説明

空気差圧デバイスのためのシステム、方法、および装置

本明細書には、空気差圧システムの種々の実施形態および空気差圧システムのための構成要素が記載される。空気差圧システムは、ユーザの身体の少なくとも一部を受容するためのチャンバを備える。チャンバ内の圧力を変更し、ユーザの身体にかかる力を調節可能である。本明細書には、ユーザを加圧可能チャンバ内に密封するための種々の方法および関連構造が記載される。また、本明細書には、チャンバの形状および/または高さを変更するための種々の方法および関連構造が記載される。本明細書には、チャンバの種々の種類および構成ならびにチャンバのための支持構造が記載される。また、本明細書には、空気差圧システムを使用して、肥満、心疾患、多発性硬化症、脳性麻痺、またはダウン症候群を含むが、それらに限定されない、種々の病態を治療するための種々の方法および関連システムが記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、対応する米国仮特許出願第60/999,102号(名称「ADJUSTABLE SUPPORTFOR A DIFFERENTIAL AIR PRESSURE DEVICE」、2007年月10日15出願)、対応する米国仮特許出願第60/999,101号(名称「ADJUSTABLE ORIFICE FOR A DIFFERENTIAL AIR PRESURE DEVICE」、2007年10月15日出願)、対応する米国仮特許出願第60/999,061号(名称「METHOD FOR DETERMINING UNLOADING SETTINGS IN A DIFFERENTIAL AIR PRESSURE DEVICE VIA PAIN TITRATION」、2007年10月15日出願)、および対応する米国仮特許出願第60/999,060号(名称「METHOD FOR APPLYING A DIFFERENTIAL AIR PRESSURE DEVICE IN THE FIELD OF PEDIATRICS,OBESITY,AND CARDIAC DISEASE」、2007年10月15日出願)の優先権を主張し、これらの出願の各々は、その全体が本明細書に参考として援用される。本願は、また、本願と同時に出願された米国特許出願第 / , 号(名称「SYSTEMS,METHODS AND APPARATUS FOR CALIBRATING DIFFERENTIAL AIR PRESSURE DEVICES」、代理人整理番号No.8038.P006)と関連し、この出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、空気差圧デバイスに関する。より具体的には、本発明は、空気差圧デバイスのためのシステム、方法、および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
重力は、身体上に力をもたらす。これらの力に対抗する方法が、治療ならびに身体トレーニング用途のために考案されている。身体にかかる重力の影響に対抗するための方法の1つは、腰および/または肩にゴム紐を取着し、個人に正または負の垂直力をもたらすことである。
【0004】
他のシステムは、例えば、特許文献1に記載されており、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれるように、空気差圧を使用して、低重力影響をシミュレートする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開第2007/0181121号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
療法および/または身体トレーニングの用途に対して使用される改良型空気差圧システムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書には、空気差圧システムの種々の実施形態が記載される。空気差圧システムは、ユーザの身体の少なくとも一部を受容するためのチャンバを備える。チャンバ内の圧力は、ユーザの身体にかかる力を調節するために変更可能である。本明細書には、ユーザを加圧可能チャンバ内に密封するための種々の方法および関連構造が記載される。また、本明細書には、チャンバの形状および/または高さを変更するための種々の方法および関連構造が記載される。本明細書には、チャンバの種々の種類および構成が記載される。また、本明細書には、肥満、心疾患、多発性硬化症、脳性麻痺、またはダウン症候群を含むが、それらに限定されない、空気差圧システムを使用して、種々の病態を治療するための種々の方法および関連システムが記載される。
【0008】
空気差圧システム内にユーザの身体の一部を封入および密封するための構造が記載される。いくつかの変形例では、構造は、チャンバと、チャンバに連結されるユーザシールと、を備える。これらの変形例では、ユーザの身体の少なくとも一部が、チャンバ内に密封されるように、ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である調節可能な開口部を備える。非ゼロ差圧をチャンバ内に維持可能なように、十分に気密性の接合が、ユーザの身体とチャンバとの間に形成される。ユーザシール内の調節可能開口部は、一定範囲のユーザ身体サイズに対応可能であってもよい。いくつかの変形例では、ユーザシールは、ユーザシールの周縁の周囲において、円周方向に分布する複数の拡張スリットを備え、拡張スリットのうちの1つ以上は、ユーザシール内の開口部のサイズを調節するために、ユーザによって、選択的に開閉可能である。
【0009】
いくつかの変形例では、空気差圧システム内での使用のために構成されるユーザシールは、ユーザが、空気差圧システムの圧力チャンバに対して、その身体を回転することを許容するように構成される。これらの変形例では、ユーザの身体の少なくとも一部が、チャンバ内に密封され、十分に気密性の接合が、ユーザの身体とチャンバとの間に形成され、非ゼロ差圧をチャンバ内に維持可能なように、ユーザシールは、チャンバに連結され、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える。ユーザシールは、ユーザが、圧力チャンバに対して、その身体を回転することを許容する一方で、ユーザの身体とチャンバとの間に十分に気密性の接合を維持するように構成される。いくつかの変形例では、ユーザの回転を許容するユーザシールは、チャンバに連結される外側構造と、ユーザの身体の周囲を密封するように構成される、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える、内側構造と、を備え、内側構造は、外側構造と嵌合するように構成され、内側構造は、外側構造の回転軸を中心として、外側構造に対して回転するように構成される。
【0010】
本明細書では、ユーザシールのさらなる変形例が記載される。ユーザシールが、チャンバ内の圧力変動に伴って、ユーザの身体に沿って、比較的安定した垂直位置を維持するように、いくつかのユーザシールは、ユーザの身体に係留されるように構成される。これらの変形例では、ユーザシールは、空気差圧システムのチャンバに連結されるように構成される。ユーザの身体の少なくとも一部が、チャンバ内に密封されるように、ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える。非ゼロ差圧をチャンバ内に維持可能なように、十分に気密性の接合が、ユーザの身体とチャンバとの間に形成される。いくつかの変形例では、ユーザシールは、ユーザの身体に係留される身体用巻装体を備える。身体用巻装体は、複数のフラップを備えてもよい。フラップは、ユーザの1つ以上の身体部位の周囲に巻装され、身体用巻装体とユーザの身体との間に握着を提供するように固着されてもよい。
【0011】
本明細書では、ユーザシールのさらなる変形例が記載される。いくつかの変形例では、ユーザシールは、ユーザが、空気差圧システム内のチャンバの軸に沿って、平行移動可能なように構成されてもよい。これらの変形例では、ユーザの身体の少なくとも一部が、チャンバ内に密封されるように、ユーザシールは、差圧システムのチャンバに連結されるように構成され、ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える。非ゼロ差圧をチャンバ内に維持可能なように、十分に気密性の接合が、ユーザの身体とチャンバとの間に形成される。ユーザシールは、ユーザが、チャンバの軸に沿って、その身体を平行移動可能である一方、チャンバとユーザの身体との間に十分に気密性の接合を維持するように構成される。例えば、いくつかの変形例では、ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える第1の区画と、チャンバに連結される第2の区画と、を備えてもよい。第1および第2の区画は、その間に接合を形成するように摺動可能に連結される。ユーザの身体の少なくとも一部が、チャンバ内に密封され、非ゼロ差圧をチャンバ内に維持可能であって、第1の区画が、第2の区画に対して平行移動可能であって、ユーザが、チャンバの軸に沿って、平行移動可能である一方、チャンバ内の非ゼロ差圧を実質的に維持するように、十分に気密性の接合が、ユーザの身体と第1の区画との間、第1の区画と第2の区画との間、第2の区画とチャンバとの間に形成される。
【0012】
本明細書では、ユーザシールのさらなる変形例が提供される。いくつかの変形例では、ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える下方区画と、下方区画の上面上に配置され、下方区画とその間に接合を形成する上方区画と、を備える。上方区画は、チャンバに連結可能である。ユーザの身体の少なくとも一部が、チャンバ内に密封され、非ゼロ差圧をチャンバ内に維持可能なように、十分に気密性の接合が、ユーザの身体と下方区画との間、上方区画と下方区画との間、上方区画とチャンバとの間に形成される。
【0013】
本明細書では、空気差圧システム内で使用するための加圧可能チャンバの変形例が記載される。いくつかの変形例では、加圧可能チャンバは、可撓性材料から形成される膨張可能封入体と、膨張可能封入体に連結可能な調節可能フレームと、を備える。調節可能フレームは、その膨張状態にある封入体の幅および高さのうちの少なくとも1つを制御し、ユーザその下半身が加圧可能チャンバ内に密封され、その上半身が加圧可能チャンバの外側にある、ユーザの腕および/または脚の動作への膨張封入体の干渉を低減する。いくつかの変形例では、調節可能フレームは、ユーザの腕および/または脚の動作に対応する少なくとも1つの輪郭形成区画を備える。いくつかの変形例では、調節可能フレームは、可変長を有する少なくとも1つの伸縮部材を備え、少なくとも1つの伸縮部材の長さは、フレームの寸法を調節するために変更される。
【0014】
本明細書では、空気差圧システム内で使用するためチャンバのさらなる変形例が記載される。いくつかの変形例では、加圧可能チャンバは、膨張可能封入体と、封入体の周囲に配置される高さ調節可能フレームと、を備え、高さ調節可能フレームは、つまずきまたは転倒の際、ユーザの体重を支持可能である。高さ調節可能フレームは、後方垂直支持部と、前方垂直支持部とを備えることが可能である。後方および前方垂直支持部のうちの少なくとも1つは、後方垂直支持部と前方垂直支持部との間に延在し、フレームの高さを調節するフレームの縦方向横断部材に係合するための高さ調節装置を備えることが可能である。いくつかの変形例では、高さ調節装置は、一連の垂直に配列されたスロットを備え、フレームの縦方向横断部材は、高さ調節装置のスロットのうちの1つ内に係合され、フレームの高さを調節する。
【0015】
本明細書では、空気差圧システム内で使用する治療方法が記載される。いくつかの変形例では、治療方法は、空気差圧システムのチャンバ内に差圧を生じさせるステップであって、チャンバは、ユーザの身体の少なくとも一部を受容し、チャンバ内の圧力を調節することによって、ユーザの身体にかかる力を調節するように構成される、ステップと、ユーザのために決定された病態関連測定基準に応答して、チャンバ内の圧力を調節するステップと、を備える。方法は、圧力の調節に関する病態関連測定基準の依存度に基づいて、ユーザのための空気差圧システムに対する初期設定を生成するステップをさらに備える。いくつかの変形例では、方法は、ユーザに対する初期設定に基づいて、病態に対する個別化された治療プロトコルを生成するステップを備える。方法は、肥満、心臓疾患、および筋骨格疾患を含むが、それらに限定されない、種々の健康状態を治療するために使用されてもよい。
【0016】
本明細書では、治療方法のさらなる変形例が記載される。いくつかの変形例では、本方法は、空気差圧システムのチャンバ内に差圧を生じさせるステップを備え、チャンバは、ユーザの身体の少なくとも一部を受容し、チャンバ内の圧力を調節することによって、ユーザの身体にかかる力を調節するように構成される。方法は、ユーザの病態に基づいて、空気差圧システムのための初期設定を予測するステップを備える。方法は、チャンバ内の圧力の関数として、ユーザによって経験される疼痛の指標を受信するステップと、1つ以上の圧力レベルにおける疼痛の指標を使用して、病態のための治療過程を設定または修正するステップと、をさらに備える。方法は、いくつかの変形例では、ユーザから疼痛の指標を直接受信するステップを備えてもよい一方、他の変形例では、方法は、ユーザの生物学的パラメータを感知する1つ以上のセンサから疼痛の指標を受信するステップを備えてもよい。方法は、例えば、急性傷害または慢性傷害を治療するために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、詳細な説明とともに、本発明の1つ以上の実施形態を図示し、限定ではなく、図示として、本発明の原理および実装を説明する役割を果たす。
【図1】図1は、一実施形態による、運動用に使用可能な空気差圧システムの実施例を概略的に図示するブロック図である。
【図2】図2は、別の実施形態による、運動用に使用可能な空気差圧システムの別の実施例を概略的に図示するブロック図である。
【図3】図3は、調節可能オリフィスの一実施形態を図示する。
【図4A】図4A−図4Bは、調節可能オリフィスの別の実施形態を図示する。
【図4B】図4A−図4Bは、調節可能オリフィスの別の実施形態を図示する。
【図5A】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5B】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5C】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5D】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5E】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5F】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5G】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5H】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5I】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5J】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5K】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図5L】図5A−図5Lは、調節可能オリフィスのさらなる実施形態を図示し、いくつかの変形例では、ユーザの身体への係留を提供してもよい。
【図6】図6は、ユーザショーツの一実施形態を図示する。
【図7A】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7B】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7C】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7D】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7E】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7F】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7G】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7H】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7I】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図7J】図7A−図7Jは、回転シールの種々の実施形態を図示する。
【図8】図8は、空気差圧システムのための種々の動作範囲を図示する。
【図9A】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図9B】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図9C】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図9D】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図9E】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図9F】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図9G】図9A−図9Gは、平行移動シールの種々の実施形態を図示する。
【図10A】図10A−図10Cは、ユーザの身体を把持し、十分に気密性のシールを生成する機構の種々の実施形態を図示する。
【図10B】図10A−図10Cは、ユーザの身体を把持し、十分に気密性のシールを生成する機構の種々の実施形態を図示する。
【図10C】図10A−図10Cは、ユーザの身体を把持し、十分に気密性のシールを生成する機構の種々の実施形態を図示する。
