説明

移動通信システムとその基地局装置およびサーバ装置

【課題】通信リソースの消費を最小限に抑えることができるようにし、これにより効率の良い通信を実現すること。
【解決手段】呼制御サーバ100から着信が到来すると、各基地局CS1〜CS7はそれぞれ自局の無線ゾーン7−1〜7−7に着信先移動端末PS1が在圏するか否かを確認する。そして、着信先の移動端末PS1を配下の無線ゾーンに確認した場合にのみ着呼メッセージを送信して、リンクチャネル確立および着信処理を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IP(Internet Protocol)網などを利用して移動通信を実現する移動通信システムと、この種のシステムに用いられる基地局装置およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように既存の移動通信システムでは、移動無線端末への着信時にはこの移動端末が位置登録した呼び出しエリア内の全ての基地局に対して一斉呼び出し(一斉着信)を行うようになっている。無線区間においても一斉報知により移動端末が呼び出され、移動端末の応答に応じて回線が接続される(例えば特許文献1〜4を参照)。
【特許文献1】特開2003−259412号公報
【特許文献2】特開2001−309419号公報
【特許文献3】特開平7−162932号公報
【特許文献4】特開平6−327048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の技術では、呼び出しエリア内の全ての基地局が一斉に呼び出される。すなわち端末呼び出しが発生するたびに、基地局への有線回線リソース、さらに基地局の展開する無線リソースが呼び出しエリア内の全ての基地局において使用される。このため貴重な通信リソースが無駄に消費されることになるという不具合がある。さらには、着信させるためのチャネルが圧迫されることにより通信が行えず、呼が損失するという問題も生じることになる。
【0004】
このことは、決まった場所で移動端末を固定的に使用する場合(Wireless Local Loop:WLL)や、移動端末を半固定的に使用する(端末の移動は行うが、使用するときは固定される)場合、さらには無線メッシュネットワーク等を基地局配下に作成する場合などに、特に顕著になる。すなわち移動端末が固定的に使用される場合においても一斉呼び出しが行われるので、特に無線リソースの無駄な消費が著しく、何らかの対処が望まれている。
【0005】
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、通信リソースの消費を最小限に抑えることができるようにし、これにより効率の良い通信を実現可能な移動通信システムとその基地局装置およびサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムにおいて、前記複数の基地局装置の各々は、前記サーバ装置から前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると自装置の配下の無線ゾーンを探索して、この着信先の移動端末装置の有無を確認する探索処理部と、前記着信先の移動端末装置を配下の無線ゾーンに確認した場合に、この着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立する着信処理部とを備えることを特徴とする移動通信システムが提供される。
【0007】
このような手段を講じることにより、移動端末に着信が生じると、サーバ装置を経由してこの移動端末の在圏する呼出エリア内の基地局装置に一斉に着信メッセージが送出される。しかし実際に無線リンクを確立するための処理は、この移動端末と、その在圏先の基地局装置との間でしか実行されない。すなわち基地局装置は、自己の配下の無線ゾーンに着信先端末が在圏することを確認した場合にしか、無線リソースを消費する処理を行わない。従って通信リソースの消費を最小限に抑えることが可能になる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、通信リソースの消費を最小限に抑えることができるようになり、効率の良い通信を実現可能な移動通信システムとその基地局装置およびサーバ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、この発明に係る移動通信システムの実施の形態を示すシステム図である。このシステムは、IP網DNに接続される呼制御サーバ100と、いずれも回線交換網XNとIP網DNとに接続されるゲートウェイ装置200および管理サーバ300とを備える。このうち呼制御サーバ100は加入者網を介して基地局CS1〜CS7を収容し、これらの基地局CS1〜CS7に収容される移動端末PSに係わる、VoIP(Voice over IP)による音声通話およびデータ通信に係わる呼制御を実行する。呼制御サーバ100はデータベース(DB)101を備え、呼制御に係わる各種情報をこのデータベース101に記憶する。
