説明

積層体及びその製造方法並びに回路基板用部材

【課題】液晶ポリマー層の両側に金属層を備えた構成を有する積層体であって、回路を構成する側の金属層と液晶ポリマー層との間の優れた接着性が得られる積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】積層体の製造方法は、第1の金属層10上に、液晶ポリマーを含む溶液を塗布して、液晶ポリマー層20を形成する第1工程と、液晶ポリマー層上に、第1の金属層よりも厚さが大きい第2の金属層を配置して積層体を得る第2工程と、積層体を、積層方向にプレスする第3工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及びその製造方法並びに回路基板用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、吸水性が低く電気的特性に優れる液晶ポリマーを、プリント配線板用基板における高分子絶縁体材料として適用することが検討されている。例えば、液晶ポリマーからなるフィルムと、回路(導体パターン)を構成し得る金属箔とを積層させた積層基板が知られている。この積層基板は、多層化によって多層プリント配線板を形成することができ、その場合に配線の高密度化が可能であり適用範囲が広いという利点を有している。
【0003】
このような液晶ポリマーと金属箔との積層基板の形成方法としては、液晶ポリエステルを溶剤に溶解して流延し、溶剤を除去して得られた液晶ポリエステルフィルムと銅箔とを積層し、次いで、かかる積層後の液晶ポリエステルフィルムにおける銅箔が積層されていない側の表面上に、更に銅箔を熱圧着させて積層基板(両面基材付き液晶ポリエステルフィルム)とし、この積層基板における液晶ポリエステルフィルムを加熱処理して、その融点が340℃以上であるか、または融点を有しない液晶ポリエステルフィルムとする方法が本出願人によって開示されている(下記特許文献1参照)。このような方法により、液晶ポリエステルの電気特性を維持しながら、液晶ポリエステルフィルムと銅箔との接着性に優れた積層基板(両面基材付液晶ポリエステルフィルム)を得ることが可能となることが示されている。
【特許文献1】特開2008−73985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、上述したような積層基板において、回路を構成し得る金属層とは反対側に配置された金属層を、例えば放熱等を目的とした層とした積層基板が、例えば、フラット・パネル・ディスプレイ用の回路基板等として検討されている。この場合、両面に形成された金属層のうち、回路を構成し得る金属層は、回路(導体)パターンの形成時に微細な形状を有するように加工される傾向にある。そのため、微細な導体パターンを形成しても液晶ポリマー層からの剥離を生じないように、回路を構成し得る金属層は、液晶ポリマー層と強い接着性を有していることが望ましい。ところが、通常、液晶ポリマー層の片側に金属箔を有する積層体に対し、更に反対側に別の金属層を熱圧着する場合、先に積層した金属層と液晶ポリマー層との接着性が悪くなり易い傾向にあった。一方、上記特許文献1に開示された積層体では、液晶ポリエステルフィルムと銅箔との接着性は比較的良好となるが、これをフラット・パネル・ディスプレイ用の回路基板等に適用する場合、特に回路パターンを形成する側の銅箔の接着性を従来よりも向上させることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、液晶ポリマー層の一方面側に回路を構成し得る金属層を備え、これとは反対側に回路形成とは異なる目的の金属層を備えた構成を有する積層体であって、回路を構成する側の金属層と液晶ポリマー層との間の優れた接着性が得られる積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意研究を行った結果、上記のような液晶ポリマーの両側に金属層を備える積層体を形成する場合、特定の順序で塗布及びプレスを行うことで、上記目的を達成可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明の積層体の製造方法は、第1の金属層上に、液晶ポリマーを含む溶液を塗布して、液晶ポリマー層を形成する第1工程と、液晶ポリマー層上に、第2の金属層を配置して積層体を得る第2工程と、積層体を、積層方向にプレスする第3工程とを有する積層体の製造方法であって、第1の金属層の厚さよりも、第2の金属層の厚さが大きいことを特徴とする。
【0008】
上記本発明の積層体の製造方法によると、液晶ポリマーを含む溶液を塗布された第1の金属層が、この塗布後に積層された第2の金属層よりも、プレス後、液晶ポリマー層に対して強く接着するようになる。これは、必ずしも明らかではないが、液晶ポリマーが溶液の状態で塗布されることで、第1の金属層の微小な凹凸内にも浸透でき、その後、第1の金属層よりも厚さが大きい第2の金属層を配置しプレスを行うことによって、液晶ポリマー層と第1の金属層との接触面積をさらに大きくできることが一因であると考えられる。したがって、こうして得られた積層体について、第1の金属層を回路形成用の導電性を有する層とし、また、厚みが大きい第2の金属層を放熱用として、第1の金属層にパターン形成を行った場合、微細なパターン形成を行ったとしても、得られる回路パターンと液晶ポリマー層との剥離が生じ難くなる。