【図11】図11は、チャンバ開口部の高さを調節し、ユーザに安全な支持を提供するための対策を伴う、空気差圧システムの一実施形態を図示する。
【図12】図12は、空気差圧システムの高さ調節可能支持バーの一実施形態の斜視図である。
【図13】図13は、空気差圧システムの支持バーの一実施形態の側面図である。
【図14】図14は、空気差圧システムの支持バーの一実施形態の上面図である。
【図15A】図15Aは、空気差圧システムに支持バーを固着するための掛止機構の一実施形態の図である。
【図15B】図15Bは、空気差圧システムに支持バーを固着するための掛止機構の別の実施形態の図である。
【図16】図16は、空気差圧システムに連結される支持バーの実施例の斜視図である。
【図17】図17は、空気差圧システムのための高さ調節可能構造の一実施形態を図示する。
【図18】図18A−図18Dは、空気差圧システム内の高さ調節可能支持バーのための係止機構のさらなる実施形態を図示する。
【図19A】図19A−19Bは、空気差圧システム内で高さ調節を行なうための骨組強化外郭構造のさらなる実施形態を図示する。
【図19B】図19A−19Bは、空気差圧システム内で高さ調節を行なうための骨組強化外郭構造のさらなる実施形態を図示する。
【図20A】図20A−20Cは、空気差圧システム内で高さ調節を達成するための骨組強化布地外郭構造の他の実施形態を図示する。
【図20B】図20A−20Cは、空気差圧システム内で高さ調節を達成するための骨組強化布地外郭構造の他の実施形態を図示する。
【図20C】図20A−20Cは、空気差圧システム内で高さ調節を達成するための骨組強化布地外郭構造の他の実施形態を図示する。
【図21】図21は、空気差圧システム外郭構造内の高さ調節可能開口部の一実施形態を図示する。
【図22】図22は、空気差圧システム外郭構造内の高さ調節可能開口部の別の実施形態を図示する。
【図23A】図23A−図23Bは、空気差圧システムのための高さ調節可能構造に連結される成形構造の種々の実施形態を図示する。
【図23B】図23A−図23Bは、空気差圧システムのための高さ調節可能構造に連結される成形構造の種々の実施形態を図示する。
【図24A】図24A−図24Dは、空気差圧システムのための高さ調節機構の種々の実施形態を図示する。
【図24B】図24A−図24Dは、空気差圧システムのための高さ調節機構の種々の実施形態を図示する。
【図24C】図24A−図24Dは、空気差圧システムのための高さ調節機構の種々の実施形態を図示する。
【図24D】図24A−図24Dは、空気差圧システムのための高さ調節機構の種々の実施形態を図示する。
【図25A】図25A−図25Dは、空気差圧システムのための高さ調節構造の種々の実施形態を図示する。
【図25B】図25A−図25Dは、空気差圧システムのための高さ調節構造の種々の実施形態を図示する。
【図25C】図25A−図25Dは、空気差圧システムのための高さ調節構造の種々の実施形態を図示する。
【図25D】図25A−図25Dは、空気差圧システムのための高さ調節構造の種々の実施形態を図示する。
【図26A】図26A−図26Bは、調節可能高さ空気差圧システムチャンバの種々の実施形態を図示する。
【図26B】図26A−図26Bは、調節可能高さ空気差圧システムチャンバの種々の実施形態を図示する。
【図27】図27は、空気差圧システム封入体のユーザシールアタッチメントの一実施形態を図示する。
【図28】図28は、空気差圧システム高さ調節の一実施形態を図示する。
【図29】図29は、空気差圧システム高さ調節の別の実施形態を図示する。
【図30A】図30A−図30Cは、空気差圧システム内に少なくとも部分的に配置される、床または運動装置のためのリフト機構の種々の実施形態を図示する。
【図30B】図30A−図30Cは、空気差圧システム内に少なくとも部分的に配置される、床または運動装置のためのリフト機構の種々の実施形態を図示する。
【図30C】図30A−図30Cは、空気差圧システム内に少なくとも部分的に配置される、床または運動装置のためのリフト機構の種々の実施形態を図示する。
【図31A】図31A−図31Eは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バーの実施例を図示する。
【図31B】図31A−図31Eは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バーの実施例を図示する。
【図31C】図31A−図31Eは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バーの実施例を図示する。
【図31D】図31A−図31Eは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バーの実施例を図示する。
【図31E】図31A−図31Eは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バーの実施例を図示する。
【図32A】図32A−図32Dは、空気差圧システム内の膨張可能外郭構造の輪郭を形成するための機構の種々の実施形態を図示する。
【図32B】図32A−図32Dは、空気差圧システム内の膨張可能外郭構造の輪郭を形成するための機構の種々の実施形態を図示する。
【図32C】図32A−図32Dは、空気差圧システム内の膨張可能外郭構造の輪郭を形成するための機構の種々の実施形態を図示する。
【図32D】図32A−図32Dは、空気差圧システム内の膨張可能外郭構造の輪郭を形成するための機構の種々の実施形態を図示する。
【図33】図33は、負荷軽減デバイス内での使用のための外郭構造の最小変形部分の一実施形態を図示する。
【図34】図34は、外郭構造の最小変形部分と併用するための圧縮引張システムの一実施形態を図示する。
【図35】図35は、可撓性空気差圧システム封入体を拘束および成形するための骨組構造の一実施形態を図示する。
【図36A】図36A−図36Bは、空気差圧システム内の折畳式バッグ成形機構の種々の実施形態を図示する。
【図36B】図36A−図36Bは、空気差圧システム内の折畳式バッグ成形機構の種々の実施形態を図示する。
【図36C】図36Cは、空気差圧システム内の折畳式構造の一実施形態を図示する。
【図37】図37は、輪郭形成軟質外郭構造封入体を備える、空気差圧システムの実施形態を図示する。
【図38】図38は、輪郭形成軟質外郭構造封入体を備える、空気差圧システムのさらなる実施形態を図示する。
【図39】図39は、肥満の治療のために、空気差圧システムを適用するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【図40】図40は、ユーザ疼痛レベルに基づいて、空気差圧デバイスを較正するためのプロセスの一実施形態のフロー図である。
【図41】図41は、本明細書に記載される操作のうちの1つ以上を行ない得る、例示的コンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者は、本発明の以下の詳細な説明は、図示に過ぎず、いかようにも限定することを意図されないことを理解するであろう。本発明の他の実施形態は、本開示の利点を有するそのような当業者には、容易に想起されるであろう。ここで、添付の図面に図示される本発明の実装について、詳細に言及する。同一または類似部分を指すために、同一参照記号が、図面および以下の詳細な説明全体を通して使用される。明示的または文脈によって別途明確に指示されない限り、「a」、「an」、および「the」等の単数形は、複数形も同様に包含することが意図される。
【0019】
明確にするため、本明細書に記載される実装の定常的特徴の全部が図示および説明されるわけではない。当然ながら、任意のそのような実際の実装の開発では、用途および事業関連の制約への準拠等、開発者特有の目標を達成するために、数多くの実装特有の決定が行なわれるはずであって、これらの特有の目標は、実装および開発者によって異なることを理解されたい。
【0020】
本発明の一実施形態によると、構成要素、プロセスステップ、および/またはデータ構造は、種々の種類のオペレーティングシステム(OS)、コンピューティングプラットフォーム、ファームウェア、コンピュータプログラム、コンピュータ言語、ならびに/あるいは汎用機械を使用して、実装されてもよい。本方法は、処理回路網上で起動する、プログラムされたプロセスとして実行可能である。処理回路網は、プロセッサおよびオペレーティングシステムの数多くの組み合わせ、または独立型デバイスの形態をとることが可能である。本プロセスは、そのようなハードウェア、ハードウェア単独、ソフトウェア、ソフトウェア単独、またはそれらの任意の組み合わせによって実行可能な命令として、実装可能である。ソフトウェアは、機械によって読み込み可能なプログラム記憶装置上に記憶されてもよい。
【0021】
加えて、当業者は、ハードワイヤードデバイス、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)および複合プログラム可能論理デバイス(CPLD)を含む、フィールドプログラム可能論理デバイス(FPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)等の低汎用性デバイスもまた、本明細書に開示される本発明の概念の範囲および精神から逸脱することなく、使用されてもよいことを認識するであろう。
【0022】
(空気差圧システム)
空気差圧システムの実施例は、図1および2に図示される。いくつかの変形例では、図1および2に図示されるシステム等の空気差圧システムは、個人を取り込み、十分に気密性のチャンバ内にその下半身を載置し、室内空気圧、すなわち、周囲圧力を超える所望の量だけチャンバ圧を増加させることによって、作動する。ある実施形態では、チャンバ内の圧力は、正確に制御可能である。その効果として、個人は、シリンダ内のピストンとしてモデル化され、重力による個人の標準体重は、ある量だけ負荷軽減される。圧力を正確に制御することによって、ユーザの荷重の負荷軽減量も正確に制御可能である。例えば、大部分の個人にとって、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、個人の体重の約1%までの精密な調節によって、ユーザの有効体重を漸増的に変化させることが可能である。
【0023】
後述のように、いくつかの実施形態では、ユーザシールは、十分に気密状態にユーザとチャンバとの間の間隙に及ぶ、軟質または可撓性材料、硬質または剛性材料、あるいはそれらの組み合わせによる構造を指す。ユーザシールを達成する構造物および方法の種々の実施例は、後述される。
【0024】
さらに、本明細書に記載される空気差圧システムおよび関連方法は、例えば、動的(例えば、ユーザが動作中であって、単純に静止状態にない間)または静的(例えば、ユーザが静止または比較的静止状態にある間)に、種々の異なる状況で使用される用途のために適合されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される空気差圧システムは、空気差圧システムのチャンバ内の圧力が周囲環境の周囲圧力よりも高い、陽圧を印加してもよい。他の実施形態では、周囲環境の周囲圧力よりも低い、陰圧が圧力チャンバに印加されてもよい。
【0025】
図1は、一実施形態による、個人101の下半身106に圧力を印加するためのシステム100を概略的に図示するブロック図である。システムは、チャンバ102と、チャンバ102内の圧力を調節または制御(増減)し、維持するためのコントローラ103と、を含む。コントローラ103の実施例は、例えば、米国特許公開第2007/0181121号に記載され、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれるような負のフィードバック制御システムである。
【0026】
チャンバ102は、下半身106を受容するために、垂直軸、水平軸等の軸に沿って、開口104を含む。一実施形態によると、チャンバ102は、軟質(可撓性)または硬質(剛性)外郭構造を含んでもよい。
【0027】
チャンバ102が、軟質または可撓性外郭構造、あるいは軟質または可撓性部分と、硬質または剛性部分とを含む外郭構造を有する変形例では、軟質外郭構造または外郭構造の軟質部分は、相応じて、膨張あるいは収縮されてもよい。ある変形例では、チャンバ102は、軟質外郭構造または外郭構造の軟質部分が膨張されると、略半球形状または半卵形状を占有してもよい。図1は、チャンバ102が、チャンバ102の基部108として、平面断面とともに、球または卵状形状の上部を含む、一実施形態を図示する。基部108は、個人ユーザ101を任意の位置、例えば、直立または正座等、立位あるいは座位に支持可能である。類似システムとして、例えば、約90度時計回りまたは半時計回りに開口104を回転させることによって、ユーザを水平位置に伴うように構築されてもよいことを認識されたい。
【0028】
軟質外郭構造または軟質外郭構造部分は、任意の好適な可撓性材料、例えば、布地(織布または不織布)、プラスチック薄板、皮革(天然または合成)等から成ってもよい。いくつかの変形例では、軟質外郭構造または軟質外郭構造部分は、織布または不織布であり得る、十分に気密性の布地から成ってもよい。ある場合には、外郭構造内で使用される布地は、空気に対して若干透過性があるが、所望の程度の圧力をチャンバ内に構築させるように、十分に気密性であってもよい。チャンバが収縮される間、軟質外郭構造または外郭構造部分は、下半身106を開口104内に配置可能にしてもよい。開口104は、個人の下半身106の腰回りの種々の形状に対応するために、例えば、楕円形または円形形状、かつ可撓性布地あるいは他の種類の可撓性材料を含んでもよい。可撓性軟質外郭構造の高さは、例えば、ストラップを使用して、上表面上に引き下ろすことによって、変更され、その高さは、種々の実施形態に制限されてもよい。いくつかの変形例では、開口104は、個人101の腰または胴を囲繞する剛性リング(図示せず)を含んでもよい。したがって、チャンバ102の高さは、剛性リングを昇降させることによって、調節可能である。
【0029】
1つ以上のバー(図示せず)が、システム100の一部として提供されてもよく、個人101の腰下の可撓性外郭構造の少なくとも一部を包含するように構成されてもよい。そのようなバーまたは複数のバーは、外郭構造の可撓性部分をチャンバの側面に沿って保持し、拡張を制限するように構成され、したがって、外郭構造を個人101の胴の近傍に維持し、快適な腕の振りを可能にしてもよい。バーまたは複数のバーは、望ましくない形状、例えば、球形状に可撓性外郭構造が拡張する能力を制限してもよい。バーまたは複数のバーは、任意の好適な構成を有してもよい。例えば、いくつかの変形例では、2つの平行バーが、側面に沿って提供されてもよい。他の変形例では、1つのU形状バーが使用されてもよく、U形状バーの基部は、ユーザの正面に配置されてもよい。同様に、剛性外郭構造または部分的剛性外郭構造は、個人101が、輪郭形成形状、例えば、サドル形状を通じて動作中(歩行または走行)、個人101の腕が剛性外郭構造に接触または別様に干渉されないように構成されてもよい。
【0030】
また、システム100は、後方入口通路(図示せず)を含み、チャンバ102への出入りを促進してもよい。後方入口通路は、いくつかの変形例では、ステップを含んでもよい。軟質外郭構造または軟質外郭構造部分を有するチャンバ102の変形例では、そのような後方入口通路は、存在する場合、例えば、シール110を個人101に取着するのが容易であるように、軟質外郭構造または軟質外郭構造部分を収縮状態に支持するための手段として使用されてもよい。また、通路は、チャンバ102の外郭構造が裂開(可撓性外郭構造、例えば、布地外郭構造の場合)または破損(硬質外郭構造の場合)する場合、安全プラットフォームとしての役割を果たしてもよい。また、通路は、1つ以上の保持バーを含み、個人を支持または個人が転倒するのを防止するために、個人101が把持してもよい。
【0031】
硬質外郭構造を有するチャンバ102の変形例に関して、チャンバ102は、個人101がチャンバ102の出入りが可能となる扉(図示せず)または他の種類の開口部を含んでもよい。例えば、扉を使用可能であって、扉は、前後開閉式、上下開閉式、またはスライド開閉式であり得る。扉は、ジッパー、スナップ、および/または他の種類の閉鎖手段(例えば、Velcro(商標)型マジックテープ(登録商標)閉鎖手段)によって十分に気密状態に密閉可能な、布地、プラスチック、皮革、あるいは他の種類の可撓性材料から成り得る。いくつかの変形例では、開口104は、二枚貝またはコックピット状に、チャンバ102の半体を分離および復元することによって、生成されてもよい。加えて、硬質外郭構造の高さは、個人101の身長に基づいて調節されてもよい。
【0032】
ユーザシール110は、個人101の胴または腰回りあるいはその近傍において、下半身106と開口104との間に提供される。一実施形態によると、シール110は、個人101の胴の周囲に複数の開口部/漏出口を含み、個人101を冷却し、個人101の胴の周囲の圧力分布の制御を向上させる。例えば、個人101の胃の正面に配置された漏出口は、圧力下、可撓性の腰シールの膨張による膨満に役立ち得る。そのような意図的漏出口は、非気密性布地を縫着することによって、あるいはチャンバ102の外郭構造または布地内に孔を形成することによって、実装されてもよい。シール110は、実質的に気密性材料および/または非気密性材料から成り得る。シール110は、ユーザの身体に固着するための任意の好適な手段、例えば、スカート、ズボン、本明細書に詳述される他の手段または技術、あるいはそれらの任意の組み合わせを使用して、実装可能である。
【0033】
一実施形態によると、シール110は、分離可能シール閉鎖手段を含んでもよい。分離可能シール閉鎖手段の非限定的実施例は、ジッパー、スナップ、Velcro(商標)型マジックテープ(登録商標)閉鎖手段、外郭構造に取着される剛性縁上のカヤック式アタッチメント(例えば、ジッパーを使用)、留具、および変形可能ループを含む。いくつかの変形例では、シール110は、個人の下半身106に係留するための手段と、開口104に取着するための手段と、を含んでもよい。ユーザの身体に係留するための手段は、例えば、異なる大腿部サイズに対応するように調節するために、ユーザの大腿部の辺縁の周囲に延在するVelcro(商標)型ストラップと、シールを寛骨に係留されたままにするベルトと、を含んでもよい。ユーザの身体に係留するための手段の他の実施例は、ユーザの身体を密封し、高摩擦係数のため係留されたままとなる、高摩擦材料を含んでもよい。シール110は、通気性かつ洗浄可能であってもよい。別の実施形態によると、シール110は、個人の胸部まで密封してもよく、いくつかの変形例では、シールは、ユーザの腰領域から胸部まで延在してもよい。いくつかの変形例では、シール110は、スカート型シールを含んでもよい。シールのさらなる非限定的実施例は、以下に詳述される。