特に、VoIP通信を実現するにあたりSIP(Session Initiation Protocol)を用いるのが一般的であり、その場合には呼制御サーバ100はSIPサーバとしての機能を提供する。
【0010】
ゲートウェイ装置200は加入者網を介して基地局CS8〜CSnを収容する。加入者網には固定電話端末やソフトフォンなどが接続されることもある。ゲートウェイ装置200は、配下の端末とその相手先との通信ルートを、回線交換網XNからIP網DNに適宜迂回させるなどの機能を実現する。管理サーバ300はシステム内の移動端末の位置登録などに係わる処理を行う。
図1において、呼制御サーバ100は呼出エリア(Paging Area:PA)1を展開し、ゲートウェイ装置200は呼出エリア2を展開する。呼出エリア1には移動端末PS1が在圏し、呼出エリア2には移動端末PS2、PS3が在圏するとする。各移動端末PS1〜PS3は呼出エリア内において無線プロトコルを介して基地局CSと接続され、IP網DNまたは回線交換網XNを介して通信相手方と接続する。なおIP網DNは広域イーサネット(登録商標)やIP−VPN(IP - Virtual Private Network)接続サービスなどのパケット通信網であり、NCC(New Common Carrier)の独自網などとして形成される。
【0011】
図2は図1の呼び出しエリア1を詳細に示す模式図である。呼出エリア(PA)1は基地局CS1〜CS7がそれぞれ個別に展開する無線ゾーン7−x(x=1,2,…,7)により形成される。各基地局CS1〜CS7は自己の無線ゾーン内に在圏する移動端末と無線回線を介して通信する。以下の説明では、図1の移動端末PS1は基地局CS1の展開する無線ゾーン7−1に在圏するとする。なお図2では基地局CS1およびそれに隣接する基地局CS2〜CS7のみ図示するが、システムによってはその外側にも基地局(および無線ゾーン)は存在する。
【0012】
既存の技術では呼出エリア1に在圏するとされる移動端末への着呼が生じると、呼制御サーバ100は全ての基地局CS1〜CS7に一斉に着信メッセージを送信する。これに応じて基地局CS1〜CS7は、一斉に無線リンクの制御チャネルをアクティブにし、着信先端末からの応答を待ち受ける。以上を基本的なシステム構成として、次にこの発明の実施形態につき詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
この実施形態は、請求項1,2,9,10に対応する。
図3は、基地局CS1の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。CS2〜CS7も同様である。図3において基地局CS1は、サーチ処理部C1と着信処理部C2とを備える。
このうちサーチ処理部C1は、呼制御サーバ100から移動端末PS1に宛てた着信(例えばINVITEメッセージ)を受信すると、自装置の配下の無線ゾーン7−1を探索して、移動端末PS1の有無を確認する。着信処理部C2は、移動端末PS1を無線ゾーン7−1に確認した場合に移動端末PS1と自局との間に無線リンクを確立する。
【0014】
特にサーチ処理部C1は、着信を受信した際に、PS1に宛てた確認要求パケットを無線ゾーン7−1に送出する。そして、この確認要求パケットに対する確認応答パケットを受信することに成功した場合に、移動端末PS1が自配下の無線ゾーン7−1に在圏することを確認する。ここで他の基地局CS2〜CS7にも同様に呼制御サーバ100から着信が到達する。基地局CS2〜CS7はそれぞれ時は以下の無線ゾーン7−2〜7−7に確認要求パケットを送出するが、先に述べたように移動端末PS1は無線ゾーン7−1に在圏する。従って基地局CS2〜CS7は確認応答パケットを受信することに失敗(タイムアウト)する。
【0015】
図4は、移動端末PS1の第1の実施形態を示す機能ブロック図である。移動端末PS2,PS3も同様である。以下の説明では移動端末PS1〜PS3としてPHS(Personal Handy-phone System)端末を例にとる。
移動端末PS1は、アンテナ11を備える無線部10と、モデム部20と、TDMA部30と、スピーカ43およびマイクロホン(M)44を備える通話部40と、着信報知部50と、メモリ部60と、ユーザインターフェイス部70と、バッテリ80と、バッテリ監視部90と、制御部100とを備える。
【0016】
基地局CSから無線通話チャネルを介して送られる無線周波信号はアンテナ11で受信され、無線部10の高周波スイッチ(SW)12を介して受信部13に入力される。受信部13では、この無線周波信号が周波数シンセサイザ14から発生された受信局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号に周波数変換される。周波数シンセサイザ14の発振周波数は無線チャネル周波数に応じて制御部100から指示される。無線部10には受信電界強度検出部(RSSI)16が設けられる。この受信電界強度検出部16では基地局CSから到来する無線周波信号の受信電界強度(RSSI値)が検出され、その検出値は制御部100に通知される。
