説明

穴開け装置

【課題】穴開け薄板等の加工器具を対象体に取り付けたり、取り外したりする際、特に加工器具の位置合わせを新たに行う必要がある場合に、加工器具の操作を迅速に行え、かつロット数が小さい場合にも廉価に使用できる装置を提供する。
【解決手段】紙材料及び類似の材料に穴開け、溝付け、目打ち、エンボス、印捺、コーティング等の加工を施すための装置であって、ローラ状の胴1と、胴1上に張付け可能な支持体2とを有してなり、支持体の円周に加工器具が設けられ、これにより、加工器具3が胴1に取り外し可能に接着するように固定される。支持体2は、フィルム状に形成されるとともに磁石又は磁石的性質を有する層を有し、該層の下に強磁性材料からなる下部構造8を有する。支持体2は胴1の加工作業面を略全面的に被覆する状態で取外しできるように張付け可能に設けられ、磁力によって加工器具3の接着力が得られるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書き部分に記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄板加工業において周知のような、振幅運動する加工器具を有する純粋な打ち抜き機の他に、紙加工業の領域においても穴開け装置が用いられる。このような穴開け装置では、穴開け器具のみが用いられる。しかしながら、いわゆる圧胴、版胴、ゴム胴といった本来印刷のために設けられているローラないし胴に対して、これらの胴の周面に加工器具を湾曲させて装備することも知られている。印刷業においてはいずれにしろ設けられる加工手段を用いて、純粋な印刷工程の他に、このように廉価な方法で印刷済み又は印刷対象の紙または厚紙の枚葉紙に穴開け、目打ち、溝付け、エンボスの加工を施すことができる。
【0003】
ゴムブランケットが転写胴(ゴム胴)に巻き付けられるようにして張り付けられるのと同様に、前記の加工器具も転写胴に張り付けられるように形成されている。別構成として、穴を開けようとするロットが比較的大きい場合にはとりわけ、印刷機内における印刷装置の胴に加工器具を接着させることも知られている。
【0004】
前記のいずれの場合でも、比較的大型の加工器具を用いると不利である。穴開け線を除いた穴開け薄板全体を腐食加工しなければならない場合など、このような大型の加工機具の製造は、手間を要し、従って高価にならざるを得ない。さらにこのように大型の穴開け薄板を胴に張る場合、位置合わせには困難が付きまとうため、初めて穴開け薄板を張った後では、加工しようとする枚葉紙に穴開け部分を合わせるように位置を修正する作業が非常に手間のかかるものとなる。穴開け薄板を胴に接着する方法では、穴開け薄板の新たな位置合わせや位置の修正にさらに大きな労力を要する。
【0005】
印刷枚葉紙に対していわゆるインライン型の加工を行う印刷機においては、穴開け加工そのものにとどまらず、溝付け、目打ち、エンボスなどの加工工程も行われる。これらの工程は、いわば穴開けの特殊な形態であり、穴開け加工と類似の加工手段を用いて行われてきた。
【0006】
また、印刷機においてさらなる加工を行うために直列に設けられる装置には、印捺 (Eindrucken) やコーティングのための手段もある。これらの加工手段を設ける場合にも、相応の加工器具を所定の加工位置に正しく設けることは周知の問題であり、部分的には、多大な機械的な手間やコストを投入してまで、解決すべく努力がなされている。
【0007】
さらに、平坦な加工作業面同志が対向して設けられることも、平坦な加工作業面と円筒形の加工作業面とが対向して設けられることもある加工機械が知られている。被印刷材料や梱包材料にさらなる加工を施すこのような機械においても、加工器具の取り付けは周知の問題となっている。これらの方法でも、平らな面あるいは湾曲面に加工器具を取り付ける点について言えば、純粋な回転式の加工方法の場合と基本的には差がない。このような方法でも、回転しながら加工する加工器具が平らな対向面と協働する場合には、前記の問題点が当てはまる。加工器具が平らに設けられる場合は、湾曲によって生じる位置合わせのための特殊な条件が存在しなくなるだけである。場合によっては実際の加工作業面が小さいものに過ぎないのにもかかわらず、加工器具を全面に設けるためにコストが嵩むという関係は、上述の状況と同様である。
【特許文献1】米国特許第3824927号明細書
【特許文献2】米国特許第4116594号明細書
【特許文献3】特開2000−198100号公報
【特許文献4】特開2000−94398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の課題は、同種の装置を改良し、ロットの数量が比較的小さい場合にも廉価に使用でき、穴開け薄板や印刷版といった加工器具を取り付けたり、取り外したりする際、特に加工器具の位置合わせを新たに行う必要がある場合に、加工器具の操作を迅速かつ問題なく行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題は、請求項1に記載の特徴を有する装置によって解決される。
