説明

移動制限装置

【課題】橋梁その他の構造物に特に、垂直方向の地震力又は上揚力が誘起されたとき、その地震力等を吸収し、該構造物を支承する橋脚その他の支持構造物から該橋梁等が落橋等現象を誘起しないようにすべくした技術を提供する。
【解決手段】移動制限装置23は、第1部材24と、第2部材25を備えている。該第1部材24は略矩形状箱体で構成され、下方略中央に凹部24aを形成している。そして、該第1部材24の上面24bはボルト挿入用ねじ穴24c、24cの複数個を穿孔し、第1部材24は構造物26としての橋梁の一部に複数の固定用ボルト26a、26aを該ボルト挿入用ねじ穴24c、24c内にねじ込み固定する。前記第2部材25は基体部25aと、これと一体成形された凸部25bとで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁その他の構造物に特に、垂直方向の地震力又は上揚力が誘起されたとき、その地震力等を吸収し、該構造物を支承する橋脚その他の支持構造物から該橋梁等が落橋等現象を誘起しないようにすべくした移動制限装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術に於ける一つの例としては、特開2000−274484公開特許公報に開示した構造物移動制限用ストッパ装置がある。これについて説明すれば図11及び図12に示すように、円形または矩形等の軟質または硬質のゴム板1aの上面に、四弗化エチレン板または層からなる上部テフロン層(登録商標)1bを接着剤または一体成形等により一体に固着したゴム製下部位置決め片1cと、軟質または硬質のゴム板1dの下面に、四弗化エチレン板または層からなる下部テフロン層(登録商標)1eを接着剤または一体成形等により一体に固着したゴム製上部位置決め片1fとを、前記上部テフロン層(登録商標)1bの上面に、前記下部テフロン層(登録商標)1eを重合するように載置し、前記各ゴム製位置決め片1c、1fの接触面において、これらが相対的に横方向にスライド(移動)自在に載置されてゴム製位置決め部材1が構成されている。下部鋼製ストッパ部材2の下部に、複数のリブ3および複数の雌ねじ筒4が一体に設けられ、その雌ねじ筒4には鋼棒からなる下部アンカ部材5の上端の雄ねじ部が螺合固定されるか、または下部アンカ部材5の上端部が雌ねじ筒4に対し溶接により固着され、さらに下部ストッパ部材2の上面6の中央部には断面円形の係止用上向き突起7が一体に設けられ、また下部ストッパ部材2の上面6および上部鋼製ストッパ部材8の下面9との間には、その上向き突起7の周囲において、4つのゴム製位置決め部材1が配置され、そのゴム製位置決め部材1の下面が前記下部ストッパ部材2の上面に載置され、また4つのビス螺合用雌ねじ孔が突起周囲方向に間隔をおいて設けられ、前記ゴム製下部位置決め片1cの下部は、下部ストッパ部材2の上面に載置され、かつ前記ゴム製位置決め部材1におけるゴム製上部位置決め片1fの上部は、上部ストッパ部材8の下面に当接されて、ゴム製位置決め部材1の上部および下部が、それぞれ下部ストッパ部材2の上面および上部ストッパ部材8の下面に当接されている。
【0003】
前記のようにゴム製位置決め部材1を配置することにより、各鋼製ストッパ部材2、8と各ゴム製位置決め片1c、1fにおけるゴム板との摩擦係数は、各ゴム製位置決め片1c、1fにおけるテフロン層(登録商標)相互の接触部の摩擦係数よりも大きいので、下部鋼製ストッパ部材2とゴム製下部位置決め片1cとの間で相対的に移動する恐れはなく、また上部鋼製ストッパ部材8とゴム製上部位置決め片1fとの間でこれらが相互に当接している時には、これらが相対的に横方向に移動する恐れもない。上部鋼製ストッパ部材8の上部に、複数のリブ10および複数の雌ねじ筒11が一体に設けられ、その雌ねじ筒11には上端にフランジを有する鋼棒からなる上部アンカ部材12の下端の雄ねじ部が螺合され、かつその上部アンカ部材12は雌ねじ筒11に対し溶接により固着され、さらに上部ストッパ部材8の下面9の中央には、構造物長手方向に延長する長円形の係止用下向き開口凹部13が設けられている。また上部ストッパ部材8には、下向き開口凹部13の周囲において前記雌ねじ孔に合致する4つのビス挿通用透孔が設けられている。前記上部ストッパ部材8の下面9が前記下部ストッパ部材2の上面に載置されたゴム製位置決め部材1におけるゴム製上部位置決め片1fの上面に載置され、かつ下部ストッパ部材2の上面6と上部ストッパ部材8の下面9との間に間隙Gが設けられ、さらに前記透孔(図示せず)に挿通された仮止め用ビスが前記雌ねじ孔に螺合され、その仮止め用ビスにより下部ストッパ部材2と上部ストッパ部材8とが分離しないように仮結合され、また前記下向き開口凹部13における構造物長手方向の両端部と上向き突起7との間には構造物伸縮許容間隙Sが設けられている。
図中、14は構造物、15は支持構造体である。
【0004】
