14A】粒子線治療を実施するための、患者に対する粒子ビームの意図する照射方向と共に、例示の従来のMRI磁石によって生じる磁場を示す図
【図14B】粒子線治療を実施するための、患者に対する粒子ビームの意図する照射方向と共に、例示の従来のMRI磁石によって生じる磁場を示す図
【符号の説明】
【0046】
111 コイル
112 コイル
114 コイル
116 コイル
210 円弧状バナナコイル
212 円弧状バナナコイル
214 円弧状バナナコイル
216 円弧状コイル
218 円弧状コイル
410 D字形コイル
412 D字形コイル
414 D字形コイル
416 D字形コイル
418 D字形コイル
420 D字形コイル
510 平面コイル
512 平面コイル
610 扇形コイル
612 扇形コイル
614 扇形コイル
616 扇形コイル
618 コイル間ギャップ
620 コイル間ギャップ
710 コイルグループ
712 コイルグループ
714 エンクロージャ
716 気密エンクロージャ
1012 中心コイル
1018 中心コイル
1024 中心コイル
1030 中心コイル
1210 バナナコイル
1212 補助矩形コイル
1214 バナナコイル
1216 補助矩形コイル
1218 バナナコイル
1220 補助矩形コイル
1222 バナナコイル
1224 補助矩形コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射領域へ予め定められた方向に荷電粒子ビームを照射するように構成された粒子線治療装置であって、予め定められた方向に荷電粒子ビームを向けるように構成された荷電粒子ビーム源と、前記荷電粒子ビームの照射と同時に前記照射領域を含む画像化ボリュームに磁場を発生する磁場発生手段とを備え、前記磁場発生手段は照射領域への前記荷電粒子ビームの進入を可能にしかつ前記荷電粒子ビームの照射領域に均一な磁場を生じさせるように構成され、前記磁場は予め定められた方向にほぼ向けられることを特徴とする粒子線治療装置。
【請求項2】
前記磁場発生手段は、それぞれ導電材料の巻線を含む磁気コイルを含み、前記磁気コイルが中央面(XZ)および鏡映面(YZ)について対称に配置され、前記鏡映面が前記中央面に対して垂直であり、それにより前記コイルが前記中央面と前記鏡映面との両方に対して垂直な別の面(XZ)に対する対称面を有し、
前記各コイルが、前記中央面に対して垂直な軸線のまわりに巻き付けられ、前記巻線は、動作時に電流が前記鏡映面について対称となり前記中央面について非対称となって、前記磁場発生手段の中心に、前記鏡映面に対して垂直でありかつ予め定められた方向にほぼ向けられた合成磁場を生じるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
【請求項3】
前記磁気コイルが4組のコイルからなるグループに構成され、前記4組の磁気コイルが請求項2に記載のように対称に配置されることを特徴とする請求項2に記載の粒子線治療装置。
【請求項4】
前記磁気コイルはD字形コイルを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の粒子線治療装置。
【請求項5】
前記磁気コイルはバナナコイルを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の粒子線治療装置。
【請求項6】
前記磁気コイルはサブコイルを含むことを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の粒子線治療装置。
【請求項7】
前記サブコイルは入れ子構成及び/または重なり合い構成で設けられることを特徴とする請求項6に記載の粒子線治療装置。
【請求項8】
前記コイルが非平面状であることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の粒子線治療装置。
【請求項9】
前記磁場発生手段が磁気共鳴画像化システムに用いるのに適していることを特徴とする請求項1乃至8の1つに記載の粒子線治療装置。
【請求項10】
さらに、クライオスタット装置と傾斜磁場磁石アセンブリとを備え、前記磁場発生手段がクライオスタット内に配置され、それによって超伝導が可能である動作温度になり、前記傾斜磁場磁石アセンブリが予め定められた面に磁場を発生させ、それによって磁気共鳴画像化を可能にすることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載の粒子線治療装置。
【請求項11】
画像化ボリュームの磁気共鳴画像化と、前記画像化ボリューム内の照射領域への荷電粒子ビームの照射とを同時に実施するための方法であって、前記画像化ボリューム内の照射領域へ予め定められた方向に荷電粒子ビームを照射し、前記荷電粒子ビームの照射領域に均一な磁場を与え、前記磁場が予め定められた方向にほぼ向けられることを特徴とする磁気共鳴画像化と照射領域への荷電粒子ビームの照射を同時に実施するための方法。
【請求項12】
前記均一な磁界が、それぞれ導電材料からなる巻線を含む磁気コイルによって発生され、前記磁気コイルが中央面(XY)および鏡映面(YZ)について対称に配置され、前記鏡映面が前記中央面に対して垂直であり、それにより前記コイルが前記中央面と前記鏡映面との両方に対して垂直な別の面(XZ)に対する対称面を有し、前記各コイルが前記中央面に対して垂直な軸線のまわりに巻き付けられ、前記巻線は、動作時に電流が前記鏡映面について対称となり前記中央面について非対称となり、システムの中心に、前記鏡映面に対して垂直な合成磁場を生じるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記磁気コイルが4組のコイルからなるグループに構成され、前記4組の磁気コイルが請求項12に記載のように対称に配置されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記磁気コイルを、超伝導が可能である温度まで冷却し、前記磁気コイルに電流を流して、電流方向が前記鏡映面について対称となり前記中央面について非対称となるようにすることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【公表番号】特表2008−543472(P2008−543472A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517610(P2008−517610)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/GB2006/050160
【国際公開番号】WO2006/136865
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(505409214)シーメンス マグネット テクノロジー リミテッド (33)
【Fターム(参考)】