【0010】
言い換えれば本願は、胴の円周全体に設けられる加工器具を用いないことを提案するものであり、廉価で小型の加工機具の使用を可能にするものである。例えば接着により胴に固定され、固定後も位置を簡単に修正できる穴開け薄板などである。驚くべきことに、紙および厚紙を加工する分野で穴開け加工を行う場合でも、加工器具を固定するには、取り外し可能に接着するように接合するだけで、これらの加工器具が胴の上でずれるという望ましくない結果を防止するには十分なのである。
【0011】
ここで「接着」というのは、加工器具と胴とを接合することであって、それも、ネジや強力接着剤などの付加的手段を用いずに加工器具を胴に十分安定した状態で固定し、後で力を補助する器具や溶剤などを使わずに胴から取り外せるような接合のことを指す。このような「接着」は、例えば事務分野で用いられる接着力の弱いいわゆる付箋などから知られている。接着力が弱い点を除けば、所望の接着作用は、任意の他の方法でも得られる。例えば穴開け薄板は、強磁性の薄板からなる場合が多いので、胴に磁石または磁石的性質を有するフィルムを設けるなどの方法がある。
【0012】
接着媒介材は、弱い接着力を有する、あるいは磁石的性質を有するコーティングとして胴に設けるか、同様に弱い接着力を有する、あるいは磁石的性質を有するコーティングとして加工器具に設けられる。
【0013】
胴と加工器具との間にいわゆる支持体として中間部材を用いることもできる。このような支持体は、周知の方法で既存の胴に張り付けられる点では印刷用ブランケットと同様に構成される。こうして、支持体は、加工器具を接着により固定させることができる。こうすることによって、加工器具の取り扱い次第で発生するかもしれないスクラッチや汚れなど、胴表面に生じる望ましくない変化が確実に防止されるか、これらの変化が生じる場所が支持体に移る。この支持体は、比較的低コストで交換できる。
【0014】
支持体は、胴のための保護部として、自身が接着力を有するように形成された加工器具を固定するように設けられるか、または支持体自身が接着力を有するように構成することができる。
【0015】
このような支持体は、外部表面において、弱い接着力を有するように、あるいは、磁気的に作用するように構成された布製材料から形成される。例えば弱い接着力を有する層でコーティングしたり、磁石的性質を有するストリップを織り込んだり、表面に磁石的性質を有するフィルムまたは個々の磁石を設けたりする方法が考えられる。
【0016】
特に支持体において穴開け薄板が磁石的性質によって接着される場合には、支持体は、好適に強磁性の層を有するか、強磁性の薄板、又はとりわけ容易に湾曲し胴に適合可能な薄いフィルムからなる下部構造を有する。このような構成によって、下部構造から遠い側の磁石の表面の磁力を増大させるようないわゆる反転効果(Umkehreffekt)が生じるので、磁力を有する層が比較的薄く、作用が弱い場合でも、穴開け薄板を確実に保持することができる。
【0017】
加工器具の支持体に磁石的性質を有するフィルムを用いる場合には、特に好適な磁極ピッチを有するフィルムを使用するのが好ましい。このような磁石的性質を有するフィルム自体は周知のものである。およそ1mm厚さの磁石的性質を有するフィルムを使用した場合でも、磁力が増大するため、特に有利な接着力が生じる。例に挙げた場合においては、得られる磁力と、磁石的性質を有するフィルムの厚さによって変化する加工器具の支持体上の配置との間に、加工工程の運動学または力学に関して最適な関係が生じる。
【0018】
胴そのもの、あるいは支持体の表面に好適に補助線を設けることもできる。技術的な図面の分野で「方眼紙」として知られているものと同様の線である。このような方法で加工器具の位置合わせを特に簡単かつ正確に行うことができ、検査や修正もこの方法で行えば高い精度で確実に実施することができる。
【0019】
加工器具のための支持体が、従来の転写胴などの胴に固定されている場合、この固定は、印刷業の分野で印刷用ブランケットを用いる際に知られているような緊締レールを用いる方法で行われる。磁石的性質を有するフィルムまたは接着力の弱い層を、下部構造に接合、すなわち布、金属、あるいはプラスチックからなる板またはフィルムに接合するには、接着、ピン留め、溶接などの方法が用いられ、これにより、接着力を及ぼす層を支持体の下部構造に確実に固定するようにする。
【0020】
支持体が相応の安定性を有するならば円筒形の加工手段にではなく、平台加工機のような平らな加工手段に支持体を取り付けることもできる。この場合、強磁性の下地の上に設けられた支持体の接着力が好適に使用される。支持体は、支持体自身と加工器具をほぼ自動的に加工機械の加工作業面に保持するが、その場合でも支持体の固定をそう簡単に放棄できるというわけではない。支持体を含む加工器具の位置を保持し、位置決めを正確に行うためには念を入れる必要があるからである。