【0009】
本発明の積層体の製造方法において、第1の金属層と第2の金属層とは、それぞれ異なる金属から構成されるものであると好ましい。このようにすると、第1の金属層に、例えばエッチング処理により回路パターンを形成した場合でおいても、第2の金属層にはエッチングの影響が生じ難く、当該第2の金属層が放熱用等として充分に機能するようになる。
【0010】
上記本発明の積層体の製造方法においては、液晶ポリマーが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構成単位を含み、且つ、全構成単位に対して、下記一般式(1)で表される構成単位を30〜60モル%、下記一般式(2)で表される構成単位を20〜35モル%、及び、下記一般式(3)で表される構成単位を20〜35モル%含むポリマーであると好ましい。
−O−Ar−CO− (1)
−CO−Ar−CO− (2)
−X−Ar−Y− (3)
[式中、Arは、置換基をフェニレン基又はナフチレン基を示し、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又は下記一般式(4)で表される基を示し、Arは、フェニレン基又は下記一般式(4)で表される基を示し、X及びYは、それぞれ独立にオキシ基又はイミノ基を示す。なお、Ar、Ar及びArにおけるフェニレン基又はナフチレン基は、それぞれハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。
−Ar41−Z−Ar42− (4)
式(4)中、Ar41及びAr42は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を示し、Zは、オキシ基、カルボニル基又はスルホニル基を示す。なお、Ar41及びAr42におけるフェニレン基又はナフチレン基は、それぞれハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。]
【0011】
このような液晶ポリマーは、溶媒に対する溶解性に優れているため、本発明の製造方法において、溶液の状態で塗布することが容易であり、上記本発明の製造方法において好適である。特に、かかる液晶ポリマーは、金属層の腐食等を生じさせ難い温和な溶媒にも溶解可能であり、これを用いることで、金属層の特性も十分に維持しながら積層体の製造を行うことも可能となる。
【0012】
また、本発明で用いる液晶ポリマーは、芳香族ジアミン由来の構成単位及び水酸基を有する芳香族アミン由来の構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一方の構成単位を、全構成単位に対して20〜35モル%含むポリマーであると好ましい。特に、上記一般式(3)で表される構成単位としてこれらを有していると、上述した効果がより良好に得られるようになる傾向にある。
【0013】
さらに、第1の金属層は、Cuからなる層であると好ましい。また、第2の金属層は、Al又はAl合金からなる層であると好ましい。Cuは、電気抵抗が小さいため、回路形成用の金属層として特に有効であり、またAl又はAl合金は、比較的軽量であるため、厚みが大きい放熱用等の金属等として適用しても、回路基板を過度に高重量化しないという利点を有している。
【0014】
また、本発明の積層体の製造方法は、第1工程後、第2工程前に、液晶ポリマー層に含まれる液晶ポリマー分子を配向させる配向工程を更に有すると好ましい。このような配向工程によって、液晶ポリマー分子を好適な方向に配向させることができ、液晶ポリマー層の機械的特性(例えば、引張強度等)を更に向上させることが可能となる。
【0015】
さらに、この配向工程後には、第3工程において、配向工程よりも高い温度で積層体をプレスすることが好ましい。配向時よりも高い温度でプレスを行うことによって、第1の金属層と液晶ポリマー層との接着性が一層高まる傾向にある。
【0016】
本発明はまた、上記本発明の製造方法によって得られた積層体を提供する。このような積層体としては、第1の金属層と、液晶ポリマー層と、第2の金属層とをこの順に備えており、第1の金属層の厚さが12〜200μmであり、第2の金属層の厚さが1〜5mmであるものが好適である。
【0017】
本発明の積層体は、液晶ポリマー層の厚さが20〜200μmであるとより好ましい。液晶ポリマーの厚さがこのような範囲であると、当該液晶ポリマー層と、第1の金属層及び第2の金属層との接着性がさらに良好となるほか、液晶ポリマー層の電気的絶縁性も良好となる。
【0018】
このような積層体においては、第1の金属層がCuからなるものであると好ましい。また、第2の金属層が、Al又はAl合金からなるものであると好ましい。これらの組み合わせによれば、第1の金属層は回路形成用として有効となり、第2の金属層が放熱用等として有効となる。
【0019】
