移動局装置、プロセッサ、無線通信システム、通信制御方法、通信制御プログラム、及び基地局装置
【課題】移動局装置と基地局装置との通信に適切な要素キャリアを割り当てることができること。
【解決手段】移動局装置は、基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備える。送信情報は、移動局装置によってサポートされる1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含む。
【解決手段】移動局装置は、基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備える。送信情報は、移動局装置によってサポートされる1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局装置、プロセッサ、無線通信システム、通信制御方法、通信制御プログラム、及び基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project;第3世代パートナーシッププロジェクト)は、GSM(Global System for Mobile Communications;ジーエスエム)とW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access;広帯域−符号分割多重接続)を発展させたネットワークを基本としたセルラー移動通信システムの仕様の検討や作成を行う標準化プロジェクトである。3GPPでは、W−CDMA方式が第3世代セルラー移動通信方式として標準化され、順次サービスが開始されている。また、通信速度をさらに上げたHSPA(High-Speed Packet Access;エイチエスディーピーエー)も標準化され、サービスが開始されている。3GPPでは、第3世代無線アクセス技術の進化であるEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が検討され、2008年末にリリース8の仕様書が完成した。更に、EUTRAの発展形であるAdvanced EUTRA(LTE―AdvancedまたはLTE−Aとも呼称される。)の検討が進められている(非特許文献1)。
【0003】
LTE−Aでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、IMT―Advanced(4G)相当またはその以上の高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、以下CAと称する)技術が提案されている(例えば、非特許文献2)。CA技術とは、移動局装置は、基地局装置から送信された下りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭いコンポネントキャリア(要素キャリア;Component Carrier、以下CCと称する、例えば20MHz帯域幅)を用いて信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば5つのCCで100MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な下りデータ伝送を実現する技術である。同様に、CA技術では、基地局装置は、移動局装置から送信された上りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭い(例えば20MHz帯域幅)コンポネントキャリアCC信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば2個のCCで40MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な上りデータ伝送を実現する。
【0004】
<CA技術導入と移動局装置構成の組み合わせの関係>
CA技術におけるCCの組み合わせは、上りCCの総数(例えば2個)、下りCCの総数(例えば5個)、周波数バンド(例えば700MHzバンド、2GHzバンド、3GHzバンドなど)数(例えば、3個)、連続または非連続のCC、伝送モード(例えばFDD、TDD)など、様々な変数に依存する。
【0005】
図34は、従来技術に係るCCの組み合わせを示す概略図である。この図において、横軸は周波数を示す。また、この図では、2個の周波数バンド1(2GHzバンド)、周波数バンド2(3GHzバンド)がある場合を示す。また、この図において、縦方向に分けてケース1〜6を示し、ケース1〜3はFDD(Frequency Division Duplex;周波数分割復信)伝送モードの場合を示し、ケース4〜6はTDD(Time Division Duplex;時分割複信)伝送モードの場合を示す。
【0006】
図34において、ケース1は、同じ周波数バンド1において、バンド12(下り)内で3個連続のCC(中心周波数f1_R1、f1_R2、f1_R3)、及び、バンド11(上り)内で2個連続のCC(中心周波数f1_T1、f1_T2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース2は、同じ周波数バンド1において、バンド12内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_R1、f1_R3;Intra CAケース)、及び、バンド11内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_T1、f1_T3)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース3は、周波数バンド1のバンド12内でCC(中心周波数f1_R1)、周波数バンド2のバンド22内でCC(中心周波数f2_R1)、及び、周波数バンド1のバンド11でCC(中心周波数f1_T1)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。ケース3は、下りの通信において非連続の2個のCC(Inter CAケース)が異なる周波数バンド1、2で選択され、下りの通信において1個のCCが選択されていることを示す。
なお、ケース4、5、6は、ぞれぞれ、ケース1、2、3に対応するものである。例えば、ケース4では、バンド12が下り/上りの通信に用いられ、CCを時間帯によって選択する場合のCCの組み合わせを示す。ケース4は、下りの通信においてバンド12で3個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2、f1_3)、下りの通信においてバンド12で2個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
【0007】
また、同じ周波数バンドにおける非連続のCC(例えば、図34の中心周波数f1_R1、f1_R3)では、複数の基地局装置がフレーム等のタイミングを同期して送信信号を送信する(基地局装置間同期という)場合、基地局装置各々が独自に送信信号を送信する非同期の場合、また、基地局装置間同期を行っても伝搬路遅延が発生し、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重方式)信号のフレームタイミングがずれ、非同期になる場合がある。
また、同じ周波数バンドにおける連続のCC(例えば中心周波数f1_R1、f1_R2)の基地局装置送信について、LTEシステムへの後方互換性(Backward Compatibility)、100kHzのUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)無線チャネルラスター (Channel Raster)、CC間のガードバンド、連続のCCの両端のガードバンド、周波数利用効率など要素を考慮し、様々な技術提案がある(例えば非特許文献1)。ただし、連続のCCでは、CC間のガードバンドがサブキャリア帯域幅15kHzの整数倍にならないため、LTEシステムと互換性を保つには、送受信回路では個別のベースバンド処理回路が必要となる。
【0008】
以上のような様々な事例に対応するために、移動局装置の構成は、(ア)周波数バンド数、(イ)下り/上りCCの総数、(ウ)連続/非連続(Intra CA/Inter CA)のCC、(エ)無線伝送モード、(オ)下りCC間或いは基地局装置間の同期/非同期送信、(カ)各種のCC帯域幅(例えば1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHz)、(キ)OFDMサブキャリア帯域幅15kHzの連続した複数CCの帯域幅(例えば100MHz)などに依存する(例えば非特許文献2、3)。
【0009】
<LTE−Aにおける他の導入技術と移動局装置構成の組み合わせの関係>
LTE−Aの要求条件(非特許文献4)として、移動局装置が高速で移動しているとき、下りの100Mbps、上りの75Mbps、移動局装置が固定の場合、下りの1000Mbps、上りの500Mbpsのデータ伝送速度が要求されている。これを実現するために、CA技術を導入する以外に、MIMOの高度化(High Order MIMO)技術が導入される。例えば下り8×8MIMO(基地局装置の送信アンテナ本数が8本、移動局装置の受信アンテナ本数が8本)で、100MHzの伝送帯域で1000Mbpsのデータ伝送速度を実現し、上り4×4のMIMOで、40MHzの伝送帯域で600Mbpsデータ伝送速度を実現する。また、セルエッジのデータ伝送速度またはセルカバーエリアを拡大するために、基地局装置間の協調通信(CoMP;coordinated multipoint)技術、上り送信ダイバーシチ技術が導入される。
従って、移動局装置の構成は、(ク)下り/上りMIMO方式、(ケ)基地局装置間の協調通信CoMP方式、(コ)上り送信ダイバーシチ方式などにも依存する。
【0010】
<キャリア運用状況と移動局装置構成の組み合わせの関係>
2007年世界無線通信会議WRC07によりIMT−Advancedに対応する周波数割り当てが決定された。しかし、現状のIMTバンド(非特許文献4、5)のすべてが各国共通バンドではない、各携帯電話サービス運営者は自国の周波数割り当てにより運営されている。各国の周波数割り当て事情により、携帯電話サービス運営者は異なる伝送モード(TDD、FDD)を採用している。また異なる伝送モードの融合(例えばマクロセル/マイクロセル、室内/室外エリア、セル近傍/セルエッジにおける異なる伝送モードの混在)が提案されている。従って、移動局装置の構成は、(サ)各携帯電話サービス運営者の周波数割り当て事情、(シ)国内/国際ローミングを考慮して、一層複雑になる(非特許文献6、7、8)。
【0011】
以上の(ア)〜(シ)の要素(LTE−A技術要素という)は、従来の移動通信システムでは、移動局装置の構成に大きな影響を与えることはなかった。例えば、LTEシステムでは、移動局装置のデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度10Mbps〜300Mbps)と最大のMIMOの構成(1×1、2×2、4×4)により移動局装置のカテゴリ(UE category、5種類)を定義することができた。このカテゴリが決まれば、移動局装置の構成は確定することができる。言い換えれば、各携帯電話サービス運営者に対して5種類の移動局装置を提供すればよく、また、市場では5種類の移動局装置が流通すればよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】NTT docomo、 INC. R1-083015、3GPP TSG-RAN1 Meeting #54bis、 Jeju、 Korea 18-22、 August、 2008
【非特許文献2】Motoroal、R1-083828、3GPP TSG-RAN1 Meeting #53bis、 Prague、 Czech Republic、 September 29-October 3、2008
【非特許文献3】LG Electronics、 R1-082946、3GPP TSG-RAN1 Meeting #54bis、 Jeju、 Korea 18-22、 August、 2008
【非特許文献4】3GPP TR36.913、Requirements for Further Advancements for E-UTRA
【非特許文献5】3GPP TS 36.101、 User Equipment (UE) radio transmission and reception
【非特許文献6】NTT docomo、 T-Mobile Intl.、 CMCC、 Orange、 Vodafone、 Telecom Italia、R4-091011、 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #50、 Athens、 Greece、 February 9-13、 2009
【非特許文献7】Ericsson 、 R4-090594、 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #50、 Athens、 Greece、 February 9-13、 2009
【非特許文献8】Nokia、R4-091204、 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #50bis、 Seoul、 South Korea、23-27 March 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、LTE−Aの通信システムにおいて、移動局装置と基地局装置とは、1又は複数のCC(要素キャリア)を用いて通信を行う。
しかしながら、従来の移動局装置のカテゴリに基づいて、移動局装置に複数のCCを割り当てても、例えば、割り当てられたCCを用いて移動局装置が通信をすることができない場合があった。適切な移動局装置の無線リソース割り当てができない。また様々なLTE−A技術要素を最大限に対応し、且つ回路複雑度の低減、低消費電力化、低コスト化、小型化、生産性の向上などを実現することが困難である。このように、従来技術では、移動局装置と基地局装置との通信に適切な無線リソースが割り当てられないという欠点があった。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動局装置と基地局装置との通信に適切な無線リソースを割り当てることができる移動局装置、プロセッサ、無線通信システム、通信制御方法、通信制御プログラム、及び基地局装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅の帯域を用いて基地局装置と通信を行う移動局装置において、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする移動局装置である。
【0016】
(2)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報は、LTEの移動局カテゴリ情報を含むことを特徴とする。
【0017】
(3)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報の種類は、LTEの移動局カテゴリ情報の種類より、数が多いことを特徴とする。
【0018】
(4)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報は、さらに、データストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする。
【0019】
(5)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報は、さらに、複数のMIMOストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする。
【0020】
(6)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報を含むことを特徴とする。
【0021】
(7)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記送信情報は、前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報、及び、前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報の組合せを表すキャリア集合クラス情報と、前記移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする。
【0022】
(8)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされるMIMO能力情報が含まれることを特徴とする。
【0023】
(9)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
【0024】
(10)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、MIMOストリーム数であることを特徴とする。
【0025】
(11)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、複数の前記レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
【0026】
(12)また、本発明の一態様は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
【0027】
(13)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と基地局装置が通信を行う無線通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記基地局装置は、前記送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする無線通信システムである。
【0028】
(14)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置における通信制御方法において、前記移動局装置が、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する過程を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
【0029】
(15)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置のコンピュータを、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【0030】
(16)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置において、移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする基地局装置である。
【0031】
(17)また、本発明の一態様は、移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当て、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
【0032】
(18)また、本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置における通信制御方法において、前記基地局装置が、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる過程、を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
【0033】
(19)また、本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置のコンピュータを、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、通信システムは、移動局装置と基地局装置との通信に適切なCCを割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る通信システムの概念図である。
【図2】本実施形態に係るCCの組み合わせを示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る送受信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る送受信装置の簡略的構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本実施形態に係る無線パラメータの説明図である。
【図6】本実施形態に係る周波数バンド番号の説明図である。
【図7】本実施形態に係るBB周波数帯域幅番号の説明図である。
【図8】本実施形態に係る送受信装置の簡略的構成を示す概略ブロック図である。
【図9】本実施形態に係る送受信装置の簡略的構成を示す概略ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本実施形態に係る抽象構文記法1に変換した送受信装置構成情報の説明図である。
【図12】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。
【図13】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。
【図14】本実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。
【図15】本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図16】従来技術に係るLTE移動局カテゴリの概略図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。
【図18】本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。
【図19】本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の別の一例を示す概略図である。
【図20】本実施形態の変形例1に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。
【図21】本実施形態の変形例2に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。
【図22】本実施形態の変形例2に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の別の一例を示す概略図である
【図23】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図24】本実施形態に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局カテゴリ情報の一例を示す概略図である。
【図25】本実施形態の変形例3に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局カテゴリ情報を示す概略図である。
【図26】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図27】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。
【図28】本実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。
【図29】本実施形態に係る送受信装置構成情報の別の一例を示す概略図である。
【図30】本発明の第4の実施形態に係る送受信装置構成番号情報の一例を示す概略図である。
【図31】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図32】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。
【図33】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。
【図34】従来技術に係るCCの組み合わせを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、移動局装置が、RF送受信ブランチ数、ベースバンド変復調ブランチ数、周波数バンド番号、及びベースバンド周波数帯域幅番号を含む移動局装置能力メッセージ(送受信能力情報)を送信し、基地局装置が移動局装置能力メッセージに基づいて移動局装置との通信に用いる無線リソース、すなわち上り/下り要素キャリアCC(Component Carrier;コンポネントキャリア)のOFDM信号無線フレームにおける各移動局装置が使用するリソースブロックRB(Resource Block)を割り当てる場合について説明する。ここで、移動局装置能力メッセージは、RF送受信ブランチ数等の無線パレメータを、統一した構造記述で表した1個のデータ形式の情報を生成することで、様々なLTE−A技術要素に対応する。
【0037】
<通信システムについて>
図1は、この発明の第1の実施形態に係る通信システムの概念図である。この図において、基地局装置Bは、移動局装置A11、A12と通信を行う。この図は、移動局装置A11が移動局装置能力メッセージを基地局装置Bに送信することを示す。また、この図は、基地局装置Bが、移動局装置A11から受信した移動局装置能力メッセージに基づいて、移動局装置A11に無線リソースの割り当てを行うことを示す。なお、移動局装置A11又はA12から基地局装置Bへの通信を上りの通信といい、基地局装置Bから移動局装置A11又はA12への通信を下りの通信という。
以下、移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A1という。
【0038】
移動局装置A1と基地局装置Bは、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation;以下CA技術と称する)技術を用いた通信を行う。CA技術では、移動局装置A1は、基地局装置Bから送信された下りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭い要素キャリア(例えば、20MHz帯域幅)を用いて信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば5つのCCで100MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な下りデータ伝送を実現する技術である。同様に、CA技術では、基地局装置Bは、移動局装置A1から送信された上りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭い(例えば20MHz帯域幅)コンポネントキャリアCC信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば2個のCCで40MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な上りデータ伝送を実現する。
【0039】
<CA技術について>
以下、CA技術について具体的に説明をする。
図2は、本実施形態に係るCCの組み合わせを示す概略図である。この図において、横軸は周波数を示す。また、この図では、2個の周波数バンド1(2GHzバンド)、周波数バンド2(3GHzバンド)がある場合を示す。また、この図において、縦方向に分けてケース1〜6を示し、ケース1〜3はFDD(Frequency Division Duplex;周波数分割復信)伝送モードの場合を示し、ケース4〜6はTDD(Time Division Duplex;時分割複信)伝送モードの場合を示す。
【0040】
図2において、ケース1は、同じ周波数バンド1において、バンド12(下り)内で3個連続のCC(中心周波数f1_R1、f1_R2、f1_R3)、及び、バンド11(上り)内で2個連続のCC(中心周波数f1_T1、f1_T2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース2は、同じ周波数バンド1において、バンド12内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_R1、f1_R3;Intra CAケース)、及び、バンド11内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_T1、f1_T3)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース3は、周波数バンド1のバンド12内でCC(中心周波数f1_R1)、周波数バンド2のバンド22内でCC(中心周波数f2_R1)、及び、周波数バンド1のバンド1でCC(中心周波数f1_T1)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。ケース3は、下りの通信において非連続の2個のCC(Inter CAケース)が異なる周波数バンド1、2で選択され、下りの通信において1個のCCが選択されていることを示す。
なお、ケース4、5、6は、ぞれぞれ、ケース1、2、3に対応するものである。例えば、ケース4では、バンド12が下り/上りの通信に用いられ、CCを時間帯によって選択する場合のCCの組み合わせを示す。ケース4は、下りの通信においてバンド12で3個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2、f1_3)、下りの通信においてバンド12で2個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
移動局装置A1と基地局装置Bは、選択したCCを用いた通信を行う。ここで、移動局装置A1各々は、それぞれ構成が異なる送受信装置を備える場合があり、CA技術で対応できるCCが異なる。以下、移動局装置A1が備える送受信装置について、複数の構成例(送受信装置a1〜a3)を説明する。
【0041】
<送受信装置a1の構成について>
まず、1個のCCを用いた通信を行う送受信装置a1について説明をする。
図3は、本実施形態に係る送受信装置a1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、送受信装置a1は、送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器(DUP)a102、無線受信部(RF_Rx)a11、直交復調器(IQ_DM)a12、ベースバンド復調部(BB_DM)a13、ベースバンド変調部(BB_MD)a14、直交変調器(IQ_MD)a15、及び無線送信部(RF_Tx)a16を含んで構成される。
【0042】
まず、受信処理について説明をする。
アンテナ共用器a102は、送受信共用アンテナa101を介して基地局装置Bから受信した信号を無線受信部a11に出力する。また、アンテナ共用器a102は、無線送信部a16から入力された信号を、送受信共用アンテナa101を介して基地局装置Bへ送信する。
【0043】
無線受信部a11は、LNA(Low Noise Amplifier)a111、及び、RF受信帯域制限フィルタ(Rx_BPF;Band Pass Filter)a112を含んで構成される。LNA a111は、アンテナ共用器a102から入力された信号を増幅し、RF受信帯域制限フィルタa112に出力する。RF受信帯域制限フィルタa112は、アンテナ共用器a102から入力された信号から、受信帯域(例えば、図2のバンド12)の信号を抽出して直交復調器a12に出力する。
【0044】
直交復調器a12は、アンプ(AMP)a121、局部発振器a122、移相器a123、乗算器a124、a126、及び、LPF(Low Pass Filter)a125、a127を含んで構成される。アンプa121は、RF受信帯域制限フィルタa112から入力された信号を増幅し、乗算器a124及びa126に出力する。局部発振器a122は、正弦波を生成して移相器a123に出力する。移相器a123は、局部発振器a122からの入力された正弦波を乗算器a124に出力する。また、移相器a123は、局部発振器a122からの入力された正弦波の位相を90度ずらした余弦波を生成して乗算器a126に出力する。
乗算器a124は、アンプa121から入力された信号に、移相器a123から入力された正弦波を乗算することで、信号の同相成分を抽出するとともに、信号をダウンコンバートする。乗算器a124は、正弦波を乗算した信号をLPF a125に出力する。LPF a125は、乗算器a124から入力された信号の低周波数成分を抽出する。LPF a125は、抽出した信号の同相成分をベースバンド復調部a13に出力する。
乗算器a126は、アンプa121から入力された信号に、移相器a123から入力された余弦波を乗算することで、信号の直交成分を抽出するとともに信号をダウンコンバートする。乗算器a126は、正弦波を乗算した信号をLPF a127に出力する。LPF a127は、乗算器a126から入力された信号の低周波数成分を抽出する。LPF a127は、抽出した信号の同相成分をベースバンド復調部a13に出力する。
【0045】