従来の技術に於ける他の例としては、図13(a)、(b)に示す構造物の移動制限部材がある。これについて説明すれば、16は支持構造体としてのコンクリート躯体であって、例えば、コンクリート橋台又はコンクリート橋脚等で構成される。17は構造物であって、例えば、RC床版や桁等で構成される。18は前記支持構造物16の上面16aに固定・配置し、前記構造物17を支える支承部材である。該支承部材18は平板部18aを形成し、この平板部18aから構造物16の上面16aに向って複数本のアンカーボルト19、19…を打込み、該支承部材18を支持構造物16の上面16aに固定する。そして、該支承部材18の先端部はRC床版や桁等でなる構造物17を支承する。一方、当該支持構造物16の側面16bには複数のアンカーボルト21、21…を該支持構造物16に打込んでブラケット20を固定・配置する。前記ブラケット20と前記構造物17間には構造物の移動制限部材22が介設されている。この移動制限部材22は、前記構造物17の下面17aにボルト17bで固定されたポット部22Aと前記ブラケット20の上端平板部20aにボルト20bで固定されたストッパー部22Bとで構成されてなり、該ポット部22Aは内面に凹陥部22aを形成し、また、該ストッパー部22Bはその中央部に突起22bを形成し、この突起22bを該凹陥部22aに嵌入配置している。
【特許文献1】特開2000−274484公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、背景技術で述べたような構成であるので次の課題が存在した。
すなわち、前述した従来の技術に於ける一つの例によれば、当該構造物移動制限用ストッパ装置に於いて、前記支持構造体15の水平方向に強大な地震力が掛った場合、該支持構造物15は左方又は右方に動き、それに伴ない上向き突起7が係止用下向き開口凹部13の左側又は右側の内壁に衝突してこの地震力が上部ストッパ部材8と下部ストッパ部材2により吸収される。しかしながら、当該支持構造体15や構造物14に誘起される地震力は必ずしも水平方向に限定されず、垂直方向にも地震力つまり上揚力が発生する。かかる場合、当該従来の技術では前記上向き突起7が前記上向き突起7が前記下向き開口凹部13から脱出し、橋梁その他の構造物14が例えば橋台、橋脚その他の支持構造体15から落下するという問題点があった。
【0006】
また、前述した従来の技術に於ける他の例によれば、本来、構造物17と支持構造物16を含む全体構造物、例えば、橋梁構造物は上部工としての構造物17と、下部工としての支持構造物16から構成され、その接点として支承部材18が担う。また、一般的に構造物17からの荷重力を支持構造物16に伝達されている。そして、前述した従来の技術に於ける一つの例と概ね同一の問題点がある。即ち、当該構造物の移動制限部材に於いて地震が誘起され、コンクリート躯体等構造物17が図11(b)の矢印a方向に示すように水平方向の地震力を受けたときは、前記ストッパー部22Bのボルト22bがポット部22Aの凹陥部22aの内面に衝当し、この地震力は構造物の移動制限部材22により吸収される。そして、当該コンクリート躯体等構造物17が垂直方向である図11(b)の矢印b方向の地震力又は上揚力を受けたときは、前記ボルト22bが図11(b)に示すように前記凹陥部22aから脱出し、最悪の場合は当該構造物14が支持構造物15から落下するという問題点があった。
因みに、従来に於ける地震の際の上揚力は、平成13年の道路橋支承便覧により支承部材18に作用する死荷重反力の10%として設計されていたが、平成16年度から死荷重反力の30%に変更された。ただし、上揚力の誘起による対策を行う場合は従来どおりの死荷重反力の10%でよいとされている。したがって、この上揚力の誘発による対策を施していない橋梁等構造物に大規模の地震特に垂直方向の地震力が発生したときは支承部材18のアンカーボルト19’は図11(b)に示すように破断し、引き抜け又は上沓と下沓は逸脱して、構造物17としての上部工と支持構造物16としての下部工は不連続となり橋梁すなわち全体構造物は機能不全となり、落橋現象を誘起する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る移動制限装置は従来に於ける移動制限装置や落橋防止装置等が施された橋梁であっても、上揚力の誘発による対策としての検討はなされていない実情に鑑み発明したものであり、水平方向の移動制限は勿論のこと、上下動による垂直方向の移動にも上端凹部の両側面に開口した孔に挿通され、下部凸部に累着した上揚力制限ボルトにより制限できる装置を提供し、前記した上揚力の誘発による対策を可能とした技術、特に前記構造物の垂直方向の地震力を吸収する移動制限装置を提供することを目的としたものであって、次の構成、手段から成立する。
【0008】
