説明

移動通信システムにおけるアップリンクリソースの割当て

【課題】移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する方法を提供する。
【解決手段】移動端末は、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、コンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信することができ、このリソース要求への応答において、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信することができる。移動端末は、リソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信することができる。移動局は、スケジューリング情報の送信への応答において、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する方法および移動端末に関する。さらに、本発明は、移動端末にアップリンクリソースを割り当てるネットワークエンティティに関する。
【背景技術】
【0002】
WCDMA無線アクセス技術に基づく第3世代移動体システム(3G)は、世界中で広範にわたり配備されつつある。この技術を機能強化あるいは進化・発展させるうえでの最初のステップは、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)と、エンハンストアップリンク(高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)とも称する)とを導入することであり、これにより、極めて競争力の高い無線アクセス技術が提供される。
【0003】
しかしながら、3GPPは、ユーザおよび事業者からの要求条件や期待がますます増大していることを認識し、3Gの長期にわたる競争力を確保するため、3G標準規格の次の大きなステップまたは進化・発展を考慮し始めている。最近になって、3GPPは、開発テーマ「Evolved UTRA and UTRAN」に着手した。この開発では、サービス提供の質を高め、ユーザ側および事業者側のコストを低減する目的で、パフォーマンスの大幅な向上を達成する手段について検討される予定である。この場合、今後はインターネットプロトコル(IP)を使用する方向に収束し、今後のサービスのすべてがIPをベースに実行されることを想定している。従って、進化・発展の中心的な課題は、パケット交換(PS)ドメインを向上させることである。
【0004】
この進化・発展の主たる目的は、上述したように、サービス提供の質をさらに高めることと、ユーザ側および事業者側のコストを低減することである。より具体的には、LTE(long-term evolution:ロングタームエボリューション)のパフォーマンスおよび能力の重要な目標として、特に以下が挙げられる。
【0005】
■ HSDPAおよびHSUPAと比較して大幅に高いデータレート(目標の最大データレートとして、100Mbps以上(ダウンリンク)および50Mbps以上(アップリンク)が想定されている)
■ 高いデータレートと広範なカバレッジ
■ ユーザプレーンにおけるレイテンシを大幅に低減させること。これは、上位層のプロトコル(例えば、TCP)のパフォーマンスを向上させることと、制御プレーン手順(例えば、セッションの確立)に関連付けられる遅延を低減させることとを目的としている。
■ 現在の標準規格と比較して3倍のシステム容量
【0006】
LTE(ロングタームエボリューション)のもう1つの重要な要件として、これらの技術にスムーズに移行できることが挙げられる。
【0007】
LTEにおけるアップリンクアクセス方式
アップリンク送信においては、カバレッジを最大にするため、ユーザ端末による電力効率の高い送信が必要である。E−UTRAアップリンク送信方式としては、シングルキャリア伝送(single-carrier transmission)と、FDMAおよび動的な帯域幅割当てとを組み合わせた方式が選択されている。シングルキャリア伝送が選択された主たる理由は、マルチキャリア信号(例えば、OFDMA)と比較して、ピーク対平均電力比(PAPR)が小さいこと、対応する電力増幅器の効率が高いこと、想定されるカバレッジが広い(特定の端末ピーク電力におけるデータレートが高い)ことである。ノードBは、ユーザデータを送信するための特定の時間リソース/周波数リソースを各時間間隔においてユーザに割り当て、これによって、セル内の直交性が確保される。アップリンクにおける直交性のアクセスによって、セル内干渉が排除されることによりスペクトル効率が高まる。マルチパス伝搬に起因する干渉については、基地局(ノードB)が、送信信号に挿入されるサイクリックプレフィックス(cyclic prefix)を用いて対処する。
【0008】
データ送信に使用される基本的な物理リソースは、1送信時間間隔(例えば、0.5msのサブフレーム)の間のサイズBWgrantの周波数リソースから構成される(符号化された情報ビットはこのリソースにマッピングされる)。このとき、サブフレーム(送信時間間隔(TTI)とも称する)は、ユーザデータを送信するための最小の時間間隔である。しかしながら、サブフレームを連結することにより、1TTIよりも長い時間にわたる周波数リソースBWgrantをユーザに割り当てることも可能である。
【0009】
周波数リソースは、図3および図4に示したように、局在型スペクトル(localized spectrum)、または分散型スペクトル(distributed spectrum)のいずれかとすることができる。図3に示したように、局在型のシングルキャリアは、送信信号が、利用可能な全スペクトルの一部を占める連続的なスペクトルを有することを特徴とする。送信信号のシンボルレートが異なる(すなわち、データレートが異なる)ことは、局在型のシングルキャリア信号の帯域幅が異なることを意味する。
【0010】
これに対して、図4に示したように、分散型のシングルキャリアは、送信信号が、システム帯域幅の全体にわたり分散している不連続な(「櫛状の」)スペクトルを有することを特徴とする。ただし、分散型のシングルキャリア信号はシステム帯域幅の全体にわたり分散しているが、占有するスペクトルの合計量は、本質的には、局在型のシングルキャリアの全スペクトル量と同じである。さらには、シンボルレートが高い/低いことは、「櫛の刃」の数が多い/少ないことであるが、「櫛の刃」それぞれの「帯域幅」は同じままである。
【0011】
図4に示したスペクトルは、一見すると、櫛の刃のそれぞれが「サブキャリア」に対応するマルチキャリア信号のような印象を与える。しかしながら、分散型のシングルキャリア信号の時間領域の信号生成からは、対応するピーク対平均電力比が低い真のシングルキャリア信号が生成されることが明らかである。
【0012】
分散型のシングルキャリア信号とマルチキャリア信号(例えば、OFDM)との間の重要な違いは、シングルキャリア信号では、「サブキャリア」または「櫛の刃」のそれぞれが1つの変調シンボルを伝えるのではないことである。そうではなく、「櫛の刃」それぞれは、すべての変調シンボルに関する情報を伝える。これにより、櫛の刃の間に依存性が生じ、結果としてPAPR特性が低い。さらに、「櫛の刃」の間のこの依存性の結果として、送信帯域幅全体にわたりチャネルが周波数非選択性(frequency-non-selective)でない限りは、等化の必要性が生じる。これに対して、OFDMの場合、サブキャリアの帯域幅全体にわたりチャネルが周波数非選択性である限りは等化は必要ない。
【0013】
分散型送信では、局在型送信よりも大きな周波数ダイバーシチゲインを提供でき、一方で、局在型送信では、チャネルに応じたスケジューリングをより容易に行うことができる。なお、多くの場合、スケジューリングの決定では、高いデータレートを達成するため1つのUEに帯域幅全体を与えるように決定することができる。
【0014】
アップリンクのスケジューリング方式
アップリンクの方式は、スケジューリング制御式(ノードBによって制御される)アクセスと、コンテンションベースのアクセスの両方を行うことができる方式とすべきである。スケジューリング制御式アクセスの場合、アップリンクデータ送信用として、特定の時間長の特定の周波数リソース(すなわち、時間/周波数リソース)が、UEに動的に割り当てられる。
【0015】
コンテンションベースのアクセス用に、いくらかの時間/周波数リソースを割り当てることができる。UEは、最初にスケジューリングされることなく、これらの時間/周波数リソースの範囲内で送信することができる。
【0016】
スケジューリング制御式アクセスの場合、ノードBのスケジューラが、アップリンクデータ送信のための固有の周波数/時間リソースをユーザに割り当てる。スケジューラは、例えば以下を決定する。
【0017】
■ 送信を許可する(1つ以上の)UE
■ 物理チャネルリソース(周波数)
■ リソースを使用できる期間(サブフレームの数)
■ 移動端末が送信に使用するトランスポートフォーマット(例えば、変調符号化方式(MCS))
【0018】
割当て情報は、ダウンリンク制御チャネル上で送信されるスケジューリング許可を通じてUEにシグナリングされる。LTEにおいては、このダウンリンク制御チャネルは、簡潔にLTE_HS_SCCH(Long Term Evolution - High Speed - Shared Control Channel)とも称する。スケジューリング許可メッセージは、周波数帯域のうちUEが使用することを許可する部分と、局在型スペクトルまたは分散型スペクトルのどちらを使用すべきであるかと、許可の有効期間と、最大データレートとに関する情報を少なくとも含んでいる。最も短い有効期間は、1サブフレームである。許可メッセージには、選択される方式に応じて、追加の情報も含めることができる。
【0019】
アップリンク上でのデータ送信は、スケジューリング許可を通じてUEに割り当てられる時間/周波数リソースを使用するときにのみ許可される。UEが有効な許可を持たない場合、アップリンクデータを送信することは許可されない。各UEに専用チャネルが必ず割り当てられるHSUPAの場合とは異なり、データ送信用には、複数のユーザによって共有される1つのアップリンクデータチャネル(UL−SCH:UpLink Shared CHannel)のみが存在する。さらには、LTEにおけるアップリンクデータアクセスの動作モードは、上述したスケジューリング制御式アクセスの1つのみであり、スケジューリング制御式送信と自発的送信(autonomous transmission)の両方が可能であるHSUPAとは異なる。
【0020】
UEは、リソースを要求する目的で、リソース要求メッセージをノードBに送信する。このリソース要求メッセージは、例えば、送信するデータの量に関する情報、UEの電力ステータス、サービス品質(QoS)に関連する情報を含んでいることができる。これらの情報(以下ではスケジューリング情報と称する)により、ノードBは適切なリソース割当てを行うことができる。
【0021】
リソース要求は、上述したスケジューリング制御式アクセスと比較されるコンテンションベースのアクセスを使用して送信される。しかしながら、UEが有効な許可をすでに有する場合(例えば、データ送信が進行中である場合)、リソース要求の更新を、許可されているリソースを使用して(例えば、MACヘッダの一部として、あるいはMAC制御PDUとして)送信することができる。コンテンションベースのアクセスは、通常のスケジューリング制御式アクセス(ノードBが1人のユーザに物理リソースを割り当てる)の特殊な場合と考えることができる。コンテンションベースのアクセスの場合、アップリンク送信のための物理リソース(サブキャリア)が複数のUEに割り当てられ、これらのUEによって共有される。コンテンションベースのチャネル(contention-based channel)(ランダムアクセスチャネルとも称する)の割当ては、セル内のすべてのUEがこの情報にアクセスできるように、例えばブロードキャストチャネル上でシグナリングされる。
【0022】
図5は、コンテンションベースのアクセスを行うための例示的な割当てを示している。ランダムアクセスチャネルの帯域幅は、例えば、同時にアクセスするユーザの推定数と、そのチャネル上で送信されるメッセージのサイズとに応じたものとすることができる。図示した例においては、ランダムアクセスチャネルはTDM方式で割り当てられ、フレームを形成しているX個のサブフレームのうちの1つが、周波数帯域全体にわたり、コンテンションベースのアクセス用に予約される。しかしながら、周波数ダイバーシチ利得がさらに得られるように、分散型スペクトルとして、全帯域幅のうちの一部のみをランダムアクセス用に割り当てることも可能である。
【0023】
