説明

磁気記録媒体

【課題】保護層の厚さを2nm以下としつつも、優れた耐食性を有する磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】基板上に磁性層と、炭素系保護層とを含み、上記炭素系保護層の厚さが2nm以下であり、かつ、上記炭素系保護層表面の水滴に対する接触角が25度以上60度未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体に関する。特に、ハードディスクドライブなどに用いられる磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブの記録容量は増大の一途を辿っており、搭載される磁気記録媒体の記録密度も高くなるばかりである。高記録密度化にあたり、従来、水平磁気記録方式が採用されていたが、熱揺らぎの問題が大きな足かせとなっていた。このため、近年、熱揺らぎの問題を解消する新しい記録方式、すなわち垂直磁気記録方式が採用され、当該方式を用いた媒体が製品化されている。
【0003】
それでも磁気記録媒体の高記録密度化の勢いは留まることはなく、年率50%程度の勢いで記録密度の伸びが続いている。この伸びは上記のような記録方式の転換だけでなく、あらゆる技術分野の弛まぬ進展によって成立している。例えばHDI(Head Disk Interface)技術について言えば、ヘッドの浮上量は年々小さくなり、ヘッドと磁気記録媒体磁性層の間の距離(磁気スペーシング)が、益々小さくなっている。磁気スペーシングを低減するために、磁性層の上に形成される保護層を薄膜化する取り組みが絶えずなされている。
【0004】
現在、保護層の厚さは既に2〜3nmまで減少しているが、保護層の厚さをより薄膜化することが求められている。例えば非特許文献1では、次期製品となるハードディスクドライブの設計指針が示されており、記録密度が1Tb/in2で、磁気スペーシングが6.5nmと提案されている。磁気スペーシングの内訳を考えれば、磁気ヘッドの保護層厚さがおよそ2nm、磁気ヘッド最表面と磁気記録媒体最表面の間隔(ヘッド浮上高さ)がおよそ2nm、磁気記録媒体の潤滑層がおよそ0.5nm〜1nmとなり、磁気記録媒体の保護層厚さは2nm以下でなければならない。
【0005】
一方、保護層とはその言葉通り、金属材料からなる磁性層が大気中の水分および腐食性ガスと反応して腐食することのないように、磁性層を保護する役割を担っている。耐食性などの特性を備えた保護層を有する磁気記録媒体については、例えば、特許文献1〜3に開示がされている。
【0006】
特許文献1〜3では、保護層の表面に滴下した水の接触角に注目し、その接触角を所定の範囲に設定することにより、磁気記録媒体の品質改善を試みている。接触角について、特許文献1では75度以上とすること、特許文献2では60度以上とすること、特許文献3では80度以上とすることがそれぞれ提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−222024号公報
【特許文献2】特開平8−167138号公報
【特許文献3】特開平9−237415号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】第25回SRC技術報告会 2008年5月27日 発表資料
【非特許文献2】J. Robertson Diamond and Related Materials, 3 (1994) 361−368
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1〜3では、いずれも保護層の厚さが10nm以上であり、保護層の薄膜化に対する要請に充分に応えるものではない。
【0010】
一方、保護層を薄膜化すれば磁性層の被覆性が低下するために、磁気記録媒体の耐食性は劣る傾向にある。
【0011】
したがって、本発明の目的は、保護層の厚さを2nm以下としつつも、高い耐食性を有する磁気記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、基板上に磁性層と、炭素系保護層とを含む磁気記録媒体であって、上記炭素系保護層の厚さが2nm以下であり、かつ、上記炭素系保護層表面の水滴に対する接触角が25度以上60度未満であることを特徴とする。
【0013】
本発明の磁気記録媒体は、上記炭素系保護層がダイヤモンドライクカーボンを含むことが好ましい。
【0014】
本発明の磁気記録媒体は、上記炭素系保護層がプラズマCVD法によって形成されていることが好ましい。また、上記プラズマCVD法において、プラズマ密度が1010cm-3以上であることが好ましい。
【0015】
本発明の磁気記録媒体は、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の磁気記録媒体は、保護層の厚さを2nm以下としつつも、優れた耐食性を有する。このため、記録密度1Tb/in2以上の高密度記録に対応できる磁気記録媒体を提供することが可能となる。したがって、高い記録密度、特に1Tb/in2以上の高密度記録を必要とする各種デバイスに適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の磁気記録媒体の2つの例を示す概略図である。
