説明

積層型電子部品の製造方法

【課題】 非磁性体シートの貫通孔内に磁性体ペーストを印刷により充填していたので、磁性体ペーストが非磁性体シートの表面よりも盛り上がって充填される。そのため、非磁性体シートの表面にコイル用導体パターンを印刷する際に、この盛り上がった磁性体によって非磁性体シートの表面に配置された印刷マスクが浮き上がり、コイル用導体パターンに滲みが発生しやすく、非磁性体シートの表面に微細なコイル用導体パターンが形成できなかった。
【解決手段】 所定パターンの貫通孔が形成された第1の材料からなるセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシートの貫通孔に合致する第2の材料からなる絶縁体を用意する。セラミックグリーンシート表面の表面にコイル用導体パターンが形成される。このコイル用導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートと絶縁体が交互に積層される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の積層型電子部品に、図5に示す様に、非磁性体層51とコイル用導体パターン52を積層し、これらの積層体内に共通の巻軸の周りに巻回された2つのコイルが形成され、この2つのコイルの巻軸部分に磁性体部54が形成されたものがある。
この様な積層型電子部品をシート積層法で製造する場合、図6(A)に示す様に、ベースフィルム(図示せず)上に形成された非磁性体シート61のコイルの巻軸と対応する位置に貫通孔Hを形成した後、図6(B)に示す様に、非磁性体シート61の貫通孔内に磁性体ペースト64を印刷により充填し、図6(C)に示す様に、この磁性体ペースト64が充填された非磁性体シート61の表面にコイル用導体パターン62が印刷される。そして、この非磁性体シート61を複数枚所定の順序で積層して、積層体内にコイルが形成され、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成された積層型電子部品が製造される(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平6-283373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この様な従来の積層型電子部品は、非磁性体シートの貫通孔内に磁性体ペーストを印刷により充填していたので、磁性体ペーストが非磁性体シートの表面よりも盛り上がって充填されるという問題があった。そのため、従来の積層型電子部品は、非磁性体シートの表面にコイル用導体パターンを印刷する際に、この盛り上がった磁性体によって非磁性体シート表面に配置された印刷マスクが浮き上がり、印刷されたコイル用導体パターンに滲みが発生しやすく、非磁性体シートの表面に微細なコイル用導体パターンが形成できなかった。従来の積層型電子部品は、コイルの巻軸部分に磁性体部を形成する場合、コイル用導体パターンの滲みを考慮する必要があるため、形状が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、非磁性体シート表面に微細なコイル用導体パターンが形成でき、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成される場合でも形状を小型化できる積層型電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法において、所定パターンの貫通孔が形成された第1の材料からなるセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシートの貫通孔に合致する第2の材料からなる絶縁体を用意し、セラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを形成した後、セラミックグリーンシートと絶縁体を交互に積層して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成されると共に、積層体内のコイルの近傍に異材質部が形成される。この異材質部は、コイルの巻軸部分に磁性体で形成される。
また、本発明は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法において、表面にコイル用導体パターンが印刷された、コイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を有する非磁性体のセラミックグリーンシートと、非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に合致する磁性体を交互に積層して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成されると共に、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成される。
さらに、本発明は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法において、非磁性体のセラミックグリーンシートのコイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を形成した後、非磁性体のセラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを印刷してコイル用導体パターンが形成された非磁性体のセラミックグリーンシートを形成する工程と、貫通孔の形状と対応する様に支持体上に形成された磁性体を、非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に嵌め合う様に、非磁性体のセラミックグリーンシートに積層し、磁性体から支持体を剥離する工程を繰り返して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成され、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の積層型電子部品の製造方法は、所定パターンの貫通孔が形成された第1の材料からなるセラミックグリーンシートと、セラミックグリーンシートの貫通孔に合致する第2の材料からなる絶縁体を用意し、セラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを形成した後、セラミックグリーンシートと絶縁体を交互に積層して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成されると共に、積層体内のコイルの近傍に異材質部が形成されるので、セラミックグリーンシートの表面に微細なコイル用導体パターンを形成することができ、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成される場合でも形状を小型化できる。