このアクセスはスケジューリングされないため、複数のUEがランダムアクセスチャネルに同時にアクセスし、結果として衝突が生じる可能性が存在する。さまざまな送信を区別する目的で、UEに固有なスクランブリングおよび処理の利得(scrambling and processing gain)を利用することができる。コンテンションベースのアクセスは、UEに有効な許可が割り当てられていない場合にリソースを要求するとき、あるいは最初にアクセスする(アイドルモードから接続モードに移行する)ときにのみ使用すべきである。
【0024】
LTEにおけるアップリンクスケジューリング方式では、チャネルに応じたスケジューリングもサポートすべきである。しかしながら、スケジューリングされていないUEからは送信が行われないため、このことは簡単ではない。
【0025】
スケジューラ(LTEの場合、一般にはノードBの中に存在する)は、チャネルに応じたスケジューリングのアルゴリズムによってリソースを割り当てる前に、ユーザのアップリンクチャネルのステータスを認識している必要がある。従って、チャネルに応じたスケジューリングがサポートされるように、UEは、データを送信する前にパイロットビット(受信側において既知である)を送信することができる。ノードBは、パイロットビットのC/I比(キャリア対干渉比)の測定値を、リソース割当て時に考慮することができる。
【0026】
スケジューリングに関連する制御シグナリング
ノードBによって制御されるスケジューリング制御式アクセスは、アップリンク制御シグナリングおよびダウンリンク制御シグナリングと、制御シグナリングに関して規定されているUE挙動とに基づいて行われる。
【0027】
ダウンリンクにおいては、ユーザに割り当てられる物理リソース(時間/周波数リソース)を示すリソース割当てメッセージが、ノードBからそのUEに送信される。上述したように、この割当てメッセージ(スケジューリング許可とも称する)は、リソース割当てのアドレッシング先であるユーザの識別に関する情報と、予約される物理リソース(時間/周波数リソース)と、最大データレートに関する情報と、変調・符号化方式と、多くの場合にはHARQに関連する情報(冗長情報)と、を含んでいる。
【0028】
アップリンクにおいては、UEは、アップリンク送信するデータがバッファ内で利用可能であるときに、スケジューリング要求をノードBに送信する。このスケジューリング要求メッセージは、UEのステータスに関する情報(例えば、バッファのステータス)と、QoSに関連する情報と、出力ヘッドルーム(power headroom)情報とを含んでいる。これにより、ノードBは、送信するデータのQoS要件も考慮して、リソースを適切に割り当てることができる。
【0029】
UEは、アップリンク上での実際のデータ送信と平行して、データに関連する制御シグナリングを行い、このシグナリングは、UMTSリリース6(HSUPA)におけるE−DPCCHシグナリングと同様に、現在のデータ送信に関する情報を提供する。この制御シグナリングは、選択されたトランスポートフォーマット(TFCI)に関する情報(ノードBにおいて送信データを復号化するために使用される)と、HARQに関連する情報(例えば、冗長情報、HARQプロセスID、NDI(新規データインジケータ:New Data Indicator))とを含んでいる。当然ながら、実際の情報は、採用されているHARQプロトコルに依存する。例えば、同期HARQプロトコルにおいては、HARQプロセスIDを明示的にシグナリングする必要がない。
【0030】
アップリンクのタイミング
アップリンクにおける直交性を確保するため、UEからのすべての送信は、ノードBにおいてサイクリックプレフィックス以内に時間的に整列していなければならない。このような整列は、ノードBが、受信した信号におけるタイミングの精度を測定し、そのタイミング精度に基づいてタイミング調整コマンドをUEに送信することによって実施される。このタイミング調整コマンドは、制御情報としてダウンリンクSCCHを使用して送信される。なお、実際に送信していないUEは同期していなくてもよいが、そのことは、最初のランダムアクセス時に考慮される必要がある。このタイミング制御情報は、各送信タイミングを早める、または遅らせるようにUEに命令する。現在、タイミング制御コマンドとして次の2つの代替方式が考慮されている。
【0031】
■ 特定のステップサイズx μs(現時点でxは未定)だけ送信タイミングを早める/遅らせることを意味するバイナリのタイミング制御コマンド(特定の周期y μs(現時点でyは未定)で送信される)
■ マルチステップのタイミング制御コマンド(必要時にダウンリンク上で送信される)
【0032】
UEがアップリンク上でのデータ送信を行う限りは、ノードBは、受信信号を、アップリンク受信タイミングを推定する目的に使用する、すなわち、タイミング制御コマンドのための情報源として使用することができる。アップリンクできる状態にあるデータが存在しないときには、UEは、特定の周期で定期的なアップリンク送信(アップリンク同期信号)を行うことができ、これにより引き続きアップリンク受信タイミングを推定することが可能となり、従って、アップリンクの時間的整列を保持することができる。このようにして、UEは、タイミングの再整列段階を必要とすることなく、直交性が保たれた状態でアップリンクのデータ送信をただちに再開することができる。
【0033】
UEは、アップリンクデータを長期にわたり送信していない場合、アップリンク送信を行うべきではない。この場合、アップリンクの時間的整列が失われていることがあり、データ送信を再開する前に、明示的なタイミング再整列段階を行ってアップリンクの時間的整列を回復させなければならない。
【0034】
直交性が維持されたアップリンク無線アクセスにおいて効率的なスケジューリングを行うためには、ノードBは、送信するデータを持つUEの間で、リソース(例えば、周波数シンボル/時間シンボル)を迅速に割り当てることが要求され、これによって、対応するデータのQoS要件が満たされる。スケジューリング方式に要求されるもう1つの条件は、効率(例えば、システムスループット)をさらに向上させる目的で、チャネルに応じたスケジューリングをサポートすることである。従って、UEがリソースを要求するメカニズムが必要である。
【0035】
アップリンクリソースを要求する目的でUEによって送信されるこのリソース要求メッセージは、一般に、UEのステータスに関する非常に詳細な情報(例えば、バッファのステータス、QoSパラメータ、出力ヘッドルーム)をそのスケジューリング情報の中に含んでいる。LTEのアップリンクにおいては、ノードBが正確かつ効率的なリソース割当てを行うことができるようにするため、スケジューリング情報を極めて詳細なものとする必要がある。従って、メッセージのサイズは、HSUPA(スケジューリング情報はわずかに18ビットである)と比較してずっと大きくなる。最初の段階では、UEには何らのリソースも割り当てられていないため、スケジューリング情報はコンテンションベースのアクセスチャネル上で送信される。
【0036】
上述したように、スケジューリング情報はコンテンションベースのアクセスによってスケジューラに送信される。結果として、衝突の確率を十分に低いレベルに維持する目的で、コンテンションベースのチャネルには比較的大量のリソースが消費される。このことは、アップリンクリソースの非効率的な使用につながることがある(例えば、スケジューリング制御式アクセスに使用できる帯域幅が少ない)。スケジューリング情報メッセージのサイズはかなり長いため、衝突が起こると、スケジューリング情報の送信が大きく遅延することがあり、従って、スケジューリング手順全体が遅延する。コンテンションベースのアクセスにおいては、一般的には短いメッセージサイズが好ましい。コンテンションベースのアクセスによって送信されるメッセージのトランスポートブロックサイズが固定されている場合、メッセージのサイズが小さければ、誤り保護情報を増やす(例えば、トランスポートブロック内の冗長性ビットを多くする)ことができる。トランスポートブロックサイズがメッセージサイズに依存する(例えば、符号化レートが固定されている)場合、トランスポートブロックサイズが小さければ、衝突の確率が低い。
【0037】
従来のスケジューリング方式のもう1つの欠点は、チャネルに応じたスケジューリングをサポートするうえで必要であるリファレンス信号(reference signal)が、一回のみ送信されることである。しかしながら、1人のユーザのチャネルは、リファレンス信号を送ってそのユーザに実際にリソースが割り当てられるまでの間に、大幅に変化することがある。ノードBは、そのユーザにリソースを割り当てる前に、例えば、別のユーザ(優先順位が高い、あるいはチャネル状態が良好である)をスケジューリングすることがある。従って、チャネル情報が最新のものではないことがあり、結果として、不適切なMCSの選択につながる。
【発明の概要】
【0038】
本発明の目的は、柔軟性のあるスケジューリング方式を提案することである。別の目的は、上に概説した問題点の少なくとも1つを克服することのできる、柔軟性のあるスケジューリング方式を提案することである。
【0039】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0040】
本発明の実施形態によると、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する方法、を提供する。アップリンクにおいては、スケジュールされた共有チャネル(scheduled shared channel)上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式を使用することができる。移動端末は、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、コンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信することができ、このリソース要求への応答において、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信することができる。
【0041】
本発明の別の実施形態においては、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可する。移動端末は、リソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信することができる。移動局は、スケジューリング情報の送信への応答において、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信することができる。
【0042】
オプションとして、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リファレンス信号を送信するために移動端末に許可されるリソースを示している。
【0043】
この場合、本発明の別の実施形態によると、移動局は、リソース要求への応答においてリソース割当てメッセージを受信した時点で、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにリファレンス信号を繰り返し送信することができる。
【0044】
有利な変形形態においては、移動端末は、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージの中で示されている、スケジュールされた共有チャネル用に許可されるリソース、を使用して、リファレンス信号を繰り返し送信することができる。
【0045】
この実施形態の別の有利な変形形態においては、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リファレンス信号を繰り返し送信するために移動端末に許可されるリソースを示しており、移動端末は、リファレンス信号を繰り返し送信するために許可されるリソースを使用して、リファレンス信号を繰り返し送信する。
【0046】
この実施形態のさらなる変形形態においては、リファレンス信号の送信の頻度は、移動通信システムの無線アクセスネットワークから受信される制御シグナリングによって設定される、または、移動端末によって制御されることを予測する。
【0047】
この実施形態の別の有利な変形形態においては、移動端末は、スケジューリング情報の送信への応答において、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信した時点で、リファレンス信号の送信を停止することができる。
【0048】
本発明のさらなる実施形態によると、移動端末は、リソース要求への応答において、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティからタイミング調整コマンドを受信することができ、スケジュールされた共有チャネル上でスケジューリング情報を送信する前に、このタイミング調整コマンドに従ってアップリンクのタイミングを再整列させることができる。
【0049】
タイミング調整コマンドは、例えば、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージの中に含めることができる(ただしこれに限定されない)。
