説明

移動体環境におけるユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布

本発明は移動体通信ネットワーク内のユーザ装置への広告、ニュースなどのようなコンテンツアイテムの配布を制御する技術に関する。本技術の方法の実施形態は移動体通信ネットワーク内の配布制御ゲートウェイにおいて実行され、コンテンツアイテムを提示するための1つ以上のターゲットユーザ装置を示すターゲットユーザ表示をコンテンツプロバイダサーバから受信する工程と、コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を決定するためにプロバイダレジストリにアクセスする工程と、コンテンツプロバイダサーバからコンテンツアイテムを受信するためのユーザ権限を決定するためにユーザレジストリにアクセスする工程と、1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上へのコンテンツアイテムの送信を開始する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体通信ネットワークにおいてユーザ装置への広告、ニュースなどのようなコンテンツアイテムの配布を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信ネットワークおよび(移動体電話、スマートフォンなどのような)移動体ユーザ装置の能力の増加によって、より複雑なサービスをこれらの装置のユーザへ供給することが可能になっている。今日では、Eメールサービス、ウェブ閲覧およびウェブベースのサービスでさえも、増加している移動体ユーザに利用可能である。
【0003】
これらのサービスアプリケーションの多くは、コンテンツデータがユーザ装置へ規則的にまたは不規則にダウンロードされることを含む。本明細書において、コンテンツデータはテキストデータ、イメージデータ、ビデオデータまたは同様のデータのような、最終的に移動体ユーザ装置のユーザへ提示されることが意図される任意の種類の(マルチ)メディアデータとして理解される。コンテンツデータのアイテムの例は、広告、ニュース、通知、リマインダなどである。
【0004】
1つ以上のコンテンツプロバイダの複数のコンテンツ供給サービスに関連するこのような複数のアプリケーションはしばしば、単一のユーザ装置に実施される。しかしながら、これらのアプリケーションのそれぞれは別々に扱われる。例えば、各単一アプリケーションがユーザによってダウンロードされ、設定されなければならない。各アプリケーションは、コンテンツアイテムの供給が許可されるかどうかおよびどの形式で許可されるか、アプリケーションの更新が許可されるかなどをユーザが設定することを必要とする。これは時間がかかる煩わしい作業となりうる。
【0005】
(サービスのなおも増加する多様性を提供することを総括的に目的とする)コンテンツプロバイダの観点から、新たな各サービスはそれを確立するための相当な努力を必要とする。例えば、来客の移動体装置に小売商品のリストを提示する小売店により提供されるロケーションベースのサービスを検討する。近所の店について同様のサービスを導入するために、プロバイダは移動体ネットワーク事業者と別個のサービス合意が必要となる。
【0006】
新たなサービスアプリケーションはユーザ装置にインストールされる必要があるが、このアプリケーションはそこですでに利用可能である別のものと非常に類似するかもしれない。新たなユーザグループが例えば広告を送信するために確立される必要があるかもしれないが、このグループと他の既存のユーザグループとの間に多くの共通部分があるかもしれない。これらの例はサービスアプリケーションの独立した扱いが新たなサービスの導入を妨げる場合を説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
新たなコンテンツ供給サービスの確立を単純にする、移動体通信ネットワーク上でのユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布を制御するための技術への要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この要望は移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布を制御する第1方法により実現される。前記方法は前記移動体通信ネットワーク内の配布制御ゲートウェイにおいて実行される。前記方法は、コンテンツアイテムを提示するための1つ以上のターゲットユーザ装置を示すターゲットユーザ表示をコンテンツプロバイダサーバから受信する工程と、前記1つ以上のターゲットユーザ装置へ前記コンテンツアイテムを配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を決定するためにプロバイダレジストリにアクセスする工程と、前記決定したプロバイダ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上のそれぞれについて前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するためのユーザ権限を決定するためにユーザレジストリにアクセスする工程と、前記決定した1つ以上のユーザ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上への前記コンテンツアイテムの送信を開始する工程とを有する。
【0009】
移動体通信ネットワークは例えばGSM、UMTSまたはLTEのネットワークでありえ、ユーザ装置はこのネットワークと通信するように構成されてもよい。コンテンツアイテムは例えばテキストドキュメント、イメージ、ビデオまたはこれらの組み合わせのような1つのメディアを表すデータ構造であってもよい。コンテンツプロバイダサーバは移動体通信ネットワークの内部または外部に構成されてもよい。コンテンツアイテムの配布は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス、ユニキャストサービスまたはこれらの組み合わせのような移動体通信ネットワークのメディアデータトランスポートサービスを含んでもよい。このようなブロードキャストサービスまたはマルチキャストサービスを実装するために例えば3GPP MBMS(マルチメディアブロードキャスト/マルチメディアサービス)機能が用いられてもよい。
【0010】
前記ターゲットユーザ表示は移動体ネットワークに関連する1つ以上の特定のユーザ装置とユーザ装置のグループとのうちの少なくとも一方の表示を含んでもよい。1つの実施形態では、前記ターゲットユーザ表示は前記ユーザレジストリ内のユーザプロファイルに関するユーザプロファイルパラメータ値の表示を含む。このようなユーザプロファイルパラメータは例えば年齢、性別、ロケーション、加入契約のタイプなどであってもよい。このようなターゲットユーザ表示は別々のメッセージ、メッセージの部分またはメッセージ内のデータフィールドとして、もしくは関連するコンテンツアイテムから分離した同様の明示的な方法で配布制御ゲートウェイに提供されてもよい。
【0011】
他の実施では、コンテンツプロバイダサーバに関するアドレスがターゲットユーザ表示として用いられてもよい。例えば、コンテンツアイテムの少なくとも一部を包含するデータパケットのソースアドレスがユーザまたはユーザグループを識別するために用いられてもよい。さらに別の実施では、アイテムにより示されるかまたはこれから決定されるコンテンツのタイプが、意図されたターゲットユーザの表示として用いられてもよい。これらのターゲットユーザ表示は例えばこれらが本質的にコンテンツアイテムに関連するので、黙示的に配布制御ゲートウェイに提供されてもよい。
【0012】
前記プロバイダ権限は前記移動体通信ネットワークへコンテンツアイテムを配布するための前記コンテンツプロバイダサーバの登録を含んでもよい。これにかえて、前記プロバイダ権限は前記コンテンツプロバイダサーバが前記移動体通信ネットワークへ送信する権限を有するコンテンツのタイプを含んでもよい。さらに、前記プロバイダ権限は前記コンテンツプロバイダサーバがコンテンツを配布する権限を有する1つ以上のユーザ装置の表示を含んでもよい。プロバイダ権限はまた上記の変形の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0013】
前記1つ以上のユーザ権限のうちの少なくとも1つは対応するユーザ装置へコンテンツを送信する権限を有するコンテンツプロバイダサーバを示してもよい。これに加えてまたはこれにかえて、前記1つ以上のユーザ権限のうちの少なくとも1つは対応するユーザ装置へ前記コンテンツプロバイダサーバが送信する権限を有するコンテンツの種類を示してもよい。
【0014】
ユーザレジストリは年齢、性別およびユーザのロケーションのようなプロファイルパラメータを含んでもよい。これに加えてまたはこれにかえて、ユーザレジストリはユーザ装置に実装された複数のコンテンツ提示アプリケーションに関連する表示を含んでもよい。
【0015】
ユーザ装置が複数のアプリケーションを実装する場合に、前記1つ以上のユーザ権限のうちの少なくとも1つは、これらのアプリケーションに関する複数のアプリケーション固有権限を含んでもよい。1つの変形では、ユーザレジストリはコンテンツプロバイダサーバについてのアプリケーション固有許可を含む。
【0016】
第1方法の一部の変形は、前記1つ以上のユーザ権限の少なくとも1つを設定する初期工程を更に有してもよい。例えば、ユーザ権限は、ユーザの加入契約、移動体ネットワーク事業者の対応するポリシーおよびコンテンツプロバイダサーバにより提供されるかプロバイダレジストリに関連するデータのうちの少なくとも1つに従って管理されてもよい。
【0017】
