説明

移動通信方法及び呼セッション制御サーバ装置

【課題】障害等で一旦停止したMMEが再開した後に、IMSを介してUE宛ての着信があった場合に、自動的に、復旧処理を行う。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、S-GWとP-GWとの間でUE用のベアラが設定されている状態で、MMEが、再開する工程と、P/S-CSCFが、P-GWを介して、S-GWに対して、UE宛ての着信信号を送信する工程と、S-GWが、P-GWを介して、P/S-CSCFに対して、MMEが再開したことを通知する工程と、P/S-CSCFが、UE宛ての着信信号を保留する工程と、UEが、再度IMSに登録された後に、P/S-CSCFが、P-GWを介して、S-GWに対して、保留しているUE宛ての着信信号を送信する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法及び呼セッション制御サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPでは、IMS(IP Multimedia Subsystem)を介して、UE(User Equipment)に対する着信処理を行う方法が規定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS23.228 Section5.10.3.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本出願人は、かかる方法では、以下のような問題点が発生することを発見した。以下、図3を参照して、かかる方法の問題点について説明する。
【0005】
図3に示すように、S-GW(Serving Gateway)とP-GW(Packet Data Network Gateway)との間でUE用のベアラが設定されている状態で、障害等で一旦停止したMMEが再開した後に、IMSへの登録が完了しているIdle状態のUE宛ての着信があった場合、ステップS5001において、P/S-CSCF(Proxy/Serving-Call Session Control Function)は、P-GWに対して、UE宛てのパケットを送信し、ステップS5002において、P-GWは、S-GWに対して、かかるパケットを送信する。かかるパケットには、UE宛ての「INVITE」が含まれているものとする。
【0006】
ステップS5003において、S-GWが、MMEに対して、「Downlink Data Notification」を送信する。
【0007】
ステップS5004において、MMEは、再開によって、UEに係るコンテキスト情報を削除してしまっているため、S-GWに対して、エラーを通知する「Downlink Data Notification Ack」を送信する。
【0008】
ステップS5005において、S-GWは、かかる「Downlink Data Notification Ack」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放する。
【0009】
その後、ステップS5006において、P/S-CSCFは、P-GWに対して、UE宛てのパケットを再送し、ステップS5007において、P-GWは、S-GWに対して、かかるパケットを再送する。
【0010】
S-GWは、上述のUE用のベアラを解放しているため、ステップS5008において、かかるパケットを破棄し、ステップS5009において、P-GWに対して、「GTP-U Error Indication」を送信する。
【0011】
ステップS5010において、P-GWは、かかる「GTP-U Error Indication」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放する。
【0012】
その後、ステップS5011において、P/S-CSCFは、P-GWに対して、UE宛てのパケットを再送する。
【0013】
P-GWは、上述のUE用のベアラを解放しているため、ステップS5012において、かかるパケットを破棄する。
【0014】
ステップS5013において、P-GWが、PCRF(Policy and Charger Rule Function)に対して、UE用のベアラが解放されたことを通知したことを契機に、PCRFとP/S-CSCFとの間で、かかるUEのIMS Registrationを解放する。
【0015】
このように、従来の方法では、障害等で一旦停止したMMEが再開した後に、IMSを介してUE宛ての着信があった場合に、自動的に、復旧処理を行うことができないため、かかる着信処理が失敗してしまい、発側ユーザに対して呼損を通知することになるという問題点があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、障害等で一旦停止したMMEが再開した後に、IMSを介してUE宛ての着信があった場合に、自動的に、復旧処理を行うことができると共に、発側ユーザが送信した発信要求信号により呼を接続する(すなわち、呼損とならない)ことができる移動通信方法及び呼セッション制御サーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、サービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で移動局用のベアラが設定されている状態で、移動管理ノードが、再開する工程と、呼セッション制御サーバ装置が、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記サービングゲートウェイ装置に対して、前記移動局宛ての着信信号を送信する工程と、前記サービングゲートウェイ装置が、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記呼セッション制御サーバ装置に対して、前記移動管理ノードが再開したことを通知する工程と、前記呼セッション制御サーバ装置が、前記移動局宛ての着信信号を保留する工程と、前記移動局が、再度登録された後に、前記呼セッション制御サーバ装置が、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記サービングゲートウェイ装置に対して、保留している該移動局宛ての着信信号を送信する工程とを有することを要旨とする。