また、本発明の積層型電子部品の製造方法は、表面にコイル用導体パターンが印刷された、コイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を有する非磁性体のセラミックグリーンシートと、非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に合致する磁性体を交互に積層して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成されると共に、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成されるので、非磁性体のセラミックグリーンシートの表面に微細なコイル用導体パターンを形成することができ、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成される場合でも形状を小型化できる。
さらに、本発明の積層型電子部品の製造方法は、非磁性体のセラミックグリーンシートのコイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を形成した後、非磁性体のセラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを印刷してコイル用導体パターンが形成された非磁性体のセラミックグリーンシートを形成する工程と、貫通孔の形状と対応する様に支持体上に形成された磁性体を、非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に嵌め合う様に、非磁性体のセラミックグリーンシートに積層し、磁性体から支持体を剥離する工程を繰り返して、積層体内に少なくとも1つのコイルが形成され、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成されるので、非磁性体のセラミックグリーンシートの表面に微細なコイル用導体パターンが形成でき、コイルの巻軸部分に磁性体部が形成される場合でも形状を小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の積層型電子部品の製造方法は、まず、非磁性体セラミックグリーンシートが形成され、この非磁性体セラミックグリーンシートのコイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を形成した後に、非磁性体セラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを形成して、貫通孔とコイル用導体パターンを形成した非磁性体セラミックグリーンシートが用意される。また、支持体上に非磁性体セラミックグリーンシートの貫通孔の形状と対応する様に形成された磁性体が用意される。そして、貫通孔とコイル用導体パターンを形成した非磁性体セラミックグリーンシートと、非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に合致する磁性体を交互にそれぞれ所定の枚数ずつ積層して、これらの積層体を圧着する。
従って、本発明の積層型電子部品の製造方法は、コイル用導体パターンが形成された非磁性体セラミックグリーンシートの貫通孔に磁性体を嵌め合せるので、非磁性体セラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを形成する前に、非磁性体セラミックグリーンシートの貫通孔に磁性体を印刷する必要がなくなり、コイル用導体パターンの印刷面を平坦にでき、微細な導体パターンを形成できるようになる。さらに、非磁性体セラミックグリーンシートの貫通孔をレーザ加工により形成する場合、非磁性体セラミックグリーンシートと磁性体セラミックグリーンシートが別々に形成されて積層されるので、レーザ加工の際に発生するカスなどの異物が積層体内に混入することもない。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の積層型電子部品の製造方法の実施例を図1乃至図4を参照して説明する。
図1は本発明に係る積層型電子部品を示す分解斜視図である。
本発明に係る積層型電子部品は、例えば、非磁性体層とコイル用導体パターンを積層し、非磁性体層間のコイル用導体パターンを螺旋状に接続して積層体内に2つのコイルが形成され、この2つのコイルの共通の巻軸部分に磁性体部が形成されたものである。
非磁性体層11A〜11Gは、誘電体等の非磁性体を用いて形成される。
非磁性体層11Bは、その中央部分に磁性体部14Aが形成される。この非磁性体層11Bの表面には、コイル用導体パターン12Aとコイル用導体パターン13Aが形成される。コイル用導体パターン12Aとコイル用導体パターン13Aは、非磁性体層11Bの表面の磁性体部14Aと接触しない位置に、非磁性体層11Bの中心を原点として互いに点対称になる様に1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Aの一端とコイル用導体パターン13Aの一端は、非磁性体層11Bの対向する側面まで引き出される。
非磁性体層11Cは、その中央部分に磁性体部14Bが形成される。この非磁性体層11Cの表面には、コイル用導体パターン12Bとコイル用導体パターン13Bが形成される。コイル用導体パターン12Bとコイル用導体パターン13Bは、非磁性体層11Cの表面の磁性体部14Bと接触しない位置に、非磁性体層11Cの中心を原点として互いに点対称になる様に1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Bの一端は、非磁性体層11Cのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Aの他端に接続される。また、コイル用導体パターン13Bの一端は、非磁性体層11Cのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン13Aの他端に接続される。