さらに、本発明は、上記本発明の積層体における第1の金属層から導体パターンを形成して得られる回路基板用部材を提供する。このような回路基板用部材は、導体パターン形成前の積層体において、第1の金属層と液晶ポリマー層との接着性が良好であることから、たとえ微細な導体パターンとしても、この導体パターンの液晶ポリマー層からの剥離が生じ難いものとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、液晶ポリマー層の一方面側に回路を構成し得る金属層を備え、これとは反対側に回路形成とは異なる目的の金属層を備えた構成を有する積層体であって、特に回路を構成する側の金属層と液晶ポリマー層との間の優れた接着性が容易に得られ、しかも第2の金属層による放熱等の特性が良好に得られる積層体の製造方法を提供することが可能となる。また、このような製造方法により得られた積層体、及び、かかる積層体を用いた回路基板用部材を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0022】
まず、本発明による積層体の製造方法に好適な液晶ポリマーについて説明する。
【0023】
好適な実施形態の液晶ポリマーは、光学的異方性を有する溶融相を形成し得るポリマーであり、例えば、主鎖に芳香族基が含まれ、これらの芳香族基がエステル結合(−C(O)O−又は−OC(O)−で表される結合)や、アミド結合(−C(O)NH−又は−NHC(O)−で表される結合)によって連結された構造を主に有する、液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミドが好ましい。なお、芳香族基とは、単環芳香族基、単環芳香族基、縮合環芳香族基のほか、単環芳香族基又は縮合環芳香族基が直接結合したもの、単環芳香族基又は縮合環芳香族基が、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜6のアルキレン基、スルホニル基、カルボニル基等の連結基を介して連結したものも含む。
【0024】
液晶ポリマーとしては、上記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構成単位を有するものが好ましい。また、この液晶ポリマーは、上記式(1)で表される構成単位を30〜60モル%、上記式(2)で表される構成単位を20〜35モル%、及び上記式(3)で表される構成単位を20〜35モル%それぞれ有するものであるとより好ましい。これらの条件を満たす液晶ポリマーは、液晶ポリマーとして、優れた強度や絶縁性を発揮し得るほか、溶媒への溶解性にも優れており、本実施形態の積層体及び回路基板用部材の製造方法に好適である。
【0025】
ここで、上記一般式(1)、(2)及び(3)で表される各構成単位は、好適な場合、それぞれ下記のようなものである。
【0026】
まず、上記一般式(1)で表される構成単位は、芳香族ヒドロキシカルボン酸から誘導される構成単位であると好ましい。この芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸等が挙げられる。
【0027】
上記一般式(2)で表される構成単位は、芳香族ジカルボン酸から誘導される構成単位であると好ましい。この芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸等が挙げられる。
【0028】
上記一般式(3)で表される構成単位は、芳香族ジオール、水酸基を有する芳香族アミン又は芳香族ジアミンから誘導される構成単位であると好ましい。芳香族ジオールとしては、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’―ジヒドロキシビフェニル等が挙げられ、水酸基を有する芳香族アミンとしては、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール等が挙げられ、芳香族ジアミンとしては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0029】
なかでも、上記式(3)で表される構成単位として、芳香族ジアミン由来の構成単位及び水酸基を有する芳香族アミン由来の構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一方の構成単位を有していると、液晶ポリマーの溶媒に対する溶解性がより良好となる傾向にあり、液晶ポリマー層20の形成が一層容易となる傾向にある。
【0030】
上述した構成単位を有する液晶ポリマーとしては、なかでも、以下の(A)、(B)又は(C)の液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミドが好適である。
【0031】
すなわち、
(A)p−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位及び/又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位(上記式(1)の構成単位)と、イソフタル酸、テレフタル酸及びジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位(上記式(2)の構成単位)と、4,4’―ジヒドロキシビフェニル由来の構成単位(上記式(3)の構成単位)との組合せからなる液晶ポリエステル、
