説明

積層体およびプラズマディスプレイ用前面フィルター並びに表示装置

【課題】 本発明の課題とするところは、十分な防汚性能と耐アルカリ性、耐塩素性を有する防汚性積層体とするものである。
【解決手段】 基材上に金属層及び/又は金属酸化物層を含む機能層、防汚層を形成してなる積層体であって、該防汚層が防汚下地層を介して設けられていることを特徴とするものである。また、このようにすることで水に対する接触角が100°以上であり、かつオレイン酸に対する接触角が70°以上となり、また耐アルカリ性に優れ、時間的変化にも強いものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置等に用いる防汚性積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
反射防止膜等に代表される光学膜などの機能膜は、液晶ディスプレイ、ブラウン管表示装置やプラズマディスプレイパネルなどの表示装置に応用されている。これらの機能膜は表示装置に用いた時に一番前面に位置するため、大気中に浮遊するゴミや油分、人の手による指紋、油などにより、汚染されることがある。
【0003】
そのため、これら機能膜の最表面にはフッ素化合物や、アルキルシラン化合物などの防汚層を設けることが知られている(特許文献1、2参照)。
【0004】
しかし、これら防汚層は耐汚染性は十分に満足していても、アルカリ耐性や塩素耐性に乏しい。具体的には金属酸化物からなる機能膜を有する場合、これがアルカリにより劣化する、金属酸化物層と防汚層の界面が破壊されるなどの問題がある。また、銀などの金属を含む機能層を有する場合、塩素により劣化してしまうという問題がある。
【特許文献1】特開平10−195417号公報
【特許文献2】特開2001−048590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、十分な防汚性能と耐アルカリ性、耐塩素性を有する防汚性積層体の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、基材上に金属層及び/又は金属酸化物層を含む機能層、防汚層を形成してなる積層体であって、該防汚層が防汚下地層を介して設けられていることを特徴とする積層体である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記防汚層の水に対する接触角が100°以上であり、かつオレイン酸に対する接触角が70°以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層体である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記防汚層の、1%のNaOH水溶液を滴下し1時間放置した後、滴下部を洗浄、乾燥した後の水に対する接触角が100°以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記防汚下地層が金属化合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記機能層が反射防止層、導電層、電磁波シールド層、帯電防止層のいずれか1種又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記基材が偏光板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体を含むことを特徴とするディスプレイ用前面板である。
【0013】
請求項8に記載の発明は、表示装置の前面に請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を用いたことを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、光学膜などの金属層及び/又は金属酸化物層を含む機能膜上に防汚下地層を介して防汚層を設けることにより、耐アルカリ性、耐塩素性に優れ、かつ撥水性、撥油性、指紋、油性インキ拭き取り性に優れ、良好な防汚性能を示す積層体とすることができるものである。
【0015】
また、耐アルカリ性において、経時的な変化に強く、耐湿熱性にも優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、基材上に機能層を設け、さらに防汚下地層を介して防汚層を設けることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に用いる基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、トリアセチルセルロース(TAC)などのプラスチック基材やガラス基材、或いは偏光板を基材として用いることができる。
