説明

移動通信システムにおけるサービス・オン・デマンド

【課題】移動通信システムにおいてサービス・オン・デマンドを使用する方法と、この方法を実施する装置を提供する。
【解決手段】サービス・オン・デマンドは、移動ステーションにより受信されるように意図される。移動ステーションはセルの送信を監視し、その送信から移動ステーションに意図された部分を受信する。サービス・オン・デマンドを利用するため、セルにおいてセルに位置する全移動ステーションに第1チャンネルを経てサービス・オン・デマンドが供給され、サービス・オン・デマンドのユーザとして登録するために移動ステーションからシグナリングチャンネルを経て登録メッセージが送信され、サービス・オン・デマンドをいかに受信するかを示す登録確認が移動ステーションに受信され、登録確認が指示するやり方で第1チャンネルを経てサービス・オン・デマンドの受信が開始される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムを経て加入者へ搬送されるサービスに係り、より詳細には、加入者に料金が課せられるサービス・オン・デマンドに係る。
【背景技術】
【0002】
固定ネットワークに関連して、例えば、ビデオ・オン・デマンドのような種々のブロードキャストサービスが必要なときにユーザにより利用されるように実施されている。加入者は、一般に、このようなサービスに対しその使用量に応じて支払いをする。このようなサービスを、以下、サービス・オン・デマンド(需要に応じたサービス)と称する。固定ネットワークでは、加入サービスを容易にブロードキャストすることができ、サービス・オン・デマンドはその協約に基づき特定の固定の利用位置で提供されるので、これらサービスの加入者に容易に料金を課することができる。
【0003】
しかしながら、このような構成では、加入者がシステムエリアを自由に移動できる移動通信システムにおいてこれを実施できないという問題が生じる。公知の移動通信システムでも、料金の課せられるサービスを利用できるが、そのサービスは、ポイント−ポイント送信をベースとするもので、ネットワークに負担をかける。移動通信システムにおいて実施されるブロードキャストは、セル内に位置する全ての移動ステーションに意図された情報を含むセル特有のセルブロードキャストである。例えば、パン・ヨーロピアンGSM(登録商標)(移動通信用のグローバルシステム)システムは、セルブロードキャストに加えて、メッセージ送信器により決定された瞬間にエリア内の全ての加入者又は所定の加入者グループにメッセージが送信されるポイント−マルチポイント送信のようなブロードキャスト特性の送信モードを規定している。ポイント−マルチポイント送信の特殊な形態である「マルチキャスト」においては、特定の瞬間に特定の地理的エリアに位置する加入者にメッセージが送信される。送信されるメッセージは、グループ識別子を含み、そのグループに属する加入者のみがメッセージを受信する。しかしながら、これらの送信モードは、サービス・オン・デマンドを実施するのには適していない。というのは、メッセージの受信の瞬間が、やはり料金を課せられる送信者によって決定されないからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明の目的は、移動通信システムにおいてポイント−ポイント送信を伴うことなくサービス・オン・デマンドを与えることのできる方法、及びこの方法を実施する装置を提供することである。本発明のこの目的は、セルにおいてセルに位置する全ての移動ステーションに第1チャンネルを経てサービス・オン・デマンドを供給し、サービス・オン・デマンドのユーザとして登録するために登録メッセージを移動ステーションからシグナリングチャンネルを経て送信し、サービス・オン・デマンドをいかに受信するかを指示する登録の確認を移動ステーションにおいて受信し、そしてその確認メッセージにより指示されたやり方で第1チャンネルを経てサービス・オン・デマンドの受信を開始することを特徴とする方法により達成される。
【0005】
登録とは、ここでは、移動通信ネットワーク又はサービスプロバイダーが使用料金を課すことのできる加入者情報を得るように、使用するサービス・オン・デマンドを識別しそしてユーザを識別するのに必要な全ての方法段階を指す。しかしながら、登録メッセージは、ユーザが登録を希望することを指示すれば充分である。
更に、本発明は、本発明の方法を使用することのできる移動通信システムにも係る。本発明による移動通信システムは、更に、サービス・オン・デマンドのサービスエリアのベーストランシーバステーションを経、セル特有の第1チャンネルを経て、サービスエリアに位置する全ての移動ステーションへ少なくとも1つのサービス・オン・デマンドを供給し、サービス・オン・デマンドのユーザの登録を受信し、そしてその登録を確認するために、少なくとも1つのオン・デマンド・サービスセンターを備えており、そして少なくとも1つの移動ステーションは、シグナリングチャンネルを経て登録メッセージを送信することによりサービス・オン・デマンドのユーザとして登録し、登録の確認を受信し、そしてその確認に含まれた情報で指示されたように位置セルの第1チャンネルを経てサービス・オン・デマンドの受信を開始し、そしてサービス・オン・デマンドをユーザへ搬送するように構成されることを特徴とする。
【0006】
更に、本発明は、本発明の方法及びシステムに使用することのできる移動ステーションにも係る。本発明の移動ステーションは、登録メッセージを構成して、シグナリングチャンネルを経て移動通信ネットワークへそれを送信するための登録手段を備え、この登録メッセージは、移動ステーションのユーザが位置セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドのユーザとして登録を希望することを指示するものであり、そして登録手段は、登録の確認を受け取り、更に、移動ステーションは、上記確認に応答して、その確認で指示されたようにサービス・オン・デマンドを受信し、そしてユーザインターフェースへサービスを搬送するためのサービス手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
更に、本発明は、本発明の方法及びシステムに使用することのできるオン・デマンド・サービスセンターにも係る。本発明のオン・デマンド・サービスセンターは、移動通信システムの少なくとも1つのセルを備えたサービスエリアへ少なくとも1つのサービス・オン・デマンドを供給するためのサービス手段と、サービス・オン・デマンドのユーザの登録を受け取りそして確認するための登録手段と、上記登録手段に応答して、サービス・オン・デマンドの利用に対してユーザに料金を課するための課金手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
更に、本発明は、本発明の方法及びシステムに使用することのできるベーストランシーバステーションにも係る。本発明のベーストランシーバステーションは、そのチャンネルの1つを経て少なくとも1つのサービス・オン・デマンドを送信するよう構成され、このサービス・オン・デマンドは、セル内に位置する全ての移動ステーションに利用できることを特徴とする。
