説明

磁気構成要素組立体

例えばインダクタ及び変圧器のような表面実装磁気構成要素を提供する際に有利に利用される、磁性本体として形成された成形可能な磁性材料と、少なくとも1つの導電性コイルと、端子機能部とを含む磁気構成要素組立体が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、概ね磁気構成要素及びこれらの製造に関し、そしてより具体的には、例えばインダクタ及び変圧器のような磁気的な表面実装電子構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
電子パッケージングの進歩に伴って、より小型の、しかしより強力な電子デバイスの製造が可能になってきている。このようなデバイスのサイズ全体を縮小するために、これらを製造するのに使用される電子構成要素はますます小型化してきている。このような要件に見合うための電子構成要素の製造は多くの難題をもたらし、これにより、製造プロセスをより高価なものにし、そして電子構成要素のコストを望ましくないほど増大させている。
【0003】
例えばインダクタ及び変圧器のような磁気構成要素の製造方法が、他の構成要素と同様に、競争の激しい電子デバイス製造業界においてコストを低減する手段として吟味されている。製造コストの低減は、製造される構成要素が低価格で大量生産の構成要素であるときに特に望ましい。このような構成要素及びこれらの構成要素を利用する電子デバイスのための大量生産工程では、製造コストのいかなる低減も有意義である。
【発明の概要】
【0004】
磁気構成要素組立体及び組立体の製造方法の模範的な実施態様をここに開示する。これらの実施態様は次のような利点、即ち:小型化されたレベルでより製造しやすい構成要素構造;小型化されたレベルでより容易に組み立てられる構成要素構造;周知の磁気構造に共通の製造工程を排除するのを可能にする構成要素構造;より効果的な製造技術によって信頼性が高められた構成要素構造;既存の磁気構成要素と比較して同様の又は低減されたパッケージ・サイズにおいて改善された性能を有する構成要素構造;在来の小型化された磁気構成要素と比較して電力容量が高められた構成要素構造;及び、周知の磁気構成要素組立体と比べて明確な性能上の利点をもたらす独自のコア・コイル構造を有する構成要素構造;のうちの1つ以上を達成するために有利に利用される。
【0005】
模範的な磁気構成要素組立体は、例えばインダクタ及び変圧器を構成するのに特に有利であると考えられる。前記組立体は、小型パッケージ・サイズで信頼性高く提供することができ、回路基板への設置を容易にするための表面実装機能を含むことができる。
【0006】
技術分野における数多くの困難を克服する本発明の電子構成要素の構成の模範的な実施態様をここで説明する。本発明を最大限に理解するために、別々のセグメント又はパートで下記のような開示内容を提供する。パートIでは具体的な問題点及び難点を論じ、またパートIIでは、このような問題点を克服するための模範的な構成要素の構造及び組立体について記述する。
【0007】
I.発明の概論
回路基板用途のためのインダクタのような在来の磁気構成要素は典型的には、磁気コアと、前記コア内部のコイルと呼ばれることもある導電性巻線とを含んでいる。コアは、磁性材料から製作された分離したコア片から製作されていて、前記コア片の間に巻線が配置されている。種々の形態及び種々のタイプのコア片及び組立体が当業者に知られており、これらの一例としては、UコアとIコアの組立体、ERコアとIコアの組立体、ERコアとERコアの組立体、ポット・コアとTコアの組立体、及び他の適合する形状が挙げられる。分離したコア片は、接着剤で1つに結合されて、典型的には互いに物理的に所定のスペース又はギャップを置かれる。
【0008】
いくつかの周知の構成要素の場合、例えば、コイルは、コア又は端子クリップの周りに巻かれた導電性ワイヤから製作されている。すなわち、ワイヤは、コア片が完全に形成された後、ドラムコア又は他にボビンコアと呼ばれることのあるコア片の周りに巻き付けられる。コアのそれぞれの自由端は、リードと呼ばれ、そして回路基板への直接取付けによるか又は端子クリップを介した間接接続によるかして、インダクタを電気回路に結合するために使用される。特に、小さなコア片の場合、コイルを費用効果及び信頼性の高い様態で巻くことは難題である。手巻きの構成要素はその性能に一貫性がない傾向がある。コア片の形状は、コア片を極めて脆弱にし、コイルが巻かれるとコアに亀裂が生じやすく、またコア片間のギャップの変動により、構成要素の性能に望まれない変動が生み出されるおそれがある。更なる難題は、直流抵抗(「DCR」)が、巻き線プロセス中の巻き及び張力が不均一であることに起因して望ましくなく変動し得ることである。
【0009】
他の周知の構成要素において、周知の表面実装磁気構成要素のコイルは、コア片とは別に製作され、後でコア片と一緒に組み立てられるのが典型的である。すなわち、これらのコイルはコイルの手巻きに起因する問題を回避して、磁気構成要素の組立を単純にするための予成形(pre-formed)又は予巻回(pre-wound)コイルと呼ばれることがある。このような予成形コイルは、小さなサイズの構成要素にとって特に有利である。
【0010】
磁気構成要素が回路基板上に表面実装されるときに、コイルへの電気的な接続を形成するために、導電性端子又はクリップが典型的には設けられる。これらのクリップは成形コア片上で組み立てられ、そしてコイルのそれぞれの端部に電気的に接続される。端子クリップは典型的には、ほぼ平らで平面的な領域を含んでおり、これらの領域は、例えば周知のはんだ付け技術を用いて回路基板上の導電性のトレース及びパッドに電気的に接続される。このように接続され、そして回路基板に電圧が加えられると、電流が回路基板から端子クリップのうちの一方に流れ、更にコイルを通って、端子クリップのうちの他方に流れ、そして回路基板に戻る。インダクタの場合、コイルを通る電流は磁界及び磁気エネルギーを磁気コア内に誘導する。2つ以上のコイルが設けられてよい。
【0011】
変圧器の場合、一次コイルと二次コイルとが設けられ、一次コイルを通る電流が二次コイル内に電流を誘導する。変圧器構成要素の製造はインダクタ構成要素と同様の難題をもたらす。
【0012】
ますます小型化される構成要素の場合、物理的なギャップを有するコアを提供することは難しい。一貫したギャップ・サイズの確立及び維持は、費用効果及び信頼性の高い様態で達成するのが難しい。
【0013】
小型化された表面実装磁気構成要素におけるコイルと端子クリップとの間に電気的な接続を形成することに関しても、数多くの実際的な問題が生じる。コイルと端子クリップとの間の極めて脆弱な接続がコアの外部で形成されるのが典型的であり、この接続は結果として断絶されやすい。いくつかの事例では、コイルとクリップとの間の信頼性の高い機械的及び電気的な接続を保証するために、クリップの一部の周りにコイルの端部を巻き付けることが知られている。しかしながら、このことは製造の観点からうんざりすることが判っており、より簡単で迅速な成端手段があれば望まれている。加えて、コイル端部の巻き付けは、細い丸ワイヤ構造ほど柔軟ではない例えば平らな表面を有する方形断面のコイルのような或る特定のタイプのコイルにとっては実際的ではない。
【0014】
