説明

移動通信方法、移動通信システム、交換局、サーバ装置及び無線基地局

【課題】無線基地局eNBにおいて簡易測位が行われる場合にサーバ装置ESMLCにおける処理負荷を低減する。
【解決手段】本発明に係る交換局MMEは、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局eNBに対して「Location Request」を送信し、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、サーバ装置ESMLCに対して「Location Request」を送信する測位要求送信部24と、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから受信した移動局UEの測位結果をサーバ装置SMLCに送信する測位結果送信部25とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動通信システム、交換局、サーバ装置及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
図14及び図15を参照して、従来のLTE(Long Term Evolution)方式の移動通信システムにおいてLCS(Location Service)を提供する動作について説明する。
【0003】
第1に、図14を参照して、移動局UEの測位手順に移動局UEが関わる場合の動作について説明する。
【0004】
図14に示すように、ステップS1001において、LCSクライアントは、サーバ装置GMLC(Gateway Mobile Location Center)に対して、移動局UEの測位結果を要求する「LCS Service Request」を送信する。
【0005】
ステップS1002において、サーバ装置GMLCは、サーバ装置HSS(Home Subscribe Server)に対して、移動局UEの在圏エリアを問い合わせる在圏解決要求を送信し、ステップS1003において、サーバ装置HSSは、受信した在圏解決要求に応じて、サーバ装置GMLCに対して、移動局UEの在圏エリアを通知する在圏解決応答を送信する。
【0006】
ステップS1004において、サーバ装置GMLCは、移動局UEの在圏エリアを管理する交換局MMEに対して、「Provide Subcriber Location」を送信し、ステップS1005において、交換局MMEは、サーバ装置ESMLC(Evolved Serving Mobile Lication Center)に対して、「Location Request」を転送する。
【0007】
ステップS1006において、サーバ装置ESMLCは、受信した「Location Request」に応じて、交換局MMEに対して、「DL Positioning Message」を含む「Positioning Request」を送信する。
【0008】
ステップS1007において、交換局MMEは、無線基地局eNBに対して、受信した「DL Positioning Message」を含む「NAS Transport」を送信する。
【0009】
ステップS1008において、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、受信した「DL Positioning Message」を送信する。
【0010】
移動局UEは、ステップS1009において、受信した「DL Positioning Message」に応じて、移動局UEの測位を行い、ステップS1010において、無線基地局eNBに対して、かかる測位結果を含む「UL Positioning Message」を送信する。
【0011】
ステップS1011において、無線基地局eNBは、交換局MMEに対して、受信した「UL Positioning Message」を含む「NAS Transport」を送信する。
【0012】
ステップS1012において、交換局MMEは、サーバ装置ESMLCに対して、受信した「UL Positioning Message」を含む「Positioning Response」を送信する。
【0013】
ステップS1013において、サーバ装置ESMLCは、交換局MMEに対して、受信した「Positioning Response」に応じて、「Location Response」を送信し、ステップS1014において、交換局MMEは、サーバ装置GMLCに対して、「Provide Subcriber Location Ack」を転送する。
【0014】
ステップS1015において、サーバ装置GMLCは、LCSクライアントに対して、「LCS Service Response」を送信する。
【0015】
第2に、図15を参照して、移動局UEの測位手順に移動局UEが関わらない場合の動作について説明する。
【0016】
図15に示すように、ステップS2001乃至S2005の動作は、図13に示すステップS1001乃至S1005の動作と同一である。
【0017】
ステップS2006において、サーバ装置ESMLCは、受信した「Provide Subcriber Location」に応じて、交換局MMEに対して、「Network Positioning Request」を含む「Positioning Request」を送信する。
【0018】
ステップS2007において、交換局MMEは、無線基地局eNBに対して、受信した「Network Positioning Request」を含む「Location Request」を送信する。
【0019】
無線基地局eNBは、ステップS2008において、移動局UEの簡易測位を行い、ステップS2009において、交換局MMEに対して、かかる測位結果を含む「Network Positioning Request」を含む「Location Response」を送信する。
【0020】
ステップS2010において、交換局MMEは、サーバ装置ESMLCに対して、受信した「Network Positioning Request」を含む「Positioning Response」を送信する。
【0021】
ステップS2011において、サーバ装置ESMLCは、交換局MMEに対して、受信した「Positioning Response」に応じて、「Location Response」を送信し、ステップS2012において、交換局MMEは、サーバ装置GMLCに対して、「Provide Subcriber Location Ack」を転送する。
【0022】
ステップS2013において、サーバ装置GMLCは、LCSクライアントに対して、「LCS Service Response」を送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】3GPP TS23.271
【非特許文献2】3GPP TS36.413
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、図15に示すように、複雑な演算を伴わない簡易測位が行われる場合であっても、サーバ装置ESMLCは、交換局MMEから受信した「Location Request」に応じて「Positioning Request」を送信したり、交換局MMEから受信した「Positioning Response」に応じて「Location Response」を送信したりしなければならない。
【0025】
したがって、移動局UEの簡易測位を要求する数が増加した場合、サーバ装置ESMLCでは、移動局UEの測位結果の導出に係る処理負荷は少ないにも関わらず、上述の送信処理に係る処理負荷が増大してしまうという問題点があった。