【0021】
加工器具としては穴開け、目打ち、溝付け、エンボス、印捺または局所コーティングのためのプレートが考えられる。加工器具は線状に形成されるか、その他任意の、所望の加工領域に適合した形状を有することもできる。
【0022】
本発明による装置の特別な有利点として指摘しておくべきなのは、加工機械内部で任意の加工器具を極めて簡単な方法で交換でき、しかも加工器具を接着によって固定するために用いられる支持体を機械から取り外す必要がないという点である。加工器具の再度の位置決めですら加工機械内で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態を図式的な図面に基づいてより詳しく説明する。
【0024】
図1には、ローラ状の胴が符号1によって示されている。この胴は、印刷機、好適にオフセット印刷機において通常すでに設けられているもので、例えばいわゆる転写胴(ゴム胴)として使用される。胴1上には、ちょうど転写胴に印刷ブランケットを張り付けるときのように、周知の方法で支持体2が張り付けられている。支持体2は、穴開け薄板3を有し、穴開け薄板には突起4が設けられ、このような突起4が連続的に複数設けられることにより穴開け線が形成される。
【0025】
穴を開けるべき枚葉紙または厚紙は、胴1と圧胴5との間に導くことができ、このとき突起4の先端は、圧胴5の表面にほとんど接触するところまで達しているので、胴1と圧胴5との間に導かれた枚葉紙または厚紙の対応箇所が切断され、あるいはミシン線が形成される。
【0026】
図2は、支持体2の構造を示している。穴開け薄板3は、磁石的性質を有するフィルム6によって保持されている。磁石的性質を有するフィルム6は、支持体2の上側、つまりは外側の、接着力を提供する層を形成している。磁石的性質を有するフィルムは、接着剤層7によって支持体2の下部構造8に接着され、下部構造8は、鋼薄板または鋼フィルムの形状を呈する強磁性の層からなる。鋼薄板または鋼フィルムは、磁石的性質を有するフィルム6と同様に可撓性を有するため、支持体2全体を胴1に巻き付け、周知の方法で胴1に固定することができる。これは例えば相応の緊締レールを用いて行われる。
【0027】
支持体2の強磁性を有する下部構造8は、磁石的性質を有するフィルム6内部に図2において湾曲した矢印で示す反転効果を生じさせ、その結果、磁石的性質を有するフィルム6の外部表面にとりわけ大きな接着力が生じ、それによって穴開け薄板3の固定がとりわけ確実に行われる。穴開け薄板3はまた、支持体2に接着あるいはネジ留めなどにより接続されておらず、支持体2に付着しているだけなので、支持体2から問題なく取り外すことができる。従って位置修正する際に、穴開け薄板3を問題なく、無段階かつ微妙に再配置することができる。さらに穴開け薄板3を別の方法で設けたり、構成の異なる穴開け薄板3を胴1に設けたりすることも問題なくできるので、廉価で迅速かつ適応範囲の広い付け替えが可能となり、ひいては比較的小さな数量のロットに対して経済的な穴開け加工を行うことにもつながる。
【0028】
図3は、支持体2とその上に接着された穴開け薄板3の平面図である。図から明らかな通り、支持体2の大きさに対して穴開け薄板3の寸法は極めて小さく選択される。こうすることにより従来のように周知の方法で胴の円周全体に設けられ、ほぼ支持体2の大きさを有する穴開け薄板の場合に比べて、穴開け薄板3を製造するための手間のかかる加工が大幅に減少し、それとともに穴開け薄板3のコストも著しく減少させることができる。
【0029】
本発明により、従来の装置に対して提案されるのは、胴の円周全体に繰り返し使用される支持体のみを設け、それによって穴開け線が設けられる領域だけに相応の加工器具を設ければ済むというものであり、こうすることにより加工器具を小さく廉価に構成することができる。図3は、それぞれがL字形をした穴開け線が複数設けられた上述のような穴開け薄板を示している。
【0030】
穴開け加工は、印刷機内で紙または厚紙の製品をインライン加工する際に可能な1つの加工形態にすぎない。穴開け器具の他に目打ち、溝付け、エンボスの加工を行うための器具を設けることもできる。このような加工器具は、面積的には小さく形成されることが多い。目打ち、溝付けを行う器具は、大抵直線状に形成されるし、エンボス加工器具は、大きさが比較的小さく、面積の上ではワッペンのように局所的なエンボスパターンに限定される。このような加工器具は、大抵穴開け器具と同様に、強磁性の材料から製造される。従って、これらの器具は、磁石的性質を有するフィルムからなる支持体上に、直接、すなわち補助手段なしに取り外し可能に接着することができる。相応に可撓に形成された上述の類の加工器具は、裏面に接着力の弱いコーティングを設けることもでき、このようにして支持体に取り外し可能に接着させることができる。また、逆に支持体に対して、加工器具の裏面に比べて接着力の弱い表面を設けてもよい。相応の加工器具の配設および位置調整もまた、使用中の加工機械内で極めて簡単に行うことができる。