電子デバイスがますます強力になる最近の傾向が続いているのに伴って、例えばインダクタのような磁気構成要素も、より大量の電流を伝導することが必要となる。結果として、コイルを製造するために使用される線番号も増大するのが典型的である。コイルを製作するために使用されるワイヤのサイズが増大するので、コイルを製造するために丸ワイヤが使用される場合、例えばはんだ付け、溶接、又は導電性接着剤などを利用して端子クリップに対する機械的及び電気的接続を申し分なく形成するために、端部は典型的には好適な厚さ及び幅まで平たくされる。しかし、ワイヤゲージが大きければ大きいほど、コイルの端部を端子クリップに好適に接続するために、コイルの端部を平らにすることは難しくなる。このような困難の結果、コイルと端子クリップとの接続が一貫したものでなくなり、このことが、使用時の磁気構成要素の望ましくない性能問題及びばらつきを招くおそれがある。このようなばらつきを減らすことは、極めて難しく費用を要することが判っている。
【0015】
丸導体ではなく平角導体からコイルを製作すると、或る特定の用途に対してはこのような問題は軽減されるが、平角導体は、剛性がより高い傾向を有し、先ず第一にコイルとして形成するのをより難しくするので、他の製造問題を持ち込む傾向がある。丸導体とは異なり平角導体を使用すると、構成要素の使用時の性能を、あるときには望ましくなく変えてしまうことがある。加えて、特に平角導体から製作されたコイルを含む、いくつかの周知の構造では、端子クリップに対する接続を容易にするために、フックのような成端形体、又はその他の構造的形体をコイルの端部に形成することがある。しかしながら、このような形体をコイルの端部に形成すると、製造工程に更なる費用を持ち込むおそれがある。
【0016】
電子デバイスのサイズを低減するが、しかし出力及び能力を増大させるという最近の傾向は、更なる難題をもたらす。電子デバイスのサイズが低減されるのに伴って、デバイス内で利用される電子構成要素のサイズも相応に低減されなければならず、従って、デバイスを作動させるために増大した量の電流を運ぶにもかかわらず、比較的小型の、時には小型化された構造を有するパワーインダクタ及び変圧器を経済的に製造するように努力が為されている。磁気コア構造は、電子デバイスのスリムな、そして時には極めて薄い側面輪郭を可能にするために回路基板に関してますます低い側面輪郭を有するように提供されることが望ましい。このような要件を満たすためには更なる難題が生じる。多相電力システムに接続される構成要素に対して更に別の困難が生じ、その場合小型化されたデバイス内で異なる相の電力に対応することが難しい。
【0017】
磁気構成要素の専有面積及び側面輪郭を最適化しようという努力が、現代の電子デバイスの寸法的な要件を満たすことを目指す構成要素製造業者にとって重大である。回路基板上のそれぞれの構成要素は一般に、回路基板に対して平行な平面内で測定された垂直の幅及び奥行き寸法によって画定することができる。この幅と奥行きとの積は、回路基板上の構成要素によって占有される表面積を決定する。この表面積は構成要素の「専有面積」と呼ばれることがある。他方において、回路基板に対して直角又は垂直な方向において測定された構成要素の全高は、構成要素の「側面輪郭」と呼ばれることがある。構成要素の専有面積は、構成要素をいくつ回路基板上に設置することができるかをある程度決定し、そして側面輪郭は、電子デバイス内の互いに平行な回路基板間に許されるスペースをある程度決定する。電子デバイスが小さくなればなるほど、存在するそれぞれの回路基板上により多くの構成要素を設置すること、又は隣接する回路基板との間の空隙を小さくすること、又はその両方が求められる。
【0018】
しかしながら、磁気構成要素と一緒に使用される多くの周知の端子クリップは、回路基板に表面実装されると、前記構成要素の専有面積及び/又は側面輪郭を増大させる傾向がある。すなわちクリップは、回路基板に装着されると、構成要素の奥行き、幅及び/又は高さを拡大して、構成要素の専有面積及び/又は側面輪郭を望ましくなく増大させる傾向がある。具体的には、コアの上側部分、下側部分、又は側方部分において磁気コア片の外面に被せ嵌められたクリップの場合、完成した構成要素の専有面積及び/又は側面輪郭は端子クリップによって拡大されることがある。構成要素の側面輪郭又は高さの拡大が比較的小さなものであっても、構成要素及び回路基板の数が所与の電子デバイスにおいて多くなるのに伴って、その結果はかなりなものになる。
【0019】
II.模範的な本発明の磁気構成要素組立体及び製造方法
従来技術における在来の磁気構成要素の問題点のうちのいくつかに対処する、磁気構成要素組立体の模範的な実施態様をここで論じる。考察の目的上、構成要素組立体及び製造方法の模範的な実施態様を、従来技術における具体的な懸念に対処する共通の構造的特徴に関連してまとめて論じるが、論じられた模範的な実施態様は下記に示す分類だけに限られるものでは必ずしもない。
【0020】
記載のデバイスと関連する製造工程は、一部は明白であり、また一部は具体的に下で説明する。同様に、記載の方法の工程と関連するデバイスも一部は明白であり、また一部は下で明示的に説明する。すなわち、本発明のデバイス及び方法は、下記において必ずしも別個に記述するわけではないが、しかし更に説明しなくても、当業者の視野内に十分に含まれると思われる。
【0021】
磁気構成要素の種々の実施態様を、既存の磁気構成要素を凌ぐ製造上及び組み立て上の利点をもたらす磁性本体構造及びコイル構造を含めて以下に説明する。下記において明らかになるように、利点は少なくとも一部は、コイルに被さるように成形される磁性材料を利用することからもたらされ、これにより、分離してギャップを有するコアとコイルとの組立工程が排除される。また磁性材料は、分散ギャップ特性を有しており、これらの分散ギャップ特性は、異なる磁性材料片に物理的なギャップを形成するか、又はこれらの磁性材料片を分離するいかなる必要性をも回避する。従って、一貫した物理的ギャップのサイズを確立して維持することに伴う困難及び費用が有利に回避される。さらに他の利点は一部は明白であり、また一部は後で指摘する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の模範的な1実施態様に従って形成された第1の模範的な磁気構成要素組立体の分解図である。
【図2】図2は、図1に示されている磁気構成要素組立体のための第1の模範的なコイルの斜視図である。
【図3】図3は、図2に示されたコイルのワイヤの断面図である。
【図4】図4は、図1に示されている磁気構成要素組立体のための第2の模範的なコイルの斜視図である。
【図5】図5は、図4に示されたコイルのワイヤの断面図である。
【図6】図6は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第2の模範的な磁気構成要素組立体の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第3の模範的な磁気構成要素組立体の斜視図である。
【図8】図8は、図7に示される構成要素の組立図である。
【図9】図9は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第4の模範的な磁気構成要素組立体の斜視図である。
【図10】図10は、図9に示された構成要素組立体の底面斜視図である。
【図11】図11は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第5の模範的な磁気構成要素組立体の斜視図である。
【図12】図12は、図11に示された構成要素組立体の頂面斜視図である。
【図13】図13は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第6の模範的な磁気構成要素組立体の分解図である。