ベースバンド復調部a13は、AD変換部(ADC;Analog to Digital Converter)a131、a132、デジタルフィルタ (Digital Filter;Rx_DF)a133、CP(Cyclic Prefix)削除部a134、S/P(直列/並列)変換部a135、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部a136、ディマッピング部a137−1〜a137−s、及び、P/S(並列/直列)変換部a138を含んで構成される。AD変換部a131、a132は、それぞれ、LPF a125、a127から入力された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、デジタルフィルタa133に出力する。デジタルフィルタa133は、AD変換部a131、a132から入力された信号から、受信帯域の信号(例えば、図2f1_R1)を抽出してCP削除部a133に出力する。CP削除部a134は、デジタルフィルタa133から入力された信号からCPを除去し、S/P変換部a135に出力する。S/P変換部a135は、CP削除部a134から入力された信号を直並列変換し、FFT部a136に出力する。FFT部a136は、S/P変換部a135から入力された信号を時間領域から周波数領域にフーリエ変換し、ディマッピング部a137−1〜a137−sに出力する。ディマッピング部a137−1〜a137−sは、FFT部a136から入力された周波数領域の信号をディマッピングし、P/S変換部a138に出力する。P/S変換部a138は、ディマッピング部a137−1〜a137−sから入力された信号を並直列変換して受信データを取得し、出力する。
【0046】
次に、送信処理について説明をする。
ベースバンド変調部a14は、S/P(直列/並列)変換部a141、マッピング部a142−1〜a142−t、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆フーリエ変換)部a143、P/S(並列/直列)変換部a144、CP挿入部a145、デジタルフィルタ (Tx_DF)a146、及び、DA変換部(DAC;Digital to Analog Converter)a147、148を含んで構成される。S/P変換部a141は、入力された送信データを直並列変換し、マッピング部a142−1〜a142−tに出力する。マッピング部a142−1〜a142−tは、S/P変換部a141から入力された信号をマッピングし、IFFT部a143に出力する。IFFT部a143は、マッピング部a142−1〜a142−tから入力された信号を、周波数領域から時間領域に逆フーリエ変換し、P/S変換部a144に出力する。P/S変換部a144は、IFFT部a143から入力された時間領域の信号を並直列変換し、CP挿入部a145に出力する。CP挿入部a145は、P/S変換部a144から入力された信号にCPを挿入し、デジタルフィルタa146に出力する。デジタルフィルタa146は、CP挿入部a145から入力された信号から、送信帯域(例えば、図2のf1_T1)の信号を抽出する。デジタルフィルタa146は、抽出した信号の同相成分、直交成分を、それぞれDA変換部a147、a148に出力する。DA変換部a147、a148は、それぞれ、デジタルフィルタa146から入力された信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換し、直交変調器a15に出力する。
【0047】
直交変調器a15は、LPFa151、a152、局部発振器a153、移相器a154、乗算器a155、a156、及び、アンプ(AMP)a157を含んで構成される。LPFa151、a152は、それぞれ、DA変換部a147、a148から入力された信号の低周波数成分を抽出する。局部発振器a153は、正弦波を生成して移相器a154に出力する。移相器a154は、局部発振器a153からの入力された正弦波を乗算器a155に出力する。また、移相器a154は、局部発振器a153からの入力された正弦波の位相を90度ずらした余弦波を生成して乗算器a156に出力する。
乗算器a155は、LPFa151から入力された信号に、移相器a154から入力された正弦波を乗算することで、同相成分の波を生成するとともに、信号をアップコンバートする。乗算器a155は、正弦波を乗算した信号をアンプa157に出力する。乗算器a156は、LPFa152から入力された信号に、移相器a154から入力された余弦波を乗算することで、直交成分の波を生成するとともに、信号をアップコンバートする。乗算器a156は、余弦波を乗算した信号をアンプa157に出力する。アンプa157は、乗算器a155、a156から入力された信号を増幅し、無線送信部a16に出力する。
【0048】
無線送信部a16は、RF送信帯域制限フィルタ(Tx_BPF)a161、及び、PA(Power Amplifier)a162を含んで構成される。RF送信帯域制限フィルタa161は、アンプa157から入力された信号から、送信帯域の信号(例えば、図2のバンド11)を抽出してPA a162に出力する。PA a162は、RF送信帯域フィルタa161から入力された信号を増幅し、アンテナ共用器a102に出力する。
【0049】
上記の構成によって送受信装置a1は、例えば、図2に示した中心周波数f1_T1、周波数帯域幅20MHzの上りCCを用いて、信号を送信する。なお、図3に示す送受信装置a1の構成は、上りOFDM信号のCCを生成しているが、本発明はこれに限らず、回路ブロックの別組み合わせで、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)の構成で上り連続のSC−FDMA信号、または非連続のSC−FDMA(Clustered DFT-S-OFDMまたはCL-DFT-S-OFDM)信号、を生成しCCを用いて送信してもよい。また、図3はダイレクトコンバージョン方式の送受信装置a1について説明したが、本発明はこれに限らず、スーパーヘテロダイン方式など他の送受信装置に適用してもよい。なお、この場合、直交変復調部a12、a15の対応関係を修正すれば適用することができる。
【0050】
図4は、本実施形態に係る送受信装置a1の簡略的構成を示す概略ブロック図である。この図は、図3の送受信装置a1の構成を簡略化したものである。送受信装置a1は、送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器(DUP)a102、無線受信部(RF_Rx)a11、直交復調器(IQ_DM)a12、ベースバンド復調部(BB_DM)a13、ベースバンド変調部(BB_MD)a14、直交変調器(IQ_MD)a15、及び無線送信部(RF_Tx)a16を含んで構成される。
【0051】
<無線パラメータについて>
図5は、本実施形態に係る無線パラメータの説明図である。この図は、無線パラメータとして、RF_BWm、及び、BB_BWnがあることを示す。ここで、mはシステムオペレーションの周波数バンドの番号(周波数バンド番号という)を示し、m=1、2、・・・、Mである。例えば、図2の周波数バンド1、2の周波数バンド番号は1、2である。また、nはベースバンドの周波数帯域幅(以下、BB周波数帯域幅番号という)の番号を示し、n=1、2、・・・、Nである。
ここで、パラメータRF_BWmは、図4の送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器a102、無線受信部a11、直交復調器a12、直交変調器a15、及び無線送信部a16と関連する。また、パラメータBB_BWnは、図4の直交復調器a12、ベースバンド復調部a13、ベースバンド変調部a14、及び直交変調器a15と関連する。この関連についての詳細は、図6、7を用いて後述する。
【0052】
図6は、本実施形態に係る周波数バンド番号の説明図(3GPP TS 36.101のTable 5.5-1 E-UTRA operating bandsから一部抜粋)である。この図は、周波数バンド番号、上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域、周波数バンド帯域幅、及び、伝送モードの関係を示す。例えば、1行目の対応は、周波数バンド番号「1」の周波数バンド(図2の周波数バンド1参照)は、上り周波数バンド(図2のバンド11参照)帯域が「1920MHz〜1980MHz」、下り周波数バンド(図2のバンド12参照)帯域が「2110MHz〜2170MHz」、周波数バンド帯域は「60MHz」、伝送モードが「FDD」であることを示す。なお、IMT−Advancedに対応する周波数帯域の追加により、関連仕様書にLTE−Aシステム対応の周波数バンド番号(41番から)は追加されると予測される。
このパラメータRF_BWmにより、図4の送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器a102、無線受信部a11、直交復調器a12、直交変調器a15、及び無線送信部a16の動作周波数及び動作周波数帯域幅が決定される。
【0053】
図7は、本実施形態に係るBB周波数帯域幅番号の説明図である。この図は、BB周波数帯域幅番号及び周波数帯域幅の関係を示す。例えばBB周波数帯域幅番号1、2、3、4、5は20MHzCCの帯域幅の組み合わせを表す。また、BB周波数帯域幅番号6、7番以降は1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHzのCC帯域幅の組み合わせを表すこともできる。
このパラメータBB周波数帯域幅番号により、下りリンクについては、図4の直交復調器a12のダウンコンバータ(局部発振器a122、移相器a123、乗算器a124、a126)、LPF a125、a127での周波数特性、ベースバンド復調部a13のデジタルフィルタa133の周波数特性、及び、AD変換部a131、FFT部a136のサンプリング周波数が決定される。同様に、このパラメータBB周波数帯域幅番号により、上りリンクについては、図4の直交変調器a15のアップコンバータ(局部発振器a153、移相器a154、乗算器a155、a156)の周波数特性、LPFa151、a152での周波数特性、ベースバンド変調部a14のデジタルフィルタa146での周波数特性、及び、IFFT部a143、DA変換部a147、148でのサンプリング周波数が決定される。
【0054】
<送受信装置a2の構成について>
次に、1個の周波数バンドで、複数のCC(L個の下りCC、K個の上りCC)を用いた通信を行う送受信装置a2について説明をする。
図8は、本実施形態に係る送受信装置a2の簡略的構成を示す概略ブロック図である。この図において、送受信装置a2は、送受信共用アンテナa201、アンテナ共用器(DUP)a202、無線受信部(RF_Rx)a21、L個の直交復調器(IQ_DMl)a22−l(Lの小文字;l=1、2、・・・、L)、L個のベースバンド復調部(BB_DMl)a23−l(Lの小文字)、K個のベースバンド変調部(BB_MDl)a24−k(k=1、2、・・・、K)、K個の直交変調器(IQ_MDl)a25−k、及び無線送信部(RF_Tx)a26を含んで構成される。ここで、アンテナ共用器a202、無線受信部a21、直交復調器a22−l、ベースバンド復調部a23−l、ベースバンド変調部a24−k、直交変調器a25−kの持つ構成及び機能は、それぞれ、図3のアンテナ共用器a102、無線受信部a11、直交復調器a12、ベースバンド復調部a13、ベースバンド変調部a14、直交変調器a15と同じであるので、説明は省略する。ただし、直交復調器a22−l各々、及びベースバンド復調部a23−l各々は、対応付けられた1つまたは複数連続の下りCCで受信した信号を処理する。また、ベースバンド変調部a24−k各々、及び直交変調器a25−k各々は、対応付けられた1つまたは複数連続の上りCCで送信する信号を処理する。
【0055】
図8の送受信装置a2では、1個の周波数バンド内において、連続/非連続のL個の下りCCで信号を受信し、及び連続/非連続のK個の上りCCで信号を送信することができる。また、L個の直交復調器a22−lとベースバンド復調部a23−lを有するため、非同期送信の下りCCでの通信にも対応できる。また、それぞれのBB周波数帯域幅番号BB_BWnが異なる場合、対応できる連続/非連続の下りCC総数、非同期送信の下りCCの総数、OFDMサブキャリア帯域幅15kHzの連続した複数CCの帯域幅も変化し、様々な組み合わせが生じる。上りについても同様である。
【0056】
<送受信装置a3の構成について>
次に、1個又は複数の周波数バンドで、複数のCCを用いた通信を行う送受信装置a3について説明をする。
図9は、本実施形態に係る送受信装置a3の簡略的構成を示す概略ブロック図である。この図において、送受信装置a3は、送受信共用アンテナa301−i(i=1、2、・・・、I)、アンテナ共用器(DUPi)a302−i、無線受信部(RF_Rxi)a31−i、直交復調器(IQ_DMil)a32−il(Lの小文字;l=1、2、・・・、L)、ベースバンド復調部(BB_DMil)a33−il(Lの小文字)、ベースバンド変調部(BB_MDjk)a34−jk(j=1、2、・・・、I;k=1、2、・・・、K)、直交変調器(IQ_MDjk)a35−jk、及び無線送信部(RF_Txi)a36−jを含んで構成される。ここで、アンテナ共用器a302−i、無線受信部a31−i、直交復調器a32−il、ベースバンド復調部a33−il、ベースバンド変調部a34−jk、直交変調器a35−jk、及び無線送信部a36−jの持つ構成及び機能は、それぞれ、図8のアンテナ共用器a202、無線受信部a21、直交復調器a22−l、ベースバンド復調部a23−l、ベースバンド変調部a24−k、直交変調器a25−kと同じであるので、説明は省略する。
【0057】
ここで、直交復調器a32−il及びベースバンド復調部a33−ilの組は、i番目の周波数バンド、l(Lの小文字)番目の下りCCで受信したOFDMベースバンド信号を処理する(各組をBB復調ブランチilといい、l(Lの小文字)をBB復調ブランチ番号という;要素キャリア受信処理部)。また、ベースバンド変調部a34−jk及び直交変調器a35−jkの組は、i番目の周波数バンド、k番目の上りCCで受信したOFDMベースバンド信号を処理する(各組をBB変調ブランチikといい、kをBB変調ブランチ番号という;要素キャリア送信処理部)。また、無線受信部a31−i及びBB復調ブランチi1〜iLの組は、i番目の周波数バンドで受信したOFDM無線受信信号を処理する(各組をRF受信ブランチiといい、iをRF受信ブランチ番号という;周波数バンド受信処理部)。また、無線送信部a36−j及びBB変調ブランチj1〜jKの組は、j番目の周波数バンドで送信するOFDM無線送信信号を処理する(各組をRF送信ブランチjといい、jをRF送信ブランチ番号という;周波数バンド送信処理部)。
なお、図9では、RF受信ブランチの数とRF送信ブランチの数が同じ数(I個)である場合を示しているが、本発明はこれに限らず、RF受信ブランチの数とRF送信ブランチの数は異なっていてもよい。また、図9では、各RF受信ブランチ内のBB復調ブランチの数が同じ数(L個)である場合を示しているが、本発明はこれに限らず、各RF受信ブランチ内のBB復調ブランチの数は異なっていてもよい。同様に、各RF送信ブランチ内のBB変調ブランチの数は異なっていてもよい。
【0058】
送受信装置a3は、同じ周波数バンドの信号を送受信する場合、複数のRF受信ブランチi及びRF送信ブランチiを備えることにより、下り/上りMIMO方式、基地局装置間の協調通信(CoMP;coordinated multipoint)方式、上り送信ダイバーシチ方式に対応することができる。また、送受信装置a3は、異なる周波数バンドの信号を受信する場合、複数のRF受信ブランチi及びRF送信ブランチjを備えることにより、複数周波数バンドで、上記の方式に対応することができる。
【0059】
<移動局装置A1の構成について>
以下、送受信装置a1、a2、又はa3を備える移動局装置A1について説明をする。
図10は、本実施形態に係る移動局装置A1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、移動局装置A1は、送受信装置A101、制御部A102、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A104、ASN(Abstract Syntax Notation)符号化部A105、及びRRC(Radio Resource Control)メッセージ生成部A106を含んで構成される。
【0060】
送受信装置A101は、上記の送受信装置a1、a2、又はa3である。
制御部A102は、移動局装置A1の各部を制御する。例えば、制御部A102は、制御データとして、基地局装置Bから割り当てられた無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A102は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。
送受信装置構成情報記憶部A104は、送受信装置構成情報(例えば図14、詳細は後述する)をメモリに保存している。送受信装置構成情報は、移動局装置構成に応じて、工場出荷時に予め設定し、送受信装置構成情報記憶部A104に書き込むことができる。
また、制御部A102は、送受信装置構成情報記憶部A104が記憶する送受信装置構成情報を、ASN符号化部A105に出力する。ここで、この送受信装置構成情報には、送受信部A101の構成を示す情報が含まれる。送受信装置構成情報の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
【0061】
ASN符号化部A105は、制御部A102から入力された送受信装置構成情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、ASN符号化部A105が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
RRCメッセージ生成部A106は、ASN符号化部A105から入力された情報を含むLTE−A移動局通信能力メッセージ(UE−AdvancdeEUTRA−Capability)を生成し、制御データに含まれる上りRRCメッセージの一部として、送受信装置A101に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、制御部A102、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A104、ASN符号化部A105、及びRRCメッセージ生成部A106は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0062】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A105及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
図11は、本実施形態に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージ(図12のUE−AdvancdeEUTRA−Capability)に含む送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)の説明図である。この図は、無線パラメータとして、RXi、RF_BWm、BB_DMl(Lの小文字)、BB_Wn、TXj、RF_BWm、BB_MDk、BB_BWnがあり、これらの変数が階層構造であることを示す。
【0063】
図11において、パラメータRXiは、RF受信ブランチ番号iを示す。上記のように、RF受信ブランチ番号iは、i=1、2、・・・、Iの範囲の値である。ここで、Iは最大のRF受信ブランチ数(最大の受信アンテナ本数)を示し、例えば、8×8MIMOの場合は、I=8である。
パラメータRXiの下層のパラメータRF_BWmは、RF受信ブランチiで受信をすることができる周波数バンドの周波数バンド番号mを示す。
パラメータRXiの下層のパラメータBB_DMl(Lの小文字)は、RF受信ブランチiに含まれるBB復調ブランチ番号l(Lの小文字)を示す。
パラメータBB_DMlの下層のパラメータBB_BWnは、BB復調ブランチl(Lの小文字)で処理できるベースバンドの周波数帯域幅のBB周波数帯域幅番号nを示す。
【0064】
また、図11において、パラメータTXjは、RF送信ブランチ番号jを示す。RF送信ブランチ番号jは、i=1、2、・・・、Jの範囲の値である。ここで、Jは最大のRF送信ブランチ数(最大の送信アンテナ本数)を示し、例えば、4×4MIMOの場合は、J=4である。
パラメータTXjの下層のパラメータRF_BWmは、RF送信ブランチjで送信できる周波数バンドの周波数バンド番号mを示す。
パラメータTXjの下層のパラメータBB_MDkは、RF送信ブランチjに含まれるBB変調ブランチ番号kを示す。
パラメータBB_MDkの下層のパラメータBB_BWnは、BB変調ブランチkで処理できるベースバンドの周波数帯域幅のBB周波数帯域幅番号nを示す。
【0065】
図12は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージ(UE−AdvancedEUTRAN−Capability)、及び送受信装置構成情報(UE−RF−Capability)の一例を示す概略図である。この図において、パラメータMax−RFRx−Branchsは最大のRF受信ブランチ数Iを示す。また、パラメータMax−BBRx−Branchsは最大のBB復調ブランチ数Lを示す。同様に、パラメータMax−RFTx−Branchsは最大のRF送信ブランチ数Jを示し、パラメータMax−TxBB−Branchsは最大のBB変調ブランチ数Kを示す。また、パラメータMax−RF−Bandsは最大周波数バンド番号Mを示し、パラメータMax−BBRX−Bandsは最大BB周波数帯域幅番号Nを示す。
例えば、図12において、送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)には、RF受信ブランチの構成情報(UE−RFRx−Branchs)、及び、RF送信ブランチの構成情報(UE−RFTx−Branchs)が代入される。
【0066】
図12において、RF受信ブランチの構成情報(UE−RFRx−Branchs)には、I個のRF受信ブランチの構成情報(UE−RFRX−Branch)が代入される。i番目のRF受信ブランチの構成情報(UE−RFRX−Branch)には、L個のBB復調ブランチの構成の情報(UE−BBRx−Branchs)と、i番目のRF受信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFRx−Band−List)が代入される。l(Lの小文字)番目のBB復調ブランチの構成情報(UE−BBRx−Branch)には、l番目のBB復調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBRx−Band−List)が代入される。
ここで、i番目のRF受信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFRx−Band−List)には、ue−rfrx−band、すなわち図11のパラメータRXiの下層のパラメータRF_BWmが代入される。またl番目のBB復調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBRx−Band−List)には、ue−rxbb−band、すなわち図11のパラメータBB_DMl(Lの小文字)の下層のパラメータBB_BWnが代入される。
【0067】
また、図12において、RF送信ブランチの構成情報(UE−RFTx−Branchs)には、J個のRF送信ブランチの構成情報(UE−RFTX−Branch)が代入される。j番目のRF送信ブランチの構成情報(UE−RFTX−Branch)には、K個のBB変調ブランチの構成の情報(UE−BBTx−Branchs)と、j番目のRF送信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFTx−Band−List)が代入される。k番目のBB変調ブランチの構成情報(UE−BBTx−Branch)には、k番目のBB変調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBTx−Band−List)が代入される。
ここで、j番目のRF送信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFTx−Band−List)には、ue−rftx−band、すなわち図11のパラメータTXjの下層のパラメータRF_BWmが代入される。またk番目のBB変調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBTx−Band−List)には、ue−txbb−band、すなわち図11のパラメータBB_MDkの下層のパラメータBB_BWnが代入される。
【0068】
図13は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。この図において、従来のLTE移動局通信能力メッセージ(UE−EUTRAN−Capability)には、LTE−A移動局装置のカテゴリの情報(図13のue−Category)、及び、送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)を加えて、LTE−A移動局通信能力メッセージを表す。なお、移動局装置のカテゴリの情報については、第2の実施形態で後述する。
【0069】
図14は、本実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。この図は、1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることを示す。
また、この図は、例えば、RF受信ブランチ1(RX1)では、周波数バンド番号「1」(RF_BW1、図6に参照)の周波数バンドで受信をすることができることを示す。また、例えば、この図は、RF受信ブランチ1に含まれるBB復調ブランチ1(BB_DM1)では、BB周波数帯域幅番号「3」(BB_BW3、図7に参照)のベースバンドの周波数帯域幅で処理できることを示す。
【0070】
<基地局装置Bの構成について>
図15は、本実施形態に係る基地局装置Bの構成を示す概略ブロック図である。この図において、基地局装置Bは、送受信装置B101、制御部B102、割当情報記憶部B103を含んで構成される。
送受信装置B101は、移動局装置A1とデータを送受信する。送受信装置B101は、送受信装置a3と同様の基本構成及び基本機能を持つので、説明は省略する。
制御部B102は、基地局装置Bの各部を制御する。例えば、制御部B102は、移動局装置A1から受信したRRCメッセージから送受信装置構成情報を復号して抽出し、抽出した送受信装置構成情報に基づいて移動局装置A1の上り/下り無線リソースの割り当てを決定する。
また、制御部B102、割当情報記憶部B103は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置B101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0071】
例えば、基地局装置Bが図2のケース1のような通信能力、例えば周波数割り当てに対して、移動局装置A1が図2のケース3のような送受信装置構成である場合、制御部B102は、移動局装置A1から受信したRRCメッセージからLTE−A移動局通信能力メッセージ(図12のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)またはLTE移動局通信能力メッセージ(図13のUE−EUTRAN−Capability)を復号し、送受信装置構成情報(図12または図13のUE−RF−Capability)を抽出し、移動局装置A1の構成に対して、上り/下りCCの割り当て、すなわち上りCCがf1_T1、下りCCがf1_R1を割り当て、移動局装置A1からの初期アクセス、例えばランダムアクセス時に移動局装置A1に通知する。下りの無線リソース、すなわち移動局装置A1が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R1の下りCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A1が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T1の上りCC内に割り当てる。
また、基地局装置Bが図2のケース1で、且つ下りに4本送信アンテナと上りに2本受信アンテナが備え、移動局装置A1が図2のケース3で、且つ下りに2本受信アンテナ(2つのRF受信ブランチ)と上りに1本送信アンテナ(1つのRF送信ブランチ)が備えた送受信装置構成である場合、基地局装置Bの制御部B102は、移動局装置A1にf1_T1の下りCC内に割り当てられたリソースブロックRBにおける2×2MIMO送信、または基地局装置間の協調通信CoMPを行う基地局装置間に共通の下りリソースブロックRBの割り当てを行うことができる。すなわち、基地局装置Bの制御部B102は、移動局装置A1からの送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A1に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
【0072】
制御部B102は、上り/下りCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A1に送信する。
【0073】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A1は、基地局装置Bとの通信に用いることができるBB復調ブランチ数、BB変調ブランチ数、及びベースバンド周波数帯域幅番号(要素キャリアCCに関する情報)と、RF受信ブランチ数、RF送信ブランチ数、及び周波数バンド番号(周波数バンドに関する情報)と、を含む移動局装置能力メッセージを、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A1は、移動局装置能力メッセージに基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A1と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
【0074】
また、LTE−Aの移動局装置の構成は、以下の(ア)〜(シ)の要素(LTE−A技術要素)に依存する。LTE−A技術要素とは、(ア)周波数バンド数、(イ)下り/上りCCの総数、(ウ)連続/非連続(Intra CA/Inter CA)のCC、(エ)無線伝送モード、(オ)下りCC間或いは基地局装置間の同期/非同期送信、(カ)各種のCC帯域幅(例えば1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHz)、(キ)OFDMサブキャリア帯域幅15kHzの連続した複数CCの帯域幅(例えば100MHz)、(ク)下り/上りMIMO方式、(ケ)基地局装置間の協調通信CoMP方式、(コ)上り送信ダイバーシチ方式、(サ)各携帯電話サービス運営者の周波数割り当て事情、(シ)国内/国際ローミングである。
【0075】
しかしながら、従来の移動通信システム、上記の(ア)〜(シ)のように様々なLTE−A技術要素により移動局装置の構成に大きな影響を与えることはなかった。例えばLTEシステムでは、移動局装置のデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度10Mbps〜300Mbps)と最大のMIMOの構成(1x1、2x2、4x4)により移動局装カテゴリ(5種類)を定義することができた。各カテゴリに対する移動局装置の構成は確定可能である。言い換えれば、各携帯電話サービス運営者に対して5種類の移動局装置を提供すればよい、また市場では5種類の移動局装置が流通すればよい。また5種類の移動局装置に対して各携帯電話サービス運営者はサービスが考慮すればよい。LTE−Aシステムでは、そう簡単には行かない。LTE−Aシステムの移動局装置は、従来のLTEシステムの移動局装置カテゴリを定義する手法を採用する場合、同一カテゴリでも同じ移動局装置の構成を定義することができない、同一カテゴリでも異なる移動局装置の構成を持つことができるため、移動局装置カテゴリにより適切な移動局装置の性能を引き出すことができない。様々なLTE−A技術要素を最大限に対応し、且つ回路複雑度の低減、低消費電力化、低コスト化、小型化、生産性の向上などを実現することが困難である。一方、LTE−Aシステムの基地局装置では、移動局装置カテゴリを低減するために、様々なLTE−A技術要素に制限を掛ける必要がある。
【0076】
本実施形態によれば、前記の(ア)〜(シ)のように様々なLTE−A技術要素に対応するための様々なLTE−A移動局装置構成の組み合わせに対して、移動局装置構成情報を生成し、基地局装置Bに送信することにより、基地局装置Bは、移動局装置構成情報に応じて、様々なLTE−A技術要素に対応できる適切な移動局装置A1の性能を引き出すことができ、適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
また図11、12は、LTE−A移動局通信能力メッセージに周波数バンド番号RF_BWm及びベースバンド周波数帯域幅番号BB_BWmの無線パラメータが含まれているが、各RF送信ブランチ番号TXjに含まれるパワーアンプPA(Power Amplifier)の無線パラメータである最大送信電力レベルPA_OUTq(q=1,2、・・・、Q;qは最大送信電力レベルの組み合わせ番号)を含むこともよい。無線パラメータPA_OUTqはRF送信ブランチ番号TXjに対応する送信周波数バンドRF_BWmのパラメータと同じレベルで、図11にTXjのRF_BWmの下に、図12にue−rftx−bandの下に相応のパラメータを追加してもよい。例えば、2つのRF送信ブランチの場合、PA_OUTqの「1」はRF送信ブランチ番号1(TX1)のPAの最大送信電力レベルが23dBm、RF送信ブランチ番号2(TX2)のPAの最大送信電力レベルが20dBmを表し、PA_OUTqの「2」はその逆を表し、PA_OUTqの「3」は両方とも23dBmを表し、PA_OUTqの「4」は両方とも20dBmを表すことができる。J個のRF送信ブランチの場合、PA_OUTqの組み合わせは上記の拡張でよい、