(B)p−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位及び/又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位(上記式(1)の構成単位)と、イソフタル酸、テレフタル酸及びジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位(上記式(2)の構成単位)と、4−アミノフェノール由来の構成単位(上記式(3)の構成単位)との組合せからなる液晶ポリエステルアミド、又は、
(C)p−ヒドロキシ安息香酸由来の構成単位及び/又は2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸由来の構成単位(上記式(1)の構成単位)と、イソフタル酸、テレフタル酸及びジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する構成単位(上記式(2)の構成単位)と、4,4’−ジオキシジフェニルエーテル由来の構成単位(上記式(3)の構成単位)との組合せからなる液晶ポリエステルが好ましい。
【0032】
これらの液晶ポリエステルや液晶ポリエステルアミドは、上記各構成単位にそれぞれ誘導される原料化合物(モノマー)を、特開2002−220444号公報、特開2002−146003号公報等に記載された公知の方法で重合することによって製造することができる。
【0033】
具体的には、例えば、上記式(1)の構成単位を形成するモノマーである芳香族ヒドロキシカルボン酸における水酸基と、上記式(3)の構成単位を形成するモノマーである芳香族ジオール、芳香族ジアミン又は水酸基を有する芳香族アミンにおける水酸基やアミノ基とを、過剰量の脂肪酸無水物と反応させてアシル化して、アシル化物を生じさせる(アシル化反応)。次いで、得られたアシル化物と、上記式(2)の構成単位を形成するモノマーである芳香族ジカルボン酸との間でエステル交換・アミド交換(重縮合)反応を生じさせて溶融重合する方法が挙げられる。
【0034】
このような製造方法におけるアシル化反応に続くエステル交換・アミド交換反応においては、アシル化物のアシル基の合計が、芳香族ジカルボン酸のカルボキシル基の合計の0.8〜1.2倍当量となるようにすることが好ましい。また、エステル交換・アミド交換反応は、例えば、室温程度から400℃まで0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行うことが好ましく、350℃まで0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行うことがより好ましい。なお、反応時には、平衡を移動させて液晶ポリマーの生成を有利にするため、副生する脂肪酸や未反応の脂肪酸無水物は蒸発させる等によって反応系から取り除くことが好ましい。
【0035】
また、上記のような溶融重合を行った後には、さらなる高分子量化を目指して固相重合を行ってもよい。固相重合とは、溶融重合で得られたポリマーを、さらに粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、窒素等の不活性雰囲気下、150〜350℃で、1〜30時間程度、固相状態で重合する方法である。
【0036】
アシル化反応、エステル交換・アミド交換反応は、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、ポリエステルの重合用の触媒として公知のものが適用可能である。なかでも、金属塩触媒や、N−メチルイミダゾール等の有機化合物触媒等が好ましく、有機化合物触媒がより好ましい。有機化合物触媒のなかでも、N−メチルイミダゾール等の窒素原子を2個以上含む複素環状化合物が特に好ましい。これらの触媒を用いる場合、触媒は、通常アシル化反応前に投入され、アシル化反応後に除去せずに、そのままエステル交換・アミド交換反応中にも含まれていてもよい。
【0037】
また、液晶ポリマーの流動開始温度は230〜350℃が好ましく、250〜330℃がより好ましい。かかる流動開始温度を有する液晶ポリマーは、本発明に使用する液晶ポリマーを含む溶液を調製する際に、液晶ポリマーの溶解性が十分となる傾向にあり、上記配向工程によって、より機械的特性に優れた液晶ポリマー層を形成し易い傾向にある。なお、ここでいう流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターを用い、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリマーをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度であり、当該分野で周知の液晶ポリエステルの分子量を表す指標である(例えば、小出直之編、「液晶性ポリマー合成・成形・応用−」、95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。
【0038】
次に、上述した液晶ポリマーを用いた好適な実施形態の積層体及び回路基板用部材の製造方法について説明する。
【0039】
