説明

神経原線維のもつれ及びアミロイドβの蓄積に起因する進行性認知機能障害を治療するためのレプチン組成物及び方法

本開示は、レプチン産物を含有する組成物ならびに進行性認知障害のための臨床治療方法及び診断方法を提供する。一態様によれば、記載されている発明は、進行性認知障害を治療するための方法を提供する。別の態様によれば、記載されている発明は、それを必要としている対象における認知機能の回復力を向上させるための方法を提供する。他の態様によれば、記載されている発明は、Aβの蓄積、タウの過剰リン酸化、又は神経原線維のもつれの蓄積のうちの少なくとも1つに起因する進行性の認知機能不全疾患又は障害を治療するための有効な治療剤を同定するための方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行性認知障害を治療するための方法であって、
(a)治療有効量のレプチン組成物を準備する工程、ここで、前記レプチン組成物は、
(i)第1の治療剤としてのレプチン又はレプチン類似体;
(ii)任意で、少なくとも1つの第2の治療剤;及び
(iii)薬学的に許容される担体、を含む;
(b)それを必要としている対象に(a)の組成物を投与する工程;ならびに
(c)前記進行性認知障害の少なくとも1つの病態の進行を低下させるか又は予防する工程、を含む方法。
【請求項2】
前記組成物が、Aβの産生を減少させるか、Aβの取込みを増加させるか、又はタウタンパク質のリン酸化を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タウタンパク質のリン酸化の部位が、Ser−202/Thr−205(AT8部位)、Ser−214、Ser−181、Ser−212(AT100部位)、Thr−231、Ser−235(TG3部位)、及びSer−396/Ser−404(PHF−1部位)のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記進行性認知障害が、アルツハイマー病、進行性核上まひ;認知症;クロイツフェルト・ヤコブ病、前頭側頭認知症、ピック病、パーキンソニズム17を伴う前頭側頭認知症、大脳皮質基底核変性症、前頭側頭葉変性症;ハンチントン病;又はパーキンソン病である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記進行性認知障害がアルツハイマー病である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アルツハイマー病の病態が、タウタンパク質のリン酸化、神経原線維のもつれ;APPのタンパク質分解の変化;脳間質液におけるAβ42の蓄積;脳間質液におけるAβ42の凝集;脳間質液におけるAβ40の蓄積;Aβ40の凝集;炎症応答;神経損傷;ニューロンの代謝恒常性の混乱;ニューロンのイオン恒常性の混乱;酸化損傷;キナーゼ活性の変化;ホスファターゼ活性の変化;ニューロン機能不全;神経細胞死;神経伝達物質欠損;認知症;神経ジストロフィー;ニューロン周核体の収縮、及びシナプス喪失の群から選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記任意の少なくとも1つの第2の治療剤が、抗生物質剤、抗真菌剤、キナーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、抗原虫剤、ステロイド性抗炎症剤、酸化防止剤、ホルモン、ビタミン、抗ヒスタミン薬、及び化学療法剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記任意の第2の治療剤が少なくとも1つのキナーゼ阻害剤である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのキナーゼ阻害剤が、カルシウム/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼIIのキナーゼ阻害剤;タンパク質キナーゼAのキナーゼ阻害剤;GSK−3βのキナーゼ阻害剤;cAMP依存性タンパク質キナーゼのキナーゼ阻害剤;5−アデノシン一リン酸タンパク質キナーゼのキナーゼ阻害剤;Myr−AIP、LiCl、KT5720、6−ブロモインジルビン−3’−オキシム((2’Z,3’E)−6−ブロモインジルビン−3’−オキシム);KT5720;K252a;スタウロスポリン;KT5252b;ケレリトリン;及びTDZD−8(4−ベンジル−2−メチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3,5−ジオン−8)からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、組成物構成要素(i)、(ii)、及び(iii)の合計よりも大きいレベルのキナーゼ阻害を提供する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記レプチン組成物中のレプチン又はレプチン類似体の治療有効量が、約0.0001mg/kg体重から約100g/kg体重の量である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が少なくとも1つの認知機能を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの認知機能が記憶である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの認知機能が学習である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
それを必要としている対象における認知機能の回復力を向上させるための方法であって、
(a)それを必要としている対象に
(i)第1の治療剤としての認知機能増強量のレプチン又はレプチン類似体;
(ii)任意で、少なくとも1つの第2の治療剤、及び
(ii)薬学的に許容される担体;
を含むレプチン組成物を投与する工程、
ここで、前記組成物は、Aβ産生を減少させるか、Aβの取込みを増加させるか、又はタウタンパク質のリン酸化を減少させる;ならびに
(b)前記対象における認知機能の回復力を向上させる工程、を含む方法。
【請求項16】
前記タウタンパク質のリン酸化の部位が、Ser−202/Thr−205(AT8部位)、Ser−214、Ser−181、Ser−212(AT100部位)、Thr−231、Ser−235(TG3部位)、及びSer−396/Ser−404(PHF−1部位)のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記認知機能が記憶である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記記憶が条件付け記憶である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記記憶が文脈記憶である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記認知機能が記憶保持である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記認知機能が学習である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記学習が文脈学習である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