移動間仕切のトロリー取付機構
【課題】 移動間仕切におけるトロリーの取付構造について、トロリー取付部の構成に溶接やビス止めを必要とせず、また、取付けたトロリーの吊りボルトに二重ナットや回り止めビスなどのために特別工具や特殊工具を要することなく回り止め機構を含みトロリーの取付ができるトロリー取付機構を提供すること。
【解決手段】 パネルGP上端縁の表裏両面に配した吊下ビーム1,2をボルト8締めして前記パネルGPを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビーム1,2の長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴9aを備えたマウント金具9が支持される切欠又は穴を設け、該切欠1c又は穴にマウント金具9を嵌め込んで当該金具を吊下ビーム1,2に固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリー11の主杆11aを、該主杆に形成された雄ネジ11bを前記マウント金具9の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリー11をその装着部に取付けたこと。
【解決手段】 パネルGP上端縁の表裏両面に配した吊下ビーム1,2をボルト8締めして前記パネルGPを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビーム1,2の長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴9aを備えたマウント金具9が支持される切欠又は穴を設け、該切欠1c又は穴にマウント金具9を嵌め込んで当該金具を吊下ビーム1,2に固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリー11の主杆11aを、該主杆に形成された雄ネジ11bを前記マウント金具9の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリー11をその装着部に取付けたこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動間仕切(移動壁ともいう。以下、同じ)に関し、具体的には、ガラスパネルを吊下して走行するトロリーの取付機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動間仕切は、一例として大広間を複数の小間に形成するための壁として機能させることを第一義としていたため、遮音性,遮光性が高いスチール主体のパネルで形成されたものが大半であった。
【0003】
しかし、最近では、仕切った空間が外から見透せるように、ガラスパネルを主体とする移動間仕切(以下、ガラス移動間仕切という)も実用されるようになり、ガラス移動間仕切に関する複数の提案が特許文献1などによりなされている。
【0004】
ガラス移動間仕切においては、スチール製パネルに比べると厚さが小さいガラスパネルが用いられているので、構成部材の取付けや結合のための切欠加工や穴あけ加工などが行いにくく、スチール製パネルの移動間仕切りには見られない独自の工夫を要する。
【0005】
例えば、トロリーの取付けもその一つである。即ち、従来のトロリー吊りボルトの取付けは、特別な取付けブラケットを別に取付けたりしているが、ブラケットや吊りボルトの取付構造が複雑であり、回り止めに二重ナットや回り止めビスなどを用いるため、そのための工具を不可欠とするという問題がある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3283119号公報
【特許文献2】特許第2755687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような移動間仕切におけるトロリーの取付構造について、トロリー取付部の構成に溶接やビス止めを必要とせず、また、取付けたトロリーの吊りボルトに二重ナットや回り止めビスなどのために特別工具や特殊工具を要することなく回り止め機構を含みトロリーの取付ができるトロリー取付機構を提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明トロリー取付機構の構成は、パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の上記構成において、マウント金具は、略中央に雌ネジ穴を備えると共に、パネル表裏の吊下ビームに対向する両側辺を、当該吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌合して支持される凸状翼部に形成したので、マウント金具は、吊下ビームに取付ビスや工具を用いることなく装着固定することができる。