【0050】
本発明のさらなる実施形態においては、アップリンク上では、シングルキャリアFDMA方式を使用してデータを送信する。この場合、コンテンションベースのチャネルを、例えば、アップリンクアクセス時に分散型スペクトルにマッピングすることができる。
【0051】
さらなる実施形態においては、アップリンク上ではシングルキャリアFDMA方式を使用してデータを送信し、アップリンクアクセス時にリソース要求を送信するために使用される帯域幅は、送信用のリソースが要求されているデータの優先順位に比例する。
【0052】
オプションとして、リソース要求を送信するために移動端末が使用することを許可される帯域幅は、移動通信システムの無線アクセスネットワークから受信される制御シグナリングによって設定される。
【0053】
この実施形態の別の変形形態においては、移動端末は、リソース要求を送信するために使用する帯域幅を、リソース割当てを要求しているデータの優先順位に基づいて決定することができる。
【0054】
本発明のさらなる実施形態によると、スケジュールされた共有チャネル上でデータを送信するためのリソースは、送信時間間隔を単位として許可される。従って、リソース割当てメッセージは、このメッセージにおいてリソースが許可される少なくとも1つの送信時間間隔、または送信時間間隔の数を示すことができる。
【0055】
本発明の別の実施形態は、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを移動端末に割り当てる方法、に関する。前述した実施形態と同様に、アップリンクにおいては、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式を使用する。移動通信システムのリソース割当ての役割を担うネットワークエンティティは、移動端末からコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を受信することができ、このリソース要求に応答して、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを移動端末に許可するリソース割当てメッセージ、を送信することができる。
【0056】
本発明のさらなる実施形態においては、リソース要求への応答において送信されるリソース割当てメッセージは、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可する。ネットワークエンティティは、移動局から、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報をさらに受信することができ、スケジューリング情報の受信に応答して、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を送信することができる。
【0057】
本発明の別の実施形態においては、リソース要求への応答において送信されるリソース割当てメッセージは、リファレンス信号を送信するために移動端末に許可されるリソースを示している。
【0058】
本発明の別の実施形態によると、ネットワークエンティティは、リソース要求に応答してリソース割当てメッセージを送信した時点で、移動端末からのリファレンス信号を繰り返し受信することができる。ネットワークエンティティは、スケジュールされた共有チャネルのアップリンクチャネル品質を、受信するリファレンス信号に基づいて推定することができる。
【0059】
本発明の別の実施形態においては、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティは、リソース要求に応答して、タイミング調整コマンドを移動局にさらに送信することができる。
【0060】
この実施形態の変形形態においては、タイミング調整コマンドは、リソース要求に応答して移動端末に送信されるリソース割当てメッセージの中に含めることができる。
【0061】
上述したように、本発明のさらなる実施形態では、アップリンク上ではシングルキャリアFDMA方式を使用してデータを送信することを予測する。この場合、コンテンションベースのチャネルを、例えば、アップリンクアクセス時に分散型スペクトルにマッピングすることができる。
【0062】
本発明の別の実施形態によると、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティは、スケジュールされた共有チャネル上でデータを送信するためのリソースを、送信時間間隔を単位として許可する。この実施形態の変形形態においては、リソース割当てメッセージは、このメッセージにおいてリソースが許可される少なくとも1つの送信時間間隔、または送信時間間隔の数を示す。
【0063】
本発明のさらなる実施形態においては、移動端末から受信されるリソース要求は、スケジューリング情報を含んでいない。
【0064】
本発明の別の実施形態によると、リソース要求は、要求側移動端末の暗黙的または明示的な識別情報を含んでいることができる。
【0065】
さらに、本発明の別の実施形態によると、リソース要求は、移動端末がデータ送信のためのリソースの割当てを要求していることを、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに示すフラグ、を含んでいる。この実施形態の変形形態においては、移動端末は、送信する前に、ユーザに固有のスクランブリングコードによって要求メッセージをスクランブリングすることができる。
【0066】
別の代替実施形態では、移動端末がデータ送信のためのリソースの割当てを要求していることを、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに示す、移動端末の識別子、をリソース要求が含んでいることを予測する。
【0067】
本発明の別の代替実施形態においては、リソース要求は、ユーザデータを送信するために移動端末によって要求されるアップリンクリソースを示すリソース情報、を含んでいる。
【0068】
この実施形態の変形形態においては、リソース情報は、移動端末がユーザデータを送信しようとしているデータフローのフロー識別子、または、移動端末が送信しようとしているビットの数、を含んでいることができる。
【0069】
あるいは、リソース情報はフラグも含んでいることができ、このフラグは、設定されたとき、遅延の影響を受けやすいサービスのデータを移動端末が送信しようとしていることを、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに示す。
【0070】
本発明のさらなる実施形態は、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム、において使用するための移動端末、を提供する。この移動端末は、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、コンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信する送信器と、リソース要求への応答において、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信する受信器と、を備えている。
【0071】
本発明の有利な実施形態においては、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可する。送信器は、このリソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信するように、さらに構成することができる。受信器は、スケジューリング情報の送信への応答において、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信することができる。
【0072】
本発明の別の実施形態においては、移動局は、本文書に記載されているさまざまな実施形態の1つによる、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する方法、を実行するようにされている手段、をさらに備えていることができる。
【0073】
本発明のさらなる実施形態は、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに関する。このネットワークエンティティは、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内に位置していることができる。この実施形態によると、ネットワークエンティティは、移動端末からコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を受信する受信器と、リソース要求に応答して、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを移動端末に許可するリソース割当てメッセージ、を送信する送信器と、を備えている。
【0074】
本発明の別の実施形態においては、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可する。ネットワークエンティティの受信器は、移動局から、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報を受信するように、さらに構成することができる。送信器は、スケジューリング情報の受信に応答して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を送信するように、さらに構成することができる。
【0075】
さらなる実施形態においては、ネットワークエンティティは、本文書に記載されているさまざまな実施形態の1つによる、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを移動端末に割り当てる方法、のステップを実施するように構成されている手段、を備えていることができる。
【0076】
別の実施形態によると、命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、この命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動端末が、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する、コンピュータ可読媒体、が提供される。この命令に起因して、移動端末は、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信することによってと、リソース要求への応答において、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信することによって、リソースを要求することができる。
【0077】
本発明の別の実施形態においては、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可する。コンピュータ可読媒体は、命令をさらに格納しており、この命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動端末が、リソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信し、スケジューリング情報の送信への応答において、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信する。
【0078】
さらなる実施形態においては、コンピュータ可読媒体は命令をさらに格納しており、この命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、移動端末が、本文書に記載されているさまざまな実施形態の1つによる、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する方法、を実行する。
【0079】
本発明のさらなる実施形態によるコンピュータ可読媒体は、命令を格納しており、この命令が、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティが、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを、移動端末に割り当てる。命令に起因して、ネットワークエンティティは、移動端末からコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を受信することによってと、リソース要求に応答して、スケジュールされた共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを移動端末に許可するリソース割当てメッセージ、を送信することによって、移動端末にリソースを割り当てることができる。
【0080】