第1方法は、前記受信したターゲットユーザ表示のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンテンツアイテムと、前記ターゲットユーザ表示の受信元の前記コンテンツプロバイダサーバの表示と、前記ターゲットユーザ表示により示されない少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置とを決定する工程と、前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するために前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置についてのユーザ権限を決定するために前記ユーザレジストリにアクセスする工程と、前記決定した少なくとも1つのユーザ権限に基づいて、前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置への前記コンテンツアイテムの送信を開始する工程とを更に有してもよい。
【0018】
前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの少なくとも1つは複数のコンテンツ提示アプリケーションと前記複数のコンテンツ提示アプリケーションへ受信したコンテンツアイテムを配布するためのプロキシサーバとを備えてもよい。前記コンテンツアイテムの前記送信は前記プロキシサーバへの前記コンテンツアイテムの送信を含んでもよい。前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの少なくとも1つは複数のコンテンツ提示アプリケーションを備える場合に、前記コンテンツアイテムの前記送信はこれに加えてまたはこれにかえて、前記コンテンツアイテムが配信される前記ユーザ装置のアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別子を前記送信に含めることを含んでもよい。
【0019】
第1方法の一部の実施は、前記コンテンツアイテムが送信された前記1つ以上のターゲットユーザ装置を示す表示を前記コンテンツプロバイダサーバに提供する工程を更に有する。表示はコンテンツプロバイダによるフィードバックとして用いられてもよい。
【0020】
第1方法は、ユーザ装置へのコンテンツ提示アプリケーションのダウンロードを求めるリクエストを受信する工程と、前記コンテンツ提示アプリケーションがダウンロードについて権限を有するかを判定する工程と、前記判定する工程の結果に基づいて、前記ユーザ装置への前記コンテンツ提示アプリケーションの前記ダウンロードを選択的に開始する工程とを更に有してもよい。
【0021】
上述の要望はプロバイダレジストリにおいて実行される第2方法によりさらに達成される。本方法は移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの送信の制御をサポートする。第2方法は、コンテンツプロバイダサーバを示すリクエストを配布制御ゲートウェイから受信する工程と、前記受信したリクエストに対して、前記コンテンツアイテムをユーザ装置へ配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を示す応答を前記配布制御ゲートウェイに提供する工程とを有する。
【0022】
上述の要望はユーザ装置において実行される第3方法によりさらに達成される。本方法は移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの送信の制御をサポートする。第3方法は、配布制御ゲートウェイからコンテンツアイテムを受信する工程と、前記ユーザ装置に実装された複数のコンテンツ提示アプリケーションのうちのどれへ前記コンテンツアイテムを配布するかを決定する工程と、前記受信したコンテンツアイテムを前記決定したコンテンツ提示アプリケーションに配布する工程とを有する。
【0023】
コンテンツ提示アプリケーションの決定はユーザ装置のコンテキスト、例えば装置の現在のロケーションに基づいてもよい。プロキシサーバはユーザ装置に実装されてもよいし、コンテキストおよび/またはコンテンツのタイプ、アイテムを提供するコンテンツプロバイダなどのような更なる評価基準に従って受信したコンテンツアイテムを配布するように動作してもよい。これに加えてまたはこれにかえて、前記コンテンツ提示アプリケーションの前記決定は、前記受信したコンテンツアイテムに関連して受信されたアプリケーション識別子に基づいてもよい。
【0024】
さらに、上述の要望は本明細書に記載された方法を実行するためのコンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータで読み取り可能な記録媒体によって達成される。本コンピュータは例えば配布制御ゲートウェイ、ユーザ装置、プロバイダレジストリまたはユーザレジストリを実装する1つ以上のコンピュータ装置を備えてもよい。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータ装置もしくはリムーバブルCD−ROM、DVDまたはUSBスティック内の又はこれらに関連した読み出し専用メモリまたは書き換え可能メモリ、例えばフラッシュまたはEEPROMであってもよい。
【0025】
上述の要望は配布制御ゲートウェイによりさらに達成される。このゲートウェイは移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布を制御するように構成される。本配布制御ゲートウェイは、コンテンツアイテムを提示するための1つ以上のターゲットユーザ装置を示すターゲットユーザ表示をコンテンツプロバイダサーバから受信するように構成されたプロバイダアクセスコントローラ(“PAC”)制御コンポーネントと、前記1つ以上のターゲットユーザ装置へ前記コンテンツアイテムを配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を決定するためにプロバイダレジストリにアクセスするように構成されたプロバイダレジストリアクセスコンポーネントと、前記決定したプロバイダ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上のそれぞれについて前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するためのユーザ権限を決定するためにユーザレジストリにアクセスするように構成されたユーザレジストリアクセスコンポーネントと、前記決定した1つ以上のユーザ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上への前記コンテンツアイテムの送信を開始するように構成された開始コンポーネントとを備える。
【0026】
配布制御ゲートウェイは、前記1つ以上のユーザ権限の少なくとも1つを設定するように構成された設定コンポーネントを更に備えてもよい。1つの実装では、配布制御ゲートウェイは、前記受信したターゲットユーザ表示のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンテンツアイテムと、前記ターゲットユーザ表示の受信元の前記コンテンツプロバイダサーバの表示と、前記ターゲットユーザ表示により示されない少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置とを決定するように構成されたターゲット決定コンポーネントと、前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するために前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置についてのユーザ権限を決定するために前記ユーザレジストリにアクセスするように構成されたユーザレジストリアクセスコンポーネントと、前記決定した少なくとも1つのユーザ権限に基づいて、前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置への前記コンテンツアイテムの送信を開始する開始コンポーネントと
を更に備える。
【0027】
配布制御ゲートウェイは、ユーザ装置の複数のアプリケーションを管理するように構成されたアプリケーション管理サーバと、ログイン機能を前記コンテンツプロバイダサーバに提供するように構成されたログインサーバとのうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0028】
1つの変形によれば、配布制御ゲートウェイは、前記ターゲットユーザ装置へ配布するために前記コンテンツアイテムを複製するように構成されたマルチプリケータコンポーネントを備える。
【0029】
さらに、上述の要望はプロバイダレジストリにより達成される。本プロバイダレジストリは、移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布の制御をサポートするように構成される。本プロバイダレジストリは、コンテンツプロバイダサーバを示すリクエストを配布制御ゲートウェイから受信するように構成された受信コンポーネントと、前記受信したリクエストに対して、前記コンテンツアイテムをユーザ装置へ配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を示す応答を前記配布制御ゲートウェイに提供するように構成された応答コンポーネントとを備える。
【0030】
上述の要望は、移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布の制御をサポートするように構成されたユーザ装置によりさらに達成される。本ユーザ装置は、配布制御ゲートウェイからコンテンツアイテムを受信するように構成された第1コンポーネントと、前記ユーザ装置に実装された複数のコンテンツ提示アプリケーションのうちのどれへ前記コンテンツアイテムを配布するかを決定するように構成された第2コンポーネントと、前記受信したコンテンツアイテムを前記決定したコンテンツ提示アプリケーションに配布するように構成された第3コンポーネントとを備える。
【0031】
前記第2コンポーネントは前記ユーザ装置のコンテキストに基づいて前記コンテンツ提示アプリケーションを決定するように構成されてもよい。1つの実装では、ユーザ装置の前記第2コンポーネントは、前記受信したコンテンツアイテムに関連して受信されたアプリケーション識別子に基づいて前記コンテンツ提示アプリケーションを決定するように構成されたプロキシサーバを含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明が実行されうる移動体環境の実施形態を概略的に説明する図。