【0009】
また、本発明では、トロリー主杆はネジ部を除いて断面を角柱状に形成する一方、舌片状板に形成した切欠部を前記角柱状部に嵌合させ、当該舌片状板を吊下ビーム又はその外カバーに保持させることにより、トロリー主杆の回り止めとしたので、二重ナットや止めネジを用いず、従って、工具を要しないでトロリーの回り止めを実現できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けるようにしたので、トロリーの取付け際に孔や切欠を設けたり、ビス止めや溶接などの加工を一切必要とせず、主杆のネジを装着部に手で螺装し、板状の回り止め手段の凹部を前記主杆に手で差込むだけで、何らの工具も要しないで回り止めを施したトロリーの取付ができる。
【0011】
特に本発明では、トロリー主杆用の雌ネジ穴を備えたマウント金具に吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌まって当該ビームに支持,固定される凸状翼部を設けたので、マウント金具の取付けも、ビス等や工具を用いることなく行うことができる。
【0012】
さらに本発明では、トロリー主杆を断面角柱状に形成し、該角柱状部に、回り止め金具である舌片状板に形成した凹状切欠部を手で嵌入させるが、その嵌入の際に、前記舌片状板を吊下ビームのカバーに保持させるので、二重ナットや回り止めビスを用いることなく、従って、何らの工具も用いることなくトロリーの回り止め金具を装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明トロリー取付機構の実施の形態例について、図を参照して説明する。図1は本発明トロリー取付機構を適用する移動間仕切の高さ方向中間を省略した正面図、図2は図1の移動間仕切りにおけるパネルの吊下保持構造において、吊下ビームの間に摩擦性帯材を介在させる機械的押圧領域の組立前の側面図、図3は図2の組立状態の側面図、図4は吊下ビームの間に接着剤を介在させる接着剤固着領域の組立前の側面図、図5は図4の組立状態の側面図、図6は吊下ビームの一例の正面図、図7は図6の右側面図、図8は反力金具の一例の正面図、図9は図8の反力金具の右側面図、図10はスペーサーの一例の正面図、図11は図10のスペーサの右側面図、図12は組立てた2枚の吊下ビームの外側に装着される吊下ビームカバーの平面図、図13は図12のカバーの右側面図、図14は図12のカバーの正面図、図15は図1の移動間仕切におけるトロリー部分を示した拡大側断面図、図16はトロリーのマウント金具の平面図、図17は図16のマウント金具の正面図、図18は回り止め金具の平面図である。
【0014】
図1の移動間仕切において、Aは1枚のガラスパネルGPの上端縁に沿って当該パネルの表裏両面を吊りビーム1,2で押圧挟持するように形成されたガラスパネルGPの吊下保持構造部、Bは該吊下保持構造部の左右側端近傍に配設されたトロリーとその取付部、CはガラスパネルGPの下端縁に沿って配設されたドロップシール機構である。
【0015】
本発明のトロリー取付機構の一例は、図示したガラスパネルGPの吊下構造部に適用されるので、トロリー取付機構の説明に先立ち、図2〜図5によりその吊下構造部について説明する。
【0016】
ガラスパネルGPの本発明による吊下構造部の一例は、図2〜図5に模式的に例示した構成を具備しているので、以下に説明する。
図2〜図5において、1,2は2枚の吊下ビームで、図6に示す正面形状と図7に示す側面形状を備えた金属製板材である。材質は、ステンレス,鋼,アルミ合金など、いずれでもよい。なお、前記ビーム1,2のうち、吊下ビーム1には複数のボルト穴1aが設けられ、各穴1aに皿モミ加工が施してあるが、吊下ビーム2にはボルト穴2aだけで皿モミ加工はない。また、ビス穴1a,2aの数は、一例であって図示した数に限られるものではない。
【0017】
ここで、吊下ビーム1,2は個々の2枚構成としたが、例えば上部が連結された逆U字状断面の吊下ビームや、長さ方向で複数ピースに分離した複数枚構成吊下ビームであってもよい。また、吊下ビーム1(2)は、図6に例示するように、左右側近傍に設けた左右のマウント金具9の装着部1cを中心とする領域を2つの接着剤固着領域Ceとし、両領域Ce,Ceに挟まれた中間部分を機械的押圧領域Meとする。
【0018】
