説明

空気から酸素を選択的に吸着するための分子ふるい吸着剤の製造方法

本発明は分子ふるい吸着剤の製造に関し、それはアルゴンおよび/または窒素とのガス状混合物から酸素に対し選択的である。さらに、本発明は酸素−アルゴンガス状混合物の分離に有用な分子ふるい吸着剤の製造に関する。さらには、本発明は希土類カチオンによりゼオライトにおけるカチオン交換した分子ふるい吸着剤の製造および使用に関し、大気の温度および圧力で窒素およびアルゴンとのガス状混合物から酸素を選択的に吸着する吸着剤を得る。製造された吸着剤は酸素との混合物から窒素およびアルゴンの分離および精製に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気から酸素を選択的に吸着するための分子ふるい吸着剤の製造方法に関する。さらに本発明は近接した物性を有するガスの分離のための選択的吸着剤として、希土類交換されたゼオライトの使用に関する。特に、本発明は酸素とアルゴンのガス状混合物から酸素に対して選択的である、吸着剤の調製および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス流からガス成分を分離する吸着法の使用は、最初は、空気から二酸化炭素および水を除去するために開発された。今では、ガス吸着法は水素を炭化水素との混合物から回収し、および空気から酸素を富化する方法に用いられる。
【0003】
広く用いられる吸着剤の4種類は活性炭、ゼオライト分子ふるい、シリカゲルおよび活性アルミナを含む。炭素分子ふるい(CMS)は非常に狭い細孔分布を示し、窒素を回収するために空気の分離を容易にし、炭素分子ふるいに対する安全な成長市場を提供する。
【0004】
空気からの酸素およびアルゴン分離のための吸着方法は、過去30年間に商業的目的で用いられることが多くなっている。下水処理、発酵、切断および溶接、魚養殖、電気炉、パルプ漂白、ガラスブロー、医学目的、および鉄鋼産業は、要求される酸素純度は約90〜95%であり、圧力スウイングもしくは真空スウイング法に基づく吸着に大いに合っている。現在、世界の酸素需要の約20%は空気の吸着選択に合っているとみられる。しかし、吸着法による最大到達純度は約95%であり、空気中に存在する0.934モル%アルゴンの分離は100%アルゴンを得るのに制限的なファクターである。さらに、空気から酸素の吸着に基づく製造は200トン/日より多い製造レベルのための空気の低音分別に経済的に競争し得ない。
【0005】
アルゴンガスは不活性雰囲気を創り出すための不活性ガスとして産業において主に使用されている。アルゴンもしくはアルゴン−水素混合物は高純度鉄の製造に使用されている。さらに、アルゴンは金属の溶接、切断、およびスプレーに使用され、溶接法によりその希ガスが高純度で、混合物として、もしくは酸素、水素もしくは二酸化炭素と一緒に用いられる。アルゴン/アルゴン−水素混合物(>5%水素)はプラズマ溶接の保護ガスとして用いられる。アルゴンには多くの潜在的な用途があり、この研究は将来、アルゴンの消費増加をもたらすであろう。
【0006】
吸着分離法で使用される吸着剤については、2つの重要な特性、すなわちその潜在能力を評価するのに考慮されるべき、吸着能および選択率がある。吸着剤の吸着能は吸着剤容量もしくは重量により規定される。所望の成分に対する吸着剤の能力が高ければ高いほど、特定濃度の混合物から特定量の1つの成分を分離するのに要求される増加した吸着として、吸着剤は良好となる。特定の吸着法において、吸着剤量の減少は分離プロセスのコストの低減をもたらす。残りの成分に対する1つの成分の吸着選択率は所与の圧力および温度で吸着されたガス量の比として算出される。1つの成分の吸着選択率は、立体効果、すなわちガス混合物の成分の吸着等温線がかなり異なるとき;動力学効果、すなわち成分が実質的に異なる吸着速度を有するとき、から生じる。
【0007】
酸素および窒素製造のための吸着は広く用いられており、膨大な研究努力がもっと高い吸着能および選択率に吸着プロセスを改良するのに向けられている。混合物中に存在する残りの成分よりも混合物中の1つ以上の成分を強く吸着することにより、吸着剤は分離に影響を及ぼす。吸着プロセスに含まれる種々の相互作用力は、ファンデルワールス相互作用、酸−塩基相互作用、水素結合、静電気、キレート化、および包接である。したがって、吸着剤は吸着能および選択率を改良するために吸着剤と吸着物質分子の間の相互作用を向上させるように適切に修飾される。分子の大きさの細孔を有する結晶性無機多孔質材料であるゼオライトは吸着分離に大いに使用されている。ゼオライトの特別な骨格カチオンはかなり可動的であるので、ゼオライトにおけるカチオン交換はゼオライト吸着物質相互作用を向上させるために適切なサイズおよび電荷のカチオンで表面修飾する、もっとも一般的に使用される方法である。ゼオライトについて実施された吸着剤開発の研究に関する文献は、ほとんどの報告された研究は特別な骨格カチオンとしてアルカリおよびアルカリ土類カチオンに限られることを示す。2価より大きいカチオンを有するゼオライトでの、窒素、酸素およびアルゴンの吸着は報告が少ない。3価カチオンはもっと高い電荷密度を有するので、これらのカチオンが窒素分子に接近しうる部位に存在すれば、窒素分子ともっと大きな静電相互作用を有することになる。