【図14】図14は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第7の模範的な磁気構成要素組立体の分解図である。
【図15A】図15Aは、本発明の模範的な実施態様による磁気構成要素組立体の製造段階の図である。
【図15B】図15Bは、本発明の模範的な実施態様による磁気構成要素組立体の製造段階の図である。
【図15C】図15Cは、本発明の模範的な実施態様による磁気構成要素組立体の製造段階の図である。
【図15D】図15Dは、本発明の模範的な実施態様による磁気構成要素組立体の製造段階の図である。
【図16】図16は、図15に示された磁気構成要素の端面図である。
【図17】図17は、本発明の模範的な実施態様に従って形成された第9の模範的な磁気構成要素組立体の部分分解図である。
【図18】図18は、本発明の模範的な実施態様によるコイル組立体の図である。
【図19】図19は、第2製造段階における、図18に示されたコイル組立体を示す図である。
【図20】図20は、図19に示された組立体の別の製造段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示されているように、磁気構成要素組立体100は、層状構造を成して製作され、複数の層がバッチ・プロセスで積み重ねられ組み立てられる。
【0024】
図示の組立体100は、外側の磁気層102及び104と、内側の磁気層106及び108と、コイル層110とを含む複数の層を含んでいる。内側の磁気層106及び108は、コイル層110の対向する側に位置決めされており、間にコイル層110を挟んでいる。外側の磁気層102及び104は、コイル層110の対向する側の内側の磁気層106及び108の表面上に位置決めされている。
【0025】
模範的な実施態様の場合、磁気層102、104,106及び108のそれぞれは、成形可能な磁性材料から製作される。前記成形可能な磁性材料は、例えば、当業者ならば疑いなく価値を認めるような分散ギャップ特性を有する磁性粉末粒子と高分子バインダーとの混合物である。磁気層102,104,106及び108は、従ってコイル層110の周りで加圧され、そして互いに加圧されることにより、コイル層110の上方、下方、及び周囲に一体的又はモノリシックな磁性本体112を形成することができる。4つの磁気層及び1つのコイル層が示されているが、これよりも多い又は少ない数の磁気層と2つ以上のコイル層110とを更なる実施態様及び/又は別の実施態様において利用することもできる。
【0026】
図1に示されているようなコイル層110は、巻線と呼ばれることもある複数のコイルを含んでいる。任意の数のコイルがコイル層110内で利用されてよい。コイル層110内のコイルは、例えば上で参照した同一所有者による関連する特許出願明細書に記載されているものを含む導電性材料から任意の様態で製作されてよい。例えば、種々異なる実施態様におけるコイル層110はそれぞれ、所定の巻き数に対応して軸線を中心として巻かれた平角ワイヤ導体から形成されるか、又は所定の巻き数に対応して軸線を中心として巻かれた丸ワイヤ導体から形成されるか、又は剛性の又は柔軟な基板材料上にプリント技術などを施すことにより形成されてよい。
【0027】
コイル層110内のそれぞれのコイルは、完全な一巻き未満の断片的又は部分的な巻きを含む任意の数の巻き又はループを含むことによって、所期の磁気効果、例えば磁気構成要素のインダクタンス値を達成することができる。巻き又はループは、その端部で接合された直線形導電路、湾曲形導電路、らせん形導電路、蛇行形導電路、又はその他の周知の幾つかの形状及び形態を含み得る。コイル層110内のコイルは、ほぼ平面状の要素として形成されてよく、或いは三次元の自立型コイル要素として形成されてもよい。自立型コイル要素が使用される後者の場合、自立型要素は、製造を目的とするリードフレームに結合されてよい。
【0028】
磁気層102,104,106及び108を形成するために使用される磁性粉末粒子は、種々の実施態様において、フェライト粒子、鉄(Fe)粒子、センダスト(Fe−Si−Al)粒子、MPP(Ni−Mo−Fe)粒子、ハイフラックス(HighFlux)(Ni−Fe)粒子、メガフラックス(Megaflux)(Fe−Si合金)粒子、鉄系非晶質粉末粒子、コバルト系非晶質粉末粒子、又は当業者に知られたその他の同等の材料であってよい。このような磁性粉末粒子が高分子バインダー材料と混合されると、結果として生じる磁性材料は分散ギャップ特性を呈する。これらの分散ギャップ特性は、異なる磁性材料片に物理的なギャップを形成するか、又はこれらの磁性材料片を分離するいかなる必要性をも回避する。このようなものとして、一貫した物理的ギャップ・サイズを確立して維持することに伴う困難及び費用が有利に回避される。高電流用途の場合、予めアニールされた磁性非晶質金属粉末を高分子バインダーと組み合わせることが有利であると考えられる。
【0029】
種々異なる実施態様の場合、磁気層102,104,106及び108は、同じタイプの磁性粒子又は異なるタイプの磁性粒子から製作されてよい。すなわち、一つの実施態様では、層102,104,106及び108が同一とは言わないまでもほぼ同様の磁気特性を有するように、全ての磁気層102,104,106及び108は、同一タイプの磁性粒子から製作されてよい。しかしながら別の実施態様の場合、層102,104,106及び108のうちの1つ以上を、他の層とは異なるタイプの磁性粉末粒子から製作することもできる。例えば、内側の層106及び108が外側の磁気層102及び104とは異なる特性を有するように、内側の磁気層106及び108は、外側の磁気層102及び104とは異なるタイプの磁性粒子を含んでよい。完成済みの構成要素の性能特性は、利用される磁気層の数、及び磁気層のそれぞれを形成するために使用される磁性材料のタイプに応じて相応に変化してよい。
【0030】
図1が示すように、磁気層102,104,106及び108は、比較的薄いシートとして提供されてよい。これらのシートは、コイル層110と一緒に積み重ねられて、積層工程で、又は当業者に知られる他の技術を介して互いに接合される。磁気層102,104,106及び108は、別の製造段階で予め製作することにより、後続の組立段階における磁気構成要素の形成を単純にすることができる。
【0031】
加えて、磁気材料は、例えば圧縮成形技術によって、又は層をコイルに結合して磁性本体を所望の形状に形成するための他の技術によって、所望の形状に有益に成形することができる。材料を成形する能力は、コイルを含む一体的又はモノリシックな構造として、コイル層110の周りに磁性本体が形成されて、コイルを磁気構造に組み付ける別の製造工程が回避される点で有利である。磁性本体の種々様々な形状を種々の実施態様において提供することができる。
【0032】
構成要素組立体100が1つに固定されると、組立体100はカット、ダイシング、単一化、又はその他の形で分離することによって、分離した個々の構成要素にされる。それぞれの構成要素は、所期の最終使用又は最終用途に応じて、単一のコイル又は複数のコイルを含むことができる。表面実装成端構造、例えば関連出願に記載された又は下で論じられる成端構造のうちのいずれかを、構成要素が単一化される前又は後に、組立体100に設けることができる。構成要素は、周知のはんだ付け技術などを使用して、回路基板の表面に実装することにより、基板上の回路と磁気構成要素内のコイルとの間の電気的な接続を確立することができる。
【0033】