吊下ビーム1,2において、1bは前記接着剤固着領域Ceと機械的押圧領域Meの境界、及び、機械的押圧領域Meの中に適宜ピッチで設けたスリットで、図の例では当該ビーム1,2の下端部からビス穴1aの高さ近くまで形成されている。このスリット1bは、ボルト穴1a,2aにボルトが入れられて緊締されたとき、吊下ビーム1,2に生じる変形をそのスリット1bで吸収するためのものである。スリット1bは変形吸収のための構成であるから、同様の効果が得られれば、その形成態様は上記の図示した例に限られず、また、スリットに代え丸穴や長穴、或は、穴の列などを適宜配置で形成してもよい。
吊下ビーム1,2において、1cは左右外側端にあるボルト穴1aと次のボルト穴1aの間に切欠状に形成したトロリー用のマウント金具9の装着部で、該金具9は水平方向に拡張した段部1dに嵌まって吊下ビーム1,2の間に保持,固定される。この装着部1cにおいて、前記段部1dより下方は、後述するトロリー11の主杆11aの下部に対して余裕を持った幅(図1参照)に形成されている。その理由は、移動間仕切が走行するときなど、トロリー11の主杆11aに生じるわずかな傾きに対し、余裕空間をクリアランスとして作用させるためである。
【0019】
3は側断面が大略7字状をなす反力金具で、図8に示す正面形状と図9に示す側面形状を具備している。この金具3のボルト穴3aは、吊りビーム1,2のボルト穴1a,2aと同じピッチで設けられている。4は前記反力金具3が倒立したような側断面形状を有するスペーサである。なお、4aはスペーサ4に設けたボルト穴で、反力金具3のボルト穴3aと同旨のボルト穴、4bは後述するトロリー11の装着用スペースとしての切欠である。
【0020】
5は2枚の吊下ビーム1,2とガラスパネルGPの対向面の間における機械的押圧領域Meに配設される、例えば帯状のウレタンシートなどによる摩擦性帯体で、ボルト6により2枚の吊下ビーム1,2が締付られたとき(図3参照)、吊下ビーム1,2の下半側とガラスパネルGPの上端縁の間に押圧挟持され、吊下ビーム1,2の面とガラスパネルGPの面との滑りを、圧潰された当該帯体5,5の摩擦力によって防ぎ、ガラスパネルGPを機械的押圧領域Meにおける吊下ビーム1,2の間に押圧挟持状態で保持する。
【0021】
上記のボルト6の締付けにより、吊下ビーム1,2の中間部分(機械的押圧領域Me)に締付力が作用すると当該ビーム1,2に変形が生じるが、この変形は吊下ビーム1,2に等ピッチで設けられた各スリット1bに吸収されるので、ボルト6の締付けによる吊下ビーム1,2の変形が締付け部位から他の部位、特に、接着剤固着領域Ceに及ぶことはない。
【0022】
一方、図4において、7は吊下ビーム1,2の左右外端近傍の内面下平側(接着剤固着領域Ce)に塗布した接着剤である。吊下ビーム1,2における左右側端近傍の接着剤固着領域Ceは、2本のボルト8によって締付けられるが、2枚の吊下ビーム1,2の間にはスペーサ4を配置しているので、接着剤7がボルト8の締付力によって吊下ビーム1,2とパネルGPの対向面の間から押出されない。即ち、スペーサ4は、吊下ビーム1,2とガラスパネルGPの対向面の間に接着剤スペースを形成し、接着剤を所定量に確保する作用をする(図5参照)。
【0023】
図4,図5に示されたブロック状をなすトロリー用マウント金具9は、図16,図17に示すように、中心に垂直な雌ネジ9aが形成されると共に、左右両側の凸状翼部9b,9cが形成されている。このマウント金具9は、吊下ビーム1,2がボルト6で締結される前に当該ビーム1,2に形成した切欠による装着部1c(2c)の段部1d(2d)(図6参照)に嵌められ、この状態で吊下ビーム1,2がボルト6で締結されることにより、吊下ビーム1,2に固定されて保持される。上記のように、本発明では後述するトロリー11のマウント金具9の装着に止めビスや工具を必要としない。
【0024】
図3,図5のように締付けられた吊下保持構造部Aには、トロリー11を取付ける前に図12〜図14に例示した形状の吊下ビームカバー10が吊下ビーム1,2の外側に装着される。図12〜図14のカバー10において、10a,10bは側断面における左右側壁、10cは側壁10a,10bの上端から一段下がって形成した天壁で、天板10cの左右外端近くにはトロリー11の主杆11aを通すトロリー穴10dが形成されている。10e,10fの下端を内側に曲げた抱え壁、10gは天板10cの上方の側壁10a,10bの内面に設けた後述する回り止め金具13の装着用溝である。
【0025】
上記の吊保持構造Aは、吊下ビーム1,2がボルト6,8によって締付けられると(図3,図5の状態)、前記ビーム1,2の一端側から他端に向けてそのビーム1,2に外嵌されるようにカバー10が挿入される。
【0026】