【0008】
空気からの酸素、窒素およびアルゴンの分離、除去もしくは濃縮の主たる特性は、空気である出発原料に対してコストが通常かからないことである。製造されもしくは除去される、所望のガスのコストは、本質的に次の他のファクターに依存する。
(a)ガスを分離もしくは濃縮するために必要な装置のコスト、
(b)装置を運転するために必要なエネルギーのコスト、ならびに
(c)高純度ガスが要求されるとき、考慮に入れなければならない付加的精製工程のコスト。
【0009】
上記のファクターを考慮して、種々の経済的に有利なプロセスがこれまでに提案されてきた。たとえば、これらは、ガスが液体酸素(−182.9℃)および液体窒素(−195.8℃)の間の沸点の差を用いて、酸素もしくは窒素を分離するために低温で液化されるプロセスを含む。使用される装置は、この手順に基づいて大量の酸素もしくは窒素を製造するのに適している。このプロセスの不利な点は、大量の電力を必要とすること、大規模装置が特定の場所に必要であり、移動性に乏しいこと、プラントの運転開始および停止に時間を要することである。この20年間、空気から酸素、窒素吸着剤および膜に基づく分離法が潜在的代替法として出現した。
【0010】
膜システムは、空気から酸素および窒素の分離に用いられてきた。Hayesらの米国特許第5,091,216号明細書(1992);Haasらの米国特許第5,004,482号明細書(1991)および
Katz らの米国特許出願第203862号(2002)は重合型膜を用いる、空気からの酸素および窒素の分離を開示する。膜に基づくシステムは非常な高圧下で作用する。この方法の主な難点は薄いポリマー膜が弱すぎて分離に要求される高いガス差圧に耐えられず、製品ガスの純度は約50%にすぎないことである。
【0011】
先行技術において、酸素およびアルゴンとの混合物から窒素に選択的な吸着剤は、Reiss の米国特許第5,114,440号明細書(1992)、Coe らの米国特許第4,481,018号明細書(1984)、Sircar らの米国特許第4,557,736号明細書(1985)、Chao; Chien-Chung の米国特許第4,859,217号明細書(1989)、Coe らの米国特許第5,152,813号明細書(1992)、Chao; Chien-Chungの米国特許第5,174,979号明細書(1992)、 Chao; Chien-Chungの米国特許第5,454,857号明細書(1995)、 Fitchらの米国特許第5,464,467号明細書(1995)、 Chao; Chien-Chungの米国特許第5,698,013号明細書(1997)、Ogawaらの米国特許第5,868,818号明細書(1999)、Choudaryらの米国特許第6,030,916号明細書(2000)、Chao; Chien-Chung, Gerhard の米国特許第4,964,889号明細書(1990)、Coe らの米国特許第4,943,304号明細書(1990)、およびJain らの米国特許第6,231,644号明細書(2001)、に報告されており、そこではA型ゼオライト、フォージャサイト、クリノプチロライト、チャバザイトおよびモノリスが、それぞれ使用されている。吸着能および選択率を向上しようとする努力は、アルカリおよび/またはアルカリ土類金属カチオンで特別な骨格カチオンを交換し、ゼオライトの特別な骨格カチオン数を増加させることにより報告されている。さらに、窒素に対する吸着選択率は、フォージャサイト型ゼオライトにおいて、リチウムおよび/またはカルシウムのようなカチオンでゼオライトを交換することにより実質的に向上されている。これらの吸着剤は空気から選択的に窒素を除去することにより酸素を分離もしくは濃縮する方法に使用されている。これらの吸着剤の難点は、吸着プロセスによる最大到達酸素純度が約95%であり、空気中に0.934モル%存在するアルゴンの分離が、100%の酸素純度を達成するために制約ファクターである。さらに、これらの吸着剤は非常に湿分に敏感であり、その吸着能および選択率は湿分の存在で劣化する。
【0012】
Izumiらの米国特許第4,453,952号明細書(1984)は、KおよびFe(II)でゼオライトAのNaカチオンを置換することによる酸素選択性吸着剤の製造を開示する。その吸着剤は低温でのみ酸素選択性を示し、その製造は金属イオンの水溶性塩を用いて約80℃で実施される鉄交換を要求し、ついでカリウムで置換される。この発明の難点は、ゼオライトにおけるカリウム交換が吸着剤の熱的および水熱的安定性を低下させることである。
【0013】
Munznerらの米国特許第3,979,330号明細書は、分子ふるいを含む炭素の製造を開示し、5%までの揮発分含むコークスが600〜900℃で処理され、炭素が分解される。分解炭素はコークスの炭素骨格内に堆積され、現存細孔を狭くする。この方法の難点は炭素骨格への堆積が不均一であり、非常にエネルギー集約的プロセスであることである。