本発明の別の実施形態においては、リソース要求への応答において受信されるリソース割当てメッセージは、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可する。コンピュータ可読媒体は、命令をさらに格納しており、この命令が、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティが、移動局から、スケジュールされた共有チャネルを介してスケジューリング情報を受信し、スケジューリング情報の受信に応答して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、スケジュールされた共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を送信する。
【0081】
本発明の別の実施形態によるコンピュータ可読媒体は、命令を格納しており、この命令がネットワークエンティティのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティが、本文書に記載されているさまざまな実施形態の1つによる、移動通信システム内でアップリンク上でデータを送信するためのリソースを移動端末に割り当てる方法、を実行する。
【0082】
以下では、本発明について、添付の図面を参照しながらさらに詳しく説明する。図面における類似または対応する細部は、同一の参照数字によって表してある。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明を使用することのできる例示的なネットワークアーキテクチャを示している。
【図2】本発明を使用することのできる例示的なネットワークアーキテクチャを示している。
【図3】シングルキャリアFDMA方式におけるアップリンク帯域幅の例示的な割当て方式として、局在型割当てを示している。
【図4】シングルキャリアFDMA方式におけるアップリンク帯域幅の例示的な割当て方式として、分散型割当てを示している。
【図5】本発明によるリソース割当て手順の例示的な実施形態を示している。
【図6】本発明によるリソース割当て手順の例示的な実施形態を示している。
【図7】本発明によるリソース割当て手順の例示的な実施形態を示している。
【図8】本発明によるリソース割当て手順の例示的な実施形態を示している。
【図9】本発明によるリソース割当て手順の例示的な実施形態を示している。
【図10】本発明によるリソース割当て手順の例示的な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0084】
本発明は、アップリンク送信のためのリソースを要求側移動端末に割り当てるための柔軟性のあるスケジューリング方式を提案することである。本発明の一実施形態によると、移動端末は、リソース割当ての役割を担う、移動通信システム内のネットワークエンティティ、にリソース要求を送信することによって、リソースの割当てを要求する。
【0085】
ネットワークエンティティは、このリソース要求にさまざまな方式で応答することができる。例えば、ネットワークエンティティは、リソース要求の内容に応じて、アップリンクデータ送信のためのリソースを要求側移動端末に割り当てることができ、あるいは、移動端末がスケジューリング情報を送信することができるように、最初に移動端末にリソースを割り当てることができる。このスケジューリング情報により、例えば、ネットワークエンティティは、移動端末のためのリソースをより正確にスケジューリングすることができる。後者の場合、移動端末は、さらなる情報を、スケジューリングされたデータとして、すなわち、スケジュールされた共有チャネル上で、ネットワークエンティティに送信する。移動端末は、このさらなる情報への応答において、アップリンク上でユーザデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージを受信する。
【0086】
なお、本文書においては、スケジューリング情報はユーザデータとはみなされない。ユーザデータは、ユーザサービスまたはシグナリング無線ベアラの任意のタイプのデータとすることができる。
【0087】
本発明の例示的な一実施形態においては、ユーザデータは、レイヤ2/MAC層またはレイヤ1/物理層において終端処理されていないサービスのデータとして定義することができる。本発明の別の実施形態においては、ユーザデータは、レイヤ1/物理層において終端処理されていないサービスのデータとして定義することができる。従って、これら2つの例示的な実施形態においては、ユーザデータは、レイヤ2/MAC層またはレイヤ1/物理層よりも上位の層において終端処理されている任意のサービスのデータである。
【0088】
本発明によると、リソース要求は、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティ、すなわち、エアインタフェースリソースをスケジューリングする役割を担うネットワーク要素に、移動端末から送信されるメッセージである。このリソース要求は1ビット(フラグ)とすることができ、このビット(フラグ)は、設定されたとき、移動端末がアップリンク送信のためのリソースが割り当てられるように希望していることを示す。しかしながら、リソース要求には、スケジューリング方式に応じてさらなる情報を含めることもでき、これについては、以下に説明する本発明の例示的な実施形態から明らかになるであろう。
【0089】
本発明の例示的な一実施形態によると、リソース要求メッセージは、レイヤ2/MAC層シグナリングメッセージ、またはレイヤ1/物理層メッセージである。
【0090】
本発明によると、リソース割当てメッセージは、要求側移動端末が、スケジュールされたアップリンク送信用に使用できるリソースを示している情報、を少なくとも含んでいる。
【0091】
例えば、リソース割当てメッセージは、周波数帯域のうち要求側移動端末が使用することを許可される部分を示していることができる。より具体的な例においては、リソース割当てメッセージは、局在型スペクトルまたは分散型スペクトルのどちらを使用すべきであるか、許可の有効期間、最大データレート、のうちの1つ以上をさらに指定することができる。有効期間は、リソース割当てが有効であるサブフレームの数を示す。最も短い有効期間は1サブフレーム(または1送信時間間隔)である。
【0092】
リソース割当てメッセージには、選択される方式に応じて追加の情報も含めることができる。リソース割当てメッセージは、スケジューリング許可とも称する。
【0093】
一実施形態においては、本発明は、アップリンク送信のエアインタフェースにおいてシングルキャリアFDMAが使用される移動通信システムにおいて使用される。この例示的な実施形態においては、データを送信するのに使用される基本的な物理リソースは、1送信時間間隔(例えば、サブフレーム)の間のサイズBWgrantの周波数リソースから構成される(ユーザデータビット(オプションとして、符号化されている)はこのリソースにマッピングされる)。このとき、サブフレーム(送信時間間隔(TTI)とも称する)は、ユーザデータを送信するための最小の時間間隔である。しかしながら、サブフレームを連結することにより、1TTIよりも長い時間にわたる周波数リソースBWgrantをユーザに割り当てることも可能である。この点に関して、図3および図4は、シングルキャリアFDMAシステム内でアップリンクリソースを移動端末に割り当てる例示的な方式を示している。
【0094】
本発明によると、スケジュールされた共有チャネルは、例えば、複数のユーザによって共有される共有トランスポートチャネル、または、共有トランスポートチャネルがマッピングされている対応する物理チャネル、のいずれかである。
【0095】
E−UTRAアップリンクに関連する例示的な実施形態においては、共有アップリンクトランスポートチャネル(UL−SCH)と、ランダムアクセスチャネル(RACH)のみが存在する。この実施形態においては、スケジュールされた共有チャネル上で送信することは、アップリンクデータを送信するための特定の周波数/時間リソースがユーザに割り当てられることを意味する。この割当てはスケジューラによって行われ、スケジューラは、スケジューリング制御式アクセス用に利用可能な帯域幅(例えば、図12に示したスケジューリングされたリソース)を、自身の制御下にあるユーザの間でスケジューリングする/割り当てる。この実施形態によると、コンテンションベースのチャネルは、トランスポートチャネルであるランダムアクセスチャネル(RACH)、または、対応する物理チャネルのいずれかを表す。コンテンションベースのチャネル上での送信は、ユーザが、スケジューリングされることなく、(図12に例示的に示したように)コンテンションベースのリソース上でデータを送信できることを意味する。
【0096】
本発明のさまざまな実施形態についてさらに詳しく説明する前に、本発明を採用することのできる例示的なネットワークアーキテクチャについて、以下に簡潔に説明しておく。なお、これら2つのネットワークアーキテクチャは、本発明を使用することのできるネットワークの例を示すことを目的としているに過ぎず、本発明をこれらのネットワークにおける使用に制限することを意図したものではない。
【0097】
図1は、さまざまな実施形態における本発明を実施することのできる、1つの例示的な移動通信ネットワークを示している。このネットワークは、複数の異なるネットワークエンティティを備えており、これらのエンティティは、それぞれの機能に基づいて、コアネットワーク(CN)101と、無線アクセスネットワーク(RAN)102と、ユーザ機器(UE)103または移動端末とにグループ化されている。RAN102は、無線に関連するすべての機能(特に、無線リソースのスケジューリングを含む)を処理する役割を担う。CN101は、外部ネットワークへの呼のルーティングおよびデータ接続の役割を担うことができる。ネットワーク要素の相互接続は、オープンインタフェース(例示を目的としてluおよびUuとして表してある)によって定義されている。移動通信システムは、一般にはモジュール方式であり、従って、同じタイプのいくつかのネットワークエンティティを備えていることが可能である。
【0098】
図1に示したこの例示的なネットワークにおいては、無線アクセスネットワークは、リソース割当ての役割を担う1つ以上のネットワークエンティティを備えていることができる。いま、図1が3Gネットワークの高レベルアーキテクチャを示しているものと想定すると、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティは、一般には無線ネットワークコントローラ(RNC)と称し、このコントローラは、自身に接続されているノードBのセルの中でエアインタフェースリソースをスケジューリングする。あるいは、別の実施形態では、エアインタフェースリソースをスケジューリングする/割り当てる目的に、RNC以外のRANエンティティ(例えば、基地局(ノードB))を使用することを予測することもできる。
【0099】
図2は、別の例示的なネットワークアーキテクチャを示している。図2に示した例示的な実施形態による移動通信システムは、「2ノードアーキテクチャ」であり、ACGW(Access and Core Gateways:アクセスおよびコアゲートウェイ)とノードBとから構成されている。図1に示したネットワークアーキテクチャと比較すると、ACGWは、CNの機能(すなわち、外部ネットワークへの呼のルーティングおよびデータ接続)を処理し、さらに、RANの機能も実施する。従って、ACGWは、今日の3GネットワークにおいてGGSNおよびSGSNによって実行される機能と、RANの機能(例えば、無線リソース制御(RRC)、ヘッダ圧縮、暗号化/完全性保護、アウターARQ(outer ARQ))とを兼ね備えているものとみなすことができる。ノードBは、例えば、リソースの分割/連結、スケジューリング、および割当てと、多重化、および物理層機能などの機能を処理することができる。
【0100】
今日の3Gネットワークから公知である制御プレーン(CP)およびユーザプレーン(UP)は、ACGWにおいて終端処理されるようにすることができ、これにより、ノードB同士の間のインタフェースを必要とすることなく、ネットワークによって制御されるシームレスなモビリティをサポートすることができる。3GPPシステムおよび3GPP以外のシステムのいずれも、外部のパケットデータネットワーク(例えばインターネット)へのACGWのインタフェースを通じて、統合することができる。
【0101】
上述したように、図2の例示的なネットワークアーキテクチャにおいては、セルのリソースの所有権は各ノードBにおいて処理されることを想定している。セルのリソースの所有権がACGWの外側にあることにより、(CPフロー/UPフローの両方の)ACGWのプーリング(pooling)をサポートすることができ、さまざまな端末について、1つのノードBをいくつかのACGWに接続することができる(従って、単一点障害が回避される)。
【0102】