すなわち、請求項1記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、下方略中央に凹部又は凸部を形成する第1部材と、該第1部材に空間Sを介在させて係入・連結すると共に上方略中央に凸部又は凹部を形成する第2部材と、前記凹部の前・後壁の左右に切欠したガイド孔を貫通して前記凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、該構造物に固定されかつ下方略中央に凹部を形成すると共に前・後壁の左右に切欠したガイド孔を備えた第1部材と、前記支持構造体に固定されかつ該第1部材の凹部に空間Sを介在させて嵌入すると共に上方略中央に凸部を形成する第2部材と、前記第1部材のガイド孔を貫通して前記第2部材の凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明に於いて、前記第1部材又は第2部材の凸部は外周に緩衝材を被覆したことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明に於いて、前記第1部材又は第2部材の凹部は弾性樹脂材料を充填したことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明に於いて、前記第1部材及び/又は第2部材は構造溶接用鋳鋼材料又は構造用鋼材で構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、下方略中央に凹部又は凸部を形成する第1部材と、該第1部材に空間Sを介在させて係入・連結すると共に上方略中央に凸部又は凹部を形成する第2部材と、前記凹部の前・後壁を貫通して前記凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、該構造物に固定されかつ下方略中央に凹部を形成する第1部材と、前記支持構造体に固定されかつ該第1部材の凹部に空間Sを介在させて嵌入すると共に上方略中央に凸部を形成する第2部材と、前記第1部材の前・後壁を貫通して前記第2部材の凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明によれば、請求項6又は7記載の発明に於いて、前記第1部材又は第2部材の凸部は外周に緩衝材を被覆したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る移動制限装置は、叙上の構成、作用を有するので次の効果がある。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、下方略中央に凹部又は凸部を形成する第1部材と、該第1部材に空間Sを介在させて係入・連結すると共に上方略中央に凸部又は凹部を形成する第2部材と、前記凹部の前・後壁の左右に切欠したガイド孔を貫通して前記凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、地震に際し、橋梁等の構造物や橋台又は橋脚等の支持構造体に垂直方向の地震力若しくは上揚力が誘起されたときにも凹部又は凸部を形成した第1部材及び該第1部材に係入する凸部又は凹部を形成した第2部材を有した当該移動制限装置により、該地震力や上揚力に抵抗できること、加えて両部材を連結する上揚力制限ボルトに鞘管を被覆してこの上揚力制限ボルトの表面損傷を防止し併せて塑性変形可能にして該上揚力制限ボルトの折損を防止する効果がある。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、該構造物に固定されかつ下方略中央に凹部を形成すると共に前・後壁の左右に切欠したガイド孔を備えた第1部材と、前記支持構造体に固定されかつ該第1部材の凹部に空間Sを介在させて嵌入すると共に上方略中央に凸部を形成する第2部材と、前記第1部材のガイド孔を貫通して前記第2部材の凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、地震に際し、橋梁等の構造物や橋台又は橋脚等の支持構造体に垂直方向の地震力若しくは上揚力が誘起されたときにも凹部を形成した第1部材及び該第1部材に係入する凸部を形成した第2部材を有した当該移動制限装置により、該地震力と上揚力を確実に吸収できることに加えて両部材を連結する上揚力制限ボルトに鞘管を被覆してこの上揚力制限ボルトの表面損傷を防止し併せて塑性変形可能にして該上揚力制限ボルトの折損を防止する効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、前記第1部材又は第2部材の凸部は外周に緩衝材を被覆したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、地震に際し、橋梁等の構造物や橋台又は橋脚等の支持構造体に水平方向の地震力が誘起されたときにも第1部材又は第2部材に形成した凸部が第2部材又は第1部材に形成した凹部の内壁に衝当して該地震力を吸収するうえに該凸部の外周に被覆した緩衝材により前記地震力の衝撃を緩和し、凸部を補強し該両部材の損傷や亀裂若しくは折損を防止するという効果がある。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、前記第1部材又は第2部材の凹部は弾性樹脂材料を充填したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、前記第1部材又は第2部材に形成した凹部に於ける空間Sに塵埃や雨水が流入することがなく、該第1部材及び該第2部材の汚損や劣化現象を防止し高品質を保持すると共に長寿命を図るという効果がある。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、前記第1部材及び/又は第2部材は構造溶接用鋳鋼材料又は構造用鋼材で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、第1部材及び第2部材を汎用であってかつ耐衝撃性の高い構造溶接用鋳鋼材料又は構造用鋼材で構成したので、構造物及び支持構造体に誘起される強大な地震力や上揚力を巧みに吸収すると共に長寿命化を図りかつ現場の実施化を容易にする効果がある。