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】磁気記録媒体の磁性層または炭素系保護層の表面に水を滴下した場合の、層表面の水滴に対する接触角の変化を示した概略図である。
【図4】実施例1で作製した各磁気記録媒体における炭素系保護層の厚さと単位面積当たりのCo溶出量との関係を示した図である。
【図5】実施例1および比較例1で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。
【図6】実施例1および比較例2で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。
【図7】実施例2で作製した各磁気記録媒体における炭素系保護層の厚さと単位面積当たりのCo溶出量との関係を示した図である。
【図8】実施例2および比較例3で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。
【図9】実施例3で作製した各磁気記録媒体における炭素系保護層の厚さと単位面積当たりのCo溶出量との関係を示した図である。
【図10】実施例3および比較例4で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の磁気記録媒体は、基板上に磁性層と、炭素系保護層とを含み、当該炭素系保護層の厚さが2nm以下であり、かつ、当該炭素系保護層表面の水滴に対する接触角が25度以上60度未満であることを特徴とする。
【0019】
以下に、本発明の磁気記録媒体を、図面に従い詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の一例であって、当業者であれば、適宜設計変更が可能である。
【0020】
図1は、本発明の磁気記録媒体の2つの例を示す概略図であり、(a)は、基板102上に、任意選択的要素の軟磁性層104と、任意選択的要素の中間層(図示せず)と、磁性層106と、炭素系保護層108が順次形成された磁気記録媒体100aを示し、(b)は、(a)に示す例において、炭素系保護層108上にさらに潤滑層110が形成された磁気記録媒体100bを示す。
【0021】
基板102は、磁気記録媒体に従来から用いられているものであれば特に限定されない。例えば、ガラス、アルミニウム、セラミック、プラスチックなどの材料から構成されていてもよい。
【0022】
本発明の磁気記録媒体100では、必要に応じて、基板102と磁性層106との間に、従来の磁気記録媒体において用いられている層をさらに設けることができる。例えば、磁性層の性能を向上させるために軟磁性層104および中間層(図示せず)を設けることができる。
【0023】
任意選択的に設けてもよい軟磁性層104は、FeTaC、センダスト(FeSiAl)合金などの結晶性材料;FeTaC、CoFeNi、CoNiPなどの微結晶性材料;またはCoZrNd、CoZrNb、CoTaZrなどのCo合金を含む非晶質材料を用いて形成することができる。
【0024】
軟磁性層104の厚さは、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、おおむね20nm〜300nmであることが、生産性との兼ね合いから好ましい。
【0025】
任意選択的に設けてもよい中間層は、非磁性材料、例えばRuおよびRuを含むCoCr合金を用いて形成することができる。
【0026】
中間層の厚さは、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、おおむね1nm〜50nmであることが、生産性から好ましい。
【0027】
磁性層106は、磁気記録媒体に従来から用いられている、金属材料を含むものであれば特に限定されない。例えば、CoPt、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTaなどのCoCr合金またはCoPt合金を用いて形成することができる。
【0028】
また、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に磁性結晶粒子が分散されているグラニュラー構造を有する材料を用いて磁性層106を形成してもよい。用いることができるグラニュラー構造を有する材料は、CoPt−SiO2、CoCrPtO、CoCrPt−TiO2、CoCrPt−SiO2、CoCrPt−Al23、CoPt−AlN、CoCrPt−Si34などがあるがこれらに限定されるものではない。グラニュラー構造を有する材料を用いた場合、磁性層106内で近接する磁性結晶粒間の磁気的分離を促進し、ノイズの低減、SNRの向上および記録分解能の向上といった磁気記録特性の改善を図ることができる。このため、磁性層106内で近接する磁性結晶粒間の磁気的分離を必要とする垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を製造する場合には、グラニュラー構造を有する材料を用いて磁性層106を形成することができる。