カバー10が締結したビーム1,2に装着されると、このカバー10のトロリー穴10dからトロリー11の主杆11aが挿入され、先端の雄ネジ11bが吊下ビーム1,2に先に固定されたマウント金具9の雌ネジ9aにねじ込まれて、このトロリー11がマウント金具9に取付けられる。
【0027】
上記のようにしてトロリー11の取付けが終ると、その主杆11aに回り止め金具13が装着される。即ち、回り止め金具13は、図13に例示するように、前記カバー10の内側面に設けられた溝10gに挿入できる幅,厚さの金属板で舌片状板13aが形成され、この板13aの先端に、トロリー主杆11aにその角柱状部を抱持するように嵌まる凹状の切欠部13bが設けられて回り止め金具13に形成されている。なお、13cは、カバー10の溝に挿入される回り止め金具の側辺である。
【0028】
上記回り止め金具13は、トロリー11が取付けられると、その側辺13cがカバー10の溝10gに案内支持されてカバー10内に挿入され、そのまま手で押込むと、先端部の凹状切欠部13bがトロリー主杆10aの角柱状部に嵌まるから、この金具13がカバー10の溝10gに保持されていることと相俟って回り止め機能を発揮する。回り止め金具13が装着されたカバー10の両エンドには、前記金具13の抜け止め機能をもつエンドキャップ14が装着されている。
【0029】
このように本発明トロリー取付機能では、凹状の切欠部13bを有する舌片状板13aを吊下ビーム1,2のカバー10に設けた溝10gに嵌入して当該切欠部13bを主杆11aの角柱状部に嵌めるだけで回り止め作用が得られるから、回り止めのために二重ナットを使ったり、回り止めビスを螺入したりする手間や工具が不要である。
【0030】
図1と図15に示したトロリー11において、11c,11dは主杆11aの上部に回転自在に架装した2段式の水平走行輪である。なお、12は該走行輪11c,11dを支持して転送させるレール12a,12bを有するボックス断面状のトラックで、トラック12は建物の天井側に敷設される。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は以上の通りであって、パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けたので、二重ナットや回り止めビス、並びに、そのための工具を何ら用いることなくトロリーをパネルの吊下保持構造部へ取付けることができる。
【0032】
また、マウント金具は、略中央に雌ネジ穴を備えると共に、パネル表裏の吊下ビームに対向する両側辺を、当該吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌合して支持される凸状翼部に形成したので、吊下ビームをボルト締めする際に当該金具を工具を用いず架装することができる。
【0033】
さらに、トロリー主杆はネジ部を除いて断面を角柱状に形成する一方、舌片状板に形成した切欠部を前記角柱状部に嵌合させると共に、当該舌片状板を吊下ビーム又はその外カバーに保持させることにより、トロリー主杆の回り止めとしたので、二重ナットや回り止めビスなどを工具を要する部品を用いることなく、トロリーの回り止めを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】移動間仕切の一例の高さ方向中間を省略した正面図。
【図2】図1の吊下保持構造について吊下ビームの間に摩擦性帯材を介在させる機械的押圧領域の組立前の側面図。
【図3】図2の組立状態の側面図。
【図4】吊下ビームの間に接着剤を介在させる接着剤固着領域の組立前の側面図。
【図5】図4の組立状態の側面図。
【図6】吊下ビームの一例の正面図。
【図7】図6の右側面図。
【図8】反力金具の一例の正面図。
【図9】図8の金具の右側面図。
【図10】スペーサの一例の正面図。
【図11】図10のスペーサの右側面図。
【図12】組立てた吊下ビームの外側に装着される吊下ビームカバーの平面図。
【図13】図12のカバーの右側面図。
【図14】図12のカバーの正面図。
【図15】図1の移動間仕切におけるトロリー部分を示した拡大側断面図。
【図16】トロリーマウント金具の平面図。
【図17】図16の金具の正面図。
【図18】回り止め金具の平面図。
【符号の説明】
【0035】
GP ガラスパネル
Me 機械的押圧領域
Ce 接着剤固着領域
1,2 吊下ビーム
3 反力金具
4 スペーサ
5 摩擦性帯体
6 ボルト
7 接着剤
8 ボルト
9 トロリーマウント金具
10 吊下ビームカバー
11 トロリー
12 トラック
13 回り止め金具