図1には明示していないが、ACGWが複数の異なるプールに属している場合のためのACGW間インタフェースをサポートすることも可能である。
【0103】
次に、本発明のさまざまな実施形態について、さらに詳しく説明する。なお、図6〜図10において、基地局(ノードB)は、リソース割当ての役割を担う、移動通信システム内のネットワークエンティティであると想定する(これは例示を目的としている)。リソース割当ての役割を担う、移動通信システム内のネットワークエンティティの機能のうち、リソースをプランニングして移動端末に割り当てる機能をスケジューラとも称する。
【0104】
図6は、本発明の例示的な一実施形態によるリソース割当て手順を示している。提案するスケジューリング手順の主たる特徴は、小さなリソース要求メッセージのみがコンテンションベースのデータとして送信されることであり、第二に、このスケジューリング手順では、チャネルに応じたスケジューリングが効果的にサポートされることである。
【0105】
第1のステップにおいて、移動端末(UE)は、データを送信するためのアップリンクリソースの割当てを要求する目的で、リソース要求を基地局(ノードB)に送信する(601)。例えば、移動端末は、一般には、自身の送信バッファにユーザデータが入力されたときにこのメッセージを送信する。図6においては、移動端末にはリソースがまだ割り当てられておらず、従って、スケジューリングされたリソースが移動局に割り当てられていないものと想定する。このリソース要求メッセージは、コンテンションベースのチャネル上で送信される。例えば、リソース要求はレイヤ1メッセージまたはレイヤ2メッセージである(ただしこれらに限定されない)。
【0106】
コンテンションベースのアクセスチャネル用に予約されるリソース量を少なく維持する目的で、コンテンションベース方式においては短いメッセージのみを送信すべきである。従って、例示的な一実施形態によると、要求側移動局がアップリンク上でのデータ送信を希望していることを基地局に示すフラグのみによって、リソース要求を構成することができる。要求側移動端末を識別する必要がある場合、レート要求メッセージに対してユーザに固有のスクランブリングを使用することができる。従って、リソース要求に対するユーザに固有なスクランブリングは、移動端末の暗黙的な識別情報を提供する。
【0107】
あるいは、別の例示的な実施形態におけるリソース要求メッセージは、1ビットのフラグの代わりに、要求側移動端末の一時的識別子(例えば、C−RNTI(セルの無線ネットワーク一時識別子))、または静的識別子(例えば、IMSI)から構成されている。この場合、識別子は、移動端末がアップリンク上でのデータ送信を希望していることを示すと同時に、その移動端末を明示的に識別している。しかしながら、このオプションでは、上に提案した1ビットフラグの解決策と比較して、より多くのビットを消費する。
【0108】
オプションとしてのさらなる変形形態においては、リソース要求は、基地局が、いくつかのユーザからのリソース要求に優先順位をつけることができるようにする情報をさらに含んでいることができる。リソース要求の中のこの追加の情報は、例えば、要求の緊急度に関する情報とすることができる。要求の緊急度に関するこの情報は、例えば、移動端末が送信しようとしているユーザデータのQoS情報(例えば、データの優先順位)の形式で伝えることができる。
【0109】
リソース要求メッセージの中に限られた量の情報のみを提供することによって達成可能な1つの利点として、リソース要求が送信されるコンテンションベースのチャネル上の衝突が最小になることである。
【0110】
図6に示した例示的なリソース割当て手順においては、リソース要求は、移動端末がアップリンク上でデータを送信しようとしていることを示す情報のみから構成されているものと想定する。基地局は、リソース要求を受信した時点で、リソース割当てメッセージを発行して移動端末に送信する(602)。
【0111】
第1のリソース割当てメッセージは、移動端末が送信しようとしているユーザデータに関するさらに詳しい情報を送信するためのリソースを、その移動端末に許可することができる。この第1のリソース割当てメッセージは、例えば、より詳しい情報を基地局に提供するためのスケジューリングされたリソースを移動端末に許可することができる。説明を単純にするため、このようなより詳しい情報を、以下ではスケジューリング情報(SI)と称する。この第1のリソース割当てメッセージ(または許可メッセージ)は、スケジューリング情報を送信するのにアップリンク上で使用すべきリソース(例えば、時間シンボル/周波数シンボル)を、移動端末に示すことができる。
【0112】
この実施形態の変形形態においては、この許可メッセージは、オプションとして、移動局から基地局へリファレンス信号(例えば、パイロット信号)を送信するための周波数帯域/周波数スペクトルも示すことができる。基地局は、このリファレンス信号を使用して、例えば、アップリンクチャネルの推定(スケジューリング情報などアップリンクデータのコヒーレントな復調/検出を容易にする)、さらには、アップリンクチャネルの品質の推定(チャネルに応じたスケジューリングを容易にする)を行うことができる。リファレンス信号は、スケジューリング情報の送信に使用されるスペクトルとは少なくとも部分的に異なるスペクトルを占有することができる(そうでなくてもよい)。リファレンス信号が、部分的に異なるスペクトルを占有する場合、基地局は、スケジューリング情報の送信に使用される周波数とは異なる周波数についても、チャネル品質の推定を実行することができ、結果として、アップリンクチャネルに応じたスケジューリングを行うことができる。
【0113】
次のステップにおいて、移動端末は、第1のリソース割当てメッセージを受信した時点で、スケジューリングされて割り当てられたリソース上でスケジューリング情報を送信する(603)。このスケジューリング情報は、例えば、移動端末のステータスに関する極めて詳細な情報(例えば、各フローのバッファステータス、フローあたりのQoS情報、さらには移動端末の電力ステータス)を含んでいることができる。この場合、フローは、例えば、論理チャネル、あるいは優先順位付きキューとすることができる。スケジューリング情報は、スケジューリングされたデータとして、スケジュールされた共有チャネルを介して送信されるため、別の移動端末からの別のデータとの衝突は起こらない。
【0114】
移動端末は、スケジューリング情報の送信に加えて、リファレンス信号を基地局に送信することもできる。リファレンス信号は、例えば、あらかじめ設定されている、または既知のアップリンクリソース上で送信することができ、あるいは、基地局が、ステップ602におけるリソース割当てメッセージ、またはその他の制御シグナリングを使用して、リソースを設定することができる。リファレンス信号は、理論的には1回送信すれば十分である。しかしながら、1人のユーザのチャネルは、リファレンス信号を送って基地局がそのユーザに実際にリソースを割り当てるまでの間に、大幅に変化しうるため、アップリンクチャネルに関する基地局側の情報は、要求側ユーザに対してリソース割当てを行う時点において最新のものではないことがある。従って、移動局は、ユーザデータのためのリソース割当てメッセージを受信するまで(以下に説明するステップ605を参照)、リファレンス信号を繰り返し送信することができる(604)。これにより、基地局は、移動端末に割り当てるアップリンクリソースに関して決定する時点において、チャネルステータスの最新情報を持つことが可能となる。
【0115】
基地局は、受信したスケジューリング情報と、(1つ以上の)リファレンス信号に基づいて自身が測定するチャネル品質とに基づいて、ユーザデータを送信するためのリソースの割当てを行うことができる。基地局は、リソース割当てに関して決定した時点で、第2のリソース割当てメッセージを移動端末に送信する(605)。この第2のリソース割当てメッセージは、ユーザデータの送信に使用されるアップリンク上のリソースを移動端末に示す。移動端末は、この第2のリソース割当てメッセージを受信した時点で、割り当てられたリソース上で、スケジュールされた共有チャネルを介してユーザデータの送信を開始することができる(606)。
【0116】
図6に関連して上に説明した例示的なリソース割当て手順は、いくつかの利点がある。例えば、コンテンションベースのチャネル上で送信されるリソース要求のサイズが小さいことにより、コンテンションベースのチャネルを介して別の移動端末によって送信される別のデータと衝突する確率を低減することができる。さらには、スケジューリング情報を送信するためのリソースを移動端末に許可することによって、場合によっては長い、従って衝突が起こりやすいスケジューリング情報を、スケジューリングされたリソースを介して送信することができ、従って、別のユーザからの別のデータとの衝突が起こらない。第2のリソース割当てメッセージを受信するまでリファレンス信号を繰り返し送信する場合、基地局は、より正確なチャネル推定に基づいてリソースを割り当てることができる。
【0117】
次に、リソース割当て手順の別の例示的な実施形態について、図7を参照しながら説明する。最初に、移動端末は、リソース要求を基地局に送信する(701)。このリソース要求は、図6を参照しながら上述したように、フラグ、または移動端末の識別子を含んでいることができ、これに加えて、アップリンクリソース情報も含んでいることができる。アップリンクリソース情報の目的は、移動端末によって送信されるユーザデータのカテゴリを基地局にシグナリングすることである。
【0118】
リソース要求の中のアップリンクリソース情報は、例えば、遅延の影響を受けやすい、もしくはデータレートが低い、またはその両方であるサービス(例えば、VoIP(Voice over IP)あるいはシグナリング無線ベアラ(SRB))のデータを移動局が送信しようとしていることを、基地局に示すことができる。遅延の影響を受けやすい、もしくはデータレートが低い、またはその両方であるサービスのデータを送信するときには、遅延要件が満たされるようにリソースを迅速に割り当てることが望ましい。
【0119】
基地局は、移動端末が位置している無線セル内の負荷の状況に応じて、また、移動端末によって提供されるアップリンクリソース情報に基づいて、ユーザデータをアップリンク上で送信するためのリソースを、リソース要求に応答してただちに割り当てる(702)、またはただちには割り当てないことができる。
【0120】
所定のカテゴリのデータ(例えば、遅延の影響を受けやすい、もしくはデータレートが低い、またはその両方であるサービスのデータ)が移動端末によって送信されることが、アップリンクリソース情報によって基地局に示される場合、基地局は、ユーザデータを送信するためのリソースを割り当てる(702)ことができ、ユーザデータを送信する(704)ためのリソースを許可するリソース割当てメッセージを移動端末に戻す(703)。
【0121】
以上の例示的な動作では、スケジューリング手順の全体的な遅延を大幅に低減することができる。特に、遅延の影響を受けやすい、もしくはデータレートが低い、またはその両方であるサービス(例えばVoIP)では、この遅延低減の利得を受けることができる。VoIPなどのアプリケーションの場合、レート要求を音声パケットごとに(例えば、20msごとに)(この数値は基地局によるリソース割当てに依存する)送信する必要が生じうるため、図6に関連して概説した手順と比較すると、基地局から最初のリソース割当てメッセージを受信した直後に、すなわち、最初にスケジューリング情報を基地局に送信する必要なしに、VoIPパケットを送信することができるならば、アップリンクのトラフィック負荷も大幅に減少させることができる。さらには、チャネルに応じたスケジューリングの利得は、そのようなデータレートの低いサービスにおいては、それほど大きくないことがある。
【0122】
一般的には、アップリンクリソース情報を示すためのオプションは、いくつかある。1つのオプションは、送信するデータの対応するフローID(例えば、論理チャネルID)またはキューIDをシグナリングすることである。基地局は、このフローIDに基づいて、移動局がリソースを要求しているサービスカテゴリ(例えば、VoIPあるいはシグナリング無線ベアラ)を識別することができ、この情報を使用して、リソースをただちに許可することができる。いくつかのフローのデータが送信される場合、フローIDは、優先順位が最も高いフロー、またはQoS要件が最大であるフローを示すことができる。あるいは、移動局は、必要なアップリンクリソースの量を、データサイズの所定のセット(predefined set)(例えば、ビットの数)として示すことができる。この所定のセットには、例えば、遅延の影響を受けやすいサービスおよびビットレートが低いサービスにおける最も一般的なサイズが含まれる。場合によっては最も単純である別のオプションとしては、アップリンクリソース情報が、リソース要求の中の1ビットフラグであり、このフラグが、遅延の影響を受けやすいデータが移動端末において送信待ち状態であることを示すことができる。この場合、例えば、移動端末がこのフラグを設定することのできる特定の条件を定義することができる。