【0026】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、無線基地局eNBにおいて簡易測位が行われる場合にサーバ装置ESMLCにおける処理負荷を低減することができる移動通信方法、移動通信システム、交換局、サーバ装置及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、交換局が、第1サーバ装置から第1測定要求を受信した場合に、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定する工程と、前記交換局が、前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局に対して第2測位要求を送信する工程と、前記交換局が、前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、第2サーバ装置に対して第2測位要求を送信する工程と、前記無線基地局が、受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の簡易測位を行い、該測位結果を該交換局に送信する工程と、前記第2サーバ装置が、受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の測位結果を演算し、該測位結果を該交換局に送信する工程と、前記交換局が、前記無線基地局又は前記第2サーバ装置から受信した前記測位結果を前記第1サーバ装置に送信する工程とを有することを要旨とする。
【0028】
本発明の第2の特徴は、第1サーバ装置と、第2サーバ装置と、交換局と、無線基地局とを具備する移動通信システムであって、前記交換局は、前記第1サーバ装置から第1測定要求を受信した場合に、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定するように構成されている判定部と、前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、前記無線基地局に対して第2測位要求を送信し、該第1測位要求に応じて該移動局の簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、前記第2サーバ装置に対して第2測位要求を送信するように構成されている測位要求送信部と、前記無線基地局又は前記第2サーバ装置から受信した前記移動局の測位結果を前記第1サーバ装置に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備し、前記無線基地局は、受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の簡易測位を行うように構成されている測位部と、前記測位結果を前記交換局に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備し、前記第2サーバ装置は、受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の測位結果を演算するように構成されている演算部と、前記測位結果を前記交換局に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備することを要旨とする。
【0029】
本発明の第3の特徴は、交換局であって、第1サーバ装置から第1測定要求を受信した場合に、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定するように構成されている判定部と、前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局に対して第2測位要求を送信し、該第1測位要求に応じて該移動局の簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、第2サーバ装置に対して第2測位要求を送信するように構成されている測位要求送信部と、前記無線基地局又は前記第2サーバ装置から受信した前記移動局の測位結果を前記第1サーバ装置に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備することを要旨とする。
【0030】
本発明の第4の特徴は、サーバ装置であって、発信元端末から測定要求を受信した場合に、該測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定するように構成されている判定部と、前記測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、交換局に対して、該移動局の簡易測位を行うように要求する第1測位要求を送信するように構成されている測位要求送信部と、前記交換局から受信した前記移動局の測位結果を、前記発信元端末に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備することを要旨とする。
【0031】
本発明の第5の特徴は、無線基地局であって、交換局から受信した測位要求内に地理的エリアが設定されており、該測位要求によって移動局の簡易測位が要求されている場合に、該移動局の測位結果として、該移動局の在圏セルの識別情報又は該在圏セルの緯度経度情報の少なくとも1つを取得するように構成されている測位部と、前記移動局の測位結果を、前記交換局に送信するように構成されている測位結果送信部と、受信した前記測位要求内に地理的エリアが設定されておらず、前記移動局における測位が必要であると判定された場合に、該移動局に対して、該移動局の測位を行うように指示するように構成されている指示部とを具備しており、前記測位部は、受信した前記測位要求内に地理的エリアが設定されておらず、前記移動局における測位が必要でないと判定された場合に、該移動局の測位結果として、該移動局の在圏セルの識別情報を取得するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、無線基地局eNBにおいて簡易測位が行われる場合にサーバ装置ESMLCにおける処理負荷を低減することができる移動通信方法、移動通信システム、交換局、サーバ装置及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るGMLCの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るMMEの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るMMEによって送信される「Location Request」のフォーマットの一例を説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るMMEによって送信される「Location Request」のフォーマットの一例を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るeNBの機能ブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るeNBによって送信される「Location Response」のフォーマットの一例を説明するための図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るESMLCの機能ブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムのプロトコル構成図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るGMLCの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係るMMEの動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態に係るeNBの動作を示すフローチャートである。