図1は、回路基板用部材の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程図である。
【0040】
本実施形態においては、まず、図1(a)に示すように、第1の金属層10を準備し、この第1の金属層上に液晶ポリマー層20を形成する(第1工程)。
【0041】
第1の金属層は、導体パターン(回路)を形成するための金属層であり、同様の用途で用いられる金属箔、金属フィルム、金属板等を適用することができる。特に、液晶ポリマー層との接着性を良好に得る観点、及び、電気抵抗が十分に低い回路パターンが得られる観点から、Cu、Ni、Ag又はこれらの合金からなるものが好ましく、Cuからなるものがより好ましい。
【0042】
第1の金属層10は、その厚さが12〜200μmであると好ましく、18〜100μmであるとより好ましい。このような厚さを有する第1の金属層10は、液晶ポリマー層20との接着性を良好に得ることができるほか、導体パターンの形成が容易であり、また、導体パターンとした場合の電気的特性も良好に得られるものとなる。
【0043】
液晶ポリマー層20は、第1の金属層10上に、液晶ポリマーを含む溶液(液晶ポリマー溶液)を塗布することによって形成する。具体的には、液晶ポリマーを、当該ポリマーを溶解し得る溶媒に溶解して液晶ポリマー溶液とし、これを第1の金属層10上に塗布した後、塗布後の溶液から溶媒を除去することにより液晶ポリマー層20が得られる。
【0044】
液晶ポリマーを溶解し得る溶媒としては、例えば、上述した液晶ポリエステルやポリエステルアミドの場合、p−クロロフェノール(PCP)、パーフルオロフェノール等のフェノール系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)等の非プロトン性極性溶媒等が好ましく使用される。これらの溶媒は、液晶ポリマーを良好に溶解し得るとともに、第1の金属層10の腐食等も生じ難い傾向にある。溶媒は、上記のものを2種以上を混合してなる混合溶媒でもよく、また、液晶ポリマーの溶解性を損なわない範囲で、他の溶媒が混合したものであってもよい。
【0045】
液晶ポリマー溶液中には、液晶ポリマー層20に要求される特性等に応じて、有機フィラー、無機フィラー等を、必要な特性を低下させ過ぎない範囲で添加してもよい。このようなフィラーとしては、公知のものを適用することができる。
【0046】
液晶ポリマーの第1の金属層10への塗布方法としては、例えば、バーコート法(例えばフィルムアプリケーターを用いる方法等)、ローラーコート法、グラビアコート法、ナイフコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、ディップコート法、スプレイコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。これらのなかでも、後述するような好適な厚さの液晶ポリマー層を、比較的均一な厚さで形成できることから、バーコート法又はナイフコート法が好ましい。
【0047】
液晶ポリマー溶液を第1の金属層10上に塗布した後、溶液中の溶媒を除去は、例えば、溶媒を蒸発させることによって行うことができる。溶媒は、加熱、減圧、通風等を行うことによって蒸発させることができる。なかでも、効率がよく、しかも操作性が良好であることから、加熱による方法が好ましく、通風しながら加熱を行う方法がより好ましい。上述したような好適な溶媒は、これらの方法によって容易に除去され、液晶ポリマー層20の形成に有利である。
【0048】
第1工程後には、第1の金属層10上に形成された液晶ポリマー層20に対して、当該層に含まれる液晶ポリマーを配向させることが好ましい(配向工程)。配向は、公知の液晶ポリマーの配向方法を適用して行うことができるが、なかでも、液晶ポリマー層20を加熱する方法が好ましい。
【0049】
加熱により配向させる場合、上述した液晶ポリエステル又は液晶ポリエステルアミドに対しては、好ましくは280〜380℃、より好ましくは250〜360℃に加熱し、この加熱時間は、好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜20時間とする。これによって、液晶ポリマーの配向が良好に生じるようになる。なお、第1工程において加熱により溶媒の除去を行う場合は、この温度を適切に設定することで、溶媒の除去と同時に配向を生じさせてもよい。この場合、配向工程は、溶媒を除去する工程と同時に行われることとなる。
【0050】
次に、第1の金属層10上に形成された液晶ポリマー層20上に、更に、第1の金属層10よりも厚さが大きい第2の金属層30を配置する((図1(b),第2工程)。ここで、第2の金属層30は、第1の金属層10とは異なる材質からなるものであると好ましい。上述の如く、第1の金属層は、積層体を回路基板用部材として使用する際に、回路パターンを形成し得るものである。かかる回路パターンは、第1の金属層10を例えば、エッチング等により形成させる。この際、第1の金属層と第2の金属層とがほぼ同じ材質のものであると、第1の金属層にエッチング等を行う際に、第2の金属層30も少なからずエッチングされ、変性してしまうおそれがある。このように変性した第2の金属層では、目的とする放熱等の機能が劣化するという不都合が生じることがある。したがって、第1の金属層10に回路パターンを形成する際に、第2の金属層30が著しく影響を生じないようにするために、第1の金属層10と、第2の金属層30とは互いに異なる材質から構成することが好ましい。