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、下方略中央に凹部又は凸部を形成する第1部材と、該第1部材に空間Sを介在させて係入・連結すると共に上方略中央に凸部又は凹部を形成する第2部材と、前記凹部の前・後壁を貫通して前記凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、地震に際し、橋梁等の構造物や橋台又は橋脚等の支持構造体に水平方向及び垂直方向の地震力若しくは上揚力が誘起されたときにも凹部又は凸部を形成した第1部材及び該第1部材に係入して上揚力制限ボルトで凸部又は凹部を形成した第2部材を固定したので、該両部材を動かすことなく地震力等を確実に吸収できること及び空間S部分や凹部の前・後壁の左右に切欠したガイド孔を排除する設計思想も可能となり、小型・軽量であって取扱いや施工方法を容易にし、実施化を高めるという効果がある。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、該構造物に固定されかつ下方略中央に凹部を形成する第1部材と、前記支持構造体に固定されかつ該第1部材の凹部に空間Sを介在させて嵌入すると共に上方略中央に凸部を形成する第2部材と、前記第1部材の前・後壁を貫通して前記第2部材の凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、地震に際し、橋梁等の構造物や橋台又は橋脚等の支持構造体に水平方向及び垂直方向の地震力若しくは上揚力が誘起されたときにも凹部を形成した第1部材及び該第1部材に係入して上揚力制限ボルトで凸部を形成した第2部材を固定したので、該両部材を動かすことなく地震力等を確実に吸収できること及び空間S部分や凹部の前・後壁の左右に切欠したガイド孔を排除する設計思想も可能となり、小型・軽量であって取扱いや施工方法を容易にし、実施化を高めるという効果がある。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、前記第1部材又は第2部材の凸部は外周に緩衝材を被覆したことを特徴とする請求項6又は7記載の移動制限装置を提供する。
このような構成としたので、請求項6又は7記載の発明の効果に加えて、地震に際し、橋梁等の構造物や橋台又は橋脚等の支持構造体に水平方向の地震力が誘起されたときにも第1部材又は第2部材に形成した凸部が第2部材又は第1部材に形成した凹部の内壁に衝当して該地震力を吸収するうえに該凸部の外周に被覆した緩衝材により前記地震力の衝撃を緩和し、凸部を補強し該両部材の損傷や亀裂若しくは折損を防止するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る移動制限装置の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る移動制限装置の実施の形態を示す正面図である。図2は図1の矢視A-A線方向の断面図である。図3は図1の矢視B-B線方向の断面図である。図4は図1に示す移動制限装置を構造物としての橋梁と支持構造体としての橋台間に介設した状態を示す組立構成図である。
【0026】
23は移動制限装置であって、第1部材24と、第2部材25を備えている。該第1部材24は例えば、図3に示すように略矩形状箱体で構成され、下方略中央に凹部24aを形成している。そして、該第1部材24の上面24bはボルト挿入用ねじ穴24c、24cの複数個を穿孔し、図4に示すように第1部材24は構造物26としての橋梁の一部に複数の固定用ボルト26a、26aを該ボルト挿入用ねじ穴24c、24c内にねじ込み固定する。前記第1部材24の凹部24aは例えば図3に示すように断面形状が略四角形の有底を構成している。
尚、前記第1部材24の形状等は前記以外の形状例えば、円筒体であってもよく、その凹部24aの断面形状は真円状でもよい。
【0027】
前記第2部材25は基体部25aと、これと一体成形された凸部25bとで構成されている。該基体部25aは例えば水平断面形状が略矩形で構成され、その下面25cはボルト挿入用ねじ穴25d、25dの複数個を穿孔し、図4に示すように第2部材25は支持構造体27としての例えば、橋台の一部に複数の固定用ボルト27a、27aを該ボルト挿入用ねじ穴25d、25d内にねじ込み固定される。前記凸部25bは前記第2部材25の基体部25aの上方略中央に例えば、円柱状に突設形成され、図1及び図3に示すように断面形状が真円状となっている。この凸部25bは前述した第1部材の凹部24a内に係入・連結する。図中、30は支承部材であって、前記構造物26を支承している。
【0028】
前記第1部材24は図2に示すように凹部24aを形成することで前壁24Aと後壁24B及び左壁24Cと右壁24Dを構成する。前記第2部材25の凸部25bを該第1部材24の凹部24a内に挿入・配置したとき、該第1部材24と該第2部材25間は空間Sを介在させる。具体的には該空間Sの長さは第1部材24の左壁24Cの内側面又は右壁24Dの内側面若しくは凹部24aの有底面と前記第2部材25の凸部25bの外周面との距離である。