【0018】
また、さらに、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が含まれていてもよい。
【0019】
また、基材表面に予めスパッタリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、電子線照射などのエッチング処理や、下塗り処理が施されていることが好ましい。基材の表面に前記処理が施されていれば、隣接する他の層に対する密着性を向上させることができる。
【0020】
また、必要に応じて、基材は、表面に溶剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理が施されていてもよい。
【0021】
また、本発明に用いる金属層及び/又は金属酸化物層を含む機能層は、反射防止層、電磁波シールド層、帯電防止層などが挙げられる。またこれらの組み合わせでも構わない。
【0022】
反射防止層としては、公知の構成のものを公知の手法により設けることができる。
【0023】
例えば屈折率n=1.2〜1.6の低屈折率層を単層設ける構成や、屈折率の異なる層を複数組み合わせたものが挙げられる。
【0024】
屈折率n=1.2〜1.6の低屈折率層としては、酸化珪素やフッ化マグネシウムやフッ化カルシウムなどが挙げられる。
【0025】
また、屈折率の異なる層を複数組み合わせる場合は、前述の低屈折率層と屈折率n=1.8〜2.6の高屈折率層を組み合わせることにより反射防止効果を持たせることができる。またさらに、屈折率n=1.6〜1.9の中屈折率層を組み合わせても良い。
【0026】
屈折率n=1.8〜2.6の高屈折率層としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化錫、錫−インジウム化合物などが挙げられる。
【0027】
屈折率n=1.6〜1.9の中屈折率層としては、酸化アルミニウム、フッ化セリウムや、無機系バインダーに該バインダーの屈折率より高い屈折率を有する無機系粒子を分散させる方法、具体的には、例えば酸化珪素をバインダーとし、酸化珪素より高屈折率である酸化チタンをバインダーの酸化珪素に対し分散させるなどである。
【0028】
複数の異なった屈折率を持つ層を積層する反射防止層の構成は、基材側の前層に対し、相対的に高屈折率である層、もしくは低屈折率である層を交互に組み合わせ、基材/高屈折率層/低屈折率/高屈折率層/低屈折率といった構成で、光学膜厚が、基材側から(基材)/(約λ/4)/(約λ/2)/(約λ/4)/(約λ/4)となるような場合を挙げられる。ただしこの際、λ(nm)は反射防止効果を所望する波長とする。
【0029】
また上記中屈折率層を用いる構成としては、基材/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の構成で、光学膜厚が、基材側から(基材)/(約λ/4)/(約λ/8)/(約λ/4)となるような場合を挙げられる。ただしこの際、λ(nm)は反射防止効果を所望する波長とする。
【0030】
これらの材料の形成方法としては、特に限定するものではなく、塗工法や気相法など公知の手法で設けることができる。
【0031】
塗工法を用いる場合は、ゾルゲル法や、前述の材料を塗液化し塗布、硬化させることにより形成することができる。
【0032】
気相法としては、蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、スパッタリング法、CVD法に代表される各種成膜方法を用いることができる。
【0033】
本発明の電磁波シールド層は、例えば金属薄膜と透明薄膜の多層積層膜からなるものが挙げられる。
【0034】
金属薄膜と透明薄膜の多層積層膜からなる電磁波シールド層とする場合、透明薄膜と金属薄膜をこの順に積層することが好ましい。具体的には3〜7層の範囲内であると良い。また、各透明薄膜と金属は同一のものを用いても構わないし、異なるものを用いても構わない。
【0035】
透明薄膜の材料としては、その厚みを薄くするため屈折率の高い材料、具体的には、可視光線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.7以上の材料が用いられる。このような材料としては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウム等の酸化物、又は、これら酸化物の混合物や、硫化亜鉛などが挙げられる。
【0036】