【0051】
また、この第2の金属層30は、後述する回路基板用部材において、放熱等の機能を発揮するものとする場合、第2の金属層30は熱伝導率が高い材質からなるものが好ましい。ただし、熱伝導率が高い金属層は比較的比重が大きい傾向にあるので、積層体の高重量化につながり易い傾向にもある。本実施形態では、第2の金属層30は、第1の金属層10に比して厚みが大きいので、熱伝導率が第1の金属層よりも低くても充分な放熱性を発現できる。したがって、第2の金属層30が放熱を目的とする場合であっても、第1の金属層10に比べて熱伝導率が小さくてもよい。ここで、熱伝導率としては、例えば、レーザーフラッシュ法によって測定された値を適用することができる。そして、第2の金属層30としては、このようにして測定される熱伝導率と比重とを勘案して、その材質を選択することが好ましい。
【0052】
第2の金属層30としては、Al、Al合金(例えば、Al−Mg合金、Al−Cu−Mg合金、Al−Zn合金、Al−Mg−Si合金)等のなかから、好ましくは第1の金属層10よりも比重が小さいものを選択して用いる。なかでも、第2の金属層30としては、Al又はAl合金が好適であり、Al及びMgを含むAl合金が更に好適である。
【0053】
第2の金属層30は、その厚さが1〜5mmであると好ましく、1〜3mmであるとより好ましい。第2の金属層30がこのような厚さを有することで、得られる積層体において放熱機能等の十分な特性を発揮することができる。
【0054】
その後、第1の金属層10、液晶ポリマー層20及び第2の金属層30がこの順で配置された積層体(プレス前の積層体)に対し、これらの積層方向にプレスを行うことによって(図1(b);第3工程)、これらの各層が密着した積層体100を得る(図1(c))。プレスは、プレス前の積層体を加熱しながら、積層方向に加圧することによって行うことができる。この際の加熱温度は、上述した配向工程を実施した場合、配向工程よりも高い温度で行うことが好ましい。
【0055】
本発明者らの検討によると、配向工程よりも高い温度でプレスして得られた積層体100は、第1の金属層10と液晶ポリマー層20の間の接着性が損なわれるどころか、むしろこれらの接着性を向上できることが判明した。このような効果が発現される理由は定かではないが、上述のとおり、液晶ポリマーが溶液の状態で塗布されることで、第1の金属層10の微小な凹凸内にも浸透され、液晶ポリマー層20と第1の金属層10との接触面積をさらに大きくできるためであると推察される。
【0056】
より具体的には、プレスの際の加熱温度は、300〜400℃とすることが好ましく、300〜360℃とすることがより好ましい。また、プレスの際の加圧条件は、1〜30MPaとすることが好ましく、3〜30MPaとすることがより好ましい。これらの条件を満たすようにすることで、特に第1の金属層10と液晶ポリマー層20との接着性が良好に得られるようになる。
【0057】
このような方法により、第1金属層10、液晶ポリマー層20及び第2の金属層30が密着した積層体100が得られる。かかる積層体100において、液晶ポリマー層20の厚さは、20〜200μmであると好ましく、50〜150μmであるとより好ましい。このような厚さを有する液晶ポリマー層20は、薄い絶縁層でありながらも、優れた強度及び絶縁性を有することができ、後述する回路基板用部材等における絶縁性の基材として好適である。また、上記配向工程の採用によって、引張強度等の機械的特性にも極めて優れるものとなる。なお、所望の厚さの液晶ポリマー層20を形成するためには、上述した第1工程において、液晶ポリマー溶液の濃度や塗布量及び/又は塗布回数を適切に設定すればよい。
【0058】
そして、上記のようにして得られた積層体100に対し、第1の金属層10を導体パターン40に加工する工程を行うことで、回路基板用部材200を得ることができる(図1(d))。第1の金属層10を導体パターンに加工する方法としては、例えば、公知のリソグラフィー方法等を適用することができ、第1の金属層10上に所望のパターンのレジスト等を形成した後、これをマスクとして第1の金属層10の一部をエッチング等により除去する方法が挙げられる。
【0059】
このようにして得られた回路基板用部材200は、液晶ポリマー層20を絶縁性基材として有し、その一方面上に導体パターン40を有するとともに、導体パターン40に対して反対側の面上に放熱等の機能を有する第2の金属層30を備えた3層構造を有する。
【0060】
そして、この回路基板用部材200において、導体パターン40は、積層体100の製造時において、液晶ポリマー溶液が塗布された第1の金属層10から形成されたものであることから、液晶ポリマー層20との接着性が高いものとなる。したがって、導体パターン40が微細なパターン形状を有している場合であっても、この導体パターン40は、液晶ポリマー層20からの剥離を極めて生じ難いものとなる。
【実施例】
【0061】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0062】