構成要素は具体的には、直流(DC)電力用途、単相電圧コンバータ電力用途、二相電圧コンバータ電力用途、三相電圧コンバータ電力用途、及び多相電力用途において変圧器又はインダクタとして使用するために適合させることができる。種々様々な実施態様において、コイルは、種々異なる目的を達成するために、構成要素それ自体の中で、又はコイルが装着されている回路基板の回路を介して電気的に直列又は並列接続される。
【0034】
2つ以上の独立したコイルが1つの磁気構成要素内に設けられるときには、コイルは、コイル間で共有する磁束があるように配列されてよい。すなわち、コイルは、単一の磁性本体の部分を通る共通の磁束通路を利用する。
【0035】
バッチ製作法が図1に示されているが、言うまでもなく、必要に応じて他の方法を用いて、個々の分離した磁気構成要素を製作することもできる。すなわち、例えば個々のデバイスに対して所望の数のコイルだけを取り囲むように、成形可能な磁気材料を加圧することができる。一例としては、多相電力用途の場合、成形可能な磁気材料を、2つ以上の独立したコイルの周りで加圧して、必要な任意の成端構造を付加することによって完成され得る一体形の磁性本体・コイル構造を提供することができる。
【0036】
図2は、例えば上記のもののような磁気構成要素を組み立てる上で利用することができる第1の模範的なワイヤコイル120の斜視図である。図2に示すように、ワイヤコイル120は、リードとも呼ばれる対向する端部122及び124を含み、巻線部分126が端部122及び124の間で延びている。コイル120を製作するために使用されるワイヤ導体は、銅、又は当業者に知られている別の導電性金属、又は合金から製作されてよい。
【0037】
ワイヤは、所期の効果、例えば構成要素の選択された最終使用又は最終用途に対応する所期インダクタンス値を達成するために、所定の巻き数を有する巻線部分126を提供するように、周知の方法で軸線128の周りに柔軟に巻かれてよい。当業者には明らかなように、巻線部分126のインダクタンス値は、主としてワイヤの巻き数、コイルを製作するために使用されるワイヤの具体的な材料、及びコイルを製作するために使用されるワイヤの断面積に依存する。このようなものとして、コイル巻き数、巻きの配列、及びコイル巻線部分の断面積を変化させることによって、磁気構成要素のインダクタンス等級を、種々異なる用途に合わせて大幅に変化させることができる。製造を目的としてコイル層110(図1)を形成するために、多くのコイル120が予め製作されてリードフレームに接続されてよい。
【0038】
図3は、コイル120(図2)を製作するために使用されるワイヤの更なる形体を示すコイル端部124の断面図である。コイル端部124だけが示されているが、コイル全体も同様の形体を有していることは言うまでもない。他の実施態様では、図3に示された形体がコイルの全ての部分ではなくいくつかの部分に提供することができる。一例としては、図3に示された形体が、巻線部分126(図2)に提供されるが端部122,124には提供されない。他の変更形も同様に可能である。
【0039】
ワイヤ導体130は断面の中心に見られる。図3に示された例の場合、ワイヤ導体130は断面がほぼ円形であり、従ってワイヤ導体は丸ワイヤと呼ばれることがある。ワイヤ導体130に高温絶縁体132を被せることにより、構成要素組立体が製造される時の成形工程に伴う温度上昇中にワイヤ導体を保護することができる。本明細書中で使用される「高温」とは概ね260℃以上の温度であると考えられる。このような目的にとって十分な任意の絶縁材料を、例えば塗布技術又は浸漬技術を含む任意の周知の方法で提供することができる。
【0040】
図3にも示されているように、結合剤134も備えられており、異なる実施態様における結合剤134は、構成要素組立体の製造中に、熱活性化又は化学的に活性化されてよい。結合剤は、付加的な構造強度及び完全性、並びにコイルと磁性本体との間の改善された結合を提供するので有益である。このような目的に適した結合剤は、例えば塗布技術又は浸漬技術を含む任意の周知の方法で提供することができる。
【0041】
絶縁体132及び結合剤134は有利ではあるが、これらは種々異なる実施態様において個別にも集合的にも任意選択的なものであると考えられてよい。すなわち、絶縁体132及び/又は結合剤134は全ての実施態様に存在する必要はない。
【0042】
図4は、コイル120(図2)の代わりに、磁気構成要素組立体100(図1)内で使用することができる第2の模範的なワイヤコイル140の斜視図である。図4に示すように、ワイヤコイル140は、リードとも呼ばれる対向する端部142及び144を含み、巻線部分146が端部142及び144の間で延びている。コイル140を製作するために使用されるワイヤ導体は、銅、又は当業者に知られている別の導電性金属、又は合金から製作されてよい。
【0043】
ワイヤは、所期の効果、例えば構成要素の選択された最終使用又は最終用途に対応する所期インダクタンス値を達成するために、所定の巻き数を有する巻線部分146を提供するように、周知の方法で軸線148の周りに柔軟に形成されるか又は巻かれてよい。
【0044】
図5に示されているように、ワイヤ導体150は断面の中心に見られる。図5に示された例の場合、ワイヤ導体150は、断面がほぼ細長い方形であり、ほぼ平らで平面的な対向面を有する。従ってワイヤ導体150は、平角ワイヤ(フラット・ワイヤ)と呼ばれることがある。高温絶縁部材132及び/又は結合材134を上記のように任意選択的に設けることにより同様の利点が得られる。
【0045】
コイル120又は140を製作するために、ワイヤ導体の更に他の形状が可能である。すなわち、ワイヤは丸い又は平たいものである必要はなく、必要に応じて他の形状を有してよい。
【0046】
図6は別の磁気構成要素組立体160を示しており、前記磁気構成要素組立体160は通常、磁性本体162を形成する成形可能な磁性材料と、前記磁性本体に結合された複数の多重巻きワイヤコイル164とを含む。前述の実施態様と同様に、磁性本体162は比較的単純な製造プロセスでコイル164の周りで加圧される。コイル164は、磁性本体内で互いに間隔を置かれており、磁性本体162内で独立に操作可能である。図6に示されているように、3つのワイヤコイル164が設けられているが、これよりも多い又は少ない数のコイル164が他の実施態様において設けられてもよい。加えて、図6に示されたコイル164は、丸ワイヤ導体から製作されているが、本明細書中に記載されたもの、又は上記関連出願に記載されたもののいずれかを含む他のタイプのコイルを代わりに使用してもよい。コイル164には、上述のような高温絶縁体及び/又は結合剤を任意選択的に設けることもできる。
【0047】
磁性本体162を形成する成形可能な磁性材料は、上述の材料、又は当業者に知られたその他の好適な材料のうちのいずれかであってよい。バインダーと混合された磁性粉末材料は有利であるとは思われるものの、磁性本体162を形成する磁性材料のためには、粉末粒子も、非磁性バインダー材料も絶対に必要というわけではない。加えて、上記のような成形可能な磁性材料はシート又は層として提供される必要もなく、圧縮成形技術又は当業者に知られたその他の技術を用いてコイル164に直接に結合されてもよい。図6に示された磁性本体162は、ほぼ細長い方形であるが、磁性本体162の他の形状も可能である。
【0048】
コイル164は、コイル間で共有する磁束があるように磁性本体162内に配列されてよい。すなわち、隣接するコイル164同士は、磁性本体の部分を通る共通の磁束通路を共有することができる。
【0049】