【0034】
任意の運動装置112は、チャンバ102内に少なくとも部分的に格納されてもよい。例えば、トレッドミル、エアロバイク、ローイングマシン、ステッパーマシーン、エリプティカルトレーナー、バランスボード等の任意の好適な運動装置が使用されてもよい。運動装置112は、例えば、調節可能な高さ、傾斜、および速度を有する、トレッドミルであってもよい。運動装置の任意のパラメータは、個人ユーザ101の寸法に基づいて調節可能である。例えば、運動装置112の高さ、チャンバ内の位置、座席位置、取っ手位置等は、個人101の寸法に対応するように調節可能である。当業者は、図示されるトレッドミルが、限定を意図するものではなく、他の運動装置も、本明細書に開示される本発明の概念から逸脱することなく、使用可能であることを理解するであろう。
【0035】
いくつかの変形例では、空気差圧システムは、運動装置112を伴わない、加圧可能チャンバを含む。これらの変形例では、チャンバ102は、例えば、跳躍能力、平衡性、または一般的動作を改善するための手段として、任意の運動装置を伴わずに使用されてもよい。
【0036】
任意の好適な種類のコントローラ103は、チャンバ102内の圧力を調節するために使用可能である。上述のように、コントローラ103は、いくつかの変形例では、例えば、コントローラ103が、負のフィードバック制御システムとして構成される場合、チャンバ102内の圧力を維持するように構成される。ある変形例では、コントローラ103は、吸気システム114と、排気システム116と、を含む。ある場合には、コントローラ103は、圧力センサ120、プロセッサ122、またはコントロールパネル118、あるいは上述の2つ以上の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
図1に図示される変形例では、吸気システム114は、気体(例えば、空気)を受容するための入力ポート124と、圧力源126(ポンプまたは送風機)と、出力ポート128と、を含む。圧力源126からの気体流は、未調整であってもよい。圧力源126は、オンまたはオフ切り替え可能である。別の実施形態によると、圧力源126は、チャンバ102への流入空気流を制御するために調節可能な可変ファン速度を含んでもよい。圧力源126は、入力ポート124から出力ポート128に気体を圧送する。
【0038】
図1に図示される変形例では、排気システム116は、チャンバ102から気体を受容するための入力ポート130と、圧力調整弁132と、周囲圧力への出力ポート134と、を含む。圧力調整弁132は、チャンバ102からの排気流を制御する。入力ポート130は、チャンバ102の出力ポートである。気体は、出力ポート134を介して、チャンバ102から退流する。別の実施形態によると、安全排気ポート(図示せず)は、例えば、緊急事態またはシステム故障の際、安全限度等の限度を超えて圧力が上昇する場合、チャンバ102から気体を流出させるために、チャンバ102に接続されてもよい。
【0039】
いくつかの変形例では、図1に図示される空気差圧システムは、個人101またはオペレータが、プロセッサ122を介して、システム100と交信可能なユーザインターフェースシステムを含む。例えば、タッチスクリーン等のタッチセンサ、ハンドヘルドボタン、ハンドヘルドコントロールボックス、または音声起動ユーザインターフェース等、任意の好適なユーザインターフェースが使用されてもよい。ある変形例では、コントロールパネル118は、ユーザインターフェースシステムを含む。ユーザインターフェースおよび/またはコントロールパネルは、無線構成または配線接続において、プロセッサ122とインターフェースをとってもよい。いくつかの変形例では、個人101は、コントロールパネル118上のタッチスクリーンインターフェース(図示せず)を使用して、例えば、チャンバ102内の圧力をプログラムする、および/または運動装置のパラメータ、例えば、運動装置112の速度、傾斜、抵抗、および/または高さのうちの1つ以上を制御してもよい。また、コントロールパネル118は、個人101によって使用され、体重を訂正するためにシステムを較正する、および/または所望の因子あるいはパラメータを入力し、運動の強度を判定してもよい。例えば、ユーザは、その体重のある一部での運動、またはあるポンド数分の体重の補正、あるいはある心拍数または血圧での運動、もしくはある疼痛レベルでの運動を所望することを指定してもよい。較正プロセスの非限定的実施例は、米国特許出願第_____号「SYSTEMS, METHODS AND APPRATUS FOR CALIBTATING DIFFERENTIAL AIR PRESSURE DEVICES」(弁理士整理番号第8038.P006号)に記載され、本明細書と同時に出願されており、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。
【0040】
一実施形態では、任意の圧力センサ120は、チャンバ102内の圧力と周囲圧力との間の差圧を測定するために、チャンバ102に接続される。当業者は、図示される圧力センサ120が、限定を意図するものではなく、他の種類の圧力変換器または圧力測定センサも、本明細書に開示される本発明の概念から逸脱することなく、使用可能であることを理解するであろう。圧力センサ120は、プロセッサ122にその測定値を通信する。システム100は、米国特許出願第_____号「SYSTEMS, METHODS AND APPRATUS FOR CALIBTATING DIFFERENTIAL AIR PRESSURE DEVICES」(代理人整理番号第8038.P006号)に記載され、本明細書と同時に出願されており、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれるような、較正を達成するための圧力センサを含む必要はない。
【0041】
いくつかの変形例では、コントローラ103は、圧力センサ120からの入力を使用して、圧力源126および/または圧力調整弁132を制御するように構成可能である。プロセッサ122は、存在する場合、ユーザインターフェースまたはコントロールパネル118と通信可能である。プロセッサ122のアルゴリズムの実施例は、コントロールパネル118から入力を受信するプロセッサ122である。例えば、入力は、チャンバ102内の所望の圧力、個人の体重の所望の割合、ユーザの体重を補正するための荷重、および/または疼痛レベルを含んでもよい。プロセッサ122は、負のフィードバックループ、回路、あるいはシステムを使用して、圧力源126および/または調整弁132を作動させるように構成可能である。プロセッサ122は、ある変形例では、圧力センサ120からの入力によって、チャンバ102内の圧力を監視可能である。圧力センサ120からの測定値と、例えば、コントロールパネル118を介したユーザからの入力とに基づいて、プロセッサ122は、調整弁132および/または圧力源126に駆動信号を送信し、所望の圧力に可能な限り近似して、チャンバ102内の圧力を維持するように、チャンバ102を通る排気流を増減する。所望の圧力は、いくつかの変形例では、事前設定されてもよく、いくつかの変形例では、コントロールパネル118から受信される、または、例えば、コントロールパネルを介して、ユーザから受信される情報から導出されてもよい。チャンバ102内の圧力(陽または陰)は、個人101に上方または下方力を及ぼし、より軽いあるいはより重い感覚をもたらす。
【0042】
プロセッサ122は、いくつかの変形例では、運動装置112と通信してもよい。プロセッサ122は、コントロールパネル118を介して、運動装置112のための1つ以上の入力パラメータを受信してもよい。例えば、運動装置112は、チャンバ102内で感知された圧力に基づいて、プロセッサ122によって調節される速度または傾斜を伴う、トレッドミルを含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施形態によると、システム100は、一定の歩幅頻度を達成するため等、種々の遂行能力パラメータを監視および/または維持するように制御されてもよい。いくつかの変形例では、プロセッサ122は、例えば、心拍数、血圧、疼痛レベル、歩幅長、歩調または歩幅頻度、足の着地圧等、1つ以上のユーザ遂行能力パラメータセンサから入力を受信するように構成されてもよい。速度、抵抗、および/またはチャンバ内の圧力等の運動装置の1つ以上のパラメータは、1つ以上のユーザパラメータに応答して調節されてもよい。例えば、センサは、トレッドミル上に設置され、トレッドミル上のユーザの足からの衝撃を検出し、その後の値と比較し、歩幅間の持続時間を測定してもよい。次いで、機械は、圧力、傾転、速度等を調節し、特有の歩幅率を維持可能である。
【0044】
さらに別の実施形態によると、システム100は、個人101に連結され、ユーザの加速または減速を感知する、加速/減速センサを含んでもよい。当業者は、そのようなセンサを実装する多くの方法が存在することを認識するであろう。プロセッサ122は、加速/減速センサから測定値を受信し、チャンバ102内の圧力の増減と組み合わせて、測定値に応答して、トレッドミルの速度を加減するための信号を送信してもよい。
【0045】
また、プロセッサ122は、コントロールパネル118を介して、個人101あるいはオペレータによって、選択もしくはプログラムされ得る、種々のデータおよび/または実行可能プログラムを記憶するデータベース等、データ記憶装置(図示せず)を含んでもよい。データ記憶装置は、システム100を制御するために使用され得る、データのリポジトリを含んでもよい。例えば、1つ以上のセンサ(圧力センサ、個人の遂行能力センサ、安全センサ等を含む)からデータを受信する間、プロセッサ122は、1つ以上のパラメータが事前設定限度または危険レベルに到達したことを判定してもよい。次いで、プロセッサ122は、圧力および/または運動装置112のパラメータ、例えば、抵抗または速度、例えば、トレッドミルの速度を変更する。例えば、トレーナーは、個人101のための最大速度、心拍数、抵抗、歩調、血圧、または疼痛パラメータを設定可能である。プロセッサ122は、そのパラメータが超過しないように保証するであろう。また、データ記憶装置を使用して、異なるプロトコルの過去の遂行能力データおよび個人記録を記憶してもよく、システム100は、以前の遂行能力データまたは個人記録に対抗して、個人101を走行させることが可能である。
【0046】
また、データ記憶装置は、コントロールパネル118からの選択に基づいて、種々のトレーニングプログラムを含んでもよい。次いで、プロセッサ122は、1つの変数、変数の組み合わせ、例えば、最大可能ユーザ心拍数に基づいて、個人101の活動レベルを非有害範囲に制限可能である。また、データ記憶装置は、個人101の遂行能力および活動をログおよび記録し、ならびに個人101のトレーナー、療法士等が、空気差圧システムの使用の度に較正プロセスを行なう必要がないように、任意の較正データを記憶可能であってもよい。
【0047】
図2は、別の実施形態による、個人101の下半身106に圧力を印加するためのシステム200を概略的に図示するブロック図である。システム200は、チャンバ102と、チャンバ102内の圧力を調節(増減)するためのコントローラ202と、を含む。いくつかの変形例では、コントローラ202は、チャンバ102内の圧力を維持するように構成可能である。コントローラ202の実施例は、負のフィードバック制御システムである。
【0048】
チャンバ102内の圧力を調節(いくつかの変形例では、維持)するためのコントローラ202は、吸気システム204を含む。いくつかの変形例では、コントローラは、図1と関連して記載されるようなユーザインターフェースを含む。ある変形例では、ユーザインターフェースは、コントロールパネル118の一部として、含まれてもよい。いくつかの変形例では、コントローラ202は、圧力センサ120と、プロセッサ206と、を含む。
【0049】
図2に図示される変形例では、吸気システム204は、気体(例えば、空気)を受容するための入力ポート208と、調整圧力源210と、出力ポート212と、を含む。調整圧力源210は、入力ポート208から出力ポート212に気体を圧送する。空気流は、調整圧力源210を介して、調整される。調整圧力源210は、出力ポート212を通る気流速度を制御するための調節可能排気弁を含んでもよい。いくつかの変形例によると、調整圧力源は、調節可能ファンの羽根サイズまたはファン速度を有するポンプを含んでもよい。気体の流量は、ファン速度またはファンの羽根サイズを変更することによって、調節可能である。安全排気ポート(図示せず)は、例えば、緊急事態またはシステム故障の際、事前設定限度に到達する場合、チャンバ102から気体を流出させるために、チャンバ102に接続されてもよい。
【0050】
プロセッサ206は、存在する場合、コントロールパネル118と、圧力センサ120と通信し、調整圧力源210を制御する。プロセッサ122のアルゴリズムの実施例は、例えば、コントロールパネル118を介したユーザからの入力を受信するプロセッサ206である。例えば、入力は、所望のチャンバ102内の圧力、個人の体重、個人が運動の間に経験を所望する体重の割合を判定するための因子、ユーザが周囲圧力における荷重に対してその荷重を補正するために使用を所望する荷重相殺値、疼痛限度、心拍数、および/または血圧等を含んでもよい。図2に図示される変形例では、プロセッサ206は、負のフィードバックループ、回路、またはシステムを使用して、調整圧力源210を作動させることが可能である。プロセッサ206は、圧力センサ120によって、チャンバ102内の圧力を監視する。圧力センサ120からの測定値と、ユーザ(例えば、コントロールパネル118を介して)からの入力とに基づいて、プロセッサ122は、例えば、コントロールパネル118を介して、ユーザから受信した所望の圧力に可能な限り近似して、チャンバ102内の圧力を維持するように、チャンバ102を通る気体流を増減するための調整圧力源210に駆動信号を送信する。チャンバ102内の圧力(陽または陰)は、個人101に上方または下方力を及ぼし、より軽いあるいはより重い感覚をもたらす。
【0051】
いくつかの変形例では、プロセッサ206は、チャンバ102内に少なくとも部分的に格納される運動装置112と通信してもよい。任意の好適な運動装置112は、例えば、図1と関連して上述のように、使用されてもよい。いくつかの変形例では、運動装置は使用されない。プロセッサ206は、例えば、コントロールパネル118を介して、ユーザから運動装置112のための1つ以上の入力パラメータ(例えば、速度、抵抗、歩調、勾配、運動アルゴリズム等)を受信してもよい。例えば、運動装置112は、チャンバ102内で感知された圧力に基づいて、プロセッサ206によって調節される速度または傾斜を伴う、トレッドミルを含んでもよい。
【0052】
また、プロセッサ206は、コントロールパネル118を介して、個人101あるいはオペレータによって、選択もしくはプログラムされ得る、種々のデータおよび/または実行可能プログラムを記憶するデータベース等のデータ記憶装置(図示せず)を含んでもよい。データ記憶装置は、システム200を制御するために使用され得る、データのリポジトリを含んでもよい。例えば、全センサからデータを受信する間、プロセッサ206は、1つ以上のパラメータが事前設定限度または危険レベルに到達したことを判定してもよい。次いで、プロセッサ206は、圧力および/または運動装置112の1つ以上のパラメータ、例えば、トレッドミルの速度を変更する。例えば、トレーナーまたは理学療法士は、個人101のための最大速度パラメータを設定可能である。プロセッサ206は、超過しないように、速度を制限可能である。データ記憶装置を使用して、異なるプロトコルの過去の遂行能力データおよび/または個人記録を記憶してもよく、システム200は、以前の遂行能力データまたは個人記録に対抗して、個人101をトレーニングさせることが可能である。
【0053】
また、データ記憶装置は、コントロールパネル118からの選択に基づいて、種々のトレーニングプログラムを含んでもよい。プロセッサ206は、いくつかの変形例では、1つ以上の変数、例えば、ユーザの最大心拍数に基づいて、個人の1つ以上の活動レベルを非有害レベルに制限可能である。また、データ記憶装置は、個人101の遂行能力および活動をログならびに記録可能であってもよい。
【0054】
(空気差圧システムのためのユーザシール)
上述のように、ユーザシールが、ユーザと空気差圧システムのチャンバとの間に提供されることによって、チャンバは、非ゼロ空気差圧を維持(すなわち、周囲圧力と異なるチャンバ内の圧力を維持)可能である。機能的ユーザシールは、ユーザの身体に対する十分に気密性の接合および圧力チャンバに対する十分に気密性の接合を形成し、所望の非ゼロ空気差圧を維持する。さらに、ユーザシール内の任意の中間接合もまた、所望の非ゼロ差圧を維持するように、十分に機密性でなければならない。種々の実施形態では、ユーザシールは、任意の好適な技術または取着方式を採用し、例えば、十分に気密性の弾性材料、弾性バンド、鞍帯、接着剤、摩擦、および/または密接な物理的接触(例えば、ユーザの身体の形状に追従するように成形可能または輪郭形成シール)を使用することによって、ユーザの身体とシール本体との間に十分に気密性の接合を形成可能である。本明細書に記載されるように、ユーザが動作中(すなわち、上下、回転、または前後)であっても、ユーザによって装着され得る幅広い衣類の種類の場合、ユーザが発汗等の際であっても、ユーザシールは、ユーザに係留され、十分に気密性の接合を形成および維持可能である。
【0055】
接着材を使用して、ユーザシールをユーザに係留する場合(単独または別の係留機構と組み合わせて)、任意の好適な接着材の種類が使用されてもよく、任意の好適な接着材送達が使用されてもよい。例えば、接着テープ、スプレー式接着剤、溶剤系の糊、および/または硬化エポキシ樹脂が、使用されてもよい。
【0056】