【0018】
本発明の第2の特徴は、呼セッション制御サーバ装置であって、サービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で移動局用のベアラが設定されている状態で、移動管理ノードが再開した後に、該移動局宛ての着信信号を受信した場合に、該パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、該サービングゲートウェイ装置に対して、該移動局宛ての着信信号を送信するように構成されており、前記サービングゲートウェイ装置から、前記移動管理ノードが再開したことを通知された場合に、前記移動局宛ての着信信号を保留するように構成されており、前記移動局が、再度登録された後に、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記サービングゲートウェイ装置に対して、保留している前記移動局宛ての着信信号を送信するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、障害等で一旦停止したMMEが再開した後に、IMSを介してUE宛ての着信があった場合に、自動的に、復旧処理を行うことができると共に、発側ユーザが送信した発信要求信号により呼を接続する(すなわち、呼損とならない)ことができる移動通信方法及び呼セッション制御サーバ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図3】従来の移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、S-CSCF(Serving-Call Session Control Function)と、P-CSCF(Proxy-Call Session Control Function)#1と、P-CSCF#2と、PCRF#1と、PCRF#2と、P-GW#1と、P-GW#2と、S-GW#1と、S-GW#2と、MME(Mobility Management Entity)#1と、MME#2と、eNB#1と、eNB#2と、HSS(Home Subscriber Server)とを具備している。
【0023】
以下、図2を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、IMSへの登録が完了しているIdle状態のUE宛ての着信があった場合の動作について説明する。
【0024】
図2に示すように、S-GW#1とP-GW#1との間でUE用のベアラが設定されている状態で、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、IMSへの登録が完了しているIdle状態のUE宛ての着信があった場合、ステップS1001において、S-CSCFは、P-CSCF#1に対して、UE宛てのパケットを送信し、P-CSCF#1は、P-GW#1に対して、UE宛てのパケットを送信し、P-GW#1は、S-GW#1に対して、UE宛てのパケットを送信する。かかるパケットには、UE宛ての「INVITE」が含まれているものとする。
【0025】
ステップS1002において、S-GW#1は、UE宛てのパケットを受信すると、かかるパケットを特定ベアラに対して送信するべきであるか否かについて判定する。
【0026】
例えば、特定ベアラとしては、QCI(Quality of service Class Identifier)が「5」であるベアラ等が想定される。
【0027】
ここで、S-GW#1は、かかるパケットを特定ベアラに対して送信するべきであると判定した場合、MME#1に対して、UEのIMSI(International Mobile Subscriber Identity)及び「Paging実施フラグ」を含む「Downlink Data Notification」を送信する。
【0028】
ここで、S-GW#1は、MME#1に対して、「Paging実施フラグ」の代わりに、UEのIMSIの設定有無により、「Paging」の送信の要否を通知してもよい。
【0029】
なお、S-GW#1は、ステップS1002において、パケットを受信した際に、ステップS1002以前において受信したGTP信号(再開情報)等により、MME#1が再開したことを知っている場合であっても、保持しているUE用のベアラに係るコンテキスト情報を解放しない。
【0030】
一方、S-GW#1は、かかるパケットを特定ベアラに対して送信するべきではないと判定した場合、受信したパケットを破棄する。かかる場合、S-GW#1は、受信したパケットに関わるベアラを解放してもよい。また、S-GW#1は、P-GW#1に対して、かかるベアラの削除を要求する「Delete Session Request」を送信してもよい。
【0031】
なお、S-GW#1は、ステップS1002の処理を実施した後、所定時間経過後に、ステップS1006Cにおいて、「Delete Session Request」を送信してもよいし、ステップS1002の処理を実施した後、即座に、ステップS1006Cにおいて、「Delete Session Request」を送信してもよい。