【図14】従来の移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図15】従来の移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0035】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE方式の移動通信システムであって、LCSを提供することができるように構成されている、すなわち、移動局UEの測位結果を提供することができるように構成されている。
【0036】
例えば、移動局UEの測位結果は、移動局UEの在圏セルの識別情報(セルID)や、移動局UEの在圏セルの経度緯度情報や、移動局UEと無線基地局eNBとの間の距離情報等といった移動局UEの位置情報である。
【0037】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、LCSクライアントと、サーバ装置GMLCと、サーバ装置HSSと、サーバ装置ESMLCと、交換局MMEと、無線基地局eNBとを具備している。
【0038】
図2に示すように、サーバ装置GMLCは、受信部11と、在圏エリア特定部11Aと、判定部12と、Privacy Check実施部13と、測位要求送信部14と、測位結果送信部15と、課金処理部16とを具備している。
【0039】
受信部11は、LCSクライアントから、移動局UEの測位結果を要求する「LCS Service Request(測位要求)」を受信するように構成されている。
【0040】
また、受信部11は、交換局MMEから、移動局UEの測位結果を通知する「Provide Subscriber Location Ack」を受信するように構成されている。
【0041】
在圏エリア特定部11Aは、受信部11によって「LCS Service Request」が受信された場合に、サーバ装置HSSに対して在圏解決要求を送信し、サーバ装置HSSから在圏解決応答を受信することによって、移動局UEの在圏エリア(例えば、移動局UEの在圏交換局MME)を特定するように構成されている。
【0042】
ここで、在圏エリア特定部11Aは、移動局UEの在圏エリアを特定できない場合には、LCSクライアントに対して、エラー応答を送信するように構成されていてもよい。
【0043】
判定部12は、受信部11によって受信された「LCS Service Request」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されている。
【0044】
具体的には、判定部12は、移動局UEの測位結果を要求しているLCSクライアントの識別情報を示す「LCS Client ID」、移動局UEの測位結果の要求サービス品質を示す「LCS QoS」又は移動局UEの在圏エリアの少なくとも1つに基づいて、「LCS Service Request」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されていてもよい。
【0045】
例えば、判定部12は、「LCS Client ID」が属するLCSクライアントの種別(LCS Client Type)が「簡易測位」を実施するように設定されている場合、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定するように構成されている。
【0046】
或いは、判定部12は、「LCS QoS」における「Horizontal-Accuracy」や「Response Time Category」が「簡易測位」によって満足できる場合、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定するように構成されている。
【0047】
Privacy Check実施部13は、移動局UEに対するPrivacy Checkを実施するように構成されている。
【0048】
具体的には、Privacy Check実施部13は、加入者プライバシプロファイルや在圏装置(MMEやeNB等)の能力に基づいて、Privacy要件が満たされているか否かについて判定するように構成されている。
【0049】
例えば、Privacy Check実施部13は、特定のLCSクライアントからの「LCS Service Request」を受信した場合や、特定の移動局UEの測位に係る「LCS Service Request」を受信した場合等に、Privacy要件が満たされていないと判定するように構成されていてもよい。
【0050】
また、Privacy Check実施部13は、移動局UEの在圏交換局MMEにおけるPrivacy条件を設定するように構成されていてもよい。
【0051】
例えば、Privacy Check実施部13は、Privacy条件として、移動局UEに対して測位が行われることを通知するか否かについて設定することができる。
【0052】
測位要求送信部14は、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、交換局MMEに対して、移動局UEの簡易測位を行うように要求する「Provide Subscriber Location(第1測定要求)」を送信するように構成されている。
【0053】
具体的には、測位要求送信部14は、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、「Provide Subscriber Location」に簡易測位ビットを設定するように構成されている。
【0054】
ここで、「Provide Subscriber Location」には、上述の「LCS Client ID」や「LCS QoS」が含まれているものとする。
【0055】
測位結果送信部15は、交換局MMEから受信した移動局UEの測位結果を、LCSクライアントに送信するように構成されている。
【0056】
具体的には、測位結果送信部15は、交換局MMEから受信した移動局UEの測位結果を含む「LCS Service Response」を、LCSクライアントに送信するように構成されている。
【0057】
課金処理部16は、移動局UEの測位の成功可否に応じて、移動局UE或いはLCSクライアントに対して課金することを可能とする。また、課金処理部16は、サーバ装置ESMLCから移動局UEの測位の成功可否の通知を受けて、課金することも可能であるように構成されていてもよい。
【0058】
図3に示すように、交換局MMEは、受信部21と、判定部22と、Privacy Check実施部23と、測位要求送信部24と、測位結果送信部25と、所定演算要求部26とを具備している。
【0059】
受信部21は、サーバ装置GMLCから、「Provide Subscriber Location」を受信するように構成されている。
【0060】
また、受信部21は、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから、移動局UEの測位結果を含む「Location Response」を受信するように構成されている。
【0061】
判定部22は、受信部21によって受信された「Provide Subscriber Location」を受け付けるか否かについて判定するように構成されている。
【0062】