【図2】図1の配布制御ゲートウェイの機能コンポーネントを説明する図。
【図3】図2の配布制御ゲートウェイの動作モードの第1実施形態を説明するフロー図。
【図4】図2の配布制御ゲートウェイの動作モードの第2実施形態を説明するフロー図。
【図5】図2の配布制御ゲートウェイの動作モードの第3実施形態を説明するシーケンス図。
【図6】図1のプロバイダレジストリの機能コンポーネントを説明する図。
【図7】図6のプロバイダの動作を説明するフロー図。
【図8】図1のユーザレジストリの機能コンポーネントを説明する図。
【図9】図8のユーザレジストリの動作を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に説明される例示の実施形態を参照しつつ本発明が更に記載される。
【0034】
以下の記載では、説明のためであって限定のためではなく、本発明の完全な理解を提供するために、移動体通信環境における広告の配布のためのコンテンツ提供システムに関して特定の詳細が説明される。本発明がこれらの特定の側面から逸脱する他の実施形態で実施されてもよいことが当業者に明らかだろう。例えば、本発明は、本発明を説明するために以下に記載される広告または一般ニュースの配信のために実施されてもよいだけでなく、(クライアントソフトウェア更新の通知を含む)通知、リマインダなどの配布のような他の目的のためにも同様に実施されてもよい。一例として、本発明はニュースのタイプ(政治、経済、スポーツなど)に依存して変動するユーザの集団への特定のニュースの配布を制御するために適用されてもよい。ニュースは一般に1つ以上の発行者によって移動体ネットワークへ提供されてもよい。
【0035】
以下に説明される機能は個別のハードウェア回路構成を用いて実施されてもよいが、プログラム型マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)または汎用プロセッサと連携して機能するソフトウェアを用いて実施されてもよいことを当業者は更に理解するだろう。本発明が方法として記載される場合に、本発明はコンピュータプロセッサと、このプロセッサに結合したメモリとにおいて具現化されてもよいことも理解されるだろう。メモリには、プロセッサにより実行される場合に、本明細書に開示される方法を実行する1つ以上のプログラムが符号化される。
【0036】
図1は、移動体通信ネットワーク100、これに関連する複数の移動体ユーザ装置102、103およびコンテンツプロバイダサーバ(CP−S)104、106を含む移動体環境の実施形態を説明する。(短縮化のために以下で時折「移動体ネットワーク」と呼ばれる)移動体通信ネットワーク100はユーザ装置102、103とCP−S104、106との間の通信を可能にする複数の相異なる機能エンティティを備えるが、本発明を説明するために一部の機能エンティティだけが図1に説明される。特に、移動体ネットワーク100は配布制御ゲートウェイ(DC−GW)108、プロバイダレジストリ110、ユーザレジストリ112およびプロビジョニングサーバ114を備える。
【0037】
CP−S104、106は当然のことながら移動体ネットワーク100に関連する複数のユーザ装置へコンテンツアイテムを提供してもよい。やはり簡略化のために、ユーザ装置102、103だけが説明される。後で言及されるが、ユーザ装置102はプロキシサーバ116および少なくとも2つのサービスアプリケーション118、120を備えるものとして示される。ユーザ装置103は同様のコンポーネントを備えてもよいし、ユーザ装置102とは異なるように構成されてもよい。
【0038】
図1に説明される移動体ネットワーク100のエンティティは、CP−S104、106から、移動体ネットワーク100に関連するユーザ装置102のようなユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布の柔軟な制御を可能にする。例としてCP−Sが、小売店の中またはその周辺に現在位置するネットワーク100の移動体ユーザへ広告、小売商品のリスト、オファリングなどを提供するための広告サーバであることを検討する。CP−S104は広告122をDC−GW108へ提供する。DC−GW108はプロバイダレジストリ110およびユーザレジストリ112にアクセスし、これらのレジストリへの参照結果に基づいて、広告をどのユーザ装置へ転送するか(、そして場合によってはユーザ装置のどのアプリケーションへ転送するか)を決定する。このために、DC−GWはプロバイダアクセス制御部(PAC)124および装置アクセス制御部(DAC)126を備える。ユーザ装置のプロキシサーバ116はアプリケーション118、120のうちの適切な1つへ広告を転送する。プロビジョニングサーバ114は新たなサービスアプリケーションまたは更新されたサービスアプリケーションをユーザ装置へ提供するようにDC−GW108によって制御される。総括的に、DC−GW108は移動体ネットワーク100の1つ以上の配布制御ゲートウェイのうちの1つであってもよい。
【0039】
図2は図1のDC−GW108の機能コンポーネントをより詳細に説明する。ゲートウェイ108はログインサーバ202を備え、PAC124内にPAC制御コンポーネント204、レジストリアクセスコンポーネント206、208およびターゲット決定コンポーネント210を備え、DAC126内にDAC制御コンポーネント212、アプリケーション管理サーバ(AMS)214およびマルチプリケータ216を備える。
【0040】
ここで、図3のフロー図を参照しつつDC−GW108の動作モードの第1実施形態が説明される。説明のために、以下の記載は上記で概説された例示のシナリオに依存し、ユーザ装置102のようなユーザ装置へ配布するために(以下で「広告サーバ」104として参照されることもある)CP−S104から移動体ネットワーク100へ広告122が送信される。広告112は例えばウェブページのバナー領域に表示されることが意図されたバナー広告であってもよい。
【0041】
DC−GW108はユーザ装置への広告122の配布を制御する。ステップ302はより詳細に後述される。ステップ304で、ターゲットユーザ表示(TUI:Target User Indication)128(図1または図2参照)がCP−S104から受信される。TUI128は広告122を提示するための1つ以上のターゲットユーザ装置を示す。TUI128はCP−S104から、広告122に直接に関連して、例えば同一メッセージ内で送信されてもよいし、広告122の送信の前または後に別々に送信されてもよい。CP−S104とDC−GW108のログインサーバ202との間で実行されるログイン手続きは広告122の送信とTUI128の送信とのうちの一方または両方に先行してもよい。このようなログイン手続きは例えば広告122および/またはTUI128の機密送信が実行されうるようにCP−S104とDC−GW108との間にセキュアな接続を確立することを含んでもよい。
【0042】
TUI128は1つ以上の個別のユーザ装置を広告122のためのターゲットユーザ装置として示してもよい。例えば、TUI128はユーザ装置120および更なる装置のMSISDNまたは同様の装置識別子を示してもよいし表してもよい。これに加えてまたはこれにかえて、ユーザ装置のユーザのユーザ名またはユーザ装置に実装されたアプリケーションの識別子(ID)が与えられてもよい。例えば、プロキシサーバ116のIPアドレス、ポート番号などが与えられてもよい。更なるまたは別の可能性として、TUI128はユーザレジストリ112内のユーザプロファイルの特定のパラメータを参照するパラメータ表示またはパラメータ値表示のような不特定の表示を含んでもよい。例えば、TUI128はターゲットユーザの年齢層、性別、ロケーションエリア(群)を示してもよいが、契約のタイプ(プレミアム、ベーシックなど)などを示してもよい。
【0043】
TUI128がコンテンツアイテム122から分離した別個のメッセージ、メッセージ部、メッセージ内のデータフィールド、または同様の明示的な表示であることが説明のために図示され上述されたが、他の実施形態では分離しておらず且つ明示的でないTUIがDC−GWへ提供されてもよいことが留意されるべきである。そのかわりに、TUIはDC−GW108のような配布制御ゲートウェイへ暗黙的に提供されてもよく、DC−GW108は次いで受信したコンテンツアイテムに関する側面から意図されたターゲットユーザを決定する必要があるだろう。例えば、上述のように、明示的なTUIメッセージはコンテンツプロバイダサーバのネットワークアドレスを示してもよい。しかしながら、DC−GW108は、コンテンツアイテムの少なくとも一部を暗黙的なTUIとして表すメッセージ122のソースアドレスを採用してもよい。すなわち、DC−GW108はメッセージ122のソースアドレスを(例えばIP(インターネットプロトコル)v4またはv6のアドレスであってもよい)CP−S104のネットワークアドレスとして採用し、このアドレスに基づいてターゲットユーザ決定処理を実行する。これに加えてまたはこれにかえて、コンテンツアイテム122自身に示されるかまたはコンテンツアイテム122自身から導出可能なコンテンツのタイプ(テキスト、イメージなど)や、コンテンツアイテムの受信時刻などがCP−S104によって(暗黙的な)TUIとして用いられてもよい。
【0044】
一部の実施形態では、暗黙的なTUIの使用に起因して、明示的なTUIは必要ない。更に別の実施形態では、ターゲットユーザを決定するために明示的なTUIと暗黙的なTUIとの両方がコンテンツプロバイダサーバによって用いられてもよい。例えば、TUI128のような明示的なTUIは意図されるターゲットユーザの性別および年齢層を示してもよいし、コンテンツプロバイダサーバはこれらのパラメータに加えて、プロバイダ権限および/またはユーザ権限を決定するためにコンテンツアイテムを搬送する(メッセージ122のような)メッセージに表されるコンテンツプロバイダサーバのIPアドレスを用いる。
【0045】