【0032】
ステップS1003において、MME#1は、かかる「Downlink Data Notification」を受信した場合、かかるIMSIによって特定されるUEのコンテキスト情報を管理しているか否かについて判定する。
【0033】
ここで、MME#1は、かかるIMSIによって特定されるUEのコンテキスト情報を管理していないと判定し、かつ、受信した「Downlink Data Notification」に「Paging実施フラグ」が含まれていると判定した場合、ステップS1004において、UE宛てに「Paging」を送信する。
【0034】
ここで、MME#1は、「Paging実施フラグ」の代わりに、UEのIMSIの設定有無により、「Paging」の送信の要否について判断してもよい。
【0035】
UEは、UE宛ての「Paging」を受信すると、ステップS1005において、上述のUE用のベアラを解放すると共に、ステップS1007において、MME#2に対して、「Attach Request」を送信する。
【0036】
一方、ステップS1006Aにおいて、S-CSCFは、P-CSCF#1に対して、UE宛てのパケットを再送し、P-CSCF#1は、P-GW#1に対して、UE宛てのパケットを再送し、P-GW#1は、S-GW#1に対して、UE宛てのパケットを再送する。
【0037】
S-GW#1は、UE用のベアラに関するコンテキスト情報を保持している場合に、ステップS1006Aにおいて、再送されたUE宛てのパケットを受信すると、MME#1に対して、UEのIMSIを含む「Downlink Data Notification」を送信してもよい。
【0038】
或いは、かかる場合に、S-GW#1は、UE宛ての「Paging」が送信されていると判定し、再送されたUE宛てのパケットを破棄してもよい。
【0039】
MME#1は、ステップS1006Bにおいて、「Downlink Data Notification」を受信すると、ステップS1004と同様に、UE宛ての「Paging」を再送してもよい。
【0040】
或いは、かかる場合に、MME#1は、UE宛ての「Paging」が送信されていると判定し、受信した「Downlink Data Notification」を破棄してもよい。
【0041】
一方、S-GW#1は、ステップS1002の処理を実施した後、所定時間経過後、ステップS1006Cにおいて、P-GW#1に対して、「Cause=MME再開(MME#1が再開したことを示す情報)」を含む「Delete Session Request」を送信する。
【0042】
P-GW#1は、かかる「Delete Session Request」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放し、ステップS1006Dにおいて、PCRF#1に対して、「MME再開(MME#1が再開したことを示す情報)」を含む「IP-CAN Session Release」を送信する。
【0043】
PCRF#1は、かかる「IP-CAN Session Release」を受信すると、上述のUE用のコンテキスト情報を解放し、ステップS1006Eにおいて、P-CSCF#1に対して、「MME再開(MME#1が再開したことを示す情報)」を含むベアラ解放通知を送信する。
【0044】
P-CSCF#1は、かかるベアラ解放通知を受信すると、ステップS1006Fにおいて、S-CSCFに対して、「MME再開(MME#1が再開したことを示す情報)」を含むベアラ解放通知を送信する。
【0045】
S-CSCFは、かかるベアラ解放通知を受信すると、ステップS1006Gにおいて、上述のUE宛てのパケットを保留する。かかる場合、ステップS1001において送信されたパケットが再送状態にある場合は、かかるパケットについても保留する。
【0046】
ステップS1008において、MME#2は、HSSに対して、UEの識別情報を含む「Update Location」を送信する。
【0047】
HSSは、かかる「Update Location」を受信すると、ステップS1009において、MME#1に対して、「Cancel Location」を送信する。
【0048】
MME#1は、かかる「Cancel Location」を受信すると、ステップS1010において、HSSに対して、「Cancel Location Ack」を送信する。
【0049】
HSSは、「Cancel Location Ack」を受信すると、UEの位置登録情報を変更し、ステップS1011において、MME#2に対して、「Update Location Ack」を送信する。
【0050】
ステップS1012において、MME#1は、S-GW#2に対して、再開カウンタ(MME#1が再開したことを示す情報)を含む「Create Session Request」を送信する。なお、再開カウンタは、設定されていなくてもよい。
【0051】
S-GW#2は、かかる「Create Session Request」を受信すると、上述のUE用のベアラを設定し、ステップS1013において、P-GW#2に対して、MME再開フラグ(MME#1が再開したことを示す情報)を含む「Create Session Request」を送信する。
【0052】
P-GW#2は、かかる「Create Session Request」を受信すると、上述のUE用のベアラを設定する。
【0053】
ステップS1014において、MME#2とHSSとS-GW#2とP-GW#2との間で、UE用のベアラの設定処理が継続される。
【0054】
ステップS1015において、MME#2は、UEに対して、「Attach Accept」を送信する。