図7及び8は、磁性本体172を形成する粉末磁性材料と、磁性本体に結合されたコイル120とを含む別の小型化された磁気構成要素組立体170を示している。磁性本体172は、コイル120の一方の側に成形可能な磁気層174,176,178を有するように、そしてコイル120の反対側に成形可能な磁気層180,182,184を有するように製作されている。6つの磁気材料層が示されているが、言うまでもなく、これよりも多いか又は少ない数の磁気層が更なる且つ/又は代わりの実施態様において設けられてよい。
【0050】
模範的な実施態様において、磁気層174,176,178,180,182,184は、上述の粉末材料、又は当業者に知られたその他の粉末磁性材料のうちのいずれかであってよい。磁性材料層が図7に示されているが、粉末磁性材料は任意選択的には、上記の層を形成するための事前製作工程なしに、加圧するか又は他の形式で粉末の形態で直接コイルに結合してもよい。
【0051】
層174,176,178,180,182,184が、同一とは言わないまでも同様の磁気特性を有するように、全ての層174,176,178,180,182,184を同じ磁性材料から製作してよい。別の実施態様の場合、層174,176,178,180,182,184のうちの1つ以上が磁性本体172内の他の層とは異なる磁性材料から製作されてよい。例えば、層176,180及び184が第1の磁気特性を有する第1の成形可能な材料から製作されて、層174,178及び182が第1の磁気特性とは異なる第2の特性を有する第2の成形可能な材料から製作されてよい。
【0052】
前の実施態様とは異なり、磁気構成要素170は、コイル120に挿入された成形コア要素186を含んでいる。模範的な実施態様の場合、成形コア要素186は、磁性本体172とは異なる磁性材料から製作されてよい。成形コア要素186は、例えば上記のものを含む、当業者に知られた任意の材料から製作されてよい。図7及び8に示されているように、成形コア要素186は、コイル120の中央開口188の形状に対して相補的なほぼ円筒形状になるように形成することができるが、非円筒形開口を有するコイルとともに非円筒形状を用いることも考えられる。更に他の実施態様では、成形コア要素186及びコイル開口は、相補的な形状を有することを必要としない。
【0053】
成形コア要素186は、コイル120内の開口186を通って延びており、次いで磁性本体172を完成するために、成形可能な磁性材料がコイル120及び成形コア要素186の周りで成形される。成形コア要素186及び磁性本体172の異なる磁気特性は、成形コア要素186のために選ばれた材料が、磁性本体172を形成するために使用される成形可能な磁性材料よりも良好な特性を有する場合に特に有利である。こうして、コア要素186を通過する磁束通路は、磁性本体がそうではなく提供した場合の性能よりも良好な性能を提供することができる。成形可能な磁性材料の製造上有利な点は、磁性本体全体が成形コア要素186の材料から製作される場合よりも構成要素のコストを低くすることである。
【0054】
1つのコイル120及びコア要素186が図7及び8に示されているが、2つ以上のコイル及びコア要素が磁性本体172内に同様に設けられることも考えられる。加えて、本明細書中に記載されたもの、又は上記関連出願に記載されたもののいずれかを含む他のタイプのコイルを必要に応じてコイル120の代わりに利用してもよい。
【0055】
図9及び10は、図6に示された組立体と同様の別の磁気構成要素組立体200を示しているが、ここでは、磁性本体の表面206を通って突出する各コイル164の対向するコイル端部202及び204を示す。各コイルのコイル端部202,204は一実施態様では、回路基板にスルーホール実装されてよい。別の実施態様の場合、コイル端部202,204は他の端子構造に電気的に接続され、次に前記他の端子構造は回路基板に実装されてよい。前記他の端子構造は、例えば下で論じられるもの及び本明細書中で特定された関連出願明細書に記載されているものを含む。
【0056】
図11及び12は、複数のコイル140と、前記複数のコイル140の周りで加圧された磁性本体222とを含む別の磁気構成要素組立体220を示している。磁性本体222は、上記の成形可能な磁気材料のうちのいずれかから製作されてよい。各コイル140の遠位端部224,226は、磁性本体の側縁部228,230の周りに巻き付き、そして磁性本体222の底面232まで延び、その場所で回路基板に表面実装されるように成形されている。遠位端部224,226の巻き付き部分は、コア構造において一体的に提供されるか、或いは別個に提供されて成端目的でコイル140に結合されてよい。
【0057】
図13は、フレキシブル回路基板技術を用いて製作されたコイル242を含む磁気構成要素組立体240を示している。例えば上述したような成形可能な磁性材料から成る層をコイル242,244の周りで圧縮してこれらのコイルに結合することにより、コイル242,244を内に含む磁性本体を形成することができる。
【0058】
2つのコイルが図13に示されているが、言うまでもなく、これよりも多いか又は少ない数のコイルが他の実施態様において提供されてよい。加えて、ほぼ正方形のコイル242,244が図13に示されているが、他の形状のコイルも可能であり、またこれらを利用することもできる。フレキシブルプリント回路コイル242,244は、磁性本体内部に磁束共有関係を成して位置決めされてよい。
【0059】
フレキシブルプリント回路コイル242,244は、一例において、端子パッド250及び磁性本体の側方の金属化開口252を介して電気的に接続されていてよいが、その代わりに他の成端構造が他の実施態様において使用されてもよい。
【0060】
図14は、フレキシブルプリント回路コイル261及び成形可能な磁性材料層262,264及び266を含む、別の磁気構成要素組立体260を示している。磁性材料は成形可能であり、そして上述の材料のいずれからも製作することができる。磁性材料層は、フレキシブルプリント回路コイル261の周りで加圧されて、それに固定されている。
【0061】
図13に示された組立体240とは異なり、組立体260は、図14に示されているように、層262,264に形成された開口268,270を含む。開口は成形コア要素272,274を受容し、前記成形コア要素272,274は、磁気層262,264及び266とは異なる磁気材料から製作されてよい。コア要素274は、コイル261に設けられた開口278を通って延びる中央ボス276を含んでいる。コア要素272及び274は、磁性本体が磁気層から形成される前又は形成された後に設けられてよい。
【0062】
なお、図14に示されているよりも多い又は少ない層を他の実施態様において提供してもよい。加えて、2つ以上のコイル261を設けることもでき、またコイル261は両面に形成されてもよい。種々の形状のコイルを利用してよい。
【0063】
図13及び14に示されている実施態様は磁気層から製作されているが、前記実施態様は、上述のように最初に層に形成されることなしに、フレキシブルプリント回路コイルの周りで直接加圧された磁性粉末材料から製作することもできる。
【0064】
図15A,15B,15C及び15Dはそれぞれ、上記のもののような、コイルの周りに形成された磁性本体302を有する磁気構成要素組立体300に端子構造を取り付ける製造段階を示している。磁性本体302が図15Aに示されているように形成された後、コイルの対向する端部又はリード304,306は、磁性本体302の対向する縁部又は面308,310から突出して、これらを超えて延びている。従って、コイル端部304及び306は、成端を目的として磁性本体302の外側に露出している。コイル端部304,306は丸ワイヤ導体として示されているが、コイル端部の他の形状が、他のタイプのコイルとともに可能であって、代わりに利用することもできる。加えて、模範的な実施態様において、コイル及びそのコイル端部304,306は、バリア被覆を施された銅導体から製作されるが、必要に応じて他の導電性材料を利用することもできる。