14 エンドキャップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動間仕切(移動壁ともいう。以下、同じ)に関し、具体的には、ガラスパネルを吊下して走行するトロリーの取付機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動間仕切は、一例として大広間を複数の小間に形成するための壁として機能させることを第一義としていたため、遮音性,遮光性が高いスチール主体のパネルで形成されたものが大半であった。
【0003】
しかし、最近では、仕切った空間が外から見透せるように、ガラスパネルを主体とする移動間仕切(以下、ガラス移動間仕切という)も実用されるようになり、ガラス移動間仕切に関する複数の提案が特許文献1などによりなされている。
【0004】
ガラス移動間仕切においては、スチール製パネルに比べると厚さが小さいガラスパネルが用いられているので、構成部材の取付けや結合のための切欠加工や穴あけ加工などが行いにくく、スチール製パネルの移動間仕切りには見られない独自の工夫を要する。
【0005】
例えば、トロリーの取付けもその一つである。即ち、従来のトロリー吊りボルトの取付けは、特別な取付けブラケットを別に取付けたりしているが、ブラケットや吊りボルトの取付構造が複雑であり、回り止めに二重ナットや回り止めビスなどを用いるため、そのための工具を不可欠とするという問題がある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3283119号公報
【特許文献2】特許第2755687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような移動間仕切におけるトロリーの取付構造について、トロリー取付部の構成に溶接やビス止めを必要とせず、また、取付けたトロリーの吊りボルトに二重ナットや回り止めビスなどのために特別工具や特殊工具を要することなく回り止め機構を含みトロリーの取付ができるトロリー取付機構を提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明トロリー取付機構の構成は、パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の上記構成において、マウント金具は、略中央に雌ネジ穴を備えると共に、パネル表裏の吊下ビームに対向する両側辺を、当該吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌合して支持される凸状翼部に形成したので、マウント金具は、吊下ビームに取付ビスや工具を用いることなく装着固定することができる。
【0009】
また、本発明では、トロリー主杆はネジ部を除いて断面を角柱状に形成する一方、舌片状板に形成した切欠部を前記角柱状部に嵌合させ、当該舌片状板を吊下ビーム又はその外カバーに保持させることにより、トロリー主杆の回り止めとしたので、二重ナットや止めネジを用いず、従って、工具を要しないでトロリーの回り止めを実現できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けるようにしたので、トロリーの取付け際に孔や切欠を設けたり、ビス止めや溶接などの加工を一切必要とせず、主杆のネジを装着部に手で螺装し、板状の回り止め手段の凹部を前記主杆に手で差込むだけで、何らの工具も要しないで回り止めを施したトロリーの取付ができる。
【0011】
特に本発明では、トロリー主杆用の雌ネジ穴を備えたマウント金具に吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌まって当該ビームに支持,固定される凸状翼部を設けたので、マウント金具の取付けも、ビス等や工具を用いることなく行うことができる。
【0012】
さらに本発明では、トロリー主杆を断面角柱状に形成し、該角柱状部に、回り止め金具である舌片状板に形成した凹状切欠部を手で嵌入させるが、その嵌入の際に、前記舌片状板を吊下ビームのカバーに保持させるので、二重ナットや回り止めビスを用いることなく、従って、何らの工具も用いることなくトロリーの回り止め金具を装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明トロリー取付機構の実施の形態例について、図を参照して説明する。図1は本発明トロリー取付機構を適用する移動間仕切の高さ方向中間を省略した正面図、図2は図1の移動間仕切りにおけるパネルの吊下保持構造において、吊下ビームの間に摩擦性帯材を介在させる機械的押圧領域の組立前の側面図、図3は図2の組立状態の側面図、図4は吊下ビームの間に接着剤を介在させる接着剤固着領域の組立前の側面図、図5は図4の組立状態の側面図、図6は吊下ビームの一例の正面図、図7は図6の右側面図、図8は反力金具の一例の正面図、図9は図8の反力金具の右側面図、図10はスペーサーの一例の正面図、図11は図10のスペーサの右側面図、図12は組立てた2枚の吊下ビームの外側に装着される吊下ビームカバーの平面図、図13は図12のカバーの右側面図、図14は図12のカバーの正面図、図15は図1の移動間仕切におけるトロリー部分を示した拡大側断面図、図16はトロリーのマウント金具の平面図、図17は図16のマウント金具の正面図、図18は回り止め金具の平面図である。