【0029】
磁性層106の厚さは、特に限定されるものではない。例えば、生産性および記録密度向上の観点から、磁性層106の厚さは、5nm〜50nmとすることができる。
【0030】
炭素系保護層108は、カーボン材料を用いて形成する。形成されたカーボンの形態として、特に、緻密性の高い炭素系保護層108を形成するためには、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon)であることが好ましい。
【0031】
ここで、緻密性の高い炭素系保護層108とは、層を構成する炭素のsp3結合比率が高い保護層を意味する。また、sp3結合比率とは、炭素原子同士の結合が単結合でなされている割合を意味する。
【0032】
また、炭素系保護層108には、カーボン材料以外にも磁気記録媒体の保護層用の材料として知られている種々の材料も用いることができる。
【0033】
炭素系保護層108の厚さは、高記録密度化に伴う磁気スペーシング低減の要請から2nm以下である。ここで、炭素系保護層108の厚さは、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定することができる。
【0034】
炭素系保護層108表面の水滴に対する接触角は、磁気記録媒体の高い耐食性を達成するために、25度以上60度未満である。
【0035】
本発明の磁気記録媒体100では、必要に応じて、従来の磁気記録媒体において用いられている層を炭素系保護層108上にさらに設けることができる。例えば、図1(b)に示すように、炭素系保護層108上に、炭素系保護層108とヘッド(図示せず)との間に生ずる摩擦力を低減するために潤滑層110を設けることができる。
【0036】
潤滑層110の材料は、磁気記録媒体に通常使用されているものを用いることができる。例えば、パーフルオロポリエーテルなどのフッ素系潤滑剤を挙げることができる。フッ素系潤滑剤から形成した潤滑層110は、撥水性が高いことから磁気記録媒体の耐食性をより高めることができる。
【0037】
潤滑層110の厚さは、高記録密度化に伴う磁気スペーシング低減の要請から0.5nm〜1nmとすることが好ましい。ここで、潤滑層110の厚さは、フーリエ変換型赤外分光光度計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて測定することができる。
【0038】
以上、図1を参照して、本発明の磁気記録媒体100を説明したが、本発明の磁気記録媒体100は、基板102を挟んでその両側に各層を積層して、媒体の両面が同等の磁気記録性能の磁気記録面を有するように形成されていてもよい。
【0039】
本発明の磁気記録媒体は、保護層の厚さを2nm以下としつつも、高い耐食性を有する。これは、1Tb/in2の高記録密度を必要とする次世代製品に対応するものである。例えば、垂直磁気記録方式のハードディスクドライブなどに搭載される垂直磁気記録媒体として幅広く利用可能である。
【0040】
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法を、図面に従い詳細に説明する。
【0041】
図2は、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示すフローチャートである。同図によれば、本発明の磁気記録媒体は、基板研磨・洗浄工程(ステップS202)および成膜工程(ステップS204)により作製することができる。その後、必要に応じて、潤滑層形成工程(ステップS208)、試験工程(ステップS210)を実施してもよい。また、所望により抜取り検査工程(ステップS206)を実施してもよい。
【0042】
図2の基板研磨・洗浄工程(ステップS202)は、図1に示す基板102を研磨および洗浄する工程であり、従来の磁気記録媒体の製造に用いられている方法を適用することができる。例えば、基板102を適切な表面粗さになるまで研磨剤を用いて平坦に研磨した後、研磨した基板102から研磨剤および研磨滓を完全に洗浄してもよい。洗浄は、超音波方式、ブラシを用いたスクラブ方式、高圧水噴射方式、アルカリ洗剤への浸漬方式などにより行うことができる。これらの方式による洗浄を行った後にさらに紫外線照射を行うこともできる。
【0043】
図2のステップS204は、成膜工程であり、具体的には、図1に示すように基板102上に、磁性層106および炭素系保護層108を順次形成する工程を含む。また、磁性層106を形成する前に、基板102上に、従来の磁気記録媒体において用いられている層、例えば、軟磁性層104、中間層(図示せず)をさらに形成してもよい。
【0044】
任意要素の軟磁性層104の形成は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法を用いて実施することができる。