【0077】
また無線パラメータの周波数バンド番号RF_BWmは、図6のように周波数バンド番号、上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域、周波数バンド帯域幅、及び、伝送モードの関係を示しているが、幾つか連続した上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域を結合して、新しい且つ広い上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域を再定義することもよい。例えば、新しい周波数バンド番号「1」は、図6の周波数バンド番号「1」「2」を結合して、上り周波数バンド帯域が1930MHz〜2170MHz、下り周波数バンド帯域が1850MHz〜1980MHzに対応することができる。また図9は、1つのRF受信ブランチに複数のBB復調ブランチ、1つのRF送信ブランチに複数のBB変調ブランチが含まれていることを示しているが、技術の進歩により、図4の直交変調器a15と直交復調器a12の周波数帯域幅が広帯域で、送受信帯域(例えば、図2のバンド11、バンド12)と同じであれば、1つの無線送受信部に1つの直交変調器と1つの直交復調器を使用してもよい。また1つの送受信アンテナと1つのDUP、あるいは複数送受信アンテナと複数のDUP複数の以降に複数の別々の無線送受信部、直交変調器と直交復調器、及びベースバンド変調器とベースバンド復調器による構成された複数のRF送受信ブランチによる構成することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、新たな移動局装置のカテゴリ(以下、LTE−A移動局カテゴリという;移動局カテゴリ)を定義し、LTE−A移動局カテゴリを含む移動局装置能力メッセージを生成する場合について説明をする。これにより、本実施形態では、様々なLTE−A技術要素に対応できる。
なお、通信システムの概念図は、第1の実施形態と同じ図1であるので説明は省略する。また、本実施形態に係る移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A2という。ここで、移動局装置A2は、後述するように、送受信装置a1(図3、4)、a2(図8)、又はa3(図9)を含んで構成される。
以下、まず、従来技術(LTE)での移動局装置のカテゴリ(LTE移動局カテゴリという)について説明し、次に、本実施形態(LTE−A)での移動局装置のカテゴリ(LTE−A移動局カテゴリ)について説明をする。
【0079】
<LTE移動局カテゴリについて>
図16は、従来技術に係るLTE移動局カテゴリ対応情報の概略図である。この図は、LTE移動局カテゴリ(Category)が、5個(Category1〜5)あることを示す。また、この図は、LTE移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)のデータ伝送速度(バッファのビットサイズ;Bit rate)、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)の変調方式(Modulation Scheme)、及び、下りMIMOストリーム数(例えば、受信アンテナ本数;Number of MIMO Streams)が決まることを示す。
図16は、例えば、LTE移動局カテゴリ5(Category5)の場合、移動局装置の下りのデータ伝送速度が「300Mbps」、上りのデータ伝送速度が「75Mbps」、下りの変調方式が「QPSK、16QAM、又は64QAM」、上りの変調方式が「QPSK、16QAM、又は64QAM」、下りMIMOストリーム数が「4」であることを示す。
【0080】
なお、このLTE移動局カテゴリに属する移動局装置の構成は、第1の実施形態で説明をした送受信装置構成情報を用いて、以下のように表わすことができる。
図17は、本発明の第2の実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。この図において、LTE移動局装置の組み合わせは、最大送受信CCの帯域幅が20MHz固定のため、最大4個(i=1、2、3、4)のRF受信ブランチ(1個RF受信ブランチに1個BB復調ブランチを含む)と1個のRF送信ブランチ(1個RF送信ブランチに1個BB変調ブランチを含む)で表わされる。
【0081】
<LTE−A移動局カテゴリについて>
図18は、本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。この図は、LTE−A移動局カテゴリ(Category)が、6個(CategoryA〜F;カテゴリA〜F)あることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)のデータ伝送速度(バッファのビットサイズ;Bit rate)が決まることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)のMIMOストリーム数(Number of MIMO Streams)及び下りの連続/非連続CCの個数(Number of CC)、移動局装置の上り(UL)のMIMOストリーム数及び上りの連続/非連続CCの個数の範囲が決まることを示す。
【0082】
例えば、カテゴリBの場合のデータ伝送速度は、下りが「100Mbps」、上りが「75Mbps」であり、このLTE−A移動局カテゴリは、例えば、高速移動している移動局装置に適用される。カテゴリFでは、データ伝送速度は、下りが「1000Mbps」、上りが「500Mbps」であり、例えば、カテゴリFは固定の移動局装置又は移動速度が非常に小さい移動局装置に適用される。
【0083】
また、例えば、図18において、下りMIMOストリーム数は8、4、2、1の範囲に、上りMIMOストリーム数は4、2、1の範囲で決まる。また、図18において、下りCCの数は1〜5個の範囲に、上りCCの数は1〜2個の範囲で決まる。
ここで、LTEでは、1個の上り/下りMIMOストリームにおいて、帯域幅が20MHzのCCでは、最大データ伝送速度が「75Mbps」(64QAMの場合)である(図16参照)。よって、図18での上り/下りのMIMOストリーム数及びCCの数は、データ伝送速度を満たすことができるような対応になっている。
【0084】
例えば、カテゴリBでは、下りのデータ伝送速度「100Mbps」を満たすため、下りMIMOストリーム数が「4」個の場合に下りCCの数は「1」個、下りMIMOストリーム数が「2」個の場合に下りCCの数は「1」個、又は、下りMIMOストリーム数が「1」個の場合に下りCCの数は「2」〜「5」個が対応付けされている。例えば、下りMIMOストリーム数が「4個」の場合に下りCCが「1」個であれば、最大300Mbps(4個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。また、例えば、下りMIMOストリーム数が「1」個の場合に下りCCが「5」個であれば、最大375Mbps(5個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。
また、下りMIMOストリーム数が「4」個及び下りCCの数は「1」個の場合(最大300Mbps)には低い変調率の変調方式である16QAMを、下りMIMOストリーム数が「1」個及び下りCCの数は「2」個の場合(最大150Mbps)には高い変調率の変調方式である64QAMを、選択することでデータ伝送速度を満たすことができる。
【0085】
同様に、カテゴリBでは、上りのデータ伝送速度「75Mbps」を満たすため、上りMIMOストリーム数が「4」個の場合に上りCCの数は「1」個、上りMIMOストリーム数が「2」個の場合に上りCCの数は「1」個、又は、上りMIMOストリーム数が「1」個の場合に上りCCの数は「1」又は「2」個が対応付けされている。例えば、上りMIMOストリーム数が「2個」の場合に上りCCが「1」個であれば、最大150Mbps(2個×75Mbps)となり、75Mbpsを満たすことができる。また、例えば、上りMIMOストリーム数が「1」個の場合に上りCCが「1」個であれば、最大75Mbps(1個×75Mbps)となり、75Mbpsを満たすことができる。
また、上りMIMOストリーム数が「2」個及び上りCCの数は「1」個の場合(最大150Mbps)には低い変調率の変調方式である16QAMを、上りMIMOストリーム数が「1」個及び上りCCの数は「1」個の場合(最大75Mbps)には高い変調率の変調方式である64QAMを、選択することでデータ伝送速度を満たすことができる。
本発明のLTE−A移動局カテゴリ(図18のCategory)は、下りCCの数を対応付けたもの、すなわち下りCCの数により管理されていることが特徴である。
なお、本発明のLTE−A移動局カテゴリは、図18の例に限らず、上記のように、最大データ伝送速度に応じて、その最大データ伝送速度を満たすことができるように、下りMIMOストリーム数及び下りCCの数を対応付けたものであればよい。また、LTE−A移動局カテゴリの数も、図18の例(6個)に限られず、この例の場合より多くてもよいし、少なくてもよい。また、LTE移動局カテゴリのカテゴリ1は、LTE−A移動局カテゴリのカテゴリAに含まれる。
【0086】
<LTE−A移動局装置構成の制限>
LTE−A移動局装置のRF送信ブランチとBB変調ブランチの構成に対して、LTEシステムへの後方互換性、及び無線送信部a16(図3)に含まれるパワーアンプPAが影響を受けるRF送信信号のピーク対平均電力の比PAPR (Peak to Average Power Ratio)を考慮した場合、シングルキャリアSC−FDMA送信方式が適している。上り最大連続/非連続CCの個数を2個に制限した場合、LTE−A移動局装置は2個のRF送信ブランチ(1個のRF送信ブランチに最大40MHzベースバンド周波数帯域幅を持つ1個のBB変調ブランチを含む)の構成することが考えられる。
また、周波数バンドについて、携帯電話サービス運営者から様々な要望があり、移動局装置構成から最大3個の周波数バンドに制限する動きがある。例えばFDDモードでは周波数バンド番号3、1、7(図6参照)、TDDモードでは周波数バンド番号34、29、40(図6参照)に制限しても、下りMIMOストリーム数が8個(受信アンテナ8本)の場合、RF受信ブランチ数は24個となり、移動局装置のハードウェア構成、サイズ、消費電力とも大きな問題になる。周波数バンド数によりLTE−A移動局カテゴリの分類を行う場合、上位の移動局カテゴリ(例えば1000Mbpsクラス移動局装置)は移動局装置の最大構成(High End商品)となる。ユーザの要望、例えば1000Mbpsクラスで3.5GHz(周波数バンド番号A)だけ動作できる安い移動局装置が提供できない。従って、図18に示したLTE−A移動局カテゴリは、下り周波数バンドの無線パラメータと無関係のように定義している。
同様に、RF送信ブランチ数も上り周波数バンド数に依存している。例えば3個の周波数バンドと上りMIMOストリーム数が4個(送信アンテナ4本)の場合、RF送信ブランチ数は12個となる。周波数バンド数によりLTE−A移動局カテゴリの分類を行う場合、上位のカテゴリ(例えば500Mbpsクラス移動局装置)は移動局装置の最大構成となる。ユーザの要望、例えば500Mbpsクラスで3.5GHz(周波数バンド番号A)だけ動作できる安い移動局装置が提供できない。従って、図18に示したLTE−A移動局カテゴリは、上り周波数バンドの無線パラメータと無関係のように定義している。
【0087】
次に、周波数バンドが複数ある場合に好適なLTE−A移動局カテゴリについて説明する。周波数バンドが複数あるときに、図18の1個のMIMOストリーム対応のRF受信ブランチ及びRF送信ブランチを、複数の周波数バンドに対応できるようにした場合、以下のLTE−A移動局カテゴリ(図19)を用いる。
【0088】
図19は、本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の別の一例を示す概略図である。この図は、図18の上り/下りMIMOストリーム数(UL/DL Number of MIMO streams)を、上り/下りデータストリーム数(UL/DL Number of DATA streams)に変更したものである。この図は、LTE−A移動局カテゴリ(Category)が、6個(CategoryA〜F;カテゴリA〜F)あることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)のデータ伝送速度(バッファのビットサイズ;Bit rate)が決まることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)のデータストリーム数(Number of DATA Streams)及び下りの連続/非連続CCの個数(Number of CC)、移動局装置の上り(UL)のデータストリーム数及び上りの連続/非連続CCの個数の範囲が決まることを示す。
上り/下りデータストリーム数の定義は、上り/下りMIMOストリーム数の拡張であり、同じ周波数バンド内では、上り/下りMIMOストリーム数と同じ、異なる周波数バンドの場合では、各周波数バンドの上り/下りMIMOストリーム数の合計である。すなわち、同じ周波数バンド内で下りMIMOストリーム数が「2」(2x2MIMO)、下りCCの数が「1」に対して、2つの周波数バンドで、下りデータストリーム数が「2」、下りCCの数が「1」で同様な移動局装置の下りデータ伝送速度を実現することができる。
【0089】
例えば、カテゴリBの場合のデータ伝送速度は、下りが「100Mbps」、上りが「75Mbps」であり、このLTE−A移動局カテゴリは、例えば、高速移動している移動局装置に適用される。カテゴリFでは、データ伝送速度は、下りが「1000Mbps」、上りが「500Mbps」であり、例えば、カテゴリFは固定の移動局装置又は移動速度が非常に小さい移動局装置に適用される。
【0090】
また、例えば、図19において、下りデータストリーム数は8、4、2、1の範囲に、上りデータストリーム数は4、2、1の範囲で決まる。また、図19において、下りCCの数は1〜5個の範囲に、上りCCの数は1〜2個の範囲で決まる。
ここで、LTEでは、1個の上り/下りデータストリームにおいて、帯域幅が20MHzのCCでは、最大データ伝送速度が「75Mbps」(64QAMの場合)である(図16参照)。よって、図19での上り/下りのデータストリーム数及びCCの数は、データ伝送速度を満たすことができるような対応になっている。
【0091】
例えば、カテゴリBでは、下りのデータ伝送速度「100Mbps」を満たすため、下りデータストリーム数が「4」個の場合に下りCCの数は「1」個、下りデータストリーム数が「2」個の場合に下りCCの数は「1」個、又は、下りデータストリーム数が「1」個の場合に下りCCの数は「2」〜「5」個が対応付けされている。例えば、下りデータストリーム数が「4個」の場合に下りCCが「1」個であれば、最大300Mbps(4個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。また、例えば、下りデータストリーム数が「1」個の場合に下りCCが「5」個であれば、最大375Mbps(5個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。
また、下りデータストリーム数が「4」個及び下りCCの数は「1」個の場合(最大300Mbps)には低い変調率の変調方式である16QAMを、下りデータストリーム数が「1」個及び下りCCの数は「2」個の場合(最大150Mbps)には高い変調率の変調方式である64QAMを、選択することでデータ伝送速度を満たすことができる。なお、上りについても同様である。
【0092】
本発明のLTE−A移動局カテゴリは、(図19のCategory)は、データストリーム数を対応付けたもの、すなわちデータストリーム数により管理されていることが特徴である。
なお、本発明のLTE−A移動局カテゴリは、図19の例に限らず、上記のように、最大データ伝送速度に応じて、その最大データ伝送速度を満たすことができるように、下りデータストリーム数及び下りCCの数を対応付けたものであればよい。また、LTE−A移動局カテゴリの数も、図19の例(6個)に限られず、この例の場合より多くてもよいし、少なくてもよい。また、LTE移動局カテゴリのカテゴリ1は、LTE−A移動局カテゴリのカテゴリAに含まれる。
【0093】
<変形例1>
本発明のLTE−A移動局カテゴリ対応情報では、データストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせを減らしてもよい。例えば、図20のように、データストリーム数が「1」である組み合わせを減らしてもよい。
【0094】
図20は、本実施形態の変形例1に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。図20と図19とで、LTE−A移動局カテゴリを比較すると、図20では、カテゴリBの下り(DL)/上り(UL)、及びカテゴリCの下りで、データストリーム数が「1」であるデータストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせが削除されている。
【0095】
<変形例2>
また、実際の移動局装置A2のBB復調ブランチのBB周波数帯域幅(図7)は最少20MHzである。よって、例えば、移動局装置A2は、図3の受信帯域制限のデジタルフィルタa133、FFT部a136で、BB周波数帯域幅を20MHzと40MHzとで切り替えて、1個のロジカルCCと2個のロジカルCCを切り替えて受信してもよい。ここで、ロジカルCCとは、1つの20MHzのCCのことである。また、この場合、BB周波数帯域幅を物理CCという。上りも同様な考え方が適用できる。
移動局装置のテストケースを考慮し、上り/下りの最大連続2個のロジカルCC、すなわちBB周波数帯域幅を最大40MHzに限定する場合、LTE−A移動局カテゴリは、図21となる。
【0096】
図21は、本実施形態の変形例2に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。図21と図20とで、LTE−A移動局カテゴリ対応情報を比較すると、図21では、カテゴリD、E、Fの下り(DL)で、CCの数(Number of CC)が「5」であるデータストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせが削除されている。
<変形例3>
また、図21に示したように、図20と比べて、データストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせが減少したが、図21のLTE−A移動局カテゴリにより移動局装置構成を完全に特定することができない。例えばLTE−A移動局カテゴリB〜Fでは、データストリーム数が「2」に対して、同じ周波数バンドか判断できない。更なる限定を掛ける必要がある。例えば、同じ周波数バンドに限定し、各LTE−A移動局カテゴリのデータストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせの数を1つにし、図22のように限定してもよい。
【0097】
<移動局装置A2の構成について>
図23は、本実施形態に係る移動局装置A2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動局装置A2(図23)と第1の実施形態に係る移動局装置A1(図10)とを比較すると、制御部A202、ASN符号化部A205、及びカテゴリ情報記憶部A207が異なる。しかし、他の構成要素(送受信装置A101、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ作成部A106)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0098】
カテゴリ情報記憶部A207は、LTE−A移動局カテゴリ情報(図18〜22のCategory)、すなわちLTE−A移動局カテゴリA〜Fに対応する符号A〜F、または整数1〜6、または3bitの情報をメモリに保存している。LTE−A移動局カテゴリの情報は、移動局装置構成に応じて、工場出荷時、販売時、またはユーザ初期使用時に予め設定し、カテゴリ情報記憶部A207に書き込むことができる。またLTE−A移動局カテゴリの情報は、移動局装置の個体識別番号、シリアル番号、製造番号など移動局装置個別情報と対応することができる。例えば、図14が1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることを示しているため、図21に対してLTE−A移動局カテゴリBの情報がカテゴリ情報記憶部A207に書き込まれる。または図22に対してLTE−A移動局カテゴリAの情報がカテゴリ情報記憶部A207に書き込まれる。
【0099】
制御部A202は、移動局装置A2の各部を制御する。例えば、制御部A202は、基地局装置Bから割り当てられた上り/下り無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A202は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部A202は、カテゴリ情報記憶部A207に記憶されたLTE−A移動局カテゴリ情報を、ASN符号化部A205に出力する。
【0100】
ASN符号化部A205は、制御部A202から入力されたLTE−A移動局カテゴリ情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、ASN符号化部A205が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
RRCメッセージ生成部A106は、ASN符号化部A205から入力された情報を含むLTE−A移動局通信能力メッセージ(図24のUE−AdvancdeEUTRA−Capability)を生成し、制御データに含まれる上りRRCメッセージの一部として、送受信装置A101に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ生成部A106、制御部A202、ASN符号化部A205、及びカテゴリ情報記憶部A207は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0101】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A205及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
【0102】
図24は、本実施形態に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージ(図24のUE−AdvancdeEUTRA−Capability)に含むLTE−A移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)の一例を示す概略図である。この図において、移動局カテゴリ情報(ue−Category)の値「1」〜「6」(INTEGER(1..6))は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図18〜図21参照)を示す。図22に対して、移動局カテゴリ情報(ue−Category)の値は「1」〜「4」(INTEGER(1..4))になる。
【0103】
基地局装置Bでは、制御部B102が、図22のような移動局カテゴリ情報に基づいて上り/下り無線リソースを割り当てる(図15参照)。例えば、制御部B102は、移動局装置A2から受信したRRCメッセージからLTE−A移動局通信能力メッセージ(図24のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)を復号し、移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)を抽出し、移動局カテゴリ情報に基づいて移動局装置A2の上り/下りローカルCCの割り当て、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当てを決定する。
例えば、基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力に対して、移動局装置A2がLTE−A移動局カテゴリAのような送受信装置構成である場合、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz)において、下りローカルCCのf1_R1とf1_R2を受信、上りローカルCCのf1_T1を送信することができる場合、制御部B102は、移動局装置A2に対して、上り/下りローカルCCの割り当て、すなわち下りローカルCCがf1_R1とf1_R2、上りローカルCCがf1_T1に割り当て、移動局装置A2の初期アクセス時に通知する。下りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R1とf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T1の上りローカルCC内に割り当てる。基地局装置Bの制御部B102は、移動局装置A2からの移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A2に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。移動局装置A2が対応できる周波数バンド情報、例えば周波数バンド番号は、従来通り、別のRRCメッセージを通じて、基地局装置Bに通知することができる。
【0104】
制御部B102は、決定した上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A2に送信する。
【0105】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A2は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A2は、LTE−A移動局カテゴリ情報に基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A2と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
【0106】
<変形例>
図25は、本実施形態の変形例3に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。この図において、従来のLTE移動局通信能力メッセージ(UE−EUTRAN−Capability)には、移動局カテゴリ情報(図25のue−Category)の値「1」〜「11」(INTEGER(1..11))のうち、「1」〜「5」は、それぞれ、従来のLTE移動局カテゴリ1〜5を示し、「6」〜「11」は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜Fを加えて、LTE−A移動局通信能力メッセージを表す。
【0107】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A2は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局カテゴリ情報(図24または図25のue−Category)を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A2は、LTE−A移動局カテゴリ情報に基づいて基地局装置Bが割り当てたCCを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A2と基地局装置Bとの通信に適切なCCを割り当てることができる。
本実施形態は、LTE−A移動局カテゴリ情報(図24または図25のue−Category)を定義し、移動局カテゴリ情報を基地局装置に送信することが従来と同じであるが、LTE−A移動局カテゴリはデータストリーム数とロジカルCC数により管理されていることにより、従来のように、基地局装置は、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
本実施形態は、第1の実施形態のように、前記の(ア)〜(シ)のように様々なLTE−A技術要素に対応するためのLTE−A移動局装置構成の組み合わせに対して、移動局装置構成情報を生成し、基地局装置Bに送信することにより、基地局装置Bは、移動局装置構成情報に応じて、様々なLTE−A技術要素に対応できる適切な移動局装置A1の性能を引き出すことができる適切な上り/下り無線リソース割り当てが可能であることと比べて、データストリーム数とロジカルCC数によりLTE−A移動局カテゴリを定義し、LTE−A移動局装置構成の組み合わせに制限が加えたため、前記の(ア)〜(シ)のように、様々なLTE−A技術要素の対応に制限を加えることになるが、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図19〜図22参照)を含むRRCメッセージの情報量(例えばビット数、上りシグナリング制御信号の情報量・無線リソースのオーバーヘッド)を低減することができる。またLTE−A移動局装置構成の組み合わせに制限が加えることにより、回路複雑度の低減、低消費電力化、低コスト化、小型化、生産性の向上などを実現することができる。
【0108】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、移動局装置は、第1の実施形態に係る送受信装置構成情報(UE−RF−Capability)、及び、第2の実施形態に係る移動局カテゴリ情報(ue−Category)を含むLTE−A移動局通信能力メッセージを生成する。
なお、通信システムの概念図は、第1の実施形態と同じ図1であるので説明は省略する。また、本実施形態に係る移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A3という。
【0109】
<移動局装置A3の構成について>
図26は、本発明の第3の実施形態に係る移動局装置A3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動局装置A3(図26)と第1の実施形態に係る移動局装置A1(図10)とを比較すると、制御部A302、及びASN符号化部A305が異なる。しかし、他の構成要素(送受信装置A101、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ作成部A106、及びカテゴリ情報記憶部A207、送受信装置構成情報記憶部A104)が持つ機能は第1、2の実施形態と同じである。第1、2の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0110】
制御部A302は、移動局装置A3の各部を制御する。例えば、制御部A302は、基地局装置Bから割り当てられた無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A302は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。
また、制御部A202は、送受信装置構成情報記憶部A104が記憶する送受信装置構成情報、及び、カテゴリ情報記憶部A207から読み出したLTE−A移動局カテゴリ情報を、ASN符号化部A205に出力する。
【0111】
ASN符号化部A305は、制御部A302から入力された送受信装置構成情報及びLTE−A移動局カテゴリ情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A104、RRCメッセージ生成部A106、制御部A302、ASN符号化部A305、及びカテゴリ情報記憶部A207は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0112】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A305及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
図27は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。この図において、LTE−A移動局通信能力メッセージ(図27のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)は、移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)、及び、送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)を含む。
また、この図において、移動局カテゴリ情報(図27のue−Category)の値「1」〜「6」(INTEGER(1..6))は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図18〜図21参照)を示す。
【0113】