【0014】
図1の移動間仕切において、Aは1枚のガラスパネルGPの上端縁に沿って当該パネルの表裏両面を吊りビーム1,2で押圧挟持するように形成されたガラスパネルGPの吊下保持構造部、Bは該吊下保持構造部の左右側端近傍に配設されたトロリーとその取付部、CはガラスパネルGPの下端縁に沿って配設されたドロップシール機構である。
【0015】
本発明のトロリー取付機構の一例は、図示したガラスパネルGPの吊下構造部に適用されるので、トロリー取付機構の説明に先立ち、図2〜図5によりその吊下構造部について説明する。
【0016】
ガラスパネルGPの本発明による吊下構造部の一例は、図2〜図5に模式的に例示した構成を具備しているので、以下に説明する。
図2〜図5において、1,2は2枚の吊下ビームで、図6に示す正面形状と図7に示す側面形状を備えた金属製板材である。材質は、ステンレス,鋼,アルミ合金など、いずれでもよい。なお、前記ビーム1,2のうち、吊下ビーム1には複数のボルト穴1aが設けられ、各穴1aに皿モミ加工が施してあるが、吊下ビーム2にはボルト穴2aだけで皿モミ加工はない。また、ビス穴1a,2aの数は、一例であって図示した数に限られるものではない。
【0017】
ここで、吊下ビーム1,2は個々の2枚構成としたが、例えば上部が連結された逆U字状断面の吊下ビームや、長さ方向で複数ピースに分離した複数枚構成吊下ビームであってもよい。また、吊下ビーム1(2)は、図6に例示するように、左右側近傍に設けた左右のマウント金具9の装着部1cを中心とする領域を2つの接着剤固着領域Ceとし、両領域Ce,Ceに挟まれた中間部分を機械的押圧領域Meとする。
【0018】
吊下ビーム1,2において、1bは前記接着剤固着領域Ceと機械的押圧領域Meの境界、及び、機械的押圧領域Meの中に適宜ピッチで設けたスリットで、図の例では当該ビーム1,2の下端部からビス穴1aの高さ近くまで形成されている。このスリット1bは、ボルト穴1a,2aにボルトが入れられて緊締されたとき、吊下ビーム1,2に生じる変形をそのスリット1bで吸収するためのものである。スリット1bは変形吸収のための構成であるから、同様の効果が得られれば、その形成態様は上記の図示した例に限られず、また、スリットに代え丸穴や長穴、或は、穴の列などを適宜配置で形成してもよい。
吊下ビーム1,2において、1cは左右外側端にあるボルト穴1aと次のボルト穴1aの間に切欠状に形成したトロリー用のマウント金具9の装着部で、該金具9は水平方向に拡張した段部1dに嵌まって吊下ビーム1,2の間に保持,固定される。この装着部1cにおいて、前記段部1dより下方は、後述するトロリー11の主杆11aの下部に対して余裕を持った幅(図1参照)に形成されている。その理由は、移動間仕切が走行するときなど、トロリー11の主杆11aに生じるわずかな傾きに対し、余裕空間をクリアランスとして作用させるためである。
【0019】
3は側断面が大略7字状をなす反力金具で、図8に示す正面形状と図9に示す側面形状を具備している。この金具3のボルト穴3aは、吊りビーム1,2のボルト穴1a,2aと同じピッチで設けられている。4は前記反力金具3が倒立したような側断面形状を有するスペーサである。なお、4aはスペーサ4に設けたボルト穴で、反力金具3のボルト穴3aと同旨のボルト穴、4bは後述するトロリー11の装着用スペースとしての切欠である。
【0020】
5は2枚の吊下ビーム1,2とガラスパネルGPの対向面の間における機械的押圧領域Meに配設される、例えば帯状のウレタンシートなどによる摩擦性帯体で、ボルト6により2枚の吊下ビーム1,2が締付られたとき(図3参照)、吊下ビーム1,2の下半側とガラスパネルGPの上端縁の間に押圧挟持され、吊下ビーム1,2の面とガラスパネルGPの面との滑りを、圧潰された当該帯体5,5の摩擦力によって防ぎ、ガラスパネルGPを機械的押圧領域Meにおける吊下ビーム1,2の間に押圧挟持状態で保持する。
【0021】
上記のボルト6の締付けにより、吊下ビーム1,2の中間部分(機械的押圧領域Me)に締付力が作用すると当該ビーム1,2に変形が生じるが、この変形は吊下ビーム1,2に等ピッチで設けられた各スリット1bに吸収されるので、ボルト6の締付けによる吊下ビーム1,2の変形が締付け部位から他の部位、特に、接着剤固着領域Ceに及ぶことはない。