【0045】
任意要素の中間層(図示せず)の形成は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法を用いて実施することができる。
【0046】
磁性層106の形成は、スパッタ法(DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法などを含む)、真空蒸着法など当該技術において知られている任意の方法を用いて実施することができる。
【0047】
軟磁性層104、中間層(図示せず)および磁性層106の形成条件は、使用する材料により異なるが、従来の磁気記録媒体の製造方法に対して開示されている条件を適用すればよい。
【0048】
炭素系保護層108は、炭化水素ガスなどの材料から、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によりダイヤモンドライクカーボンなどを形成して得ることができる。特に、より硬質で緻密な薄膜を形成することができるプラズマCVD法を用いることが好ましい。プラズマCVD法とは、原料ガスにエネルギーを与えてプラズマ状態にし、活性なイオンおよび/またはラジカルを発生させて化学反応を起こし、層を形成する方法である。
【0049】
原料ガスとして炭化水素ガスを用いる場合、発生した炭素イオンのエネルギーを最適化することで、層中の炭素のsp3結合比率を高めることはできる(例えば、非特許文献2)。
【0050】
炭化水素ガスは、例えば、メタン、エチレン、アセチレン,トルエンなどを用いることができる。
【0051】
炭素系保護層108は、プラズマCVD装置において、炭化水素ガスの流量、基板に印加するバイアス電圧、RF放電出力などを適宜調整することにより形成することができる。
【0052】
ガス流量は、10sccm〜40sccmであることが好ましい。40sccmよりも多い場合には、プロセス中の圧力が高くなり、炭素イオンの平均自由工程が小さくなる。このため、イオンエネルギーは低下し、炭素系保護層108はsp3結合比率の低い、緻密性に劣る膜となる。10sccmよりも少ない場合には、炭素イオンのエネルギーが高くなりすぎ、最適なsp3結合比率が得られず、緻密性に劣る膜となる。
【0053】
炭素イオンのエネルギーは、層中の所望とする炭素のsp3結合比率を得るために、15eV〜150eVであることが好ましい。
【0054】
炭素イオンのエネルギーが所望の値になるように、基板に印加するバイアス電圧およびRF放電出力を適宜調整することができる。例えば、炭素イオンのエネルギーが低い場合には、バイアス電圧を上げて炭素イオンのエネルギーを高めることができる。
【0055】
炭素系保護層108の厚さは、ガス流量および成膜時間などを適宜調整して、所望とする2nm以下に設定することができる。
【0056】
プラズマCVD法は、プラズマの発生方法および発生し得るプラズマ密度に基づいて、CCP(Capacitively Coupled Plasma)方式、熱フィラメント方式、ECR(Electron Cyclotron Resonance)方式、ICP(Inductively Coupled Plasma)方式、ICP法に直流磁場を追加したMEICP(Magnettically Enhanced Inductively Coupled Plasma)方式などに分類される。
【0057】
各方式におけるプラズマ密度は、CCP方式ではおよそ1011cm-3、熱フィラメント方式ではおよそ1010cm-3〜1011cm-3、ECR方式およびICP方式ではおよそ1011cm-3〜1012cm-3、MEICP方式では1012cm-3以上になることが知られている。
【0058】
本発明では、プラズマ密度を1010cm-3以上とすることが好ましい。プラズマ密度を1010cm-3以上にすることで、炭素のsp3結合比率を高め、緻密性の高い炭素系保護層108を形成することができる。
【0059】
図2の抜取り検査工程(ステップS206)は、ステップS202およびS204により作製された図1(a)に示す磁気記録媒体100aを所望に応じて抜き取りにより検査する工程である。検査工程(ステップS206)には、炭素系保護層108表面の水滴に対する接触角が25度以上60度未満の値を有するか確認することと、磁気記録媒体100aの耐食性が基準値を満たしているかを検査することが含まれる。
【0060】
接触角の測定は、接触角計を用いた液滴法(θ/2法)により行うことができる。先ず、接触角計内に、炭素系保護層108が最上部になるように磁気記録媒体100aを水平に設置し、炭素系保護層108の表面に水を滴下する。次いで、水滴を顕微鏡で観察し、水滴の左右端部の一方と頂点を結ぶ直線の、炭素系保護層108表面に対する角度θ1を読取り、θ1を2倍した値を接触角とする。続いて、測定した接触角が25度以上60度未満であるかを確認する。
【0061】
磁気記録媒体100aの耐食性検査は、以下のように行うことができる。