【0014】
Ohsakiらの米国特許第4,742,040号明細書は、バインダーとして少量の石炭を含む木炭粉末をペレット化し、炭化し、鉱酸溶液で洗浄して可溶成分を除去し、特定量のクレオソートもしくは他の芳香族化合物を添加し、950〜1000℃に加熱し、ついで不活性ガス中で冷却することにより、増加した吸着能および選択率を有する炭素分子ふるいの製法を開示する。この方法の難点は、エネルギー集約的であり、めんどうであり、しかも有機化合物は高価であることである。
【0015】
Knoblauchらの米国特許第4,880,765号明細書は、多段振動炉内で不活性ガスおよび水蒸気で炭素製品を処理し、ついで高温でベンゼンで処理して、それにより狭い現存細孔にすることにより、均一な品質と良好な分離特性を持つ炭素分子ふるいを製造する方法を開示する。炭素分子ふるいの製造は、全体的に再現可能な炭素分子ふるいを得るために各工程で最大の注意を必要とする多段階プロセスである。さらに、このプロセスは非常に高温プロセスであり、比較的高い製品コストをもたらす。
【0016】
Sharmaらの米国特許第5,081,097号明細書(1992)は、空気からの選択的な酸素除去のための銅修飾炭素分子ふるいを開示する。そのふるいは銅含有材料と多官能アルコールの混合物の熱分解により、吸着剤前駆体を形成することにより調製される。ついで、その吸着剤前駆体は、加熱され、還元されて銅修飾炭素分子ふるいを生成する。熱分解は、高温プロセスであり、吸着剤製造の全体プロセスをエネルギー集約的プロセスにする。
【0017】
Choudaryらの米国特許第6,087,289号明細書(2000)は、ガス混合物からの酸素の選択的吸着のための、セリウムカチオンを含むゼオライト系吸着剤の製造法を開示する。ゼオライトへのセリウム交換は還流条件下で実施され、約80℃で4〜8時間、セリウム塩の水性溶液を用いて、イオン交換プロセスを数回繰り返し、そしてガスの分離は非常に低圧範囲でガスクロマトグラフィーにより検討された。この吸着剤の主な難点は低圧領域でのみ得られる酸素選択性である。さらに、吸着は限られた範囲でガスクロマトグラフィーによってのみ検討された。したがって、もっと高い圧力範囲での吸着データは得られなかった。
【0018】
もう1つのアプローチにおいて、化学蒸着法が、ケイ素アルコキシドの蒸着によりゼオライトの細孔開口サイズを調節するために用いられた(M.Niwa et al., JCS Farady Trans. I, 1984,80,3135-3145; M.Niwa et al.,J.Phys.Chem.,1986,90,6233-6237; Chemistry Letters, 1989,441-442; M.Niwa et al.,Ind.Eng.Chem.Res.,1991,30,38−42;D.Ohayon et al.,Applied Catalysis A−General,2001,217,241−251)。化学蒸着はガラス反応器中で必要量のゼオライトを用いて実施され、そこでは窒素流のような不活性ガス下にその場で450℃で熱的に活性化される。ケイ素アルコキシドの蒸気は不活性ガス流に絶えず注入され、ゼオライト表面にその蒸気を運び、アルコキシドはゼオライトのシラノール基と化学的に反応する。所定量のアルコキシドがゼオライト上に蒸着されると、試料が空気中で4〜6時間、550℃に加熱され、その後、室温に冷却され、吸着に用いられる。この方法の大きな難点は、(i)アルコキシドの不均一なコーティングを導く化学蒸着法は不均一な細孔開口閉鎖をもたらし、(ii)プロセスは高められた温度で実施されなければならず、アルコキシドは蒸発されやすい。
【0019】
Blighらの米国特許第4,239,509号明細書(1980)は、アルゴン、酸素および窒素を含む粗アルゴンの精製方法を開示し、粗アルゴン中の窒素量を痕跡量〜0.15%(容量)まで減少させること、ならびに残留酸素およびアルゴンを残留窒素とともに4A分子ふるいを通過させて酸素とアルゴンを分離すること、を含む。すべての残留酸素および窒素は、完全に−250°F以下で、大量の4A分子ふるいを通過させる必要がある。このプロセスの不利な点は、吸着プロセスが−157℃(−250°F)の温度で実施されたこと、そして装置の配置は非常に低温での分離のために複雑であり、経済的に許容されないことである。
【0020】
Kumarらの米国特許第4,447,265号明細書(1984)は、真空スイング吸着(VSA)法により、アルゴンが酸素および窒素との混合物においてアルゴンを含むガス流から回収されることが開示され、そこでは混合ガスは窒素吸着に熱動力学的選択性を持つ吸着剤床を通過し、そして未吸着部分は酸素を保持する動力学的選択性を持つ第2吸着剤床を通過する。両方の吸着剤床は真空脱着により再生され、第2吸着剤床よりも長期間、第1吸着剤床に用いられる。VSAユニットに供給される混合ガス流は低温空気分離プラントに結合した粗アルゴンカラムから得られるものであってもよく、VSAユニットからの廃ガスは低温空気分離プラントの主カラムに循環され得、アルゴン回収が向上する。このプロセスの不利な点は、吸着剤の再生がもっと多くのアルゴン回収のためには時間を要するプロセスであり、そうでないと回収は少ない。