本発明は、料金を支払わねばならないサービス・オン・デマンドをセルにおいて送信し、ユーザがセル内のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録されるとサービス・オン・デマンドを利用できるという考え方をベースとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果は、料金を支払わねばならないサービスを、無線リソース及びネットワーク容量を節約して、コスト効率良く提供できることである。サービスプロバイダーは、1回の送信で多数のユーザに到達し得る。更に別の効果は、ユーザがサービスに前もって加入したり又は所定のグループに所属したりする必要がなく、同じセルにおける同じチャンネルのサービスを何人のユーザが利用するかに関わりなく、ユーザの現在位置のセルで利用できるいかなるサービスも希望したときに使用を開始できることである。サービスユーザとしての登録は、シグナリングチャンネルにおいて開始され、そしてサービスはセルの別のチャンネルを経て送信されるので、共通のコール設定シグナリングによって登録を実行することができ、そしてサービス・オン・デマンドは、各セルにおいてシステムに関連した最も適したチャンネルを経て送信することができる。更に別の効果は、登録をせずにサービス・オン・デマンドが送信されるチャンネルを移動ステーションが知らないことである。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、送信されるサービス・オン・デマンドが暗号化され、そして暗号を解読できるキーが移動ステーションに送信され、従って、サービスの無断利用を禁止できるという効果がある。
本発明の好ましい実施形態では、オン・デマンド・サービスセンターは、サービス・オン・デマンドが少なくとも1人のユーザをもつときだけサービス・オン・デマンドを送信し、従って、システムの不必要な負荷を回避できるという効果がある。
本発明の方法、システム、移動ステーション、オン・デマンド・サービスセンター及びベーストランシーバステーションの好ましい実施形態は、独立請求項に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】移動通信システムの簡単なブロック図である。
【図2】本発明の第1の好ましい実施形態に基づくシグナリングを示す図である。
【図3】本発明の第2の好ましい実施形態に基づくシグナリングを示す図である。
【図4】本発明の移動ステーションの簡単なブロック図である。
【図5】本発明のオン・デマンド・サービスセンターの簡単なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明は、例えば、UMTS(ユニバーサル・モービル・テレホン・システム)と称する開発中の第3世代移動通信システムのようないかなるセルラー移動通信システムにも適用できる。本発明は、広帯域データ転送を与えるパケットデータシステムに関連して実施するのが特に適している。このようなシステムは、例えば、UMTS及びGPRS(ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス)を含み、これは、GSM(登録商標)システムの新たなサービスであり且つETSI(ヨーロピアン・テレコミュニケーション・スタンダード・インスティテュート)におけるGSM(登録商標)フェーズ2+標準化作業の主題でもある。GPRSサービスは、GSM(登録商標)ネットワークがアクセスネットワークとして働く状態で移動データターミナル装置と外部データネットワークとの間でパケットデータ転送を行うことができる。本発明の好ましい実施形態は、GPRSサービス及びGSM(登録商標)ネットワークの組合せとして形成されたGPRSパケット無線ネットワークにより以下に説明するが、本発明は、このようなパケット無線システムに限定されるものではない。一般的には移動通信システム、そして特にGPRS及びUMTSシステムの定義は、急速に進展している。従って、全ての用語及び表現は、広い意味で解釈しなければならず、本発明を単に例示するもので、何ら限定するものではない。本発明にとって重要なものは機能であり、機能を実行する要素ではない。
【0013】
図1は、GSM(登録商標)システムにおいて実施されるGPRSパケット無線ネットワークである移動通信システムを示す。パケット無線ネットワークは、サービス・オン・デマンドのユーザと、オン・デマンド・サービスセンターとの間に物理的な接続を与えるものに過ぎず、ネットワークの厳密なオペレーション及び構造は、本発明に関係ないことに注意されたい。GPRSサービス1は、ゲートウェイサポートノード、種々のサブネットワークサービスエリア、サービス側GPRSサポートノードSGSN、トランクネットワーク、及び他のデータネットワークへの接続を含む。GPRSネットワークの構造は、図1には詳細に示さない。UTMSシステムでは、SGSNに対応するノードがパケットデータアクセスノードPDANである。
【0014】
GPRSサービス1の各サービスサポートノードSGSNは、GSM(登録商標)移動通信システムに接続され、サービスサポートノードが、複数のベーストランシーバステーション即ちセルCを経て移動データターミナル装置へパケットデータサービスを提供できるようにされる。図1の例では、SGSNは、ベースステーションコントローラBSCに接続される。それらの間の移動通信ネットワークは、サポートノードと移動データターミナル装置との間にパケット交換データ転送を与える。各サポートノードSGSNは、セルラー型のパケット無線ネットワークにおいて1つ以上のセルCのエリアにおけるパケットデータサービスを管理する。無線セルCは、互いに若干重畳するが、図1では、明瞭化のために、それらは明確な境界をもつものとして示されている。又、セルの形状は、実際には、図1のように規則的でない。移動ステーションMSは、無線経路を経てベーストランシーバステーションBTSに接続され、図1の場合には、ベーストランシーバステーションBTS1に接続される。一般的には、1つのセルC当たり1つのベーストランシーバステーションBTSが設けられる。セルに位置する移動ステーションMSは、移動通信ネットワークを経て、セルが属するサービスエリアのサポートノードSGSNと通信する。原理的に、サポートノードSGSNと移動ステーションMSとの間の移動通信ネットワークは、これら2つの間にのみパケットを搬送する。その結果、移動通信ネットワークは、移動ステーションMSとサービスサポートノードSGSNとの間にデータパケットのパケット交換転送を与える。
【0015】