【0062】
先ず、水平に置かれた磁気記録媒体100aの炭素系保護層108の表面に、所定量の酸溶液を滴下して、所定時間放置した後、酸溶液を全量回収する。なお、酸溶液を滴下する箇所は、接触角の測定で水を滴下した箇所ではないこととする。次いで、回収した酸溶液をICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)を用いて、炭素系保護層108を通じて磁性層106から溶出した金属の量を測定する。続いて、この金属の量を、上記滴下により酸溶液に覆われた炭素系保護層108の面積で割って、単位面積当たりの金属の量を算出する。この算出値が所定の基準値よりも小さい場合に磁気記録媒体100aの耐食性は合格しているものとする。
【0063】
試験に用いる酸としては、磁性層106に含まれる金属を溶出する酸を用いることができる。例えば、金属がCoの場合には、硝酸を用いることができる。
【0064】
図2の潤滑層形成工程(ステップS208)は、図1(b)に示すように炭素系保護層108上に潤滑層110を形成する工程である。
【0065】
潤滑層110の形成は、ディッピング法、またはスピンコート法などの当該技術において知られている任意の塗布方法を用いて行うことができる。塗布後、加熱処理により行ってもよい。加熱処理は、潤滑層110と炭素系保護層108との結合力を強め、潤滑層110の層間剥離を防止する効果がある。
【0066】
潤滑層110の形成条件は、使用する材料により異なるが、従来の磁気記録媒体の製造方法に対して開示されている条件を適用すればよい。
【0067】
図2の試験工程(ステップS210)は、図1(b)に示す磁気記録媒体100bに対して主に2種類の試験、グライド試験およびリードライト試験を行う工程である。
【0068】
ここで、グライド試験とは、磁気記録媒体100bの磁気記録面上の平滑性を検査する試験である。リードライト試験とは、磁気記録媒体100bの磁気記録面に対して特定パターンが書き込まれた後に、読み出し試験によりパルスの抜けおよび出力レベルに異常がないか等を検査する試験である。
【0069】
グライド試験およびリードライト試験の方法は、従来の磁気記録媒体に対して開示されている方法を適用すればよい。
【0070】
以上に示す工程により本発明の磁気記録媒体を作製することができる。
【0071】
本発明の磁気記録媒体は、炭素系保護層の厚さを2nm以下としつつも、炭素系保護層表面の水滴に対する接触角を25度以上60度未満とすることで、優れた耐食性を有する。このように、本発明者が接触角に着目したのは、接触角が、磁気記録媒体の耐食性を決定する要素である、炭素系保護層の被覆性および緻密性を総合的に評価する指標として好適であると考えたからである。以下に、炭素系保護層の被覆性に強い影響を及ぼす炭素系保護層の厚さ、および緻密性と、炭素系保護層表面の水滴に対する接触角との関係について、図3を参照して説明する。
【0072】
図3は、磁気記録媒体の磁性層または炭素系保護層の表面に水を滴下した場合の、層表面の水滴に対する接触角の変化を示した概略図であり、(a)は、磁性層306の表面に水を滴下した場合を示し、(b)は、厚膜の炭素系保護層308表面に水を滴下した場合を示し、(c)は、薄膜の炭素系保護層308表面に水を滴下した場合を示し、(d)は、薄膜であるが緻密性は高い炭素系保護層308表面に水を滴下した場合を示し、(e)は、薄膜であり、かつ緻密性が低い炭素系保護層308表面に水を滴下した場合を示す。
【0073】
図3(a)に示すとおり、炭素系保護層で覆われていない磁性層306は、大気中の酸素、水分、腐食性ガスなどが磁性層306表面に付着し、腐食する。この腐食した磁性層306に水を滴下すると、磁性層306表面は腐食により酸化しているため、水との親和性が高く、磁性層306表面の水滴に対する接触角は非常に小さくなる。
【0074】
次に、磁性層が炭素系保護層で覆われている磁気記録媒体について説明する。先ず、図3(b)および(c)を参照して、炭素系保護層の厚さと接触角の関係について説明する。
【0075】
図3(b)に示すとおり、炭素系保護層308には、層形成時により生じた欠陥305が点在している。磁性層306が厚膜(例えば10nm)の炭素系保護層308で覆われている場合には、この欠陥305が原因で磁性層306が大気に露出する可能性は低い。このため、腐食が炭素系保護層308表面に現れることはない。一方、炭素系保護層308は撥水性の高い炭素を含んでいる。したがって、炭素系保護層308に水を滴下すると、その接触角は非常に大きくなる。
【0076】
一方、図3(c)に示すとおり、炭素系保護層308が薄膜(2nm以下)の場合には、欠陥305が原因で磁性層306が大気に曝され、大気中の水分などが磁性層308表面に付着し、腐食が欠陥部分を介して磁性層306から炭素系保護層308へと進行する。腐食が現れた炭素系保護層308表面に水を滴下すると、腐食部分の高い親水性により、腐食を伴わない炭素系保護層308の場合(図3(b))と比較し、その接触角は小さくなる。
