説明

磁界検出装置

【課題】二箇の磁気インピーダンス効果素子を使用する差動型の磁界検出装置において、各磁気インピーダンス効果素子に印加する励磁電流を低くしても、その検出を良好に行い得るようにする。
【解決手段】二箇の磁気インピーダンス効果素子1a,1bと、これらの磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を流す高周波電源2と、各磁気インピーダンス効果素子に作用する各被検出磁界で励磁電流が変調されて各磁気インピーダンス効果素子端に現れる各変調波を検波して各被検出磁界量を取り出す検波回路3a,3bと、各検波回路の出力を入力して差動増幅する差動増幅器4と、各磁気インピーダンス効果素子に対し設けられた互いに逆極性の負帰還用コイル51a,51bが直列に接続されて前記差動増幅器4の出力が負帰還される負帰還回路と、前記各被検出磁界量の極性判別を可能とするように各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに対し設けられた互いに同極性のバイアス磁界用コイル6a,6bを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界検出装置に関し、磁界勾配の検出に有用なものである。
【背景技術】
【0002】
磁界検出素子として、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが開発されている。
かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波電流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。
而るに、この通電中のアモルファスワイヤに外部磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と外部磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。
而して、この変動現象が磁気インダクタンス効果と称され、この効果を奏するアモルファスワイヤ等が磁気インダクタンス効果素子と称されている。
【0003】
更に、上記通電電流の周波数がMHzになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り、円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、外部磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も外部磁界で変動するようになる。
而して、この変動現象が磁気インピーダンス効果と称され、この効果を奏するアモルファスワイヤ等が磁気インピーダンス効果素子と称されている。
【0004】
そこで、この磁気インピーダンス効果素子を利用した外部磁界検出法(例えば、特許文献1参照)及び磁気インダクタンス効果を使用した外部磁界検出方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−181239号公報
【特許文献2】特開平6−283344号公報
【0006】
上記において、外部磁界の正負により上記磁界の周方向ずれφにも正負が生じるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は外部磁界の方向の正負によっては変化されない。従って、外部磁界−出力特性は磁界をx軸に、出力をy軸にとると、y軸に対して左右対称となる。また、非線形になる。
【0007】
この磁気インピーダンス効果素子を使用した磁界検出回路は、基本的には、図6の(イ)に示すように(1)磁気インピーダンス効果素子1’に高周波励磁電流を加えるための高周波電源2’と、(2)磁気インピーダンス効果素子1’と、(3)磁気インピーダンス効果素子に加わる被検出磁界(信号波)で前記高周波励磁電流波(搬送波)を変調させた変調波を検波する検波部3’と、(4)検波出力を増幅する増幅器4’と、(5)出力表示部等から構成されている。
図6の(ロ)は被検出磁界を、図6の(ハ)は励磁電流波を、図6の(ニ)は変調波を、図6の(ホ)は検波出力を、図6の(ヘ)は出力をそれぞれ示し、被検出磁界の振幅と出力の振幅との関係を図示すると前記の左右対称性及び非線形性から図7の(イ)の通りである。
そこで、図6の(イ)において、51’で示す負帰還用コイルで負帰還をかけて図7の(ロ)に示すように特性を直線化している。
更に、図6の(イ)において、6’で示すようにバイアス用コイルでバイアス磁界をかけ、図7の(ハ)に示すように極性判別可能にしている。
【0008】
従来、所定の距離を隔てた2ヵ所の同方向磁界強度の差を検出する磁界検出装置として、図8−1に示すように、同方向の向きで配設した磁気インピーダンス効果素子1a’と磁気インピーダンス効果素子1b’とに逆極性のバイアス磁界用コイル6a’、6b’で図8−2に示すように所定の逆方向バイアス磁界+Hb、−Hbを印加し、図8−1に示すように、各磁気インピーダンス効果素子1a’、磁気インピーダンス効果素子1b’の出力端に現れる変調波(各磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界で変調された励磁電流波)を各検波回路3a’,3b’に送入して各被検出磁界相当量を取り出し、各検波回路3a’,3b’の出力を差動増幅器4に入力させ、差動増幅器の出力を互いに同極性の直列接続の負帰還用コイル51a’,51b’を経て各磁気インピーダンス効果素子1a’,1b’に負帰還させるものが提案されている(特許文献3)。