可能な限り多くのユーザに対応するために、空気差圧システムは、一定範囲の異なる身体サイズおよび身体形状に対応可能なユーザシールを含むことが望ましい。後述のように、複数の別個のオリフィスサイズ、形状等を必要としない、ユーザの身体を受容するためのチャンバ内の調節可能オリフィスを含むユーザシールを伴うシステムは、空気差圧システムにおける有益な改良であり得る。さらに、多くのユーザに適合可能なチャンバ内の単一調節可能オリフィスシールは、システムからの入退出を加速させ得、および/または空気差圧システムを使用するために必要とされるステップならびに/あるいは特殊付属品の数を低減し得る。加えて、ユーザの身体にユーザシールを係留し、ユーザとチャンバとの間にシールを生成する効果的手段を含む、ユーザシールの変形例が、以下に提供される。
【0057】
いくつかの実施形態では、後続のユーザが、清潔な衛生環境において運動可能なように、別個の挿入部が、ユーザの身体とユーザシールの変形可能材料との間に追加され、汗または他の体内物質を収集してもよい。そのような挿入部は、本明細書に記載される調節可能オリフィスユーザシールのいずれかに適用されてもよい。
【0058】
(シールオリフィスのサイズ調整)
種々の技術および構造が採用され、一定範囲のユーザに対応可能な調節可能オリフィスを有するユーザシールを形成してもよい。本明細書では、調節可能オリフィスを有するユーザシールの非限定的実施例が記載される。さらに、例えば、弾性材料、弾性バンド、鞍帯、接着剤、摩擦、および/またはシールがユーザの身体に対して成形あるいは輪郭を形成する際の密接な物理的接触等、種々の技術および構造を採用して、ユーザにシールを係留してもよい。
【0059】
図3は、図1および図2に図示されるもの等、空気差圧システムと併用するための調節可能オリフィスを含む、シール300の一実施形態を描写する。図3に図示されるように、いくつかの変形例では、調節可能オリフィスシール300は、ユーザの垂直移動を可能にし、上下逆のスカート(例えば、反転火山)の形状である、環状スカート302を含む。調節可能オリフィスシール300(スカート302を含む)は、例えば、縫着ステッチ、接着剤、磁石、ジッパー、スナップ、ボタン、Velcro(商標)型閉鎖手段、あるいは本明細書に記載または別様に周知の任意の他の手段を使用して、空気差圧システムの外郭構造304に取着可能である。したがって、シール300を含む空気差圧システムのユーザは、中心開口部内に足を踏み入れ、その胴体の周囲のスカート302を引き上げる。一実施形態では、裏地挿入部(図示せず)または他の容易に交換可能な内側材料が、調節可能オリフィスシール300内に含まれ、例えば、1人のユーザから次のユーザへの最近の蓄積を回避する。
【0060】
いくつかの変形例では、1つ以上の引き紐(紐)または他の締着機構(例えば、歯止め)が、ユーザシール内のユーザのための開口部の周囲において、円周方向に配置されてもよい。引き紐または紐は、使用される場合、弾性または非弾性であってもよい。締着機構によって、開口部のサイズは、一定範囲のユーザサイズに対応するように変動可能となる。さらに、1つ以上の引き紐または他の締着機構は、締着されると、ユーザの身体にユーザシールを圧接するように機能し、したがって、身体にシールを係留して、十分に気密性の接合を形成し、チャンバ内の所望の差圧を維持する。1つ以上の引き紐または他の締着機構は、ユーザの身体にシールを付勢するように、任意の好適な態様で配列され、ユーザシールを締着可能である。例えば、1つ以上の引き紐は、締着を可能にするように、円形または楕円形ユーザシールの少なくとも一部の周囲において、円周方向に螺着されてもよい。ある変形例では、例えば、2つ以上の引き紐が、略同心円状に配列されるように、2つ以上の引き紐は、円形または楕円形ユーザシールの少なくとも一部の周囲において、円周方向に螺着されてもよい。ある場合には、複数の引き紐が、ユーザの胴体に沿って、ユーザにシールの垂直係留を提供するように、複数の引き紐は、互いに対して垂直に配列され、シールの少なくとも一部の周囲において、円周方向に螺着されてもよい。代替として、または加えて、1つ以上の引き紐は、ユーザシール内の間隙を通して螺着されてもよく、間隙によって、ユーザシールは、ユーザの入退出に対応するように開放可能となる。空気差圧システムの操作前に、1つ以上の引き紐が締着され、間隙を閉鎖し、チャンバ内にユーザを密封してもよい。
【0061】
例えば、図3に図示されるように、スカート302は、引き紐306から引き紐306等の1つ以上の引き紐を含む。1つ以上の引き紐によって、より小柄なユーザは、必要に応じて、スカート302を引き締めることが可能となる。引き紐306..は、調節可能オリフィススカート302を身体にさらに係留し、図1および図2の空気差圧システムが加圧される際、スカートが反転するのを防止する。
【0062】
図4Aおよび4Bは、調節可能スカート400を含む調節可能オリフィスシールのさらなる実施形態を図示し、スカートは、ネオプレン、ゴム等の可撓性材料から成り、空気差圧システムの外郭構造406に取着される。一実施形態では、スカート400の円周をより小さくするために(例えば、図4Aに図示される構成から図4Bに図示される構成にオリフィススカート400を遷移させるために)、プリーツ402から402等の一連のプリーツが、調節可能オリフィス内に含まれる。一実施形態では、プリーツ401..は、弾性材料から成るジッパー、スナップ、ボタン、またはVelcro(商標)型閉鎖手段によって締め付け可能な布地または他の可撓性材料の区画であって、締結バックル、引き紐、または他の好適な閉鎖手段を含む。プリーツが使用されない場合、スカート布地層と気密の継続性を維持するために、プリーツ間に配置されるさらなる可撓性材料(例えば、布地層)が存在してもよい。
【0063】
図4Aおよび4Bに示されるように、プリーツ4021..Nのうちの1つ以上を閉鎖し、閉鎖されたプリーツ4101..Nを形成することによって、スカート400の円周は、ユーザ404の腰を中心として低減される。反対に、オリフィススカート400の円周を広げるために、1つ以上の閉鎖されたプリーツ4101..Nが、開放されてもよい。さらに、閉鎖および開放プリーツの任意の分布は、図4A−4Bに図示される調節可能オリフィスの変形例によって達成されてもよいため、オリフィスは、空気差圧システムにおいて、幅広い身体サイズおよび形状に嵌合するように調節可能である。
【0064】
図5Aは、引き紐またはベルトを利用する調節可能オリフィスシール500の別の実施形態を図示する。図5Aに図示される特定の実施形態では、単一引き紐502が、調節可能シールオリフィス500の少なくとも一部の周囲において、円周方向に螺着される。シール500は、順に、空気差圧機械の可撓性外郭構造504に接続される、弾性材料506の細片を備えてもよい。引き紐は、締着されると、弾性材料506の襞を寄せ集め、ユーザの胴体の周囲に十分に気密性のシールを形成する。別の実施形態では、複数の引き紐は、例えば、図3に図示されるように利用される。いくつかの変形例では、複数の引き紐は、オリフィスの周囲に巻き付き、個々に引き締められてもよい。複数の引き紐は、ユーザの身体に沿って、略垂直配向(すなわち、オリフィスによって画定される平面に略直角の方向)に、複数の場所において、オリフィス封入体をユーザの身体に固着する利点を提供可能である。さらに、1つの引き紐(例えば、上方引き紐)は、開口部の最大直径または円周を確保してもよく、下方引き紐は、ユーザの身体を囲繞するシールの可撓性材料の密封圧を提供してもよい。また、複数の引き紐は、シール(例えば、シールの布地)を身体に係留する役割を果たしてもよい。記載されるように、ベルトおよび引き紐は、一実施例に過ぎず、空気差圧システム内に調節可能オリフィスを有するシールのための固着装置の種類を制限するものではない。
【0065】
図5Bは、開口部サイズの調節のために、1つ以上の紐512を利用する別の調節可能オリフィスシール510を図示する。紐512は、ガードルのように、オリフィス周囲のシールの布地または他の可撓性材料をともに牽引する。一実施形態では、紐は、開口部の垂直表面の一部のみに沿って常設してもよい。一実施形態では、開口部は、ネオプレン等の十分に気密性かつ可撓性の材料から構築される。さらに、さらなる可撓性材料514が、紐512間に配置され、紐512上に十分に気密性のシールを維持してもよい。一実施形態では、複数組の紐が、開口部の周縁の周囲の2つ以上の場所に分布してもよい。
【0066】
図5Cは、1つ以上の拡張可能パウチ522を利用する調節可能オリフィスシール520の別の実施形態を図示する。一実施形態では、1つ以上の拡張可能パウチ522は、パウチ522が拡張され、ユーザ526に対してシールが生成されるのに伴って、開口部のオリフィス円周を減少させる。パウチは、ゴム、ネオプレン、または他の可撓性気密材料等の拡張可能材料から成ってもよい。一実施形態では、パウチは、空気差圧システムのチャンバの封入体または外郭構造に取着される、剛性外側表面528に固定される。剛性外側表面528は、存在する場合、パウチ522が拡張される際、パウチ522の外側拡張を制限し、ユーザの周縁の周囲において、ユーザ526に向かって内側に拡張するようにパウチを付勢する。パウチは、空気、他の形態の気体、液体(例えば、水)、ゲル、またはパウチ522を拡張させるために他の好適な物質等の物質によって充填されてもよい。パウチ522は、拡張されると、ユーザ526に対して、十分に気密性の態様で取着され、したがって、ユーザを効果的に閉じ込め、シールを生成する、成形表面524に圧嵌する。シール520は、剛性外側表面528と1つ以上のパウチ522との間の相対的回転、および/または1つ以上のパウチ522と成形表面524との間の相対的回転、ならびに/あるいは成形表面524とユーザ526との間の相対的回転を可能にしてもよいことに留意されたい。例えば、一実施形態では、表面524は、低摩擦軸受コーティングを備える、軸受を利用する、または潤滑剤を利用して、オリフィス内に密封される際のユーザ526の回転性能を改良してもよい。いくつかの変形例では、第2のシールフラップ(図示せず)が、表面524と拡張可能パウチまたは複数のパウチ522との間に配置され、本界面の密封特性を向上させてもよい。最初は非充填のパウチ522を有することによって、ユーザ526は、開口部内のその回転位置を調節可能である。次いで、パウチ522は充填され、ユーザ526に嵌合してもよい。パウチ522は、パウチ522の位置を保定し、パウチの外側拡張を制限する、拘束断片528によって裏当てされる。一実施形態では、パウチ522は、手動で、充填および調節される。別の実施形態では、パウチ522は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組み合わせを使用して、充填および調節される。いずれの場合も、バッグは、密封性能およびユーザの快適性に準じたレベルに充填可能である。
【0067】
いくつかの変形例では、1つ以上の拡張可能パウチは、チャンバの封入体および/またはユーザによって装着されるアタッチメント(例えば、ショーツ)のいずれかに提供可能である。図5Dは、剛性裏当て表面534および1つ以上の拡張可能パウチ532が、ユーザ536、ユーザによって装着される衣類等に配置されるシステムの断面図を示す。パウチ532は、空気差圧システムの封入体に取着され、空気差圧システム内にユーザ536を密封し得る、外側硬質表面538に対して拡張する。上述の図5C同様に、拡張可能パウチまたは複数のパウチ532は、裏当て表面534に対して、および/または外側密封表面538と相対的に回転してもよい。
【0068】
一実施形態では、調節可能オリフィスを備えるシールは、図5Eに図示されるように、チャイニーズ・フィンガ・トラップ(指ハブ)に類似する織模様で構築され、可変寸法の個人に密嵌する。チャイニーズ・フィンガ・トラップは、拡張されると、半径方向に圧縮する、織布シリンダである。図5Eに図示されるように、ユーザが、調節可能オリフィスシール内に挿入されると、シールは、軸方向(例えば、軸方向圧縮構成540から軸方向拡張構成542)に拡張され、ユーザ周囲の密嵌が生成可能となる。
【0069】
図5Eに図示されるような織布調節可能オリフィスシールのいくつかの変形例では、織模様は、種々の寸法を有するユーザの周囲に密嵌する一方、また、容易に解放可能であるように構成される。種々の実施形態では、織模様は、開放織模様または閉鎖織模様であり得、任意の好適な材料、例えば、天然あるいは合成繊維から構築可能である。いくつかの変形例では、織模様は、NYLON(商標)ポリマーを備える。さらに、いくつかの変形例では、織模様は、ゴム被膜ネオプレン等の低気孔率または無気孔重層を備え、密封およびユーザの快適性を補助することが可能である。
【0070】
図5Fに図示される調節可能オリフィスシールの別の実施形態では、拡張可能バンド546を使用して、シールのオリフィスのサイズまたは形状を調節してもよい。バンド546を拡張し、チャンバ内に進入するために、ユーザをシールのオリフィス内に挿入させ、次いで、閉鎖し、ユーザの身体に適合させるために、バンドを解放し続けることによって、ユーザは、チャンバ内にしっかりと密封可能となる。
【0071】
任意の好適な拡張可能バンドが、図5Fに図示される調節可能オリフィスシール内で使用されてもよい。一実施形態では、拡張可能バンド546は、オリフィスの円周を拡張および収縮可能な弾性バンド材料を利用する。いくつかの変形例では、バンド546の拡張は、拡張可能バンドによって囲繞されるオリフィル内にユーザがその身体を押し込むことによって達成されてもよい。いくつかの変形例では、拡張可能バンドは、膨張可能内側チューブ状チャンバ548、または膨張されると、半径方向外側に拡張し、解放(収縮)されると、バンド546をユーザに対して内側に付勢する他の機械的手段を備えてもよい。ある変形例では、拡張可能バンド546は、弾性バンドによって裏当てされる1つ以上の変形可能構造を備えることが可能である。変形可能構造は、例えば、ユーザと弾性バンドとの間の間隙に跨設される発泡体に類似する材料または他の適合材料から形成されてもよい。弾性バンドが解放されると、変形可能材料は、ユーザの身体の円周の周囲を圧搾し、十分に気密性のシールを生成する。
【0072】
拡張可能バンドを備える調節可能オリフィスシールのさらに別の実施例は、図5Gに図示される。ここでは、拡張可能バンド550は、バネ(図示せず)に取着される変形可能区画552を備える。いくつかの変形例では、変形可能断片は、ユーザの生体構造に適合し、シールを生成するように作製可能である。バネ(図示せず)は、ユーザが進入するためにオリフィスを開放するように圧縮および保持され、次いで、シールを生成するために解放可能である。変形可能区画552は、変形可能材料の複数の分離可能断片を備えてもよく、一体構造(例えば、中実リング)であってもよく、または単一断片を形成するためにともに統合される複数の断片を備えてもよい。いくつかの変形例では、変形可能区画552は、中空であってもよく、バネ(図示せず)は、変形可能区画552の中空内に配置されてもよい。
【0073】
変形可能構造の他の構成および種類を使用して、圧力チャンバのサイズを調節可能である。一実施形態では、変形可能構成形態または形状回復材料は、開口部の周縁の全部または一部に固着可能であって、ユーザは、発泡体を変形させて、チャンバ内に進入可能である。ユーザがチャンバ内に入ると、形状回復変形可能構造、例えば、発泡体は、ユーザに対してその通常形状の回復を試み、それによって、シールを形成する。いくつかの変形例では、変形可能材料は、恒久的に変形可能であってもよく、ユーザの身体に特異的に成形された挿入部は、使用に先立って、チャンバに取着され、その後、ユーザが機械内に進入すると、ユーザの周囲に圧縮可能である。図5Hは、ユーザの身体556の周囲に圧縮され、チャンバ封入体の開口部に跨設され、ユーザの周囲に実質的に気密性のシールを生成する、変形可能材料554の実施例を示す。一実施形態では、変形可能材料は、ユーザの身体から解放されると、その形状を回復または形成してもよい(例えば、記憶材料、発泡体、ゲル等)。別の実施形態では、変形可能材料は、脱着可能であって、ユーザの身体に特異的に成形される。いくつかの実施形態では、発泡体またはゲル等の変形可能材料の小室は、図5Hに示されるように、同一または類似目的のために使用可能である。
【0074】
図5Iに図示される一実施形態では、変形可能材料558は、蝶着要素560間の楔状容積内に配置される。蝶着要素560は、いくつかの変形例では、楔であってもよいが、他の変形例では、楔形状以外を有してもよい。図示される蝶番を使用して、楔状容積を開放することによって、変形可能材料558は、外側に(ユーザから離れて)(例えば、位置562から位置562)延伸可能であって、ユーザが進入するために、より大きなオリフィスが生成される。要素560間の楔状容積を圧縮することによって、材料は、内側に(ユーザに向かって)(例えば、562から562)変形され、ユーザの身体に対して、リング状シールを形成し、それによって、十分に気密性のシールを形成する。いくつかの実施形態では、蝶着要素560の圧縮度は、例えば、空気差圧システムに接続されるプロセッサによって、制御されてもよい。いくつかの実施形態では、蝶着要素560は、ユーザの身体を密封するために必要とされる変形可能材料の拡張量に対応する、いくつかの選択可能位置のうちの1つに係止されてもよい。それらの実施形態では、蝶着要素は、任意の好適な係止要素または係止機構、例えば、ピン、クランプ、歯止め、または本明細書に記載または別様に周知の他の係止機構を使用して、係止されてもよい。さらに、いくつかの変形例では、別個の挿入部(図示せず)が、ユーザの身体の周囲に配置され、それに対して圧縮する変形可能材料のための平滑表面を生成してもよい。存在する場合、そのような挿入部は、ユーザの身体に対して十分に気密性のシールを形成し、変形可能材料からの圧縮に耐えるように十分に剛性であってもよい。
【0075】
図5Jに図示される一実施形態では、調節可能オリフィスシール564は、シールがユーザに対して十分に気密性のシールを形成するように構成される虹彩絞りを含むように構成することによって、調節可能に作製可能である。いくつかの変形例では、調節可能オリフィスシールを作製するために使用される虹彩は、回転開閉し、可変サイズオリフィスを生成する断片566等の材料のいくつかの剛性断片を含む、またはそれから作製可能である。剛性材料は、プラスチック、金属、または圧力下で著しく変形しない他の十分に構造的材料であってもよい。一実施形態では、虹彩は、1つ以上の係止機構を使用して、虹彩を開放、閉鎖、または中間位置に固定される。ピン、クランプ、レバー、あるいは本明細書に記載または別様に周知の任意の他の好適な係止機構を含む、任意の好適な係止技術または係止デバイスを使用可能である。いくつかの変形例では、より軟質の遷移材料(ゴム、布地、または皮革等)を虹彩絞り566構成要素の端部に追加し、虹彩絞りとユーザの身体との間により軟質の界面を形成し、快適性を促進する、および/またはシールの質を改良してもよい。例えば、いくつかの変形例では虹彩絞りは、直径約12インチの開口部から直径約22インチの開口部に拡張可能であって、幅広い身体種類のユーザに対応するように構成されてもよい。