【0077】
以上のように、炭素系保護層308の厚さを薄くすれば被覆性が低下するので、炭素系保護層308表面の水滴に対する接触角は小さくなる。このように、磁気記録媒体の耐食性を決定する要素として被覆性のみを考えれば、接触角が小さい程、耐食性は低下することとなる。
【0078】
次に、炭素系保護層308の緻密性を変化させて場合に接触角がどのような挙動を示すかについて説明する。図3(d)および(e)は、炭素系保護層308が薄膜(2nm以下)である場合の、炭素系保護層308の緻密性と接触角の関係について示した図である。
【0079】
図3(d)に示すように、炭素系保護層308が高い緻密性を有する場合には、炭素系保護層308が、欠陥305により極めて薄い膜307となっていても、炭素系保護層308の緻密性により磁性層306は保護される。この結果、磁性層306が大気に露出する可能性は低くなる。このため、より緻密性の低い(中程度の緻密性)炭素系保護層308で被覆した場合(図3(c))と比べて、水滴に対する接触角は大きくなる。
【0080】
一方、図3(e)に示すように、炭素系保護層308の緻密性が低い場合には、磁性層306の腐食が炭素系保護層308表面に出現する。腐食部分は水に対する親和性が高いことから、通常、炭素系保護層308表面の水滴に対する接触角は小さくなる傾向にある。しかしながら、実際には、炭素系保護層308表面の水滴に対する接触角は非常に大きくなる。これは、炭素系保護層308の緻密性が低い場合には、炭素系保護層308の撥水性が非常に強く、この撥水性が腐食部分の親水性に勝るためであると考えている。
【0081】
以上のように、炭素系保護層308が2nm以下の薄層である場合には、炭素系保護層308の緻密性と接触角との間に正の相関はない。したがって、炭素系保護層308が2nm以下の薄層であって高い緻密性を有する結果、磁気記録媒体の優れた耐食性が発揮される場合に、炭素系保護層308表面の水滴に対する接触角は特定の範囲を有することとなる。本発明者は、当該接触角の範囲が25度から60度未満であることを、以下に示す実施例に基づき見出すに至った。
【実施例】
【0082】
以下に、本発明の磁気記録媒体を実施例によりさらに詳細に説明する。下記実施例は、例示であり本発明を制限することを意図するものではない。
【0083】
<磁気記録媒体の作製>
(実施例1)
図1(a)に示すような磁気記録媒体を作製した。直径65mm、板厚0.635mmのドーナツ状ガラス基板102を、表面粗さが0.1nm程度になるよう研磨した後、超音波洗浄およびスクラブ洗浄によって、研磨剤および研磨滓を十分に除去した。これをスパッタリング装置内に導入後、軟磁性層104、中間層を厚さ60nmで成膜した。
【0084】
次いで、磁性層106を、CoCrPt−SiO2ターゲットを用いて、厚さ20nmで成膜した。
【0085】
続いて、ICP方式のプラズマCVD法により、炭素系保護層108を成膜した。ここで、成膜時間を調整して、2nm以下の、厚さが相違する炭素系保護層108を磁性層106上にそれぞれ成膜して、14種類の磁気記録媒体100aを得た。炭素系保護層108の成膜は、原料ガスとしてC24を用い、ガス流量を10sccm〜40sccm、RF放電出力を1000W〜2500W、基板に印加するバイアス電圧を0V〜200Vの各範囲で種々に変化させて実施した。また、成膜装置にプラズマモニターを取り付け、上記の各条件で発生するプラズマ密度を測定した結果、プラズマ密度は、約1×1011cm-3〜8×1011cm-3であった。
【0086】
次いで、得られた14種類の磁気記録媒体100aについて、炭素系保護層108の厚さおよび炭素系保護層108表面の水滴に対する接触角をそれぞれ測定した。炭素系保護層108の厚さについては、透過型電子顕微鏡装置(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定した。接触角については、接触角計(協和界面科学社製)を用いて測定した。これらの測定結果を表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
(比較例1)
実施例1の磁気記録媒体100aの作製において、炭素系保護層108の成膜条件のみを変更して、接触角が60度より大きい磁気記録媒体を7種類、25度より小さいものを5種類作製した。
【0089】
炭素系保護層108の成膜条件として、ガス流量とバイアス電圧の組み合わせを5sccmと0V、80sccmと300Vの2種類、そしてRF放電出力を500Wと3000Wの2種類に設定した。またプラズマモニターでプラズマ密度を測定したところ、プラズマ密度は約2×1011cm-3〜6×1011cm-3であった。
【0090】
得られた12種類の磁気記録媒体について、炭素系保護層108の厚さおよび水滴に対する接触角を実施例1と同様に測定した。その測定結果を表2に示す。
【0091】
【表2】

【0092】
(比較例2)
実施例1の磁気記録媒体100aの作製において、炭素系保護層108の成膜時間のみを変更して、炭素系保護層108の厚さが2nmを超えるように調製した。