また、判定部22は、受信部21によって受信された「Provide Subscriber Location」を受け付けると判定した場合に、「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されている。
【0063】
具体的には、判定部22は、「Provide Subscriber Location」に含まれる「LCS Client ID」、「Provide Subscriber Location」に含まれる「LCS QoS」又は移動局UEの在圏エリアの少なくとも1つに基づいて、「LCS Service Request」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されていてもよい。
【0064】
例えば、判定部22は、「LCS Client ID」が属するLCSクライアントの種別(LCS Client Type)が「簡易測位」を実施するように設定されている「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定するように構成されている。
【0065】
或いは、判定部22は、「LCS QoS」における「Horizontal-Accuracy」や「Response Time Category」が「簡易測位」によって満足できる場合、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定するように構成されている。
【0066】
また、判定部22は、「Provide Subscriber Location」によって指定されている移動局UEの測位種別を、「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別であると判定するように構成されていてもよい。
【0067】
例えば、判定部22は、「Provide Subscriber Location」に簡易測位ビットが設定されている場合、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定するように構成されていてもよい。
【0068】
また、判定部22は、無線基地局eNBから受信した測位結果に基づく所定演算(移動局UEの測位結果についての詳細演算)を行うべきであるか否かについて判定するように構成されている。
【0069】
所定演算要求部26は、判定部22によって、移動局UEの測位結果についての詳細演算を行うべきであると判定された場合、サーバ装置ESMLCに対して、かかる詳細演算の要求(詳細演算要求)を送信するように構成されている。
【0070】
Privacy Check実施部23は、移動局UEに対するPrivacy Checkを実施するように構成されている。
【0071】
具体的には、Privacy Check実施部23は、サーバ装置GMLCから指示されたPrivacy要件が満たされているか否かについて判定するように構成されている。
【0072】
測位要求送信部24は、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局eNBに対して「Location Request(第2測位要求)」を送信するように構成されている。
【0073】
図4及び図5に、かかる「Location Request」のフォーマットの一例を示す。
【0074】
図4に示すように、「Location Request」には、情報要素として、「Message Type」や「MME UE S1AP ID」や「eNB UE S1AP ID」や「Request Type」が含まれ得る。
【0075】
図5に示すように、情報要素「Request Type」には、情報要素として、「Event」や「Report Area」や「Simplified Location Request」が含まれ得る。
【0076】
或いは、測位要求送信部24は、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、サーバ装置ESMLCに対して「Location Request(第2測位要求)」を送信するように構成されている。
【0077】
測位結果送信部25は、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから受信した移動局UEの測位結果を、サーバ装置GMLCに送信するように構成されている。
【0078】
具体的には、測位結果送信部25は、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから受信した移動局UEの測位結果を含む「Provide Subscriber Location Ack」を、サーバ装置GMLCに送信するように構成されている。
【0079】
ここで、測位結果送信部25は、サーバ装置ESMLCから受信した所定演算結果(詳細演算結果)を、移動局UEの測位結果としてサーバ装置GMLCに送信するように構成されていてもよい。
【0080】
図6に示すように、無線基地局eNBは、受信部31と、判定部32と、測位部33と、指示部34と、測位結果送信部35とを具備している。
【0081】
受信部31は、交換局MMEから、「Location Request」を受信するように構成されている。
【0082】
判定部32は、無線基地局eNBにおいて移動局UEの簡易測位を行うべきか、或いは、移動局UEにおいて移動局UEの測位を行うべきかについて判定するように構成されている。
【0083】
例えば、判定部32は、受信部31によって受信された「Location Request」内に「Geographical Area(地理的エリア)」が設定されており、「Location Request」によって移動局UEの簡易測位が要求されている場合(すなわち、「Location Request」内の「Simplified Location Request」が有効である場合)に、無線基地局eNBにおいて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定するように構成されている。
【0084】
或いは、判定部32は、受信部31によって受信された「Location Request」内に「Geographical Area」が設定されておらず、移動局UEの測位が必要であると判定された場合に、移動局UEにおいて移動局UEの測位を行うべきであると判定するように構成されている。
【0085】
測位部33は、判定部32によって、無線基地局eNBにおいて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定された場合、移動局UEの測位結果として、移動局UEの在圏セルの識別情報又は移動局UEの在圏セルの緯度経度情報の少なくとも1つを取得するように構成されている。
【0086】
なお、測位部33は、判定部32によって、受信部31によって受信された「Location Request」内に「Geographical Area」が設定されておらず、移動局UEの測位が必要でないと判定された場合に、移動局UEの測位結果として、移動局UEの在圏セルの識別情報を取得するように構成されていてもよい。
【0087】
指示部34は、判定部32によって、移動局UEにおいて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定された場合、移動局UEに対して、移動局UEの測位を行うように指示するように構成されている。
【0088】
測位結果送信部35は、測位部33によって取得された移動局UEの測位結果を、交換局MMEに送信するように構成されている。
【0089】
具体的には、測位結果送信部35は、測位部33によって取得された移動局UEの測位結果を含む「Location Response」を、交換局MMEに送信するように構成されている。