【0055】
一方、P-GW#2は、ステップS1013において、「Create Session Request」を受信すると、ステップS1016において、PCRF#2に対して、「IP-CAN Session Establishment」を送信し、ステップS1017において、PCRF#2は、P-CSCF#2に対して、ベアラ設定通知を送信し、ステップS1018において、P-CSCF#2は、S-CSCFに対して、ベアラ設定通知を送信する。
【0056】
一方、UEは、ステップS1015において、「Attach Accept」を受信すると、ステップS1019において、P-CSCF#2及びS-CSCFに対する「IMS Registration処理」を実施する。なお、P-CSCF#2は、P-CSCF#1と同一であってもよい。
【0057】
その後、ステップS1020において、S-CSCFは、UEが再度コネクションを確立したことを検出して、P-GW#2及びS-GW#1を介して、UEに対して、保留しているUE宛てのパケットを送信する。
【0058】
なお、S-GW#2がS-GW#1と同一であり、かつ、ステップS1002において「Delete Session Request」を送信したS-GW#1が一定時間経過後でもUE用のベアラを保持し続ける設定となっている場合、ステップS1013において、「Create Session Request」を受信した場合に、上述のUE用のベアラを解放することなく、ステップS1014において、P-GW#1に対して、MME再開フラグ(MME#1が再開したことを示す情報)を含む「Modify Bearer Request」を送信してもよい。
【0059】
かかる場合、P-GW#1は、かかる「Modify Bearer Request」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放せず、また、かかるUE用のベアラを再利用する。
【0060】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、S-CSCFが、ベアラ解放通知を受信した場合に、UE宛てのパケットを保留するように構成されているため、障害等で一旦停止したMMEが再開した後に、IMSへの登録が完了しているIdle状態のUE宛ての着信があった場合に、早急に、かかるUE宛ての着信処理を行うことができる。
【0061】
なお、S-GWとP-GWとの間の区間において、PMIPv6(Proxy Mobile IP v6)プロトコルが適用されていてもよい。
【0062】
かかる場合、PCRFは、S-GW或いはP-GWのいずれかより、MME#1が再開したことを示すMME再開フラグを受信してもよい。
【0063】
前者においては、S-GWとPCRFとの間の区間、及び、PCRFとP-GWとの間の区間におけるPCC処理によって、かかるMME再開フラグが、P-GWへ通知される。
【0064】
後者においては、PMIPv6信号の「Proxy Binding Update」により、上述のMME再開フラグが、P-GWへ通知される。
【0065】
(変形例1)
以下、上述の第1の実施形態の変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0066】
図2の例では、ステップS1007において、UEが、MME#2に対して、「Attach Request」を送信するケースについて説明したが、本発明は、ステップS1007において、UEが、MME#1に対して、「Attach Request」を送信するケースに対しても適用可能である。
【0067】
後者のケースでは、MME#1は、UEからの「Attach Request」を受信すると、S-GW#1に対して、再開カウンタ(MME#1が再開したことを示す情報)を含む「Create Session Request」を送信する。
【0068】
S-GW#1は、かかる「Create Session Request」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放すると共に、P-GW#1に対して、MME再開フラグ(MME#1が再開したことを示す情報)を含む「Create Session Request」を送信する。
【0069】
その後、P-GW#1は、かかる「Create Session Request」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放すると共に、PCRF#1に対して、「IP-CAN Session Establishment」を送信する。
【0070】
PCRF#1は、かかる「IP-CAN Session Establishment」を受信すると、上述のUE用のベアラを解放し、P-CSCF#2に対して、ベアラ設定通知を送信する。
【0071】
P-CSCF#1は、かかるベアラ設定通知を受信すると、S-CSCFに対して、ベアラ設定通知を送信する。
【0072】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0073】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、S-GW(サービングゲートウェイ装置)とP-GW(パケットデータネットワークゲートウェイ装置)との間でUE(移動局)用のベアラが設定されている状態で、MME(移動管理ノード)が、再開する工程と、P/S-CSCF(呼セッション制御サーバ装置)が、P-GWを介して、S-GWに対して、UE宛ての着信信号を送信する工程と、S-GWが、P-GWを介して、P/S-CSCFに対して、MMEが再開したことを通知する工程と、P/S-CSCFが、UE宛ての着信信号を保留する工程と、UEが、再度IMSに登録された後に、P/S-CSCFが、P-GWを介して、S-GWに対して、保留しているUE宛ての着信信号を送信する工程とを有することを要旨とする。