図1および図2に説明される実施形態では、広告122およびTUI128の両方がPAC制御コンポーネント204で受信される。他の実施形態では、コンテンツアイテムは、ターゲットユーザ表示を受信するエンティティとは異なる配布制御ゲートウェイ(または移動体ネットワーク)の機能エンティティにより受信されてもよい。例えば、先行して広告が送信され広告レポジトリに格納されてもよく、このレポジトリはこの目的のために移動体通信ネットワークによって提供される。広告の抽出およびユーザへの提示は次いでターゲットユーザの表示の受信のみによって引き起こされてもよい。ターゲットユーザ表示は次いで自身が関連する広告(群)の表示を必須フィールドとして有するだろう。
【0046】
ステップ306で、TUI128の受信によってPAC制御コンポーネント204が起動され、次いでターゲットユーザ装置へ広告122を配布するためのCP−S104に関連するプロバイダ権限を決定するためにアクセスコンポーネント206が起動されてプロバイダレジストリ110にアクセスする。
【0047】
プロバイダレジストリ110は複数のデータレコードを有してもよく、少なくとも1つのデータレコードはCP−S104に関連する(より詳細な検討は図6および図7を参照)。このデータレコードは例えば移動体ネットワーク100についてのCP−S104の汎用登録を表してもよい。この登録は(プロバイダレジストリ110がDC−GW108にローカルに関連する場合に)移動体ネットワーク100、または少なくともDC−GW108へコンテンツアイテムを提供することの汎用許可を含んでもよい。
【0048】
汎用登録に加えてまたはこれにかえて、プロバイダ権限は、コンテンツプロバイダサーバが移動体通信ネットワーク100へ送信する権限を有しているコンテンツのタイプのようなより具体的な詳細を含んでもよい。例えば、CP−S104は広告を送信する権限を有しているがニュースを送信する権限を有していなくてもよいし、ネットワーク100へ特定の種類の広告およびニュースだけ、例えばスポーツに関する広告およびスポーツニュースだけを送信する権限を有していてもよい。コンテンツアイテムの供給はまた、コンテンツアイテムのデータサイズ、コンテンツアイテムのデータタイプ、コンテンツアイテムのフォーマットまたは構造、または権限が有効な期間に関して制限されてもよい。プロバイダ権限はコンテンツアイテムが配布されうる1つ以上のユーザ装置またはユーザグループの表示を更に含んでもよいし、この表示だけを含んでもよい。このような表示はターゲットユーザ表示に対して上述されたものと同様の側面に関連してもよい。例えば、プロバイダ権限は性別、年齢、ロケーションなどのようなユーザプロファイルパラメータにより特徴付けられるユーザグループを示してもよい。代替または追加の条件の別の例では、プロバイダ権限が最大数以下のユーザ装置へコンテンツを送信するように制限されてもよい。なおも別の代替または追加の条件は、プロバイダ権限が1つ以上の所定の地理的エリア/ネットワークセルに制限されることであってもよい。
【0049】
受信したTUI128をCP−S104についてのプロバイダ権限にマッチングし、CP−S104が適切なアクセス権を有するかどうかを判定するタスクはプロバイダレジストリ110、PAC制御コンポーネント204、アクセスコンポーネント206またはこれらのコンポーネントの組み合わせにおいて実行されてもよい。判定されたプロバイダ権限に基づいて、ステップ308で、PAC制御コンポーネント204はCP−S104からコンテンツアイテムを受信する1つ以上のターゲットユーザ装置のそれぞれについてユーザ権限を決定するために、アクセスコンポーネント208を起動してユーザレジストリ112へアクセスする。より具体的に、ステップ306でプロバイダ権限の観点から許可されたターゲットとして判定されたユーザまたはユーザグループがアクセスコンポーネント208に示され、アクセスコンポーネント208はこれらのターゲットユーザまたはユーザグループのそれぞれについてのユーザ権限をユーザレジストリ112に問い合わせる。
【0050】
ユーザ権限は例えばユーザのユーザ装置へコンテンツアイテムを送信することを許可された1つ以上のコンテンツプロバイダサーバを示してもよい。この許可はまた、ユーザ装置の特定のアプリケーションを指定してもよい。別の例として、ユーザ権限は、このコンテンツプロバイダサーバ又は任意のコンテンツプロバイダサーバが送信の権限を有しているコンテンツのタイプまたはコンテンツアイテムのタイプを示してもよい。例えば、図1のユーザ装置102のユーザは、スポーツニュースおよび(広告122のような)スポーツ商品に関する広告を送信するようにCP−S104に権限が与えられてもよい。
【0051】
レジストリ122に格納されたユーザ権限は移動体通信ネットワーク100の事業者および/または個別のユーザによって設定可能であり管理可能であってもよい。例えば、ユーザは自身の加入契約のタイプに従って制限を規定することが可能であってもよい。一部の加入契約タイプでは、事業者は広告、ニュースなどを受信する許可を規定してもよい(例えばユーザは移動体事業者のコンテンツプロバイダサーバ自身からのニュースおよびオファリングを受信するようにユーザが強制されてもよい)。図3のステップ302は、ユーザレジストリ112において提供されるユーザ権限の1つ以上のこの種類の設定を反映する。この設定は例えば設定コンポーネントとして動作するDC−GW108のPAC制御コンポーネント204によって実現されてもよい。
【0052】
ステップ306、308を再び参照して、単純な例で、プロバイダレジストリ110に格納されCP−S104に関連するプロバイダ権限の検査によって、CP−S104が任意のターゲットユーザへ広告を送信する権限を有し、CP−S104から受信したTUI128がもはや制限されていないことが明らかになってもよいし、このようなものとしてアクセスコンポーネント208へ提供されてもよい。別の例では、プロバイダ権限は、TUI128が制限されているように、CP−S104についてのコンテンツアイテムの供給を特定のユーザグループに制限してもよい。例えば、プロバイダ権限に従って、広告122が提示されてもよいユーザ数が最大数に制限されることを検討する。この場合に、アクセスコンポーネント208は最大数を追加したTUI128を受信し、次いでプロバイダ権限において規定された最大数を観察するために広告122が実際に提示されてもよい全ユーザ装置の適切な部分集合を決定するように動作しなければならないだろう。
【0053】
ステップ308の結果は広告122を配布してもよい選択されたターゲットユーザ装置のリストであってもよい。選択されたターゲットユーザ装置のリストはTUI128に示されたターゲットユーザと一致してもよいし、一致しなくてもよい。すなわち、広告122はより少ないユーザ装置へ配布されてもよいし、TUI128において示されるよりも多くのユーザ装置へ配布されてもよい(この可能性は以下でより詳細に説明される)。単純な例では、対応するユーザ権限は、TUI128に従い配布を阻むさらなる制限を課すことはしない。
【0054】
選択されたターゲットユーザ装置のリストはユーザレジストリ112、アクセスコンポーネント208、PAC制御コンポーネント204またはこれらのコンポーネントの組合せによって構築されてもよい。ステップ310で、PAC制御コンポーネント204は初期化コンポーネントとして動作し、1つ以上の決定されたユーザ権限に基づいて、選択されたターゲットユーザ装置への広告122の送信を初期化する。より具体的に、PAC制御コンポーネント204は広告122(またはその表示)と選択されたターゲットユーザ装置とをDAC制御コンポーネント212へ提供する。
【0055】
DAC制御コンポーネント212は選択されたターゲットユーザ装置への広告122の送信を制御する。最初に、制御コンポーネント204と制御コンポーネント212との何れか一方が送信のために広告122を適切に適合するように動作してもよい。例えば、広告124は再フォーマットされてもよいし、それ以外の方法で、移動体通信ネットワーク100の無線インタフェースを介した送信に適するか、および/または選択されたユーザ装置における提示に適するように変換されてもよい。例えば、広告122は移動体ユーザ装置の小さな画面での提示に個別に適合しないかもしれない。DAC制御コンポーネントまたはAMS214は、例えば広告122のグラフィックイメージ部分を減らすことによって、または広告122´(図1参照)がCP−S104によって提供された広告122のテキスト部分だけを含みうるようにグラフィックイメージ部分を全体的に省略することによって、移動体環境への広告122の適応を実施してもよい。
【0056】
更にAMS214について、このサーバは、ユーザ装置102のアプリケーション118、120のような、ネットワーク100に関連するユーザ装置へのサービスアプリケーションの供給の制御のために提供され(以下のより詳細なAMSのこの側面を参照)、ユーザ装置のこれらのアプリケーションのアドレス指定のために更に提供される。
【0057】
例えば、広告122がユーザ装置102のアプリケーション118へ提供されることを検討する。ユーザ装置102は自身に実装されたプロキシサーバ116を有し、プロキシサーバ116はコンテンツアイテムを適切なアプリケーションに更に配布するタスクを有するので、AMS214は、広告122がプロキシサーバ116へ送信されうるように、DAC制御コンポーネント212へプロキシサーバ116の表示を提供する。プロキシサーバが自身に実装されていないユーザ装置について、AMS214は、広告122が配布されるべき適切なアプリケーション118を識別するためのアプリケーション識別子をDAC制御コンポーネント212へ提供するように動作する。AMS214は自身に関連するレポジトリ(不図示)を有してもよく、このレポジトリはDC−GW108(より正確にはDAC126)により制御されるユーザ装置のプロキシサーバおよび/またはアプリケーションの識別子(IPアドレス、ポートなど)を格納する。
【0058】