【0090】
図7及び図5に、かかる「Location Response」のフォーマットの一例を示す。
【0091】
図7に示すように、「Location Response」には、情報要素として、「Message Type」や「MME UE S1AP ID」や「eNB UE S1AP ID」や「E-UTRAN CGI」や「Geographical Area」や「TAI」や「Request Type」が含まれ得る。
【0092】
図5に示すように、情報要素「Request Type」には、情報要素として、「Event」や「Report Area」や「Simplified Location Request」が含まれ得る。
【0093】
図8に示すように、サーバ装置ESMLCは、受信部41と、演算部42と、測位結果送信部43と、測位方式判定部44と、測位要求送信部45とを具備している。
【0094】
受信部41は、交換局MMEから、「Loation Request」及び「Positioning Response」を受信するように構成されている。
【0095】
また、受信部41は、交換局MMEから、移動局UEの測位結果についての詳細演算の要求を受信するように構成されている。
【0096】
さらに、受信部41は、「Loation Request」を受信した場合、「Loation Request」内の情報要素に基づいて、移動局UEの測位結果の演算を行うべきか、移動局UEの測位手順を開始するかについて決定する。
【0097】
かかる情報要素は、例えば、「Geographical Area」等の測位結果情報の有無であってもよいし、サーバ装置ESMLCにて詳細測位演算を要求するビット等であってもよい。
【0098】
演算部42は、受信部41によって受信された「Provide Subscriber Location」に応じて、移動局UEの測位結果の演算を行うように構成されている。
【0099】
また、演算部42は、受信部41によって受信された移動局UEの測位結果についての詳細演算要求に応じて、かかる詳細演算を行うように構成されている。
【0100】
測位結果送信部43は、演算部42による演算結果について、交換局MMEに対して送信するように構成されている。
【0101】
具体的には、測位結果送信部43は、交換局MMEに対して、移動局UEの測位結果の演算結果を含む「Location Response」や、移動局UEの測位結果の演算結果を含む詳細演算応答を送信するように構成されている。
【0102】
測位方式判定部44は、受信部41によって受信された「Loation Request」により移動局UEの測位手順を開始すると決定する場合に、どのような測位方式を利用するかを判定するように構成されている。
【0103】
また、測位方式判定部44は、決定した測位方式を交換局MMEに送信するように、測位要求送信部45に通知するように構成されている。
【0104】
測位要求送信部45は、測位方式判定部44から受けた通知に基づいて、交換局MMEに対して「Positioning Request」を送信するように構成されている。
【0105】
図9(a)及び図9(b)に、本実施形態に係る移動通信システムで用いられるプロトコルスタックの一例を示す。
【0106】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
以下、図10乃至図13を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0107】
第1に、図10を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて移動局UEの簡易測位が行われる場合の動作について説明する。
【0108】
図10に示すように、ステップS101において、LCSクライアントは、サーバ装置GMLCに対して、移動局UEの測位結果を要求する「LCS Service Request」を送信する。
【0109】
ステップS102において、サーバ装置GMLCは、サーバ装置HSSに対して、移動局UEの在圏エリアを問い合わせる在圏解決要求を送信し、ステップS103において、サーバ装置HSSは、受信した在圏解決要求に応じて、サーバ装置GMLCに対して、移動局UEの在圏エリアを通知する在圏解決応答を送信する。
【0110】
サーバ装置GMLCは、ステップS104において、無線基地局eNBにおける簡易測位によって得られる移動局UEの測位結果を取得するべきであると判定し、ステップS105において、移動局UEの在圏エリアを管理する交換局MMEに対して、「Provide Subcriber Location」を送信する。
【0111】
ここで、かかる「Provide Subcriber Location」には、「LCS Client ID」や「LCS QoS」や「簡易測位ビット」が設定されるものとする。
【0112】
交換局MMEは、ステップS106において、移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定し、ステップS107において、無線基地局eNBに対して、「Location Request」を送信する。
【0113】
無線基地局eNBは、ステップS108において、移動局UEの簡易測位を行い、ステップS109において、交換局MMEに対して、かかる移動局UEの簡易測位で得られた移動局UEの測位結果(例えば、移動局UEの在圏セルの経度緯度情報等といった移動局UEの位置情報)を含む「Location Response」を送信する。
【0114】
交換局MMEは、ステップS110において、受信した「Location Response」に含まれる移動局UEの測定結果についての詳細演算を行うべきであると決定した場合、ステップS111において、サーバ装置ESMLCに対して、詳細演算要求を送信する。
【0115】
サーバ装置ESMLCは、ステップS112において、受信した詳細演算要求に応じて、移動局UEの測定結果についての詳細演算を行い、ステップS113において、交換局MMEに対して、かかる詳細演算結果を含む詳細演算応答を送信する。
【0116】
ステップS114において、交換局MMEは、サーバ装置GMLCに対して、かかる移動局UEの測定結果についての詳細演算結果を含む「Provide Subcriber Location Ack」を送信する。
【0117】
ステップS115において、サーバ装置GMLCは、LCSクライアントに対して、かかる移動局UEの測定結果についての詳細演算結果を含む「LCS Service Response」を送信する。
【0118】
第2に、図11を参照して、本実施形態に係るサーバ装置GMLCの動作について説明する。
【0119】
図11に示すように、サーバ装置GMLCは、ステップS201において、LCSクライアントから「LCS Service Request」を受信すると、ステップS202において、サーバ装置HSSに対して在圏解決要求を送信することによって、移動局UEの在圏交換局(例えば、SGSN/MSC又はMME)の特定を試みる。
【0120】
移動局UEの在圏交換局の特定に成功した場合、本動作は、ステップS203に進み、移動局UEの在圏交換局MMEの特定に失敗した場合、本動作は、ステップS204に進む。
【0121】
ステップS203において、サーバ装置GMLCは、Privacy要件が満たされているか否かについて判定する。
【0122】
Privacy要件が満たされていると判定された場合、本動作は、ステップS205に進み、Privacy要件が満たされていないと判定された場合、本動作は、ステップS204に進む。
【0123】