[積層体の製造]
(実施例1)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1976g(10.5モル)、4−アセトアミノフェン1474g(9.75モル)、イソフタル酸1620g(9.75モル)及び無水酢酸2374g(23.25モル)を仕込んだ。この反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して3時間攪拌させた。
【0063】
次いで、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、反応器内の溶液を170分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了とみなして、内容物を取り出した。得られた固形分は室温まで冷却し、粗粉砕機で粉砕して、粉末状の液晶ポリマーを得た。その後、得られた粉末を、窒素雰囲気下、250℃で3時間保持する条件で固相重合を行い、次いで冷却して、液晶ポリマーの粉末を得た。この液晶ポリマーの粉末の流動開始温度を測定したところ、270℃であった。
【0064】
次いで、得られた液晶ポリマーの粉末22gを、DMAc78gに加え、100℃で2時間攪拌して、褐色透明な溶液を得た。なお、目視で判断したところ、液晶ポリマーの粉末は完全に溶解していた。この溶液を攪拌及び脱泡して、液晶ポリマー溶液を得た。該液晶ポリマー溶液の溶液粘度は275センチポイズであった。この溶融粘度は、B型粘度計(東機産業製、「TVL−20型」、ローターNo.21(回転数:5rpm))を用いて、測定温度23℃で測定した値である。
【0065】
次に、得られた液晶ポリマー溶液を、第1の金属層である電解銅箔(福田金属箔粉社製CF−T8G−HTE、厚さ70μm)上に、フィルムアプリケーターを用いて塗布し(塗布厚み250μm)、これをホットプレート上で80℃、6時間乾燥させて、溶液中のDMAcを除去し、液晶ポリマー層を形成させた。続いて、窒素雰囲気下の熱風オーブン中で昇温速度3.2℃/分で30℃から320℃まで昇温し、320℃にて3時間保持する熱処理を行い、液晶ポリマーを配向させた。
【0066】
その後、液晶ポリマー層上に、第2の金属層であるAl合金板(Al−Mg合金、Al合金規格A5052、厚さ2mm)を載せ、得られたプレス前の積層体を、加熱しながら積層方向にプレスして、電解銅箔、液晶ポリマー層及びAl合金板がこの順に積層されて互いに密着した積層体を得た。このプレスは、真空下で320℃まで60分掛けて昇温した後、同温度で20分保持するという熱処理条件、及びプレス圧力を5MPaとする条件で行った。
【0067】
(実施例2)
プレス前の積層体のプレス条件を、最終到達温度が340℃となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
【0068】
(比較例1)
第1の金属層としてAl合金板(Al−Mg合金、Al合金規格A5052、厚さ2mm)、第2の金属層として電解銅箔(福田金属箔粉社製CF−T8G−HTE、厚さ70μm)をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。すなわち、比較例1の積層体は、先にAl合金板上に液晶ポリマー層を形成した後、電解銅箔を配置しプレスして得られたものである。
【0069】
(比較例2)
プレス前の積層体のプレス条件を、最終到達温度が340℃となるようにしたこと以外は、比較例1と同様にして積層体を得た。
【0070】
[特性評価]
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた各積層体から、それぞれ10mm幅の剥離試験片を切出した。そして、これらの剥離試験片について、電解銅箔を引き剥がす際の90°ピール強度(島津製作所製オートグラフAG−5000D、50mm/分の剥離速度)を測定して、各積層板における電解銅箔の液晶ポリマー層に対するMD方向及びTD方向の接着強度を測定した。得られた結果をまとめて表1に示す。
【0071】
なお、MD方向とは、フィルムアプリケーターを用いて液晶ポリマー溶液を塗布した際のアプリケーターの移動方向を意味するものであり、TD方向とは、得られた液晶ポリマー層の面方向において、MD方向に直交する方向を意味する。
【表1】

【0072】
表1に示すように、液晶ポリマー溶液を電解銅箔上に塗布した後、Al合金板を積層してプレスを行って得られた実施例1及び2の積層体は、同条件でプレスしたもの同士を比較すると、Al合金板への塗布後に電解銅箔を積層しプレスした比較例1及び2の積層体と比べて、電解銅箔と液晶ポリマー層との間の接着性が向上していることが確認された。なお、実施例1〜2及び比較例1〜2においては、ピール強度測定後の試験片はいずれも電解銅箔と液晶ポリマー層との間で剥離が生じていた。
【0073】
また、プレス時の加熱温度を、配向のための熱処理における加熱温度よりも高くした実施例2の積層体は、これらの加熱温度を同じとした実施例1の積層体に比べて、電解銅箔と液晶ポリマー層との間の接着性が極めて高いことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】回路基板用部材の製造方法の一実施形態を模式的に示す工程図である。