【0022】
一方、図4において、7は吊下ビーム1,2の左右外端近傍の内面下平側(接着剤固着領域Ce)に塗布した接着剤である。吊下ビーム1,2における左右側端近傍の接着剤固着領域Ceは、2本のボルト8によって締付けられるが、2枚の吊下ビーム1,2の間にはスペーサ4を配置しているので、接着剤7がボルト8の締付力によって吊下ビーム1,2とパネルGPの対向面の間から押出されない。即ち、スペーサ4は、吊下ビーム1,2とガラスパネルGPの対向面の間に接着剤スペースを形成し、接着剤を所定量に確保する作用をする(図5参照)。
【0023】
図4,図5に示されたブロック状をなすトロリー用マウント金具9は、図16,図17に示すように、中心に垂直な雌ネジ9aが形成されると共に、左右両側の凸状翼部9b,9cが形成されている。このマウント金具9は、吊下ビーム1,2がボルト6で締結される前に当該ビーム1,2に形成した切欠による装着部1c(2c)の段部1d(2d)(図6参照)に嵌められ、この状態で吊下ビーム1,2がボルト6で締結されることにより、吊下ビーム1,2に固定されて保持される。上記のように、本発明では後述するトロリー11のマウント金具9の装着に止めビスや工具を必要としない。
【0024】
図3,図5のように締付けられた吊下保持構造部Aには、トロリー11を取付ける前に図12〜図14に例示した形状の吊下ビームカバー10が吊下ビーム1,2の外側に装着される。図12〜図14のカバー10において、10a,10bは側断面における左右側壁、10cは側壁10a,10bの上端から一段下がって形成した天壁で、天板10cの左右外端近くにはトロリー11の主杆11aを通すトロリー穴10dが形成されている。10e,10fの下端を内側に曲げた抱え壁、10gは天板10cの上方の側壁10a,10bの内面に設けた後述する回り止め金具13の装着用溝である。
【0025】
上記の吊保持構造Aは、吊下ビーム1,2がボルト6,8によって締付けられると(図3,図5の状態)、前記ビーム1,2の一端側から他端に向けてそのビーム1,2に外嵌されるようにカバー10が挿入される。
【0026】
カバー10が締結したビーム1,2に装着されると、このカバー10のトロリー穴10dからトロリー11の主杆11aが挿入され、先端の雄ネジ11bが吊下ビーム1,2に先に固定されたマウント金具9の雌ネジ9aにねじ込まれて、このトロリー11がマウント金具9に取付けられる。
【0027】
上記のようにしてトロリー11の取付けが終ると、その主杆11aに回り止め金具13が装着される。即ち、回り止め金具13は、図13に例示するように、前記カバー10の内側面に設けられた溝10gに挿入できる幅,厚さの金属板で舌片状板13aが形成され、この板13aの先端に、トロリー主杆11aにその角柱状部を抱持するように嵌まる凹状の切欠部13bが設けられて回り止め金具13に形成されている。なお、13cは、カバー10の溝に挿入される回り止め金具の側辺である。
【0028】
上記回り止め金具13は、トロリー11が取付けられると、その側辺13cがカバー10の溝10gに案内支持されてカバー10内に挿入され、そのまま手で押込むと、先端部の凹状切欠部13bがトロリー主杆10aの角柱状部に嵌まるから、この金具13がカバー10の溝10gに保持されていることと相俟って回り止め機能を発揮する。回り止め金具13が装着されたカバー10の両エンドには、前記金具13の抜け止め機能をもつエンドキャップ14が装着されている。
【0029】
このように本発明トロリー取付機能では、凹状の切欠部13bを有する舌片状板13aを吊下ビーム1,2のカバー10に設けた溝10gに嵌入して当該切欠部13bを主杆11aの角柱状部に嵌めるだけで回り止め作用が得られるから、回り止めのために二重ナットを使ったり、回り止めビスを螺入したりする手間や工具が不要である。
【0030】
図1と図15に示したトロリー11において、11c,11dは主杆11aの上部に回転自在に架装した2段式の水平走行輪である。なお、12は該走行輪11c,11dを支持して転送させるレール12a,12bを有するボックス断面状のトラックで、トラック12は建物の天井側に敷設される。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は以上の通りであって、パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けたので、二重ナットや回り止めビス、並びに、そのための工具を何ら用いることなくトロリーをパネルの吊下保持構造部へ取付けることができる。