【0021】
Hayashiらの米国特許第4,529,412号明細書(1985)は、圧力スイング吸着により空気から高純度アルゴンを得る方法を開示する。空気は最初にゼオライト分子ふるい充填吸着装置を通過し、ついで再度炭素分子ふるい充填吸着装置を通過し、ついで圧力スイング吸着に操作に供され、濃縮アルゴンと高純度酸素を同時に得る。このプロセスの難点は吸着床が必要であり、プロセスは比較的長時間を要することである。さらに、そのプロセスにおいて、2つの床が製造に要求され、それにより製造コストが増加する。
【0022】
Agrawalらの米国特許第4,817,392号明細書(1989)は、アルゴンおよび酸素を含むガス混合物から酸素リーンアルゴン流の製造および回収する方法を開示する。アルゴン含有ガス混合物は最初に低温分離ユニットで処理され、アルゴン濃度80〜98%の粗アルゴン流を製造する。ついで粗アルゴン流は膜系分離ユニットを通過し、酸素リーンアルゴン流と酸素リッチ流を分離、生成する。酸素リッチ流は低温分離ユニットに循環され、そして酸素リーンアルゴン流は製品として回収され、さらに生成される。このプロセスの不利な点は、膜系分離を必要とすることであり、それにより製造コストが増大する。
【0023】
Prasadらの米国特許第5,557,951号明細書(1996)は、アルゴン含有流から高純度製品グレードアルゴンを製造する装置を開示し、固体電解質イオンもしくは混合伝導膜とともに低温アルゴンカラムを用いる。このプロセスの不利な点は、アルゴン回収は2つのプロセスにより達成されうることであり、1つは低温分離、残りは膜分離であり、それにより製造コストが増大する。
【0024】
Chenらの米国特許RE第34,595号明細書(1994)は、アルゴンガス、特に空気を低温分離することにより得られるアルゴンガス流、を生成する方法を開示し、そこではアルゴンガスは加熱、圧縮され、ついでガスの他成分に対して酸素透過に選択的な固体電解質膜により透過され、そして膜による酸素の選択的透過でアルゴンから酸素を除去する。ついで、生成されたアルゴンは窒素のような他の成分を除去するために蒸留され得る。プロセスは精製アルゴン流を製造するために用意され、酸素および窒素は、特に空気の低温、吸着もしくは膜分離により製造された、粗バルクアルゴン流から除去される。その方法は、窒素および酸素を含む、加熱され、圧縮された粗アルゴン流を、酸素透過に選択的な固体電解質膜を通過させて、酸素透過流と酸素低減アルゴン流に分離することを含む。ついで、酸素低減アルゴン流は蒸留カラムに供給され、酸素低減アルゴン流から窒素を分離し、精製アルゴン流と窒素排ガス系を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の主たる目的は、空気から酸素を選択的に吸着するための分子ふるい吸着剤の製造法を提供し、上述の難点を解消することを目的とする。
【0026】
さらに本発明のもう1つの目的は、酸素選択性ゼオライト系吸着剤を提供することである。
【0027】
本発明のなおもう1つの目的は、ゼオライトXにおいて、希土類カチオン、特にセリウム、ユーロピウムおよびガドリニウムを置換することにより製造される吸着剤を提供することである。
【0028】
本発明のもう1つの目的は、ゼオライトXの合成後の簡単な修飾により酸素吸着性吸着剤を提供することである。
【0029】
本発明のなおもう1つの目的は、平衡吸着圧力を調節することにより酸素の脱着により再生しうる吸着剤を提供することである。
【0030】
本発明のもう1つの目的は、高選択率でアルゴンに対して酸素に向けて選択的であり、アルゴンの分離および精製に商業的に適しうる吸着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
粉末もしくはペレット形態のナトリウムゼオライトXをセリウム、ユーロピウムおよびガドリニウムのような希土類カチオンの水性溶液で高められた温度で置換することにより、空気から酸素の選択的吸着用の分子ふるい吸着剤を製造する方法を提供する。全交換性ナトリウムカチオンの20〜95%希土類カチオンを含む乾燥ゼオライトXは、高温および真空での活性化後に、Micromeritics Corporation USA により供給された吸着装置の静的容量システム(Model ASAP 2010)を用いて、酸素、窒素およびアルゴンについての吸着研究に供された。酸素、窒素およびアルゴンに対する希土類交換ゼオライトの吸着能および選択率が15℃で0.5〜760mmHgの圧力範囲で測定された。これらのデータから、吸着等温線がプロットされ、ガスの純成分選択率が算出された。本発明は窒素およびアルゴンに対して酸素選択性を有するゼオライト吸着剤の製造法を提供する。
【0032】
したがって、本発明は空気から酸素を選択的に吸着するための分子ふるい吸着剤の製造方法を提供するものであり、その方法は、
(i)セリウム、ユーロピウム、ガドリニウムおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる希土類金属の水溶性塩で、粉末もしくはペレット形態のゼオライトXを交換すること;