【0017】
受信部13から出力された受信中間周波信号はモデム部20の復調部21に入力される。復調部21は受信中間周波信号をディジタル復調し、これによりディジタル通話信号が再生される。TDMA部30のTDMAデコード部31では、制御部100の指示に従ってタイムスロットごとに上記ディジタル通話信号が分解される。この分解された複数のディジタル通話信号のうち、自機宛てのスロットのディジタル通話信号が通話部40に入力される。
【0018】
通話部40は、適応差分PCMトランスコーダ(ADPCM TRANS CODER)41とPCMコーデック(PCM CODEC)42とを備え、ディジタル通話信号はこの適応差分PCMトランスコーダ41およびPCMコーデック42で順次復号されてアナログ通話信号に再生される。そして、このアナログ通話信号は受話増幅器(図示せず)で増幅されスピーカ43から拡声出力される。
【0019】
一方、マイクロホン44に入力された送話音声は、PCMコーデック42および適応差分PCMトランスコーダ41で順次符号化されてディジタル通話信号となり、TDMAエンコード部32に入力される。TDMAエンコード部32では、適応差分トランスコーダ41から出力されるディジタル通話信号が制御部100から指示されたタイムスロットに挿入され、変調部22に入力される。変調部22では、ディジタル通話信号により搬送波信号がディジタル変調される。このようにして変調された搬送波信号は、送信部15に入力される。
【0020】
送信部15では、変調された搬送波信号が周波数シンセサイザ14から発生された送信局部発振信号とミキシングされることにより、制御部100から指示される無線チャネル周波数に周波数変換されて所定の送信電力レベルに増幅される。そして送信部15にて周波数変換および信号増幅された無線周波信号は高周波スイッチ12を介してアンテナ11から基地局CSに向け送信される。
【0021】
着信報知部50は、移動端末PS1宛てに着信があると制御部100の制御によりユーザに着信を報知するもので、可聴音を発して報知を行なう発音体51と、発光により報知を行なう発光体52と、例えば偏心モータなどにより振動を発生して報知を行なう振動体53などを備える。
【0022】
メモリ部60は半導体メモリを記憶媒体とするもので、この記憶媒体には制御部100の制御プログラムや認証に必要な自端末のIDデータのほか、種々の制御データ、各種設定データ、短縮ダイヤルや電話帳などのダイヤルデータが記憶される。
【0023】
ユーザインターフェイス部70は、表示部71とキー入力部72とからなる。表示部71は、自機の状態(発信/着信、バッテリ残量、受信強度)やメモリ部60から読み出したダイヤルデータなどを例えばLCD(Liquid Crystal Display)に表示し、ユーザに各種情報を視覚的に示す。
【0024】
キー入力部72は、ダイヤル番号入力を行なうためのテンキーなど発着信に関わる通常の機能を実施するためのキーの他、着信報知方法(可聴音/発光/バイブレータ/報知なし)の切り換えなどの各種設定を行なうための機能設定キーを備える。バッテリ80は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池からなるもので、移動端末PS1に駆動電力を供給する。バッテリ監視部90はバッテリ80を監視するもので、このバッテリの残量を検出して制御部100に通知する。
【0025】
制御部100は、マイクロコンピュータを主制御部として備えたもので、図4の各部を制御して移動通信を実現したり、キー入力部72から与えられるユーザの要求に応じてメモリ部60に記憶されるダイヤルデータの編集制御などの、種々の制御を行う。
【0026】
ところで、制御部100は、この実施形態に係わる処理機能として応答処理部400aを備える。応答処理部400aは、自装置に宛てた確認要求パケットを受信した場合に、この確認要求パケットの送出元の基地局に確認応答パケットを送信する。なお確認要求パケット、確認応答パケットはいずれも数バイト程度の簡易メッセージである。次に、上記構成における動作を説明する。
【0027】
図5は、この実施形態において移動端末PS1に着信が生じた際の、呼制御サーバ100、基地局CS1、および移動端末PS1の処理手順を示すシーケンスフローである。図5において呼制御サーバ100がIP網DNから移動端末PS1に宛てた着信を受信すると(ステップS11)、呼出エリア1の全ての基地局CS1〜CS7に対して着信を送信する(ステップS12)
このうち基地局CS1は、呼制御サーバ100からの着信を受信すると(ステップS21)、宛先の端末情報(電話番号など)を記載した確認要求パケットを無線区間に送信する(ステップS22)。