GSM(登録商標)ネットワークにおけるベースステーションコントローラBSCの制御のもとには、通常、複数のベーストランシーバステーションBTSがある。ベースステーションコントローラBSCは、ベーストランシーバステーションBTSにより使用される無線周波数及び無線チャンネルを管理する役割を果たす。移動交換センターMSCの制御のもとには、通常、複数のベースステーションコントローラBSCがある。移動交換センターMSCは、例えば、図1に示されていない他の移動交換センター、公衆電話ネットワーク、他の移動電話ネットワーク及び種々のサービスセンターに接続される。加入者レジスタとして、GSM(登録商標)ネットワークは、少なくともホーム位置レジスタHLR及びビジター位置レジスタVLRを有している。ネットワーク内の全ての加入者に関する加入者情報は、ホーム位置レジスタHLRに永久的又は半永久的に記憶される。通常、料金が課せられるのは、加入者であり、移動ステーションは、別の人でも使用できる。ホーム位置レジスタは、移動交換センターと共に、勘定情報を収集し、これは個別の勘定センター(図示せず)へ送信される。GSM(登録商標)ネットワークのホーム位置レジスタHLRは、GPRS加入者情報及びルート情報を含む。ビジター位置レジスタVLRは、別の形式であり、通常、1つの移動交換センターMSCに接続されるが、多数のセンターにサービスすることもできる。移動ステーションMSがアクティブである(それがネットワークに登録されてコールを開始又は受信できる)ときには、ホーム位置レジスタHLRに含まれた移動ステーションMSに関するほとんどの加入者情報が、移動ステーションMSが位置するエリアの移動交換センターMSCのビジター位置レジスタVLRにロード(コピー)される。
【0016】
ベーストランシーバステーションBTSは、それら自体及び環境に関する情報を一般的情報としてセルブロードキャストチャンネルを経て連続的に送信する。移動ステーションMSは、サービスベーストランシーバステーションと称するベーストランシーバステーションBTSのセルブロードキャストチャンネルを一度に1つだけ受信する。ベースステーションコントローラBSCは、ベーストランシーバステーションのセル特有のセルブロードキャストチャンネルにおけるメッセージを管理する。ベースステーションコントローラBSCは、オペレータにより供給される情報に基づいて各単一のベーストランシーバステーションBTSに意図されたブロードキャストメッセージを搬送する。又、ベースステーションコントローラBSCは、サービス・オン・デマンドに関連したメッセージを正しいベーストランシーバステーションに供給する役割も果たすことができ、従って、各セルのサービス・オン・デマンドに対して構成された情報をもつことができる。又、SGSNも、上記タスクを果たし、そのエリアにおけるセルのサービス・オン・デマンドに関する情報を含むことができる。
【0017】
本発明の移動通信システムは、更に、少なくとも1つのオン・デマンド・サービスセンターODSCを備えており、これは、例えば、GPRSサービス1に関連される。或いは又、移動交換センターMSCに接続することもできる。オン・デマンド・サービスセンターODSCは、必ずしも1つのエンティティではなく、異なるユニットに分配された機能を含むこともでき、例えば、移動交換センター及びホーム位置レジスタは、サービスの利用に料金を課する役割を果たし、移動交換センター及びビジター位置レジスタは、登録を受け入れる役割を果たし、ベースステーションコントローラ又はSGSNは、サービス・オン・デマンドをベーストランシーバステーションに搬送する役割を果たし、そしてベーストランシーバステーションは、送信の前にサービスを暗号化する役割を果たす。しかしながら、明瞭化のために、オン・デマンド・サービスセンターは、以下、1つのエンティティとして取り扱う。オン・デマンド・サービスセンターは、図5を参照して詳細に説明する。
【0018】
オン・デマンド・サービスセンターODSCは、種々のサービスを発生することができる。通常、各サービスに対して独特のサービスエリアが定義される。サービスエリアは、少なくとも1つのセルCをカバーしなければならず、そして最も大きくてシステム全体を含む。適当に定義されたサービスエリアでは、例えば天気レポートをローカルで提供することができ、そしてビデオ・オン・デマンドサービスを全ネットワークエリアに提供することができる。従って、各セルにおけるサービス・オン・デマンドは、互いに独立している。図1のセルA3は、例えば、サービス・オン・デマンド1を利用することができ、そしてセルC1は、サービス・オン・デマンド2及び3を利用することができる。サービス・オン・デマンドが使用するチャンネルは、通常、オペレータによりセル特有に決定される。各サービス・オン・デマンドには、独特の送信チャンネルを割り当てることができる。或いは又、同じ送信チャンネルを経て幾つかの又は全部のサービス・オン・デマンドを送信することもできる。天気レポートのような重要度の低いサービス・オン・デマンドは、他の情報と共にオン・デマンド・チャンネルに送信することができ、この場合、それらは、無線インターフェイスリソースを節約する。サービス・オン・デマンドが送信されるチャンネルは、以下、オン・デマンド・サービスチャンネルと称される。公知の送信チャンネルは、全ての移動ステーションにより送信を受信できるところのブロードキャストチャンネルと、接続特有の送信チャンネルとを含む。オン・デマンド送信チャンネルは、オン・デマンド送信チャンネルの送信が、登録されたユーザでなければ受信できないという点で、ブロードキャストチャンネルと相違する。又、オン・デマンド・チャンネルは、その送信を2つ以上の移動ステーションにより受信できそしてチャンネルの割り当てに端−端接続が不要であるという点で、接続特有の送信チャンネルとは相違する。システムは、通常、オン・デマンド・サービスチャンネルを経てシグナリングメッセージを受信することを期待しないが、ある実施形態では、シグナリングメッセージを送信することができる。サービスの性質に基づき、オン・デマンド・サービスチャンネルは、デュープレックスであってもよい。
【0019】
図2は、本発明の第1の好ましい実施形態のシグナリング図である。移動ステーションMSは、初めてセルに登録され、例えば図1の場合にはセルC1に登録され、そしてサービスベーストランシーバステーション、図1の場合にはベーストランシーバステーションBTS1のセルブロードキャストチャンネルを経てメッセージ2−1においてセルに利用できるサービス・オン・デマンドの情報を受信する。移動ステーションのユーザは、希望するサービスを選択し、そしてサービスのユーザとして登録するための命令を移動ステーションに与える。移動ステーションは、加入者を識別するのに必要な情報と、選択されたサービス、例えばサービス2についての情報を、登録メッセージ2−2においてシグナリングチャンネルを経て送信する。ベーストランシーバステーションは、メッセージ2−2を受信し、そしてそれをオン・デマンド・サービスセンターODSCへ転送し、該センターは、加入者がサービス2の利用を開始することを登録し、そして登録の確認をメッセージ2−3においてベーストランシーバステーションへ送信する。ベーストランシーバステーションは、サービス・オン・デマンドの暗号を解読できるキーをメッセージ2−3に追加し、そして確認及びキーをメッセージ2−4において移動ステーションへ送信する。他の実施形態では、キーが既にメッセージ2−3にあり、この場合、ベーストランシーバステーションは、メッセージ2−4ではなく、そのメッセージのみを転送する。ベーストランシーバステーションは、サービス・オン・デマンドが送信されるチャンネルに関する情報をメッセージ2−4において又はその前に個別メッセージにおいて移動ステーションへ送信する。移動ステーションは、確認を受信し、そして確認から、おそらく確認に含まれたキー及びオン・デマンド・サービスチャンネル定義情報を分離する。次いで、移動ステーションは、オン・デマンド・サービスチャンネルを経て暗号化されて送信されたサービスを受信して暗号解読し、そしてそのサービスをポイント2−5において移動ステーションのユーザへ搬送する。第1の好ましい実施形態では、ベーストランシーバステーションは、サービス・オン・デマンドを、送信の前に暗号化する。暗号化してキーを追加することは、ベーストランシーバステーションにおいて後で行なわれることに過ぎないので、ネットワーク負荷を最小に保持することができる。別の実施形態では、送信センターがサービス・オン・デマンドを暗号化状態でネットワークに送信することができる。集中的に暗号化する利点は、暗号化アルゴリズムをネットワークにおいて1回計算すればよいことである。更に、集中的な暗号化は、例えば、受信器特有の暗号を使用できるようにする。