これらの中でも、酸化インジウムや酸化インジウムと酸化スズの混合物(ITO)、酸化インジウムと酸化セリウムの混合物を主成分とする(ICO)は、透明性、屈折率が高い上に、直流放電によるスパッタ(DCスパッタリング)成膜が可能であり、成膜速度が速く金属薄膜層との密着性等が良好であることから好ましい。また、ITOといった比較的高い導電性を持つ酸化物半導体薄膜を用いることによって、電磁波の吸収を増やすことができる。
【0037】
透明薄膜の形成には、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビームアシスト、真空蒸着、湿式塗工等の従来公知の方法を採用できる。
【0038】
金属薄膜は、波長550nmの光の屈折率が0.2以下、消衰係数が5.0以下であることが好ましい。波長550nmの光の屈折率が0.2以下であれば透明性がより高くなり、消衰係数が5.0以下であれば多層構成とした場合でも高い透明性を確保できる。また、金属薄膜層中の金属原子は、導電性等の観点から、集合状態が島状構造ではなく連続構造であることが好ましい。
【0039】
このような屈折率及び消衰係数にできる材料としては、銀又は銀を含む合金が挙げられる。銀は、導電性、赤外線反射性、多層積層した際の可視光線透過性に優れる。また、銀を含む合金は、銀の化学的安定性及び物理的安定性を高め、環境中の汚染物質、水、酸素、アルカリ、ハロゲン、硫黄、熱、光等による劣化、凝集を防止できる。
【0040】
銀合金中の銀以外の金属としては、金、白金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、ビスマス等の環境に安定な貴金属や、銀の界面付近に移動し保護層を形成する希土類などの金属が好ましい。これらの金属は2種類以上含まれてもよい。この中でも、銀の持つ結晶構造である面心立方格子構造を破壊しない置換型の元素や金属薄膜層形成後に界面に移動・析出し金属薄膜層の保護膜を形成するような元素が好ましい。
【0041】
銀を含む合金中の銀の含有率は、銀単体の薄膜の導電性、光学特性と大きく変わらない範囲である0.3質量%以上30質量%未満であることが好ましい。
【0042】
金属薄膜の形成には、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
【0043】
導電層としては、導電性の薄膜であれば有機系、無機系のどちらでも構わない。例えば金属からなる薄膜や酸化インジウムと酸化スズの混合物(ITO)や亜鉛を含む化合物などの金属化合物薄膜が挙げられ、任意の膜厚で、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ等、従来公知の方法で設けることができる。低抵抗を得るためには金属化合物薄膜であることが好ましい。
【0044】
なお、導電層を電極とする場合は抵抗10〜0.5Ω/□であることが好ましい。
【0045】
帯電防止層としては、抵抗1011Ω/□以下の導電性の薄膜であれば有機系、無機系のどちらでも構わない。例えば金属からなる薄膜や酸化インジウムと酸化スズの混合物(ITO)や亜鉛を含む化合物などの金属化合物薄膜が挙げられ、任意の膜厚で、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ等、従来公知の方法で設けることができる。
【0046】
本発明の防汚層としては、撥水性、撥油性、低摩擦性を有していれば特に限定はするものではないが、フッ素含有珪素化合物からなるものが挙げられる。
【0047】
フッ素含有珪素化合物としては、例えば、
−(CH−Si−(OR)
(R:炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、R:有機官能基、n:自然数)
で表されるフルオロアルキルシラン等のシラン化合物等や、
−(CH−Si−(NH)1.5
(R:炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、n:自然数)
で表されるフルオロアルキルシラザンや、
−(OC−O−(CF−(CH−OOCNH−(CH−Si(OR)
(R:炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、n:自然数、m:0〜3の整数、L:0〜3の整数、s:1〜6の整数、Rはアルキル基)
等のオルガノポリシロキサン、
−(OC−O−(CF−(CH−O−(CH−Si(R)
(R:炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、n:自然数、m:0〜3の整数、L:0〜3の整数、s:0〜6の整数、Rは加水分解基)
等のパーフルオロポリエーテルシランなども挙げられる。
【0048】