これを受けた移動端末PS1は確認要求パケットの受信後(ステップS31)、自己宛ての確認要求パケットであることを端末情報により確認し、確認応答パケットを基地局CS1に返送する(ステップS32)。
【0028】
これを受けた基地局CS1は、確認応答パケットの受信後(ステップS23)、移動端末PS1に向け着呼メッセージを送信し、リンクチャネル確立処理、すなわち無線区間でのチャネル確立処理を行う(ステップS24)。移動端末PS1は着呼メッセージを受信すると着呼応答を基地局CS1に返し、ユーザへの着呼報知動作とともにリンクチャネル確立処理を実施する(ステップS33)。その後、既知の着信処理シーケンスが実行され(ステップS25、ステップS34)、ユーザの応答操作を待つ状態となる。
【0029】
図6は以上の手順における基地局CS1の処理手順をまとめたフローチャートである。ステップS61の着信待ち受け状態から着信が到来すると(ステップS61でYes)、基地局CS1は着信先の移動端末を探索(サーチ)し(ステップS62)、応答があった場合にのみ(ステップS63でYes)、着呼メッセージ送信(ステップS66)、リンクチャネル確立処理を経て(ステップS64)着信処理を実施する(ステップS65)。
【0030】
以上説明したようにこの実施形態では、呼制御サーバ100から着信が到来すると、各基地局CS1〜CS7はそれぞれ自局の無線ゾーン7−1〜7−7に着信先移動端末PS1が在圏するか否かを確認する。そして、着信先の移動端末PS1を配下の無線ゾーンに確認した場合にのみ着呼メッセージを送信して、リンクチャネル確立および着信処理を実施するようにしている。すなわち、着信が呼制御サーバ100に達してから全ての基地局にこの着信が転送されたのち、それ以降の処理に先立って、相手先移動端末を収容する基地局が特定される。そして、この基地局からのみ、それ以降の処理を実施するようにしているので、無線リソースを消費する基地局はただ一つとなる。従って無線リソースの消費を最小限にすることができ、これにより通信の効率を大きく高めることが可能になる。
【0031】
[第2の実施形態]
この実施形態は、請求項3,4,11,12に対応する。
図7は、図3のサーチ処理部C1による作用の一例を説明するための模式図である。無線ゾーンは単一のエリアである(オムニディレクトリ)場合も有れば、複数のサブエリアから形成される場合もある。例えば無線ゾーン7−1が4つのサブエリアA〜Dに分割されているとする。もちろん4つに限らず、6分割、8分割あるいはそれより多いか、3または2分割でも良い。
【0032】
サーチ処理部C1は無線ゾーン7−1において移動端末PS1を探索するが、大きく2通りの方法がある。一つの方法は、各サブエリアA〜Dをまとめて一斉に捜索する方法である。他の方法は、図7(a)〜(c)に示すように、サブエリアA〜Dを順次時分割的に、個別に探索する方法である。図7(a)〜(c)ではサブエリアA〜Cの順にサーチすることが示され、次にサブエリアDに至ることも容易に類推できる。すなわちサーチ処理部C1はサブエリアA〜Dに順次確認要求パケットを送出し、その応答を待つ。このようにして移動端末の現在位置をスキャン(探索)するようにする。
【0033】
このような手法は、基地局にアダプティブアレイアンテナなどを搭載してビーム成型すれば容易に実現できる。なお確認要求パケットの送出にあたっては全てのサブエリアを対象とし、確認応答のあったサブエリアにのみリンクチャネルを確立するようにしても良い。
【0034】
[第3の実施形態]
この実施形態は、請求項5,13に対応する。
図8は、基地局CS1の第3の実施形態を示す機能ブロック図である。CS2〜CS7も同様である。図8において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。図8において基地局CS1は、登録処理部C3と、データベース(DB)900を備える。データベース900には、基地局CS1の配下の無線ゾーン7−1に在圏する移動端末に関する情報をデータベース化した、移動端末情報が記憶される。登録処理部C3は、配下の移動端末から無線ゾーン切り替えの旨を通知されると、この通知元の移動端末を移動端末情報900aに登録する。
【0035】
なお着信処理部C2は、呼制御サーバ100から移動端末に宛てた着信を受信すると、この着信先の移動端末が移動端末情報900aに登録されている場合に、着信先の移動端末との間に無線リンクを確立する。
【0036】
図9は、移動端末PS1の第3の実施形態を示す機能ブロック図である。移動端末PS2,PS3も同様である。図9において図4と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。図9において移動端末PS1の制御部400は、通知処理部400bを備える。通知処理部400bは、無線ゾーン間の移動により在圏先の基地局が切り替わると、その旨を示すメッセージを新たな在圏先の基地局に宛てて通知する。例えば移動端末PS1が無線ゾーン7−3から7−1へと移動すると、移動端末PS1の通知処理部400bは基地局CS1にその旨を通知する。すなわち図10に示すように、在圏先の基地局ID(Identification)が変化したことを制御チャネル情報などから認識すると(ステップS101)、移動端末PS1は無線ゾーンを移動したことを基地局CS1に通知する(ステップS102)。