【符号の説明】
【0075】
10…第1の金属層、20…液晶ポリマー層、30…第2の金属層、40…導体パターン、100…積層体、200…回路基板用部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属層上に、液晶ポリマーを含む溶液を塗布して、液晶ポリマー層を形成する第1工程と、
前記液晶ポリマー層上に、第2の金属層を配置して積層体を得る第2工程と、
前記積層体を、積層方向にプレスする第3工程と、
を有する積層体の製造方法であって、
前記第1の金属層の厚さよりも、前記第2の金属層の厚さが大きい、ことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記第1の金属層と、前記第2の金属層とが、それぞれ異なる金属から構成される、ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記液晶ポリマーが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構成単位を含み、且つ、これらの構成単位の合計に対して、下記一般式(1)で表される構成単位を30〜60モル%、下記一般式(2)で表される構成単位を20〜35モル%、及び、下記一般式(3)で表される構成単位を20〜35モル%含むポリマーである、ことを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
−O−Ar−CO− (1)
−CO−Ar−CO− (2)
−X−Ar−Y− (3)
[式中、Arは、フェニレン基又はナフチレン基を示し、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又は下記一般式(4)で表される基を示し、Arは、フェニレン基又は下記一般式(4)で表される基を示し、X及びYは、それぞれ独立にオキシ基又はイミノ基を示す。なお、Ar、Ar及びArにおけるフェニレン基又はナフチレン基は、それぞれハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。
−Ar41−Z−Ar42− (4)
式(4)中、Ar41及びAr42は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を示し、Zは、オキシ基、カルボニル基又はスルホニル基を示す。なお、Ar41及びAr42におけるフェニレン基又はナフチレン基は、それぞれハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。]
【請求項4】
前記液晶ポリマーが、芳香族ジアミン由来の構成単位及び水酸基を有する芳香族アミン由来の構成単位からなる群より選ばれる少なくとも一方の構成単位を、全構成単位に対して20〜35モル%含むポリマーである、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1の金属層が、Cuからなる、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記第2の金属層が、Al又はAl合金からなる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記第1工程後、前記第2工程前に、前記液晶ポリマー層に含まれる液晶ポリマーを配向させる配向工程を更に有する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第3工程において、前記配向工程よりも高い温度で前記積層体をプレスする、ことを特徴とする請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法により得ることができる、ことを特徴とする積層体。
【請求項10】
第1の金属層と、液晶ポリマー層と、第2の金属層と、をこの順に備えており、
前記第1の金属層の厚さが12〜200μmであり、前記第2の金属層の厚さが1〜5mmである、ことを特徴とする積層体。
【請求項11】
前記液晶ポリマー層の厚さが、20〜200μmである、ことを特徴とする請求項10記載の積層体。
【請求項12】
前記第1の金属層が、Cuからなる、ことを特徴とする請求項10又は11記載の積層体。
【請求項13】
前記第2の金属層が、Al又はAl合金からなる、ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一項に記載の積層体における前記第1の金属層から導体パターンを形成して得ることができる、ことを特徴とする回路基板用部材。

【図1】
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【公開番号】特開2010−36356(P2010−36356A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198426(P2008−198426)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】