【0076】
図5Kは、ユーザに対して密封するための1つ以上のバッグ572を利用する調節可能オリフィスシール570の別の実施形態を図示する。いくつかの変形例では、バッグ572は、小球で充填可能であって、ユーザの周縁の周囲に配置され、加圧可能封入体に取着されてもよい。一実施形態では、1つ以上のバッグ572内の小球を使用して、1つ以上のバッグに真空を印加することによって、シールを生成可能である。空気がバッグから除去されると、小球は、ユーザの身体に適合する剛性表面を形成する。小球は、例えば、Styrofoam(商標)発泡ポリスチレン等のプラスチック、ガラス、または他の剛性材料等の任意の好適な材料から構築可能である。さらに、小球は、真空下に置かれると、輪郭形成剛性シールを形成するために十分に小さくサイズ調整される。小球を含有するバッグに印加される真空は、チャンバからの圧力下であっても、小球を牽引し、快適な剛性シールを形成可能であるように、十分に強力であるべきである。一実施形態では、より軟質の材料574が、ユーザの身体とバッグ内の真空パックされた小球との間に配置され、使用中の快適性を促進する、および/またはユーザとバッグ内の真空パックされた小球との間のシールを向上させてもよい。真空は、ユーザによって起動されるモータ、吸引ポンプ等の外部源、あるいはバッグまたは複数のバッグ内の真空を牽引するための他の好適な手段によって、供給されてもよい。いくつかの変形例では、空気差圧機械の1つ以上の構成要素は、真空を供給するように構成されてもよく、例えば、チャンバを加圧されるために使用される送風機は、ポンプとして構成されてもよい。
【0077】
図5Lは、1つ以上のカム580を利用する調節可能オリフィスシール578の別の実施形態を図示する。本変形例では、1つ以上のカム580を利用して、ユーザ582に対してシールを形成する。カム580は、それらを下方に指向させる重心を必然的に有する成形断片である。その幾何学形状は、多くの異なる方法で形成可能であるが、その形状の一端は、形状の別の部分よりも軸の周囲に長い軌道を有する。それらがループ構成に配列される場合、孔の中央に向かって指向されるよりも、下方に指向されると、より大きな直径の孔を生じさせる。ユーザが開口部に進入すると、カムは、転倒する、またはその枢動点から、その最長軸に沿って、下方に既に指向されている。圧力、ユーザの上昇によって、またはレバー等の使用を通して、カム580が押し上げられると、カムは、開口部の円周が低減され、ユーザに対してシールを形成するように押し上げられる。一実施形態では、カムは、それらを安定した配向に維持する係止機構を有する。さらに、実質的に気密性の材料(図示せず)が、カム間に配置され、ユーザに対して十分に気密性のシールを維持してもよい。一実施形態では、ユーザ582が、その身体の挿入に応じて、カム580を下方および外側に押動させるように、カム580は、内側に偏向される。カム580上の偏向によって、カム580に跨設される実質的に機密性の材料上に初期圧力を生成させ、したがって、ユーザの身体に対して初期シールを生成する。ユーザを囲繞するチャンバ内の気圧は、上昇すると、カム580上の圧力を向上させ、したがって、シールを改良可能となる。
【0078】
いくつかの変形例では、パウチが、本明細書で論じられるいくつかの適切な実施形態のユーザによって装着されるショーツに追加され、空気差圧システム内での使用中、鼠径部に快適性を付与可能である。本パウチは、存在する場合、弾性材料を使用して作製可能である。パウチ586を伴うユーザショーツ584の一実施形態は、図6に図示される。一実施形態では、ショーツは、圧力変化を可能にし、それによって、その領域周囲の圧力を低減する多孔性材料から構築されてもよい。これは、低圧力において、男性ユーザに特に重要である場合がある。
【0079】
(回転オリフィスシール)
現在、美容、健康、または運動目的のために、空気差圧技術を利用するデバイスは、ユーザが圧力チャンバに対して移動可能であるという点に限定されている。外気よりも高圧または低圧を有するチャンバによって、ユーザは、身体的改良をもたすことが可能な種々の活動を達成可能となる。現在、これらの機械のうちの1つにおけるユーザは、封入体に対して、静的(すなわち、活動前または後)または動的(すなわち、活動中)にその身体の回転を可能にすることを通して、その可動範囲を増加させることを所望する場合がある。回転移動を促進するユーザシールは、空気差圧技術の多くの用途にとって有益である。動的調節はチャンバ内に居る時間の間、より幅広い可動範囲能力をユーザにもたらし、チャンバから退出する、またはチャンバの設定を変更する必要なく、チャンバ内で位置を変更可能にする。回転調節能力によって、ユーザは、床の方向または角度を調節する、あるいは底部表面を移動させる必要なく、正常前進動作、横方向動作、および後退動作を行なうことが可能となるであろう。また、必要ではないが、平行移動能力とのさらなる組み合わせによって、加圧されたチャンバ内のユーザのための経験および可動範囲を改良してもよい。一実施形態では、記載された回転および平行移動能力の一方または両方は、自動化、センサ、ソフトウェア、および/またはハードウェアを介して、補助されてもよい。
【0080】
一実施形態では、回転シールは、軸受の使用を介して作製され、空気差圧システム内のシールを中心とする回転動作を可能にする。一実施形態では、チャンバ内のユーザの相対的回転動作は、ユーザと封入体との間に軸受を配置することによって可能となる。図7Aは、空気差圧システムにおいて、ユーザシール内で使用するための針状ころ軸受を組み込む軸受封入体の一実施形態を図示する。図7Aに図示される特定の実施例の場合、軸受封入体700は、外側チューブ状区画702と、外側チューブ状区画704と同心関係に配列される内側区画704と、を有する。内側区画702の外側表面と、同心円状に配列された外側チューブ状区画704の内側表面との間の間隔許容値は、外側区画704が、それらの表面間に複数の円周方向に分布する針状ころ軸受706の挿入を受容するのに足りるように、内側区画702に対して過大にサイズ調整される程度である。軸受封入体700は、ユーザシールの周囲に配置可能である。ユーザが、回転し、チャンバ内のオリフィスの中心から、極端に同心離脱するような移動の試行に伴って、針状ころ軸受は、本動作に抵抗するが、針状ころ軸受(ころ)は、回転を可能にする。したがって、ユーザは、封入体と略同心円状に維持されるが、自由に回転可能となる。いくつかの実施形態では、フラップシール等の二次的シール(図示せず)、あるいは本明細書に記載または別様に周知の他の密封方法を使用して、針状ころ軸受によって占有される2つの同心表面間の間隙を密封してもよい。
【0081】
また、封入体に対するユーザの回転は、材料層間において、玉軸受を使用することによって達成可能である。図7Bおよび7Cは、圧力チャンバ内で使用するための材料710Aおよび710Bの層間に軸受712を伴う、シール708の一実施形態の断面図を図示する。材料層間で使用される玉軸受の簡略化された実施例は、回転盆軸受である。回転盆軸受は、2つの同心リングが互いに対して回転可能である複数の玉軸受を介して接続される、同心リングを備える。内側リングは、別の媒体(例えば、布地またはゴム)を介して、ユーザに接続または接触してもよく、外側リングは、第2の媒体を介して、封入体に接続してもよい。軸受本体は、チャンバから分離可能であるが、本明細書に記載または別様に周知の方法を使用して、チャンバに取着可能であってもよい。一実施形態では、フラップシール714または他の周知の密封方法が、軸受の同心リングの表面全体にわたって配置され、軸受間の間隙を密封してもよい。一実施形態では、フラップシールが、底表面ではなく、軸受の上表面に移動される際、類似構成が、陰圧チャンバのために使用されてもよい。一実施形態では、回転シール708は、流体軸受を利用する。ここでは、気体または液体の層を挿入することによって、軸受は、動作を改良するために有用であるように生成可能である。そのような軸受における外側表面は、密封され、流体の漏出を防止するであろう。
【0082】
図7Dは、互いに対してスピン可能な特性を有する重畳材料722および724として図示される、重畳材料の1つ以上の断片を伴う回転シール720の別の実施形態を図示する。図7Dでは、複数の材料722および724は、重畳し、圧力チャンバと外部との間にシールを生成する一方、ユーザは回転可能であるように構成される。重畳は、図7Dに図示されるような2つの材料間、または3つ以上の材料間であってもよい。重畳は、2つの断片間または複数の断片間であってもよい。一実施形態では、材料間の相対的回転動作は、材料722および724の2つの表面間の十分に低い摩擦係数によって達成される(例えば、2つの表面間のころまたは軸受、または2つの別個の材料間の相対的動作を可能にする他の周知の方法)。一実施形態では、回転シール720等の回転シールは、特定の回転可動範囲を可能にする1つ以上の停止部、トラック、または誘導表面を含んでもよい。一実施形態では、本回転シールの概念は、例えば、チャンバ内の真空が、2つの表面が離れるように押動する代わりに、それらをともに牽引するように、チャンバの上表面にユーザに取着されるシールの一部を載置することによって、チャンバ内の陰圧によって作用するように適合されてもよい。
【0083】
異なる実施形態では、回転シールは、図7E−7Iに図示されるように、異なる幾何学形状を介して構成されてもよい。一実施形態では、シール材料は、異なる幾何学形状に構成され、環境、圧力、チャンバ形状、ユーザ動作、製造可能性、およびコスト等、異なる変数を利用する。これらの他の幾何学形状のいくつかの実施例は、円錐、放物線、半球、または掛合/係止機構である。
【0084】
図7Eは、互いに対して回転し得る重畳円錐732および734のシール730の一実施形態の断面図を図示する。重畳円錐は、回転を提供し得る重畳シールの一形態に過ぎない。
【0085】
図7Fは、2つの断片738および740をともに固着し、チャンバ内の開口部の円周の周囲にシールを形成するために使用され得る、係止フック機構736の一実施形態を図示する。図示されるように、第1の断片738は、第2の断片740上に嵌合するフック状断面形状を有する。第2の断片740は、フレームの一部またはフレームの拡張部であり得る、チューブあるいはロッド(例えば、プラスチックチューブまたはロッド)を備えることが可能である。チューブまたはロッドは、可撓性外郭構造封入体741の縁に縫着される。係止フックの第1の断片738は、図示されるように、第2の円柱断片上に設置され、それによって、2つの断片738または740の表面間の低摩擦係数によって、あるいは2つの断片の相対的移動を促進する任意の他の技術によって、2つの断片738と740との間の相対的回転を可能にする、第1の断片738と第2の断片740との間のシールを形成する。シールは、係止フックの第1の断片738を第2の断片上に単に掛合することによって形成されるため、本回転シールの変形例は、チャンバ内へのユーザの比較的迅速な密封を可能にする。
【0086】
図7Gは、変形可能挿入部744A−744Bの一実施形態を図示する。変形可能挿入部744A−744Bは、オリフィス内に垂設される、または加圧可能チャンバの上表面上に常設され、チャンバのオリフィス上に配置されるように構成される。変形可能挿入部は、プラスチック等の剛性であるが、変形可能な材料、ネオプレン等の可撓性材料、または剛性および可撓性材料の両方の組み合わせから構築されてもよい。図7Gは、可撓性の十分に気密性の材料によって跨設されるであろう、変形可能骨組744Aの例示的実施形態を示す。骨組744Aは、より小さな外側寸法を伴う形状744Bに変形可能であって、744Aに跳ね返るように解放されると、より大きな外側寸法を達成するであろう。チャンバ内の間隙に跨設される材料は、十分に気密性であってもよく、チャンバおよびユーザの両方に対して密封されなければならない。本変形は、加圧可能チャンバの開口部内への挿入を可能にし、その後の拡張は、重畳を提供し、封入体に対してシールを生成する。
【0087】
図7Hは、変形可能挿入部746の別の実施形態を図示する。図7Hに図示されるように、挿入部748Aの硬質部分は、円錐配列に構築される可撓性材料の基部に配置される外側リング748Bである。より剛性の外側リングは、図示されるように、内側に屈曲され、構成750をとり、加圧可能チャンバ762の開口部を通して垂設されてもよい。チャンバの開口部を通して垂設されると、挿入部は、その後、拡張構成760をとってもよい。一実施形態では、より剛性の外側リング748Bは、チャンバ762の内側表面と嵌着し、チャンバ762への係止を向上させ、圧力上昇に伴って、挿入部がチャンバから分離および抜出しないように防止するような、掛合形状に成形されてもよい。一実施形態では、磁石または他の誘引手段を使用して、チャンバ内または外へリングおよび/またはシールの可撓性部分を誘引することによって、より低圧の操作の間、シールを向上させてもよい。他の実施形態では、バックル、ストラップ、または他の締結デバイスを使用して、チャンバ712の外側にリングを固着し、例えば、万一、ユーザが、チャンバのオリフィスを通して、転倒および落下し始める場合、ユーザのための支持を提供してもよい。陰圧システム構成では、変形可能挿入部(図7Hに図示される挿入部746に類似)は、圧力チャンバの上硬質表面に常設され、それによって、変形可能挿入部が、上述と同様に、チャンバのキャップとして本質的に機能するように、変形可能挿入部が、真空下、開口部を通して吸引されるのを防止してもよい。これによって、ユーザは、チャンバに容易に進入可能となるが、依然として、圧力を維持し、ユーザが回転可能であるユーザシールを提供する。
【0088】
図7I−1は、回転シール766の別の実施形態を図示する。本特定の実施例では、回転シールは、結合されると、キー溝774を形成する2つの別個の断片(上方断片768および下方断片770)と、断片768および770のうちの一方の他方に対する回転を可能にする一方、また、チャンバ内の圧力を保定するように、オリフィス内にユーザを係留するように、キー溝774内に挿入可能な嵌合「キー」772と、を備える。図示される実施形態では、キー溝774の半分を含む上方断片768は、キー溝774の残りの半分を含む下方断片770上に圧下される。2つの断片が接続されると、シールの円周の周囲に円形通路が生成される。キー772(例えば、円唇キー)は、スロット内に挿入され、断片をともに係止する。シールを回転させるために、ユーザは、上方および下方断片の他方に接続される封入体によって、上方または下方断片に接続されてもよい。ユーザの回転の試行に伴って、円形キーは、接合またはシールを断絶させずに、一方の断片の他方に対する移動を可能にする。本シールは、スピン可能なように構築可能である。一実施形態では、二次的シール、例えば、フラップ(図示せず)が、回転シール766を生成し、回転の間、十分に気密性のシールを維持する2等分間に配置されてもよい。
【0089】
図7I−2に図示される回転シールの別の実施形態では、シールのユーザ側の布地のループは、空気差圧システムの封入体の上部に取着される剛性チャネルの円周に延設されるスロット内に挿入される。次いで、キーは、布地のループを通して圧入され、布地のループをスロット内で拡張させ、ループがスロットから抜出するのを防止する。同様に、ループが、必ずしも布地から作製されるわけではないが、封入体上で変形し、剛性チャンバに対して密封する材料から作製される場合、他の変形例でも、シールが生成されてもよい。
【0090】
「キー」回転および係止機構を備える回転シールの別の実施形態は、上述の図5Cで描写されるような剛性環状空洞をユーザの腰の周囲に生成するものである。拡張可能材料が拡張されると、ユーザの円周の周囲の空洞の一部を充填するように、膨張可能リングであり得る拡張可能材料は、チャンバの周縁の周囲に配置される。本拡張可能「パウチ」は、ユーザを囲繞する空洞に対して機械的干渉をもたらし、順に、チャンバ内の圧力の上昇または下降に伴って、シールを生成させる。二次的シールは、空洞と拡張可能材料との間に含められ、これらの2つの部分間のシールを向上させてもよい。次いで、拡張可能「パウチ」は、「キー」として作用する。拡張可能材料は、チャンバまたはユーザ上に配置可能である。シールのユーザ側に常設される拡張可能パウチを備える拡張可能材料の実施例は、図5Dに上述される。本実施形態では、環状空洞は、封入体内の開口部の周縁の周囲に常設される。ユーザは、自身を開口部内に挿入し、拡張可能材料(例えば、パウチまたはチャンバ)が、空洞の一部を充填し、したがって、ユーザシールをチャンバに固着するまで、ユーザシールの周縁の周囲に配置される材料を拡張させる。
【0091】
回転ユーザシールは、本明細書で論じられるように、単独で使用される、または他の周知の密封方法と併用され、図7Jに示されるフラップシール等、回転する圧力シールを生成してもよい。
【0092】
図7Jは、一実施形態による、調節可能オリフィス回転シール780の断面図を図示する。本特定の実施形態では、外側壁リング788は、図1および図2に関して上述のもの等の空気差圧システムの外郭構造壁782内に組み込まれる、またはそれと連結される。図示される実施形態では、リング786は、外側壁リング788内のU字形状チャネル内部を滑動する。いくつかの変形例では、調節可能オリフィス回転シール780は、リング786の下面および上面にフラップシール784をさらに含む。一実施形態では、加圧下(陽圧または陰圧)、フラップシール784は、調節可能オリフィス回転シール780の十分に気密性のシールを可能にするが、例えば、図3および4A−4Bの反転オリフィススカートによって、オリフィスに取着されると、オリフィス内でのユーザの回転を可能にする。
【0093】
図7Jの断面図から分かるように、内側リング786によって密封されるチャンバが加圧されると、外郭構造壁782によって生成されるチャンバ内の圧力は、外側壁リング788の表面に対して、内側リング786を吸引または押圧し、気密シールを形成するであろう。当業者は、スピンリングを生成する他の方法が存在することを認識するであろう。一実施形態では、内側リング786および外側リング788は、プラスチック、金属、または他の十分に剛性の材料から作製されてもよい。フラップシール784は、任意のゴム、布地、または他の好適な密封材料から作製されてもよい。 (平行移動オリフィスシール)