【0020】
移動ステーションのユーザがサービスの利用をもはや希望しないときには、インターフェイスを経て移動ステーションに終了コマンドを与える。第1の好ましい実施形態では、移動ステーションは、サービスの終了、即ち登録のキャンセルに関する情報をメッセージ2−6においてシグナリングチャンネルに送信する。同時に、移動ステーションは、サービスの利用を停止し(ポイント2−5)、即ちサービスを暗号解読して移動ステーションのユーザへ搬送するのを停止する。ベーストランシーバステーションは、メッセージ2−6をオン・デマンド・サービスセンターへ搬送し、該センターは、利用の終了を登録し、そして利用したサービスに対してユーザに料金を課するために使用料チケットを発行する。他の実施形態では、オン・デマンド・サービスセンターが終了メッセージを確認し、そして移動ステーションは、この確認に応答したときだけサービス・オン・デマンドの利用を停止することができる(ポイント2−5)。受信器特有の暗号が使用されるときには、オン・デマンド・サービスセンターは、メッセージ2−6を受信した後にサービス・オン・デマンドの暗号を変更し、移動ステーションがもはやそれを受信できないようにすることができる。或いは又、移動ステーションが別のチャンネルを受信するように移動し及び/又は受信に必要なメモリの情報をゼロにセットする。
【0021】
図3は、本発明の第2の好ましい実施形態のシグナリング図である。移動ステーションのユーザは、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドに関する情報を要求し、従って、移動ステーションMSは、サービス・オン・デマンドを要求するメッセージ3−1を好ましくはシグナリングチャンネルに送信する。ベーストランシーバステーションBTSは、メッセージ3−1を識別し、そしてそのメッセージに応答して、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドがリストされたメッセージ3−2を移動ステーションに送信する。別の実施形態では、ベーストランシーバステーションが、オン・デマンド・サービスセンター、サポートノードSGSN又はベースステーションコントローラへ要求を搬送することができ、これらは、ベーストランシーバステーションを経て移動ステーションに応答する。ユーザは、サービスの中から希望するサービス、例えば、サービス3を選択し、そしてサービスのユーザとして登録するためのコマンドを移動ステーションに与える。移動ステーションは、加入者を識別するのに必要な情報、及び選択されたサービス、この例ではサービス3に関する情報を、メッセージ3−3においてシグナリングチャンネルを経て送信する。ベーストランシーバステーションは、メッセージ3−3を受信し、そしてそれをオン・デマンド・サービスセンターODSCに転送する。オン・デマンド・サービスセンターは、ホーム位置レジスタからの加入者情報をチェックし、そして加入者が利用サービスの前払いに合意していることを検出する。加入者は、自分のサービス口座で使用できるxFIMを有している。オン・デマンド・サービスセンターは、サービス3をその総額に対してy分間利用できることを計算する。次いで、オン・デマンド・サービスセンターは、加入者がサービス3の利用を開始することを登録し、そして登録の確認、最大利用時間y、及びサービス・オン・デマンド暗号の解読キーをメッセージ3−4においてベーストランシーバステーションへ送信する。ベーストランシーバステーションは、サービス3が送信されるチャンネルの受信を開始するために移動するコマンドをメッセージ3−4に追加し、そしてメッセージ3−5を移動ステーションへ送信する。移動ステーションは、確認を受信し、キー及び最大時間yを確認から分離し、そしてメッセージに含まれたオン・デマンド・サービスチャンネルを受信するように移動する。次いで、ポイント3−6において、移動ステーションは、暗号化されて送信されたサービスを利用し、即ち受信して暗号解読し、そしてそのサービスを移動ステーションのユーザへ搬送する。同時に、移動ステーションは、最大時間が経過するときを監視する。ユーザから終了コマンドが受信されない場合には、移動ステーションは、最大時間yが経過すると、ポイント3−7においてサービスの利用を停止し、チャンネルを退出する。最大時間が経過する前にオン・デマンド・サービスセンターが終了メッセージを受信しない場合には、加入者のサービス口座の残高を0FIMにセットする。
【0022】
別の好ましい実施形態では、オン・デマンド・サービスセンターは、メッセージ3−3を受信した後に、移動ステーションを経てユーザにサービスをどれほど長時間利用したいか又はサービスにどれほどの金額を消費するつもりかを問い合わせる。移動ステーションは、どれほど長時間サービスを受けられるかをメッセージ3−4において指示する応答をオン・デマンド・サービスセンターに送信する。同時に、オン・デマンド・サービスセンターは勘定書を送信する。加入者のプリペイカード(GSM(登録商標)システムではSIMカード)を使用するときには、どれほどの金額を消費できるかの情報が、例えば、メッセージ3−3に追加される。加入者のプリペイカードを使用するときには、サービス・オン・デマンドの使用料は、加入者カードの総額を減少することで課金される。
【0023】
1つの好ましい実施形態では、移動ステーションのユーザは、サービスをどれほど長時間利用したいか又はサービスにどれほどの金額を消費するつもりかの情報をメッセージ3−3において予め送信することができる。ここで、移動ステーションは、ユーザにより与えられた情報から時間及び総額を予め識別することができ、この場合に、メッセージ3−4において時間を指示する必要はない。
【0024】
1つの好ましい実施形態では、オン・デマンド・サービスセンターは、最大使用時間yをメッセージ3−4において移動ステーションへ送信せず、時間の経過自体を監視する。希望の/支払した時間が経過すると、オン・デマンド・サービスセンターは、終了コマンドを移動ステーションに送信する。この終了コマンドは、シグナリングチャンネルを経て移動ステーションへ向けられるメッセージとして送信されるのが好ましい。というのは、他の情報は、サービス・オン・デマンドの中でも送信できるからである。移動ステーションは、終了コマンドを受信した後にサービスの搬送を停止する。又、終了コマンドは、移動ステーションが移動してサービス・オン・デマンドの送信以外の別のチャンネルの受信を開始すべきであることを示すコマンドであってもよい。受信器特有の暗号が使用される場合には、個別の終了コマンドは不要である。時間が経過したときに暗号が変更されると、受信器は、もはやサービス・オン・デマンドを暗号解読することができない。更に、各受信器が独特の暗号フィールドを有するような暗号方法が使用されるときには、個別の終了コマンドは不要である。暗号フィールドをゼロに設定する結果として、受信器は、もはや送信を受け取ることができない。