ステップS204において、サーバ装置GMLCは、LCSクライアントに対して、エラー応答を送信する。
【0124】
ステップS205において、サーバ装置GMLCは、在圏交換局におけるPrivacy条件を設定する。
【0125】
サーバ装置GMLCは、ステップS206において、移動局UEの簡易判定を行うべきであるか否かについて判定し、ステップS207において、かかる判定結果に基づいて生成した「Provide Subscriber Location」を、移動局UEの在圏交換局に送信する。
【0126】
第3に、図12を参照して、本実施形態に係る交換局MMEの動作について説明する。
【0127】
図12に示すように、交換局MMEは、ステップS301において、サーバ装置GMLCから「Provide Subscriber Location」を受信すると、ステップS302において、かかる「Provide Subscriber Location」を受け付けることができるか否かについて判定する。
【0128】
かかる「Provide Subscriber Location」を受け付けることができると判定された場合、本動作は、ステップS303に進み、かかる「Provide Subscriber Location」を受け付けることができないと判定された場合、本動作は、ステップS304に進む。
【0129】
ステップS303において、交換局MMEは、Privacy要件が満たされているか否かについて判定する。
【0130】
Privacy要件が満たされていると判定された場合、本動作は、ステップS305に進み、Privacy要件が満たされていないと判定された場合、本動作は、ステップS304に進む。
【0131】
ステップS304において、交換局MMEは、サーバ装置GMLCに対して、エラー応答を送信する。
【0132】
ステップS305において、交換局MMEは、移動局UEに対するPrivacy Check動作(例えば、移動局UEに対して測位を行うことを通知する動作等)を決定する。
【0133】
交換局MMEは、ステップS306において、移動局UEの簡易判定を行うべきであるか否かについて判定し、移動局UEの簡易判定を行うべきであると判定された場合、本動作は、ステップS307に進み、それ以外の場合には、本動作は、ステップS308に進む。
【0134】
交換局MMEは、ステップS307において、無線基地局eNBに対して「Location Request」を送信し、ステップS308において、サーバ装置ESMLCに対して「Provide Subscriber Location」を送信する。
【0135】
第4に、図13を参照して、本実施形態に係る無線基地局eNBの動作について説明する。
【0136】
図13に示すように、無線基地局eNBは、ステップS401において、交換局MMEから「Location Request(S1APメッセージ)」を受信し、ステップS402において、「Location Request」内の情報要素「Report Area」に「Geographical Area」が設定されているか否かについて判定する。
【0137】
「Geographical Area」が設定されていると判定された場合、本動作は、ステップS403に進み、Geographical Area」が設定されていないと判定された場合、本動作は、ステップS407に進む。
【0138】
ステップS403において、無線基地局eNBは、「Location Request」内の情報要素「Simplified Location Request」が有効であるか否かについて判定する。
【0139】
情報要素「Simplified Location Request」が有効であると判定された場合、本動作は、ステップS404に進み、情報要素「Simplified Location Request」が有効でないと判定された場合、本動作は、ステップS410に進む。
【0140】
ステップS404において、無線基地局eNBは、移動局UEの測位結果として、データベース等から、移動局UEの在圏セルの識別情報(セルID)を取得する。
【0141】
無線基地局eNBは、ステップS405において、マッピングテーブル等から、かかるセルIDに対応する経度緯度情報を検索し、ステップS406において、かかる検索結果を含む「Location Response」を、交換局MMEに対して送信する。
【0142】
ステップS407において、無線基地局eNBは、移動局UEにおける測位を行う必要があるか否かについて判定する。
【0143】
移動局UEにおける測位を行う必要があると判定された場合、本動作は、ステップS410に進み、移動局UEにおける測位を行う必要がないと判定された場合、本動作は、ステップS408に進む。
【0144】
無線基地局eNBは、ステップS408において、移動局UEの測位結果として、データベース等から、移動局UEの在圏セルの識別情報(セルID)を取得し、かかるセルIDを含む「Location Response」を、交換局MMEに対して送信する。
【0145】
ステップS410において、無線基地局eNBは、移動局UEに対して、移動局UEにおける測位を行うように指示する。
【0146】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEの簡易測位が行われる場合、サーバ装置ESMLCの関与が不要となるため、サーバ装置ESMLCの処理能力を浪費することを回避することができる。
【0147】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、LCSの結果として、移動局UEの簡易測位が行われれば十分である場合、LCSクライアントに対する移動局UEの測位結果を通知するまでの時間を短縮することができる。
【0148】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、無線基地局eNBが、経度緯度情報を通知することによって、コアネットワークにおいて、セルIDごとの経度緯度情報を保持する必要がなくなり、ネットワーク設定情報を簡素化することができる。
【0149】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0150】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、交換局MMEが、サーバ装置GMLC(第1サーバ装置)から「Provide Subscriber Location(第1測定要求)」を受信した場合に、「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定する工程と、交換局MMEが、「Provide Subscriber Location(第1測定要求)」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局eNBに対して「Location Request(第2測位要求)」を送信する工程と、交換局MMEが、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、サーバ装置ESMLC(第2サーバ装置)に対して、「Location Request(第2測位要求)」を送信する工程と、無線基地局eNBが、受信した「Location Request」に応じて、移動局UEの簡易測位を行い、かかる測位結果を交換局MMEに送信する工程と、サーバ装置ESMLCが、受信した「Location Request」に応じて、移動局UEの測位結果を演算し、かかる測位結果を交換局MMEに送信する工程と、交換局MMEが、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから受信した測位結果をサーバ装置GMLCに送信する工程とを有することを要旨とする。