空気差圧システムの基部に対して、ユーザの平行移動を可能にすることは、ある状況では、望ましい場合がある。例えば、空気差圧システムに1つ以上の平行移動要素を追加することによって、ユーザは、より幅広い移動選択肢を経験可能であって、空気差圧技術をより広く適用可能かつ潜在的により有用となり得る。空気差圧経験の目標は、自然な身体動作を可能な限り制限せずに、個人の体重にかかる負荷の軽減を提供することである。したがって、1つ以上の軸に沿って、ユーザを平行移動可能にすることは、運動の間のさらなる自由度および全体的により自然な経験への第一歩である。本明細書で使用されるように、チャンバの縦軸は、ユーザに対して、前後方向のユーザの移動を指すことを意味する。
【0094】
空気差圧システム内の平行移動動作は、種々の方法で達成されてもよい。2つの広義な分類が考えられ得る。不連続平行移動と、動的平行移動である。不連続平行移動システムは、ユーザが平行移動位置を変更可能であるが、位置を変更するために運動を中止する変形例を指す。動的平行移動システムは、ユーザが、「即時」、すなわち、運動を中止せずに、位置調節する能力を有する変形例を指す。後述の平行移動を達成する方法は、不連続または動的構成で構築されてもよい。回転動作等の動作の他の方法は、図8に示されるように、平行移動動作と組み合わせて、ユーザ経験および自然な身体移動の自由度を向上させてもよい。
【0095】
図9Aは、空気差圧システムシール内において、例えば、チャンバの縦軸に沿って、平行移動動作を可能にするレールシステムの実施例を図示する。レール902は、シールの1つ以上の側面(ユーザ側またはチャンバ側)に接続されてもよい。剛性または軟質材料であり得る材料906は、ユーザの身体(図示せず)とレールまたは複数のレール902との間に配置される。材料906は、摩擦、ベルト、ストラップ、あるいは本明細書に記載または別様に周知の身体に取着する任意の他の方法によって、ユーザに取着されてもよい。また、材料が、レールまたは複数のレールの長さに沿って、平行移動可能であるように、材料906は、レールに取着されてもよい。本平行移動は、2つの表面間の好適な低摩擦の摺動動作、車輪またはキャスタによって達成される転動動作、あるいは材料を互いに対して平行移動可能にする他の周知の方法によって可能となる。ユーザの身体位置が、レールまたは複数のレールの一端に対して変化するのに伴って、可撓性材料904が、片側では拡張し、反対側では収縮し、レールの長さに沿って、閉鎖開口部を維持することによって、気密シールを維持するように、可撓性かつ十分に気密性の材料904は、レール902の各端との間に配置される。ユーザが、例えば、前方方向に平行移動するのに伴って、車輪またはキャスタも同様に、その方向に付勢され、それによって、シールを移動させる。シールは、外郭構造と全可動部分との間の可動開口部の周縁に沿って配置されてもよい。そのようなシールは、フラップシール、あるいは本明細書に記載または別様に周知の他の形態のシールから構築されてもよい。
【0096】
一実施形態では、レールの概念は、2つ以上の方向に同時に適用されてもよく、例えば、レーザ切断機械のように、1つのレールシステムが、別のレールシステム内を摺動する。本実施形態の場合、平行移動の際、十分に気密性の上表面を維持するための上述の同原則が適用される。平行移動動作は、ユーザの身体によって誘発される、もしくはモータまたは他のアクチュエータ、あるいは手動または補助操作の組み合わせによって、支援されてもよい。例えば、補助作動システムは、ユーザの移動を感知し、適切な速度で、その方向におけるユーザのシール開口部内における平行移動を補助するように応答してもよい。
【0097】
図9Bは、空気差圧システムシール内において、例えば、チャンバの縦軸に沿って、平行移動動作を可能にする伸縮部材を図示する。一実施形態では、1つ以上の伸縮部材は、互いに内部で嵌合され、内外に摺動可能であって、それによって、平行移動動作が可能となる。一実施形態では、シール内の伸縮断片または部材の動作は、低摩擦材料を含むことによって、あるいは軸受、流体軸受、磁力、および/または伸縮動作を補助する潤滑剤を使用することによって、支援される。図9Bは、ユーザの身体の片側の伸縮部材912を図示する。別の組の伸縮部材912が、ユーザの身体の反対側に配置されてもよい。中心部分918が、伸縮部材912とともに平行移動するように、中心部分918は、ユーザの身体および伸縮部材912のうちの1つ以上に取着される。十分に気密性の可撓性材料914は、中心部分の平行移動に伴って、拡張および収縮可能である一方(例えば、折畳可能な可撓性材料、または伸展可能な弾性材料)、シール内の十分な完全性を維持する。伸縮部材は、複数の方向に伸縮可能であるように、組み合わせてられてもよい。いくつかの変形例では、伸縮動作、例えば、多方向伸縮動作は、本明細書に記載される作動システム920によって補助されてもよい。
【0098】
図9Cは、重畳材料または構造924および926を伴う、平行移動シール922の別の実施形態を図示する。シールのための重畳材料幾何学形状の他の非限定的実施例は、図7D、9D、および9Eに図示される。種々の実施形態では、平行移動シールを生成するために使用されるこれらの重畳材料は、種々の幾何学形状に形成され、異なる範囲の動作を可能にする。図9Cは、複数の重畳プレート924および926の一実施形態を図示する。プレート924および926は、いくつかの変形例では、硬質境界と、可撓性中心とを有することが可能であって、または他の変形例では、完全に硬質であってもよい。また、一実施形態では、シール922は、プレート924および926の重畳縁上に配置されるフラップまたは他の密封方法を含み、圧力下および動作の間、十分に気密性のシールを維持してもよい。一実施形態では、加えて、磁石または他の誘引手段が使用され、例えば、低圧条件下、摺動部分およびチャンバをともに密接状態に維持してもよい。
【0099】
重畳材料または構造のための幾何学形状の非限定的実施例は、矩形、円形、楕円形等を含む。図9Eは、重畳プレート902から902の一実施形態を図示する(図示されるように、円形であっても、またはそうでなくてもよい)。重畳プレート902から902は、全方向における同時平行移動動作を可能にしてもよい。フラップまたは他の密封方法は、重畳プレート902から902の周縁の周囲に配置され、動作の間、チャンバ内の圧力を維持してもよい。いくつかの変形例では、1つ以上の停止部または制限部、あるいはシールを介してユーザに取着される断片が極端に進行するのを拘束するトラックまたは境界が存在してもよく、それによって、重畳断片間に間隙を生成する。別の実施形態では、例えば、図9Eに図示される重畳断片の位置は、陰圧チャンバと連動して反転され、真空条件下、シールを生成してもよい。
【0100】
平行移動シールを生成するためのこれらの重畳方法のいずれも、軸受、流体軸受、磁力、あるいは密封または動作を補助するための潤滑剤を使用可能である。さらに、重畳材料は、剛性、可撓性、または両方の組み合わせであることが可能である。例えば、平行移動シールは、例えば、図7Hに関連して図示および上述の変形可能な傾斜形状を使用して形成可能である。傾斜形状は、非変形時、外郭構造内部の輪郭に類似し、外郭構造内に挿入されると、外郭構造と傾斜形状との間に機械的干渉が存在するのに十分なサイズであってもよい。傾斜形状は、任意の好適な材料、例えば、ネオプレン等の可撓性布地から作製される、または備えてもよく、あるいは変形可能プラスチックまたは他の可撓性材料であってもよい。傾斜形状は、外郭構造封入体上の縁と嵌着し得る基部の周囲に縁を有し、圧力がチャンバ内に印加されると、2つの断片(傾斜形状および外郭構造封入体)の係止を補助してもよい。傾斜形状を形成する材料は、その可撓性および気密性の特質によってシールを形成してもよく、または傾斜形状の周縁と封入体の外郭構造との間に配置されるフラップまたは他の密封機構が存在してもよい。傾斜形状の中心孔は、本明細書に記載または別様に周知の方法によって、ユーザの身体に対して密封するように構成されてもよい。傾斜形状の変形は、封入体へのユーザの身体の連結への容易かつ単純なアクセスを可能にすることによって、運動時間を短縮し、例えば、緊急時、チャンバからの分離を促進可能とする。外郭構造への傾斜形状を誘引または連結する磁石あるは他の手段を使用して、低圧操作下におけるシールの生成を補助してもよい。そのようなシステムは、2つの実質的に低摩擦の表面間の回転または同一手段によって達成される平行移動を可能にするように構成されてもよい。
【0101】
図9Fは、蛇腹に類似する折重材料を利用する、平行移動シールの別の実施形態を図示する。図9Fに図示される実施例では、2つの別個の蛇腹932は、ユーザの身体の片側に配置され、中心部分938によって接続され、その中にユーザ(図示せず)が挿入され、例えば、スカート、あるいは本明細書に記載または別様に周知の他のシールを介して、気密シールが生成されてもよい。本明細書で論じられるものに類似するレールシステムは、開口部の長さに沿って配置され、蛇腹932および中心部分938は、動作の間のユーザの平行移動に伴って、レールシステムに沿って平行移動する。ユーザの平行移動に伴って、他方の蛇腹が拡張936するため、一方の蛇腹は収縮934し、それによって、動作の間、開口部の完全被覆を維持し、周縁の周囲に十分に気密性のシールを維持する。1つ以上の区画が、蛇腹内で使用されてもよい。より多くの区画の使用に伴って、各部分がより短い被覆距離を有するため、材料は、高さがより低くなり得、したがって、ユーザに対して低妨害性となる。一実施形態では、フラップシール等の密封方法または他の周知の密封方法は、レールの周縁に沿って配置され、チャンバ内に十分に気密性の環境を維持してもよい。
【0102】
平行移動動作は、空気差圧システムの種々の実施形態における1つまたは複数の平面上で生じてもよい。これは、跳躍、スクワット、補助懸垂、またはディップ等の顕著な垂直動作を必要とする運動が行なわれる気圧チャンバにおいて有益である場合がある。垂直平行移動を可能にする方法の1つは、余剰材料を使用して、時として、ピストン/シリンダ構成に見られる、可撓性転動ダイヤフラムを生成することである。垂直平行移動を可能にするユーザシール940の一実施形態は、図9Gに示される断面図に図示される。可撓性フラップ942は、ピストンまたはユーザの身体の周縁の周囲に押出され、ユーザの周縁の周囲に転動ダイヤフラムを生成する。ユーザの身体が上下に平行移動するのに伴って、可撓性材料は、展開され、動作可能にし、ユーザの身体が方向を切り替えると、反対方向に後退する。外郭構造の外側開口部は、本明細書に記載または別様に周知の任意の手段によって、事前設定あるいは調節可能であってもよい。作用表面積が非常に小さく、ダイヤフラムの材料の剛性が、ダイヤフラムの拡張を抑制し、チャンバ内に陽圧または陰圧が印加されるかに応じて、チャンバ内または外に大きなバルーンを形成し得るため、開口部の外側寸法を制限することによって、転動ダイヤフラム上の圧力から生じる力は最小限となる。ダイヤフラムは、本明細書に記載または別様に周知の任意の手段によって、ユーザに取着可能であってもよい。一実施形態では、本構成は、チャンバに対して、垂直平行移動を可能にする。
【0103】
一実施形態では、これらの平行移動シールおよび関連方法は、単独で、もしくは他のシール特徴あるいは本明細書に記載または別様に周知の密封方法と併用され、平行移動する圧力シールを生成可能である。二次的シールの実施例は、フラップシールである。さらに、平行移動シールを利用するこれらの平行移動シールおよび方法は、単独で、または本明細書に記載される他の概念のいずれかと併用されてもよい。
【0104】
(固着係留シール)
本明細書に記載されるように、圧力チャンバ内にユーザを伴う空気差圧技術の有効性は、どのようにユーザが圧力チャンバ内に密封可能であるかに部分的に依存する。また、ユーザのチャンバへの進入およびそこからの退出能力は、ユーザ経験の好意性の程度を決定し得る。
【0105】
一実施形態では、ユーザは、接着材を使用することによって、加圧チャンバに接続されてもよい。ユーザまたはユーザの衣類の断片への接着材の適用によって、シールの単純生成が可能となるであろう。テープの1つ以上の層を使用して、チャンバ開口部に人を取着し、迅速にシールを生成可能である。また、乾燥性の溶剤系の糊も、チャンバにユーザを取着するための可能性の1つである。
【0106】
一実施形態では、図4Aおよび4Bのプリーツまたはジッパー付き反転スカートを利用して、ユーザは、その周囲のシールを迅速にサイズ調整可能である。反転スカートは、いくつかの変形例では、剛性であるが変形可能な材料、可撓性変形可能材料、または剛性であるが変形可能な材料および可撓性変形可能材料の組み合わせから構築可能である。可撓性変形可能材料は、必要に応じて、スカートの一部を折重可能にする。これらの襞は、反転スカートを身体に取着および密封させることが可能である。反転スカートの折重または展開を可能にするジッパーまたは他の閉鎖機構を取着することによって、ユーザは、締着する必要があるスカートの部分とそうではない部分を選択可能である。加えて、いくつかの変形例では、高摩擦材料または接着材(例えば、スプレー式接着剤またはテープ)が、反転スカートの内側表面上に配置され、ユーザ上への握着を増加させ、圧力下、ユーザシールのユーザの身体からの分離防止を支援してもよい。
【0107】
ユーザの腰の周囲においてのみ、身体に接触する多くの密封方法の側面として、より高圧下時、「膨張」する、または動作の間、ユーザの身体上に捲れ上がる場合がある。シールは、圧力をもはや保持不可能な形態に変形または反転する。本問題に対処する方法の1つは、互いに誘引する垂直重畳表面によって、ユーザをチャンバに密封することである。これによって、ユーザは、開口部内に落下するが、次いで、チャンバに密封されるであろう。
【0108】
上述のように、「膨張」に耐えるユーザシールは、高摩擦または「粘着」表面、Velcro(商標)型閉鎖手段、ファン・デル・ワールス力を利用した材料の相互作用、あるいはシールの一部をユーザ、ユーザの衣類、シールの別の部分、もしくはチャンバの一部に接着する磁力の使用を含む、任意の好適な方法によって達成可能である。2つの表面は、互いに相互作用し、ユーザシールを生成可能である、または補助され得る。例えば、引き紐または他のバンドを使用して、2つの高摩擦材料をともに牽引し、空気差圧システム内にユーザを固着してもよい。引き紐は、反転スカートが膨張する必要がある開口部の外径を制限可能であって、ユーザの身体に対して締着される場合、反転のための空間を生じさせない。また、「粘着」表面が、「膨張」事象を生じさせる力である垂直力に耐える必要がないように、引き紐に加えて、他の方法を使用して、ロッドまたは他のキー溝等の機械的干渉を支援し、各シール材料の上部を互いに係止可能である。
【0109】
図10Aは、密封フラップ1001が、チャンバに取着され、ユーザに取着される嵌着フラップ1002と接触し、嵌着が、引き紐1003の使用によって、嵌着が補助され、垂直力が拘束される、空気差圧システムのための密封機構の一実施形態を図示する。(例えば、図5Bは、編み上げシールアタッチメントの一実施形態を図示する)。ある変形例では、引き紐1003は、密封材料が互いから剥離しないように防止することによって、多層ユーザシールの完全性を保証するように支援する。
【0110】
また、一実施形態では、折重パターン(例えば、おむつのような)は、圧力チャンバにユーザを係留する方法の1つである。図10Bおよび図10Cは、空気差圧システムのための折重材料密封機構の実施形態を図示する。図10Bに図示される身体に優しいパターン1020、または代替例では、図10Cに図示される身体に優しいパターン1030に一連の切り込みを入れることによって、一定範囲の身体サイズおよび形状を有するユーザは、加圧チャンバ内に自身を密封可能である。身体に優しいパターンは、ユーザの周囲に巻装され、任意の好適な密封技術またはアタッチメント手段、例えば、テープ、接着剤、クリップ、Velcro(商標)型閉鎖手段、スナップ、ボタン、あるいは任意の他の好適なアタッチメント手段を使用して、固着可能である。巻装されると、略腰レベルでユーザの身体を囲繞する、身体に優しいパターン1020および1030の上表面1022は、本明細書で議論または別様に周知の方法あるいは構造を介して、圧力チャンバに取着する。
空気差圧システムのための調節可能な高さおよび支持バー
空気差圧システムでは、システムは、可能な限り幅広いユーザに対応することが望ましい。本対応に対する最も困難な側面の1つは、効率的、効果的、かつユーザに優しい態様において、個人の腰を囲繞する一方、チャンバの加圧から生じる負荷下、外郭構造の構造的完全性を維持する、開口部の高さを調節することである。固定高さを有するチャンバは、狭い範囲のユーザに対してのみ作用可能である場合がある。外郭構造が、例えば、6フィート4インチのユーザの腸骨稜に常設されるように最適化される場合、5フィート0インチのユーザは、胃の上方に開口部を有し、装置を効果的に使用することができないであろう。
【0111】
快適なユーザ経験のために、高さ調節プロセスは、単純、迅速、かつ直感的に行なえるべきであって、幅広い高さにわたって、調節可能でなければならない。さらに、機構は、高齢者または弱者によって操作され得るように、容易に作動し、調節のために力をほとんど必要とさるべきでない。
【0112】
高さ調節方式が、減圧または過剰加圧が生じる際、ユーザの支持を提供する場合、さらに有益である。基部または床に係留されるストラップによって膨張可能な布地を有することは、チャンバの高さを維持する効率的手段であり得るが、いくつかの変形例では、万一、例えば、布地の裂開またはストラップの破損、あるいはチャンババッグの裂開およびユーザ転倒の場合、不十分な安全性を提供する場合がある。
【0113】
図11は、図1および図2に関連して上述のもののような空気差圧システム1100の一実施形態を図示する。本特定の変形例では、空気差圧システム1100は、支持バー1104を含む。一実施形態では、ユーザのつまずき、転倒の際、またはシステム1100の突発的収縮が生じる際、開口部1106の高さが調節され、ユーザ1102に支持を提供してもよい。一実施形態では、高さ調節および支持は、別個の機構を介して達成される。支持および高さ調節の両側面は、例えば、転倒を防止する等、安全な製品にとって有益であって、種々の身長のユーザに効果的である。
【0114】
システム1100内の支持バー1104および高さ調節1110は、支持および高さ調節特徴の両方を単一機構またはシステムに組み込むシステムの一実施形態を表す。しかしながら、空気差圧システムの他の実施形態は、これらの特徴のうちの1つのみを含むことが可能である。例えば、図11に図示される実施形態では、快適、安全、高度に調節可能、かつ高度に適合可能なシステムが提供される。