基地局装置Bでは、制御部B102が、図21のような移動局カテゴリ情報、及び送受信装置構成情報に基づいて上り/下り無線リソースを割り当てる(図15参照)。例えば、制御部B102は、移動局装置A3から受信したRRCメッセージから移動局カテゴリ情報(図27のue−Category)及び送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)を復号して抽出し、抽出した移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて移動局装置A3の上り/下り無線リソースの割り当てを決定する。
例えば、制御部B102は、移動局カテゴリ情報からLTE−A移動局カテゴリB、送受信装置構成情報から図28のような移動局装置構成の無線パラメータを抽出し、LTE−A移動局カテゴリBにより、移動局装置A3の上り/下りデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度100Mbps、上り最大データ速度75Mbps)、図28の無線パラメータにより、移動局装置A3は、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることが判断できる。
【0114】
基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力がある場合、制御部B102は、移動局装置A3に対して、上り/下りローカルCCの割り当てを行い、移動局装置A3の初期アクセス時に通知する。下りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF受信ブランチに2つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、下りユーザ負荷、すなわち下りローカルCCのf1_R1〜f1_R4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R2を割り当て、または非連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R4を割り当てる。上りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF送信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、上りユーザ負荷、すなわち上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に上りローカルCCのf1_R2を割り当てる(複数上りローカルCCに対応可能な場合、下りと同様に連続/非連続CCの割り当ても可能である)。
例えば、連続の下りローカルCCの場合、下りの無線リソース、すなわち移動局装置A3が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R1とf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T1の上りローカルCC内に割り当てる。制御部B102は、移動局装置A3からの移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A3に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
【0115】
また、例えば、制御部B102は、移動局カテゴリ情報からLTE−A移動局カテゴリB、送受信装置構成情報から図29のような移動局装置構成の無線パラメータを抽出し、LTE−A移動局カテゴリBにより、移動局装置A3の上り/下りデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度100Mbps、上り最大データ速度75Mbps)、図29の無線パラメータにより、移動局装置A3は、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが1個(BB_DM1、BB_DM2)、周波数バンド2(図2、3GHz、周波数バンド番号A)における1個のRF受信ブランチ(RX2)にBB復調ブランチが1個(BB_DM2)含まれ、また、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることが判断できる。
【0116】
基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力がある場合、制御部B102は、移動局装置A3に対して、上り/下りローカルCCの割り当てを行い、移動局装置A3の初期アクセス時に通知する。下りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF受信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、下りユーザ負荷、すなわち下りローカルCCのf1_R1〜f1_R4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に下りローカルCCのf1_R2を割り当て(複数下りローカルCCがある場合、連続/非連続CCの割り当ても可能である)、上りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF送信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、上りユーザ負荷、すなわち上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に上りローカルCCのf1_T2を割り当てる(複数上りローカルCCに対応可能な場合、下りと同様に連続/非連続CCの割り当ても可能である)。
連続の下りローカルCCの場合、下りの無線リソース、すなわち移動局装置A3が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T2の上りローカルCC内に割り当てる。制御部B102は、移動局装置A3からの移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A3に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
制御部B102は、上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りCC割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A3に送信する。
【0117】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A3は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局通信能力メッセージ(図27のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)に含まれるLTE−A移動局カテゴリ情報、及び送受信装置構成情報を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A3は、LTE−A移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A3と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
【0118】
<変形例>
図19〜図21のように、LTE−A移動局カテゴリ間に上り/下りのデータストリーム数及び上り/下りローカルCCの数の組み合わせは一部同様である。図22のようにLTE−A移動局カテゴリ間に上り/下りのデータストリーム数及び上り/下りローカルCCの数の組み合わせは異なる場合、第2実施形態のように、移動局装置A3はLTE−A移動局カテゴリ情報だけを基地局装置Bに送信すればよい。または、図21のLTE−A移動局カテゴリ情報により構成された移動局装置A3の送受信装置構成情報だけを基地局装置Bに送信すればよい。基地局装置Bは移動局装置A3の送受信装置構成情報からLTE−A移動局カテゴリ情報を判断することができる。
本実施形態は、第2の実施形態のように、LTE−A移動局カテゴリ情報の定義により、LTE−A移動局装置構成の組み合わせに制限を加えると比べて、LTE−A移動局カテゴリ情報に制限された限定的な送受信装置構成情報を加えたため、第2の実施形態から、前記の(ア)〜(シ)のように、様々なLTE−A技術要素の対応に制限を緩和することになるが、LTE−A移動局カテゴリA〜F情報(図19〜図21参照)と送受信装置構成情報を含むRRCメッセージの情報量(例えばビット数、上りシグナリング制御信号の情報量・無線リソースのオーバーヘッド)が第2の実施形態より増加し、一方、第1の実施形態より少ない。
【0119】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
第2の実施形態では、6個のLTE−A移動局カテゴリA〜Fの一例を示した(図18〜図21)。例えば、図19の一例は、下りデータストリーム数が「8」、「4」、「2」、「1」、上りデータストリーム数が「4」、「2」、「1」、1個CCの周波数帯域幅が20MHzに、下り最大連続/非連続CCの数が「5」、上り最大連続/非連続CCの個数が「2」、とした場合の例である。この場合でも、データストリーム数とCCの数の組み合わせが多数がある。例えば図19の場合、下り/上りデータストリーム数とCCの数の組み合わせを含め、24種類がある。
本実施形態では、移動局装置は第2の実施形態に係る移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)、及び、この組み合わせを識別する送受信装置構成番号(短縮送受信装置構成情報ともいう;識別情報)を含むLTE−A移動局通信能力メッセージを生成する。
なお、通信システムの概念図は、第3の実施形態と同じ図1であるので説明は省略する。また、本実施形態に係る移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A4という。
【0120】
<送受信装置構成番号について>
図30は、本発明の第4の実施形態に係る送受信装置構成番号情報の一例を示す概略図である。この図は、LTE−A移動局カテゴリが図19である場合の送受信装置構成番号情報を示す。
【0121】
図30において、送受信装置構成番号情報は、送受信装置構成番号(UE_TRXh、h=1、2、・・・、H)、データストリーム数(Number of DATA streams)、及び、ローカルCCの数(Number of CC)の各項目を有している。この送受信装置構成番号は、LTE−A移動局カテゴリでのデータストリーム数とローカルCCの数の組み合わせを識別する識別情報である。
例えば、送受信装置構成番号が「1」(UE_TRX1)は、データストリーム数が「8」、ローカルCCの数が「3」の組み合わせを示す。
【0122】
<移動局装置A4の構成について>
図31は、本実施形態に係る移動局装置A4の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動局装置A4(図31)と第3の実施形態に係る移動局装置A3(図26)とを比較すると、制御部A402、ASN符号化部A405、及び送受信装置構成番号記憶部A404が異なる。しかし、他の構成要素(送受信装置A101、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ作成部A106、及び、カテゴリ情報記憶部A207)が持つ機能は第3の実施形態と同じである。第3の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0123】
送受信装置構成番号記憶部A404は、自装置の送受信装置構成番号を記憶する。
制御部A402は、移動局装置A4の各部を制御する。例えば、制御部A402は、基地局装置Bから割り当てられた無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A402は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。
送受信装置構成番号記憶部A404は、送受信装置構成番号がをメモリに保存している。送受信装置構成番号は、移動局装置構成に応じて、工場出荷時に予め設定し、送受信装置構成番号記憶部A404に書き込むことができる。
また、制御部A402は、送受信装置構成番号記憶部A404が記憶する送受信装置構成番号、及び、カテゴリ情報記憶部A207が記憶されたLTE−A移動局カテゴリ情報を、ASN符号化部A405に出力する。
【0124】
ASN符号化部A405は、制御部A402から入力された送受信装置構成番号及びLTE−A移動局カテゴリ情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A404、RRCメッセージ生成部A106、制御部A402、ASN符号化部A405、及びカテゴリ情報記憶部A207は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0125】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A405及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
図32は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージ(図32のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)の一例を示す概略図である。この図において、LTE−A移動局通信能力メッセージ(図32のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)は、移動局カテゴリ情報(ue−Category)、及び、短縮送受信装置構成情報(ue−nrf−capability)を含む。
【0126】
図32において、移動局カテゴリ情報(ue−Category)の値「1」〜「6」(INTEGER(1..6))は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図19〜図21参照)を示す。
また、この図において、短縮送受信装置構成情報(UE−NRF−Capability)には、受信装置構成番号(ue−nrx−capability)、及び送信装置構成番号(ue−nrx−capability)が代入される。ここで、受信装置構成番号及び送信装置構成番号は、図30に示したように、それぞれ、受信ブランチで受信、及び送信ブランチで送信することができるデータストリーム数とローカルCCの数との組み合わせを示す送受信装置構成番号である。
<変形例>
図33は、本実施形態の変形例に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。この図において、従来のLTE移動局通信能力メッセージ(UE−EUTRAN−Capability)には、移動局カテゴリ情報(図25のue−Category)の値「1」〜「11」(INTEGER(1..11))のうち、「1」〜「5」は、それぞれ、従来のLTE移動局カテゴリ1〜5を示し、「6」〜「11」は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜Fを加えて、さらに短縮送受信装置構成情報(図32のUE−NRF−Capability)を加えて、LTE−A移動局通信能力メッセージを表す。
【0127】
基地局装置Bでは、制御部B102が、図19〜21のような移動局カテゴリ情報、及び短縮送受信装置構成情報に基づいて上り/下り無線リソースを割り当てる(図15参照)。例えば、制御部B102は、移動局装置A4から受信したRRCメッセージからLTE−A移動局通信能力メッセージ(図32のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)、またはLTE移動局通信能力メッセージ(図33のUE−EUTRAN−Capability)を復号し、移動局カテゴリ情報(ue−Category)及び短縮送受信装置構成情報(UE−NRF−Capability)を抽出し、抽出した移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて移動局装置A4の上り/下り無線リソースの割り当てを決定する。
例えば、制御部B102は、移動局カテゴリ情報からLTE−A移動局カテゴリB、短縮送受信装置構成情報から受信装置構成番号(ue−nrx−capability)「11」と送信装置構成番号(ue−nrx−capability)「11」を抽出し、LTE−A移動局カテゴリBにより、移動局装置A4の上り/下りデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度100Mbps、上り最大データ速度75Mbps)、受信装置構成番号「11」と送信装置構成番号「11」、また別のRRCメッセージを通じて受信した周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)により、移動局装置A4は、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることが判断できる。
【0128】
基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力がある場合、制御部B102は、移動局装置A4に対して、上り/下りローカルCCの割り当てを行い、移動局装置A4の初期アクセス時に通知する。下りでは、移動局装置A4が周波数バンド1に1つのRF受信ブランチに2つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、下りユーザ負荷、すなわち下りローカルCCのf1_R1〜f1_R4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A4に連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R2を割り当て、または非連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R4を割り当てる。上りでは、移動局装置A4が周波数バンド1に1つのRF送信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、上りユーザ負荷、すなわち上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A4に上りローカルCCのf1_T2を割り当てる(複数上りローカルCCに対応可能な場合、下りと同様に連続/非連続CCの割り当ても可能である)。
例えば、連続の下りローカルCCの場合、下りの無線リソース、すなわち移動局装置A4が自装置データ受信する下りリソースブロックRBをf1_R1とf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A4が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T2の上りローカルCC内に割り当てる。制御部B102は、移動局装置A4からの移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A4に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
制御部B102は、上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りCC割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A4に送信する。
【0129】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A4は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局カテゴリ情報、及び送受信装置構成情報を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A4は、LTE−A移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A4と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
本実施形態は、第3の実施形態のように、LTE−A移動局カテゴリ情報に制限された限定的な送受信装置構成情報を加えると比べて、LTE−A移動局カテゴリ情報に制限された短縮送受信装置構成情報を加えたため、第3の実施形態から、前記の(ア)〜(シ)のように、様々なLTE−A技術要素の対応に制限を緩和するとともに、LTE−A移動局カテゴリA〜F情報(図19〜図21参照)と短縮送受信装置構成情報を含むRRCメッセージの情報量(例えばビット数、上りシグナリング制御信号の情報量・無線リソースオーバーヘッド)が第3の実施形態より少ない。
【0130】
(1A)本発明の一態様は、1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅の帯域を用いて基地局装置と通信を行う移動局装置において、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする移動局装置である。
(2A)本発明の一態様は、上記(1A)の移動局装置において、前記送信情報は、前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報、及び、前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報の組合せを表すキャリア集合クラス情報を含むことを特徴とする。
(3A)本発明の一態様は、上記(1A)又は(2A)の移動局装置において、前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされるMIMO能力情報が含まれることを特徴とする。
【0131】
(4A)本発明の一態様は、上記(3A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
(5A)本発明の一態様は、上記(3A)又は(4A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、MIMOストリーム数であることを特徴とする。
(6A)本発明の一態様は、上記(3A)から(5A)のいずれかの移動局装置において、 前記MIMO能力情報は、複数の前記レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
(7A)本発明の一態様は、上記(6A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数2及び4を示す情報であることを特徴とする。
(8A)本発明の一態様は、上記(6A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数2、4、及び8を示す情報であることを特徴とする。
(9A)本発明の一態様は、上記(3A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、データストリーム数であることを特徴とする。
(10A)本発明の一態様は、上記(3A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、アンテナ数であることを特徴とする。
【0132】
(11A)本発明の一態様は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
(12A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と基地局装置が通信を行う無線通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記基地局装置は、前記送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする無線通信システムである。。
(13A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置における通信制御方法において、前記移動局装置が、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する過程を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
(14A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置のコンピュータを、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【0133】
(15A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置において、
移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする基地局装置である。
(16A)本発明の一態様は、移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当て、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
(17A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置における通信制御方法において、前記基地局装置が、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる過程、を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
(18A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置のコンピュータを、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【0134】
なお、上述した実施形態における移動局装置A1、A2、A3、A4、基地局装置Bの一部、例えば、制御部A102、A202、A302、A402、ASN符号化部A105、A205、A305、A405、カテゴリ情報記憶部A207、及び制御部B102をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、移動局装置A1、A2、A3、A4、又は基地局装置Bに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0135】
また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0136】
A12、A11、A1、A2、A3、A4・・・移動局装置、B・・・基地局装置、a1・・・送受信装置、a101、a201、a301−i・・・送受信共用アンテナ、a102、a202、a302−i・・・アンテナ共用器、a11、a21、a31−i・・・無線受信部、a12、a22−l、a32−il・・・直交復調器、a13、a23−l、a33−il・・・ベースバンド復調部、a14、a24−k、a34−jk・・・ベースバンド変調部、a15、a25−k、a35−jk・・・直交変調器、a16、a26、a36−j・・・無線送信部、A102、A202、A302、A402・・・制御部、A103・・・割当情報記憶部、A104・・・送受信装置構成情報記憶部、A105、A205、A305、A405・・・ASN符号化部、A106・・・RRCメッセージ生成部、B101・・・送受信装置、B102・・・制御部、B103・・・割当情報記憶部、A207・・・カテゴリ情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局装置、プロセッサ、無線通信システム、通信制御方法、通信制御プログラム、及び基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project;第3世代パートナーシッププロジェクト)は、GSM(Global System for Mobile Communications;ジーエスエム)とW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access;広帯域−符号分割多重接続)を発展させたネットワークを基本としたセルラー移動通信システムの仕様の検討や作成を行う標準化プロジェクトである。3GPPでは、W−CDMA方式が第3世代セルラー移動通信方式として標準化され、順次サービスが開始されている。また、通信速度をさらに上げたHSPA(High-Speed Packet Access;エイチエスディーピーエー)も標準化され、サービスが開始されている。3GPPでは、第3世代無線アクセス技術の進化であるEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が検討され、2008年末にリリース8の仕様書が完成した。更に、EUTRAの発展形であるAdvanced EUTRA(LTE―AdvancedまたはLTE−Aとも呼称される。)の検討が進められている(非特許文献1)。
【0003】
LTE−Aでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、IMT―Advanced(4G)相当またはその以上の高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation、以下CAと称する)技術が提案されている(例えば、非特許文献2)。CA技術とは、移動局装置は、基地局装置から送信された下りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭いコンポネントキャリア(要素キャリア;Component Carrier、以下CCと称する、例えば20MHz帯域幅)を用いて信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば5つのCCで100MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な下りデータ伝送を実現する技術である。同様に、CA技術では、基地局装置は、移動局装置から送信された上りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭い(例えば20MHz帯域幅)コンポネントキャリアCC信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば2個のCCで40MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な上りデータ伝送を実現する。
【0004】
<CA技術導入と移動局装置構成の組み合わせの関係>
CA技術におけるCCの組み合わせは、上りCCの総数(例えば2個)、下りCCの総数(例えば5個)、周波数バンド(例えば700MHzバンド、2GHzバンド、3GHzバンドなど)数(例えば、3個)、連続または非連続のCC、伝送モード(例えばFDD、TDD)など、様々な変数に依存する。
【0005】
図34は、従来技術に係るCCの組み合わせを示す概略図である。この図において、横軸は周波数を示す。また、この図では、2個の周波数バンド1(2GHzバンド)、周波数バンド2(3GHzバンド)がある場合を示す。また、この図において、縦方向に分けてケース1〜6を示し、ケース1〜3はFDD(Frequency Division Duplex;周波数分割復信)伝送モードの場合を示し、ケース4〜6はTDD(Time Division Duplex;時分割複信)伝送モードの場合を示す。
【0006】
図34において、ケース1は、同じ周波数バンド1において、バンド12(下り)内で3個連続のCC(中心周波数f1_R1、f1_R2、f1_R3)、及び、バンド11(上り)内で2個連続のCC(中心周波数f1_T1、f1_T2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース2は、同じ周波数バンド1において、バンド12内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_R1、f1_R3;Intra CAケース)、及び、バンド11内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_T1、f1_T3)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース3は、周波数バンド1のバンド12内でCC(中心周波数f1_R1)、周波数バンド2のバンド22内でCC(中心周波数f2_R1)、及び、周波数バンド1のバンド11でCC(中心周波数f1_T1)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。ケース3は、下りの通信において非連続の2個のCC(Inter CAケース)が異なる周波数バンド1、2で選択され、下りの通信において1個のCCが選択されていることを示す。
なお、ケース4、5、6は、ぞれぞれ、ケース1、2、3に対応するものである。例えば、ケース4では、バンド12が下り/上りの通信に用いられ、CCを時間帯によって選択する場合のCCの組み合わせを示す。ケース4は、下りの通信においてバンド12で3個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2、f1_3)、下りの通信においてバンド12で2個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