【0093】
次いで、得られた磁気記録媒体について、炭素系保護層108の厚さおよび水滴に対する接触角を実施例1と同様に測定した。その測定結果を表3に示す。
【0094】
【表3】

【0095】
(実施例2)
実施例1の磁気記録媒体100aの作製において、ICP方式のプラズマCVD法の代わりに熱フィラメント方式のプラズマCVD法により炭素系保護層108を成膜した。ここで、成膜時間を調整して、厚さが相違する炭素系保護層108を磁性層106上にそれぞれ成膜して、3種類の磁気記録媒体100aを得た。炭素系保護層108の成膜は、原料ガスとしてC24を用い、ガス流量を20sccm、基板に印加するバイアス電圧を100Vとして実施した。また、成膜装置にプラズマモニターを取り付け、上記の各条件で発生するプラズマ密度を測定した結果、プラズマ密度は、約3×1010cm-3〜8×1010cm-3であった。
【0096】
次いで、得られた3種類の磁気記録媒体について、炭素系保護層108の厚さおよび水滴に対する接触角を実施例1と同様に測定した。その測定結果を表4に示す。
【0097】
【表4】

【0098】
(比較例3)
実施例2の磁気記録媒体100aの作製において、成膜条件のみを変更して、炭素系保護層の厚さが2nmを超えるもの、炭素系保護層の水滴に対する接触角が60度より大きいもの、25度より小さいものをそれぞれ作製した。この際、原料ガスとしてC24を用い、ガス流量を5sccm〜80sccm、基板に印加するバイアス電圧を0V〜300Vの各範囲で種々に変化させた。
【0099】
次いで、得られた磁気記録媒体について、炭素系保護層108の厚さおよび水滴に対する接触角を実施例1と同様に測定した。その測定結果を表5に示す。
【0100】
【表5】

【0101】
(実施例3)
実施例1で使用した成膜装置のICPプラズマソースを改造し、当該ソースの垂直方向に磁界を印加できるME(Magnetically Enhanced)機能を追加した。この装置を用いて炭素系保護層108を成膜し、実施例1と同様にして磁気記録媒体100aを作製した。なお、炭素系保護層108の成膜は、原料ガスとしてC24を用い、ガス流量を10sccm〜40sccm、RF放電出力を1000W〜2500W、基板に印加するバイアス電圧を0V〜200Vの各範囲で種々変化させて実施した。また、成膜装置にプラズマモニターを取り付け、上記の各条件で発生するプラズマ密度を測定した結果、プラズマ密度は、約4×1012cm-3〜6×1012cm-3であった。
【0102】
次いで、得られた磁気記録媒体100aについて、炭素系保護層108の厚さおよび水滴に対する接触角を実施例1と同様に測定した。その測定結果を表6に示す。
【0103】
【表6】

【0104】
(比較例4)
実施例3の磁気記録媒体100aの作製において、成膜条件のみを変更して、炭素系保護層の厚さが2nmを超えるもの、炭素系保護層の水滴に対する接触角が60度より大きいもの、25度より小さいものをそれぞれ作製した。この際、原料ガスとしてC24を用い、ガス流量を5sccm〜80sccm、RF放電出力を500W〜3000W、基板に印加するバイアス電圧を0V〜300Vの各範囲で種々に変化させた。
【0105】
次いで、得られた磁気記録媒体について、炭素系保護層108の厚さおよび水滴に対する接触角を実施例1と同様に測定した。その測定結果を表7に示す。
【0106】
【表7】

【0107】
<評価項目>
実施例1〜3および比較例1〜4の各磁気記録媒体について、耐食性を評価した。
【0108】
先ず、磁気記録媒体の炭素系保護層の表面に、重量濃度3%の硝酸水溶液を0.8ml滴下して、1時間放置した後、硝酸溶液を回収した。次いで、この溶液をICP−MS(アジレント・テクノロジー社製)を用いて単位面積当たりのCo量を算出し、各磁気記録媒体の耐食性を評価した。
【0109】
耐食性の合格基準を、これまでの経験上、磁気記録媒体をハードディスクドライブに用いた場合に問題を生じないレベルである単位面積当たりのCo量が5ng/cm2以下とした。
【0110】
図4は、実施例1で作製した各磁気記録媒体における炭素系保護層の厚さと単位面積当たりのCo溶出量との関係を示した図である。いずれの場合にも合格基準のCo量5ng/cm2以下を満たしていた。
【0111】
一方、水滴に対する接触角が60度より大きい、または25度より小さい炭素系保護層を有する比較例1の磁気記録媒体においては、いずれも合格基準を満たさないものであった。
【0112】
また、炭素系保護層の厚さを2nm超に形成した比較例2の磁気記録媒体においては、水滴に対する接触角が60度を超えるものでは、合格基準を満たしていたが、接触角が60度以下のものではいずれも満たさないものであった。
【0113】
図5は、実施例1および比較例1で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。図5中、●は、実施例1で作製した磁気記録媒体のうちCo量が2ng/cm2以下であるものを示し、○は、実施例1で作製した磁気記録媒体のうちCo量が5ng/cm2以下であり、かつ2ng/cm2超であるものを示し、×は、比較例1で作製した磁気記録媒体を示す。