【0025】
図2及び3に関連して上述したシグナリングメッセージは一例に過ぎず、同じ情報を搬送するために多数の個別のメッセージを含んでもよい。更に、メッセージは、更に別の情報を含んでもよく、又、それらを自由に組み合わせることもできる。オペレータ及びシステムに基づき、異なる機能が分配された他のネットワーク要素を、情報の搬送及びシグナリングに関与させてもよい。又、上述した以外のチャンネルを使用して、メッセージを搬送することもできる。異なる実施形態を結合することもできる。又、サービス・オン・デマンドは、特定のサービスのみに割り当てられたチャンネルを経て暗号化せずに送信することもでき、この場合、登録確認においてキーを送信する必要はない。又、サービス・オン・デマンドは、サービス識別子が設けられたオン・デマンド・サービスチャンネル又はブロードキャストチャンネルを経て送信することもできる。このような場合に、移動ステーションが正しいメッセージを選択できるキーとして働くようにグループ識別子が移動ステーションへ送信される。重要なことは、サービスを利用できるようにする情報の断片が登録確認において搬送されることである。最も簡単な場合、情報は、サービス・オン・デマンドが送信されるチャンネルであるか又はグループ識別子のみである。或いは又、セルにおいて利用できるサービスの情報は、個別の交換センターにコールすることにより要求することもできるし、又はセルが例えば30分ごとにブロードキャストショートメッセージとして情報を送信することもできる。又、オン・デマンド・サービスチャンネルは、オープンアナウンスメントフィールドをもつこともでき、セル内の全ての移動ステーションはこれに従うことができ、このフィールドは、サービス・オン・デマンドの広告を含む。
【0026】
図4は、本発明による移動ステーションMSの簡単なブロック図である。GSM(登録商標)システムでは、移動ステーションMSは、実際のターミナル装置と、それに取り外し可能に取り付けられた加入者識別モジュールSIMとを備えている。UMTSシステムでは、それに対応する認識モジュールは、USIMと称される。GSM(登録商標)システムでは、加入者を識別するのに使用されるSIM(加入者認識モジュール)カードは、移動ステーションに配置されるプロセッサカード、即ちスマートカードであり、これは、例えば、移動ステーション加入者を識別するためのIMSI(国際移動加入者認識)番号のような加入者の識別に関連した情報と、メモリM2の容量とを含む。実際のターミナルは、アンテナを伴うトランシーバTx/Rxと、ユーザインターフェースUIと、コントローラCPと、メモリM1とを含む。従って、移動ステーションのメモリは、2つの部分、即ちターミナルのメモリM1と、SIMカードのメモリM2とを含む。
【0027】
ユーザインターフェースUIは、通常、キーパッドと、ディスプレイと、スピーカと、マイクロホンとを含むが、これらは図示されていない。又、ユーザインターフェースは、ターミナルを伴うコンピュータ、テレビジョン、又はサービス・オン・デマンドを受信するために移動ステーションに接続された無線装置も含むことができる。ユーザインターフェースUIは、ユーザが命令及びコマンドをコントローラCPに与えると共に、移動通信システムにより搬送された情報を受信できるようにする。又、ユーザインターフェースUIは、移動ステーションのユーザがサービス・オン・デマンドの情報を受信し、サービス・オン・デマンドのユーザとして登録するコマンドを与え、サービス・オン・デマンドを受信し、そしてサービス・オン・デマンドの受信を停止するコマンドを与えることができるようにする。
【0028】
コントローラCPは、ユーザインターフェースから、例えば、サービス・オン・デマンドの利用に関連した上記入力を受け取る。コントローラCPは、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドを移動ステーションのユーザに、例えば、音声信号及びメッセージ、又はディスプレイに現れるキャラクタで指示することができる。又、コントローラCPは、移動ステーション及び/又は移動通信システムのオペレーションに関連した音声信号、ヘルプテキスト又はヘルプキャラクタを、インターフェイスを経て移動ステーションのユーザに発生し、そして受け取られた応答を移動通信システムに搬送することもできる。
【0029】
コントローラは、例えば、サービス・オン・デマンドのユーザ登録及び終了やセルの加入サービスに関連したメッセージのようなシグナリング/制御メッセージを、トランシーバTx/Rxを経て受信及び送信する。又、コントローラは、トランシーバを経てセルブロードキャストも受信する。サービス・オン・デマンドの登録に関連した確認から、コントローラは、サービス・オン・デマンドをいかに受信するかを示す命令を分離する。この命令は、送信チャンネル又はキー、或いはこれら2つの組合せに関する情報の断片のみでよい。コントローラは、登録に関連した確認から、送信暗号解読キーを分離し、そしてこのキーを使用して、暗号送信されたサービス・オン・デマンドを暗号解読することができる。コントローラは、キーとして、グループコードを分離し、従って、ブロードキャスト又はオン・デマンド・サービスチャンネル送信から特定コードが設けられたサービス・オン・デマンドを受信し、そしてサービスをユーザに搬送することができる。コントローラは、セルブロードキャストチャンネルを経て、又はオン・デマンド・サービスチャンネルのオープンフィールドから、セルの加入サービスに関する情報を受信することができる。コントローラは、ベーストランシーバステーションが利用サービスを送信すると共に移動ステーションが登録に関連して受信するように命令されるところのオン・デマンド・サービスチャンネルを経てサービス・オン・デマンドを受信する。又、このオン・デマンド・サービスチャンネルは、セルブロードキャストチャンネルでもよい。又、コントローラは、ある時間中だけサービス・オン・デマンドを受信する役割を果たすこともできる。更に、ユーザとは別に、コントローラは、移動通信システムからのサービス・オン・デマンドの受信及び搬送を停止する命令/コマンドを受信することができる。コントローラは、終了コマンド/命令に応答して、暗号解読キー又はグループコードをその使用から取り除くことができる。
【0030】
コントローラは、セルブロードキャストから、セルにおいて利用できるサービスを分離し、そして移動ステーションのユーザインターフェースを経てユーザにそれを表示する。コントローラは、移動ステーションのユーザの要求があった際に又はセルに移動ステーションを最初に登録する際にサービスを表示するように構成できる。又、コントローラは、移動ステーションのユーザが、利用できるサービス・オン・デマンドの情報を希望するときに、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドの情報を要求するメッセージを構成することもできる。
【0031】