【0007】
また、同じ周波数バンドにおける非連続のCC(例えば、図34の中心周波数f1_R1、f1_R3)では、複数の基地局装置がフレーム等のタイミングを同期して送信信号を送信する(基地局装置間同期という)場合、基地局装置各々が独自に送信信号を送信する非同期の場合、また、基地局装置間同期を行っても伝搬路遅延が発生し、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重方式)信号のフレームタイミングがずれ、非同期になる場合がある。
また、同じ周波数バンドにおける連続のCC(例えば中心周波数f1_R1、f1_R2)の基地局装置送信について、LTEシステムへの後方互換性(Backward Compatibility)、100kHzのUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)無線チャネルラスター (Channel Raster)、CC間のガードバンド、連続のCCの両端のガードバンド、周波数利用効率など要素を考慮し、様々な技術提案がある(例えば非特許文献1)。ただし、連続のCCでは、CC間のガードバンドがサブキャリア帯域幅15kHzの整数倍にならないため、LTEシステムと互換性を保つには、送受信回路では個別のベースバンド処理回路が必要となる。
【0008】
以上のような様々な事例に対応するために、移動局装置の構成は、(ア)周波数バンド数、(イ)下り/上りCCの総数、(ウ)連続/非連続(Intra CA/Inter CA)のCC、(エ)無線伝送モード、(オ)下りCC間或いは基地局装置間の同期/非同期送信、(カ)各種のCC帯域幅(例えば1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHz)、(キ)OFDMサブキャリア帯域幅15kHzの連続した複数CCの帯域幅(例えば100MHz)などに依存する(例えば非特許文献2、3)。
【0009】
<LTE−Aにおける他の導入技術と移動局装置構成の組み合わせの関係>
LTE−Aの要求条件(非特許文献4)として、移動局装置が高速で移動しているとき、下りの100Mbps、上りの75Mbps、移動局装置が固定の場合、下りの1000Mbps、上りの500Mbpsのデータ伝送速度が要求されている。これを実現するために、CA技術を導入する以外に、MIMOの高度化(High Order MIMO)技術が導入される。例えば下り8×8MIMO(基地局装置の送信アンテナ本数が8本、移動局装置の受信アンテナ本数が8本)で、100MHzの伝送帯域で1000Mbpsのデータ伝送速度を実現し、上り4×4のMIMOで、40MHzの伝送帯域で600Mbpsデータ伝送速度を実現する。また、セルエッジのデータ伝送速度またはセルカバーエリアを拡大するために、基地局装置間の協調通信(CoMP;coordinated multipoint)技術、上り送信ダイバーシチ技術が導入される。
従って、移動局装置の構成は、(ク)下り/上りMIMO方式、(ケ)基地局装置間の協調通信CoMP方式、(コ)上り送信ダイバーシチ方式などにも依存する。
【0010】
<キャリア運用状況と移動局装置構成の組み合わせの関係>
2007年世界無線通信会議WRC07によりIMT−Advancedに対応する周波数割り当てが決定された。しかし、現状のIMTバンド(非特許文献4、5)のすべてが各国共通バンドではない、各携帯電話サービス運営者は自国の周波数割り当てにより運営されている。各国の周波数割り当て事情により、携帯電話サービス運営者は異なる伝送モード(TDD、FDD)を採用している。また異なる伝送モードの融合(例えばマクロセル/マイクロセル、室内/室外エリア、セル近傍/セルエッジにおける異なる伝送モードの混在)が提案されている。従って、移動局装置の構成は、(サ)各携帯電話サービス運営者の周波数割り当て事情、(シ)国内/国際ローミングを考慮して、一層複雑になる(非特許文献6、7、8)。
【0011】
以上の(ア)〜(シ)の要素(LTE−A技術要素という)は、従来の移動通信システムでは、移動局装置の構成に大きな影響を与えることはなかった。例えば、LTEシステムでは、移動局装置のデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度10Mbps〜300Mbps)と最大のMIMOの構成(1×1、2×2、4×4)により移動局装置のカテゴリ(UE category、5種類)を定義することができた。このカテゴリが決まれば、移動局装置の構成は確定することができる。言い換えれば、各携帯電話サービス運営者に対して5種類の移動局装置を提供すればよく、また、市場では5種類の移動局装置が流通すればよい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】NTT docomo、 INC. R1-083015、3GPP TSG-RAN1 Meeting #54bis、 Jeju、 Korea 18-22、 August、 2008
【非特許文献2】Motoroal、R1-083828、3GPP TSG-RAN1 Meeting #53bis、 Prague、 Czech Republic、 September 29-October 3、2008
【非特許文献3】LG Electronics、 R1-082946、3GPP TSG-RAN1 Meeting #54bis、 Jeju、 Korea 18-22、 August、 2008
【非特許文献4】3GPP TR36.913、Requirements for Further Advancements for E-UTRA
【非特許文献5】3GPP TS 36.101、 User Equipment (UE) radio transmission and reception
【非特許文献6】NTT docomo、 T-Mobile Intl.、 CMCC、 Orange、 Vodafone、 Telecom Italia、R4-091011、 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #50、 Athens、 Greece、 February 9-13、 2009
【非特許文献7】Ericsson 、 R4-090594、 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #50、 Athens、 Greece、 February 9-13、 2009
【非特許文献8】Nokia、R4-091204、 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #50bis、 Seoul、 South Korea、23-27 March 2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のように、LTE−Aの通信システムにおいて、移動局装置と基地局装置とは、1又は複数のCC(要素キャリア)を用いて通信を行う。
しかしながら、従来の移動局装置のカテゴリに基づいて、移動局装置に複数のCCを割り当てても、例えば、割り当てられたCCを用いて移動局装置が通信をすることができない場合があった。適切な移動局装置の無線リソース割り当てができない。また様々なLTE−A技術要素を最大限に対応し、且つ回路複雑度の低減、低消費電力化、低コスト化、小型化、生産性の向上などを実現することが困難である。このように、従来技術では、移動局装置と基地局装置との通信に適切な無線リソースが割り当てられないという欠点があった。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動局装置と基地局装置との通信に適切な無線リソースを割り当てることができる移動局装置、プロセッサ、無線通信システム、通信制御方法、通信制御プログラム、及び基地局装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅の帯域を用いて基地局装置と通信を行う移動局装置において、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする移動局装置である。
【0016】
(2)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報は、LTEの移動局カテゴリ情報を含むことを特徴とする。
【0017】
(3)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報の種類は、LTEの移動局カテゴリ情報の種類より、数が多いことを特徴とする。
【0018】
(4)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報は、さらに、データストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする。
【0019】
(5)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記移動局カテゴリ情報は、さらに、複数のMIMOストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする。
【0020】
(6)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報を含むことを特徴とする。
【0021】
(7)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記送信情報は、前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報、及び、前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報の組合せを表すキャリア集合クラス情報と、前記移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする。
【0022】
(8)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされるMIMO能力情報が含まれることを特徴とする。
【0023】
(9)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
【0024】
(10)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、MIMOストリーム数であることを特徴とする。
【0025】
(11)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、複数の前記レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
【0026】
(12)また、本発明の一態様は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
【0027】
(13)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と基地局装置が通信を行う無線通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記基地局装置は、前記送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする無線通信システムである。
【0028】
(14)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置における通信制御方法において、前記移動局装置が、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する過程を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
【0029】
(15)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置のコンピュータを、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【0030】
(16)また、本発明の一態様は、上記の移動局装置において、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置において、移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする基地局装置である。
【0031】
(17)また、本発明の一態様は、移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当て、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
【0032】
(18)また、本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置における通信制御方法において、前記基地局装置が、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる過程、を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
【0033】
(19)また、本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置のコンピュータを、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、通信システムは、移動局装置と基地局装置との通信に適切なCCを割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る通信システムの概念図である。
【図2】本実施形態に係るCCの組み合わせを示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る送受信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る送受信装置の簡略的構成を示す概略ブロック図である。
【図5】本実施形態に係る無線パラメータの説明図である。
【図6】本実施形態に係る周波数バンド番号の説明図である。
【図7】本実施形態に係るBB周波数帯域幅番号の説明図である。
【図8】本実施形態に係る送受信装置の簡略的構成を示す概略ブロック図である。
【図9】本実施形態に係る送受信装置の簡略的構成を示す概略ブロック図である。
【図10】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本実施形態に係る抽象構文記法1に変換した送受信装置構成情報の説明図である。
【図12】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。
【図13】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。
【図14】本実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。
【図15】本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図16】従来技術に係るLTE移動局カテゴリの概略図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。
【図18】本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。
【図19】本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の別の一例を示す概略図である。
【図20】本実施形態の変形例1に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。
【図21】本実施形態の変形例2に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。
【図22】本実施形態の変形例2に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の別の一例を示す概略図である
【図23】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図24】本実施形態に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局カテゴリ情報の一例を示す概略図である。
【図25】本実施形態の変形例3に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局カテゴリ情報を示す概略図である。
【図26】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図27】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。
【図28】本実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。
【図29】本実施形態に係る送受信装置構成情報の別の一例を示す概略図である。
【図30】本発明の第4の実施形態に係る送受信装置構成番号情報の一例を示す概略図である。
【図31】本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図32】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。
【図33】本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。
【図34】従来技術に係るCCの組み合わせを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、移動局装置が、RF送受信ブランチ数、ベースバンド変復調ブランチ数、周波数バンド番号、及びベースバンド周波数帯域幅番号を含む移動局装置能力メッセージ(送受信能力情報)を送信し、基地局装置が移動局装置能力メッセージに基づいて移動局装置との通信に用いる無線リソース、すなわち上り/下り要素キャリアCC(Component Carrier;コンポネントキャリア)のOFDM信号無線フレームにおける各移動局装置が使用するリソースブロックRB(Resource Block)を割り当てる場合について説明する。ここで、移動局装置能力メッセージは、RF送受信ブランチ数等の無線パレメータを、統一した構造記述で表した1個のデータ形式の情報を生成することで、様々なLTE−A技術要素に対応する。
【0037】
<通信システムについて>
図1は、この発明の第1の実施形態に係る通信システムの概念図である。この図において、基地局装置Bは、移動局装置A11、A12と通信を行う。この図は、移動局装置A11が移動局装置能力メッセージを基地局装置Bに送信することを示す。また、この図は、基地局装置Bが、移動局装置A11から受信した移動局装置能力メッセージに基づいて、移動局装置A11に無線リソースの割り当てを行うことを示す。なお、移動局装置A11又はA12から基地局装置Bへの通信を上りの通信といい、基地局装置Bから移動局装置A11又はA12への通信を下りの通信という。
以下、移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A1という。
【0038】
移動局装置A1と基地局装置Bは、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation;以下CA技術と称する)技術を用いた通信を行う。CA技術では、移動局装置A1は、基地局装置Bから送信された下りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭い要素キャリア(例えば、20MHz帯域幅)を用いて信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば5つのCCで100MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な下りデータ伝送を実現する技術である。同様に、CA技術では、基地局装置Bは、移動局装置A1から送信された上りの複数の連続または非連続の周波数帯域幅が狭い(例えば20MHz帯域幅)コンポネントキャリアCC信号を同時に受信し、擬似的に周波数帯域幅の広い(例えば2個のCCで40MHz帯域幅)キャリア信号を形成し、高速な上りデータ伝送を実現する。
【0039】
<CA技術について>
以下、CA技術について具体的に説明をする。
図2は、本実施形態に係るCCの組み合わせを示す概略図である。この図において、横軸は周波数を示す。また、この図では、2個の周波数バンド1(2GHzバンド)、周波数バンド2(3GHzバンド)がある場合を示す。また、この図において、縦方向に分けてケース1〜6を示し、ケース1〜3はFDD(Frequency Division Duplex;周波数分割復信)伝送モードの場合を示し、ケース4〜6はTDD(Time Division Duplex;時分割複信)伝送モードの場合を示す。
【0040】
図2において、ケース1は、同じ周波数バンド1において、バンド12(下り)内で3個連続のCC(中心周波数f1_R1、f1_R2、f1_R3)、及び、バンド11(上り)内で2個連続のCC(中心周波数f1_T1、f1_T2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース2は、同じ周波数バンド1において、バンド12内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_R1、f1_R3;Intra CAケース)、及び、バンド11内で非連続の2個のCC(中心周波数f1_T1、f1_T3)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
ケース3は、周波数バンド1のバンド12内でCC(中心周波数f1_R1)、周波数バンド2のバンド22内でCC(中心周波数f2_R1)、及び、周波数バンド1のバンド1でCC(中心周波数f1_T1)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。ケース3は、下りの通信において非連続の2個のCC(Inter CAケース)が異なる周波数バンド1、2で選択され、下りの通信において1個のCCが選択されていることを示す。
なお、ケース4、5、6は、ぞれぞれ、ケース1、2、3に対応するものである。例えば、ケース4では、バンド12が下り/上りの通信に用いられ、CCを時間帯によって選択する場合のCCの組み合わせを示す。ケース4は、下りの通信においてバンド12で3個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2、f1_3)、下りの通信においてバンド12で2個連続のCC(中心周波数f1_1、f1_2)を選択した場合のCCの組み合わせを示す。
移動局装置A1と基地局装置Bは、選択したCCを用いた通信を行う。ここで、移動局装置A1各々は、それぞれ構成が異なる送受信装置を備える場合があり、CA技術で対応できるCCが異なる。以下、移動局装置A1が備える送受信装置について、複数の構成例(送受信装置a1〜a3)を説明する。
【0041】
<送受信装置a1の構成について>
まず、1個のCCを用いた通信を行う送受信装置a1について説明をする。
図3は、本実施形態に係る送受信装置a1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、送受信装置a1は、送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器(DUP)a102、無線受信部(RF_Rx)a11、直交復調器(IQ_DM)a12、ベースバンド復調部(BB_DM)a13、ベースバンド変調部(BB_MD)a14、直交変調器(IQ_MD)a15、及び無線送信部(RF_Tx)a16を含んで構成される。
【0042】
まず、受信処理について説明をする。
アンテナ共用器a102は、送受信共用アンテナa101を介して基地局装置Bから受信した信号を無線受信部a11に出力する。また、アンテナ共用器a102は、無線送信部a16から入力された信号を、送受信共用アンテナa101を介して基地局装置Bへ送信する。
【0043】
無線受信部a11は、LNA(Low Noise Amplifier)a111、及び、RF受信帯域制限フィルタ(Rx_BPF;Band Pass Filter)a112を含んで構成される。LNA a111は、アンテナ共用器a102から入力された信号を増幅し、RF受信帯域制限フィルタa112に出力する。RF受信帯域制限フィルタa112は、アンテナ共用器a102から入力された信号から、受信帯域(例えば、図2のバンド12)の信号を抽出して直交復調器a12に出力する。
【0044】
直交復調器a12は、アンプ(AMP)a121、局部発振器a122、移相器a123、乗算器a124、a126、及び、LPF(Low Pass Filter)a125、a127を含んで構成される。アンプa121は、RF受信帯域制限フィルタa112から入力された信号を増幅し、乗算器a124及びa126に出力する。局部発振器a122は、正弦波を生成して移相器a123に出力する。移相器a123は、局部発振器a122からの入力された正弦波を乗算器a124に出力する。また、移相器a123は、局部発振器a122からの入力された正弦波の位相を90度ずらした余弦波を生成して乗算器a126に出力する。
乗算器a124は、アンプa121から入力された信号に、移相器a123から入力された正弦波を乗算することで、信号の同相成分を抽出するとともに、信号をダウンコンバートする。乗算器a124は、正弦波を乗算した信号をLPF a125に出力する。LPF a125は、乗算器a124から入力された信号の低周波数成分を抽出する。LPF a125は、抽出した信号の同相成分をベースバンド復調部a13に出力する。
乗算器a126は、アンプa121から入力された信号に、移相器a123から入力された余弦波を乗算することで、信号の直交成分を抽出するとともに信号をダウンコンバートする。乗算器a126は、正弦波を乗算した信号をLPF a127に出力する。LPF a127は、乗算器a126から入力された信号の低周波数成分を抽出する。LPF a127は、抽出した信号の同相成分をベースバンド復調部a13に出力する。
【0045】
ベースバンド復調部a13は、AD変換部(ADC;Analog to Digital Converter)a131、a132、デジタルフィルタ (Digital Filter;Rx_DF)a133、CP(Cyclic Prefix)削除部a134、S/P(直列/並列)変換部a135、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)部a136、ディマッピング部a137−1〜a137−s、及び、P/S(並列/直列)変換部a138を含んで構成される。AD変換部a131、a132は、それぞれ、LPF a125、a127から入力された信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、デジタルフィルタa133に出力する。デジタルフィルタa133は、AD変換部a131、a132から入力された信号から、受信帯域の信号(例えば、図2f1_R1)を抽出してCP削除部a133に出力する。CP削除部a134は、デジタルフィルタa133から入力された信号からCPを除去し、S/P変換部a135に出力する。S/P変換部a135は、CP削除部a134から入力された信号を直並列変換し、FFT部a136に出力する。FFT部a136は、S/P変換部a135から入力された信号を時間領域から周波数領域にフーリエ変換し、ディマッピング部a137−1〜a137−sに出力する。ディマッピング部a137−1〜a137−sは、FFT部a136から入力された周波数領域の信号をディマッピングし、P/S変換部a138に出力する。P/S変換部a138は、ディマッピング部a137−1〜a137−sから入力された信号を並直列変換して受信データを取得し、出力する。
【0046】
次に、送信処理について説明をする。
ベースバンド変調部a14は、S/P(直列/並列)変換部a141、マッピング部a142−1〜a142−t、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆フーリエ変換)部a143、P/S(並列/直列)変換部a144、CP挿入部a145、デジタルフィルタ (Tx_DF)a146、及び、DA変換部(DAC;Digital to Analog Converter)a147、148を含んで構成される。S/P変換部a141は、入力された送信データを直並列変換し、マッピング部a142−1〜a142−tに出力する。マッピング部a142−1〜a142−tは、S/P変換部a141から入力された信号をマッピングし、IFFT部a143に出力する。IFFT部a143は、マッピング部a142−1〜a142−tから入力された信号を、周波数領域から時間領域に逆フーリエ変換し、P/S変換部a144に出力する。P/S変換部a144は、IFFT部a143から入力された時間領域の信号を並直列変換し、CP挿入部a145に出力する。CP挿入部a145は、P/S変換部a144から入力された信号にCPを挿入し、デジタルフィルタa146に出力する。デジタルフィルタa146は、CP挿入部a145から入力された信号から、送信帯域(例えば、図2のf1_T1)の信号を抽出する。デジタルフィルタa146は、抽出した信号の同相成分、直交成分を、それぞれDA変換部a147、a148に出力する。DA変換部a147、a148は、それぞれ、デジタルフィルタa146から入力された信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換し、直交変調器a15に出力する。
【0047】
直交変調器a15は、LPFa151、a152、局部発振器a153、移相器a154、乗算器a155、a156、及び、アンプ(AMP)a157を含んで構成される。LPFa151、a152は、それぞれ、DA変換部a147、a148から入力された信号の低周波数成分を抽出する。局部発振器a153は、正弦波を生成して移相器a154に出力する。移相器a154は、局部発振器a153からの入力された正弦波を乗算器a155に出力する。また、移相器a154は、局部発振器a153からの入力された正弦波の位相を90度ずらした余弦波を生成して乗算器a156に出力する。
乗算器a155は、LPFa151から入力された信号に、移相器a154から入力された正弦波を乗算することで、同相成分の波を生成するとともに、信号をアップコンバートする。乗算器a155は、正弦波を乗算した信号をアンプa157に出力する。乗算器a156は、LPFa152から入力された信号に、移相器a154から入力された余弦波を乗算することで、直交成分の波を生成するとともに、信号をアップコンバートする。乗算器a156は、余弦波を乗算した信号をアンプa157に出力する。アンプa157は、乗算器a155、a156から入力された信号を増幅し、無線送信部a16に出力する。
【0048】
無線送信部a16は、RF送信帯域制限フィルタ(Tx_BPF)a161、及び、PA(Power Amplifier)a162を含んで構成される。RF送信帯域制限フィルタa161は、アンプa157から入力された信号から、送信帯域の信号(例えば、図2のバンド11)を抽出してPA a162に出力する。PA a162は、RF送信帯域フィルタa161から入力された信号を増幅し、アンテナ共用器a102に出力する。
【0049】
上記の構成によって送受信装置a1は、例えば、図2に示した中心周波数f1_T1、周波数帯域幅20MHzの上りCCを用いて、信号を送信する。なお、図3に示す送受信装置a1の構成は、上りOFDM信号のCCを生成しているが、本発明はこれに限らず、回路ブロックの別組み合わせで、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)の構成で上り連続のSC−FDMA信号、または非連続のSC−FDMA(Clustered DFT-S-OFDMまたはCL-DFT-S-OFDM)信号、を生成しCCを用いて送信してもよい。また、図3はダイレクトコンバージョン方式の送受信装置a1について説明したが、本発明はこれに限らず、スーパーヘテロダイン方式など他の送受信装置に適用してもよい。なお、この場合、直交変復調部a12、a15の対応関係を修正すれば適用することができる。
【0050】
図4は、本実施形態に係る送受信装置a1の簡略的構成を示す概略ブロック図である。この図は、図3の送受信装置a1の構成を簡略化したものである。送受信装置a1は、送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器(DUP)a102、無線受信部(RF_Rx)a11、直交復調器(IQ_DM)a12、ベースバンド復調部(BB_DM)a13、ベースバンド変調部(BB_MD)a14、直交変調器(IQ_MD)a15、及び無線送信部(RF_Tx)a16を含んで構成される。
【0051】
<無線パラメータについて>
図5は、本実施形態に係る無線パラメータの説明図である。この図は、無線パラメータとして、RF_BWm、及び、BB_BWnがあることを示す。ここで、mはシステムオペレーションの周波数バンドの番号(周波数バンド番号という)を示し、m=1、2、・・・、Mである。例えば、図2の周波数バンド1、2の周波数バンド番号は1、2である。また、nはベースバンドの周波数帯域幅(以下、BB周波数帯域幅番号という)の番号を示し、n=1、2、・・・、Nである。