【0032】
また、マウント金具は、略中央に雌ネジ穴を備えると共に、パネル表裏の吊下ビームに対向する両側辺を、当該吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌合して支持される凸状翼部に形成したので、吊下ビームをボルト締めする際に当該金具を工具を用いず架装することができる。
【0033】
さらに、トロリー主杆はネジ部を除いて断面を角柱状に形成する一方、舌片状板に形成した切欠部を前記角柱状部に嵌合させると共に、当該舌片状板を吊下ビーム又はその外カバーに保持させることにより、トロリー主杆の回り止めとしたので、二重ナットや回り止めビスなどを工具を要する部品を用いることなく、トロリーの回り止めを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】移動間仕切の一例の高さ方向中間を省略した正面図。
【図2】図1の吊下保持構造について吊下ビームの間に摩擦性帯材を介在させる機械的押圧領域の組立前の側面図。
【図3】図2の組立状態の側面図。
【図4】吊下ビームの間に接着剤を介在させる接着剤固着領域の組立前の側面図。
【図5】図4の組立状態の側面図。
【図6】吊下ビームの一例の正面図。
【図7】図6の右側面図。
【図8】反力金具の一例の正面図。
【図9】図8の金具の右側面図。
【図10】スペーサの一例の正面図。
【図11】図10のスペーサの右側面図。
【図12】組立てた吊下ビームの外側に装着される吊下ビームカバーの平面図。
【図13】図12のカバーの右側面図。
【図14】図12のカバーの正面図。
【図15】図1の移動間仕切におけるトロリー部分を示した拡大側断面図。
【図16】トロリーマウント金具の平面図。
【図17】図16の金具の正面図。
【図18】回り止め金具の平面図。
【符号の説明】
【0035】
GP ガラスパネル
Me 機械的押圧領域
Ce 接着剤固着領域
1,2 吊下ビーム
3 反力金具
4 スペーサ
5 摩擦性帯体
6 ボルト
7 接着剤
8 ボルト
9 トロリーマウント金具
10 吊下ビームカバー
11 トロリー
12 トラック
13 回り止め金具
14 エンドキャップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けたことを特徴とする移動間仕切のトロリー取付機構。
【請求項2】
マウント金具は、略中央に雌ネジ穴を備えると共に、パネル表裏の吊下ビームに対向する両側辺を、当該吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌合して支持される凸状翼部に形成した請求項1のトロリー取付機構。
【請求項3】
トロリー主杆はネジ部を除いて断面を角柱状に形成する一方、舌片状板に形成した切欠部を前記角柱状部に嵌合させ、当該舌片状板を吊下ビーム又はその外カバーに保持させることにより、トロリー主杆の回り止めとした請求項1又は2のトロリー取付機構。
【請求項1】
パネル上端縁の表裏両面に配した吊下ビームをボルト締めして前記パネルを押圧挟持した移動間仕切において、前記吊下ビームの長さ方向両端近傍に、トロリーマウント用の雌ネジ穴を備えたマウント金具が支持される切欠又は穴を設け、該切欠又は穴にマウント金具を嵌め込んで当該金具を吊下ビームに固定したトロリー装着部を形成する一方、走行輪を有するトロリーの主杆を、該主杆に形成された雄ネジを前記マウント金具の雌ネジ穴に螺装することにより、トロリーをその装着部に取付けたことを特徴とする移動間仕切のトロリー取付機構。
【請求項2】
マウント金具は、略中央に雌ネジ穴を備えると共に、パネル表裏の吊下ビームに対向する両側辺を、当該吊下ビームに形成された切欠又は穴に嵌合して支持される凸状翼部に形成した請求項1のトロリー取付機構。
【請求項3】
トロリー主杆はネジ部を除いて断面を角柱状に形成する一方、舌片状板に形成した切欠部を前記角柱状部に嵌合させ、当該舌片状板を吊下ビーム又はその外カバーに保持させることにより、トロリー主杆の回り止めとした請求項1又は2のトロリー取付機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−108515(P2009−108515A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279543(P2007−279543)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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