図5は、本発明によるオン・デマンド・サービスセンターODSCの簡単なブロック図である。オン・デマンド・サービスセンターODSCは、必ずしも、図5に示すように1つのエンティティで構成されるものではなく、図1について述べたように、異なるユニットに配置された分散機能で構成されてもよい。オン・デマンド・サービスセンターODSCは、少なくとも1つのサービス部分SPを備え、これは、サービス・オン・デマンドの受信部及び送信部を含む。サービス部分は、ネットワーク、例えば、GPRSパケット無線ネットワーク又はUMTSネットワークにサービスを搬送できるようにする。各別々のサービス・オン・デマンドが独特のサービス部分を有するのが好ましい。オン・デマンド・サービスセンターODSCは、このオン・デマンド・サービスセンターを他のネットワーク又はサービスセンターに接続するための接続部分L1(図には1つしか示されていない)を含むことができる。オン・デマンド・サービスセンターは、サービス・オン・デマンドのユーザの登録を受信しそして確認するための登録部分RPと、サービス・オン・デマンドの利用に対して料金を課する勘定部分BPとを備えている。オン・デマンド・サービスセンターODSCは、更に、例えば、異なるサービスの暗号キーを記憶するか、又はサービス・オン・デマンドのセル特有のビットを維持するためのメモリMを備えている。又、オン・デマンド・サービスセンターから送信される各サービス・オン・デマンドのサービスエリアも、メモリMに記憶することができる。これらに加えて、オン・デマンド・サービスセンターは、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドを要求するメッセージに応答する間に、例えば、ショートメッセージを発生するためのメッセージ発生部分GPを含むことができる。
【0032】
本発明によるオン・デマンド・サービスセンターODSCのサービス部分SPの受信部は、サービスプロバイダーからサービス・オン・デマンドを受信する。対応的に、送信部は、当該サービスのサービスエリアに属する移動通信システムのベーストランシーバステーションにサービス・オン・デマンドを送信する。ベーストランシーバステーションではなく、オペレータにより与えられた命令に基づきサービス・オン・デマンドを正しいベーストランシーバステーションに転送する役割を果たすベースステーションコントローラ又はサービスノードにサービスを送信することができる。サービスノードは、例えば、GPRSネットワークのSGSN及びUMTSネットワークのPDANを含む。実施形態にもよるが、送信部は、サービス・オン・デマンドを、送信前に暗号化せずに送信する。暗号化を集中的に行うように構成する場合には、同じ暗号を必要に応じて数千のユーザに適用することができ、しかも、各ユーザの受信器には、独特の受信器特有のキーを与えて、これを用いて当該ユーザ受信器のみで暗号解読できるという効果を有する。暗号化は、登録された移動ステーションのみを経てサービス・オン・デマンドが使用されるように保証する。
【0033】
オン・デマンド・サービスセンターODSCの登録部分RPは、移動ステーションから送信される登録メッセージを識別し、移動ステーションが登録を希望するサービスを識別し、そして課金を遂行できるように移動ステーションの加入者を識別する。登録が受け入れられた場合には、登録部分は、登録を要求した移動ステーションに確認を送信する。登録部分RPは、ホーム位置レジスタ又は移動ステーションの識別ユニットから、加入者が前払いの加入者であるかどうか見出し、もしそうであれば、前払いの残額を見出すように構成することができる。登録部RPは、前払いの残額及びリストされたサービス価格に基づきサービスをどれほど長く利用できるか計算し、そしてこの情報を登録に関連したメッセージにおいて移動ステーションへ搬送するか、又は当該時間が経過した後に、サービスの利用を停止する終了コマンドを移動ステーションへ送信する。登録部RPは、例えば、ホーム位置レジスタから、希望のサービス・オン・デマンドがユーザに許されたかどうかチェックし、そしてサービスが許されない場合に登録を拒絶するように構成することができる。登録に関連して、登録部分は、移動ステーションのユーザ又は移動ステーションに、サービスをどれほど長く希望するか/利用できるか及び/又はサービスの利用にどれほど多くコストがかかるかを助言することもできる。登録に関連して、ユーザがサービス・オン・デマンドに費やそうとする時間又は金額をユーザが指示した場合には、登録部分RPは、この情報を登録メッセージから分離するように構成することもできる。このような場合に、登録部分は、例えば、図3を参照して述べたように、許容限界を越えないことを監視するようにサービスすることができる。暗号化されたサービス・オン・デマンドを使用する場合には、登録部分は、サービス・オン・デマンドの暗号解読キーを確認に追加し、これは、全てのユーザに共有することもできるし、又はユーザ特有にすることもできる。ユーザ特有の暗号が使用されそしてサービスの利用が終了された場合に、登録部分は、暗号を変更するコマンドを送信部に与えて、サービスの利用を停止したユーザがもはやサービスを受けることができないようにすることができる。
【0034】
オン・デマンド・サービスセンターの勘定部分BPは、サービスが利用状態に入ったという登録部分からの情報を受け取るや否や、そのサービスに対して加入者に課金を開始し、そして対応的に、サービスがもはや利用されないという登録部分からの情報を受け取るや否や、加入者への課金を停止する。課金を終了した後に、勘定部分は、勘定総額に関する情報をシステムのある部分へ送信するか、又は加入者自身に送付されるべき勘定書に情報を追加する。勘定部分は、特定の瞬間にサービスを利用するユーザの数に関する情報を維持し、そしてユーザの数に応じてサービスの価格を変更することもできる。第1の好ましい実施形態では、サービスを利用するユーザの数も、サービス部分の送信部を制御する。サービスについて登録されたユーザがいない場合には、サービスは送信されない。サービスについて登録されたユーザが1人でもいれば、サービスを送信するに充分である。サービスユーザの数は、サービスエリア特有に監視することもできるし、又はセル特有に監視することもできる。
【0035】
本発明のベーストランシーバステーションは、公知のベーストランシーバステーションの構造に大幅な変更を必要としない。本発明のベーストランシーバステーションは、オン・デマンド・サービスセンターからサービス・オン・デマンドを受け取り、そしてそのチャンネルの1つを経てサービス・オン・デマンドとしてサービスを送信するように構成される。ベーストランシーバステーションは、複数のオン・デマンド・サービスセンターからサービス・オン・デマンドを受信し及び/又は1つのオン・デマンド・サービスセンターから複数のサービス・オン・デマンドを受信し、そしてベーストランシーバステーションにおいてサービスに割り当てられたチャンネルを経て各サービス・オン・デマンドを送信することができる。更に、ベーストランシーバステーションは、サービスに割り当てられたチャンネルを経て送信する前にサービス・オン・デマンドを暗号化するように構成することができる。又、ベーストランシーバステーションは、登録確認に暗号解読キーを追加するように構成することもできる。更に、ベーストランシーバステーションは、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドに関する情報をセルブロードキャストにおいて送信するように構成することもできる。この情報は、それ自体によって構成されるか、或いはベースステーションコントローラ、オン・デマンド・サービスセンター又はサービスノード、例えばGPRSネットワークのSGSN又はUMTSネットワークのPDANから要求される。ベーストランシーバステーションは、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドを要求するシグナリングメッセージを識別し、そしてセルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドに関する情報をショートメッセージとして移動ステーションへ送信するように構成することができる。本発明のベーストランシーバステーションは、一般的な情報の中でセルブロードキャストチャンネルを経てサービス・オン・デマンドを送信するように構成することもできる。