また、これらの組み合わせからなる混合物でも構わない。
【0049】
また、防汚層の水に対する接触角が100°以上、オレイン酸に対する接触角が70°以上であると良い。これ以下であると、撥水性、撥油性が不十分であり、防汚性能も不十分となる場合がある。
【0050】
防汚層の形成方法は、特に限定するものではなく、気相法、塗工法のいずれを用いても構わない。
【0051】
気相法としては、CVD法や、蒸着法を用いることができる。
【0052】
塗工法としては、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法などが挙げられる。
【0053】
塗工に用いる溶剤としては、水、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、メチルノナフルオロイソブチルエーテルやメチルノナフルオロブチルエーテルなどのフッ素系溶剤、メチルセロソルブなどから選ばれる1種またはそれらの組み合わせを用いることができる。また、加水分解開始剤として、リン酸等を加えることができる。
【0054】
またpH調整剤として、アンモニア又はリン酸などを添加しpHを調整しても良い。
【0055】
また、必要に応じて塗布後に乾燥や熱、電離放射線、プラズマなどのエネルギーを与えてもよい。
【0056】
また、防汚層の膜厚は3〜50nmの範囲内、さらに好ましくは5〜15nmの範囲内であることが好ましい。3nm以下であると防汚性能、耐アルカリ性が不十分であり、50nm以上であると機械強度に乏しいものとなる。
【0057】
なお、防汚層の膜厚は、機能層を反射防止層などの光学膜とする場合、光学膜と防汚下地層の光学膜厚を考慮し、全体として光学性能を出せるように設定する必要がある。
【0058】
本発明に用いる防汚下地層は、緻密であるためにその上に防汚層を設けることにより、アルカリや塩素などに対する耐性が強くなるものである。また、防汚層をこのような防汚下地層の上に設けると防汚層自体も密に形成され、防汚性能も向上するものである。
【0059】
機能層と防汚層間のアルカリ耐性の弱さは、例えば機能層が酸化珪素で防汚層がフルオロカーボンシランである場合、フルオロカーボンシランと酸化珪素の間等のSi−O−Si結合がアルカリに弱いことが原因であり、防汚層内にNaOH水溶液などのアルカリ水溶液が曝されると、アルカリ水溶液が浸透し、簡単にSi−O−Si結合が加水分解し、防汚層が酸化珪素から脱離してしまうことにある。
【0060】
このため、従来の例えば反射防止層として酸化珪素からなる低屈折率層を設け、その上に単純にフッ素を導入する方法などでは、ディスプレイ表面や眼鏡レンズ表面等の反射防止膜において十分な撥水性、防汚性、耐アルカリ性を付与することは出来ない。すなわち、防汚層内へのアルカリ水溶液や鼻脂成分の浸透を十分防ぐことは出来ず、特に時間が経過すると顕著になる。
【0061】
このように、防汚下地層を設けることにより、防汚層が密に形成され、アルカリ成分、塩素成分が入り込むことができなくなり、防汚層の破壊、下層の劣化を防ぐことができるため、長時間防汚性能を保つことができる。
【0062】
耐アルカリ性の目安として、防汚層の1%のNaOH水溶液を滴下し1時間放置した後、滴下部を洗浄、乾燥した後の水に対する接触角が100°以上であるとよい。この範囲であれば、実用段階で、アルカリ成分による防汚層の破壊がなく、長時間防汚性能を保つことができる。
【0063】
このような防汚下地層としては、酸化珪素などの屈折率n=1.2〜1.5程度の低屈折率金属化合物を用いることができる。
【0064】
防汚下地層の形成方法は、特に限定するものではないが、前述のような緻密な膜とするためには、以下の塗工法または気相法を用いることが好ましい。
【0065】
塗工法としては、以下の原料を含む塗液を塗布、加熱、硬化する方法である。
原料としては、M(OR)(M:金属、R:有機官能基)で表される金属アルコキシドからなる原料や、R’M(OR)(M:金属、R、R’:有機官能基)からなる有機金属化合物を用いることができる。
【0066】
中でもMが珪素からなるシリケート化合物、オルガノシラン化合物が好ましく、シリケート化合物としては、Si(OC2n+1(n:1〜10の自然数)で表される化合物等が挙げられ、オルガノシラン化合物としては、(C2m+1)Si(OC2n+1(m、n:1〜10の自然数)で表される化合物などが挙げられる。
【0067】
これらの原料と溶剤の混合液を用い、塗布、硬化させることにより形成することができる。溶剤としては、水、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコールなどのアルコール類、メチルセロソルブなどから選ばれる1種またはそれらの組み合わせを用いることができる。また、加水分解開始剤として、リン酸等を加えることができる。