【0031】
さらに、印刷機内の特定の場所に印捺またはコーティングを設けることもできる。この場合、いわゆる局所ニス引きも対象となる。これらの場合、加工器具を固定するのに用いられる胴に、コーティング液または印刷インキのための塗布装置が設けられる。このような塗布装置は、対応する胴上の加工器具のそれぞれの表面と一緒になって周知の方法で動作する。加工器具の表面は、ゴムブランケット、印刷板、プラスチック層の場合のように、フィルム状の支持層の上に形成される。加工器具は、この場合も、弾性、発砲性、あるいは多孔性の材料から成る圧縮可能な層を有する表面と、支持層との間に設けられる。中間層は、加工工程の要求に対する減衰特性を有することができる。
局所的な印刷パターン、個々の印刷画線部、面積の限定された表面コーティングを設けるための相応の加工器具は、前記の場合と同様に設けることができる。この種の加工器具を取り外し可能に接着させるために、器具の裏面が弱い接着力あるいは強磁性を有するように形成される。強磁性を有するように形成した場合、印刷またはコーティングに好適なこのような加工器具は、磁石的性質を有するフィルムが設けられた支持体または胴の任意の位置に、容易に取り外し可能かつ極めて簡単に位置決め可能に配置することができる。相応の印刷またはコーティングのための器具の設置および位置調整もまた、使用中の加工機械内で極めて簡単に行うことができる。
【0032】
紙または厚紙の製品を処理するための加工器具を固定する前記のような方法は、シリンダのような円筒形の加工部材に限定されない。このような固定方法は、平らな加工部材を有する加工機械にも同様に用いられる。このようないわゆる平台加工機では、すでに述べたように、処理すべき紙または厚紙材料に対向して振幅運動による往復移動によって加工作業面が設けられる。この場合でも、前記のように加工器具は、取り外し可能に支持体に接着される。支持体は、比較可能な方法で加工機械の加工作業面に固定される。支持体は、この場合湾曲されずに平らに加工作業面に張り付けられる。加工器具は、ここでも極めて容易に取り付けられ、位置決めされ、再び取り外されることが可能で、その際、支持体を交換する必要もなく、支持体の表面または加工機械の加工部材の表面を損傷する危険もない。それでも支持体の固定を簡単に放棄できるというわけではない。支持体を含む加工器具の位置を保持し、位置決めを正確に行うためには念を入れる必要があるからである。
【0033】
平らな加工作業面の使用については、様々な形態が考えられる。平らな加工作業面は、前記のように加工器具にも対向面にも設けることができる。従って前記の加工方法に関しては、様々な製造方法が可能である。加工器具を円筒形の支持体にも平らな支持体にも設けることができるため、以下のような組み合わせで加工することができる。
− 円筒形の加工器具と円筒形の対向面
− 円筒形の加工器具と平らな対向面
− 平らな加工器具と円筒形の対向面
− 平らな加工器具と平らな対向面
加工のために必要とされる装置は、前記の構成に記載されている。
【0034】
前記の場合、加工作業面と対向面の動き方を異ならせなければならない点に配慮すべきである。平らな面と円筒形の面を組み合わせる時には、その都度平らな面が往復振動しながら回転する円筒形の対向面に接触する。このとき本来の作動ストロークは、その都度一方向にしか実現しないので、枚葉紙状の加工材料は片面が当接され、対向する側において加工機械から取り出すことができる。
【0035】
このように、本発明による装置を使用すると、非常に多くの適用分野にたいして幅広い可能性を有する加工が実現される。
【0036】
支持体上での加工器具の接着は、本来の加工作業面に比べて、支持体に対する接着面の大きさを面積の上で拡大することによって改善される。特に、非強磁性の加工作業面を有する加工器具の場合は、薄く、場合によっては広い面積の強磁性の下地が設けられる。このような構成により、加工器具の接着面と加工作業面との間の滑らかな移行という特徴が得られる。それによって印捺やコーティングなど多種多様な加工工程が改善されるのである。
【0037】
前記の装置に対して、図4には、略E字形に穴開け線が設けられた従来技術による穴開け薄板3が示されている。この穴開け薄板3の両端部には、緊締レール9が設けられ、これらの緊締レールは周知の方法で構成されているので図式的にのみ示されている。穴開け線を設けるために、通常このような穴開け薄板3は、ほとんど全面が、すなわち穴開け線だけを除いて腐食される。従って穴開け薄板3の大きさに対応する加工コストは、実際に加工する、穴開け線を取り囲む穴開け薄板3の表面領域を基準にすると比較的高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】印刷機内の張り付け部分を示す図である。
【図2】支持体および穴開け薄板の断面図である。