【0115】
いくつかの変形例では、係止バー1108および高さ調節バー1110等の係止機構は、支持バー1104の角度の調節を可能にするが、これは、いくつかの状況において、例えば、システム1100が、ユーザ1102を勾配上で走行させるように構成される場合、重要である。支持バーの角度が調節不可能であるシステムでは、ユーザが急勾配を走行する場合、ユーザは、オリフィスの縁に衝突する場合がある。背の高い人は、勾配にかかわらず、同一問題を有する場合がある。したがって、空気差圧システムに対する支持バー1104の高さおよび角度の調節可能性は、システムの種類を上手く使用可能なユーザの範囲を拡大し、また、システムの使用範囲を広げる。
【0116】
一実施形態では、安全バー1104は、安全バーが調節された角度に係止バー1108を係止する。係止バー1108の係止機構は、ユーザ1102がよろめきまたは転倒の場合、ユーザ1102が、支持バー1104上に自身を安全に支持可能であることを保証する。
【0117】
図12は、図11のバー1104等、空気差圧システムの高さ調節可能支持バー1104の一実施形態の斜視図を提供する。高さ調節バー1104は、ユーザによって、自由に動かすことが可能であって、調節可能のまま、自由に動く、または枠組み構造に取着されてもよい。一実施形態では、調節可能支持バー1104は、図11に示されるように、バッグ1100の軸鞘1112を通して、空気差圧システムバッグに取着される。バー1104がシステム1100内の他の構造構成要素から分離される、図11のバー1104の構成は、垂直位置だけではなく、傾転配向におけるバー1104の調節自由度を可能にする。
【0118】
いくつかの変形例では、システム1100内の支持バー1104の高さの調節は、ある傾転角度における支持バー1104を高さ調節スロット1110内に構成することによって行なわれる。一実施形態では、万一、ユーザ1102が転倒し、安全バー1104にもたれる場合、高さ調節スロット1110が、少なくとも短時間の間、屈曲または破損せずに、ユーザの全体重を支持可能であるように、十分な強度の材料から構築される複数(例えば、2、3、4、5、6、またはさらにそれ以上)の高さ調節スロット1110が存在する。
【0119】
図13は、空気差圧システムの支持バー1104の一実施形態の側面図である。図13に図示されるように、支持バー1104は、空気差圧システム1100内におけるユーザ1102の全力疾走、走行、ジョギング、または歩行に対応するように輪郭が形成される。一実施形態では、支持バー1104の輪郭は、サドルの輪郭に類似する。図13に示されるように、支持バー1104は、ユーザの腕の振りに対応するように、ユーザ1102の臀部またはその近傍において、下に傾くが、脚の蹴り上げおよび膝までの高さの動作に対応するように、十分な高さまで前後に上昇される。
【0120】
図14は、空気差圧システムの支持バー1104の一実施形態の上面図である。一実施形態では、支持バー1104の周縁形状は、ユーザが嵌入する空気差圧システムの外郭構造(例えば、硬質または軟質外郭構造)の周縁形状を制御する。いくつかの実施形態では、支持バー1104の形状は、本明細書に記載される支持バーの他の機能のうちの任意の1つに加えて、外郭構造の形状を制御するように構成される。軟質外郭構造(例えば、布地外郭構造)の代わりに、硬質外郭構造を利用する実施形態では、ユーザとの界面に最近接する硬質外郭構造の上部は、上述の理由から、サドルに類似する形状を有してもよい。
【0121】
一実施形態では、支持バー1104は、システム1100内での使用下、定位置に固定される。支持バー1104は、係止バー1108を介して、定位置に固定される。いくつかの変形例では、係止バー1108は、支持バー1104がある位置に設定されると、振り下ろされ、定位置に係止する。ある変形例では、自動掛止機構が利用されてもよい。しかしながら、図11に図示されるように、係止バー1108の掛止機構の閉鎖によって、支持バー1104を定位置に固着するように、支持バー1104は、係止バー1108上のある位置に設置されてもよい。いくつかの変形例では、支持バー1104は、空気差圧デバイス1100のフレームの前方部分に掛止される。しかしながら、ラッチは、掛止されたままであっても、依然として、軸を中心として支持バー1104を回転させるように構成されてもよい。
【0122】
図15Aは、空気差圧システム1100内に支持バー1104を固着するための掛止機構の変形例の図である。図15Aの矢印によって示されるように、掛止機構は、開放位置1500から閉鎖位置1502に遷移し、支持バー1104を空気差圧システム1100内の定位置に固着してもよい。
【0123】
図15Bは、空気差圧システム1100内に支持バー1104を固着するための掛止機構の別の変形例の図である。図15Bに図示される変形例では、掛止機構は、1つ以上の装荷カム1512A、例えば、装荷カム1512Aのアレイを含み、各装荷カムは、支持バー1104のための選択可能位置に対応する。図示されるように、バネ装荷カムが位置1512Bにある時、バー1104は、定位置に係止される。
【0124】
図16は、空気差圧システム1100に連結される支持バー1104の斜視図である。
【0125】
空気差圧システムのための高さ調節可能構造1700の別の実施例は、図17に図示される。ここでは、構造1700は、システムの前方および後方に一連の水平スロット17041..Nを備える。図示されるように、支持バー1702は、システムの前方および後方の水平スロット間に延在する。一実施形態では、支持バー1702は、外郭構造内の開口部直下の外郭構造(例えば、布地外郭構造)に添着され、したがって、ユーザが選択する適切な高さに外郭構造開口部を揚上する。本調節方式によって、ユーザは、加圧のために、容易かつ便宜的に自身を外郭構造(例えば、布地外郭構造)に取着可能となる。万一、ユーザが、装置内において、上り勾配または下り勾配での運動を所望する場合、バー1702は、角度変更を可能にする。バーは、水平スロット内に定位置に係止されてもよく、または代替として、スロットは、バーが、圧力下、定位置に係止され、そうでなければ弛緩するように形成されてもよい。
【0126】
いくつかの変形例では、バーは、図18Aに図示されるように、スロット内に挿入され、スロットの後方に押動されてもよい。圧力膨張に伴って、バー1802は、図18Bに図示されるように、部分1806によって、切り欠きまたは溝1804内に揚上され、バーを掛合し、負荷の間/後に、バーが移動しないように防止する。チャンバ内の圧力の低減に応じて、バーは、図18Cに図示されるように、1808に引き下げられ、ユーザによって抜脱されてもよい。図18A−18Cに図示されるような切り欠き設計は、ユーザによる作用をほとんど必要としない一方、使用の際の安全係止を維持することによって、有益となる場合がある。1810および1812等のスロット設計の代替変形例は、図18Dに示される。図18A−18Dに図示される切り欠き設計のさらなる機能は、バー1802が、予想外または突発的減圧の際、あるいはユーザがつまずきまたは転倒の際、少なくとも一時的にユーザを支持可能であることであってもよい。本安全特徴は、神経筋障害を有する高齢患者またはユーザ等、虚弱ユーザにとって重要である場合がある。バー上に垂直負荷がかかるため、バーが定位置に付勢され、水平力によって、バーが外れることは不可能となるであろう。図17および18に図示されるスロットの数ならびに高さ調節スロット間の距離は、高さ調節可能範囲およびシステムが対応可能なユーザの範囲を決定し得る。ある変形例では、高さ調節スロットは、ある方法でマーキングされてもよい。そのようなマーキングは、水平スロット位置にユーザの身長を刻み込む、または単に1、2、3等の番号付与方式で、5フィート0インチ、5フィート4インチ、5フィート6インチ等、絶対的高さの値の代わりに、任意の設定を示すステップを含んでもよい。
【0127】
いくつかの変形例では、高さ調節スロットは、図18Dに図示されるように、バーが、突起または障壁を越えて押動され、バーを定位置に係止するように、例えば、隆起、突起、または他の機械的障壁を含んでもよく、および/または高さ調節バーをスロット内に挿入後、定位置に載置される第2の係止ロッドまたはバーが存在してもよい。一実施例では、例えば、ゲートの係止機構と同様に、跳開し、バーを溝内の定位置に係止する、ラッチの弾性特性を使用して、バーは、隆起または障壁を通過して、楔着される。
【0128】
本明細書に記載されるシステムでは、万一、ユーザが、高さ調節バー上に転倒し、それを支持のために使用する場合、安全バーとその支持機構および係止機構は、高垂直力に耐え、圧力による大きな力および動的負荷の両方を支持可能である。参考として、垂直負荷は、チャンバ内の圧力によって倍加されるバー上のバッグの表面積によって近似され得る。圧力による垂直負荷の推定値は、24インチ×36インチ×2ポンド/水平インチ=〜1700ポンドとなる。
【0129】
空気差圧システムにおける高さ調節のさらなる実施形態は、図19Aおよび19Bに図示される。ここでは、空気差圧システム1900は、布地外郭構造のための膨張可能骨組1902を含む。本骨組1902は、チャンバ1906の内側または外側に縫着される、あるいは別様に取着される、複数の接続された膨張可能チューブを備えることが可能である。チャンバ1906は、膨張されると、圧力下においてとられる形状に近似する形状に封入体布地を牽引する、半剛性構造を形成する。骨組1902が膨張されると、本明細書で論じられるように、ユーザのための開口部は、ユーザがチャンバに対するユーザシールに取着可能な垂直高をとり、骨組に加えて、チャンバ全体の加圧のための準備を行なうであろう。また、万一、主要布地外郭構造が、裂開または断裂し、減圧する場合、膨張された骨組形状は、あるさらなる支持力を提供してもよい。封入体の垂直高制限は、支持構造を提供するであろう外部フレームに固定される硬質バーによって、調節されてもよく、もしくは装置の基部、あるいはストラップを引張状態にするチャンバのある他の場所またはその外側に、封入体および骨組の上部を調節可能に緊締することによって、制限されてもよい。一実施形態では、骨組1902内の圧力および主要封入体1904のための圧力は、2つの別個の圧力源1908によって提供される。
【0130】
図19Bに図示される別の実施形態では、単一圧力源1924が使用され、主要チャンバ1926に空気を送るのに先立って、骨組1922に空気を送るように構成される弁1928(例えば、仕切り弁)を有することによって、骨組1922およびチャンバ1926の両方を膨張させてもよい。いくつかの変形例では、所望の圧力が、骨組1922内に到達されると、弁1928は、チャンバ1926内への気流を可能にする。一実施形態では、気圧を送る際の切り替えは、骨組内の圧力が十分であると、コントローラに信号を送信するセンサ(図示せず)によって、制御されてもよい。別の実施形態では、骨組1922からチャンバ1926への気圧の供給の切り替えは、チャンバ内に空気を転換させる前に、骨組の膨張のための最短時間だけ待機することによって、達成されてもよい。任意の変形例では、骨組から主要チャンバに流動を転換するための切り替えは、自動的に(例えば、骨組内の所望の圧力に到達後、または最短待機時間が経過後)、あるいはユーザ作動スイッチによって手動で、もしくは任意の好適な切り替え方式によって、作動されてもよい。
【0131】
図20Aは、空気差圧システムのための膨張可能骨組によって支持される布地外郭構造の実施形態を図示する。本特定の変形例では、膨張可能骨組2002は、布地外郭構造2004の内側に縫着されてもよく、ある程度の圧力が布地骨組の内側に蓄積されると、チャンバの内側に空気が流出する微多孔性の材料から構築されてもよい。
【0132】
図20Bおよび20Cに図示される異なる実施形態では、膨張可能骨組は、気密性材料で縫着され、それぞれ、布地封入体2020および2030のチャンバの、図20Bに図示されるように、内側に、または図20Cに図示されるように、外側に、配置されてもよい。いくつかの変形例では、圧力が膨張可能骨組内に所望のレベルまで蓄積されると、ユーザ操作の間、空気がチャンバの内側を通過するように、1つ以上の孔が、骨組からチャンバの内側への空気回路に接続するように作製される。本方法は、骨組からチャンバに空気を送るための弁(例えば、仕切り弁)を必要としない。
【0133】
図21は、空気差圧システム外郭構造内の高さ調節可能開口部の実施形態を図示する。ここでは、システム変形例2100の場合、ユーザのための開口部の高さは、従来の重量挙げ装置に類似する1つ以上の誘導支柱上を上下に平行移動する硬質高さ調節構造2102を介して、調節される。例えば、構造は、ラックおよびピニオンギア上を摺動、転動、移動する、あるいは本明細書に記載または別様に周知の他の方法によって、平行移動可能である。ある事例では、高さ調節構造は、チャンバに近接して設置される単一誘導支柱から片持ち梁状に支えられてもよく、またはいくつかの誘導支柱を昇降してもよい。いくつかの変形例では、高さ調節構造2102は、所望の位置に到達されると、定位置に係止されてもよい。そのような係止は、ピン、磁石、クランプ、あるいは本明細書に記載または別様に周知の他の係止機構によって、達成されてもよい。単一片持ち梁構造の一実施例は、図24Dに示され、複数の誘導支柱システムの一実施例は、図24Cに示される。
【0134】
複数の誘導支柱を上下に平行移動する高さ調節バーの実施例は、図22に示される。ここでは、システム2200は、誘導支柱2202を上下に平行移動するように構成される高さ調節バー2201を含む。所望の高さが達成されると、高さ調節バー2201は、係止され、誘導支柱2202に連結される。任意に、虚弱または貧弱であって、重い物体を揚上することができないユーザにとって揚力が最小限となるように、高さ調節バー2201は、平衡化されてもよい。任意に、高さ調節バー2201は、誘導支柱2202を上下に動かすように電動化されてもよい。ある変形例では、ピン、ラックに係合するピニオンギア等の任意の好適な係止機構を使用して、所望の高さ調節位置を維持してもよい。
【0135】
空気差圧システムのいくつかの変形例では、高さ調節構造の調節によって、封入体の高さを同時に調節する、またはその逆も然りであるように、封入体は、高さ調節構造に連結されてもよい。高さ調節構造の高さは、本明細書に記載または別様に周知の方法のいずれかによって、調節可能であってもよい。図23Aは、封入体が高さ調節構造に連結される、例えば、高さ調節構造が封入体の軸鞘に縫着される、システムの一実施形態を図示する。他の変形例では、封入体は、別の好適な技術、例えば、接着剤、クランプ、締結具等を使用して、高さ調節構造に連結されてもよい。
【0136】
別の実施形態では、ユーザが、最初に、高さ調節構造の高さを調節し、次いで、封入体を構造に取着し得るように、高さ調節構造は、封入体から分離可能であってもよい。図23Bは、ユーザが高さを調節後、高さ調節構造が、1つ以上の可逆的アタッチメント、例えば、フック、スナップ、Velcro(商標)型閉鎖手段、ストラップ、クランプ等を介して、封入体に連結される一実施形態を図示する。
【0137】
一実施形態では、高さ調節構造と、可能性として、封入体が高さ調節構造に連結される場合、同様に布地封入体を上昇させるために必要とされる揚力を低減するために、高さ調節構造は、荷重と平衡化される、または例えば、モータ、モータおよびベルトシステム等によって、電気機械的に揚上されてもよい。他の揚上さシステムは、送りネジ、昇降機、巻き上げ機、手動クランク、シザースリフト(手動または自動)、油圧、もしくはユーザによって構造を揚上するために必要とされる力を低減あるいは排除するための機械的または電気機械的利点の他の手段を含んでもよい。図24Aは、モータ2402によって駆動されるベルトを含み、ベルトが、高さ調節バー2404を誘導支柱2406の上下に駆動する、電動式高さ調節構造2400の一実施形態を図示する。
【0138】
図24Bは、送りネジシステムを利用する、空気差圧システムと併用するための高さ調節機構の一実施形態を図示する。
【0139】
図24Cは、平衡化された2つの誘導支柱システムを利用する、空気差圧システムと併用するための高さ調節機構の一実施形態を図示する。
【0140】
本明細書に記載される高さ調節システムおよび揚上システムのいずれも、係止機構をさらに含み、所望の高さが設定されると、高さ調節構造の位置を固着してもよい。そのような係止は、ピンまたは他の機械的干渉、ウオームギアまたは送りネジ、あるいは他の逆駆動不可能ギア、強力電磁石、主要システム構造の一部へのストラップ、もしくは片持ち梁システムにおけるような摩擦の使用によって、行なわれてもよい。機械的係止の他の手段も、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0141】
図24Dは、摩擦を使用して、高さを係止する片持ち梁揚上システムを利用する、空気差圧システムと併用するための高さ調節機構の実施形態を図示する。図示される実施形態では、高さ調節構造2400の重心2422は、誘導支柱2424の左側にある。重力は、高さ調節構造2420の重心2422に下向きの力をかける。本下向きの力は、誘導支柱2424を中心とするモーメントを生成し、構造を半時計回りに回転させようとする。本モーメントは、構造の誘導支柱との接点と誘導支柱の表面との間に垂直力を生み出す。これらの垂直力は、誘導支柱2424の表面と接触部材2426との間に摩擦力を生み出す。モーメントが大きいほど、垂直力が大きいほど、および抵抗が大きいほど、構造は、誘導支柱に沿って、垂直に平行移動するために、それらを克服する必要がある。誘導支柱と接触部材との間の摩擦力が、高さ調節構造にかかる重力による力等、他の正味外力よりも大きい限り、高さ調節構造は、誘導支柱に沿って、変位を受けることはないであろう。
【0142】
ユーザの身体を受容するための開口部の高さを調節するための別のシステムおよび関連方法は、外郭構造の1つ以上の硬質部分および外郭構造の1つ以上の軟質または可撓性部分の組み合わせの使用を含んでもよい。そのようなシステム変形例では、外郭構造の軟質部分は、拡張または圧縮され、垂直調節を可能にしてもよい。封入体の軟質部分は、硬質外郭構造の垂直方向に沿った任意の地点に常設されてもよく、硬質外郭構造を2つ以上の部分に均等に分割してもよい。図25Aは、硬質外郭構造部分2504の下方に位置する軟質外郭構造部分2502を含む、高さ調節可能構造2500の一実施形態を図示する。軟質外郭構造部分2502は、折畳または拡張され、上方硬質外郭構造部分2504に高さ調節をもたらしてもよい。そのような方法は、ピン継手、クランプ、またはストラップ等の係止機構、もしくは本明細書に記載または別様に周知の他の係止デバイスあるいは方法と併用されてもよい。