【0029】
28は上揚力制限ボルトであり、ボルト頭部28aとねじを有するボルト軸部28bで構成されている。上揚力制限ボルト28はそのボルト軸部28bの周囲にアルミニウム製又は樹脂製等の鞘管29を被覆している。また、前記第1部材24の前壁24A及び後壁24Bは図1に示すように、左、右方向に切欠した略長孔状のガイド孔24E、24Eを穿孔しており、一方、他方、つまり前壁24A、後壁24Bから前記鞘管29付き上揚力制限ボルト28、28のボルト軸部28b、28bを前記ガイド孔24E、24Eを貫通して第2部材25の凸部25bの前面25A及び後面25Bに嵌入し固着する。
【0030】
この上揚力制限ボルト28、28の固着方法は例えば、当該ボルト軸部28b、28bに雄ねじを刻設し、第2部材25の凸部25bの前面25A及び後面25Bにねじ挿入孔25e、25eを穿孔して該ねじ挿入孔25e、25eの内壁に雌ねじを刻設する。そして、上揚力制限ボルト28、28の該ボルト軸部28b、28bの先端をそれぞれ螺合して該第2部材25の凸部25bの前面25A、後面25Bに固定する。この際、前記鞘管29の外表面は第1部材24の前壁24A及び後壁24Bに穿孔したガイド孔24E、24Eに接触した構成となっている。そして、図4に示す橋台等の支持構造体27に矢印C方向又は矢印D方向の震動力が掛ったとき、前記第2部材25の凸部25bは、その動きと同様に動作する。該上揚力制限ボルト28、28のボルト軸部28b、28bは鞘管29、29と共にガイド孔24E、24Eの開口縁に案内されて左方又は右方にスライド動作し、その震動力を吸収する。
【0031】
上述の説明に於いて、第1部材24に凹部24aを、第2部材25に凸部25bを、それぞれ形成した構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、該第1部材24に凸部を、第2部材25に凹部を形成した構成であってもよい。その場合、他の構成部品については、前述した本発明の実施の形態の構成のものを具備すれば、本発明の目的を達成することができる。尚、上述した本発明に於ける実施の形態の構成をそのまま存置させ、前記第1部材24と前記第2部材25間の空間S内にアクリル樹脂材料やポリウレタン系樹脂材料等の樹脂24dを充填する。このようにすると空間S内に塵埃や雨水が流入することがなく、第1部材及び該第2部材の汚損や劣化現象を防止し高品質を保持すると共に長寿命化を実現できる。
【0032】
次に、本発明に係る移動制限装置の実施の形態についてその組立手順や作用等について説明する。
図4に於いて、31は縁端拡幅用ブラケット等ブラケットであり、水平端面板部31aと、垂直端面板部31bと、立設板部31cとを有している。この水平端面板部31a、垂直端面板部31b及び立設板部31cは一体形成するか又は溶接等の手段でそれぞれを固定する。そして、前記支持構造体27、例えば、橋台の垂直方向端面27Aに前記垂直端面板部31bを当接し前記支持構造体27、例えば、橋台の水平面27Bの線上に前記水平端面板部31aを適合させる。そして、ブラケット31の垂直端面板部31bに穿孔した複数のボルト挿通孔を介して複数のアンカーボルト32、32を支持構造体27の垂直方向端面27Aに打込む。而して、当該ブラケット31は橋台、橋脚等の支持構造体27に固定される。
【0033】
そこで、該支持構造体27の上方に前記支承部材30を介して橋梁等の前記構造物26を載置し、支承する。さらに、前記第1部材24の上面24bは橋梁や床版等の前記構造物26の一部に当接し、該上面24bに予め複数個のボルト挿入用ねじ穴24c、24cを穿孔してあり、このボルト挿入用ねじ穴24c、24c内にそれに対応した個数を有する固定用ボルト26a、26aをねじ込み、当該第1部材24を構造物26の一部に固定する。また、前記第2部材25は基体部25aと、これと一体成形された凸部25bとで構成されている。該基体部25aは例えば水平断面形状が略矩形で構成され、その下面25cはボルト挿入用ねじ穴25d、25dの複数個を穿孔し、図4に示すように第2部材25は支持構造体27としての例えば、橋台の一部に複数の固定用ボルト27a、27aを該ボルト挿入用ねじ穴25d、25d内にねじ込み、当該第2部材25を支持構造物27に固定する。そして、図4に示す橋台等の支持構造体27に矢印C方向又は矢印D方向の震動力が掛ったとき、前記第2部材25の凸部25bは、その動きと同様に動作する。該上揚力制限ボルト28、28のボルト軸部28b、28bは鞘管29、29と共にガイド孔24E、24Eの開口縁に案内されて左方又は右方にスライド動作し、その震動力を吸収する。
【0034】
また、本発明に係る移動制限装置に於いて地震等が誘起され、前記構造物26及び前記支持構造体27に図4に示す矢印E方向の地震力つまり垂直方向地震力や上揚力が掛ったとき、前記第1部材24と前記第2部材25が上揚力制限ボルト28により、この垂直方向地震力や上揚力が吸収される。この際、上揚力制限ボルト28のボルト軸28bに樹脂製等の鞘管29を被覆してあり、この鞘管29により該上揚力制限ボルト28のボルト軸28bの表面に於ける損傷を防止できる。また、前記第1部材24と前記第2部材25間の空間S内にアクリル樹脂材料やポリウレタン系樹脂材料等の樹脂24dを充填する。このようにすると空間S内に塵埃や雨水が流入することがなく、第1部材及び該第2部材の汚損や劣化現象を防止し高品質を保持すると共に長寿命化を実現できる。