【0074】
本実施形態の第1の特徴において、S-CSCFが、上述のUE宛ての着信信号を保留してもよい。
【0075】
本実施形態の第2の特徴は、P/S-CSCFであって、S-GWとP-GWとの間でUE用のベアラが設定されている状態で、MMEが再開した後に、UE宛ての着信信号を受信した場合に、P-GWを介して、S-GWに対して、UE宛ての着信信号を送信するように構成されており、S-GWから、MMEが再開したことを通知された場合に、UE局宛ての着信信号を保留するように構成されており、UEが、再度IMSに登録された後に、P-GWを介して、S-GWに対して、保留しているUE宛ての着信信号を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0076】
なお、上述のMME#1、MME#2、S-GW#1、S-GW#2、P-GW#1、P-GW#2、PCRF#1、PCRF#2、P-CSCF#1、P-CSCF#2、S-CSCF、eNB#1、eNB#2、UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0077】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0078】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、MME#1、MME#2、S-GW#1、S-GW#2、P-GW#1、P-GW#2、PCRF#1、PCRF#2、P-CSCF#1、P-CSCF#2、S-CSCF、eNB#1、eNB#2、UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてMME#1、MME#2、S-GW#1、S-GW#2、P-GW#1、P-GW#2、PCRF#1、PCRF#2、P-CSCF#1、P-CSCF#2、S-CSCF、eNB#1、eNB#2、UE内に設けられていてもよい。
【0079】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0080】
UE…移動局
eNB…無線基地局
MME#1、MME#2…移動管理ノード
S-GW#1、S-GW#2…サービングゲートウェイ装置
P-GW#1、P-GW…PDNゲートウェイ装置
P-CSCF#1、P-CSCF#2…プロキシ用呼セッション制御サーバ装置
S-CSCF…サービング用呼セッション制御サーバ装置
HSS…加入者情報管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で移動局用のベアラが設定されている状態で、移動管理ノードが、再開する工程と、
呼セッション制御サーバ装置が、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記サービングゲートウェイ装置に対して、前記移動局宛ての着信信号を送信する工程と、
前記サービングゲートウェイ装置が、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記呼セッション制御サーバ装置に対して、前記移動管理ノードが再開したことを通知する工程と、
前記呼セッション制御サーバ装置が、前記移動局宛ての着信信号を保留する工程と、
前記移動局が、再度登録された後に、前記呼セッション制御サーバ装置が、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記サービングゲートウェイ装置に対して、保留している該移動局宛ての着信信号を送信する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記呼セッション制御サーバ装置は、プロキシ用呼セッション制御サーバ装置とサービング用呼セッション制御サーバ装置とによって構成されており、
前記サービング用呼セッション制御サーバ装置が、前記移動局宛ての着信信号を保留することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
呼セッション制御サーバ装置であって、
サービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で移動局用のベアラが設定されている状態で、移動管理ノードが再開した後に、該移動局宛ての着信信号を受信した場合に、該パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、該サービングゲートウェイ装置に対して、該移動局宛ての着信信号を送信するように構成されており、
前記サービングゲートウェイ装置から、前記移動管理ノードが再開したことを通知された場合に、前記移動局宛ての着信信号を保留するように構成されており、
前記移動局が、再度登録された後に、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置を介して、前記サービングゲートウェイ装置に対して、保留している前記移動局宛ての着信信号を送信するように構成されていることを特徴とする呼セッション制御サーバ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−4847(P2012−4847A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137781(P2010−137781)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】