【特許文献3】特開2000−193729公報
【0009】
この磁界検出装置では、差動増幅器4’に、電源のマイナス側をGND電位とする単一電源型を使用しており、差動増幅器4の出力の中心値が+Vcc/2となる(被検出磁界が作用しないときでも差動増幅器の出力電位が+Vcc/2となる)ので、この電位により負帰還回路に電流が流れないように、負帰還回路をバイアス電源50’でGNDに対し+Vcc/2電位のバイアスをかけている。
前記磁界検出装置において、図8−2の(イ)に示す磁気インピーダンス効果素子の感磁出力特性の実効部分+Hm〜−Hmに対し、図8−2の(ロ)に示すように、一方の磁気インピーダンス効果素子1a’に+Hm/2のバイアス磁界を、他方の磁気インピーダンス効果素子1b’に−Hm/2のバイアス磁界をそれぞれかけている理由は、磁気インピーダンス効果素子の実効出力特性と磁気インピーダンス効果素子の実効出力特性との差を大きくして感度を高めるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
磁気インピーダンス効果素子の感磁出力特性は、磁気インピーダンス効果素子端に現れる、被検出磁界で励磁電流波が変調された変調波から取り出された被検出磁界相当量を縦軸とし、被検出磁界強度を横軸とするものであるから、図9に示すように、励磁電流が小となるに従い減退していき、図示の例では、励磁電流20mAで非対称になり、被検出磁界0〜Hmの側でヒステリシスループが生じている。
前記の逆極性磁界バイアスは両磁気インピーダンス効果素子の実効感磁出力特性が対称であることを前提としており、その特性の非対称化を排除するために励磁電流を相当に大きくすることが必要である。従って、図8−1に示す磁界検出装置では、消費電力が高いという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、所定の距離を隔てて配設された二箇の磁気インピーダンス効果素子の感磁出力を差動増幅器で差動増幅して両磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界強度の差を検出する磁界検出装置において、各磁気インピーダンス効果素子に印加する励磁電流を低くしても、その検出を良好に行い得る磁界検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る磁界検出装置は、所定の距離を隔てた2ヵ所の同方向磁界強度にそれぞれ感磁する二箇の磁気インピーダンス効果素子と、これらの磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を流す高周波電源と、各磁気インピーダンス効果素子に作用する各被検出磁界で励磁電流が変調されて各磁気インピーダンス効果素子端に現れる各変調波を検波して各被検出磁界量を取り出す検波回路と、各検波回路の出力を入力して差動増幅する差動増幅器と、各磁気インピーダンス効果素子に対し設けられた互いに逆極性の負帰還用コイルが直列に接続されて前記差動増幅器の出力が負帰還される負帰還回路と、前記各被検出磁界量の極性判別を可能とするように各磁気インピーダンス効果素子に対し設けられた互いに同極性のバイアス磁界用コイルを備えていることを特徴とする。
請求項2に係る磁界検出装置は、請求項1の磁界検出装置において、負帰還コイルの一方端の電位を前記各磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界が零のときの差動増幅回路の出力電位に等しくするための可変電位付与手段が前記負帰還回路に付設されていることを特徴とする。
請求項3に係る磁界検出装置は、請求項1または2の磁界検出装置において、両磁気インピーダンス効果素子の軸方向が同一方向であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
所定の距離を隔てた2ヵ所に配設した2箇の同方向磁気インピーダンス効果素子の感磁出力を差動増幅して2ヵ所間の磁界強度の勾配を検出可能としている。この場合、2箇の磁気インピーダンス効果素子に同極性の同一値磁界のバイアスをかけて両磁気インピーダンス効果素子の谷状感磁出力特性の同じ傾斜準直線領域部分を使用しており、両磁気インピーダンス効果素子の谷状感磁出力特性が対称でなくてもよい。従って、両磁気インピーダンス効果素子の励磁電流が低くされて両磁気インピーダンス効果素子の谷状感磁出力特性部分が非対称になっても充分良好に前記磁界強度勾配を検出でき、励磁電流を低電流にして消費電力を低くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。
図1は本発明に係る磁界検出装置の一実施例を示す回路図である。