DAC制御コンポーネントは選択されたユーザ装置へ広告128を配布するためにマルチプリケータコンポーネント216を起動する。マルチプリケータコンポーネント216は広告128(すなわち、広告128を表すメッセージまたはメッセージ集合)を複製してもよく、選択されたターゲットユーザ装置のそれぞれとの複数のユニキャスト接続の設定を開始してもよい。これに加えてまたはこれにかえて、マルチキャストセッションが開かれてもよい。更に別の可能性として、大きなおよび/または地理的に明確なユーザグループについて、例えば小売店をカバーする移動体ネットワーク100のセルのような特定のエリア内に選択されたユーザ装置のすべてが位置する場合に、ブロードキャスト送信が設定されてもよい。マルチプリケータ216はまた、これらの可能性の組合せを決定してもよい。
【0059】
広告122は(ブロードキャスト送信のように)選択されたターゲットユーザ装置へ本質的に同時に提供されてもよいが、選択されたユーザ装置のそれぞれに個別の時点で提供されてもよい。この場合に、選択された各ユーザ装置に広告122が提供されるまで、DC−GW108に関連するレポジトリに広告122が格納されてもよい。例えばユーザ装置102が小売店のロケーションに入ったことによりユーザがアプリケーション118の実行を開始するとすぐに、例えばユーザ装置102またはその特定のアプリケーション118へ広告122が提供されてもよい。
【0060】
図4は図1および図2のDC−GW108の動作モードの第2実施形態を説明する。繰り返しを避けるために、以下の検討は図3および図4にそれぞれ説明される第1実施形態および第2実施形態との間で異なる側面に注目する。よって、以下に明示的に言及されていない任意の側面は第1実施形態および図3を参照して説明されたものであってもよい。
【0061】
説明のために、ユーザ装置102のアプリケーション120(ここではニュースアプリケーション)へニュースアイテム129(図1参照)を配布するために移動体ネットワーク100へニュースアイテム129を提供するニュースサーバであるCP−S106に第2実施形態が関連すると仮定する。ステップ402で、DC−GW108はニュースサーバからニュースアイテム129を受信する。アイテム129とともに、この例では選択パラメータ(ユーザプロファイルパラメータ)に基づいてターゲット視聴者を示す関連するTUI130が提供される。DC−GW108は例えばニュースアイテム129を搬送するメッセージのソースアドレスをCP−S106のネットワークアドレスとしてみなし、これをプロバイダ権限および/またはユーザ権限を決定するために用いることによって、このソースアドレスをTUI130の付加的で暗黙的な部分として採用してもよい。ステップ402に関するPAC124の動作はステップ304に関して説明されたものと同様であってもよい。
【0062】
ステップ404でPAC124は更に、発行者すなわちCP−S106の事業者が移動体ネットワーク100に登録され、且つ移動体ネットワーク100のユーザ装置へニュースアイテム129を提供するために必要な権利を有するかどうかを判定するように動作してもよい。ステップ404に関するPAC124の動作は上述のステップ306のものと同様であってもよい。CP−S106についてのプロバイダ権限がニュースアイテム129の配布を許可しないことがステップ404で判定された場合に、CP−S106(またはサーバ106を動作するニュースプロバイダに関連する別の適切なエンティティ)へエラー応答がステップ406で返される。
【0063】
発行者が必要な権利を有するとステップ404で判定された場合に、取りうる受信者(ターゲットユーザ装置)の表示が、受信したユーザプロファイルパラメータ(例えば、性別、年齢または現在のロケーション)に基づいてユーザレジストリ112からステップ408で読み出される。ステップ408はステップ308について説明されたのと同様の方法で実行されてもよいので、この詳細はここでは繰り返さない。
【0064】
ステップ410で、ターゲット決定コンポーネント210は追加のターゲットユーザ装置の表示を決定するように動作する。これらの追加の受信者はニュースアイテム129に関連するTUI130には示されない。例えば、ユーザ装置102はTUI130に示されるかもしれないが、ユーザ装置103は示されなくてもよい。ユーザ装置103は次いで追加のターゲットユーザ装置として決定されてもよい。追加のターゲットユーザ装置は例えば受信したニュースアイテム129、TUI130、CP−S106の(サーバアドレスのような)表示またはこれらの組合せに基づいて、ユーザレジストリ112から決定されてもよい。具体例として、追加のターゲットユーザ装置は、TUI130に含まれる特定の地理的な提示エリア(例えば都市または地域)の表示から決定されてもよい。コンポーネント210はプロバイダレジストリ110内のCP−S106に関連する登録レコードから、他のニュースアイテムも規則的に第2地理的提示エリアへ向けられることを決定してもよい。よって、第2提示エリア内に現在位置している追加のターゲットユーザ装置が決定されてもよい。
【0065】
ステップ412で、追加のターゲットユーザ装置の表示が(図1または図2では示されない)CP−S106へ提供される。上述の例を更に用いて、例えば第2提示エリア内に現在位置している追加のターゲットユーザ装置の個数が発行者へ提供されうる。
【0066】
発行者がステップ410において識別された追加のターゲットユーザ装置へのニュースアイテム129の提示を許可することを仮定する。次いで、ステップ414で、ステップ408、410において決定されたターゲットユーザ装置のそれぞれに対して、これらのターゲットユーザ装置のそれぞれについてユーザ権限がそれぞれのユーザ装置へのニュースアイテム129の配布を許可するかどうかを判定するためにユーザレジストリ112がアクセスされる。このステップは上記のステップ308について説明されたのと同様の方法で実行されてもよい。
【0067】
ニュースアイテムの送信のためにステップ414で選択されたターゲットユーザ装置について、ステップ416で例えばDAC制御コンポーネント212においてニュースアイテム129がフォーマットされる。ステップ418で、例えばユーザ装置102のアプリケーション120を含む選択されたユーザ装置の適切なニュースサービスアプリケーションへニュースアイテム129が送信される。ステップ420で、CP−S106(またはサーバ106に関する発行者によってこの目的のために提供される別のエンティティ)へ通知が送信される。この通知はニュースアイテム129が実際にどのユーザ装置へ提示されたかを示してもよい。この通知はまた、ニュースアイテムが提示されなかったユーザの表示を含んでもよい。例として、この通知は選択されなかったターゲットユーザ装置の個数を示してもよい。別の例として、この通知はTUI130により対象とされたユーザの数に関連してニュースアイテム129が実際に配信されたユーザ装置の個数を示してもよいし、TUI130に従って対象とされたユーザが実際に適切なユーザ権限を有する割合を示してもよい。
【0068】
図1のDC−GW108の動作モードの更に別の実施形態が以下に図5のメッセージシーケンス図を参照して記載される。以下の検討は図3および図4にそれぞれ説明された第1実施形態および第2実施形態とは異なる側面に注目する。以下に明示的に言及されない任意の側面は第1実施形態および図3に関連して説明されたように理解されてもよい。説明のために、ここでもCP−S106がDC−GW108へニュースアイテム129を提供すると仮定する。
【0069】
関与する機能エンティティはCP−S106(「発行者サーバ」)、図1のDC−GW108のPAC124およびDAC126、プロバイダレジストリ110、ユーザレジストリ112ならびにユーザ装置102のプロキシサーバ116およびニュースアプリケーションである。PAC124およびDAC126は場合によっては1つのハードウェアプラットフォーム上の単一のエンティティとして提供されてもよく、場合によっては別々のハードウェアプラットフォーム上の別々のエンティティとして提供されてもよい。
【0070】
メッセージ501を用いて、発行者サーバ106はPAC124へニュースアイテム129およびTUI130を送信する。メッセージ501は例えばHTTP POSTメッセージであってもよいし、ニュースアイテム129、ニュースアイテム129のデータサイズの表示、ユーザ装置120のようなユーザ装置にニュースアイテム129を表示するために必要なニュースサービスアプリケーション120を示すアプリケーション識別子(アプリケーションID)、TUI130および発行者サーバ106を示すコンテンツプロバイダ識別情報(プロバイダID)を含んでもよい。
【0071】
メッセージ502、例えばHTTP GETメッセージを用いて、PAC124は発行者サーバ106についてのプロバイダ権限を決定するためにプロバイダID(および場合によってはアプリケーションID)に基づいてプロバイダレジストリ110にアクセスする。メッセージ503は、プロバイダレジストリ110からPAC124へ提供される応答メッセージ、例えばHTTPレスポンスである。メッセージ501〜503に関する処理の詳細は図3のステップ304、306または図4のステップ402、404について説明されたものであってもよい。
【0072】
応答メッセージ503に基づいて、PAC124はプロバイダ権限の観点から、移動体ネットワーク100によりサービスが提供されるターゲットユーザ装置のうちのどれに対してニュースアイテム129を配布できるかを決定してもよい。これに従って、PAC124はメッセージ504、例えばHTTP POSTメッセージをDAC126へ提供する。メッセージ504は(場合によっては再フォーマットされた)メッセージ501とともに受信したニュースアイテム129、TUI130およびアプリケーションIDを含んでもよい。
【0073】
図5の実施形態はPAC124がプロバイダレジストリ110だけにアクセスするが、ユーザレジストリ112へのアクセスはDAC126によって実行される点で図2、図3、図4の実施形態とは異なる。従って、DAC126はメッセージ505、例えばHTTP GETメッセージをユーザレジストリ112に提供する。メッセージ505はメッセージ501とともに受信したTUI130を含んでもよいし、プロバイダレジストリに格納されたプロバイダ権限から決定された更なる制約を含んでもよい。別の実施形態では、メッセージ505はTUI130よりも緩やかな制限であってもよく、すなわち追加のターゲットユーザ装置または追加のターゲットユーザグループがDC−GW108により決定されている場合である。