非磁性体層11Dは、その中央部分に磁性体部14Cが形成される。この非磁性体層11Dの表面には、コイル用導体パターン12Cとコイル用導体パターン13Cが形成される。コイル用導体パターン12Cとコイル用導体パターン13Cは、非磁性体層11Dの表面の磁性体部14Cと接触しない位置に、非磁性体層11Dの中心を原点として互いに点対称になる様に1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Cの一端は、非磁性体層11Dのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Bの他端に接続される。また、コイル用導体パターン13Cの一端は、非磁性体層11Dのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン13Bの他端に接続される。
非磁性体層11Eは、その中央部分に磁性体部14Dが形成される。この非磁性体層11Eの表面には、コイル用導体パターン12Dとコイル用導体パターン13Dが形成される。コイル用導体パターン12Dとコイル用導体パターン13Dは、非磁性体層11Eの表面の磁性体部14Dと接触しない位置に、非磁性体層11Eの中心を原点として互いに点対称になる様に1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Dの一端は、非磁性体層11Eのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Cの他端に接続される。また、コイル用導体パターン13Dの一端は、非磁性体層11Eのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン13Cの他端に接続される。
非磁性体層11Fは、その中央部分に磁性体部14Eが形成される。この非磁性体層11Fの表面には、コイル用導体パターン12Eとコイル用導体パターン13Eが形成される。コイル用導体パターン12Eとコイル用導体パターン13Eは、非磁性体層11Fの表面の磁性体部14Eと接触しない位置に、非磁性体層11Fの中心を原点として互いに点対称になる様に1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Eの一端は、非磁性体層11Fのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Dの他端に接続される。また、コイル用導体パターン13Eの一端は、非磁性体層11Fのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン13Dの他端に接続される。この様にコイル用導体パターン12A、コイル用導体パターン12B、コイル用導体パターン12C、コイル用導体パターン12D、コイル用導体パターン12Eを螺旋状に接続して第1のコイルが形成され、コイル用導体パターン13A、コイル用導体パターン13B、コイル用導体パターン13C、コイル用導体パターン13D、コイル用導体パターン13Eを螺旋状に接続して第2のコイルが形成される。
この非磁性体層11Fの上面には、保護用の非磁性体層11Gが積層される。そして、磁性体部14A〜14Eよって積層体内に磁路が形成される。この磁路の磁性体部14A〜14Eの周囲には、磁性体部14A〜14Eを共通の巻軸として第1のコイルと第2のコイルが螺旋状に巻回される。この様に形成された積層体の側面に外部端子が形成され、側面に引き出されたコイルの端部が接続される。
この様に形成された積層型トランスは、例えば、コモンモードチョークとして用いられる。
【0010】
この様な積層型トランスは次の様にして製造される。まず、PETフィルム等の支持体上に、例えば、誘電率が4.1の誘電体ペーストをその厚みが20μmとなる様に印刷・塗布して成膜することにより、図2(A)に示す様に、支持体(図示を省略)上に、非磁性体セラミックグリーンシート21が形成される。なお、支持体は、表面に剥離剤を塗布して離型処理を施すことにより、後の工程において非磁性体セラミックグリーンシート21から剥離する作業が容易になる。次に、図2(B)に示す様に、この非磁性体セラミックグリーンシート21のコイルの巻軸と対応する部分に、レーザー加工やパンチング加工によって、楕円形の貫通孔Hが形成される。続いて、図2(C)に示す様に、この貫通孔Hが形成された非磁性体セラミックグリーンシート21の表面に、コイル用導体パターン22とコイル用導体パターン23が形成される。コイル用導体パターン22とコイル用導体パターン23は、非磁性体セラミックグリーンシートの表面の中心を原点として互いに点対称になる様に、貫通孔と所定の間隔を空けて形成される。この時、コイル用導体パターン22とコイル用導体パターン23は、線幅が例えば30μmになる様に、非磁性体セラミックグリーンシート21の表面に、銀等の導体ペーストを印刷することにより形成される。この様にして、貫通孔Hとコイル用導体パターン22、23が形成された非磁性体セラミックグリーンシート21が用意される。
また、この非磁性体セラミックグリーンシート21とは別に、PETフィルム等の支持体上に、非磁性体セラミックグリーンシート21の貫通孔Hの形状と大きさが同じになる様に、フェライトペーストを印刷・塗布することにより、図3に示す様に、支持体30上に形成された磁性体24が用意される。なお、支持体は、表面に剥離剤を塗布して離型処理を施すことにより、後の工程において磁性体24から剥離する作業が容易になる。
この様に用意された貫通孔Hとコイル用導体パターン22、23が形成された非磁性体セラミックグリーンシート21と磁性体24は、まず、支持体が付着した状態の非磁性体セラミックグリーンシートを、コイル用導体パターンが形成された面を下に向けて、別の非磁性体セラミックグリーンシート上に積層し、支持体上から圧力を加えて圧着した後、支持体を剥離することにより、図4(A)に示す様に、非磁性体層21G上に、貫通孔Hとコイル用導体パターン22、23が形成された非磁性体セラミックグリーンシート21が積層される。貫通孔Hをレーザー加工で形成した非磁性体セラミックグリーンシート21を用いた場合、この様に支持体が付着したままの非磁性体セラミックグリーンシートを非磁性体層に積層した後、支持体を剥離することにより、貫通孔を加工する際に発生した加工くずも支持体に付着して剥離されるので、加工くずが混入することもない。
次に、図4(B)に示す様に、支持体30が付着した状態の磁性体24を、磁性体24の支持体30の付着していない面を下に向けて、非磁性体セラミックグリーンシート21の貫通孔に嵌る様に積層し、支持体上から圧力を加えて圧着される。