図1において、1a,1bは所定の距離を隔てて配設された2箇の磁気インピーダンス効果素子であり、軸方向が同方向とされている。2は両磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を印加するための高周波電源である。Xa,Xbは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに作用する被検出磁界を示し、各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの非GND側端a,bに、前記励磁電流波が被検出磁界で変調された変調波が現れる。3a,3bは変調波を検波して被検出磁界相当量を取り出す検波回路であり、図示の例では、ダイオードとRC回路とからなる直線検波回路が使用されている。6a,6bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの近傍に付設されたバイアス磁界用コイルであり、同極性とされている。4は差動増幅器であり、各検波回路3a,3bの出力が非反転入力端、反転入力端にそれぞれ入力されて差動増幅される。51a,51bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの近傍に付設された負帰還用コイルであり、互いに逆極性とされて直列に接続されている。
この逆極性化は、(1)図2の(イ)に示すように負帰還用コイル51a,51bの巻回方向を逆方向にする、(2)図2の(ロ)に示すように負帰還用コイル51a,51bの巻回方向を同方向とし、コイル両端の±端子を逆極性にする等により行うことができる。
【0015】
図3の(イ)は、低励磁電流のもとでのバイアス磁界を印加するまえでの磁気インピーダンス効果素子の感磁出力特性を示し、中央谷部の0〜+Hmでの準傾斜部分にヒステリシスが生じているので、図3の(ロ)に示すように、+Hm/2のバイアス磁界をかけて図3の(イ)の0〜−Hmの準斜直線部分を使用して極性判別可能な検出を行えるようにしてある。
【0016】
図1において、差動増幅器4には、単一電源型を使用することができる(プラス側電源端子が+Vccに加電され、マイナス側電源端子が接地される)。この単一電源型差動増幅器の出力中心値はほぼ+Vcc/2であり、両磁気インピーダンス効果素子に被検出磁界が作用しないときの出力はほぼ+Vcc/2になる。従って、被検出磁界とは無関係に負帰還回路に電流が流れることのないように、負帰還回路の対GND電位を可変電位手段50によりほぼ+Vcc/2にバイアスしてある。
【0017】
図1において、Xaは磁気インピーダンス効果素子1aに作用する被検出磁界を、Xbは磁気インピーダンス効果素子1bに作用する被検出磁界をそれぞれ示している。
両磁気インピーダンス効果素子1a、磁気インピーダンス効果素子1bには同極性、同一値のバイアス磁界が印加されており、両磁気インピーダンス効果素子の実効感磁出力特性部分は準直線(負帰還がかかっていない段階とし、負帰還がかかって直線化された段階での対比上、準直線と称する)であり、各検波回路3a,3bの検波出力をほぼkXa、kXbとすると差動増幅器の出力はk(Xa−Xb)に比例したkk’(Xa−Xb)になり、これが負帰還用コイル51aで磁気インピーダンス効果素子1aに負帰還率βで負帰還されて被検出磁界Xaに重なり磁気インピーダンス効果素子1a側の検波回路3aの出力としてk〔Xa−kk’β(Xa−Xb)〕が現れ、他方、差動増幅器の出力kk’(Xa−Xb)が負帰還用コイル51bで磁気インピーダンス効果素子1bに負帰還率βで入力されて被検出磁界Xbに重なり磁気インピーダンス効果素子1b側の検波回路3bの出力としてk〔Xa−kk’β(Xa−Xb)〕が現れ、差動増幅器の出力が[k〔Xa−kk’β(Xa−Xb)〕]−[k〔Xb−kk’β(Xa−Xb)〕]=k(1−kk’β)(Xa−Xb)になって負帰還が遂行されていく。
この負帰還により、差動増幅器の出力特性が直線化されると共に安定化、ひずみ・雑音の減少が促される。
【0018】
上記において、励磁電流電源、+Vcc電源、検波回路、差動増幅器は共通の基板上に搭載されている。
上記磁気インピーダンス効果素子は図4の(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように同一方向に配設されている。各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに同等に作用する磁界は差動増幅器の差動で打ち消されて出力されないから、地磁気、近在磁化物から発生する外来磁界等のノイズを排除して被検出磁界強度の勾配を検出できる。
本発明に係る磁界検出装置を移動させつつ差動増幅器の出力を測定すれば、その移動経路に沿っての磁気インピーダンス効果素子軸方向の磁界強度の変化勾配を測定できる。
本発明に係る磁界検出装置は、磁界強度の勾配の検出以外の磁界検出にも使用できる。例えば、一方の磁気インピーダンス効果素子をベルトコンベアの直下に配置し、他方の磁気インピーダンス効果素子をベルトコンベアの横外部に配置すれば、ベルトコンベアにより移送されてくる物品に、鉄破片、釘、針等の磁化物が含まれているか否かの検査を行うことが可能である。
【0019】
本発明においては、磁気インピーダンス効果素子と負帰還用コイルとバイアス磁界用コイルとをユニット化して小型化を図ることが好ましい。