【0068】
またpH調整剤として、アンモニア又はリン酸などを添加しpHを調整しても良い。
【0069】
また、硬化方法としては乾燥や熱、電離放射線、プラズマなどのエネルギーを与えることにより硬化させることができる。
【0070】
また、気相法を用いる場合、化学蒸着法(CVD法)を用いることが好ましく、原料ガス、酸素ガス、希釈ガスなどをプラズマにより分解反応させ成膜することにより得られる。
【0071】
原料ガスとしては前述の材料を気化して用いることができる。
【0072】
CVD法により成膜する際、電極間に投入する電力は電極面積に応じて変化するため電極面積に応じて任意に設定でき、圧力1〜100Paの間で放電をすることで成膜することができる。
【0073】
ここで、防汚下地層の材料としては、前記金属アルコキシド、有機金属化合物をそれぞれ単独で用いても良いし、混合して用いることもできる。どちらの場合も防汚下地層がM−O−M結合からなる緻密なマトリックスが形成され、その上に前述の防汚層が密に形成される。有機金属化合物を用いる場合、有機官能基R’が下地層に残り存在するため、ここには前記防汚層が結合しないが、この有機官能基R’は撥水性、撥油性を示し、有機官能基R’と近くに存在する防汚材料の防汚性の官能基がマトリックスの上に密に形成され防汚性、耐アルカリ性を発揮する。
【0074】
なお、防汚下地層の膜厚は、0.5〜100nmの範囲内であることが好ましい。
【0075】
なお、防汚下地層の膜厚は、機能層を反射防止層などの光学膜とする場合、光学膜と防汚層の光学膜厚を考慮し、全体として光学性能を出せるように設定する必要がある。
【0076】
また、防汚下地層と防汚層はCVD法により設ける場合、防汚下地層の原料ガスと防汚層の原料ガスの混合ガスを用いて、成膜しても良い。この場合、条件により防汚下地層と防汚層の成膜される速度は異なり、最初に防汚下地層が形成され、その上に防汚層を形成することができる。
【0077】
塗工法を用いる場合も同様であり、防汚下地層の原料となる塗液と防汚層の原料となる塗液の混合液を塗布乾燥させることにより、防汚下地層と防汚層を設けても良い。この場合、原料の加水分解反応速度などの条件により、防汚下地層と防汚層の成膜される速度は異なり、最初に防汚下地層が形成され、その上に防汚層を形成することができる。
【0078】
また、本発明では、金属層及び/又は金属酸化物層を含む機能層の他に他の機能層を設けても良い。
【0079】
他の機能層としては、ハードコート層、帯電防止層(有機系バインダーを用いたタイプ)、防眩層、電磁波シールド層(金属メッシュを用いたタイプ)などが挙げられる。
【0080】
本発明に用いるハードコート層は、公知の材料で公知の手法により設けることができる。
【0081】
例えば、材料としては電離放射線硬化型のアクリル系樹脂や、酸化珪素などが挙げられ、形成方法としては塗工法が挙げられる。
【0082】
電離放射線硬化型のアクリル系樹脂としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する多官能性モノマーを主成分とする重合物からなる。多官能性モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピオネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変成ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。特に紫外線硬化型であるアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類等のアクリル系や、有機珪素系の樹脂、熱硬化型のポリシロキサン樹脂等が好適である。前記多官能性モノマーは、1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、必要で有れば単官能モノマーが共重合していてもよい。
【0083】
また、ハードコート層は、積層体の透明性を確保するために、基材と屈折率が同等若しくは近似していることが好ましい。
【0084】
ハードコート層の厚さは3〜20μmの範囲であれば充分な機械強度が発現するが、透明性、塗工精度、取り扱い性から、好ましくは5〜15μmの範囲である。
【0085】
またハードコート層には屈折率調整剤や、帯電防止材、凹凸形成材などを添加することもできる。
【0086】
ハードコート層は表面処理が施されていることが好ましい。表面処理が施されていることにより、隣接する他の層との密着性を向上させることができる。