【0123】
図7は、移動端末が、遅延の影響を受けやすい、もしくはビットレートが低い、またはその両方であるサービスのユーザデータを送信しなければならないことを知らせて、その結果として、基地局が、送信する最初のリソース割当てメッセージの中で、割り当てたリソースをこの時点で示す場合を図解している。
【0124】
移動端末が、遅延の影響を受けやすい、もしくはビットレートが低い、またはその両方であるサービスのユーザデータを送信する必要はないことを、リソース要求の中で示している場合、リソース割当ては、続いて、図6を参照しながら概説したステップ602〜ステップ606を行うことができる。例えば、基地局は、遅延の影響を受けやすい、もしくはビットレートが高い、またはその両方であるサービスのためのリソースが要求されていないことを検出した時点で、上に概説したように、スケジューリング情報を送信するためのリソースを移動局に許可するのみでよく、図6に示したステップを実行することができる。
【0125】
本発明の別の実施形態においては、図6に示したリソース割当て手順を、以下に説明するように修正する。この実施形態によると、移動端末によって送信されるリソース要求(601)は、図7に関連して説明したようなアップリンクリソース情報をさらに含んでいることができる。基地局は、ただちにリソースを割り当てることが要求されるカテゴリのユーザデータ(例えば、上に概説したような、遅延の影響を受けやすい、もしくはビットレートが低い、またはその両方であるサービス)のためのリソースを移動端末が要求しているのかを判定する。そのようなリソースが要求されている場合、基地局は、受信した要求に対応するデータを送信するためのリソースを割り当てて、この割り当てたリソースを、スケジューリング情報を送信するために割り当てられるリソースとともに、送信する第1のリソース割当てメッセージ(602)の中で示す。
【0126】
従って、移動局は、自身がリソースを要求したデータを、スケジューリング情報と同じ送信において、この時点で送信することができ、従って、遅延が最小になる。基地局は、スケジューリング情報と、送信される(1つ以上の)リファレンス信号(604)とに基づいて、前のリソース割当てを再評価することができ、ステップ605のリソース割当てメッセージにおいて、リソース割当てを更新することができる。
【0127】
あるいは、基地局は、リソース要求に応答してリソース割当てを送信するとき、ユーザデータを送信するためのデフォルトのリソースを移動端末に割り当てて、後から、スケジューリング情報と、リファレンス信号の測定とに基づいて、適切なリソースを決定することができ、これにより、ステップ605において適切な量のアップリンクリソースを割り当てることができる。
【0128】
次に、本発明の別の実施形態について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の実施形態による、別の例示的なリソース割当て手順を示している。特に、シングルキャリアFDMAシステムの場合、アップリンクにおける直交性は、サイクリックプレフィックスのオーダーの範囲内となるようにすべきである。このことは、基地局が受信信号のタイミングの精度を測定し、そのタイミング精度に基づいてタイミング調整コマンドを求め、それをUEに送信することによって、達成することができる。ユーザ/移動端末が、長期(例えば、所定の時間間隔)にわたりアップリンクデータを送信しない場合、アップリンクの時間的整列が失われることがある。この場合、移動局は、従来のシステムにおいてアップリンク上でデータを送信する前に、物理層の同期を通じてネットワークとの時間的同期を得る必要がある。
【0129】
本発明のこの実施形態によると、基地局は、同期手順を実行する代わりに、受信したリソース要求メッセージを使用して、特定のユーザのアップリンク送信のタイミング精度を制御することもできる。基地局は、移動端末からのリソース要求を受信した(601)後、その受信したリソース要求メッセージに基づいて移動端末のタイミング精度を判定する(801)ことができ、その移動端末にタイミング調整コマンド(TAC)を発行することができる。TACは、例えば、個別の制御メッセージとして送信する(802)ことができ、あるいは、基地局が送信するリソース割当てメッセージ(802)と組み合わせることができる。
【0130】
移動端末は、TACを受信した時点で、このコマンドに基づいて自身のアップリンクタイミングを調整する(803)ことができ、アップリンクタイミングの調整をもってリソース割当て手順を終了することができる。なお、図8では、上述したステップ603〜ステップ606を実行することによってリソース割当て手順を終了しているが、これは例示を目的としているに過ぎない。基地局は、ステップ601において送信されるリソース要求にアップリンクリソース情報が含まれているかに基づいて、ユーザデータを送信するためのリソース、あるいは、(図6および図7を参照しながら上に概説したように)ユーザデータを送信するためのリソースと、スケジューリング情報を送信するためのリソースを、リソース割当てメッセージの中で許可することができる。
【0131】
この点に関して、図9は、本発明の別の実施形態による、別の例示的なリソース割当て手順を示している。この実施形態においては、図7に関連して上に説明した手順をさらに改良して、基地局は、TACを決定し(801)、そのTACを要求側移動端末に伝える(901)。図8の説明において上述したように、移動端末は、アップリンク上での次の送信の前に、このTACコマンドを使用して自身のアップリンクタイミングを調整する(803)ことができる。
【0132】
TACコマンドは、個別の制御メッセージの中でシグナリングする(901)、または、リソース要求に応答して基地局によって送信されるリソース割当てメッセージの中に含めることができる。本発明のこの例示的な実施形態においては、リソース割当てメッセージは、リソース要求メッセージに含まれているアップリンクリソース情報に応答して基地局によって移動端末に割り当てられるリソース(702)に関する情報と、TACコマンドとを含んでいる。オプションとして、リソース割当てメッセージは、スケジューリング情報もしくはリファレンス信号、またはその両方を基地局に送信するためのリソースを許可する情報、をさらに含んでいることができる。
【0133】
図8および図9に関連して上に説明した実施形態においては、TACは、例えば、特定の周期(例えば、y μs)で送信されるバイナリのタイミング制御コマンドを含んでいることができ、このコマンドは、特定のステップサイズ(例えば、x μs)だけ送信タイミングを早める、または遅らせることを意味する。別のオプションとしては、必要なときにダウンリンク上で送信される、マルチステップのタイミング制御コマンド(例えば、特定のサイズの複数のステップによって送信タイミングを変更する)を含める。
【0134】
コンテンションベースのアクセスチャネル上でデータを送信するときには、そのチャネルに同時にアクセスしようとしている別の移動端末と衝突する危険性が存在する。衝突の確率を十分に低いレベルに維持するためには、上述したように、コンテンションベースのデータとして送信されるメッセージのサイズを小さくすべきである。しかしながら、ランダムアクセス用に割り当てられているリソース上で何人かのユーザが同時に送信する状況は、依然として存在しうる。この場合、セル内干渉が発生する。送信されるデータを基地局が正しく検出および復号化できるようにするためには、1人のユーザの受信SNR(信号対雑音比)が十分に高い必要がある。従って、衝突によってセル内干渉が起こる場合であっても、優先順位の高いリソース要求メッセージが正しく受信されるようにするメカニズムは、有利であろう。
【0135】
本発明のさらなる実施形態によると、図5に示したように、コンテンションベースのアクセスのためのリソース(例えば、周波数スペクトル)をネットワークによって予約することができる。周波数ダイバーシチ利得を得る目的で、コンテンションベースのアクセスのためのリソースを分散式に割り当てることができ、すなわち、「櫛状の」スペクトルを割り当てることができる。コンテンションベースのデータとして送信されるリソース要求メッセージに優先順位をつける目的で、優先順位の高いリソース要求(すなわち、優先順位レベルの特定のしきい値を超える優先順位を有するデータを送信するためのリソース要求)では、コンテンションベースのアクセス用に割り当てられているスペクトル全体(すなわち、分散型スペクトルにおける櫛の刃すべて)を使用するのに対して、優先順位の低いリソース要求(すなわち、優先順位レベルの特定のしきい値に等しいかそれよりも低い優先順位を有するデータを送信するためのリソース要求)では、割り当てられているスペクトルの一部のみ(すなわち、スペクトルにおける「櫛の刃」の一部のみ)を使用することができる。リソース要求を送信するために使用される帯域幅(すなわち、スペクトルにおける「櫛の刃」の数)は、例えば、リソースが要求されているユーザデータの優先順位に比例させることができる。
【0136】
別のオプションとしては、優先順位レベルを優先順位グループに分けて、リソース要求の送信に使用する「櫛の刃」の数を、優先順位グループに基づいて移動局に決定させる。リソース要求の送信に使用するアップリンク帯域幅を決定するために使用できる優先順位は、例えば、移動局がユーザデータを送信しようとしている1つ以上の論理チャネルの平均優先順位または最高優先順位、あるいは、送信されるユーザデータのQoS要件(例えば、遅延要件、データレート、データの特性)などに対応させることができ、例えば、緊急の呼に最高の優先順位を与え、バックグラウンドのサービスに低い優先順位を与えることができる。
【0137】
上述したように、リソース要求メッセージに優先順位をつける場合、優先順位の高いリソース要求の受信SNRを高めることができ、たとえ衝突の場合にも、優先順位の高いリソース要求を正しく検出して復号化することができる。
【0138】
この実施形態の変形形態においては、コンテンションベースのアクセスに使用可能な帯域幅の設定を、例えばネットワークによって(例えば、RRCシグナリングなどの制御シグナリングを使用して)シグナリングすることができる。例えば、ハイクラス(high class)の移動端末には、コンテンションベースのアクセス用に割り当てられているスペクトル全体を使用できるように許可することができる。あるいは、利用可能なスペクトルのうちユーザがコンテンションベースのアクセス用に使用できる部分を、優先順位が最も高い論理チャネルの優先順位を用いて決定することができる。
【0139】
別の変形形態においては、コンテンションベースのアクセス送信に優先順位をつけるためのこのメカニズムは、セル内で通信するためのセルに固有の識別情報を移動端末がまだ保持していないときの最初のアクセスにおいても、有利である。いま、例示を目的としてUMTSのLTEを考えると、このような状況は、例えば、LTE_DETACHED状態からLTE_ACTIVE状態に移行するとき、またはLTE_IDLE状態からLTE_ACTIVE状態に移行するときに起こる。
【0140】
図6、図8、および図10に示したように、移動端末は、ユーザデータのアップリンク送信用のリソースを許可するリソース割当てメッセージを受信するまで、リファレンス信号(例えば、パイロット信号)を基地局に繰り返し送信することができる。基地局は、繰り返し送信されるリファレンス信号を使用することによって、最新のチャネル状態情報を認識していることができ、これにより、チャネルに応じた効率的なスケジューリングを行うことができる。一般的には、リファレンス信号を繰り返し送信することは、特定のスケジューリング手順に限定されるものではなく、独立した特徴としてみなすべきである。リファレンス信号を繰り返し送信することは、チャネルに応じたスケジューリングをサポートしている任意のアップリンクスケジューリング方式において有利である。
【0141】
本発明のさらなる実施形態によると、リファレンス信号を送信する頻度は、ネットワークまたは移動局のいずれかによって制御することができる。第1のオプションにおいては、ユーザによるリファレンス信号の送信頻度は、ネットワークによって、例えば、リファレンス信号を送信する周期を例えば制御シグナリング(例えば、RRCシグナリング)によって移動局にシグナリングすることによって、制御される。このオプションでは、セル内の全ユーザからのリファレンス信号送信によるアップリンク負荷を、アクセスネットワークによって制御することが可能となる。
【0142】
第2のオプションにおいては、リファレンス信号を送信する頻度を移動局が決定することができる。この決定では、例えば、移動端末の送信出力制約やチャネルの変動を考慮することができる。例えば、静止状態または低速移動中の移動端末は、高速で移動中の(例えば、自動車や列車の中の)移動端末よりも低い頻度でリファレンス信号を送信することができ、なぜなら、チャネルのステータスが時間とともに大幅に変化することはないためである。
【0143】