図5の(イ)は本発明において使用される磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図5の(ロ)は同じく底面図、図5の(ハ)は図5の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図5において、100は基板片であり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片100の片面に設けた電極であり、素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば、銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101、101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103はC形鉄芯、6xはC形鉄芯103に巻装した負帰還磁界発生用コイル、7xは同じくバイアス磁界用コイル(何れにも、通常、銅線に絶縁塗料を塗り付けてなるマグネットワイヤが使用される)であり、磁気インピーダンス効果素子1xとC形鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C形鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。
【0020】
本発明において、高周波励磁電流としては例えば連続正弦波、パルス波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、CMOS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
【0021】
本発明において、検波回路としては例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
上記の実施例では、変調波の復調によって被検出量を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界による磁界検出信号から被検出磁界に相当する被検出量を取り出し得るものであれば、適宜の回路構成を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る磁界検出装置を示す回路図である。
【図2】本発明に係る磁界検出装置における負帰還用コイルの逆極性の構成例を示す図面である。
【図3】本発明に係る磁界検出装置における磁気インピーダンス効果素子のバイアス磁界印加前後の感磁出力特性を示す図面である。
【図4】本発明に係る磁界検出装置における両磁気インピーダンス効果素子の配設状態を示す図面である。
【図5】磁気インピーダンス効果ユニットを示す図面である。
【図6】磁気インピーダンス効果素子を使用した磁界検出装置の基本的事項を示す図面である。
【図7】磁気インピーダンス効果素子を使用した磁界検出装置における検出特性の直線化、極性判別可能化を示す図面である。
【図8−1】磁気インピーダンス効果素子を使用した差動型磁界検出装置の従来例を示す図面である。
【図8−2】図8−1に示す差動型磁界検出装置における各磁気インピーダンス効果素子のバイアス磁界状態を示す図面である。
【図9】各磁気インピーダンス効果素子の感磁出力特性の励磁電流依存性を示す図面である。
【符号の説明】
【0023】
1a,1b 磁気インピーダンス効果素子
2 励磁電流源
3a,3b 検波回路
4 差動増幅器
51a,51b 負帰還用コイル
6a,6b バイアス磁界用コイル
50 負帰還回路電位バイアス用電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の距離を隔てた2ヵ所の同方向磁界強度にそれぞれ感磁する二箇の磁気インピーダンス効果素子と、これらの磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を流す高周波電源と、各磁気インピーダンス効果素子に作用する各被検出磁界で励磁電流が変調されて各磁気インピーダンス効果素子端に現れる各変調波を検波して各被検出磁界量を取り出す検波回路と、各検波回路の出力を入力して差動増幅する差動増幅器と、各磁気インピーダンス効果素子に対し設けられた互いに逆極性の負帰還用コイルが直列に接続されて前記差動増幅回路の出力が負帰還される負帰還回路と、前記各被検出磁界量の極性判別を可能とするように各磁気インピーダンス効果素子に対し設けられた互いに同極性のバイアス磁界用コイルを備えていることを特徴とする磁界検出装置。
【請求項2】
負帰還コイルの一方端の電位を前記各磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界が零のときの差動増幅器の出力電位に等しくするための可変電位付与手段が前記負帰還回路に付設されていることを特徴とする請求項1記載の磁界検出装置。
【請求項3】
両磁気インピーダンス効果素子の軸方向が同一方向であることを特徴とする請求項1または2記載の磁界検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−78343(P2010−78343A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243916(P2008−243916)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000225337)内橋エステック株式会社 (115)
【Fターム(参考)】