【0087】
ハードコート層の表面処理としては、例えば、高周波放電プラズマ法、電子ビーム法、イオンビーム法、蒸着法、スパッタリング法、アルカリ処理法、酸処理法、コロナ処理法、大気圧グロー放電プラズマ法等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ処理が好ましい。
【0088】
アルカリ処理法に使用するアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液、それらに更にアルコール等の各種有機溶媒を加えたアルカリ水溶液等が挙げられる。アルカリ処理の条件は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合、0.1〜10N、好ましくは1〜2Nの濃度の水溶液として使用するのがよい。また、アルカリ水溶液の温度は、0〜100℃、好ましくは20〜80℃である。アルカリ処理の時間は、0.01〜10時間、好ましくは0.1〜1時間である。ただし、このようなアルカリ洗浄を行った場合にはアルカリ成分が残留しないように充分に洗浄する必要がある。
【0089】
帯電防止層(有機系バインダーを用いたタイプ)としては、帯電防止材料を電離放射線硬化樹脂や酸化珪素からなるマトリックス中に含有させたものなどがあげられる。電離放射線硬化樹脂としては、前述のものと同様のものを用いることができる。酸化珪素としては、珪素アルコキシドを原料とし、ゾルゲル法により形成することができる。
【0090】
また、前記ハードコート層に帯電防止材料を含有させることにより帯電防止効果をもたせてもよい。
【0091】
帯電防止材料としては、酸化アンチモン系や酸化錫系の化合物が挙げられる。
【0092】
防眩層は、電離放射線硬化樹脂に凹凸形成材を含有させたものや、電離放射線硬化樹脂表面に凹凸を形成させたものが挙げられる。電離放射線硬化樹脂としては、前述のものと同様のものを用いることができる。酸化珪素としては、珪素アルコキシドを原料とし、ゾルゲル法により形成することができる。
【0093】
凹凸形成材料としては、粒径0.1〜10μmの樹脂や酸化珪素などの金属酸化物からなる粒子が挙げられる。
【0094】
また、前記ハードコート層にこれら粒子を含有させたり、前記ハードコート層表面に凹凸を形成させることにより防眩効果を持たせても良い。
【0095】
電磁波シールド層(金属メッシュを用いたタイプ)は、銅、銀などの金属薄膜からなるメッシュタイプのものを用いることができる。製法は特に限定するものではないが、エッチング法などにより設けることができる。
【0096】
本発明で得られた積層体は、液晶表示装置やプラズマディスプレイなどの表示装置の前面板(前面フィルタ)として用いることができる。
【0097】
また、基材に偏光板を用いていれば、偏光板として用いることもできる。
【実施例1】
【0098】
基材として、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、膜厚5μmの電離放射線硬化型のアクリル系樹脂によるハードコート層を、ウェットコーティングにより成膜したものを用いることとした。また、このTACフィルムの屈折率nは1.49であった。
【0099】
このハードコート層が成膜されたTACフィルム基材上に反射防止層を設けた。
【0100】
この反射防止層の成膜方法としては、反応性スパッタリング法を用いて行ない、層構成としては、基材側から1層目にTiO(屈折率=2.3、nd=60nm)、2層目にSiO(屈折率=1.46、nd=40nm)、3層目にTiO(屈折率=2.3、nd=110nm)、4層目にSiO(屈折率=1.46、nd=115nm)として成膜を行なった。
【0101】
反射防止層を成膜するための反応性スパッタリング法は、ターゲット材としてTiOではTiを用い、SiOではSiを用いた。また、導入ガスは、ArガスとOガスの混合プラズマとして行ない、その際の成膜気圧は0.3Pa、基材−ターゲット間距離を100mmとして行なった。
【0102】
次に、反射防止層を積層したTAC基材に防汚下地層と防汚層を順次形成する。この成膜方法として、プラズマCVD法を用いて行なった。
【0103】
成膜前の真空排気度は、1×10−3Paとし、プラズマを発生させる方法として平行平板型の電極を用い、陰極は高密度のプラズマが発生させるためマグネトロン電極とし、電極間距離は40mmとした。また、プラズマ発生用Power Supplyには13.56MHzの高周波電源を用いて放電を行ない、反射防止層を積層したTAC基材は陽極上に設置した。
【0104】