記学習が条件付け学習である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記任意の第2の治療剤が、抗生物質剤、抗真菌剤、キナーゼ阻害剤、抗ウイルス剤、抗原虫剤、ステロイド性抗炎症剤、酸化防止剤、ホルモン、ビタミン、抗ヒスタミン薬、及び化学療法剤からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記任意の第2の治療剤が少なくとも1つのキナーゼ阻害剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのキナーゼ阻害剤が、カルシウム/カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼIIのキナーゼ阻害剤;タンパク質キナーゼAのキナーゼ阻害剤;GSK−3βのキナーゼ阻害剤;cAMP依存性タンパク質キナーゼのキナーゼ阻害剤;5−アデノシン一リン酸タンパク質キナーゼのキナーゼ阻害剤;Myr−AIP、LiCl、KT5720、6−ブロモインジルビン−3’−オキシム((2’Z,3’E)−6−ブロモインジルビン−3’−オキシム);KT5720;K252a;スタウロスポリン;KT5252b;ケレリトリン;及びTDZD−8(4−ベンジル−2−メチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3,5−ジオン−8)からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、組成物構成要素(i)、(ii)、及び(iii)の合計よりも大きいレベルのキナーゼ阻害を提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
レプチン組成物中のレプチン又はレプチン類似体の認知機能増強量が、約0.0001mg/kg体重から約100g/kg体重の量である、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
Aβの蓄積、タウタンパク質のリン酸化、又は神経原線維のもつれの蓄積のうちの少なくとも1つに起因する進行性の認知機能不全疾患又は障害を治療するための有効な治療剤を同定するための方法であって、
(a)神経細胞を含む細胞培養物を準備する工程、
(b)前記神経細胞を含む細胞培養物を候補治療剤と接触させる工程、
(c)前記候補治療剤が、タンパク質キナーゼの活性に影響を及ぼす程度に該タンパク質キナーゼタンパク質の活性部分と会合するかどうかを決定する工程、及び
(d)前記候補治療剤を前記進行性の認知機能不全疾患又は障害を治療するための有効な治療剤として同定する工程、を含む方法。
【請求項30】
前記タンパク質キナーゼが5−アデノシン一リン酸タンパク質キナーゼ又はGSK−3βである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記候補治療剤又は有効な治療剤が組換えタンパク質である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記候補治療剤又は有効な治療剤が阻害剤である、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記候補治療剤又は有効な治療剤がアンタゴニストである、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記候補治療剤又は有効な治療剤がアゴニストである、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記候補治療剤又は有効な治療剤が抗体である、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記候補治療剤又は有効な治療剤が、レプチン又はレプチン類似体の前記タンパク質キナーゼとの会合を妨げる、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
決定する工程(c)が、対照と比べた、神経細胞によるアミロイドβの分泌の測定を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記対照と比べた、神経細胞によるアミロイドβの分泌の測定がELISA又はイムノブロットによるものである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
アミロイドβ病態を治療するための有効な治療剤を用いる工程を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記アミロイドβ病態が、タウタンパク質のリン酸化;神経原線維のもつれ;APPのタンパク質分解の変化;脳間質液におけるAβ42の蓄積;脳間質液におけるAβ42の凝集;脳間質液におけるAβ40の蓄積;Aβ40の凝集;炎症応答;神経損傷;ニューロンの代謝恒常性の混乱;ニューロンのイオン恒常性の混乱;酸化損傷;キナーゼ活性の変化;ホスファターゼ活性の変化;ニューロン機能不全;神経細胞死;神経伝達物質欠損;認知症;神経ジストロフィー;ニューロン周核体の収縮、及びシナプス喪失の群から選択される少なくとも1つを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記有効な治療剤が少なくとも1つの認知機能を改善する、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの認知機能が記憶である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの認知機能が学習である、請求項41に記載の方法。

【図7】
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【図8A−B】
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【図8C−D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A−C】
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【図11A】
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【図11B−C】
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【図12A−B】
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【図13A−B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−508242(P2012−508242A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535653(P2011−535653)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/063310
【国際公開番号】WO2010/054017
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(311016097)
【出願人】(311016101)
【出願人】(311016112)
【Fターム(参考)】