ここで、パラメータRF_BWmは、図4の送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器a102、無線受信部a11、直交復調器a12、直交変調器a15、及び無線送信部a16と関連する。また、パラメータBB_BWnは、図4の直交復調器a12、ベースバンド復調部a13、ベースバンド変調部a14、及び直交変調器a15と関連する。この関連についての詳細は、図6、7を用いて後述する。
【0052】
図6は、本実施形態に係る周波数バンド番号の説明図(3GPP TS 36.101のTable 5.5-1 E-UTRA operating bandsから一部抜粋)である。この図は、周波数バンド番号、上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域、周波数バンド帯域幅、及び、伝送モードの関係を示す。例えば、1行目の対応は、周波数バンド番号「1」の周波数バンド(図2の周波数バンド1参照)は、上り周波数バンド(図2のバンド11参照)帯域が「1920MHz〜1980MHz」、下り周波数バンド(図2のバンド12参照)帯域が「2110MHz〜2170MHz」、周波数バンド帯域は「60MHz」、伝送モードが「FDD」であることを示す。なお、IMT−Advancedに対応する周波数帯域の追加により、関連仕様書にLTE−Aシステム対応の周波数バンド番号(41番から)は追加されると予測される。
このパラメータRF_BWmにより、図4の送受信共用アンテナa101、アンテナ共用器a102、無線受信部a11、直交復調器a12、直交変調器a15、及び無線送信部a16の動作周波数及び動作周波数帯域幅が決定される。
【0053】
図7は、本実施形態に係るBB周波数帯域幅番号の説明図である。この図は、BB周波数帯域幅番号及び周波数帯域幅の関係を示す。例えばBB周波数帯域幅番号1、2、3、4、5は20MHzCCの帯域幅の組み合わせを表す。また、BB周波数帯域幅番号6、7番以降は1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHzのCC帯域幅の組み合わせを表すこともできる。
このパラメータBB周波数帯域幅番号により、下りリンクについては、図4の直交復調器a12のダウンコンバータ(局部発振器a122、移相器a123、乗算器a124、a126)、LPF a125、a127での周波数特性、ベースバンド復調部a13のデジタルフィルタa133の周波数特性、及び、AD変換部a131、FFT部a136のサンプリング周波数が決定される。同様に、このパラメータBB周波数帯域幅番号により、上りリンクについては、図4の直交変調器a15のアップコンバータ(局部発振器a153、移相器a154、乗算器a155、a156)の周波数特性、LPFa151、a152での周波数特性、ベースバンド変調部a14のデジタルフィルタa146での周波数特性、及び、IFFT部a143、DA変換部a147、148でのサンプリング周波数が決定される。
【0054】
<送受信装置a2の構成について>
次に、1個の周波数バンドで、複数のCC(L個の下りCC、K個の上りCC)を用いた通信を行う送受信装置a2について説明をする。
図8は、本実施形態に係る送受信装置a2の簡略的構成を示す概略ブロック図である。この図において、送受信装置a2は、送受信共用アンテナa201、アンテナ共用器(DUP)a202、無線受信部(RF_Rx)a21、L個の直交復調器(IQ_DMl)a22−l(Lの小文字;l=1、2、・・・、L)、L個のベースバンド復調部(BB_DMl)a23−l(Lの小文字)、K個のベースバンド変調部(BB_MDl)a24−k(k=1、2、・・・、K)、K個の直交変調器(IQ_MDl)a25−k、及び無線送信部(RF_Tx)a26を含んで構成される。ここで、アンテナ共用器a202、無線受信部a21、直交復調器a22−l、ベースバンド復調部a23−l、ベースバンド変調部a24−k、直交変調器a25−kの持つ構成及び機能は、それぞれ、図3のアンテナ共用器a102、無線受信部a11、直交復調器a12、ベースバンド復調部a13、ベースバンド変調部a14、直交変調器a15と同じであるので、説明は省略する。ただし、直交復調器a22−l各々、及びベースバンド復調部a23−l各々は、対応付けられた1つまたは複数連続の下りCCで受信した信号を処理する。また、ベースバンド変調部a24−k各々、及び直交変調器a25−k各々は、対応付けられた1つまたは複数連続の上りCCで送信する信号を処理する。
【0055】
図8の送受信装置a2では、1個の周波数バンド内において、連続/非連続のL個の下りCCで信号を受信し、及び連続/非連続のK個の上りCCで信号を送信することができる。また、L個の直交復調器a22−lとベースバンド復調部a23−lを有するため、非同期送信の下りCCでの通信にも対応できる。また、それぞれのBB周波数帯域幅番号BB_BWnが異なる場合、対応できる連続/非連続の下りCC総数、非同期送信の下りCCの総数、OFDMサブキャリア帯域幅15kHzの連続した複数CCの帯域幅も変化し、様々な組み合わせが生じる。上りについても同様である。
【0056】
<送受信装置a3の構成について>
次に、1個又は複数の周波数バンドで、複数のCCを用いた通信を行う送受信装置a3について説明をする。
図9は、本実施形態に係る送受信装置a3の簡略的構成を示す概略ブロック図である。この図において、送受信装置a3は、送受信共用アンテナa301−i(i=1、2、・・・、I)、アンテナ共用器(DUPi)a302−i、無線受信部(RF_Rxi)a31−i、直交復調器(IQ_DMil)a32−il(Lの小文字;l=1、2、・・・、L)、ベースバンド復調部(BB_DMil)a33−il(Lの小文字)、ベースバンド変調部(BB_MDjk)a34−jk(j=1、2、・・・、I;k=1、2、・・・、K)、直交変調器(IQ_MDjk)a35−jk、及び無線送信部(RF_Txi)a36−jを含んで構成される。ここで、アンテナ共用器a302−i、無線受信部a31−i、直交復調器a32−il、ベースバンド復調部a33−il、ベースバンド変調部a34−jk、直交変調器a35−jk、及び無線送信部a36−jの持つ構成及び機能は、それぞれ、図8のアンテナ共用器a202、無線受信部a21、直交復調器a22−l、ベースバンド復調部a23−l、ベースバンド変調部a24−k、直交変調器a25−kと同じであるので、説明は省略する。
【0057】
ここで、直交復調器a32−il及びベースバンド復調部a33−ilの組は、i番目の周波数バンド、l(Lの小文字)番目の下りCCで受信したOFDMベースバンド信号を処理する(各組をBB復調ブランチilといい、l(Lの小文字)をBB復調ブランチ番号という;要素キャリア受信処理部)。また、ベースバンド変調部a34−jk及び直交変調器a35−jkの組は、i番目の周波数バンド、k番目の上りCCで受信したOFDMベースバンド信号を処理する(各組をBB変調ブランチikといい、kをBB変調ブランチ番号という;要素キャリア送信処理部)。また、無線受信部a31−i及びBB復調ブランチi1〜iLの組は、i番目の周波数バンドで受信したOFDM無線受信信号を処理する(各組をRF受信ブランチiといい、iをRF受信ブランチ番号という;周波数バンド受信処理部)。また、無線送信部a36−j及びBB変調ブランチj1〜jKの組は、j番目の周波数バンドで送信するOFDM無線送信信号を処理する(各組をRF送信ブランチjといい、jをRF送信ブランチ番号という;周波数バンド送信処理部)。
なお、図9では、RF受信ブランチの数とRF送信ブランチの数が同じ数(I個)である場合を示しているが、本発明はこれに限らず、RF受信ブランチの数とRF送信ブランチの数は異なっていてもよい。また、図9では、各RF受信ブランチ内のBB復調ブランチの数が同じ数(L個)である場合を示しているが、本発明はこれに限らず、各RF受信ブランチ内のBB復調ブランチの数は異なっていてもよい。同様に、各RF送信ブランチ内のBB変調ブランチの数は異なっていてもよい。
【0058】
送受信装置a3は、同じ周波数バンドの信号を送受信する場合、複数のRF受信ブランチi及びRF送信ブランチiを備えることにより、下り/上りMIMO方式、基地局装置間の協調通信(CoMP;coordinated multipoint)方式、上り送信ダイバーシチ方式に対応することができる。また、送受信装置a3は、異なる周波数バンドの信号を受信する場合、複数のRF受信ブランチi及びRF送信ブランチjを備えることにより、複数周波数バンドで、上記の方式に対応することができる。
【0059】
<移動局装置A1の構成について>
以下、送受信装置a1、a2、又はa3を備える移動局装置A1について説明をする。
図10は、本実施形態に係る移動局装置A1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、移動局装置A1は、送受信装置A101、制御部A102、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A104、ASN(Abstract Syntax Notation)符号化部A105、及びRRC(Radio Resource Control)メッセージ生成部A106を含んで構成される。
【0060】
送受信装置A101は、上記の送受信装置a1、a2、又はa3である。
制御部A102は、移動局装置A1の各部を制御する。例えば、制御部A102は、制御データとして、基地局装置Bから割り当てられた無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A102は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。
送受信装置構成情報記憶部A104は、送受信装置構成情報(例えば図14、詳細は後述する)をメモリに保存している。送受信装置構成情報は、移動局装置構成に応じて、工場出荷時に予め設定し、送受信装置構成情報記憶部A104に書き込むことができる。
また、制御部A102は、送受信装置構成情報記憶部A104が記憶する送受信装置構成情報を、ASN符号化部A105に出力する。ここで、この送受信装置構成情報には、送受信部A101の構成を示す情報が含まれる。送受信装置構成情報の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
【0061】
ASN符号化部A105は、制御部A102から入力された送受信装置構成情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、ASN符号化部A105が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
RRCメッセージ生成部A106は、ASN符号化部A105から入力された情報を含むLTE−A移動局通信能力メッセージ(UE−AdvancdeEUTRA−Capability)を生成し、制御データに含まれる上りRRCメッセージの一部として、送受信装置A101に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、制御部A102、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A104、ASN符号化部A105、及びRRCメッセージ生成部A106は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0062】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A105及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
図11は、本実施形態に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージ(図12のUE−AdvancdeEUTRA−Capability)に含む送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)の説明図である。この図は、無線パラメータとして、RXi、RF_BWm、BB_DMl(Lの小文字)、BB_Wn、TXj、RF_BWm、BB_MDk、BB_BWnがあり、これらの変数が階層構造であることを示す。
【0063】
図11において、パラメータRXiは、RF受信ブランチ番号iを示す。上記のように、RF受信ブランチ番号iは、i=1、2、・・・、Iの範囲の値である。ここで、Iは最大のRF受信ブランチ数(最大の受信アンテナ本数)を示し、例えば、8×8MIMOの場合は、I=8である。
パラメータRXiの下層のパラメータRF_BWmは、RF受信ブランチiで受信をすることができる周波数バンドの周波数バンド番号mを示す。
パラメータRXiの下層のパラメータBB_DMl(Lの小文字)は、RF受信ブランチiに含まれるBB復調ブランチ番号l(Lの小文字)を示す。
パラメータBB_DMlの下層のパラメータBB_BWnは、BB復調ブランチl(Lの小文字)で処理できるベースバンドの周波数帯域幅のBB周波数帯域幅番号nを示す。
【0064】
また、図11において、パラメータTXjは、RF送信ブランチ番号jを示す。RF送信ブランチ番号jは、i=1、2、・・・、Jの範囲の値である。ここで、Jは最大のRF送信ブランチ数(最大の送信アンテナ本数)を示し、例えば、4×4MIMOの場合は、J=4である。
パラメータTXjの下層のパラメータRF_BWmは、RF送信ブランチjで送信できる周波数バンドの周波数バンド番号mを示す。
パラメータTXjの下層のパラメータBB_MDkは、RF送信ブランチjに含まれるBB変調ブランチ番号kを示す。
パラメータBB_MDkの下層のパラメータBB_BWnは、BB変調ブランチkで処理できるベースバンドの周波数帯域幅のBB周波数帯域幅番号nを示す。
【0065】
図12は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージ(UE−AdvancedEUTRAN−Capability)、及び送受信装置構成情報(UE−RF−Capability)の一例を示す概略図である。この図において、パラメータMax−RFRx−Branchsは最大のRF受信ブランチ数Iを示す。また、パラメータMax−BBRx−Branchsは最大のBB復調ブランチ数Lを示す。同様に、パラメータMax−RFTx−Branchsは最大のRF送信ブランチ数Jを示し、パラメータMax−TxBB−Branchsは最大のBB変調ブランチ数Kを示す。また、パラメータMax−RF−Bandsは最大周波数バンド番号Mを示し、パラメータMax−BBRX−Bandsは最大BB周波数帯域幅番号Nを示す。
例えば、図12において、送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)には、RF受信ブランチの構成情報(UE−RFRx−Branchs)、及び、RF送信ブランチの構成情報(UE−RFTx−Branchs)が代入される。
【0066】
図12において、RF受信ブランチの構成情報(UE−RFRx−Branchs)には、I個のRF受信ブランチの構成情報(UE−RFRX−Branch)が代入される。i番目のRF受信ブランチの構成情報(UE−RFRX−Branch)には、L個のBB復調ブランチの構成の情報(UE−BBRx−Branchs)と、i番目のRF受信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFRx−Band−List)が代入される。l(Lの小文字)番目のBB復調ブランチの構成情報(UE−BBRx−Branch)には、l番目のBB復調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBRx−Band−List)が代入される。
ここで、i番目のRF受信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFRx−Band−List)には、ue−rfrx−band、すなわち図11のパラメータRXiの下層のパラメータRF_BWmが代入される。またl番目のBB復調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBRx−Band−List)には、ue−rxbb−band、すなわち図11のパラメータBB_DMl(Lの小文字)の下層のパラメータBB_BWnが代入される。
【0067】
また、図12において、RF送信ブランチの構成情報(UE−RFTx−Branchs)には、J個のRF送信ブランチの構成情報(UE−RFTX−Branch)が代入される。j番目のRF送信ブランチの構成情報(UE−RFTX−Branch)には、K個のBB変調ブランチの構成の情報(UE−BBTx−Branchs)と、j番目のRF送信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFTx−Band−List)が代入される。k番目のBB変調ブランチの構成情報(UE−BBTx−Branch)には、k番目のBB変調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBTx−Band−List)が代入される。
ここで、j番目のRF送信ブランチに対応する周波数バンド番号mの情報(UE−RFTx−Band−List)には、ue−rftx−band、すなわち図11のパラメータTXjの下層のパラメータRF_BWmが代入される。またk番目のBB変調ブランチに対応するBB周波数帯域幅番号nの情報(UE−BBTx−Band−List)には、ue−txbb−band、すなわち図11のパラメータBB_MDkの下層のパラメータBB_BWnが代入される。
【0068】
図13は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。この図において、従来のLTE移動局通信能力メッセージ(UE−EUTRAN−Capability)には、LTE−A移動局装置のカテゴリの情報(図13のue−Category)、及び、送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)を加えて、LTE−A移動局通信能力メッセージを表す。なお、移動局装置のカテゴリの情報については、第2の実施形態で後述する。
【0069】
図14は、本実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。この図は、1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることを示す。
また、この図は、例えば、RF受信ブランチ1(RX1)では、周波数バンド番号「1」(RF_BW1、図6に参照)の周波数バンドで受信をすることができることを示す。また、例えば、この図は、RF受信ブランチ1に含まれるBB復調ブランチ1(BB_DM1)では、BB周波数帯域幅番号「3」(BB_BW3、図7に参照)のベースバンドの周波数帯域幅で処理できることを示す。
【0070】
<基地局装置Bの構成について>
図15は、本実施形態に係る基地局装置Bの構成を示す概略ブロック図である。この図において、基地局装置Bは、送受信装置B101、制御部B102、割当情報記憶部B103を含んで構成される。
送受信装置B101は、移動局装置A1とデータを送受信する。送受信装置B101は、送受信装置a3と同様の基本構成及び基本機能を持つので、説明は省略する。
制御部B102は、基地局装置Bの各部を制御する。例えば、制御部B102は、移動局装置A1から受信したRRCメッセージから送受信装置構成情報を復号して抽出し、抽出した送受信装置構成情報に基づいて移動局装置A1の上り/下り無線リソースの割り当てを決定する。
また、制御部B102、割当情報記憶部B103は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置B101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0071】
例えば、基地局装置Bが図2のケース1のような通信能力、例えば周波数割り当てに対して、移動局装置A1が図2のケース3のような送受信装置構成である場合、制御部B102は、移動局装置A1から受信したRRCメッセージからLTE−A移動局通信能力メッセージ(図12のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)またはLTE移動局通信能力メッセージ(図13のUE−EUTRAN−Capability)を復号し、送受信装置構成情報(図12または図13のUE−RF−Capability)を抽出し、移動局装置A1の構成に対して、上り/下りCCの割り当て、すなわち上りCCがf1_T1、下りCCがf1_R1を割り当て、移動局装置A1からの初期アクセス、例えばランダムアクセス時に移動局装置A1に通知する。下りの無線リソース、すなわち移動局装置A1が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R1の下りCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A1が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T1の上りCC内に割り当てる。
また、基地局装置Bが図2のケース1で、且つ下りに4本送信アンテナと上りに2本受信アンテナが備え、移動局装置A1が図2のケース3で、且つ下りに2本受信アンテナ(2つのRF受信ブランチ)と上りに1本送信アンテナ(1つのRF送信ブランチ)が備えた送受信装置構成である場合、基地局装置Bの制御部B102は、移動局装置A1にf1_T1の下りCC内に割り当てられたリソースブロックRBにおける2×2MIMO送信、または基地局装置間の協調通信CoMPを行う基地局装置間に共通の下りリソースブロックRBの割り当てを行うことができる。すなわち、基地局装置Bの制御部B102は、移動局装置A1からの送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A1に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
【0072】
制御部B102は、上り/下りCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A1に送信する。
【0073】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A1は、基地局装置Bとの通信に用いることができるBB復調ブランチ数、BB変調ブランチ数、及びベースバンド周波数帯域幅番号(要素キャリアCCに関する情報)と、RF受信ブランチ数、RF送信ブランチ数、及び周波数バンド番号(周波数バンドに関する情報)と、を含む移動局装置能力メッセージを、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A1は、移動局装置能力メッセージに基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A1と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
【0074】
また、LTE−Aの移動局装置の構成は、以下の(ア)〜(シ)の要素(LTE−A技術要素)に依存する。LTE−A技術要素とは、(ア)周波数バンド数、(イ)下り/上りCCの総数、(ウ)連続/非連続(Intra CA/Inter CA)のCC、(エ)無線伝送モード、(オ)下りCC間或いは基地局装置間の同期/非同期送信、(カ)各種のCC帯域幅(例えば1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHz)、(キ)OFDMサブキャリア帯域幅15kHzの連続した複数CCの帯域幅(例えば100MHz)、(ク)下り/上りMIMO方式、(ケ)基地局装置間の協調通信CoMP方式、(コ)上り送信ダイバーシチ方式、(サ)各携帯電話サービス運営者の周波数割り当て事情、(シ)国内/国際ローミングである。
【0075】
しかしながら、従来の移動通信システム、上記の(ア)〜(シ)のように様々なLTE−A技術要素により移動局装置の構成に大きな影響を与えることはなかった。例えばLTEシステムでは、移動局装置のデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度10Mbps〜300Mbps)と最大のMIMOの構成(1x1、2x2、4x4)により移動局装カテゴリ(5種類)を定義することができた。各カテゴリに対する移動局装置の構成は確定可能である。言い換えれば、各携帯電話サービス運営者に対して5種類の移動局装置を提供すればよい、また市場では5種類の移動局装置が流通すればよい。また5種類の移動局装置に対して各携帯電話サービス運営者はサービスが考慮すればよい。LTE−Aシステムでは、そう簡単には行かない。LTE−Aシステムの移動局装置は、従来のLTEシステムの移動局装置カテゴリを定義する手法を採用する場合、同一カテゴリでも同じ移動局装置の構成を定義することができない、同一カテゴリでも異なる移動局装置の構成を持つことができるため、移動局装置カテゴリにより適切な移動局装置の性能を引き出すことができない。様々なLTE−A技術要素を最大限に対応し、且つ回路複雑度の低減、低消費電力化、低コスト化、小型化、生産性の向上などを実現することが困難である。一方、LTE−Aシステムの基地局装置では、移動局装置カテゴリを低減するために、様々なLTE−A技術要素に制限を掛ける必要がある。
【0076】
本実施形態によれば、前記の(ア)〜(シ)のように様々なLTE−A技術要素に対応するための様々なLTE−A移動局装置構成の組み合わせに対して、移動局装置構成情報を生成し、基地局装置Bに送信することにより、基地局装置Bは、移動局装置構成情報に応じて、様々なLTE−A技術要素に対応できる適切な移動局装置A1の性能を引き出すことができ、適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
また図11、12は、LTE−A移動局通信能力メッセージに周波数バンド番号RF_BWm及びベースバンド周波数帯域幅番号BB_BWmの無線パラメータが含まれているが、各RF送信ブランチ番号TXjに含まれるパワーアンプPA(Power Amplifier)の無線パラメータである最大送信電力レベルPA_OUTq(q=1,2、・・・、Q;qは最大送信電力レベルの組み合わせ番号)を含むこともよい。無線パラメータPA_OUTqはRF送信ブランチ番号TXjに対応する送信周波数バンドRF_BWmのパラメータと同じレベルで、図11にTXjのRF_BWmの下に、図12にue−rftx−bandの下に相応のパラメータを追加してもよい。例えば、2つのRF送信ブランチの場合、PA_OUTqの「1」はRF送信ブランチ番号1(TX1)のPAの最大送信電力レベルが23dBm、RF送信ブランチ番号2(TX2)のPAの最大送信電力レベルが20dBmを表し、PA_OUTqの「2」はその逆を表し、PA_OUTqの「3」は両方とも23dBmを表し、PA_OUTqの「4」は両方とも20dBmを表すことができる。J個のRF送信ブランチの場合、PA_OUTqの組み合わせは上記の拡張でよい、
【0077】
また無線パラメータの周波数バンド番号RF_BWmは、図6のように周波数バンド番号、上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域、周波数バンド帯域幅、及び、伝送モードの関係を示しているが、幾つか連続した上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域を結合して、新しい且つ広い上り周波数バンド帯域、下り周波数バンド帯域を再定義することもよい。例えば、新しい周波数バンド番号「1」は、図6の周波数バンド番号「1」「2」を結合して、上り周波数バンド帯域が1930MHz〜2170MHz、下り周波数バンド帯域が1850MHz〜1980MHzに対応することができる。また図9は、1つのRF受信ブランチに複数のBB復調ブランチ、1つのRF送信ブランチに複数のBB変調ブランチが含まれていることを示しているが、技術の進歩により、図4の直交変調器a15と直交復調器a12の周波数帯域幅が広帯域で、送受信帯域(例えば、図2のバンド11、バンド12)と同じであれば、1つの無線送受信部に1つの直交変調器と1つの直交復調器を使用してもよい。また1つの送受信アンテナと1つのDUP、あるいは複数送受信アンテナと複数のDUP複数の以降に複数の別々の無線送受信部、直交変調器と直交復調器、及びベースバンド変調器とベースバンド復調器による構成された複数のRF送受信ブランチによる構成することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、新たな移動局装置のカテゴリ(以下、LTE−A移動局カテゴリという;移動局カテゴリ)を定義し、LTE−A移動局カテゴリを含む移動局装置能力メッセージを生成する場合について説明をする。これにより、本実施形態では、様々なLTE−A技術要素に対応できる。
なお、通信システムの概念図は、第1の実施形態と同じ図1であるので説明は省略する。また、本実施形態に係る移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A2という。ここで、移動局装置A2は、後述するように、送受信装置a1(図3、4)、a2(図8)、又はa3(図9)を含んで構成される。
以下、まず、従来技術(LTE)での移動局装置のカテゴリ(LTE移動局カテゴリという)について説明し、次に、本実施形態(LTE−A)での移動局装置のカテゴリ(LTE−A移動局カテゴリ)について説明をする。
【0079】
<LTE移動局カテゴリについて>
図16は、従来技術に係るLTE移動局カテゴリ対応情報の概略図である。この図は、LTE移動局カテゴリ(Category)が、5個(Category1〜5)あることを示す。また、この図は、LTE移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)のデータ伝送速度(バッファのビットサイズ;Bit rate)、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)の変調方式(Modulation Scheme)、及び、下りMIMOストリーム数(例えば、受信アンテナ本数;Number of MIMO Streams)が決まることを示す。
図16は、例えば、LTE移動局カテゴリ5(Category5)の場合、移動局装置の下りのデータ伝送速度が「300Mbps」、上りのデータ伝送速度が「75Mbps」、下りの変調方式が「QPSK、16QAM、又は64QAM」、上りの変調方式が「QPSK、16QAM、又は64QAM」、下りMIMOストリーム数が「4」であることを示す。
【0080】
なお、このLTE移動局カテゴリに属する移動局装置の構成は、第1の実施形態で説明をした送受信装置構成情報を用いて、以下のように表わすことができる。
図17は、本発明の第2の実施形態に係る送受信装置構成情報の一例を示す概略図である。この図において、LTE移動局装置の組み合わせは、最大送受信CCの帯域幅が20MHz固定のため、最大4個(i=1、2、3、4)のRF受信ブランチ(1個RF受信ブランチに1個BB復調ブランチを含む)と1個のRF送信ブランチ(1個RF送信ブランチに1個BB変調ブランチを含む)で表わされる。
【0081】
<LTE−A移動局カテゴリについて>
図18は、本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。この図は、LTE−A移動局カテゴリ(Category)が、6個(CategoryA〜F;カテゴリA〜F)あることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)のデータ伝送速度(バッファのビットサイズ;Bit rate)が決まることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)のMIMOストリーム数(Number of MIMO Streams)及び下りの連続/非連続CCの個数(Number of CC)、移動局装置の上り(UL)のMIMOストリーム数及び上りの連続/非連続CCの個数の範囲が決まることを示す。
【0082】
例えば、カテゴリBの場合のデータ伝送速度は、下りが「100Mbps」、上りが「75Mbps」であり、このLTE−A移動局カテゴリは、例えば、高速移動している移動局装置に適用される。カテゴリFでは、データ伝送速度は、下りが「1000Mbps」、上りが「500Mbps」であり、例えば、カテゴリFは固定の移動局装置又は移動速度が非常に小さい移動局装置に適用される。
【0083】
また、例えば、図18において、下りMIMOストリーム数は8、4、2、1の範囲に、上りMIMOストリーム数は4、2、1の範囲で決まる。また、図18において、下りCCの数は1〜5個の範囲に、上りCCの数は1〜2個の範囲で決まる。
ここで、LTEでは、1個の上り/下りMIMOストリームにおいて、帯域幅が20MHzのCCでは、最大データ伝送速度が「75Mbps」(64QAMの場合)である(図16参照)。よって、図18での上り/下りのMIMOストリーム数及びCCの数は、データ伝送速度を満たすことができるような対応になっている。
【0084】
例えば、カテゴリBでは、下りのデータ伝送速度「100Mbps」を満たすため、下りMIMOストリーム数が「4」個の場合に下りCCの数は「1」個、下りMIMOストリーム数が「2」個の場合に下りCCの数は「1」個、又は、下りMIMOストリーム数が「1」個の場合に下りCCの数は「2」〜「5」個が対応付けされている。例えば、下りMIMOストリーム数が「4個」の場合に下りCCが「1」個であれば、最大300Mbps(4個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。また、例えば、下りMIMOストリーム数が「1」個の場合に下りCCが「5」個であれば、最大375Mbps(5個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。