導入ガスは、防汚下地層の原料ガスとして、オルガノメトキシシラン(下記化学式(1))を用い、防汚層の原料ガスとしてジーイー東芝シリコーン製のフルオロカーボンシランTSL8233(下記化学式(2))を用いて行なった。
【0105】
また、これら原材料とは別にArガスを導入して成膜を行なった。
【0106】
(CH)Si−(OCH (1)
17−CHCH−Si(OCH (2)
この防汚下地層及び防汚層を成膜する際、それぞれのガスを真空チャンバーに導入する際には、マスフロコントローラーによりガス流量を制御し、一定の流量がチャンバーに導入されるようにして行なった。また、真空チャンバーは差動排気バルブが設置されており、ガス流量に対し、チャンバー内の気圧を任意の一定の状態に保つことが可能である。
【0107】
反射防止層が設けられたTAC基材へ成膜する防汚下地層は膜厚21nm(nd=30nm)、防汚層はフルオロカーボンシランTSL8233が防汚下地層の吸着サイトを全面的に埋め尽くす状態、つまり膜厚としては、5〜10nmとなるように成膜を行なった。これにより、反射防止層としての性能は、反射Y値が0.4%より低い値に抑えられ、反射防止機能、防汚機能を両立することとなる。
【0108】
この際、電極間に投入する電力は50Wとし、オルガノメトキシシランとArの混合ガス、TSL8233とArガスの混合ガスの圧力をそれぞれ5Paとし放電をさせた。
【実施例2】
【0109】
防汚層として、ダイキン工業社製オプツールDSXを真空蒸着法により設けた以外は実施例1と同様にした。
<比較例1>
反応性スパッタリング法を用いてTAC基材へ反射防止層を設け、その上に防汚層を設けた。反射防止層の層構成としては、基材側から1層目にTiO(屈折率=2.3、nd=60nm)、2層目にSiO(屈折率=1.46、nd=40nm)、3層目にTiO(屈折率=2.3、nd=110nm)、4層目にSiO(屈折率=1.46、nd=145nm)とし、実施例1と同様の方法で成膜した。
【0110】
また、防汚層の成膜方法としては、真空蒸着方法を用い、ジーイー東芝シリコーン製のフルオロカーボンシランTSL8233(前記化学式(2))を成膜した。
<比較例2>
防汚層として、ダイキン工業社製オプツールDSXを真空蒸着法により設けた以外は比較例1と同様にした。
<評価>
得られた各実施例、比較例のサンプルについて、以下のテストを行ない、その性能を調べ、結果を表1に示した。
(1)水による接触角測定
(2)オレイン酸による接触角測定
(3)耐アルカリ性試験(1%のNaOH水溶液滴下)
(4)耐アルカリ性試験(5%のNaOH水溶液滴下)
(5)指紋拭き取り性試験
(6)油性インキ拭き取り性試験
(1)〜(4)の接触角は、協和界面化学株式会社製「接触角計CA−X」により測定した。(3)、(4)の耐アルカリ性試験は、それぞれ1、5%のNaOH水溶液をフィルム上に滴下し1時間放置した後、滴下部を純水で洗い流し、乾燥した後、純水による接触角測定を行ない評価した。
【0111】
(5)の指紋拭取り性試験は、実際の鼻脂を用い、基材上につけた鼻脂の指紋をクリーンウエスで拭取り、その結果について目視での官能評価を行なった。
【0112】
(6)の油性インキ拭取り性試験は、「寺西化学工業株式会社製油性インキインキ/細書き用」を用いて20mm線を引き、引いた線をクリーンウエスで拭取り、その結果について目視での官能評価を行なった。
【0113】
テスト(5)、(6)の官能評価の基準を以下に○、△、×の三段階で以下に示す。
○:指紋を完全に拭取ることが出来る
△:指紋の拭取り跡が残る
×:指紋の拭取り跡が拡がり、拭取ることが出来ない
【0114】
【表1】

上記表1の結果より、本発明による実施例1、2は、比較例1、2に対し、耐アルカリ性において明らかに優れていることが分かる。比較例1、2が耐アルカリ性試験において撥水効果を失うのに対し、本実施例は撥水効果を保ったままであることが分かる。また、指紋拭き取り性試験、油性インキ拭き取り性試験においても比較例1と比べても明らかに良いことが分かった。また、実施例1で用いたTSL8233とより分子量も大きく防汚性能が高く高価である比較例2で用いたダイキン工業社製オプツールDSXと同等の防汚性能が得られることが分かった。すなわち実施例1では、防汚剤の種類によらず、高い防汚性能が得られることが分かった。
【0115】
本発明実施例及び比較例に対し、下記(7)〜(9)のテストを行ない、この結果をそれぞれ下記の表2〜4に示し、時間軸に対する本発明の効果を示す。
(7)1%のNaOH水溶液滴下15分後、30分後、60分後、120分後の接触角測定(HO)
(8)5%のNaOH水溶液滴下15分後、30分後、60分後、120分後の接触角測定(HO)
(9)10%のNaOH水溶液滴下15分後、30分後、60分後、120分後の接触角測定(HO)