【0065】
図15Bに示されているように、コイル端部304,306は、磁性本体302の側縁部308,310に対してほぼ平行に、そしてこれらに対して実質的に面一で延びるように、曲げられるか又は折り曲げられる。
【0066】
図15Cに示されているように、磁性本体302の側縁部308,310は金属化されて、側縁部308,310に薄い導電性材料層312を形成している。導電性材料層312は、折り曲げられたコイル端部304,306(図15B)を覆い、そしてコイル端部304,306との電気的な接続を確立している。導電性材料層312は、一例において金属浴内に縁部を浸漬することによって、又は当業者に知られている他の技術によって形成され得る。
【0067】
図15Dに示されているように、次いで、図15Cに示された金属化表面に被さるように、めっきされた包み込み(wrap around)端子314,316が形成されてよい。端子314,316は、回路基板との最適な接続のために、ニッケル/錫(Ni/Sn)めっき構造を含むことができる。端子314,316が形成されたら、構成要素330は回路基板に表面実装され得る。
【0068】
別の実施態様の場合、そして図16に示されているように、コイル・リード320との電気的な接続を容易にするために、コイル・リード320の遠位端部に界面材料322が備えられてよい。模範的な実施態様の場合、界面材料322は、コイル導体324を製作するために使用される導電性材料とは異なる導電性材料である。界面材料322は、図示のようなコイル・リード320の端部表面にだけ設けられるか、或いは端部表面及び端部表面に隣接するコイル・リード320の側面の1つ以上に塗布されてもよい。異なる実施態様において、界面材料322は液体導電性材料である。別の実施態様において、界面材料322は電着金属である。さらに他の周知の界面材料が可能でありまた使用することができる。
【0069】
界面材料技術は、上記コイルのいずれにも、コイルとの電気的な接続を改善するために、コイルの対向する端部又はリードの一方又は両方に適用することができる。平角導体が図16に示されているが、導体の他の形状も可能である。界面材料322が施されたら、本明細書中に記載された端子構造又は技術のいずれか、又は上で特定された関連出願に記載された任意の端子構造又は技術を用いて、又は他の周知の端子構造又は技術を介して、回路に対する表面実装接続を形成するために、コイル端部は端子構造に結合されてよい。
【0070】
図17は、磁性本体332とその中のコイルとを有する磁気構成要素組立体330の別の実施態様を示しており、前記コイルは磁性本体332の外面に露出しているコイル端部334を有する。図示の例では、磁性本体332及びコイル端部は、図15Bに示されているものと類似している。コイル端部は、磁性本体332のそれぞれの表面上に曲げ返されているか又は折り返されているが、このことは必ずしも必要ではなく、コイル端部は、露出されているか、又は望ましい別の様態で位置決めされていてもよい。図17に示されているように、コイル端部334との電気的な接続を確立するために、露出したコイル端部334に導電性端子クリップ336が被せられている。
【0071】
図17に示されている実施態様の場合、端子クリップ336は、ほぼC字形又は溝構造形になるように形成されたプレス加工金属構造であり、それは、コイル端部334が露出している磁性本体332の側縁部に冠着される。端子クリップ336の内面は、例えばはんだリフロー技術又は当業者に知られている他の技術を用いて、コイル端部に電気的に接続される。上述したような界面材料が、電気的な接続の形成を助けるために任意選択的に使用されてよい。特定の端子クリップ336が図17に示されているが、例えば本明細書中で特定された関連出願明細書に記載されている端子クリップを含む他の形状の端子クリップが、可能でありまた使用されてよい。
【0072】
別の実施態様では、スルーホールが端子クリップ336に設けられ、コイル端部334の一部を前記スルーホールを通して延ばし、そしてはんだ付け又は溶接技術などを用いてクリップに固定することによって、クリップとの電気的な接続を確立することができる。スルーホールを含む端子クリップの模範的な実施態様は、上で特定された関連出願に記載されており、これらのうちの任意のものを利用することもできる。
【0073】
図18は、端部又はリードがリードフレーム354に取り付けられた複数の多重巻きワイヤコイル352を含むコイル製作層350を示している。図示の例では、これらのコイル352は別々に製作され、そして磁性本体への組み付けを目的として、リードフレーム354に溶接され得る。5つのコイル352がリードフレーム354に接続されるように示されてはいるが、代わりにより多いか又は少ない数のコイル(1つを含む)が提供されて利用されてもよい。加えて、図18には丸ワイヤコイルが示されてはいるが、完全な1巻き未満の部分巻きを含む任意の巻き数を有する、平角ワイヤコイル又は他の非ワイヤ型コイルが代わりに提供されてもよい。
【0074】
図19は、磁性材料層356,358と一緒に組み立てられるコイル層350を示している。磁性材料層356,358は、上述の材料のうちのいずれかから製作され、磁性本体を形成するためにコイル製作層350の周りで加圧されてよい。リードフレーム354が成形工程中に磁気層の側方から張り出すように、リードフレーム354は磁気層356,358よりも寸法が大きい。リードフレーム354に接続されたコイルは、磁性本体が形成されると磁性本体によって取り囲まれ、リードフレーム354の一部が側縁部から突出する。図19に示されている組立体19を単一化することにより、種々の実施態様において1つ、2つ、3つ、又は4つ以上のコイルであり得る所望の数のコイルを有する分離したデバイスにすることができる。
【0075】
成形されて単一化工程が遂行されたら、磁性本体の側面と面一にするように磁性本体の側面から張り出したリードフレーム354の余剰部分がカット又はトリミングされてよい。次いで、上記技術、上で特定された関連出願における技術、又は当業者に知られている技術のうちのいずれかを用いて端子接続部が形成され得る。
【0076】
図20は、磁性本体の側方において露出した、しかし概ね面一の端子端部372を含む磁気構成要素組立体370の一例を示している。端子端部372は、前述したようなコイル又はリードフレームの遠位端部であってよい。面一の端子端部372は、例えば上記の構造のような端子構造との接続を容易にする。上記のような界面材料を面一の端子端部372上に任意選択的に提供することにより、端子構造との電気的な接続を容易にすることができる。
【0077】
III.開示された模範的な実施態様
記載された種々の特徴を種々の組み合わせにおいて混合し適合させ得ることは今や明らかである。例えば、ワイヤコイルが記載されている場合、プリント回路コイルを代わりに利用することができる。丸ワイヤコイルが記載されている別の例としては、平角ワイヤコイルを代わりに利用することができる。層状の構造が磁性本体のために記載されている場合には、非層状の磁性構造を代わりに利用することができる。磁気構成要素組立体のうちのいずれかと一緒に、記載された成端構造のいずれをも利用することができる。具体的な用途のニーズを満たすために、種々異なる磁気特性、コイルの種々異なる数及びタイプを有する、そして種々異なる性能特性を有する、多種多様の磁気構成要素組立体を有利に提供することができる。