【0074】
単純な例として、メッセージ501において受信されたTUI130がメッセージ505とともにユーザレジストリ112へ送信されてもよい。TUI130は「年齢が19歳から49歳までであり、‘エリアID’により規定されたエリア内に現在位置するユーザに関連するすべてのユーザ装置を読み出す」ことを示してもよい。所定のエリアIDは例えば移動体ネットワーク100の1つ以上のセルによりカバーされる都市の地理的エリアを示してもよい。ユーザレジストリ112は、TUI130にマッチする特定のユーザ装置を(例えばMSISDNによって)示すメッセージ506、例えばHTTP応答メッセージで応答する。
【0075】
DAC126はメッセージ507、例えばHTTP GETメッセージを選択されたユーザ装置のそれぞれへ送信するが、図5では説明のためにユーザ装置102のプロキシサーバ116へのメッセージだけが示される。メッセージ507はプロキシサーバ116へ宛てられるので、この宛先アドレスがユーザレジストリ112からの応答メッセージ506で読み出されていてもよいし、図2のAMS214と同様のアプリケーション管理サーバがプロキシサーバのアドレスを提供していてもよい。メッセージ507はニュースアイテムを送信する準備ができていることの表示を含んでもよい。メッセージ507は例えばニュースアイテム129のサイズを示してもよい。応答メッセージ508、例えばHTTP応答メッセージを用いて、プロキシサーバ116はニュースアイテム129の受信の準備ができていることを確認する。次いで、DAC126はメッセージ508、例えばHTTP POSTメッセージを用いて、アプリケーション120のアプリケーションIDとともに、適切にフォーマットされたニュースアイテム129をプロキシサーバ116に提供する。
【0076】
メッセージ510、例えばHTTP POSTメッセージを用いて、プロキシサーバ116は受信したニュースアイテム129をニュースアプリケーションに転送する。アプリケーションIDがDAC126により提供され、それ故プロキシサーバ116に利用可能である場合に、プロキシサーバ116のタスクは単なる転送である。アプリケーションIDが提供されない場合に、プロキシサーバ116は本明細書の別の部分で説明された別の方法で、受信したコンテンツアイテムを転送する適切なアプリケーションを決定しなければならない。1つの例では、DAC126はアプリケーションIDの代わりに発行者サーバ106に関連するプロバイダIDを提供し、これはニュースアプリケーションを識別するためにプロキシサーバ116により用いられてもよい。
【0077】
(HTTP)応答メッセージ511を用いて、ニュースアプリケーションはプロキシサーバ16がニュースアイテム129を提示することを承認する。続いて、プロキシサーバは(HTTP)応答メッセージ512によってDAC126へ通知する。更なる(HTTP)応答メッセージ513がDAC126によりPAC124へ送信され、PAC124は続いて(HTTP)応答メッセージ514を発行者サーバ106へ送信する。メッセージ513、514は複数のユーザ装置から様々なフィードバックを収集してもよい。
【0078】
図6は図1および図2のプロバイダレジストリ110の機能コンポーネントを詳細に説明する。図6のプロバイダレジストリ110は受信・制御コンポーネント602、記憶コンポーネント604および応答コンポーネント606を備える。
【0079】
プロバイダレジストリ110はDC−GW108にローカルに関連してもよいし、移動体ネットワーク100内の複数の配布制御ゲートウェイにサービスを提供する中央サービスレジストリであってもよい。プロバイダレジストリ110の動作が図7のフロー図を参照しつつ以下に説明される。総括的に、プロバイダレジストリ110は移動体通信ネットワーク100内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの送信の制御をサポートするように動作する。
【0080】
ステップ702で、制御コンポーネント602はコンテンツプロバイダサーバ、例えばCP−S104、106を示すリクエストをDC−GW108から受信する。例示のために、以下では図5のメッセージ502が制御コンポーネント602においてリクエスト608として受信される、すなわちリクエスト608はCP−S106を示すと例示的に仮定する。制御コンポーネント602は受信したリクエスト608を処理し、記憶コンポーネント604にアクセスして、TUI130により示されるターゲットユーザへニュースアイテム129を送信する権限をCP−Sまたは発行者サーバ106が有するかどうかを判定する。プロバイダレジストリ110は自身に登録された各プロバイダについて、例えばコンテンツプロバイダサーバのプロバイダIDとサーバアドレスとを有してもよいデータレコードを格納してもよい。データレコード内の更なるデータフィールドは、所定のID番号の集合に従う「スポーツニュース」、「政治ニュース」、「経済ニュース」などのようなコンテンツアイテムの特定のタイプを表すコンテンツのタイプIDであってもよい。次いで、ニュースアイテム129は対応するタイプIDを示さなければならない。更なるデータフィールドはアイテムの最大許容サイズに関連してもよいし、プロバイダがコンテンツアイテムを提示することを許可された提示エリアの識別子に関連してもよい(このような提示エリアは例えば移動体ネットワーク100の1つ以上のセルを含んでもよい)。
【0081】
1つ以上の更なるデータフィールドはユーザレジストリ112に格納されるユーザプロファイルのプロファイルパラメータ、例えば性別、年齢または現在のロケーションおよび場合によってはその許容値または許容範囲を示すデータレコードに提供されてもよい。更に別の可能性として、データレコードは例えばニュースサービスの顧客である移動体ネットワーク100の特定のユーザへCP−S106によって提供される特定のサービス、例えばニュースサービスに関する発行IDを示してもよい。発行IDはCP−S106に関するデータレコードから抽出されてもよく、ニュースサービスの顧客を識別するためにDC−GW108に配信されてもよい。これに加えてまたはこれにかえて、発行IDは関連するデータレコード内の関連するデータフィールドと比較するために、TUI130およびリクエスト608に含まれてもよい。
【0082】
ステップ704で、リクエスト608へのレスポンス610がDC−GW108に提供される。レスポンス610の1つの例は図5のメッセージ503である。この例では、レスポンス610は移動体通信ネットワーク100に関連するユーザ装置へコンテンツアイテム129を配布するためのCP−S106のプロバイダ権限を示す。これはプロバイダレジストリ110が記憶コンポーネント604からCP−S106に関するデータレコードを読み出してこのデータレコードをDC−GW108に提供するように単に動作するか、ニュースアイテム129の配布がプロバイダ権限に従って許可されるかどうかの判定処理の少なくとも一部がプロバイダレジストリ110において実行されるかに関する具体的な実施形態の詳細に依存する。前者の場合に、レスポンスは記憶装置604から読み出されたデータレコードを含み、後者の場合にレスポンスは判定処理の肯定的な結果又は否定的な結果を単に示してもよい。
【0083】
図1および図2のユーザレジストリ112は例えばHSS(ホーム加入者サーバ)としてまたはHSSに関連して実装される移動体通信ネットワーク100の中央コンポーネントであってもよい。他の実施形態では、ユーザレジストリ112はDC−GW108のような特定の配布制御ゲートウェイに関連するローカルコンポーネントとして実装されてもよい。例として、ユーザレジストリ112は移動体ネットワーク100内の中央HSSに提供されるユーザプロファイルの関連部分のローカルイメージを含んでもよい。
【0084】
ユーザレジストリ112はプロバイダレジストリ110について図6で説明されたものと同様の機能構造を有してもよい。ユーザレジストリ112は、ユーザ装置および/またはユーザ装置に実装される特定のアプリケーションにそれぞれ関連するユーザ権限のリストを備えてもよい。言い換えると、移動体ネットワーク100(またはその部分集合)の各加入者または各ユーザに対して、少なくとも1つのデータレコードが提供されてもよい。各データレコードは例えばユーザIDに関連して、個別のユーザ装置にコンテンツアイテムを提供することが許可されたプロバイダを識別する1つ以上のプロバイダIDを有してもよい。プロバイダIDは例えばCP−S106のアドレスのようなサーバアドレスを示してもよい。更なるデータフィールドが許可されたコンテンツのタイプ(テキスト、イメージ、ビデオ、またはこれらの組合せ)を示すコンテンツタイプIDを表してもよい。プロバイダレジストリ110について上述されたものと同様に、許可されたコンテンツアイテムのタイプ(ニュースなど)を示すコンテンツアイテムタイプIDを更に別のデータフィールドが表してもよい。例えばユーザ装置の能力に従って移動体ネットワーク事業者によって設定されてもよいコンテンツアイテムについての最大許容サイズを別のデータフィールドが示してもよい。
【0085】
一部の実施形態ではユーザレジストリ112はまた、例えばユーザ装置の現在の位置を示す、ユーザ装置に関連するロケーション情報を有してもよい。このようなロケーション情報は、ユーザレジストリ112がHSSと同じホスト装置に実装されないならば、ネットワーク事業者のHSSのような外部ユーザデータベースから(例えば規則的な間隔で)読み出されて更新されてもよい。これにかえて、位置データは、例えば移動体電話の形式のユーザ装置が、移動体ネットワークのどのセルにユーザ装置が現在位置しているかを知っている場合に、(合意の下で)ユーザ装置から直接に読み出されてもよい。一部のユーザ装置はGPSも備え、それ故GPSベースのロケーション情報をユーザレジストリ112に提供してもよい。
【0086】
更に別の実施形態では、ロケーション情報はまた、ユーザレジストリ112の位置データを更新せずに、ロケーションブローカサーバまたはHSSのような、ユーザレジストリ112以外のデータベースから配布制御ゲートウェイに提供されてもよい。
【0087】