また、下りMIMOストリーム数が「4」個及び下りCCの数は「1」個の場合(最大300Mbps)には低い変調率の変調方式である16QAMを、下りMIMOストリーム数が「1」個及び下りCCの数は「2」個の場合(最大150Mbps)には高い変調率の変調方式である64QAMを、選択することでデータ伝送速度を満たすことができる。
【0085】
同様に、カテゴリBでは、上りのデータ伝送速度「75Mbps」を満たすため、上りMIMOストリーム数が「4」個の場合に上りCCの数は「1」個、上りMIMOストリーム数が「2」個の場合に上りCCの数は「1」個、又は、上りMIMOストリーム数が「1」個の場合に上りCCの数は「1」又は「2」個が対応付けされている。例えば、上りMIMOストリーム数が「2個」の場合に上りCCが「1」個であれば、最大150Mbps(2個×75Mbps)となり、75Mbpsを満たすことができる。また、例えば、上りMIMOストリーム数が「1」個の場合に上りCCが「1」個であれば、最大75Mbps(1個×75Mbps)となり、75Mbpsを満たすことができる。
また、上りMIMOストリーム数が「2」個及び上りCCの数は「1」個の場合(最大150Mbps)には低い変調率の変調方式である16QAMを、上りMIMOストリーム数が「1」個及び上りCCの数は「1」個の場合(最大75Mbps)には高い変調率の変調方式である64QAMを、選択することでデータ伝送速度を満たすことができる。
本発明のLTE−A移動局カテゴリ(図18のCategory)は、下りCCの数を対応付けたもの、すなわち下りCCの数により管理されていることが特徴である。
なお、本発明のLTE−A移動局カテゴリは、図18の例に限らず、上記のように、最大データ伝送速度に応じて、その最大データ伝送速度を満たすことができるように、下りMIMOストリーム数及び下りCCの数を対応付けたものであればよい。また、LTE−A移動局カテゴリの数も、図18の例(6個)に限られず、この例の場合より多くてもよいし、少なくてもよい。また、LTE移動局カテゴリのカテゴリ1は、LTE−A移動局カテゴリのカテゴリAに含まれる。
【0086】
<LTE−A移動局装置構成の制限>
LTE−A移動局装置のRF送信ブランチとBB変調ブランチの構成に対して、LTEシステムへの後方互換性、及び無線送信部a16(図3)に含まれるパワーアンプPAが影響を受けるRF送信信号のピーク対平均電力の比PAPR (Peak to Average Power Ratio)を考慮した場合、シングルキャリアSC−FDMA送信方式が適している。上り最大連続/非連続CCの個数を2個に制限した場合、LTE−A移動局装置は2個のRF送信ブランチ(1個のRF送信ブランチに最大40MHzベースバンド周波数帯域幅を持つ1個のBB変調ブランチを含む)の構成することが考えられる。
また、周波数バンドについて、携帯電話サービス運営者から様々な要望があり、移動局装置構成から最大3個の周波数バンドに制限する動きがある。例えばFDDモードでは周波数バンド番号3、1、7(図6参照)、TDDモードでは周波数バンド番号34、29、40(図6参照)に制限しても、下りMIMOストリーム数が8個(受信アンテナ8本)の場合、RF受信ブランチ数は24個となり、移動局装置のハードウェア構成、サイズ、消費電力とも大きな問題になる。周波数バンド数によりLTE−A移動局カテゴリの分類を行う場合、上位の移動局カテゴリ(例えば1000Mbpsクラス移動局装置)は移動局装置の最大構成(High End商品)となる。ユーザの要望、例えば1000Mbpsクラスで3.5GHz(周波数バンド番号A)だけ動作できる安い移動局装置が提供できない。従って、図18に示したLTE−A移動局カテゴリは、下り周波数バンドの無線パラメータと無関係のように定義している。
同様に、RF送信ブランチ数も上り周波数バンド数に依存している。例えば3個の周波数バンドと上りMIMOストリーム数が4個(送信アンテナ4本)の場合、RF送信ブランチ数は12個となる。周波数バンド数によりLTE−A移動局カテゴリの分類を行う場合、上位のカテゴリ(例えば500Mbpsクラス移動局装置)は移動局装置の最大構成となる。ユーザの要望、例えば500Mbpsクラスで3.5GHz(周波数バンド番号A)だけ動作できる安い移動局装置が提供できない。従って、図18に示したLTE−A移動局カテゴリは、上り周波数バンドの無線パラメータと無関係のように定義している。
【0087】
次に、周波数バンドが複数ある場合に好適なLTE−A移動局カテゴリについて説明する。周波数バンドが複数あるときに、図18の1個のMIMOストリーム対応のRF受信ブランチ及びRF送信ブランチを、複数の周波数バンドに対応できるようにした場合、以下のLTE−A移動局カテゴリ(図19)を用いる。
【0088】
図19は、本実施形態に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の別の一例を示す概略図である。この図は、図18の上り/下りMIMOストリーム数(UL/DL Number of MIMO streams)を、上り/下りデータストリーム数(UL/DL Number of DATA streams)に変更したものである。この図は、LTE−A移動局カテゴリ(Category)が、6個(CategoryA〜F;カテゴリA〜F)あることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)/上り(UL)のデータ伝送速度(バッファのビットサイズ;Bit rate)が決まることを示す。また、この図は、LTE−A移動局カテゴリにより、移動局装置の下り(DL)のデータストリーム数(Number of DATA Streams)及び下りの連続/非連続CCの個数(Number of CC)、移動局装置の上り(UL)のデータストリーム数及び上りの連続/非連続CCの個数の範囲が決まることを示す。
上り/下りデータストリーム数の定義は、上り/下りMIMOストリーム数の拡張であり、同じ周波数バンド内では、上り/下りMIMOストリーム数と同じ、異なる周波数バンドの場合では、各周波数バンドの上り/下りMIMOストリーム数の合計である。すなわち、同じ周波数バンド内で下りMIMOストリーム数が「2」(2x2MIMO)、下りCCの数が「1」に対して、2つの周波数バンドで、下りデータストリーム数が「2」、下りCCの数が「1」で同様な移動局装置の下りデータ伝送速度を実現することができる。
【0089】
例えば、カテゴリBの場合のデータ伝送速度は、下りが「100Mbps」、上りが「75Mbps」であり、このLTE−A移動局カテゴリは、例えば、高速移動している移動局装置に適用される。カテゴリFでは、データ伝送速度は、下りが「1000Mbps」、上りが「500Mbps」であり、例えば、カテゴリFは固定の移動局装置又は移動速度が非常に小さい移動局装置に適用される。
【0090】
また、例えば、図19において、下りデータストリーム数は8、4、2、1の範囲に、上りデータストリーム数は4、2、1の範囲で決まる。また、図19において、下りCCの数は1〜5個の範囲に、上りCCの数は1〜2個の範囲で決まる。
ここで、LTEでは、1個の上り/下りデータストリームにおいて、帯域幅が20MHzのCCでは、最大データ伝送速度が「75Mbps」(64QAMの場合)である(図16参照)。よって、図19での上り/下りのデータストリーム数及びCCの数は、データ伝送速度を満たすことができるような対応になっている。
【0091】
例えば、カテゴリBでは、下りのデータ伝送速度「100Mbps」を満たすため、下りデータストリーム数が「4」個の場合に下りCCの数は「1」個、下りデータストリーム数が「2」個の場合に下りCCの数は「1」個、又は、下りデータストリーム数が「1」個の場合に下りCCの数は「2」〜「5」個が対応付けされている。例えば、下りデータストリーム数が「4個」の場合に下りCCが「1」個であれば、最大300Mbps(4個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。また、例えば、下りデータストリーム数が「1」個の場合に下りCCが「5」個であれば、最大375Mbps(5個×75Mbps)となり、100Mbpsを満たすことができる。
また、下りデータストリーム数が「4」個及び下りCCの数は「1」個の場合(最大300Mbps)には低い変調率の変調方式である16QAMを、下りデータストリーム数が「1」個及び下りCCの数は「2」個の場合(最大150Mbps)には高い変調率の変調方式である64QAMを、選択することでデータ伝送速度を満たすことができる。なお、上りについても同様である。
【0092】
本発明のLTE−A移動局カテゴリは、(図19のCategory)は、データストリーム数を対応付けたもの、すなわちデータストリーム数により管理されていることが特徴である。
なお、本発明のLTE−A移動局カテゴリは、図19の例に限らず、上記のように、最大データ伝送速度に応じて、その最大データ伝送速度を満たすことができるように、下りデータストリーム数及び下りCCの数を対応付けたものであればよい。また、LTE−A移動局カテゴリの数も、図19の例(6個)に限られず、この例の場合より多くてもよいし、少なくてもよい。また、LTE移動局カテゴリのカテゴリ1は、LTE−A移動局カテゴリのカテゴリAに含まれる。
【0093】
<変形例1>
本発明のLTE−A移動局カテゴリ対応情報では、データストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせを減らしてもよい。例えば、図20のように、データストリーム数が「1」である組み合わせを減らしてもよい。
【0094】
図20は、本実施形態の変形例1に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。図20と図19とで、LTE−A移動局カテゴリを比較すると、図20では、カテゴリBの下り(DL)/上り(UL)、及びカテゴリCの下りで、データストリーム数が「1」であるデータストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせが削除されている。
【0095】
<変形例2>
また、実際の移動局装置A2のBB復調ブランチのBB周波数帯域幅(図7)は最少20MHzである。よって、例えば、移動局装置A2は、図3の受信帯域制限のデジタルフィルタa133、FFT部a136で、BB周波数帯域幅を20MHzと40MHzとで切り替えて、1個のロジカルCCと2個のロジカルCCを切り替えて受信してもよい。ここで、ロジカルCCとは、1つの20MHzのCCのことである。また、この場合、BB周波数帯域幅を物理CCという。上りも同様な考え方が適用できる。
移動局装置のテストケースを考慮し、上り/下りの最大連続2個のロジカルCC、すなわちBB周波数帯域幅を最大40MHzに限定する場合、LTE−A移動局カテゴリは、図21となる。
【0096】
図21は、本実施形態の変形例2に係るLTE−A移動局カテゴリ対応情報の一例を示す概略図である。図21と図20とで、LTE−A移動局カテゴリ対応情報を比較すると、図21では、カテゴリD、E、Fの下り(DL)で、CCの数(Number of CC)が「5」であるデータストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせが削除されている。
<変形例3>
また、図21に示したように、図20と比べて、データストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせが減少したが、図21のLTE−A移動局カテゴリにより移動局装置構成を完全に特定することができない。例えばLTE−A移動局カテゴリB〜Fでは、データストリーム数が「2」に対して、同じ周波数バンドか判断できない。更なる限定を掛ける必要がある。例えば、同じ周波数バンドに限定し、各LTE−A移動局カテゴリのデータストリーム数と連続/非連続CCの数との組み合わせの数を1つにし、図22のように限定してもよい。
【0097】
<移動局装置A2の構成について>
図23は、本実施形態に係る移動局装置A2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動局装置A2(図23)と第1の実施形態に係る移動局装置A1(図10)とを比較すると、制御部A202、ASN符号化部A205、及びカテゴリ情報記憶部A207が異なる。しかし、他の構成要素(送受信装置A101、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ作成部A106)が持つ機能は第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0098】
カテゴリ情報記憶部A207は、LTE−A移動局カテゴリ情報(図18〜22のCategory)、すなわちLTE−A移動局カテゴリA〜Fに対応する符号A〜F、または整数1〜6、または3bitの情報をメモリに保存している。LTE−A移動局カテゴリの情報は、移動局装置構成に応じて、工場出荷時、販売時、またはユーザ初期使用時に予め設定し、カテゴリ情報記憶部A207に書き込むことができる。またLTE−A移動局カテゴリの情報は、移動局装置の個体識別番号、シリアル番号、製造番号など移動局装置個別情報と対応することができる。例えば、図14が1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることを示しているため、図21に対してLTE−A移動局カテゴリBの情報がカテゴリ情報記憶部A207に書き込まれる。または図22に対してLTE−A移動局カテゴリAの情報がカテゴリ情報記憶部A207に書き込まれる。
【0099】
制御部A202は、移動局装置A2の各部を制御する。例えば、制御部A202は、基地局装置Bから割り当てられた上り/下り無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A202は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部A202は、カテゴリ情報記憶部A207に記憶されたLTE−A移動局カテゴリ情報を、ASN符号化部A205に出力する。
【0100】
ASN符号化部A205は、制御部A202から入力されたLTE−A移動局カテゴリ情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、ASN符号化部A205が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
RRCメッセージ生成部A106は、ASN符号化部A205から入力された情報を含むLTE−A移動局通信能力メッセージ(図24のUE−AdvancdeEUTRA−Capability)を生成し、制御データに含まれる上りRRCメッセージの一部として、送受信装置A101に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。
送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ生成部A106、制御部A202、ASN符号化部A205、及びカテゴリ情報記憶部A207は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0101】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A205及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
【0102】
図24は、本実施形態に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージ(図24のUE−AdvancdeEUTRA−Capability)に含むLTE−A移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)の一例を示す概略図である。この図において、移動局カテゴリ情報(ue−Category)の値「1」〜「6」(INTEGER(1..6))は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図18〜図21参照)を示す。図22に対して、移動局カテゴリ情報(ue−Category)の値は「1」〜「4」(INTEGER(1..4))になる。
【0103】
基地局装置Bでは、制御部B102が、図22のような移動局カテゴリ情報に基づいて上り/下り無線リソースを割り当てる(図15参照)。例えば、制御部B102は、移動局装置A2から受信したRRCメッセージからLTE−A移動局通信能力メッセージ(図24のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)を復号し、移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)を抽出し、移動局カテゴリ情報に基づいて移動局装置A2の上り/下りローカルCCの割り当て、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当てを決定する。
例えば、基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力に対して、移動局装置A2がLTE−A移動局カテゴリAのような送受信装置構成である場合、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz)において、下りローカルCCのf1_R1とf1_R2を受信、上りローカルCCのf1_T1を送信することができる場合、制御部B102は、移動局装置A2に対して、上り/下りローカルCCの割り当て、すなわち下りローカルCCがf1_R1とf1_R2、上りローカルCCがf1_T1に割り当て、移動局装置A2の初期アクセス時に通知する。下りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R1とf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T1の上りローカルCC内に割り当てる。基地局装置Bの制御部B102は、移動局装置A2からの移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A2に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。移動局装置A2が対応できる周波数バンド情報、例えば周波数バンド番号は、従来通り、別のRRCメッセージを通じて、基地局装置Bに通知することができる。
【0104】
制御部B102は、決定した上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A2に送信する。
【0105】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A2は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A2は、LTE−A移動局カテゴリ情報に基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A2と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
【0106】
<変形例>
図25は、本実施形態の変形例3に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。この図において、従来のLTE移動局通信能力メッセージ(UE−EUTRAN−Capability)には、移動局カテゴリ情報(図25のue−Category)の値「1」〜「11」(INTEGER(1..11))のうち、「1」〜「5」は、それぞれ、従来のLTE移動局カテゴリ1〜5を示し、「6」〜「11」は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜Fを加えて、LTE−A移動局通信能力メッセージを表す。
【0107】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A2は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局カテゴリ情報(図24または図25のue−Category)を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A2は、LTE−A移動局カテゴリ情報に基づいて基地局装置Bが割り当てたCCを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A2と基地局装置Bとの通信に適切なCCを割り当てることができる。
本実施形態は、LTE−A移動局カテゴリ情報(図24または図25のue−Category)を定義し、移動局カテゴリ情報を基地局装置に送信することが従来と同じであるが、LTE−A移動局カテゴリはデータストリーム数とロジカルCC数により管理されていることにより、従来のように、基地局装置は、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
本実施形態は、第1の実施形態のように、前記の(ア)〜(シ)のように様々なLTE−A技術要素に対応するためのLTE−A移動局装置構成の組み合わせに対して、移動局装置構成情報を生成し、基地局装置Bに送信することにより、基地局装置Bは、移動局装置構成情報に応じて、様々なLTE−A技術要素に対応できる適切な移動局装置A1の性能を引き出すことができる適切な上り/下り無線リソース割り当てが可能であることと比べて、データストリーム数とロジカルCC数によりLTE−A移動局カテゴリを定義し、LTE−A移動局装置構成の組み合わせに制限が加えたため、前記の(ア)〜(シ)のように、様々なLTE−A技術要素の対応に制限を加えることになるが、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図19〜図22参照)を含むRRCメッセージの情報量(例えばビット数、上りシグナリング制御信号の情報量・無線リソースのオーバーヘッド)を低減することができる。またLTE−A移動局装置構成の組み合わせに制限が加えることにより、回路複雑度の低減、低消費電力化、低コスト化、小型化、生産性の向上などを実現することができる。
【0108】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、移動局装置は、第1の実施形態に係る送受信装置構成情報(UE−RF−Capability)、及び、第2の実施形態に係る移動局カテゴリ情報(ue−Category)を含むLTE−A移動局通信能力メッセージを生成する。
なお、通信システムの概念図は、第1の実施形態と同じ図1であるので説明は省略する。また、本実施形態に係る移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A3という。
【0109】
<移動局装置A3の構成について>
図26は、本発明の第3の実施形態に係る移動局装置A3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動局装置A3(図26)と第1の実施形態に係る移動局装置A1(図10)とを比較すると、制御部A302、及びASN符号化部A305が異なる。しかし、他の構成要素(送受信装置A101、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ作成部A106、及びカテゴリ情報記憶部A207、送受信装置構成情報記憶部A104)が持つ機能は第1、2の実施形態と同じである。第1、2の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0110】
制御部A302は、移動局装置A3の各部を制御する。例えば、制御部A302は、基地局装置Bから割り当てられた無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A302は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。
また、制御部A202は、送受信装置構成情報記憶部A104が記憶する送受信装置構成情報、及び、カテゴリ情報記憶部A207から読み出したLTE−A移動局カテゴリ情報を、ASN符号化部A205に出力する。
【0111】
ASN符号化部A305は、制御部A302から入力された送受信装置構成情報及びLTE−A移動局カテゴリ情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A104、RRCメッセージ生成部A106、制御部A302、ASN符号化部A305、及びカテゴリ情報記憶部A207は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0112】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A305及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
図27は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージの一例を示す概略図である。この図において、LTE−A移動局通信能力メッセージ(図27のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)は、移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)、及び、送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)を含む。
また、この図において、移動局カテゴリ情報(図27のue−Category)の値「1」〜「6」(INTEGER(1..6))は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図18〜図21参照)を示す。
【0113】
基地局装置Bでは、制御部B102が、図21のような移動局カテゴリ情報、及び送受信装置構成情報に基づいて上り/下り無線リソースを割り当てる(図15参照)。例えば、制御部B102は、移動局装置A3から受信したRRCメッセージから移動局カテゴリ情報(図27のue−Category)及び送受信装置構成情報(図12のUE−RF−Capability)を復号して抽出し、抽出した移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて移動局装置A3の上り/下り無線リソースの割り当てを決定する。
例えば、制御部B102は、移動局カテゴリ情報からLTE−A移動局カテゴリB、送受信装置構成情報から図28のような移動局装置構成の無線パラメータを抽出し、LTE−A移動局カテゴリBにより、移動局装置A3の上り/下りデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度100Mbps、上り最大データ速度75Mbps)、図28の無線パラメータにより、移動局装置A3は、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることが判断できる。
【0114】
基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力がある場合、制御部B102は、移動局装置A3に対して、上り/下りローカルCCの割り当てを行い、移動局装置A3の初期アクセス時に通知する。下りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF受信ブランチに2つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、下りユーザ負荷、すなわち下りローカルCCのf1_R1〜f1_R4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R2を割り当て、または非連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R4を割り当てる。上りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF送信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、上りユーザ負荷、すなわち上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に上りローカルCCのf1_R2を割り当てる(複数上りローカルCCに対応可能な場合、下りと同様に連続/非連続CCの割り当ても可能である)。
例えば、連続の下りローカルCCの場合、下りの無線リソース、すなわち移動局装置A3が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R1とf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T1の上りローカルCC内に割り当てる。制御部B102は、移動局装置A3からの移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A3に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
【0115】
また、例えば、制御部B102は、移動局カテゴリ情報からLTE−A移動局カテゴリB、送受信装置構成情報から図29のような移動局装置構成の無線パラメータを抽出し、LTE−A移動局カテゴリBにより、移動局装置A3の上り/下りデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度100Mbps、上り最大データ速度75Mbps)、図29の無線パラメータにより、移動局装置A3は、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが1個(BB_DM1、BB_DM2)、周波数バンド2(図2、3GHz、周波数バンド番号A)における1個のRF受信ブランチ(RX2)にBB復調ブランチが1個(BB_DM2)含まれ、また、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることが判断できる。
【0116】
基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力がある場合、制御部B102は、移動局装置A3に対して、上り/下りローカルCCの割り当てを行い、移動局装置A3の初期アクセス時に通知する。下りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF受信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、下りユーザ負荷、すなわち下りローカルCCのf1_R1〜f1_R4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に下りローカルCCのf1_R2を割り当て(複数下りローカルCCがある場合、連続/非連続CCの割り当ても可能である)、上りでは、移動局装置A3が周波数バンド1に1つのRF送信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、上りユーザ負荷、すなわち上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A3に上りローカルCCのf1_T2を割り当てる(複数上りローカルCCに対応可能な場合、下りと同様に連続/非連続CCの割り当ても可能である)。
連続の下りローカルCCの場合、下りの無線リソース、すなわち移動局装置A3が自装置データを受信する下りリソースブロックRBをf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A2が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T2の上りローカルCC内に割り当てる。制御部B102は、移動局装置A3からの移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A3に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
制御部B102は、上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りCC割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A3に送信する。
【0117】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A3は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局通信能力メッセージ(図27のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)に含まれるLTE−A移動局カテゴリ情報、及び送受信装置構成情報を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A3は、LTE−A移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A3と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