【実施例1】
【0035】
次に、本発明に係る移動制限装置の実施例1について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0036】
図5は、本発明に係る移動制限装置の実施例1を示す正面図である。図6は、図5の矢視F−F線方向の断面図である。図7は、図5の矢視G−G線方向の断面図である。
【0037】
33は前述した第2部材25の凸部25bの外周に被覆した緩衝材であって、図7に示すように、該凸部25bが円柱形に構成されたとき円筒体に構成される。該緩衝材33は、ゴム系材料やゴム及び補強繊維等で構成されており、前記凸部25bを補強する機能を有する。このように構成したので地震に際し、橋梁等の構造物26や橋台又は橋脚等の支持構造体27に水平方向の地震力が誘起されたときにも第2部材25(第1部材)に形成した凸部25bが第1部材24(第2部材)に形成した凹部24aの内壁に衝当して該地震力を吸収する。特に、該凸部25bの外周に被覆した前記緩衝材33により地震力の衝撃を緩和し、該凸部25bを補強し、第1及び第2部材24、25の損傷や亀裂若しくは折損を防止できる。
【0038】
前記本発明に係る移動制限装置の実施例1に於けるほかの構成部材や動作等は前述した本発明に係る移動制限装置の実施の形態のものと略同一であり、同一符号、同一番号を付し、その説明を省略する。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明に係る移動制限装置の実施例2について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0040】
図8は、本発明に係る移動制限装置の実施例2を示す正面図である。図9は、図8に示す移動制限装置の実施例2に於ける構造物としての橋梁と支持構造体としての橋台又は橋脚間に介設した状態を示す組立構成図である。図10は、本発明に係る移動制限装置の実施例2に於いて第2部材に形成した凸部の外周に緩衝材を被覆した構成例を示す正面図である。
【0041】
23は移動制限装置であって、第1部材24と、第2部材25を備えている。該第1部材24は例えば、図3に示すように略矩形状箱体で構成され、下方略中央に凹部24aを形成している。そして、該第1部材24の上面24bはボルト挿入用ねじ穴24c、24cの複数個を穿孔し、図9に示すように第1部材24は構造物26としての橋梁の一部に複数の固定用ボルト26a、26aを該ボルト挿入用ねじ穴24c、24c内にねじ込み固定する。前記第1部材24の凹部24aは例えば図3に示すように断面形状が略四角形の有底を構成している。
尚、前記第1部材24の形状等は前記以外の形状例えば、円筒体であってもよく、その凹部24aの断面形状は真円状でもよい。
【0042】
前記第2部材25は基体部25aと、これと一体成形された凸部25bとで構成されている。該基体部25aは例えば水平断面形状が略矩形で構成され、その下面25cはボルト挿入用ねじ穴25d、25dの複数個を穿孔し、図9に示すように第2部材25は支持構造体27としての例えば、橋台の一部に複数の固定用ボルト27a、27aを該ボルト挿入用ねじ穴25d、25d内にねじ込み固定される。前記凸部25bは前記第2部材25の基体部25aの上方略中央に例えば、円柱状に突設形成され、図8及び図3に示すように断面形状が真円状となっている。この凸部25bは前述した第1部材の凹部24a内に係入・連結する。図中、30は支承部材であって、前記構造物26を支承している。
【0043】
前記第1部材24は図2及び図3に示すものと同様に凹部24aを形成することで前壁24Aと後壁24B及び左壁24Cと右壁24Dを構成する。前記第2部材25の凸部25bを該第1部材24の凹部24a内に挿入・配置したとき、該第1部材24と該第2部材25間は空間S1を介在させる。具体的には該空間S1の長さは第1部材24の左壁24Cの内側面又は右壁24Dの内側面若しくは凹部24aの有底面と前記第2部材25の凸部25bの外周面との距離である。
【0044】
28Aは上揚力制限ボルトであり図1及び図2に示すものと同様に、ボルト頭部とねじを有するボルト軸部で構成されている。上揚力制限ボルト28Aはそのボルト軸部の周囲にアルミニウム製又は樹脂製等の鞘管を被覆している。前壁24A、後壁24Bから前記鞘管付き上揚力制限ボルト28A、28Aのボルト軸部を貫通して第2部材25の凸部25bの前面25A及び後面25Bに嵌入し固着する。
【0045】
この上揚力制限ボルト28A、28Aの固着方法は例えば、当該ボルト軸部に雄ねじを刻設し、第2部材25の凸部25bの前面及び後面にねじ挿入孔を穿孔して該ねじ挿入孔の内壁に雌ねじを刻設する。そして、上揚力制限ボルト28A、28Aの該ボルト軸部の先端をそれぞれ螺合して該第2部材25の凸部25bの前面、後面に固定する。そして、図9に示す橋台等の支持構造体27に矢印C方向又は矢印D方向の震動力が掛ったとき、前記第2部材25の凸部25bによりその震動力を吸収する。