【0116】
【表2】

【0117】
【表3】

【0118】
【表4】

表2〜表4の結果より、実施例1、2が時間軸に対して、明らかに比較例1、2に比べて良いことが分かる。
【0119】
また実施例1、2のサンプルは比較例1、2に比べ、防汚層内へのアルカリ水溶液の浸透を飛躍的に防げていることが分かる。
【実施例3】
【0120】
光学用途に用いられている100μm厚のPETフィルム上に紫外線硬化型のアクリル系ハードコート層を5μm設けた透明基材上に、InCe:40nm、AgAuCu合金:7nm、InCe:77nm、AgAuCu合金:9nm、InCe:73nm、AgAuCu合金:10nm、InCe:76nm、AgAuCu合金:12nm、InCe:38nmの順にスパッタ法により成膜し透明導電膜層を形成したのち、実施例1と同様に防汚下地層及び防汚層を設けた。
<比較例3>
光学用途に用いられている100μm厚のPETフィルム上に紫外線硬化型のアクリル系ハードコート層を5μm設けた透明基材上に、InCe:40nm、AgAuCu合金:7nm、InCe:77nm、AgAuCu合金:9nm、InCe:73nm、AgAuCu合金:10nm、InCe:76nm、AgAuCu合金:12nm、InCe:38nmの順にスパッタ法により成膜し透明導電膜層を形成したのち、ジーイー東芝シリコーン株式会社製「TSL8233」をを真空蒸着し防汚層を設けた。
<比較例4>
光学用途に用いられている100μm厚のPETフィルム上に紫外線硬化型のアクリル系ハードコート層を5μm設けた透明基材上に、InCe:40nm、AgAuCu合金:7nm、InCe:77nm、AgAuCu合金:9nm、InCe:73nm、AgAuCu合金:10nm、InCe:76nm、AgAuCu合金:12nm、InCe:38nmの順にスパッタ法により成膜し透明導電膜層を形成したのち、ダイキン工業株式会社製「オプツールDSX」をを真空蒸着し防汚層を設けた。
<評価>
実施例3と比較例3、4の200mm角のサンプルを200mm角の石製ガラス基板上に透明導電膜面が表面に来るように貼り合わせた後、60℃−90%RHとした恒温恒湿槽内で1000時間の耐湿熱試験を実施した。
【0121】
結果を表5に示す。
【0122】
【表5】

比較例3、4において白色斑点が発生した個所の元素分析を行ったところ、すべての個所において透明導電膜中に塩素が検出されていた。これに対して実施例3においては導電膜中において塩素は検出されなかった。このため、本発明による防汚下地層及び防汚層は表面起因の汚染を防止する効果があると考えられる。
【0123】
以上の結果から本発明による防汚下地層及び防汚層を設けることにより耐塩素特性、耐湿熱特性を向上できることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に金属層及び/又は金属酸化物層を含む機能層、防汚層を形成してなる積層体であって、該防汚層が防汚下地層を介して設けられていることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記防汚層の水に対する接触角が100°以上であり、かつオレイン酸に対する接触角が70°以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記防汚層の、1%のNaOH水溶液を滴下し1時間放置した後、滴下部を洗浄、乾燥した後の水に対する接触角が100°以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記防汚下地層が金属化合物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
前記機能層が反射防止層、導電層、電磁波シールド層、帯電防止層のいずれか1種又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
【請求項6】
前記基材が偏光板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の積層体を含むことを特徴とするディスプレイ用前面板。
【請求項8】
表示装置の前面に請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を用いたことを特徴とする表示装置。

【公開番号】特開2006−39006(P2006−39006A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−215521(P2004−215521)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】