続いて、この磁性体24に付着している支持体30を剥離することにより、図4(C)に示す様に、非磁性体セラミックシート21と磁性体24が一体化され、非磁性体セラミックシート21G上に、コイルの巻軸と対応する位置に磁性体部を有する非磁性体層が形成される。
さらに続いて、支持体が付着した状態の、貫通孔とコイル用導体パターンが形成された非磁性体セラミックグリーンシートを、コイル用導体パターンが形成された面を下に向けて、コイルの巻軸と対応する位置に磁性体部を有する非磁性体層上に積層し、支持体上から圧力を加えて圧着した後、支持体を剥離することにより、図4(D)に示す様に、コイルの巻軸と対応する位置に磁性体部24Eを有する非磁性体層21F上に、貫通孔Hとコイル用導体パターン22、23が形成された非磁性体セラミックグリーンシート21が積層される。この様にして、図4(B)〜図4(D)の工程をコイルが所定のターン数を得られるまで繰り返して、最後に貫通孔もコイル用導体パターンも形成されていない非磁性体セラミックグリーンシートを積層することにより、内部に2つのコイルを内蔵し、2つのコイルの共通の巻軸部分に磁性体部を有する積層体が形成される。
そして、この積層体の側面には、それぞれコイルの端部に接続される外部端子が形成される。
【0011】
以上、本発明の積層型電子部品の製造方法の実施例を述べたが、本発明はこの実施例に限られるものではない。例えば、非磁性体セラミックグリーンシートに形成する貫通孔は、四角や円等、磁性体部の形状に合わせて様々な形にすることができる。
また、貫通孔とコイル用導体パターンが形成された非磁性体セラミックグリーンシートと磁性体は、支持体が付着した状態の磁性体を、磁性体の支持体の付着していない面を下に向けて、コイル用導体パターンが形成してある非磁性体セラミックグリーンシートの貫通孔に嵌る様に積層、圧着し、磁性体に付着している支持体を剥離することにより、コイルの巻軸と対応する位置に磁性体部を有する非磁性体セラミックグリーンシートとし、この磁性体部を有する非磁性体セラミックグリーンシートを複数枚積層して積層体を形成してもよい。
さらに、所定パターンの貫通孔を形成した磁性体セラミックグリーンシートと、この磁性体セラミックグリーンシートの貫通孔に合致する形状の非磁性体を交互に積層して、積層体を形成してもよい。この場合、コイル用導体パターンは、磁性体セラミックグリーンシートの表面に形成される。
またさらに、表面に導体パターンが印刷された、所定パターンの貫通孔を有する誘電体セラミックグリーンシートと、この誘電体セラミックグリーンシートの貫通孔に合致する形状の、誘電体セラミックグリーンシートの誘電率と異なる誘電率の誘電体を交互に積層して、積層体を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る積層型電子部品を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の積層型電子部品の製造方法における製造工程を示す上面図である。
【図3】本発明の積層型電子部品の製造方法における製造工程を示す上面図である。
【図4】本発明の積層型電子部品の製造方法における積層工程を示す断面図である。
【図5】従来の積層型電子部品を示す分解斜視図である。
【図6】従来の積層型電子部品の製造方法の製造工程を示す上面図である。
【符号の説明】
【0013】
11A〜11G 非磁性体層
12A〜12E、13A〜13E コイル用導体パターン
14A〜14E 磁性体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法において、
所定パターンの貫通孔が形成された第1の材料からなるセラミックグリーンシートと、該セラミックグリーンシートの貫通孔に合致する第2の材料からなる絶縁体を用意し、該セラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを形成した後、該セラミックグリーンシートと該絶縁体を交互に積層して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成されると共に、該積層体内のコイルの近傍に異材質部が形成されることを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
【請求項2】
絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法において、
表面にコイル用導体パターンが印刷された、該コイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を有する非磁性体のセラミックグリーンシートと、該非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に合致する磁性体を交互に積層して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成されると共に、該コイルの巻軸部分に磁性体部が形成されることを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
【請求項3】
絶縁体層とコイル用導体パターンを積層し、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成された積層型電子部品の製造方法において、
非磁性体のセラミックグリーンシートの該コイルの巻軸と対応する部分に貫通孔を形成した後、該非磁性体のセラミックグリーンシートの表面にコイル用導体パターンを印刷してコイル用導体パターンが形成された非磁性体のセラミックグリーンシートを形成する工程と、該貫通孔の形状と対応する様に支持体上に形成された磁性体を、該非磁性体のセラミックグリーンシートの貫通孔に嵌め合う様に、該非磁性体のセラミックグリーンシートに積層し、該磁性体から支持体を剥離する工程を繰り返して、積層体内に少なくとも1つ以上のコイルが形成され、該コイルの巻軸部分に磁性体部が形成されることを特徴とする積層型電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−88082(P2009−88082A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253373(P2007−253373)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】