【図3】支持体および穴開け薄板の平面図である。
【図4】従来技術による穴開け薄板を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1・・・ローラ状の胴(転写胴)
2・・・支持体
3・・・穴開け薄板(加工器具)
4・・・突起
5・・・圧胴
6・・・磁石的性質を有するフィルム
7・・・接着剤層
8・・・下部構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材料及び紙に類似の材料に穴開け、溝付け、目打ち、エンボス、印捺、コーティングの加工を施すための装置であって、ローラ状の胴(1)と、該胴(1)上に張り付け可能な支持体(2)とを有してなり、該支持体の円周には、少なくとも1つの加工器具が設けられ、これにより、前記加工器具(3)が前記胴(1)に取り外し可能に接着するように固定されるとともに前記胴に対向するさらに他の胴に対向配置された加工作業面を有するように設けられ、前記加工器具(3)の裏面及び前記支持体(2)の表面の少なくとも一方が接着可能に形成されている装置において、
前記支持体(2)は、フィルム状に形成されるとともに磁石あるいは磁石的性質を有する層を有し、かつ前記支持体(2)は、前記胴(1)の前記加工作業面を略全面的に被覆する状態で、前記胴(1)上で既存の緊締レールを用いて取り外しできるようにされながら張り付け固定可能に設けられ、磁力によって前記加工器具(3)の接着力が得られるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
磁石的性質を有したフィルム(6)によって接着力が得られるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下部構造(8)は、薄板あるいは薄いフィルムとして形成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
紙材料及び紙に類似の材料に穴開け、溝付け、目打ち、エンボスの加工を施すための装置であって、
加工部材を有してなり、該加工部材の加工作業面には、少なくとも1つの加工器具が設けられ、該加工器具は、さらに他の加工部材の加工作業面に対向するように設けられた加工作業面を有するとともに前記加工部材の前記加工作業面に取り外し可能に接着するように固定されてなる装置において、
平らな加工部材に、同じように平らなさらに他の加工部材が対向配置され、あるいは、
円筒形の加工部材に、平らなさらに他の加工部材が対向配置され、あるいは、
平らな加工部材に、円筒形のさらに他の加工部材が対向配置され、さらに、
前記平らな又は円筒形の加工部材に該加工部材を概ね全面的に被覆する状態で張り付け可能とされるとともに、少なくとも一つの、略自身の作用面にわたって延在する加工器具(3)を支持する支持体(2)を有し、
前記支持体(2)は、フィルム状に形成されるとともに磁石あるいは磁石的性質を有する層を有し、磁力によって前記加工器具(3)の接着力が得られるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
磁石的性質を有したフィルム(6)によって接着力が得られるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記下部構造(8)は、薄板あるいは薄いフィルムとして形成されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記加工器具は、強磁性材料からなる穴開け、目打ち、溝付け、エンボスの加工を施すための器具とされていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記加工器具は、印捺あるいは局所的なコーティングを製造するための印刷板のような器具とされ、前記加工器具の裏側に強磁性材料からなる層が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記加工器具は、強磁性フィルムまたは強磁性薄板上に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−203456(P2007−203456A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63384(P2007−63384)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【分割の表示】特願2002−540927(P2002−540927)の分割
【原出願日】平成13年10月20日(2001.10.20)
【出願人】(599011584)エム・アー・エヌ・ローラント・ドルックマシーネン・アクチエンゲゼルシャフト (257)
【出願人】(503145187)ヴェーエスデー・スタンツヴェルクツォイゲ・フュー・ディ・ドルックインドゥストゥリー (1)
【Fターム(参考)】