本発明の別の実施形態においては、移動端末は、複数の異なるユーザデータ(例えば、複数の異なるカテゴリのユーザデータ、複数の異なる論理チャネルのユーザデータ)を送信するためのアップリンクリソースを要求することができる。この実施形態によるリソース割当て手順について、図10を参照しながら説明する。図10に示した手順においては、例示を目的として、2つの異なるユーザデータとして、優先順位の高いサービスAのユーザデータと、優先順位の低いサービスBのユーザデータとを送信するものと想定する。移動局によって基地局に送信されるリソース要求メッセージ(1001)には、ユーザデータのカテゴリを示すアップリンクリソース情報が含まれている。このアップリンクリソース情報の目的は、基地局が送信のスケジューリングを適切に行うことができるように、移動端末によって送信されるユーザデータのカテゴリを基地局にシグナリングすることである。
【0144】
基地局は、サービスAのユーザデータが、送信における遅延を最小にすることが要求されるカテゴリである、もしくは、データレートが低い、またはその両方であるかを調べる。従って、基地局は、この高優先順位のユーザデータを送信するためのリソースを、この時点で移動端末に許可することを決定する。サービスBのユーザデータについては、基地局は、ただちにはソースを割り当てず、サービスBのユーザデータに関連するスケジューリング情報を送信するためのリソースのみをスケジューリングすることを決定する。オプションとして、基地局は、サービスBのユーザデータのためのリソースを割り当てることに加えて、サービスAのユーザデータのスケジューリング情報も送信できるように十分なリソースを割り当てることもできる。
【0145】
基地局は、リソースを決定した後、リソース割当てメッセージを移動局に送信する(1002)。このリソース割当てメッセージは、サービスAのユーザデータと、サービスBのユーザデータのスケジューリング情報と、オプションとして、サービスAのユーザデータのスケジューリング情報とを送信するためのリソースを、移動端末に許可することができる。
【0146】
次いで、移動局は、サービスAのユーザデータを送信する(1003)ことができ、そして、サービスB(およびサービスA)のユーザデータのスケジューリング情報を基地局に提供する(1004)ことができる。さらに、移動局は、(1つ以上の)リファレンス信号を基地局に送信する(1005)ことができる。有利な方策として、移動局は、このリファレンス信号を繰り返し送信することができる。
【0147】
基地局によって送信されるリソース割当てメッセージは、図6を参照しながら上に概説したように、リファレンス信号を送信するためのリソースの許可も含んでいることができることに留意されたい。リファレンス信号を送信するためのリソースは、サービスAのユーザデータの送信に使用されるリソースと、サービスBのユーザデータの送信に使用されるリソースの両方について、基地局がチャネルを正確に推定できるように選択する、すなわち、スペクトルの帯域幅を使用すべきである。
【0148】
基地局は、スケジューリング情報に基づき、かつ、チャネル推定に基づいて、サービスBのユーザデータを送信するために使用されるリソースを決定することができ、オプションとして、サービスAのユーザデータのためのリソース割当てを再評価することができる。次いで、サービスBのユーザデータの送信用のリソースの割当てと、オプションとして、サービスAのユーザデータの送信用に割り当てたリソースの更新とを、別のリソース割当てメッセージにおいて移動端末に伝える(1006)。
【0149】
移動端末は、この第2のリソース割当てメッセージを受信した時点で、サービスAおよびサービスBのユーザデータを基地局に送信する(1007)ことができる。
【0150】
本発明の別の実施形態は、上に説明したさまざまな実施形態を、ハードウェアおよびソフトウェアを使用して実施することに関する。本発明の上記のさまざまな実施形態は、コンピューティングデバイス(プロセッサ)を使用して実施または実行できることを認識されたい。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブルロジックデバイスとすることができる。本発明のさまざまな実施形態は、これらのデバイスの組合せによって実行あるいは具体化することもできる。
【0151】
さらに、本発明のさまざまな実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施する、あるいはハードウェアに直接実装することもできる。さらに、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに格納することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内で、アップリンク上でデータを送信するためのリソースを要求する方法であって、移動端末によって実行される以下のステップ、すなわち、
リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、コンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信するステップと、
前記リソース要求への応答において、スケジュールされた前記共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信するステップと、
を含んでいる、方法。
【請求項2】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可し、
前記方法が、
前記リソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに、スケジュールされた前記共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信するステップと、
スケジューリング情報の前記送信への応答において、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信するステップと、
をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、リファレンス信号を送信するために前記移動端末に許可されるリソースを示している、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リソース要求への応答において前記リソース割当てメッセージを受信した時点で、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにリファレンス信号を繰り返し送信するステップ、
をさらに含んでいる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記移動端末が、前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージの中で示されている、スケジュールされた前記共有チャネル用に許可される前記リソース、を使用して、前記リファレンス信号を繰り返し送信する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、前記リファレンス信号を繰り返し送信するために前記移動端末に許可されるリソースを示しており、
前記移動端末が、前記リファレンス信号を繰り返し送信するために許可される前記リソースを使用して、前記リファレンス信号を繰り返し送信する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記リファレンス信号の前記送信の頻度が、前記移動通信システムの前記無線アクセスネットワークから受信される制御シグナリングによって設定される、または、前記移動端末によって制御される、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記移動端末が、スケジューリング情報の前記送信への応答において、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する前記第2のリソース割当てメッセージ、を受信した時点で、前記リファレンス信号の送信を停止する、請求項5から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記リソース要求への応答において、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティからタイミング調整コマンドを受信するステップと、
スケジュールされた前記共有チャネル上で前記スケジューリング情報を送信する前に、前記タイミング調整コマンドに従ってアップリンクのタイミングを再整列させるステップと、
をさらに含んでいる、請求項2から請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記タイミング調整コマンドが、前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージの中に含まれている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アップリンク上でデータを送信するためにシングルキャリアFDMA方式が使用される、請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記コンテンションベースのチャネルが、アップリンクアクセス時に分散型スペクトルにマッピングされる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
アップリンクアクセス時にリソース要求を送信するために使用される帯域幅が、送信するためのリソースが要求されているデータの優先順位に比例する、請求項10または請求項11に記載の方法。
【請求項14】
リソース要求を送信するために前記移動端末が使用することを許可される帯域幅が、前記移動通信システムの前記無線アクセスネットワークから受信される制御シグナリングによって設定される、請求項10から請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記リソース要求を送信するために使用する帯域幅を、リソース割当てが要求されているデータの優先順位に基づいて決定するステップ、
をさらに含んでいる、請求項10から請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
スケジュールされた前記共有チャネル上でデータを送信するための前記リソースが、送信時間間隔を単位として許可される、請求項1から請求項15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
リソース割当てメッセージが、前記リソース割当てメッセージがリソースを許可する少なくとも1つの送信時間間隔、または送信時間間隔の数を示している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内で、アップリンク上でデータを送信するためのリソースを移動端末に割り当てる方法であって、前記移動通信システムのリソース割当ての役割を担うネットワークエンティティによって実行される以下のステップ、すなわち、
前記移動端末からコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を受信するステップと、
前記リソース要求に応答して、スケジュールされた前記共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可するリソース割当てメッセージ、を送信するステップと、
を含んでいる、方法。
【請求項19】
前記リソース要求への応答において送信される前記リソース割当てメッセージが、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可し、
前記方法が、
前記移動局から、スケジュールされた前記共有チャネルを介してスケジューリング情報を受信するステップと、
前記スケジューリング情報の前記受信に応答して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を送信するステップと、
をさらに含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記リソース要求への応答において送信される前記リソース割当てメッセージが、リファレンス信号を送信するために前記移動端末に許可されるリソースを示している、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リソース要求に応答して前記リソース割当てメッセージを送信した時点で、前記移動端末からのリファレンス信号を繰り返し受信するステップ、
をさらに含んでいる、請求項18または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記リソース要求に応答して、タイミング調整コマンドを前記移動局に送信するステップ、