【0037】
図11は、図8の基地局CS1の処理手順を示すフローチャートである。図11において移動端末からの通知があれば(ステップS111でYes)、基地局CS1はその移動端末のIDをデータベース900の移動端末情報900aに登録する(ステップS113)。通知が無ければ(ステップS111でNo)、基地局CS1は例えば定期的に無線ゾーン7−1をスキャンして移動端末を探索(サーチ)し、(ステップS112)見つかれば移動端末情報900aに登録する。
【0038】
この状態から着信があれば(ステップS114でYes)、基地局CS1は着信先移動端末がデータベース900に登録されているか否かを判定し、登録された端末であれば(ステップS115でYes)、以降、この移動端末に対して図6と同じ手順(ステップS64,S65)を実行する。
【0039】
この実施形態では、着信に先立ち、配下の移動端末を基地局CS1〜CS7が認識してデータベースに登録する。そして呼制御サーバ100からの着信は一斉に基地局CS1〜CS7に達するが、着信先移動端末の登録のある(従って現時点で在圏している)基地局のみからリンク確立シーケンスを実行するようにしている。このようにしても本発明の目的を達成することができる。
【0040】
[第4の実施形態]
この実施形態は、請求項6,7,14,15に対応する。
図12は、基地局CS1および呼制御サーバ100の第4の実施形態を示す機能ブロック図である。CS2〜CS7も同様である。図12において図8と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。図12において基地局CS1は、応答処理部C4を備える。呼制御サーバ100は、特定処理部100aと、呼制御部100bとを備える。
【0041】
特定処理部100aは、移動端末に宛てた着信を受信するとこの着信先の移動端末の在圏先の基地局を特定する。呼制御部100bは、特定処理部100aにより特定された基地局と着信先の移動端末との間に無線リンクを確立すべく呼制御を実施する。
特に特定処理部100aは、着信を受信した際に着信先の移動端末の在圏の有無を基地局CS1〜CS7に問い合わせ、この問い合わせに応答した基地局を着信先の移動端末の在圏先の基地局として特定する。この問い合わせを受けて応答を返す処理は、応答処理部C4により実施される。すなわち応答処理部C4は、着信先の移動端末が配下の無線ゾーンに在圏する場合に、呼制御サーバ100からの問い合わせに応答する。
【0042】
図13は、図12の呼制御サーバ100の処理手順を示すフローチャートである。図13において待ち受けから着信が発生すると(ステップS131でYes)、呼制御サーバ100は着信先の基地局を特定するか否かを判定する(ステップS132)。特定しないのであれば、呼制御サーバ100は全ての基地局CS1〜CS7に着信を送信し(ステップS133)、以降、図5のシーケンスフローが実行される。
【0043】
特定するのであれば(ステップS132でYes)、呼制御サーバ100は着信先の移動端末の在圏の有無を、何らかのメッセージにより全ての基地局CS1〜CS7に問い合わせる(ステップS134)。この問い合わせに応答が無ければNGとなるが、応答があれば(ステップS135でYes)、呼制御サーバ100はここで特定された基地局にのみ着信を送信する(ステップS136)。
【0044】
このように、着信時に呼制御サーバ100の主導により着信を送るべき基地局を特定し、この一つの基地局に対してのみ着信メッセージを落とすことによっても本発明の目的は達成される。
【0045】
[第5の実施形態]
この実施形態は、請求項8,16に対応する。
図14は、呼制御サーバ100の第5の実施形態を示す機能ブロック図である。図14の呼制御サーバ100は、登録処理部100cと、データベース(DB)101とを備える。データベース101は移動端末情報101aを記憶する。移動端末情報101aは、呼制御サーバ100が配下とする呼出エリア1に在圏する移動端末を、それぞれ在圏先の基地局に対応付けてデータベース化したデータベースである。
【0046】
登録処理部100cは、基地局装置を経由して移動端末からの位置通知メッセージを受信すると、このメッセージの通知元の移動端末を、この位置通知メッセージを経由した基地局に対応付けて移動端末情報101aに登録する。なお呼制御サーバ100の呼制御部100bは、移動端末に宛てた着信を受信すると、この着信先の移動端末が移動端末情報101aに登録されている場合に、この着信先の移動端末とその在圏先の基地局との間に無線リンクを確立すべく呼制御を実施する。
【0047】