(ii)混合物をろ過し、熱蒸留水で粉末もしくはペレットをアニオンがなくなるまで洗浄し、交換されたゼオライトを得ること;
(iii )その交換されたゼオライトを乾燥すること;ならびに
(iv)その交換されたゼオライトを活性化すること、
を含む、分子ふるい吸着剤の製造方法。
【0033】
本発明の1態様において、100%の結晶化度を有する粉末形態もしくは球状ペレット形態のゼオライトXが、表面修飾分子ふるい吸着剤の製造に使用され得る。
【0034】
本発明のもう1つの態様において、ゼオライトのNaカチオンは塩化物、硝酸塩および酢酸塩から選ばれる、10〜100当量%の希土類金属(セリウム、ユーロピウム、ガドリニウム)の水溶性塩で交換される。
【0035】
本発明のなおもう1つの態様において、カチオン交換は30℃〜90℃の範囲の温度で、4〜8時間の範囲の時間、実施され得る。
【0036】
本発明のなおもう1つの態様において、カチオン交換は0.01〜0.1M溶液の範囲のカチオン濃度で実施され得る。
【0037】
本発明のなおもう1つの態様において、交換されたゼオライトは、20℃〜80℃の範囲の温度で、空気中もしくは真空下に乾燥され得る。
【0038】
本発明のなおもう1つの態様において、交換されたゼオライトは、350℃〜450℃の範囲の温度で、3〜6時間の範囲の時間、活性化され、ついで不活性雰囲気もしくは真空下に冷却され得る。
【発明の効果】
【0039】
1.ゼオライトXの修飾により製造される吸着剤は窒素、アルゴンに対して酸素選択性を示す。
2.希土類カチオンの水溶液での簡単な交換が吸着剤の製造に用いられる。
3.その交換は80℃、大気圧下で実施される。
4.吸着剤は取り扱いが極めて容易である。
5.吸着剤は検討された低圧範囲で約8の酸素/アルゴン選択率を示す。
6.吸着剤は酸素およびアルゴンの商業的な分離および精製を窒素との混合物から行なうのに有用である。
7.吸着剤は酸素、窒素およびアルゴンのクロマトグラフィー分離に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明は窒素およびアルゴンに対して酸素吸着選択性を有する、酸素選択性吸着剤の製造方法を提供する。さらに、この吸着剤はヘンリー領域で測定される熱吸着値から観察されるように、窒素およびアルゴンと比べて酸素との比較的高い相互作用を示す。
【0041】
ミクロポーラス結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライトは密接に関連した分子特性を有する化合物の混合物を分離する吸着剤として用途が増大している。
【0042】
ゼオライトを分離のために魅力的にする属性は、異常に高い熱および水熱安定性、均一な細孔構造、容易な細孔開口修飾、および低吸着物質圧力におけるかなりの吸着能力、を含む。さらに、ゼオライトは比較的温和な水熱条件下で合成して製造され得る。
【0043】
ゼオライトNaX粉末およびペレット[Na86 (AlO) 86 (SiO) 106wHO]が出発原料として使用された。X線回折データは、その出発原料が高度に結晶性であることを示した。既知量のゼオライトNaX粉末およびペレット[Na86 (AlO) 86 (SiO) 106wHO]が、希土類溶液に対するゼオライトX(粉末もしくはペレット)の比が1:80となるように、2L丸底フラスコに入れられた、0.01M希土類(CE,EuおよびGd)酢酸塩および塩化物とともに80〜120℃で、4時間、還流された。異なる量の希土類を有するゼオライト試料が、繰り返しの希土類カチオン置換をゼオライトに供することにより製造された。ゼオライト試料は還流後にろ過され、AgNO溶液により試験して塩化物がなくなるまで蒸留水で洗浄された。酢酸塩の場合には、水なしの付加洗浄がなされた(60℃)。ゼオライトXへの希土類交換の程度は最初の溶液およびろ液における希土類カチオンの濃度から決定された。希土類カチオンは酢酸ナトリウム緩衝液を用いてpH6で、キシレノールオレンジ四ナトリウム塩指示薬とともに0.01M EDTAを用いて分析された。
【0044】
15℃における酸素、窒素およびアルゴン吸着は、例に記載されるように、真空下、350℃〜450℃で4加羅時間、試料を活性化した後に、静的容量システム(米国Micromeritics、ASAP 2010)を用いて測定された。吸着物質ガスの添加は、100〜760mmHgの範囲の所定圧力を得るのに要求される量でなされた。最小平衡間隔5秒が用いられ、各測定点で平衡が測定された。
【0045】
残りのガス(AおよびB)に対する1種類のガスの純成分選択性は式αA/B=[VA/VB]P,T
により測定され、ここでVAおよびVBは平衡圧力pおよび温度Tで吸着されたガスAおよびBの容積である。
【0046】
ゼオライト試料の構造分析はX線回折によりなされ、ゼオライトの結晶性が2θ値6、10、11.8、15.5、20、23.4、26.8、30.5、31、32、および33.8の特徴的ピークの強度から測定された。X線粉末回折はXRR900反応チャンバを備えたPHILIPS X’pert MPD システムを用いて測定された。