【0046】
上述の説明に於いて、第1部材24に凹部24aを、第2部材25に凸部25bを、それぞれ形成した構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、該第1部材24に凸部を、第2部材25に凹部を形成した構成であってもよい。その場合、他の構成部品については、前述した本発明の実施の形態の構成のものを具備すれば、本発明の目的を達成することができる。尚、上述した本発明に於ける実施の形態の構成をそのまま存置させ、前記第1部材24と前記第2部材25間の空間S1内にアクリル樹脂材料やポリウレタン系樹脂材料等の樹脂24dを充填する。このようにすると空間S1内に塵埃や雨水が流入することがなく、第1部材及び該第2部材の汚損や劣化現象を防止し高品質を保持すると共に長寿命化を実現できる。
【0047】
次に、本発明に係る移動制限装置の実施例2についてその組立手順や作用等について説明する。
図9に於いて、31は縁端拡幅用ブラケット等ブラケットであり、水平端面板部31aと、垂直端面板部31bと、立設板部31cとを有している。この水平端面板部31a、垂直端面板部31b及び立設板部31cは一体形成するか又は溶接等の手段でそれぞれを固定する。そして、前記支持構造体27、例えば、橋台の垂直方向端面27Aに前記垂直端面板部31bを当接し前記支持構造体27、例えば、橋台の水平面27Bの線上に前記水平端面板部31aを適合させる。そして、ブラケット31の垂直端面板部31bに穿孔した複数のボルト挿通孔を介して複数のアンカーボルト32、32を支持構造体27の垂直方向端面27Aに打込む。而して、当該ブラケット31は橋台、橋脚等の支持構造体27に固定される。
【0048】
そこで、該支持構造体27の上方に前記支承部材30を介して橋梁等の前記構造物26を載置し、支承する。さらに、前記第1部材24の上面24bは橋梁や床版等の前記構造物26の一部に当接し、該上面24bに予め複数個のボルト挿入用ねじ穴24c、24cを穿孔してあり、このボルト挿入用ねじ穴24c、24c内にそれに対応した個数を有する固定用ボルト26a、26aをねじ込み、当該第1部材24を構造物26の一部に固定する。また、前記第2部材25は基体部25aと、これと一体成形された凸部25bとで構成されている。該基体部25aは例えば水平断面形状が略矩形で構成され、その下面25cはボルト挿入用ねじ穴25d、25dの複数個を穿孔し、図9に示すように第2部材25は支持構造体27としての例えば、橋台の一部に複数の固定用ボルト27a、27aを該ボルト挿入用ねじ穴25d、25d内にねじ込み、当該第2部材25を支持構造物27に固定する。そして、図9に示す橋台等の支持構造体27に矢印C方向又は矢印D方向の震動力が掛ったとき、前記第2部材25の凸部25bにより該震動力を吸収する。
【0049】
また、本発明に係る移動制限装置に於いて地震等が誘起され、前記構造物26及び前記支持構造体27に図9に示す矢印E方向の地震力つまり垂直方向地震力や上揚力が掛ったとき、前記第1部材24と前記第2部材25が上揚力制限ボルト28Aにより、この垂直方向地震力や上揚力が吸収される。この際、上揚力制限ボルト28Aのボルト軸に樹脂製等の鞘管を被覆してあり、この鞘管により該上揚力制限ボルト28のボルト軸の表面に於ける損傷を防止できる。また、前記第1部材24と前記第2部材25間の空間S1内にアクリル樹脂材料やポリウレタン系樹脂材料等の樹脂24dを充填する。このようにすると空間S1内に塵埃や雨水が流入することがなく、第1部材及び該第2部材の汚損や劣化現象を防止し高品質を保持すると共に長寿命化を実現できる。
前記本発明に係る移動制限装置の実施例2に於けるほかの構成部材や動作等は前述した本発明に係る移動制限装置の実施の形態のものと略同一であり、同一符号、同一番号を付し、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る移動制限装置の実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1の矢視A-A線方向の断面図である。
【図3】図1の矢視B-B線方向の断面図である。
【図4】図1に示す移動制限装置を構造物としての橋梁と支持構造体としての橋台間に介設した状態を示す組立構成図である。
【図5】本発明に係る移動制限装置の実施例1を示す正面図である。
【図6】図5の矢視F−F線方向の断面図である。
【図7】図5の矢視G−G線方向の断面図である。
【図8】本発明に係る移動制限装置の実施例2を示す正面図である。
【図9】図1に示す移動制限装置の実施例2に於ける構造物としての橋梁と支持構造体としての橋台又は橋脚間に介設した状態を示す組立構成図である。
【図10】本発明に係る移動制限装置の実施例2に於いて第2部材に形成した凸部の外周に緩衝材を被覆した構成例を示す正面図である。
【図11】従来の技術に於ける一つの例を示す構造物移動制限用ストッパ装置の正面図である。
【図12】図11の要部を示すゴム製位置決め部材の拡大断面図である。