また移動端末PS1は、第3の実施形態(図9)と同様に、無線ゾーン間の移動により在圏先の基地局が切り替わると、その旨を示すメッセージを新たな在圏先の基地局に宛てて通知する。第5の実施形態では、このメッセージが基地局を経て呼制御サーバ100にまで転送される。
【0048】
図15は、図14の呼制御サーバ100の処理手順を示すフローチャートである。図15において位置登録があると、すなわち移動端末から在圏先無線ゾーン切り替えの通知メッセージを受けると(ステップS151でYes)、呼制御サーバ100はこの移動端末とその在圏先の基地局とをセットとしてデータベース101の移動端末情報101aに登録する(ステップS152)。
【0049】
その後着信があると(ステップS153でYes)、呼制御サーバ100はデータベース101の内容から、着信先の移動端末を収容する基地局を特定し(ステップS154)、この特定した基地局にのみ着信を送信する(ステップS155)。このように移動端末の位置に関する情報を呼制御サーバ100に持たせ、着信発生時または定期的に、呼制御サーバ100が基地局に移動端末の有無を確認する。そして、着信先移動端末の在圏する基地局にのみ着信を落とすようにする。このようにすることでも本発明の目的は達成される。
【0050】
以上述べたように上記各実施形態1〜5によれば、本発明の目的は達成される。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば移動端末PS1〜PS3はPHS端末に限らず、CDMA端末などのモバイルフォン端末や、無線LAN(Local Area Network)を介して通信するソフトフォン端末、あるいは通話機能を備えるPDA(Personal Digital Assistants)端末であっても良い。
【0051】
また、呼接続処理に用いる端末情報(端末ID)は電話番号に限らない。例えば在圏先呼出エリア(または無線ゾーン)の識別子であっても良い。このようにするとシーケンスに用いられるメッセージの情報量を格段に少なくすることができるので、通信リソースの消費をさらに抑えることが可能になる。
また呼制御サーバ100の機能をゲートウェイ装置に実装し、回線交換網XNに接続しても良い。このほか、呼制御サーバ100やゲートウェイ装置200に主要される基地局の数などももちろん変更可能である。
【0052】
さらに、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明に係る移動通信システムの実施の形態を示すシステム図。
【図2】図1の呼び出しエリア1を詳細に示す模式図。
【図3】この発明に係る移動通信システムにおける基地局CS1の第1の実施形態を示す機能ブロック図。
【図4】この発明に係る移動通信システムにおける移動端末PS1の第1の実施形態を示す機能ブロック図。
【図5】この発明の第1の実施形態において移動端末PS1に着信が生じた際の、呼制御サーバ100、基地局CS1、および移動端末PS1の処理手順を示すシーケンスフローを示す図。
【図6】図5のシーケンスにおける基地局CS1の処理手順をまとめたフローチャート。
【図7】図3のサーチ処理部C1による作用の一例を説明するための模式図。
【図8】基地局CS1の第3の実施形態を示す機能ブロック図。
【図9】移動端末PS1の第3の実施形態を示す機能ブロック図。
【図10】図9の移動端末PS1の処理手順を示すフローチャート。
【図11】図8の基地局CS1の処理手順を示すフローチャート。
【図12】基地局CS1および呼制御サーバ100の第4の実施形態を示す機能ブロック図。
【図13】図12の呼制御サーバ100の処理手順を示すフローチャート。
【図14】呼制御サーバ100の第5の実施形態を示す機能ブロック図。
【図15】図14の呼制御サーバ100の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0054】
DN…IP網、100…呼制御サーバ、XN…回線交換網、200…ゲートウェイ装置、300…管理サーバ、CS1〜CS7,CS8〜CSn…基地局、101…データベース(DB)、PS1〜PS3…移動端末、7−1〜7−7…無線ゾーン、C1…サーチ処理部、C2…着信処理部、10…無線部、11…アンテナ、13…受信部、14…周波数シンセサイザ、15…送信部、16…受信電界強度検出部(RSSI)、20…モデム部、21…復調部、22…変調部、30…TDMA部、31…TDMAデコード部、32…TDMAエンコード部、40…通話部、41…適応差分PCMトランスコーダ(ADPCM TRANS CODER)、42…PCMコーデック(PCM CODEC)、43…スピーカ、44…マイクロホン(M)、50…着信報知部、51…発音体、52…発光体、53…振動体、60…メモリ部、70…ユーザインターフェイス部、71…表示部、72…キー入力部、80…バッテリ、90…バッテリ監視部、400…制御部、400a…応答処理部、A〜D…サブエリア、C3…登録処理部、900…データベース、900a…移動端末情報、400b…通知処理部、C4…応答処理部、100a…特定処理部、100b…呼制御部、100c…登録処理部、101…データベース、101a…移動端末情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムにおいて、