をさらに含んでいる、請求項18から請求項21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記タイミング調整コマンドが、前記リソース要求に応答して前記移動端末に送信される前記リソース割当てメッセージに含まれている、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
アップリンク上でデータを送信するためにシングルキャリアFDMA方式が使用される、請求項18から請求項23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記コンテンションベースのチャネルが、アップリンクアクセス時に分散型スペクトルにマッピングされる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティが、スケジュールされた前記共有チャネル上でデータを送信するための前記リソースを、送信時間間隔を単位として許可する、請求項18から請求項25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
リソース割当てメッセージが、前記リソース割当てメッセージがリソースを許可する少なくとも1つの送信時間間隔、または送信時間間隔の数を示している、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記移動端末から受信される前記リソース要求が、スケジューリング情報を含んでいない、請求項1から請求項27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記リソース要求が、前記要求側移動端末の暗黙的または明示的な識別情報を含んでいる、請求項1から請求項28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記リソース要求が、
前記移動端末がデータ送信のためのリソースの割当てを要求していることを、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに示すフラグ、
を備えている、請求項1から請求項29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記要求メッセージを送信する前に、ユーザに固有のスクランブリングコードによって前記要求メッセージをスクランブリングするステップ、
をさらに含んでいる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記リソース要求が、
前記移動端末がデータ送信のためのリソースの割当てを要求していることを、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに示す、前記移動端末の識別子、
を備えている、請求項1から請求項31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記リソース要求が、ユーザデータを送信するために前記移動端末によって要求されるアップリンクリソースを示すリソース情報、を備えている、請求項1から請求項31のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記リソース情報が、
前記移動端末がユーザデータを送信しようとしているデータフローのフロー識別子、または、前記移動端末が送信しようとしているビットの数、
を含んでいる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記リソース情報がフラグから成り、前記フラグが、設定時、遅延の影響を受けやすいサービスのデータを前記移動端末が送信しようとしていることを、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに示す、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム、において使用するための移動端末であって、
リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティに、コンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信する送信器と、
前記リソース要求への応答において、スケジュールされた前記共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信する受信器と、
を備えている、移動端末。
【請求項37】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可し、
前記送信器が、前記リソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに、スケジュールされた前記共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信するように、構成されており、
前記受信器が、スケジューリング情報の前記送信への応答において、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信するように構成されている、
請求項36に記載の移動端末。
【請求項38】
請求項3から請求項17または請求項28から請求項35のいずれかに記載の方法のステップを実施するように構成されている手段、
をさらに備えている、請求項36または請求項37に記載の移動端末。
【請求項39】
スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム、において使用するための、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティであって、
前記移動端末からコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を受信する受信器と、
前記リソース要求に応答して、スケジュールされた前記共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可するリソース割当てメッセージ、を送信する送信器と、
を備えている、ネットワークエンティティ。
【請求項40】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可し、
前記受信器が、前記移動局から、スケジュールされた前記共有チャネルを介してスケジューリング情報を受信するように構成されており、
前記送信器が、前記スケジューリング情報の前記受信に応答して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を送信するように、構成されている、
請求項39に記載の、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティ。
【請求項41】
請求項18から請求項35のいずれかに記載の方法のステップを実施するように構成されている手段、
をさらに備えている、請求項39または請求項40に記載の、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティ。
【請求項42】
命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、前記命令が移動端末のプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、前記移動端末が、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内で、アップリンク上でデータを送信するためのリソースを、以下のステップ、すなわち、
リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティにコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を送信するステップと、
前記リソース要求への応答において、スケジュールされた前記共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを許可するリソース割当てメッセージ、を受信するステップと、
によって要求する、コンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可し、
前記コンピュータ可読媒体が、命令をさらに格納しており、前記命令が前記移動端末の前記プロセッサによって実行されたとき、それに起因して、前記移動端末が、
前記リソース割当てメッセージに応答して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに、スケジュールされた前記共有チャネルを介してスケジューリング情報を送信し、
スケジューリング情報の前記送信への応答において、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を受信する、
請求項42に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
命令をさらに格納しており、前記命令が前記移動端末の前記プロセッサによって実行されたとき、それに起因して、前記移動端末が、請求項3から請求項17または請求項28から請求項35のいずれかに記載の方法のステップを実行する、請求項42または請求項43に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項45】
命令を格納しているコンピュータ可読媒体であって、前記命令が、リソース割当ての役割を担うネットワークエンティティのプロセッサによって実行されたとき、それに起因して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティが、スケジュールされた共有チャネル上での送信と、コンテンションベースのチャネル上での送信とを備えているアップリンク方式、を使用する移動通信システム内で、アップリンク上でデータを送信するためのリソースを、以下のステップ、すなわち、
前記移動端末からコンテンションベースのチャネルを介してリソース要求を受信するステップと、
前記リソース要求に応答して、スケジュールされた前記共有チャネルを介してデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可するリソース割当てメッセージ、を送信するステップと、
によって、移動端末に割り当てる、コンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記リソース要求への応答において受信される前記リソース割当てメッセージが、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティにスケジューリング情報を送信するためのリソースを許可し、
前記コンピュータ可読媒体が、命令をさらに格納しており、前記命令が、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティの前記プロセッサによって実行されたとき、それに起因して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティが、
前記移動局から、スケジュールされた前記共有チャネルを介してスケジューリング情報を受信し、
前記スケジューリング情報の前記受信に応答して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティに、スケジュールされた前記共有チャネル上でユーザデータを送信するためのリソースを前記移動端末に許可する第2のリソース割当てメッセージ、を送信する、
請求項45に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項47】
命令をさらに格納しており、前記命令が前記ネットワークエンティティの前記プロセッサによって実行されたとき、それに起因して、リソース割当ての役割を担う前記ネットワークエンティティが、請求項18から請求項35のいずれかに記載の方法のステップを実行する、請求項45または請求項46に記載のコンピュータ可読媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−157036(P2012−157036A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60156(P2012−60156)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【分割の表示】特願2008−552689(P2008−552689)の分割
【原出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】