【0118】
<変形例>
図19〜図21のように、LTE−A移動局カテゴリ間に上り/下りのデータストリーム数及び上り/下りローカルCCの数の組み合わせは一部同様である。図22のようにLTE−A移動局カテゴリ間に上り/下りのデータストリーム数及び上り/下りローカルCCの数の組み合わせは異なる場合、第2実施形態のように、移動局装置A3はLTE−A移動局カテゴリ情報だけを基地局装置Bに送信すればよい。または、図21のLTE−A移動局カテゴリ情報により構成された移動局装置A3の送受信装置構成情報だけを基地局装置Bに送信すればよい。基地局装置Bは移動局装置A3の送受信装置構成情報からLTE−A移動局カテゴリ情報を判断することができる。
本実施形態は、第2の実施形態のように、LTE−A移動局カテゴリ情報の定義により、LTE−A移動局装置構成の組み合わせに制限を加えると比べて、LTE−A移動局カテゴリ情報に制限された限定的な送受信装置構成情報を加えたため、第2の実施形態から、前記の(ア)〜(シ)のように、様々なLTE−A技術要素の対応に制限を緩和することになるが、LTE−A移動局カテゴリA〜F情報(図19〜図21参照)と送受信装置構成情報を含むRRCメッセージの情報量(例えばビット数、上りシグナリング制御信号の情報量・無線リソースのオーバーヘッド)が第2の実施形態より増加し、一方、第1の実施形態より少ない。
【0119】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
第2の実施形態では、6個のLTE−A移動局カテゴリA〜Fの一例を示した(図18〜図21)。例えば、図19の一例は、下りデータストリーム数が「8」、「4」、「2」、「1」、上りデータストリーム数が「4」、「2」、「1」、1個CCの周波数帯域幅が20MHzに、下り最大連続/非連続CCの数が「5」、上り最大連続/非連続CCの個数が「2」、とした場合の例である。この場合でも、データストリーム数とCCの数の組み合わせが多数がある。例えば図19の場合、下り/上りデータストリーム数とCCの数の組み合わせを含め、24種類がある。
本実施形態では、移動局装置は第2の実施形態に係る移動局カテゴリ情報(図24のue−Category)、及び、この組み合わせを識別する送受信装置構成番号(短縮送受信装置構成情報ともいう;識別情報)を含むLTE−A移動局通信能力メッセージを生成する。
なお、通信システムの概念図は、第3の実施形態と同じ図1であるので説明は省略する。また、本実施形態に係る移動局装置A11、A12各々を、移動局装置A4という。
【0120】
<送受信装置構成番号について>
図30は、本発明の第4の実施形態に係る送受信装置構成番号情報の一例を示す概略図である。この図は、LTE−A移動局カテゴリが図19である場合の送受信装置構成番号情報を示す。
【0121】
図30において、送受信装置構成番号情報は、送受信装置構成番号(UE_TRXh、h=1、2、・・・、H)、データストリーム数(Number of DATA streams)、及び、ローカルCCの数(Number of CC)の各項目を有している。この送受信装置構成番号は、LTE−A移動局カテゴリでのデータストリーム数とローカルCCの数の組み合わせを識別する識別情報である。
例えば、送受信装置構成番号が「1」(UE_TRX1)は、データストリーム数が「8」、ローカルCCの数が「3」の組み合わせを示す。
【0122】
<移動局装置A4の構成について>
図31は、本実施形態に係る移動局装置A4の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る移動局装置A4(図31)と第3の実施形態に係る移動局装置A3(図26)とを比較すると、制御部A402、ASN符号化部A405、及び送受信装置構成番号記憶部A404が異なる。しかし、他の構成要素(送受信装置A101、割当情報記憶部A103、RRCメッセージ作成部A106、及び、カテゴリ情報記憶部A207)が持つ機能は第3の実施形態と同じである。第3の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0123】
送受信装置構成番号記憶部A404は、自装置の送受信装置構成番号を記憶する。
制御部A402は、移動局装置A4の各部を制御する。例えば、制御部A402は、基地局装置Bから割り当てられた無線リソース情報を受信し、受信した無線リソース情報を割当情報記憶部A103に記憶する。制御部A402は、割当情報記憶部A103から無線リソース情報を読み出し、送受信の制御を行う。
送受信装置構成番号記憶部A404は、送受信装置構成番号がをメモリに保存している。送受信装置構成番号は、移動局装置構成に応じて、工場出荷時に予め設定し、送受信装置構成番号記憶部A404に書き込むことができる。
また、制御部A402は、送受信装置構成番号記憶部A404が記憶する送受信装置構成番号、及び、カテゴリ情報記憶部A207が記憶されたLTE−A移動局カテゴリ情報を、ASN符号化部A405に出力する。
【0124】
ASN符号化部A405は、制御部A402から入力された送受信装置構成番号及びLTE−A移動局カテゴリ情報を、抽象構文記法1(ASN.1)に変換して符号化を行い、符号化した情報をRRCメッセージ生成部A106に出力する。なお、RRCメッセージ生成部A106が行う処理の詳細については、RRCメッセージの生成処理と併せて後述する。送受信装置A101は、RRCメッセージ生成部A106から入力されたRRCメッセージを、RF送信ブランチjで処理して基地局装置Bへ送信する。
また、割当情報記憶部A103、送受信装置構成情報記憶部A404、RRCメッセージ生成部A106、制御部A402、ASN符号化部A405、及びカテゴリ情報記憶部A207は集積回路チップ内に含まれてもよい。又は送受信装置A101に一部、または全部を集積回路チップ内に含むような構成でもよく、限定されない。
【0125】
<RRCメッセージの生成処理について>
以下、ASN符号化部A405及びRRCメッセージ生成部A106が行うRRCメッセージの生成処理について説明をする。
図32は、本実施形態に係るLTE−A移動局通信能力メッセージ(図32のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)の一例を示す概略図である。この図において、LTE−A移動局通信能力メッセージ(図32のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)は、移動局カテゴリ情報(ue−Category)、及び、短縮送受信装置構成情報(ue−nrf−capability)を含む。
【0126】
図32において、移動局カテゴリ情報(ue−Category)の値「1」〜「6」(INTEGER(1..6))は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜F(図19〜図21参照)を示す。
また、この図において、短縮送受信装置構成情報(UE−NRF−Capability)には、受信装置構成番号(ue−nrx−capability)、及び送信装置構成番号(ue−nrx−capability)が代入される。ここで、受信装置構成番号及び送信装置構成番号は、図30に示したように、それぞれ、受信ブランチで受信、及び送信ブランチで送信することができるデータストリーム数とローカルCCの数との組み合わせを示す送受信装置構成番号である。
<変形例>
図33は、本実施形態の変形例に係る抽象構文記法1に変換したLTE−A移動局通信能力メッセージの別の一例を示す概略図である。この図において、従来のLTE移動局通信能力メッセージ(UE−EUTRAN−Capability)には、移動局カテゴリ情報(図25のue−Category)の値「1」〜「11」(INTEGER(1..11))のうち、「1」〜「5」は、それぞれ、従来のLTE移動局カテゴリ1〜5を示し、「6」〜「11」は、それぞれ、LTE−A移動局カテゴリA〜Fを加えて、さらに短縮送受信装置構成情報(図32のUE−NRF−Capability)を加えて、LTE−A移動局通信能力メッセージを表す。
【0127】
基地局装置Bでは、制御部B102が、図19〜21のような移動局カテゴリ情報、及び短縮送受信装置構成情報に基づいて上り/下り無線リソースを割り当てる(図15参照)。例えば、制御部B102は、移動局装置A4から受信したRRCメッセージからLTE−A移動局通信能力メッセージ(図32のUE−AdvancedEUTRAN−Capability)、またはLTE移動局通信能力メッセージ(図33のUE−EUTRAN−Capability)を復号し、移動局カテゴリ情報(ue−Category)及び短縮送受信装置構成情報(UE−NRF−Capability)を抽出し、抽出した移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて移動局装置A4の上り/下り無線リソースの割り当てを決定する。
例えば、制御部B102は、移動局カテゴリ情報からLTE−A移動局カテゴリB、短縮送受信装置構成情報から受信装置構成番号(ue−nrx−capability)「11」と送信装置構成番号(ue−nrx−capability)「11」を抽出し、LTE−A移動局カテゴリBにより、移動局装置A4の上り/下りデータ処理ソフトバッファサイズ(下り最大データ速度100Mbps、上り最大データ速度75Mbps)、受信装置構成番号「11」と送信装置構成番号「11」、また別のRRCメッセージを通じて受信した周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)により、移動局装置A4は、周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)における1個のRF受信ブランチ(RX1)にBB復調ブランチが2個(BB_DM1、BB_DM2)含まれ、また、1個のRF送信ブランチ1(TX1)にBB変調ブランチが1個(BB_MD1)含まれることが判断できる。
【0128】
基地局装置BがLTE−A移動局カテゴリCに対応できる通信能力、すなわち周波数バンド1(図2、2GHz、周波数バンド番号1)において、下りローカルCCのf1_R1〜とf1_R4を送信、上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4が受信できる通信能力がある場合、制御部B102は、移動局装置A4に対して、上り/下りローカルCCの割り当てを行い、移動局装置A4の初期アクセス時に通知する。下りでは、移動局装置A4が周波数バンド1に1つのRF受信ブランチに2つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、下りユーザ負荷、すなわち下りローカルCCのf1_R1〜f1_R4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A4に連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R2を割り当て、または非連続の下りローカルCCのf1_R1とf1_R4を割り当てる。上りでは、移動局装置A4が周波数バンド1に1つのRF送信ブランチに1つのBB復調ブランチがあるため、制御部B102は、上りユーザ負荷、すなわち上りローカルCCのf1_T1〜f1_T4のロードバランスを考慮し、例えば、移動局装置A4に上りローカルCCのf1_T2を割り当てる(複数上りローカルCCに対応可能な場合、下りと同様に連続/非連続CCの割り当ても可能である)。
例えば、連続の下りローカルCCの場合、下りの無線リソース、すなわち移動局装置A4が自装置データ受信する下りリソースブロックRBをf1_R1とf1_R2の下りローカルCC内に、上りの無線リソース、すなわち移動局装置A4が自装置データを送信する上りリソースブロックRBをf1_T2の上りローカルCC内に割り当てる。制御部B102は、移動局装置A4からの移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報と自装置の送受信装置構成情報と比較し、自装置の通信能力と移動局装置通信能力の範囲内で、移動局装置A4に適切な下り/上り無線リソース割り当てを行うことができる。
制御部B102は、上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を割当情報記憶部B103に記憶する。制御部B102は、割当情報記憶部B103から上り/下りローカルCCの割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りローカルCCにおける無線リソースの割り当て情報を読み出し、送受信の制御を行う。また、制御部B102は、決定した上り/下りCC割り当て情報、及び割り当てられた上り/下りCCにおける無線リソースの割り当て情報を、送受信装置B101を介して移動局装置A4に送信する。
【0129】
このように、本実施形態によれば、移動局装置A4は、基地局装置Bとの通信に用いることができるLTE−A移動局カテゴリ情報、及び送受信装置構成情報を、基地局装置Bへ送信する。また、移動局装置A4は、LTE−A移動局カテゴリ情報及び送受信装置構成情報に基づいて基地局装置Bが割り当てた上り/下り無線リソースを用いて、基地局装置Bとの通信を行う。これにより、本実施形態では、通信システムは、移動局装置A4と基地局装置Bとの通信に適切な上り/下り無線リソースを割り当てることができる。
本実施形態は、第3の実施形態のように、LTE−A移動局カテゴリ情報に制限された限定的な送受信装置構成情報を加えると比べて、LTE−A移動局カテゴリ情報に制限された短縮送受信装置構成情報を加えたため、第3の実施形態から、前記の(ア)〜(シ)のように、様々なLTE−A技術要素の対応に制限を緩和するとともに、LTE−A移動局カテゴリA〜F情報(図19〜図21参照)と短縮送受信装置構成情報を含むRRCメッセージの情報量(例えばビット数、上りシグナリング制御信号の情報量・無線リソースオーバーヘッド)が第3の実施形態より少ない。
【0130】
(1A)本発明の一態様は、1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅の帯域を用いて基地局装置と通信を行う移動局装置において、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする移動局装置である。
(2A)本発明の一態様は、上記(1A)の移動局装置において、前記送信情報は、前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報、及び、前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報の組合せを表すキャリア集合クラス情報を含むことを特徴とする。
(3A)本発明の一態様は、上記(1A)又は(2A)の移動局装置において、前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされるMIMO能力情報が含まれることを特徴とする。
【0131】
(4A)本発明の一態様は、上記(3A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
(5A)本発明の一態様は、上記(3A)又は(4A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、MIMOストリーム数であることを特徴とする。
(6A)本発明の一態様は、上記(3A)から(5A)のいずれかの移動局装置において、 前記MIMO能力情報は、複数の前記レイヤ数を表す情報であることを特徴とする。
(7A)本発明の一態様は、上記(6A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数2及び4を示す情報であることを特徴とする。
(8A)本発明の一態様は、上記(6A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、レイヤ数2、4、及び8を示す情報であることを特徴とする。
(9A)本発明の一態様は、上記(3A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、データストリーム数であることを特徴とする。
(10A)本発明の一態様は、上記(3A)の移動局装置において、前記MIMO能力情報は、アンテナ数であることを特徴とする。
【0132】
(11A)本発明の一態様は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
(12A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と基地局装置が通信を行う無線通信システムにおいて、前記移動局装置は、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、前記基地局装置は、前記送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする無線通信システムである。。
(13A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置における通信制御方法において、前記移動局装置が、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する過程を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
(14A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置のコンピュータを、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【0133】
(15A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置において、
移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする基地局装置である。
(16A)本発明の一態様は、移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当て、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とするプロセッサである。
(17A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置における通信制御方法において、前記基地局装置が、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる過程、を有し、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法である。
(18A)本発明の一態様は、予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置のコンピュータを、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる手段として機能させ、前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報と、前記要素キャリアの個数を示す情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラムである。
【0134】
なお、上述した実施形態における移動局装置A1、A2、A3、A4、基地局装置Bの一部、例えば、制御部A102、A202、A302、A402、ASN符号化部A105、A205、A305、A405、カテゴリ情報記憶部A207、及び制御部B102をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、移動局装置A1、A2、A3、A4、又は基地局装置Bに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0135】
また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0136】
A12、A11、A1、A2、A3、A4・・・移動局装置、B・・・基地局装置、a1・・・送受信装置、a101、a201、a301−i・・・送受信共用アンテナ、a102、a202、a302−i・・・アンテナ共用器、a11、a21、a31−i・・・無線受信部、a12、a22−l、a32−il・・・直交復調器、a13、a23−l、a33−il・・・ベースバンド復調部、a14、a24−k、a34−jk・・・ベースバンド変調部、a15、a25−k、a35−jk・・・直交変調器、a16、a26、a36−j・・・無線送信部、A102、A202、A302、A402・・・制御部、A103・・・割当情報記憶部、A104・・・送受信装置構成情報記憶部、A105、A205、A305、A405・・・ASN符号化部、A106・・・RRCメッセージ生成部、B101・・・送受信装置、B102・・・制御部、B103・・・割当情報記憶部、A207・・・カテゴリ情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅の帯域を用いて基地局装置と通信を行う移動局装置において、
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする移動局装置。
【請求項2】
前記移動局カテゴリ情報は、LTEの移動局カテゴリ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
【請求項3】
前記移動局カテゴリ情報の種類は、LTEの移動局カテゴリ情報の種類より、数が多いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動局装置。
【請求項4】
前記移動局カテゴリ情報は、さらに、データストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項5】
前記移動局カテゴリ情報は、さらに、複数のMIMOストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項6】
前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項7】
前記送信情報は、前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報、及び、前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報の組合せを表すキャリア集合クラス情報と、前記移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項8】
前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされるMIMO能力情報が含まれることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項9】
前記MIMO能力情報は、レイヤ数を表す情報であることを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
【請求項10】
前記MIMO能力情報は、MIMOストリーム数であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の移動局装置。
【請求項11】
前記MIMO能力情報は、複数の前記レイヤ数を表す情報であることを特徴とする請求項9に記載の移動局装置。
【請求項12】
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成し、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサ。
【請求項13】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と基地局装置が通信を行う無線通信システムにおいて、
前記移動局装置は、
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、
前記基地局装置は、
前記送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする無線通信システム。
【請求項14】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置における通信制御方法において、
前記移動局装置が、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する過程を有し、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項15】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置のコンピュータを、
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する手段として機能させ、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項16】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置において、
移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする基地局装置。
【請求項17】
移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当て、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサ。
【請求項18】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置における通信制御方法において、
前記基地局装置が、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる過程、を有し、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項19】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置のコンピュータを、
前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる手段として機能させ、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項1】
1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅の帯域を用いて基地局装置と通信を行う移動局装置において、
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする移動局装置。
【請求項2】
前記移動局カテゴリ情報は、LTEの移動局カテゴリ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
【請求項3】
前記移動局カテゴリ情報の種類は、LTEの移動局カテゴリ情報の種類より、数が多いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動局装置。
【請求項4】
前記移動局カテゴリ情報は、さらに、データストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項5】
前記移動局カテゴリ情報は、さらに、複数のMIMOストリーム数と対応付けられた情報であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項6】
前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項7】
前記送信情報は、前記1又は幾つかの要素キャリアを組合せた帯域幅に関する情報、及び、前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報の組合せを表すキャリア集合クラス情報と、前記移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項8】
前記送信情報は、さらに、前記移動局装置によってサポートされるMIMO能力情報が含まれることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の移動局装置。
【請求項9】
前記MIMO能力情報は、レイヤ数を表す情報であることを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
【請求項10】
前記MIMO能力情報は、MIMOストリーム数であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の移動局装置。
【請求項11】
前記MIMO能力情報は、複数の前記レイヤ数を表す情報であることを特徴とする請求項9に記載の移動局装置。
【請求項12】
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成し、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサ。
【請求項13】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と基地局装置が通信を行う無線通信システムにおいて、
前記移動局装置は、
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する部を備え、
前記基地局装置は、
前記送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする無線通信システム。
【請求項14】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置における通信制御方法において、
前記移動局装置が、前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する過程を有し、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項15】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、基地局装置と通信を行う移動局装置のコンピュータを、
前記基地局装置へと送信する送信情報を生成する手段として機能させ、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項16】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置において、
移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる部を備え、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする基地局装置。
【請求項17】
移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当て、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とするプロセッサ。
【請求項18】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置における通信制御方法において、
前記基地局装置が、前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる過程、を有し、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項19】
予め定められた周波数帯域を有する複数の要素キャリアの内の1又は幾つかを選択的に用いて、移動局装置と通信を行う基地局装置のコンピュータを、
前記移動局装置が送信する送信情報に基づいて、前記移動局装置に通信に用いる要素キャリアを割り当てる手段として機能させ、
前記送信情報は、前記移動局装置によってサポートされる前記1又は幾つかの要素キャリアの個数を示す情報と、予め定められた時間当たりに受信又は送信されるビット数の最大値に対応付けられた移動局カテゴリ情報と、を含むことを特徴とする通信制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
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【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−205655(P2011−205655A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98564(P2011−98564)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【分割の表示】特願2009−245493(P2009−245493)の分割
【原出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【分割の表示】特願2009−245493(P2009−245493)の分割
【原出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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