【0047】
本発明に含まれる重要な進歩性は、(i)ランタニド水溶液で交換することにより、そしてカチオン交換に加えてセリウム/ユーロピウム/ガドリニウムの非化学量論的酸化物を形成することにより、ゼオライトキャビティ内に酸素選択性種を形成した、分子ふるい吸着剤、(ii)そのプロセスは従来のカチオン交換に加えて、新規な吸着剤を開発するためにゼオライトのミクロポアに吸着物質である特定の金属酸化物を導入する新規な方法を提供することにある、ことである。セリウムおよびユーロピウムのような、これらの希土類の非化学量論的酸化物は可逆的に酸素と反応し得、化学吸着に補助された吸着として作用する酸化状態を可逆的に変化させる。観察される高熱吸着値は酸素原子との化学吸着型相互作用であることを示す。
【0048】
触媒の吸着能は、15℃で、0.5〜800mmHgの圧力範囲で、交換ゼオライト上で純度99.9%の窒素、酸素、およびアルゴンガスを吸着させることにより評価、確認され、ついで15℃で、100〜760mmHgの圧力で、吸着選択率が算出された。
【実施例】
【0049】
以下の例は例示のために挙げられ、したがって本発明の範囲を制限しようとするものではない。
例1
1.0gのゼオライトNaXペレット[(NaO)86 (AlO) 86 (SiO) 106・wHO]が、350℃の温度で、10−3mmHgの真空下、活性化され、吸着測定が静的容量システム(米国Micromeritics、ASAP 2010C)を用いて純度99.9%の窒素、酸素、およびアルゴンについて、15℃で測定された。760mmHgの圧力で、平衡間隔は5秒間であった。窒素、酸素、およびアルゴンの吸着能は、温度15℃、圧力760mmHgで、それぞれ9.74cc/g, 3.31cc/g および3.29cc/gであった。酸素に対する窒素の選択率は2.9;アルゴンに対する窒素の選択率は2.96;そしてアルゴンに対する酸素の選択率は1.0であった(温度15℃、圧力760mmHg)。
例2
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.301M酢酸セリウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの25%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.17gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、2.4cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は1.0、酸素に対する窒素の選択率は3.3、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は3.3であった(圧力100mmHg)。
例3
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M酢酸セリウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの84%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は1.4gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、3.7cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は8.0、酸素に対する窒素の選択率は0.4、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は3.5であった(圧力100mmHg)。
例4
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M塩化セリウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、塩化物イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの28%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.58gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。アルゴンに対する酸素の選択率は3.0、酸素に対する窒素の選択率は1.3、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は4.0であった(圧力100mmHg)。
例5