図1のユーザ装置102を例として参照して、このユーザ装置に関するデータレコードの更なるデータフィールドがプロキシサーバ116のアドレスを示してもよい。別のデータフィールドまたはデータフィールド群は、ユーザ装置がJava(登録商標)対応かどうかを示してもよい。このデータレコード内の更なるデータフィールドはアプリケーション118、120のそれぞれに関連してもよい。
【0088】
これらのデータフィールドはそれぞれ、例えばアプリケーションID、このアプリケーションに配信されるコンテンツアイテムの最大サイズ、これに配信されるコンテンツアイテムの必要な構造またはフォーマット(HTML、Java(登録商標)など)、および/またはアプリケーションの要件に関する他の表示を示すサブフレームを有してもよい。
【0089】
コンテンツアイテムが対応するユーザ装置へ配信されうるかどうかをユーザデータレコードに基づいて判定する処理はDC−GW108において実行されてもよく、ユーザレジストリ112において実行されてもよく、両方において実行されてもよい。
【0090】
図8は図1のユーザ装置102の機能コンポーネントを更に詳細に説明する。特に、ユーザ装置102は受信コンポーネント802、プロキシサーバ116、格納コンポーネント804および複数のコンテンツ提示サービスアプリケーション118、120、806、808を備える。
【0091】
ユーザ装置102の動作が図9のフロー図を参照しつつ説明される。総括的に、ユーザ装置102は移動体通信ネットワーク100によるユーザ装置102へのコンテンツアイテムの送信の制御をサポートするように適合される。説明のため、ユーザ装置102内のアプリケーション118へ広告122´が提供される図1〜図3で説明された実施形態を参照して検討する。
【0092】
ステップ902で、受信コンポーネント802はDC−GW108から例えばHTTPメッセージに埋め込まれた広告122´を受信する。メッセージはプロキシサーバ116へ宛てられているので、受信コンポーネント802はそこへメッセージを転送する。ステップ904で、プロキシサーバ116は受信した広告122´が提供されるべきアプリケーションを決定する。前述のように広告122´とともにアプリケーションIDが配信される場合にこのタスクは単純である。この場合に、プロキシサーバ116は、受信したアプリケーションIDに基づいてアプリケーション118の内部アドレスを決定するために単に記憶コンポーネント808にアクセスしてもよい。広告122´に関連してアプリケーションID(または他の表示)が受信されない場合に、プロキシサーバ116は他の表示に基づいて適切なアプリケーションを決定しなければならない。例えば、プロキシサーバ116は複数のアプリケーション118、120、806、808のうちのどれが現在稼動しているかを決定してもよいし、および/または広告に含まれるコンテンツのタイプ(例えば、テキスト、イメージ、ビデオデータなど)を決定してこのコンテンツの種類からどのアプリケーションへ受信したコンテンツアイテムを配信するかを結論付けてもよい。ステップ906で、プロキシサーバ116は受信した広告122´を、決定したアプリケーション118に配布する。
【0093】
移動体通信ネットワーク110のプロビジョニングサーバ(図1参照)は新たなサービスアプリケーションまたは更新されたサービスアプリケーションをユーザ装置102へ提供するようにDC−GW108によって制御される。このようなアプリケーションのプロビジョニングサーバ114からのダウンロードは装置102によって起動されてもよい。例として、ユーザは小売業者の店を訪問してもよく、ユーザ装置をNFC(近距離通信)装置またはRFID(無線周波数識別)装置に能動的に近づけることによって、ユーザ装置102の画面に小売業者により販売される商品を提示するためのサービスアプリケーションのダウンロードを開始してもよい。この処理では、必要なサービスアプリケーションの表示(アプリケーションID)はユーザ装置102によって提供されてもよく、ユーザ装置102は次いでこの表示をDC−GW108へ送信する。DC−GW108は対応するアプリケーションが登録されているかどうか、およびユーザ装置102へのこのダウンロードが許可されているかどうかを調べるように動作する。これらが満たされるならば、アプリケーションIDを含むリクエストがプロビジョニングサーバ114へ転送され、プロビジョニングサーバ114は次いで対応するサービスアプリケーションのユーザ装置102へのダウンロードを実行する。
【0094】
別の実施形態では、サービスアプリケーションのダウンロードは例えば配布制御ゲートウェイからユーザ装置へ送信されたSMSによって起動されてもよい。次いで、ユーザはSMSの受信を確認することによってアプリケーションのダウンロードを起動しなければならないだろう。受信した確認応答に基づいて、アプリケーションのダウンロードが開始され、プロバイダレジストリとユーザレジストリとのうちの一方または両方は、コンテンツプロバイダがユーザ装置へコンテンツアイテムを提示することが許可されるように再設定されてもよい。
【0095】
本発明は、複数のサービスアプリケーションが実装された複数のユーザ装置を一方において含み、複数のコンテンツプロバイダサーバを他方において含む移動体環境における新たなコンテンツ配布サービスの確立を簡略化にすることを可能にする。移動体通信ネットワーク内に配布制御ゲートウェイを供給することによって、コンテンツプロバイダがユーザ装置へ送信するコンテンツアイテムの集中管理のアクセス制御が可能となる。配布制御ゲートウェイは(プロバイダレジストリに格納された)ネットワークアクセス制限と(ユーザレジストリに格納された)装置アクセス制限とに基づいて管理および動作してもよい。更に、配布制御ゲートウェイはユーザ装置のサービスアプリケーションについての中央管理エンティティとして動作してもよい。新たなアプリケーションのそれぞれを例えばネットワークアクセス制限および装置アクセス制限に関して個別に設定する必要がないので、配布制御ゲートウェイは少なくとも大部分において新たなサービスの導入を自動化することを可能にする。例えば、コンテンツプロバイダサーバは複数のコンテンツ提示サービスについて移動体ネットワークに登録されてもよい。更に、移動体通信ネットワークに配布制御ゲートウェイを導入することで、移動体ネットワークアーキテクチャを明確および軽量(lightweight)に維持しつつ、複数のユーザ装置および複数のコンテンツプロバイダにおける複数のアプリケーションの相互動作を効率的に処理することができる。
【0096】
本発明はその好適な実施形態に関連して説明されてきたが、本説明は単に例示の目的のために過ぎないことが理解されるだろう。従って、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布を制御する方法であって、前記移動体通信ネットワーク内の配布制御ゲートウェイにおいて実行され、
コンテンツアイテムを提示するための1つ以上のターゲットユーザ装置を示すターゲットユーザ表示をコンテンツプロバイダサーバから受信する工程と、
前記1つ以上のターゲットユーザ装置へ前記コンテンツアイテムを配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を決定するためにプロバイダレジストリにアクセスする工程と、
前記決定したプロバイダ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上のそれぞれについて前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するためのユーザ権限を決定するためにユーザレジストリにアクセスする工程と、
前記決定した1つ以上のユーザ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上への前記コンテンツアイテムの送信を開始する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ターゲットユーザ表示は1つ以上の特定のユーザ装置とユーザ装置のグループとのうちの少なくとも一方の表示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲットユーザ表示は前記ユーザレジストリ内のユーザプロファイルに関するユーザプロファイルパラメータ値の表示を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プロバイダ権限は前記移動体通信ネットワークへコンテンツアイテムを配布するための前記コンテンツプロバイダサーバの登録を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記プロバイダ権限は前記コンテンツプロバイダサーバが前記移動体通信ネットワークへ送信する権限を有するコンテンツのタイプを含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記プロバイダ権限は前記コンテンツプロバイダサーバがコンテンツを配布する権限を有する1つ以上のユーザ装置の表示を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のユーザ権限のうちの少なくとも1つは対応するユーザ装置へコンテンツを送信する権限を有するコンテンツプロバイダサーバを示すことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上のユーザ権限のうちの少なくとも1つは対応するユーザ装置へ前記コンテンツプロバイダサーバが送信する権限を有するコンテンツの種類を示すことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のユーザ権限のうちの少なくとも1つは、1つのユーザ装置に実装された複数のアプリケーションに関する複数のアプリケーション固有権限を含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のユーザ権限の少なくとも1つを設定する初期工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記受信したターゲットユーザ表示のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンテンツアイテムと、前記ターゲットユーザ表示の受信元の前記コンテンツプロバイダサーバの表示と、前記ターゲットユーザ表示により示されない少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置とを決定する工程と、