【0114】
図6は、実施例1および比較例2で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。図6中、●は、実施例1で作製した磁気記録媒体のうちCo量が2ng/cm2以下であるものを示し、○は、実施例1で作製した磁気記録媒体のうちCo量が5ng/cm2以下であり、かつ2ng/cm2超であるものを示し、□および×は、比較例2で作製した磁気記録媒体を示す。なお、□の磁気記録媒体は、合格基準を満たしていたが、炭素系保護層の厚さが2nm超であり、かつ水滴に対する接触角が60度を超えるものである。
【0115】
図7は、実施例2で作製した各磁気記録媒体における炭素系保護層の厚さと単位面積当たりのCo溶出量との関係を示した図である。いずれの場合にも合格基準のCo量5ng/cm2以下を満たしていた。
【0116】
一方、比較例3の磁気記録媒体においては、炭素系保護層の厚さが2nm超であり、水滴に対する接触角が60度を超えるもののいくつかについては、合格基準を満たしていたが、それ以外のものについてはいずれも満たしていなかった。
【0117】
図8は、実施例2および比較例3で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。図8中、◆は、実施例2で作製した磁気記録媒体のうちCo量が5ng/cm2以下であるものを示し、△および×は、比較例3で作製された磁気記録媒体を示す。なお、△の磁気記録媒体は、合格基準を満たしていたが、炭素系保護層の厚さは2nm超であり、水滴に対する接触角は60度を超えるものである。
【0118】
図9は、実施例3で作製した各磁気記録媒体における炭素系保護層の厚さと単位面積当たりのCo溶出量との関係を示した図である。いずれの場合にも合格基準のCo量5ng/cm2以下を満たしていた。
【0119】
一方、比較例4の磁気記録媒体においては、炭素系保護層の厚さが2nm超であり、水滴に対する接触角が60度を超えるもののいくつかについては、合格基準を満たしていたが、それ以外のものについてはいずれも満たしていなかった。
【0120】
図10は、実施例3および比較例4で作製した磁気記録媒体についての耐食性試験の結果を纏めた図である。図10中、●は、実施例3で作製された磁気記録媒体のうちCo量が2ng/cm2以下であるものを示し、○は、実施例3で作製された磁気記録媒体のうちCo量が5ng/cm2以下であり、かつ2ng/cm2超であるものを示し、□および×は、比較例4で作製した磁気記録媒体を示す。なお、□の磁気記録媒体は、合格基準を満たしていたが、炭素系保護層の厚さは2nm超であり、水滴に対する接触角は60度を超えるものである。
【0121】
以上のように、炭素系保護層の厚さが2nm以下であり、かつ、炭素系保護層表面の水滴に対する接触角が25度以上60度未満である磁気記録媒体は、いずれも耐食性の合格基準を満足していた。
【0122】
また、ICP方式のプラズマCVD法により炭素系保護層を形成した磁気記録媒体(実施例1)は、熱フィラメント方式のプラズマCVD法により形成した磁気記録媒体(実施例2)よりも耐食性の結果が良好であった。これは、ICP方式で用いたプラズマ密度が、熱フィラメント方式よりも1桁大きく、炭素系保護層の緻密性が増大したことが原因であると考えられる。
【符号の説明】
【0123】
100、100a、100b 磁気記録媒体
102 基板
106 306 磁性層
108 308 炭素系保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に磁性層と、炭素系保護層とを含む磁気記録媒体であって、
前記炭素系保護層の厚さが2nm以下であり、かつ、前記炭素系保護層表面の水滴に対する接触角が25度以上60度未満であることを特徴とする、磁気記録媒体。
【請求項2】
前記炭素系保護層が、ダイヤモンドライクカーボンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項3】
前記炭素系保護層が、プラズマCVD法によって形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
【請求項4】
前記プラズマCVD法において、プラズマ密度が1010cm-3以上であることを特徴とする、請求項3に記載の磁気記録媒体。
【請求項5】
前記磁気記録媒体が、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−37745(P2013−37745A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173869(P2011−173869)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】