【0151】
本実施形態の第2の特徴は、サーバ装置GMLCと、サーバ装置ESMLCと、交換局MMEと、無線基地局eNBとを具備する移動通信システムであって、サーバ装置GMLCから「Provide Subscriber Location」を受信した場合に、かかる「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されている判定部22と、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局eNBに対して「Location Request」を送信し、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、サーバ装置ESMLCに対して「Loaction Request」を送信するように構成されている測位要求送信部24と、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから受信した移動局UEの測位結果をサーバ装置GMLCに送信するように構成されている測位結果送信部25とを具備し、無線基地局eNBは、受信した「Location Request」に応じて、移動局UEの簡易測位を行うように構成されている測位部33と、かかる測位結果を交換局MMEに送信するように構成されている測位結果送信部35とを具備し、サーバ装置ESMLCは、受信した「Location Request」に応じて、移動局UEの測位結果を演算するように構成されている演算部42と、かかる測位結果を交換局MMEに送信するように構成されている測位結果送信部43とを具備することを要旨とする。
【0152】
本実施形態の第3の特徴は、交換局MMEであって、サーバ装置GMLCから「Provide Subscriber Location」を受信した場合に、「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されている判定部22と、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局eNBに対して「Location Request」を送信し、「Provide Subscriber Location」に応じて移動局UEの簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、サーバ装置ESMLCに対して 「Loaction Request」を送信するように構成されている測位要求送信部24と、無線基地局eNB又はサーバ装置ESMLCから受信した移動局UEの測位結果をサーバ装置GMLCに送信するように構成されている測位結果送信部25とを具備することを要旨とする。
【0153】
本実施形態の第3の特徴において、判定部22は、移動局UEの測位結果を要求しているLCSクライアント(端末)の識別情報、移動局UEの測位結果の要求サービス品質(QoS)又は移動局UEの在圏エリアの少なくとも1つに基づいて、「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されていてもよい。
【0154】
本実施形態の第3の特徴において、判定部22は、「Provide Subscriber Location」によって指定されている移動局UEの測位種別を、「Provide Subscriber Location」に応じて行うべき移動局UEの測位種別であると判定するように構成されていてもよい。
【0155】
本実施形態の第3の特徴において、無線基地局eNBから受信した測位結果に基づく所定演算を行うべきであると判定した場合に、サーバ装置ESMLCに対して所定演算の要求を送信するように構成されている所定演算要求部26を更に具備し、測位結果送信部25は、サーバ装置ESMLCから受信した所定演算結果を移動局UEの測位結果としてサーバ装置GMLCに送信するように構成されていてもよい。
【0156】
本実施形態の第4の特徴は、サーバ装置GMLCであって、LCSクライアント(発信元端末)から「LCS Service Request(測定要求)」を受信した場合に、「LCS Service Request」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されている判定部14と、「LCS Service Request」に応じて移動局UEの簡易測位を行うべきであると判定した場合、交換局MMEに対して、移動局UEの簡易測位を行うように要求する「Provide Subscriber Location」を送信するように構成されている測位要求送信部14と、交換局MMEから受信した移動局UEの測位結果をLCSクライアントに送信するように構成されている測位結果送信部15とを具備することを要旨とする。
【0157】
本実施形態の第4の特徴において、判定部12は、移動局UEの測位結果を要求しているLCSクライアント(端末)の識別情報、移動局UEの測位結果の要求サービス品質(QoS)又は移動局UEの在圏エリアの少なくとも1つに基づいて、「LCS Service Request」に応じて行うべき移動局UEの測位種別について判定するように構成されていてもよい。
【0158】
本実施形態の第5の特徴は、無線基地局eNBであって、交換局MMEから受信した「Location Request」内に「Geographical Area(地理的エリア)」が設定されており、「Location Request」によって移動局UEの簡易測位が要求されている場合に、移動局UEの測位結果として、移動局UEの在圏セルの識別情報又は移動局UEの在圏セルの緯度経度情報の少なくとも1つを取得するように構成されている測位部33と、移動局UEの測位結果を交換局MMEに送信するように構成されている測位結果送信部35と、受信した「Location Request」内に「Geographical Area」が設定されておらず、移動局UEにおける測位が必要であると判定された場合に、移動局UEに対して、移動局UEの測位を行うように指示するように構成されている指示部34とを具備しており、測位部33は、受信した「Location Request」内に「Geographical Area」が設定されておらず、移動局UEにおける測位が必要でないと判定された場合に、移動局UEの測位結果として、移動局UEの在圏セルの識別情報を取得するように構成されていることを要旨とする。
【0159】
なお、上述のLCSクライアントや、サーバ装置GMLC、HSS、ESMLCや、交換局MMEや、無線基地局eNBや、移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0160】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0161】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、LCSクライアントや、サーバ装置GMLC、HSS、ESMLCや、交換局MMEや、無線基地局eNBや、移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてLCSクライアントや、サーバ装置GMLC、HSS、ESMLCや、交換局MMEや、無線基地局eNBや、移動局UE内に設けられていてもよい。
【0162】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0163】
GMLC、HSS、ESMLC…サーバ装置
11、21、31…受信部
11A…在圏エリア特定部
12、22、32…判定部
13、23…Privacy Check実施部