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M塩化セリウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、塩化物イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの93%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.53gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、3.1cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は3.5、酸素に対する窒素の選択率は1.4、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は5.0であった(圧力100mmHg)。
例6
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.014M酢酸セリウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの74%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.13gであった。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、4.6cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は4.0、酸素に対する窒素の選択率は1.1、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は4.2であった(圧力100mmHg)。
例7
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M酢酸セリウム溶液(比1:80)で交換され、50℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの20%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.22gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、2.2cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は1.5、酸素に対する窒素の選択率は2.2、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は3.2であった(圧力100mmHg)。
例8
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.1M酢酸セリウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のセリウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの30%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.15gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、3.2cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は2.0、酸素に対する窒素の選択率は2.4、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は3.8であった(圧力100mmHg)。
例9
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M酢酸ユーロピウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のユーロピウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの52%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.59gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、2.3cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は1.7、酸素に対する窒素の選択率は1.1、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は2.7であった(圧力100mmHg)。
例10
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M酢酸ユーロピウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のユーロピウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの67%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.52gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、2.6cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は2.3、酸素に対する窒素の選択率は1.3、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は3.1であった(圧力100mmHg)。
例11
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M酢酸ガドリニウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のガドリニウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの82%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に35℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.59gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、3.2cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は4.0、酸素に対する窒素の選択率は1.3、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は5.0であった(圧力100mmHg)。
例12
25.0gの分子ふるいNaXペレットが0.01M酢酸ガドリニウム溶液(比1:80)で交換され、80℃で4時間還流された。熱溶液がろ過され、酢酸イオンがなくなるまで熱蒸留水で洗浄され、ついで空気中で室温(28℃)で乾燥された。乾燥ゼオライト中のガドリニウム含量は全置換可能ナトリウムイオンの88%であった。このゼオライトは真空下(10−3mmHg)に350℃で活性化され、活性化後の試料の質量は0.66gであった。吸着測定は温度15℃、圧力760mmHgで実施された。酸素に対する吸着能は温度15℃、圧力760mmHgで、2.8cc/gであり、アルゴンに対する酸素の選択率は2.0、酸素に対する窒素の選択率は3.0、そしてアルゴンに対する窒素の選択率は6.0であった(圧力100mmHg)。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】ゼオライトXペレットについての窒素、アルゴンおよび酸素の吸着等温線。
【図2】セリウム置換ゼオライトXペレットについての窒素、アルゴンおよび酸素の吸着等温線。
【図3】ユーロピピウム置換ゼオライトXペレットについての窒素、アルゴンおよび酸素の吸着等温線。
【図4】ガドリニウム置換ゼオライトXペレットについての窒素、アルゴンおよび酸素の吸着等温線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気から酸素を選択的に吸着するための分子ふるい吸着剤の製造方法であり、その方法は、
(i)セリウム、ユーロピウム、ガドリニウムおよびそれらの混合物からなる群より選ばれる希土類金属の水溶性塩でゼオライトXを交換すること;
(ii)混合物をろ過し、熱蒸留水で粉末もしくはペレットをアニオンがなくなるまで洗浄し、交換されたゼオライトを得ること;
(iii )その交換されたゼオライトを乾燥すること;ならびに
(iv)その交換されたゼオライトを活性化すること、
を含む、分子ふるい吸着剤の製造方法。
【請求項2】
ゼオライトXが100%の結晶化度を有する粉末形態もしくはペレット形態で使用される請求項1記載の方法。
【請求項3】
ゼオライトのNaカチオンが塩化物、硝酸塩および酢酸塩から選ばれる希土類金属の塩で交換される請求項1記載の方法。
【請求項4】
カチオン交換が30℃〜90℃の範囲の温度で、4〜8時間の範囲の時間、実施される請求項1記載の方法。
【請求項5】
カチオン交換が0.01〜0.1M溶液の範囲のカチオン濃度で実施される請求項1記載の方法。
【請求項6】
交換されたゼオライトが、20℃〜80℃の範囲の温度で、空気中もしくは真空下に乾燥される請求項1記載の方法。
【請求項7】
交換されたゼオライトが、350℃〜450℃の範囲の温度で、3〜6時間の範囲の時間、活性化され、ついで不活性雰囲気もしくは真空下に冷却される請求項1記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−512119(P2007−512119A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537560(P2006−537560)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/IN2004/000280
【国際公開番号】WO2005/039755
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(595059872)カウンシル オブ サイエンティフィク アンド インダストリアル リサーチ (81)
【Fターム(参考)】