前記複数の基地局装置の各々は、
前記サーバ装置から前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると自装置の配下の無線ゾーンを探索して、この着信先の移動端末装置の有無を確認する探索処理部と、
前記着信先の移動端末装置を配下の無線ゾーンに確認した場合に、この着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立する着信処理部とを備えることを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記探索処理部は、
前記着信を受信した際に、前記着信先の移動端末装置に宛てた確認要求パケットを前記配下の無線ゾーンに送出し、この確認要求パケットに対する確認応答パケットを受信した場合に、当該着信先の移動端末装置が当該配下の無線ゾーンに在圏することを確認し、
前記移動端末装置は、
自装置に宛てた前記確認要求パケットを受信した場合に、この確認要求パケットの送出元の基地局装置に前記確認応答パケットを送信する応答処理部を備えることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記無線ゾーンが複数のサブエリアから形成される場合に、
前記探索処理部は、前記確認要求パケットを前記複数のサブエリアに一斉に送出することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記無線ゾーンが複数のサブエリアから形成される場合に、
前記探索処理部は、前記確認要求パケットを前記複数のサブエリアに順次送出することを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。
【請求項5】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムにおいて、
前記移動端末装置は、
前記無線ゾーン間の移動により在圏先の基地局装置が切り替わるとその旨を示すメッセージを新たな在圏先の基地局装置に宛てて通知する通知処理部を備え、
前記複数の基地局装置の各々は、
配下の無線ゾーンに在圏する移動端末装置に関する情報をデータベース化した移動端末情報データベースと、
前記メッセージを受信するとこのメッセージの通知元の移動端末装置を前記移動端末情報データベースに登録する登録処理部と、
前記サーバ装置から前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると、この着信先の移動端末装置が前記移動端末情報データベースに登録されている場合に、この着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立する着信処理部とを備えることを特徴とする移動通信システム。
【請求項6】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記移動端末装置に宛てた着信を受信するとこの着信先の移動端末装置の在圏先の基地局装置を特定する特定処理部と、
前記特定された基地局装置と前記着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立すべく呼制御を実施する呼制御部とを備えることを特徴とする移動通信システム。
【請求項7】
前記特定処理部は、
前記着信を受信した際に前記着信先の移動端末装置の在圏の有無を前記複数の基地局装置に問い合わせ、この問い合わせに応答した基地局装置を当該着信先の移動端末装置の在圏先の基地局装置と特定し、
前記複数の基地局装置の各々は、
前記着信先の移動端末装置が配下の無線ゾーンに在圏する場合に前記問い合わせに応答する応答処理部を備えることを特徴とする請求項6に記載の移動通信システム。
【請求項8】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムにおいて、
前記移動端末装置は、
前記無線ゾーン間の移動により在圏先の基地局装置が切り替わるとその旨を示すメッセージを新たな在圏先の基地局装置に宛てて通知する通知処理部を備え、
前記サーバ装置は、
配下の呼出エリアに在圏する移動端末装置をそれぞれ在圏先の基地局装置に対応付けてデータベース化した移動端末情報データベースと、
前記基地局装置を経由して前記メッセージを受信するとこのメッセージの通知元の移動端末装置を当該メッセージを経由した基地局装置に対応付けて前記移動端末情報データベースに登録する登録処理部と、
前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると、この着信先の移動端末装置が前記移動端末情報データベースに登録されている場合に、この着信先の移動端末装置とその在圏先の基地局装置との間に無線リンクを確立すべく呼制御を実施する呼制御部とを備えることを特徴とする移動通信システム。