【0078】
上記特徴のうちの或る特定のものは、物理的なギャップを有し、互いにスペースを空けられて分離したコア片を有する構造において有利に利用され得る。このことは具体的には、上記の成端に関する特徴、及びコイル・結合に関する特徴のうちのいくつかに当てはまる。
【0079】
上記開示内容の範囲に含まれる種々の可能性の中で、少なくとも次の実施態様は、在来のインダクタ構成要素と比較して有利であると考えられる。
【0080】
少なくとも1つのコイルと磁性本体とを具備する磁気構成要素組立体であって、前記少なくとも1つのコイルは導電性材料から製作されていて、熱活性化型及び化学的活性化型のうちの一方の結合剤から成る外層を含み、磁性本体はコイルの周りに形成されており、前記結合剤がコイルを磁性本体に結合する、磁気構成要素組立体の実施態様が開示されている。
【0081】
任意選択的には、導電性材料はさらに高温絶縁材料を備えてよい。少なくとも1つのコイルが多重巻きワイヤコイルであってよい。導電性材料は、平角ワイヤ導体及び丸ワイヤ導体のうちの一方であってよい。磁性本体は、磁性本体を形成するためにコイルの周りで加圧された成形可能な磁性材料から成る少なくとも1つの層を含んでよく、成形可能な磁性材料は、磁性粉末粒子と高分子バインダーとを含む。
【0082】
少なくとも1つのコイルが、磁性本体内で配列された2つ以上の独立したコイルを含んでいてよく、そして成形可能な磁性材料は、2つ以上の独立したコイルの周りで加圧されていてよい。2つ以上の独立したコイルは、コイルの間で共有する磁束があるように磁性本体内に配列されていてよい。
【0083】
磁性本体は、粉末磁性材料から形成されている。磁性本体は、成形可能な材料から形成されてよい。磁性本体は、磁性粉末粒子と高分子バインダーとを含む成形可能な磁性材料から成る少なくとも第1及び第2の層から形成されていてよく、磁性材料は少なくとも1つのコイルの周りで加圧されており、磁性材料から成る第1及び第2の層は、互いに異なる磁気特性を有している。第1及び第2の層のための磁性材料は、フェライト粒子、鉄(Fe)粒子、センダスト(Fe−Si−Al)粒子、MPP(Ni−Mo−Fe)粒子、ハイフラックス(Ni−Fe)粒子、メガフラックス(Fe−Si合金)粒子、鉄系非晶質粉末粒子、及びコバルト系非晶質粉末粒子から成る群から選択されてよい。ワイヤコイルには成形コア片が結合されていてよく、成形可能な材料は、少なくとも1つのワイヤコイル及び成形コアの周りに広がっていてよい。
【0084】
少なくとも1つのコイルがフレキシブルプリント回路コイルを含んでいてよい。磁性本体は、少なくとも1つのフレキシブルプリント回路コイルに結合された複数の磁性材料層を含んでいてよく、成形可能な磁性材料は磁性粉末粒子と高分子バインダーとを含み、そして磁性材料は少なくとも1つのフレキシブルプリント回路コイルの周りで加圧されている。少なくとも1つのフレキシブルプリント回路コイルは、複数のフレキシブルプリント回路コイルを含んでよく、磁性材料は複数のフレキシブルプリント回路コイルの周りで加圧されており、複数の磁性材料層のうちの少なくとも2つは、異なる磁性材料から形成されている。
【0085】
成形コア片がプリント回路コイルと連携してよく、そして磁性本体は、フレキシブルプリント回路コイル及び成形コア片の周りで加圧された成形可能な材料から形成されている。コイルは第1及び第2の遠位端部を含んでいてよく、第1及び第2の端部のうちの少なくとも一方が導電性液体材料で被覆されていてよい。第1及び第2の端部のうちの少なくとも一方が電着金属で被覆されていてよい。表面実装端子が、磁性本体上に設けられて、それぞれの第1及び第2の遠位端部に電気的に接続されていてよい。端子は、磁性本体の表面上にめっきされていてよい。めっきされた端子はNi/Snめっきを含んでいてよい。
【0086】
コイルの第1及び第2の遠位端部は、磁性本体のそれぞれの面から突出していてよく、そして遠位端部は、それぞれの面に対して折り曲げられ、導電性クリップにそれぞれ接続されていてよく、これにより組立体のための表面実装端子を提供する。遠位端部は、それぞれの導電性クリップに溶接又ははんだ付けされてよい。各導電性クリップはスルーホールを含んでいてよく、そして遠位端部は、スルーホールを介して各クリップに固定されていてよい。
【0087】
少なくとも1つのコイルは、バリア被膜を施された銅導体を含んでよい。組立体は、インダクタ及び変圧器のうちの一方を形成してよい。リードフレームが磁性本体内部で少なくとも1つのコイルに結合されていてよく、そしてリードフレームは磁性本体に対して面一にカットされてよい。少なくとも1つのコイルは、対向する遠位端部を含んでよく、コイルの遠位端部は、磁性本体内部の位置で端子クリップに接続されていてよい。磁性本体は、ポリマーバインダーと組み合わされた、予めアニールされた磁性非晶質金属粉末から形成されていてよい。少なくとも1つのコイルは、磁束共有関係を成して配列された第1及び第2の独立したコイルを含んでよい。
【0088】
IV.結論
本発明の利点は今や、前述の例及び実施態様から明らかであると思われる。数多くの実施態様及び例を具体的に記載してきたが、他の例及び実施態様も、開示された模範的なデバイス、組立体、及び方法の範囲及び思想の中に含まれることが可能である。
【0089】
上記の説明は、最良の形態を含む、本発明を開示するための例を用いており、また、任意の装置又はシステムを形成して使用すること、そして組み入れられた任意の方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実施するのを可能にするための例を用いている。本発明の特許性のある範囲は請求項によって定義され、そして当業者が想到する他の例を含むことがある。このような他の例は、これらが請求項の文字通りの言語とは異ならない構造要素を有している場合、又はこれらが、請求項の文字通りの言語とは違いが僅かしかない同等の構造要素を含む場合、請求項の範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコイルと、磁性本体とを具備する磁気構成要素組立体であって:
前記少なくとも1つのコイルは導電性材料から製作されていて、熱活性化型及び化学的活性化型のうちの一方の結合剤から成る外層を含み;
前記磁性本体は前記コイルの周りに形成されていて、前記結合剤が、前記コイルを前記磁性本体に結合している、磁気構成要素組立体。
【請求項2】
前記導電性材料は高温絶縁材料をさらに備えている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコイルが多重巻きワイヤコイルを具備する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項4】
前記導電性材料は、平角ワイヤ導体及び丸ワイヤ導体のうちの一方を具備する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項5】
前記磁性本体は、該磁性本体を形成するために前記コイルの周りで加圧された成形可能な磁性材料から成る少なくとも1つの層を具備し、前記成形可能な磁性材料は、磁性粉末粒子と高分子バインダーとを具備する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコイルが、前記磁性本体内で配列された2つ以上の独立したコイルを含み、前記成形可能な磁性材料が、前記2つ以上の独立したコイルの周りで加圧されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項7】
