説明

神経細胞性脳腫瘍など数種の腫瘍に対する新規免疫療法

本発明は、免疫療法で用いられるペプチド、核酸および細胞に関する。特に、本発明は、癌の免疫療法に関する。本発明はさらに、腫瘍関連の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)のペプチドエピトープ単独について、または抗腫瘍免疫応答を刺激するワクチン組成物の医薬有効成分として働く他の腫瘍関連ペプチドとこれらエピトープとの組み合わせに関する。本発明は、抗腫瘍免疫応答を誘導するワクチン組成物で使用され得る、ヒト腫瘍細胞のHLAクラス I およびクラス II 分子に由来する30個のペプチド配列と変異体に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号:1〜30からなる群から選択される配列を含むペプチドまたはその変異体であって、該変異体は、配列番号:1〜30と少なくとも85%の相同性を示す配列であるか、または該変異体は、完全長のポリペプチドではなく、該変異体ペプチドでT細胞交差反応を誘導するものである、ペプチド。
【請求項2】
ペプチドまたはその変異体が、ヒト主要組織適合複合体(MHC)クラスIまたはクラスII分子に結合する能力を維持しており、さらに前記ペプチドはCD4またはCD8T細胞を刺激できる、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
アミノ酸配列が配列番号:1〜30の群に記載のアミノ酸の連続ストレッチ(continuous stretch)を含む、請求項1または2に記載のペプチド。
【請求項4】
ペプチドは表2に記載の特異的なHLAサブタイプを有するペプチドから選択され、CD8細胞を刺激する能力があり、および前記ペプチドは表2に記載の特異的なアンカーアミノ酸モチーフを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項5】
ペプチドまたはその変異体の全長が、8〜100残基、好ましくは8〜30残基、より好ましくは8〜16残基、最も好ましくはペプチドが配列番号:1〜30に記載のアミノ酸配列からなる、またはそれらから本質的になる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項6】
ペプチドが修飾されているかおよび/または非ペプチド結合を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項7】
ペプチドが、融合タンパク質であり、特に、HLA-DR 抗原関連変異体鎖(Ii)のN-末端アミノ酸を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドをコードする核酸。
【請求項9】
請求項8に記載の核酸を発現する能力のある発現ベクター。
【請求項10】
薬剤に使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチド、請求項8に記載の核酸または請求項9に記載の発現ベクター。
【請求項11】
宿主細胞が、好ましくは抗原提示細胞であり、特に樹状細胞または抗原提示細胞である、請求項8に記載の核酸または請求項9に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項12】
請求項8に記載の核酸または請求項9に記載の発現ベクターを発現させる請求項11に記載の宿主細胞を培養し、該宿主細胞またはその培地からペプチドを単離することを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のペプチドを生成する方法。
【請求項13】
抗原特異的方法で細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を活性化するのに十分な期間、in vitroでCTLを、適当な抗原提示細胞表面上で発現された抗原負荷ヒトクラスIまたはクラスIIのMHC分子と接触させるか、または抗原提示細胞を模倣する人工構築物と接触させることを含み、前記抗原が請求項1〜10のいずれか1項に記載のペプチドである、in vitroで活性化CTLを生成する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法により生成され、請求項1〜5のいずれか1項で与えられたアミノ酸配列を含むポリペプチドを異常に発現する細胞を選択的に認識する、活性化CTL。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか1項で与えられたアミノ酸配列を含むポリペプチドを異常に発現する標的細胞を有する患者の標的細胞を死滅させる方法であって、請求項14で定義されたようなCTLを効果的な数で患者に投与することを含む、方法。
【請求項16】
好ましくは抗癌剤がワクチンである、癌の治療のためのまたは抗癌剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1つに記載のペプチド、請求項8に記載の核酸、請求項9に記載の発現ベクター、請求項11に記載の細胞、または請求項14記載の活性化CTL、の使用。
【請求項17】
癌が、星細胞腫、毛様細胞性星細胞腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、乏突起膠腫、上衣腫、多形神経膠芽腫、混合膠腫、神経膠腫、髄芽腫、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、胚細胞種、奇形腫、神経節膠腫、神経節細胞腫、中枢神経節細胞腫、原始神経外胚葉性腫瘍(PNETすなわち、髄芽腫、髄上皮腫、神経芽種、網膜芽細胞腫、上衣芽腫など)、松果体組織にでききた腫瘍(松果体細胞腫や松果体芽腫など)、上衣細胞腫、脈絡叢腫瘍、原発不明の神経皮腫瘍(大脳神経膠腫症、星状芽細胞腫など)、神経膠芽腫、前立腺腫瘍、乳癌、食道癌、結腸直腸癌、腎明細胞癌、肺癌、中枢神経系腫瘍、卵巣癌、メラノーマ、膵臓癌、扁平上皮癌、白血病および髄芽腫、および、大腸、結腸、胃、腎臓、胚、膵臓、前立腺、皮膚またはサービビンおよび/またはCSPG4、および/または配列番号:1〜30のペプチド由来の他のタンパク質の過剰発現を示す他の腫瘍から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
(a)請求項1〜7のいずれか1つのペプチド、請求項8に記載の核酸、請求項9に記載の発現ベクター、請求項11に記載の細胞、または請求項14に記載の活性化CTLを含有する医薬組成物を溶液または凍結乾燥状態で含む容器;
(b)任意で、凍結乾燥調製物用の希釈剤あるいは再構成溶液を含む第2容器;
(c)任意で、配列番号:1〜30に記載のペプチドからなる群から選択される1つ以上のペプチド、および
(d)任意で、(i)溶液の使用、または(ii)凍結乾燥調製物の構成および/または使用のための指示書、を含むキット。
【請求項19】
(iii)緩衝剤、(iv)希釈剤、(v)フィルタ、(vi)針、または(vii)注射器の1つもしくは複数をさらに含む、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
前記ペプチドが配列番号:1および配列番号20からなる群から選択される、請求項18または19に記載のキット。
【請求項21】
脳から得られる試料または診断される被験者由来の別の腫瘍試料において、BCA、CLIP2、DTNA、NLGNAX、NR2E1、NRCAMおよび/またはPDPNの発現を解析することを含む、神経膠芽細胞腫を他種の癌と区別するための方法。
【請求項22】
選択した神経膠芽細胞腫マーカーポリペプチドに特異的に結合する少なくとも1つの抗体、またはBCA、CLIP2、DTNA、NLGNAX、NR2E1、NRCAMおよび/またはPDPNのmRNAと特異的にハイブリダイズする1つ以上の核酸、および任意で、コントロール(例えば、特定量の特定神経膠芽細胞腫マーカーポリペプチド)、適切な場合に一次および二次抗体、および任意で、検出可能な部位、酵素基質および/または発色試薬を含む、神経膠芽細胞腫マーカー遺伝子としてのBCA、CLIP2、DTNA、NLGNAX、NR2E1、NRCAMおよび/またはPDPNの発現レベルを測定するキット。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−504393(P2012−504393A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529472(P2011−529472)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006980
【国際公開番号】WO2010/037514
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(506258073)イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー (24)
【Fターム(参考)】