14、24…測位要求送信部
15、25、35…測位結果送信部
16…課金処理部
MME…交換局
26…所定演算要求部
eNB…無線基地局
33…測位部
34…指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換局が、第1サーバ装置から第1測定要求を受信した場合に、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定する工程と、
前記交換局が、前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局に対して第2測位要求を送信する工程と、
前記交換局が、前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、第2サーバ装置に対して第2測位要求を送信する工程と、
前記無線基地局が、受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の簡易測位を行い、該測位結果を該交換局に送信する工程と、
前記第2サーバ装置が、受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の測位結果を演算し、該測位結果を該交換局に送信する工程と、
前記交換局が、前記無線基地局又は前記第2サーバ装置から受信した前記測位結果を前記第1サーバ装置に送信する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
第1サーバ装置と、第2サーバ装置と、交換局と、無線基地局とを具備する移動通信システムであって、
前記交換局は、
前記第1サーバ装置から第1測定要求を受信した場合に、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定するように構成されている判定部と、
前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、前記無線基地局に対して第2測位要求を送信し、該第1測位要求に応じて該移動局の簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、前記第2サーバ装置に対して第2測位要求を送信するように構成されている測位要求送信部と、
前記無線基地局又は前記第2サーバ装置から受信した前記移動局の測位結果を前記第1サーバ装置に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備し、
前記無線基地局は、
受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の簡易測位を行うように構成されている測位部と、
前記測位結果を前記交換局に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備し、
前記第2サーバ装置は、
受信した前記第2測位要求に応じて、前記移動局の測位結果を演算するように構成されている演算部と、
前記測位結果を前記交換局に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備することを特徴とする移動通信システム。
【請求項3】
第1サーバ装置から第1測定要求を受信した場合に、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定するように構成されている判定部と、
前記第1測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、無線基地局に対して第2測位要求を送信し、該第1測位要求に応じて該移動局の簡易測位以外の測位を行うべきであると判定した場合、第2サーバ装置に対して第2測位要求を送信するように構成されている測位要求送信部と、
前記無線基地局又は前記第2サーバ装置から受信した前記移動局の測位結果を前記第1サーバ装置に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備することを特徴とする交換局。
【請求項4】
前記判定部は、前記移動局の測位結果を要求している端末の識別情報、該移動局の測位結果の要求サービス品質又は該移動局の在圏エリアの少なくとも1つに基づいて、該第1測定要求に応じて行うべき該移動局の測位種別について判定するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の交換局。
【請求項5】
前記判定部は、前記第1測位要求によって指定されている前記移動局の測位種別を、該第1測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別であると判定するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の交換局。
【請求項6】
前記無線基地局から受信した前記測位結果に基づく所定演算を行うべきであると判定した場合に、前記第2サーバ装置に対して該所定演算を行うように要求するように構成されている所定演算要求部を更に具備し、
前記測位結果送信部は、前記第2サーバ装置から受信した前記所定演算結果を、前記測位結果として前記第1サーバ装置に送信するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の交換局。
【請求項7】
発信元端末から測定要求を受信した場合に、該測定要求に応じて行うべき移動局の測位種別について判定するように構成されている判定部と、
前記測位要求に応じて前記移動局の簡易測位を行うべきであると判定した場合、交換局に対して、該移動局の簡易測位を行うように要求する第1測位要求を送信するように構成されている測位要求送信部と、
前記交換局から受信した前記移動局の測位結果を、前記発信元端末に送信するように構成されている測位結果送信部とを具備することを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記移動局の測位結果を要求している端末の識別情報、該移動局の測位結果の要求サービス品質又は該移動局の在圏エリアの少なくとも1つに基づいて、該測定要求に応じて行うべき該移動局の測位種別について判定するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
交換局から受信した測位要求内に地理的エリアが設定されており、該測位要求によって移動局の簡易測位が要求されている場合に、該移動局の測位結果として、該移動局の在圏セルの識別情報又は該在圏セルの緯度経度情報の少なくとも1つを取得するように構成されている測位部と、
前記移動局の測位結果を、前記交換局に送信するように構成されている測位結果送信部と、
受信した前記測位要求内に地理的エリアが設定されておらず、前記移動局における測位が必要であると判定された場合に、該移動局に対して、該移動局の測位を行うように指示するように構成されている指示部とを具備しており、
前記測位部は、受信した前記測位要求内に地理的エリアが設定されておらず、前記移動局における測位が必要でないと判定された場合に、該移動局の測位結果として、該移動局の在圏セルの識別情報を取得するように構成されていることを特徴とする無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−288162(P2010−288162A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141700(P2009−141700)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】