【図13】従来の技術に於ける他の例を示す構造物の移動制限部材であって、(a)は装着時の状態を示す正面図、(b)はボルトが凹陥部から脱出した状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0051】
23 移動制限装置
24 移動制限装置の第1部材(第2部材)
24A 移動制限装置の第1部材(第2部材)の前壁
24B 移動制限装置の第1部材(第2部材)の後壁
24C 移動制限装置の第1部材(第2部材)の左壁
24D 移動制限装置の第1部材(第2部材)の右壁
24E 移動制限装置の第1部材(第2部材)のガイド孔
24a 移動制限装置の第1部材(第2部材)の凹部
24b 移動制限装置の第1部材(第2部材)の上面
24c 移動制限装置の第1部材(第2部材)のボルト挿入用ねじ穴
24d 樹脂
25 移動制限装置の第2部材(第1部材)
25A 移動制限装置の第2部材(第1部材)の凸部の前面
25B 移動制限装置の第2部材(第1部材)の凸部の後面
25a 移動制限装置の第2部材(第1部材)の基体部
25b 移動制限装置の第2部材(第1部材)の凸部
25c 移動制限装置の第2部材(第1部材)の下面
25d 移動制限装置の第2部材(第1部材)のボルト挿入用ねじ穴
25e 移動制限装置の第2部材(第1部材)の凸部のねじ挿入孔
26 構造物
26a 固定用ボルト
27 支持構造体
27A 支持構造体の垂直方向端面
27B 支持構造体の水平面
27a 固定用ボルト
28 上揚力制限ボルト
28a 上揚力制限ボルトの頭部
28b 上揚力制限ボルトのボルト軸部
29 鞘管
30 支承部材
31 ブラケット
31a ブラケットの水平端面板部
31b ブラケットの垂直端面板部
31c ブラケットの立設板部
32 アンカーボルト
33 緩衝材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、下方略中央に凹部又は凸部を形成する第1部材と、該第1部材に空間Sを介在させて係入・連結すると共に上方略中央に凸部又は凹部を形成する第2部材と、前記凹部の前・後壁の左右に切欠したガイド孔を貫通して前記凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置。
【請求項2】
構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、該構造物に固定されかつ下方略中央に凹部を形成すると共に前・後壁の左右に切欠したガイド孔を備えた第1部材と、前記支持構造体に固定されかつ該第1部材の凹部に空間Sを介在させて嵌入すると共に上方略中央に凸部を形成する第2部材と、前記第1部材のガイド孔を貫通して前記第2部材の凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置。
【請求項3】
前記第1部材又は第2部材の凸部は外周に緩衝材を被覆したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動制限装置。
【請求項4】
前記第1部材又は第2部材の凹部は弾性樹脂材料を充填したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動制限装置。
【請求項5】
前記第1部材及び/又は第2部材は構造溶接用鋳鋼材料又は構造用鋼材で構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の移動制限装置。
【請求項6】
構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、下方略中央に凹部又は凸部を形成する第1部材と、該第1部材に空間Sを介在させて係入・連結すると共に上方略中央に凸部又は凹部を形成する第2部材と、前記凹部の前・後壁を貫通して前記凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置。
【請求項7】
構造物と支持構造体間に介設される移動制限装置に於いて、該構造物に固定されかつ下方略中央に凹部を形成する第1部材と、前記支持構造体に固定されかつ該第1部材の凹部に空間Sを介在させて嵌入すると共に上方略中央に凸部を形成する第2部材と、前記第1部材の前・後壁を貫通して前記第2部材の凸部の前・後面に固定すると共に鞘管を被覆したボルト軸部を有する上揚力制限ボルトとで構成したことを特徴とする移動制限装置。
【請求項8】
前記第1部材又は第2部材の凸部は外周に緩衝材を被覆したことを特徴とする請求項6又は7記載の移動制限装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−25205(P2008−25205A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198914(P2006−198914)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【特許番号】特許第3922591号(P3922591)
【特許公報発行日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000107044)ショーボンド建設株式会社 (71)
【Fターム(参考)】