前記2つ以上の独立したコイルは、前記コイルの間で共有する磁束があるように、前記磁性本体内に配列されている、請求項6に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項8】
前記磁性本体が、粉末磁性材料から形成されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項9】
前記磁性本体が、成形可能な材料から形成されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項10】
前記磁性本体は、磁性粉末粒子と高分子バインダーとを含む成形可能な磁性材料から成る少なくとも第1及び第2の層から形成されており、前記磁性材料は前記少なくとも1つのコイルの周りで加圧されており、前記磁性材料から成る第1及び第2の層は、互いに異なる磁気特性を有している、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項11】
前記第1及び第2の層のための前記磁性材料は、フェライト粒子、鉄(Fe)粒子、センダスト(Fe−Si−Al)粒子、MPP(Ni−Mo−Fe)粒子、ハイフラックス(Ni−Fe)粒子、メガフラックス(Fe−Si合金)粒子、鉄系非晶質粉末粒子、及びコバルト系非晶質粉末粒子から成る群から選択されたものである、請求項10に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項12】
前記ワイヤコイルに結合された成形コア片を更に具備し、前記成形可能な材料は、前記少なくとも1つのワイヤコイル及び前記成形されたコアの周りに延びている、請求項10に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコイルがフレキシブルプリント回路コイルを具備する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項14】
前記磁性本体が、前記少なくとも1つのフレキシブルプリント回路コイルに結合された複数の磁性材料層を具備し、前記成形可能な磁性材料は磁性粉末粒子と高分子バインダーとを具備し、そして前記磁性材料は前記少なくとも1つのフレキシブルプリント回路コイルの周りで加圧されている、請求項13に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項15】
前記少なくとも1つのフレキシブルプリント回路コイルは、複数のフレキシブルプリント回路コイルを具備し、前記磁性材料は前記複数のフレキシブルプリント回路コイルの周りで加圧されており、前記複数の磁性材料層のうちの少なくとも2つが、異なる磁性材料から形成されている、請求項14に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項16】
前記プリント回路コイルと連携する成形コア片を更に具備しており、前記磁性本体が、前記フレキシブルプリント回路コイル及び前記成形コア片の周りで加圧された成形可能な材料から形成されている、請求項13に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項17】
前記コイルは第1及び第2の遠位端部を含み、前記第1及び第2の遠位端部のうちの少なくとも一方が導電性液体材料で被覆されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項18】
前記コイルは第1及び第2の遠位端部を含み、前記第1及び第2の遠位端部のうちの少なくとも一方が電着金属で被覆されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項19】
前記コイルは第1及び第2の遠位端部を含み、該組立体は、それぞれの前記第1及び第2の遠位端部に電気的に接続された、前記磁性本体上に設けられた表面実装端子を更に具備し、前記端子が、前記磁性本体の表面上にめっきされている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項20】
前記めっきされた端子はNi/Snめっきを含む、請求項19に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項21】
前記コイルは、それぞれが前記磁性本体のそれぞれの面から突出する第1及び第2の遠位端部を含み、前記遠位端部がそれぞれの面に対して折り曲げられており、前記遠位端部が導電性クリップにそれぞれ接続されており、これにより該組立体のための表面実装端子を提供する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項22】
前記遠位端部が、それぞれの導電性クリップに溶接又ははんだ付けされている、請求項21に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項23】
各導電性クリップはスルーホールを含み、そして遠位端部は、前記スルーホールを介して各クリップに固定されている、請求項21に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項24】
前記少なくとも1つのコイルは、バリア被膜を施された銅導体を具備する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項25】
該組立体が、インダクタ及び変圧器のうちの一方を形成する、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項26】
前記磁性本体内部で前記少なくとも1つのコイルに結合されたリードフレームを更に具備し、前記リードフレームは前記磁性本体に対して面一にカットされている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項27】
前記少なくとも1つのコイルが、対向する遠位端部を含み、前記コイルの遠位端部が、前記磁性本体の内部の位置で端子クリップに接続されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項28】
前記磁性本体が、ポリマーバインダーと組み合わされた、予めアニールされた磁性非晶質金属粉末から形成されている、請求項1に記載の磁気構成要素組立体。
【請求項29】
前記少なくとも1つのコイルが、磁束共有関係を成して配列された第1及び第2の独立したコイルを具備する、請求項28に記載の磁気構成要素組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−526389(P2012−526389A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509846(P2012−509846)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/032803
【国際公開番号】WO2010/129352
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(506257537)クーパー テクノロジーズ カンパニー (35)
【Fターム(参考)】