【請求項9】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムに用いられる前記基地局装置において、
前記サーバ装置から前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると自装置の配下の無線ゾーンを探索して、この着信先の移動端末装置の有無を確認する探索処理部と、
前記着信先の移動端末装置を配下の無線ゾーンに確認した場合に、この着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立する着信処理部とを備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項10】
前記探索処理部は、
前記着信を受信した際に、前記着信先の移動端末装置に宛てた確認要求パケットを前記配下の無線ゾーンに送出し、この確認要求パケットに対する確認応答パケットを受信した場合に、当該着信先の移動端末装置が当該配下の無線ゾーンに在圏することを確認することを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記無線ゾーンが複数のサブエリアから形成される場合に、
前記探索処理部は、前記確認要求パケットを前記複数のサブエリアに一斉に送出することを特徴とする請求項10に記載の基地局装置。
【請求項12】
前記無線ゾーンが複数のサブエリアから形成される場合に、
前記探索処理部は、前記確認要求パケットを前記複数のサブエリアに順次送出することを特徴とする請求項10に記載の基地局装置。
【請求項13】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムに用いられる前記基地局装置において、
配下の無線ゾーンに在圏する移動端末装置に関する情報をデータベース化した移動端末情報データベースと、
前記無線ゾーン間の移動により在圏先の基地局装置が切り替わることにより前記移動端末装置から通知されるメッセージを受信するとこのメッセージの通知元の移動端末装置を前記移動端末情報データベースに登録する登録処理部と、
前記サーバ装置から前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると、この着信先の移動端末装置が前記移動端末情報データベースに登録されている場合に、この着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立する着信処理部とを備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項14】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムに用いられる前記サーバ装置において、
前記移動端末装置に宛てた着信を受信するとこの着信先の移動端末装置の在圏先の基地局装置を特定する特定処理部と、
前記特定された基地局装置と前記着信先の移動端末装置との間に無線リンクを確立すべく呼制御を実施する呼制御部とを備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項15】
前記特定処理部は、
前記着信を受信した際に前記着信先の移動端末装置の在圏の有無を前記複数の基地局装置に問い合わせ、この問い合わせに応答した基地局装置を当該着信先の移動端末装置の在圏先の基地局装置と特定することを特徴とする請求項14に記載のサーバ装置。
【請求項16】
それぞれ個別に無線ゾーンを展開する複数の基地局装置と、これらの基地局装置のいずれかに無線チャネルを介して接続される移動端末装置と、前記複数の基地局装置を収容してこれらの基地局装置により展開される無線ゾーン群により形成される呼出エリアに在圏する移動端末装置に係わる呼制御を実施するサーバ装置とを具備する移動通信システムに用いられる前記サーバ装置において、
配下の呼出エリアに在圏する移動端末装置をそれぞれ在圏先の基地局装置に対応付けてデータベース化した移動端末情報データベースと、
前記無線ゾーン間の移動により在圏先の基地局装置が切り替わることにより前記移動端末装置から通知されるメッセージを前記基地局装置を経由して受信すると、このメッセージの通知元の移動端末装置を当該メッセージを経由した基地局装置に対応付けて前記移動端末情報データベースに登録する登録処理部と、
前記移動端末装置に宛てた着信を受信すると、この着信先の移動端末装置が前記移動端末情報データベースに登録されている場合に、この着信先の移動端末装置とその在圏先の基地局装置との間に無線リンクを確立すべく呼制御を実施する呼制御部とを備えることを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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