前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するために前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置についてのユーザ権限を決定するために前記ユーザレジストリにアクセスする工程と、
前記決定した少なくとも1つのユーザ権限に基づいて、前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置への前記コンテンツアイテムの送信を開始する工程と
を更に有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの少なくとも1つは複数のコンテンツ提示アプリケーションと前記複数のコンテンツ提示アプリケーションへ受信したコンテンツアイテムを配布するためのプロキシサーバとを備え、
前記コンテンツアイテムの前記送信は前記プロキシサーバへの前記コンテンツアイテムの送信を含む
ことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの少なくとも1つは複数のコンテンツ提示アプリケーションを備え、
前記コンテンツアイテムの前記送信は前記コンテンツアイテムが配信される前記ユーザ装置のアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別子を前記送信に含めることを含むことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記コンテンツアイテムが送信された前記1つ以上のターゲットユーザ装置を示す表示を前記コンテンツプロバイダサーバに提供する工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
ユーザ装置へのコンテンツ提示アプリケーションのダウンロードを求めるリクエストを受信する工程と、
前記コンテンツ提示アプリケーションがダウンロードについて権限を有するかを判定する工程と、
前記判定する工程の結果に基づいて、前記ユーザ装置への前記コンテンツ提示アプリケーションの前記ダウンロードを選択的に開始する工程と
を更に有することを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの送信の制御をサポートする方法であって、プロバイダレジストリにおいて実行され、
コンテンツプロバイダサーバを示すリクエストを配布制御ゲートウェイから受信する工程と、
前記受信したリクエストに対して、前記コンテンツアイテムをユーザ装置へ配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を示す応答を前記配布制御ゲートウェイに提供する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項17】
移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの送信の制御をサポートする方法であって、ユーザ装置において実行され、
前記移動体通信ネットワークの配布制御ゲートウェイからコンテンツアイテムを受信する工程と、
前記ユーザ装置に実装された複数のコンテンツ提示アプリケーションのうちのどれへ前記コンテンツアイテムを配布するかを決定する工程と、
前記受信したコンテンツアイテムを前記決定したコンテンツ提示アプリケーションに配布する工程と
を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
前記コンテンツ提示アプリケーションの前記決定は、前記受信したコンテンツアイテムに関連して受信された前記ユーザ装置のコンテキストとアプリケーション識別子とのうちの少なくとも一方に基づくことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項1乃至18の何れか1項に記載の方法を実行するためのコンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項20】
移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布を制御するように構成された配布制御ゲートウェイであって、
コンテンツアイテムを提示するための1つ以上のターゲットユーザ装置を示すターゲットユーザ表示をコンテンツプロバイダサーバから受信するように構成されたプロバイダアクセスコントローラ(“PAC”)制御コンポーネントと、
前記1つ以上のターゲットユーザ装置へ前記コンテンツアイテムを配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を決定するためにプロバイダレジストリにアクセスするように構成されたプロバイダレジストリアクセスコンポーネントと、
前記決定したプロバイダ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上のそれぞれについて前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するためのユーザ権限を決定するためにユーザレジストリにアクセスするように構成されたユーザレジストリアクセスコンポーネントと、
前記決定した1つ以上のユーザ権限に基づいて、前記1つ以上のターゲットユーザ装置のうちの1つ以上への前記コンテンツアイテムの送信を開始するように構成された開始コンポーネントと
を備えることを特徴とする配布制御ゲートウェイ。
【請求項21】
前記1つ以上のユーザ権限の少なくとも1つを設定するように構成された設定コンポーネントを更に備えることを特徴とする請求項20に記載の配布制御ゲートウェイ。
【請求項22】
前記受信したターゲットユーザ表示のうちの少なくとも1つに基づいて、前記コンテンツアイテムと、前記ターゲットユーザ表示の受信元の前記コンテンツプロバイダサーバの表示と、前記ターゲットユーザ表示により示されない少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置とを決定するように構成されたターゲット決定コンポーネントと、
前記コンテンツプロバイダサーバから前記コンテンツアイテムを受信するために前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置についてのユーザ権限を決定するために前記ユーザレジストリにアクセスするように構成されたユーザレジストリアクセスコンポーネントと、
前記決定した少なくとも1つのユーザ権限に基づいて、前記少なくとも1つの追加のターゲットユーザ装置への前記コンテンツアイテムの送信を開始する開始コンポーネントと
を更に備えることを特徴とする請求項20又は21に記載の配布制御ゲートウェイ。
【請求項23】
ユーザ装置の複数のアプリケーションを管理するように構成されたアプリケーション管理サーバを更に備えることを特徴とする請求項20乃至22の何れか1項に記載の配布制御ゲートウェイ。
【請求項24】
ログイン機能を前記コンテンツプロバイダサーバに提供するように構成されたログインサーバを更に備えることを特徴とする請求項20乃至23の何れか1項に記載の配布制御ゲートウェイ。
【請求項25】
前記ターゲットユーザ装置へ配布するために前記コンテンツアイテムを複製するように構成されたマルチプリケータコンポーネントを更に備えることを特徴とする請求項20乃至24の何れか1項に記載の配布制御ゲートウェイ。
【請求項26】
移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布の制御をサポートするように構成されたプロバイダレジストリであって、
コンテンツプロバイダサーバを示すリクエストを配布制御ゲートウェイから受信するように構成された受信コンポーネントと、
前記受信したリクエストに対して、前記コンテンツアイテムをユーザ装置へ配布するための前記コンテンツプロバイダサーバのプロバイダ権限を示す応答を前記配布制御ゲートウェイに提供するように構成された応答コンポーネントと
を備えることを特徴とするプロバイダレジストリ。
【請求項27】
移動体通信ネットワーク内のユーザ装置へのコンテンツアイテムの配布の制御をサポートするように構成されたユーザ装置であって、
配布制御ゲートウェイからコンテンツアイテムを受信するように構成された第1コンポーネントと、
前記ユーザ装置に実装された複数のコンテンツ提示アプリケーションのうちのどれへ前記コンテンツアイテムを配布するかを決定するように構成された第2コンポーネントと、
前記受信したコンテンツアイテムを前記決定したコンテンツ提示アプリケーションに配布するように構成された第3コンポーネントと
を備えることを特徴とするユーザ装置。
【請求項28】
前記第2コンポーネントは前記ユーザ装置のコンテキストに基づいて前記コンテンツ提示アプリケーションを決定するように構成されたことを特徴とする請求項27に記載のユーザ装置。
【請求項29】
前記第2コンポーネントは、前記受信したコンテンツアイテムに関連して受信されたアプリケーション識別子に基づいて前記コンテンツ提示アプリケーションを決定するように構成されたプロキシサーバを含むことを特徴とする請求項27又は28に記載のユーザ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−513625(P2012−513625A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541101(P2011−541101)
【出願日】平成20年12月23日(2008.12.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/011065
【国際公開番号】WO2010/072238
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】