以上の説明及び添付図面は、本発明を単に例示するものに過ぎないことを理解されたい。当業者であれば、請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱せずに多数の種々の変更がなされ得ることが明かであろう。
【符号の説明】
【0036】
ODSC オン・デマンド・サービスセンター
MS 移動ステーション
BTS ベーストランシーバステーション
SP サービス部
RP 登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
移動ステーションの位置セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を移動ステーションにより受信するステップであって、前記サービス・オン・デマンドは、第1チャンネルを介して、前記セルに位置するすべての移動ステーションに利用可能であり、前記セル内の登録されたユーザにより受信可能であるステップと、
前記セル内の前記利用可能なサービス・オン・デマンドの中で1つ又は複数のサービス・オン・デマンドを選択するステップと、
前記選択された1つ又は複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして、シグナリングチャンネルを介して登録のために登録メッセージを前記移動ステーションから送信するステップと、
どのように前記選択されたサービス・オン・デマンドが受信されるかを示す前記登録の確認信号を前記移動ステーションで受信するステップと、
前記確認信号メッセージにより示される方法で前記第1チャンネルを介して前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドの受信を開始するステップと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
暗号化されているサービス・オン・デマンドの暗号を復号可能な前記登録の確認信号内のキーを受信するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとしての登録をキャンセルするために終了メッセージを移動ステーションから送信し、
前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドの受信を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ユーザとしての登録に関連して、前記1つまたは複数のサービスに費やそうとする時間又は支払い総額について合意し、
前記時間又は総額が尽きるのに応答して、前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドの受信を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
移動ステーションと、移動ステーションのユーザに移動通信システムのサービスを搬送するベーストランシーバステーションとを備えた移動通信システムであって、該システムの各移動ステーションは、その位置セルのベーストランシーバステーションの送信を監視し、前記移動ステーションに意図された送信部から受信するような移動通信システムにおいて、
上記移動通信システムは、サービス・オン・デマンドのサービスエリアのベーストランシーバステーションを介して、少なくとも1つのサービス・オン・デマンドを提供し、前記サービス・オン・デマンドのユーザの登録を受信し、前記登録を確認するための少なくとも1つのオン・デマンド・サービスセンターと、
第1チャンネルを介して前記セル内に位置するすべての移動ステーションに前記サービス・オン・デマンドを送信するように構成される前記サービスエリアの少なくとも1つのベーストランシーバステーションと、
シグナリングチャンネルを介して登録メッセージを送信することにより前記サービス・オン・デマンドのユーザとして登録し、前記登録の確認信号を受信し、前記確認信号に含まれている情報により示された方法で、前記位置セルの前記第1チャンネルを介して前記サービス・オン・デマンドの受信を開始し、前記サービス・オン・デマンドをユーザに搬送するように構成されている少なくとも1つの移動ステーションと、
を更に備えており、
前記サービス・オン・デマンドは、前記第1チャンネルを介してすべての移動ステーションに利用可能であり、前記セル内の登録されたユーザにより受信可能であることを特徴とする移動通信システム。
【請求項6】
前記オン・デマンド・サービスセンターは、前記第1チャンネルを介して送信される前に、前記サービス・オン・デマンドを暗号化し、前記暗号を復号可能なキーを各登録確認信号に付加するように構成されており、
前記移動ステーションは、前記登録確認信号内の前記キーを受信し、受信される前記サービス・オン・デマンドの前記暗号を前記キーにより復号するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の移動通信システム。
【請求項7】
前記ベーストランシーバステーション(BTS)は、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドの通知をセルブロードキャストとしてブロードキャストチャンネルを経て送信するように構成され、
前記移動ステーション(MS)は、その位置セルのサービス・オン・デマンドの通知を受信し、通知における情報を移動ステーションのユーザに搬送するように構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の移動通信システム。
【請求項8】
前記移動ステーション(MS)は、その位置セルのサービス・オン・デマンドに関する情報を要求し、前記情報を受信するように構成され、
前記ベーストランシーバステーション(BTS)は、移動ステーションの前記要求に応答して、セルにおいて利用できるサービス・オン・デマンドの情報を前記移動ステーションへ送信するように構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の移動通信システム。
【請求項9】
移動ステーションが、
前記移動ステーションの位置セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を移動ステーションにより受信する受信手段と、ここで、前記サービス・オン・デマンドは、第1チャンネルを介して、前記セルに位置するすべての移動ステーションに利用可能であり、前記セル内の登録されたユーザにより受信可能であり、
前記移動ステーションのユーザが前記利用可能なサービス・オン・デマンドのうち前記サービス・オン・デマンドを選択することが可能なユーザインターフェースと、
登録メッセージを構成するとともにシグナリングチャンネルを介して移動通信ネットワークに送信し、前記登録の確認信号を受信する登録手段と、ここで、前記登録メッセージは、前記移動ステーションのユーザが、前記位置セルにおけるすべての移動ステーションに利用可能な選択された1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録を希望していることを示し、
前記確認信号により示される方法で、前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドの受信し、前記1つまたは複数のサービスを前記ユーザインターフェースへ搬送する、前記確認信号に応答するサービス手段と、
を具備することを特徴とする移動ステーション。
【請求項10】
前記サービス手段は、上記確認信号に関連して、キーを受信し、前記キーでサービス・オン・デマンドの暗号を復号するように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の移動ステーション。
【請求項11】
前記登録手段は、終了メッセージを構成して前記移動通信ネットワークへ送信し、ここで、前記終了メッセージは、前記移動ステーションのユーザがサービス・オン・デマンドのユーザとしての登録のキャンセルを希望することを示しており、
上記サービス手段は、前記登録のキャンセルに応答して、前記サービス・オン・デマンドの受信及びユーザインターフェースへのサービスの搬送を停止するように構成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の移動ステーション。
【請求項12】
前記サービス手段は、前記移動通信ネットワークから終了メッセージを受信し、前記終了メッセージに応答して、前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドの受信及びユーザインターフェースへの1つまたは複数のサービスの搬送を停止するように構成されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の移動ステーション。
【請求項13】
移動通信システムのオン・デマンド・サービスセンター(ODSC)において、
少なくとも1つの移動通信システムセルを備えたサービスエリアへ少なくとも1つのサービス・オン・デマンドを提供するためのサービス手段と、
前記サービス・オン・デマンドのユーザの移動ステーションから受信される登録を受信するとともに確認し、前記登録の確認信号を前記移動ステーションに送信するための登録手段と、ここで、前記登録手段は、どのように前記サービス・オン・デマンドを受信するかを示す確認信号情報を含むように構成されており、
前記登録手段に応答して、サービス・オン・デマンドの利用に対してユーザに課金するための勘定手段と、
を備えることを特徴とするオン・デマンド・サービスセンター。
【請求項14】
前記サービス手段は、前記サービス・オン・デマンドを暗号化するように構成され、
前記登録手段は、前記登録の確認信号にキーを含むように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のオン・デマンド・サービスセンター。
【請求項15】
前記登録手段は、サービス・オン・デマンドユーザの数を計算するように構成され、
前記サービス手段は、サービス・オン・デマンドユーザが少なくとも1人いる場合に、前記サービス・オン・デマンドを送信するように構成される請求項13又は14に記載のオン・デマンド・サービスセンター。
【請求項16】
少なくとも1つのセルに対するチャンネルを備え、前記チャンネルの1つは、一般情報を前記セル内の移動ステーションへ送信するためのセル特有のブロードキャストチャンネルであるベーストランシーバステーションであって、
前記ベーストランシーバステーションは、前記セル内の第1チャンネルを介して少なくとも1つのサービス・オン・デマンドを送信し、ここで前記サービス・オン・デマンドは、前記第1チャンネルを介して、すべての移動ステーションに利用可能であり、前記セルに位置する登録されたユーザにより受信可能であり、
1つまたは複数のサービス・オン・デマンドの登録要求を移動ステーションから受信し、
前記登録要求をネットワークノードに送信し、
登録確認信号を前記ネットワークノードから受信し、
前記登録確認信号を前記移動ステーションに送信するよう構成され、
前記登録確認信号は、どのように前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドが受信可能かを示す情報を含んでいることを特徴とするベーストランシーバステーション。
【請求項17】
前記ベーストランシーバステーションは、セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの通知を、前記セルの一般情報において送信するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載のベーストランシーバステーション。
【請求項18】
前記ベーストランシーバステーションは、どのようにユーザが前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドを受信可能かを示す登録確認情報を加えるように構成されていることを特徴とする請求項16又は17に記載のベーストランシーバステーション。
【請求項19】
方法であって、
セルにおいて利用可能なサービス・オン・デマンドの情報を送信するステップと、
第1チャンネルを介して前記セル内に位置するすべての移動ステーションに前記セル内の登録されたユーザにより受信可能な前記サービス・オン・デマンドを提供するステップと、
移動ステーションから、シグナリングチャンネルを介して、利用可能なサービス・オン・デマンドのうち1つまたは複数のサービス・オン・デマンドのユーザとして登録するための登録メッセージを受信するステップと、
前記移動ステーションに前記登録の確認情報を送信するステップと、
を具備し、
前記確認情報は、どのようにユーザが前記1つまたは複数のサービス・オン・デマンドを前記第1チャンネルを介して受信可能かを示していることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−42557(P2013−42557A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257720(P2012−257720)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2009−144220(P2009−144220)の分割
【原出願日】平成11年3月23日(1999.3.23)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】