【0143】
図25Bは、硬質外郭構造部分2514の下方に垂直配列で位置する軟質外郭構造部分2512から2512等の複数の軟質外郭構造部分を含む、高さ調節可能構造2510の一実施形態を図示する。一実施形態では、軟質外郭構造部分2512から2512は、選択的に膨張される、または可変圧で膨張され、硬質外郭構造を異なる高さに揚上してもよい。
【0144】
空気差圧システムが、1つ以上の軟質部分および1つ以上の硬質または剛性部分を含む複合外郭構造を備える場合、硬質外郭構造部分は、自動またはユーザによる外郭構造の揚上によって、移動可能であってもよい。一実施形態では、硬質外郭構造部分は、ユーザによるより容易な揚上を可能にするように平衡化されてもよい。硬質外郭構造部分の位置は、適切な高さが達成されると、定位置にさらに係止可能であってもよい。本明細書に記載または別様に周知の揚上または係止の任意の手段は、同様に、硬質外郭構造部分によって実装されてもよい。圧力変動に伴って、外郭構造が垂直に固定されたままであるように、硬質外郭構造部分の高さは、使用の間、係止されたままであってもよい。
【0145】
図25Cは、空気差圧システム内の硬質外郭構造部分の上部の軟質外郭構造部分の別の実施形態を図示する。上方軟質外郭構造部分2522は、ユーザを中心とするさらなる輪郭形成能力が所望される状況において、有益とみなされる場合がある。軟質外郭構造部分2522が、例えば、ジッパーによって、分離可能である、または1つ以上の区画に分裂され、ユーザの開口部を通じての単純なアクセスを可能にしてもよい。万一、軟質外郭構造部分2522が、チャンバ2524から分離可能である場合、軟質外郭構造部分2522は、ユーザシールを通して等、ユーザに連結され、それによって、本質的に、チャンバ外側のユーザシールの拡張部となり、次いで、ユーザが、本明細書に記載または別様に周知の方法を介して、定位置に来ると、チャンバに密封されてもよい。そのような分離可能軟質外郭構造部分は、例えば、チャンバ上の縁へのカヤック式鞍帯、上方軟質外郭構造上部の周縁の周囲において封入体に固着される挟着バー、あるいは本明細書に記載または別様に周知のチャンバに軟質外郭構造を挟着する他の手段であってもよい。さらに、高さ調節または軟質外郭構造の輪郭形成は、後述のように、次いで、例えば、より軟質の上方外郭構造部分を下方硬質外郭構造部分に固着する1つ以上のストラップを使用して、行なわれてもよく、調節可能であってもよい。1つ以上の硬質外郭構造部分および1つ以上の軟質外郭構造部分を含む、外郭構造のさらなる構成ならびに変形例は、以下に詳述される。
【0146】
図25Dは、互いの上部に積載される複数の膨張可能リングを含む、高さ調節可能構造2530の一実施形態を図示する。一実施形態では、構造2530の高さを調節するために、リングの膨張に伴って、チャンバの高さが、漸次的に増加されるように、リング2532から2532のうちの1つ以上は、物質(空気、他の気体、または液体等)によって充填され、リング2532から2532の残りは、空のまま残される。いくつかの変形例では、ユーザが、初期高を選択することによって、どのリングが膨張されるかを制御してもよく、コントローラ(図示せず)が、1つ以上の弁を制御し、適切なリングまたは複数のリングを膨張させてもよい。別の実施形態では、ユーザは、膨張させる1つ以上のリングを選択する能力を有してもよい。例えば、リングを膨張させる順序を指定することによって、あるリングが膨張される圧力を指定することによって等、リングを膨張させるための他の方法が使用されてもよい。
【0147】
図26Aは、空気差圧システム2600内の調節可能高さチャンバ2602の一実施形態を図示する。本特定の実施形態では、チャンバ2602の高さは、ユーザに対して上下に平行移動可能な調節可能バー2604を介して、調節可能である。一実施形態では、バー2604は、垂直方向に種々の地点において係止されてもよい。バー2604は、軟質外郭構造封入体に取着されてもよく、または封入体は、バーの高さが調節された後、バー2604に取着されてもよい。調節可能バー2604が垂直幾何学形状に配向されることは要件ではないため、調節可能バーが、圧力下、ループ構成に係止可能かつ固定されるように、調節可能バー2604は、例えば、床と平行にループを生成するリングまたは他の幾何学形状と、ユーザの身体の周囲とに接続されてもよい。一実施形態では、調節可能バー2604が、軸に沿った平行移動に加えて、内側に傾斜され、チャンバ幅の調節外郭構造の輪郭のためのさらなる受容な自由度を提供し得るように、調節可能バーは、システム2600の基部近傍の地点2606に蝶着または枢着されてもよい。角度調節または垂直調節の組み合わせは、バーの高さおよび幅の幅広い位置を可能にする。
【0148】
図26Bは、係止機構を含む、空気差圧システムの実施形態を図示する。本特定の実施形態では、空気差圧システム構造2650は、所望の幾何学形状が達成されると(例えば、特定の高さが、調節可能垂直バー2654によって、到達されると)、定位置に係止されてもよい。係止機構は、1つ以上のクランプ、ピン、磁石、あるいは係止本明細書に記載または別様に周知の他の手段を含んでもよい。便宜上、係止機構は、ユーザが、ボタンを押下する、またはレバーを圧搾して、全ピンまたは他の係止機構を解放する、単純なハンドブレーキ式調節2652を含んでもよく、ユーザがボタンまたはレバーを解放すると、係止機構は、再係合され、構造は、その形状を保持する。他の変形例では、他の係止機構が利用され、空気差圧システム構造の位置を固着してもよく、図示されるハンドブレーキは、係止手段の種類を制限するものではない。係止機構は、ユーザが、構造2650のレールまたは複数のレール2656上に位置するレバーを操作し、レールを便宜的位置に牽引し、レバーを解放するのを便利にする。本種類の高さ調節は、中心を外れた構造位置が得られることを可能にしてもよく、これは、潜在的に、いくつかの構成において、一部のユーザが異常歩様力学に対抗する補助をし得る。任意に、係止または結合バーが、構造の2つの対向側面を横方向に結合するように提供されてもよい(例えば、そのような横方向バーが、既に定位置にあって、本明細書に記載されるように接続されていない場合)。横方向係止バーの組み込みは、ユーザが進入し、側方バーを調節後、閉鎖および固着される、ゲート機構として作用可能である。
【0149】
図27は、空気差圧システム封入体2706のためのユーザシールアタッチメント2702の一実施形態を図示する。ユーザを封入体に取着する際の困難点は、封入体の重量が、同時に、ユーザの身体の近傍に封入体を保持し、ユーザを封入体に取着することを困難にし得ることである。したがって、ユーザ2704をチャンバ2706に接続し、チャンバ内の気圧が封入体の重量を支持可能となるまで、気密シールを生成するために、1つのハンズフリー結合機構を有することが有用である場合がある。一実施形態では、封入体の開口部をユーザレベルまで上昇させ、膨張の間、封入体の高さを維持するステップは、ユーザシールを封入体に取着する磁石を提供することによって、達成されてもよい。ユーザは、磁気ベルト(図示せず)を装着する、または磁石2702を備える特殊フランジショーツを装着してもよい。加えて、チャンバの膨張が、封入体を支持可能にするために、シールが、磁気引力によって生成されるように、磁石が、封入体(例えば、布地封入体)上に提供されてもよい。高さは、一実施例として、基部または他の構造に係留されるストラップのシステムによって、制限されてもよい。
【0150】
別の実施形態では、ユーザによって装着されるスナップ機構は、ユーザシールの一部が、封入体の一致部分と嵌着されると、有効化されてもよい。本概念の実施例は、封入体上のリングによって同心状に嵌合する、ユーザの周囲のリングと、ユーザが、封入体を持ち上げ、ユーザシールの一部を封入体の一部内に嵌合し、手動で、2つの断片をともに固着するラッチを有効化し得るように、ユーザシールまたは封入体断片上に配置されるラッチ(例えば、回転ラッチ)である。また、他の係止機構が、空気差圧システム内で利用されてもよい。
【0151】
高さを調節する別の方法は、高さ調節構造の上面を形成し、圧力下、形状を維持するように係止され得る1つ以上の平行移動または回転部材を備える、連結システムであってもよい。図28は、2つの垂直部材を介した高さ調節のための連結システムおよび関連方法の一実施形態を図示する。ここでは、高さ調節のための連結システム2800は、2つの垂直支持部2810および2812を備え、一方は、装置の前方に配置され、他方は、装置の後方に配置される。連結システム2800は、ユーザ側に沿って配置される一対の中心バー2814を備えてもよく、2つの接続バー2802Aは、各中心バー2814を前方垂直支持部2810と後方垂直支持部2812に接続する。一実施形態では、これらの接続バー2802Aは、伸縮式であってもよい。接続バー2802Aが、(例えば、破線によって示される位置2802Bに)延長または短縮されるように伸縮されるのに伴って、中心バー2814は、上下に、いくつかの事例では、さらに前後に移動してもよい。連結システム2800は、係止可能であって、装置の自由な移動を可能にし、解放されると、連結を定位置に係止する、ボタンまたはレバー機構2804を有してもよい。一実施形態では、構造、より具体的には、中心バー2814の幾何学形状は、連結システム2800の形状が、腕の動作の自由度を促進し、ユーザの身体に最小限の影響が及ぼされるように構成されてもよい。
【0152】
連結システムの別の実施形態は、図29に示される。システムは、ユーザが嵌合する中心部分2904を生成する4つのバー2902を備える、連結システム2900を示す。連結システム2900は、垂直に上下に移動する一方、地面と略平行に配向を維持するように構成される。そのようなシステムは、伸縮バーまたは継手を必要としないため、いくつかの事例では、有益である場合がある。
【0153】
本明細書で論じられるように、ストラップを使用して、ユーザに取着するチャンバ開口部の垂直位置を調節可能である。また、ロープまたはケーブルを使用して、開口部の垂直位置を制限してもよい。ロープまたはストラップを伴うそのようなシステムは、個々に調節可能であってもよく、あるいは単一ケーブル、ストラップ、またはロープが牽引され、全ケーブルまたはストラップを均等に調節し、上表面にレベルを同時に維持し得るように、滑車および経路指定を介して、接続されてもよい。本調節位置は、結び目、ケーブルグリップ、カムロック等によって、係止されてもよい。多くのそのような係止機構は、ヨットまたはボートにおいて見られる。封入体の断裂または圧力低下の際、チャンバのための垂直高さ調節システム自体が、ユーザ支持を提供しない場合、いくつかの変形例では、例えば、馬具に類似する二次的垂直支持システムが、ユーザに提供されてもよい。
【0154】
いくつかの状況において、硬質外郭構造を有し、例えば、布地襞等を踏むことがないことによって、アクセスの容易性を促進することは、有益である場合がある。また、硬質外郭構造空気差圧システムは、高さ調節を可能にし、可変身長のユーザに対応し得る。さらに、硬質外郭構造の構造的完全性を維持し、外郭構造本体の開口部の高さを変更する代わりに、床、運動台、トレッドミル、または他の運動装置の高さを上昇させることは、有益である場合がある。それらの変形例では、外郭構造は、最大所望サイズに構築可能であって、より小さなユーザは、外郭構造の上面に適合するように上昇されるであろう。
【0155】
図30A−30Cは、硬質外郭構造空気差圧システム内の高さ調節可能トレッドミルを図示するが、しかしながら、任意の運動デバイス(例えば、ステッパー、エリプティカル、自転車、漕艇デバイス等)が利用されてもよい。さらに、高さ調節可能な簡易台、バランス台、または小型ステッパーマシーンが、硬質外郭構造システム内で使用されてもよい。図30Aは、リフトおよび枢動機構を備える、リフト機構3000の一実施形態を図示する。本特定の実施形態では、揚上操作は、例えば、垂直高を調節する2つの送りネジまたは線形アクチュエータによって、トレッドミルの中心において行なわれる。勾配(すなわち、トレッドミル3008の配向3004と3004との間の調節)は、上り勾配または下り勾配にするようにトレッドミルを回転させ、機械的または電気機械的ブレーキを有する、枢動モータによって行なわれてもよい。
【0156】
図30Bは、空気差圧システムのためのリフト機構3010の別の実施形態を図示する。ここでは、リフト機構3010は、2つの線形アクチュエータ3012Aおよび3012Bを備える。トレッドミル3014(あるいは他の運動機械または台)は、シザーリフト式機構3016に接続される。2つのアクチュエータ3012Aおよび3012Bの長さを制御することは、トレッドミル3014の表面の傾転および高さを制御することになるであろう。一実施形態では、アクチュエータは、ユーザの身長に角度が依存することなく、トレッドミルが傾斜される、または垂直に変位されるように制御されてもよい。一実施形態では、ユーザは、コントローラにその身長を入力してもよく、コントローラは、本特定の開始高さの前後に制御アルゴリズムを調節してもよい。アクチュエータは、ピンまたはボール継手で接続され、その長さが拡張し、他方対して構造の一方を移動させるのに伴って、回転を提供してもよい。本システムは、簡便性を提供可能であって、低精度を必要とし得、最少限の枠組およびアクチュエータを利用する。
【0157】
図30Cは、空気差圧システムのためのリフト機構3020の別の実施形態を図示する。図30Cの実施形態では、リフト機構3020は、4つの送りネジまたは線形アクチュエータ3022を含み、各ネジまたはアクチュエータは、トレッドミル3024(あるいは他の運動機械または運動台)の角に取着される。別の実施形態では、ネジまたはアクチュエータは、床(図示せず)に取着される。いくつかの変形例では、送りネジまたはアクチュエータ3022は、同時あるいは独立して制御され、トレッドミルの傾転、前/後、左/右、および高さの任意の態様を生成してもよい。可変調節によって、ユーザは、傾斜表面による多くの異なる運動を行なうことが可能となる。側方傾転が行なわれる一実施形態では、球面継手を各角に提供可能である。
【0158】
揚上の別の実施形態(図示せず)では、トレッドミルまたは他の運動機械は、トレッドミル(あるいは他の運動機械または運動台)の前方および後方のそれぞれの下に空気バッグを設置し、各空気バッグ内の圧力を制御するステップを備えてもよい。空気バッグを加圧するために使用される空気は、空気バッグを通過後、チャンバ内にさらに送られてもよい。膨張が主に垂直動作を生じさせるように、空気バッグが拘束される、または蛇腹状に作製されてもよい。蛇腹内の圧力の量は、蛇腹の垂直位置を決定し得る。蛇腹の拡張に伴って、圧力は降下し、均衡が到達されるまで、負荷が低減される。次いで、さらなる圧力によって、高さを上昇させ、圧力の低下によって、高さを降下させるであろう。
【0159】
本明細書で論じられるように、運動機械(例えば、トレッドミル、ステッパー、エリプティカル、自転車等)が、空気差圧システム内で利用されてもよい。さらに、空気差圧システムは、種々のユーザのために調節されてもよく、運動機械は、種々の運動環境を提供するように調節されてもよく、空気差圧システム封入体、開口部、および構造は、多くの異なる方法で構成されてもよい。したがって、幅広い調節およびシステム構成は、従来、空気差圧システム内で実現されていない、種々の運動、療法、および/または医療治療環境を提供する。
【0160】
(空気差圧システムのためのバッグ成形)
ユーザは、本明細書に記載されるような胴体近傍のその身体の一部において、空気差圧システムチャンバ内に封入されるが、運動の間、ユーザが、チャンバ外郭構造にその身体の一部を衝打することが起こる場合がある。しかしながら、ユーザは、いくつかの事例では、本動作妨害を伴うことなく、運動または動作を行なうことを所望する場合がある。本動作妨害の問題は、多くの異なる身体形状およびサイズのユーザが、同一の物理的デバイスを使用するという現実によってさらに悪化する。例えば、肥満体の人は、内部に嵌合するために、幅広の外郭構造の開口部および上面を必要とするであろう。そのままの場合、自然な動作として、臀部の側で腕を振るため、小柄な人によって使用される際、本同一表面は、その腕および手を上面に接触させることになるであろう。
【0161】
さらに、封入体は、ユーザが、走行の際、その脚を後方に伸展させ、歩様周期の前進の際、膝の高さまで持ってくることが可能な長さに輪郭形成されるべきである。これは、長いデバイスを生成することになるが、同時に、腕の振りに干渉しないように狭くしなければならない。万一、ユーザが、走行中、外郭構造に接触する場合、そのような接触は、ユーザのバランスを崩させる、または封入体に衝撃を及ぼした部位に外傷をもたらし得る。システムの安全性を向上させるために、可能な限りユーザの身体との接触を回避するように、外郭構造の形状の輪郭を形成することが望ましい場合がある。
【0162】
本明細書で論じられるように、空気差圧システム外郭構造は、ユーザの活動の間、身体の四肢の自由な動作を可能にするように輪郭形成可能である。さらに、空気差圧システムは、異なるサイズの個人に対応するように調節可能に作製され、単一空気差圧システム装置を使用して、一定範囲の可変身体種類に対応する。
【0163】
図31Aは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バーの一実施形態の側面図を図示する。図31Bは、構造バーの上面図を図示する。空気差圧システム3100は、可撓性膨張可能外郭構造3104の輪郭を形成し、拘束する、構造バー3102を備える。バーが外郭構造3104の布地をユーザの側方に低くかつ狭く保持し、腕および手の自由な動作3108を可能にするように、バー3102は、ユーザ3106の腰の周囲の形状に形成される。一実施形態では、バーは、歩行または低速ジョギングのために設計されたシステムにおいて、快適性を提供するように構成される。
【0164】
図31Cは、空気差圧システム内の可撓性膨張可能外郭構造の輪郭を形成し、拘束する、構造バー3132の別の実施形態の側面図を図示する。図3Dは、図31Cの構造バー3132の上面図を図示する。また、図31Cおよび31Dに図示される実施形態では、バー3132は、前方および後方において、角度3114αだけ上方に輪郭形成され、典型的には、高速走行速度において見られる膝の持ち上げ動作3110および/または踵蹴り上げ動作3130に対応してもよい。より複雑な本形状は、サドル形状として記載されてもよい。一実施形態では、外郭構造3134内で使用される構造材料は、外郭構造が加圧され、外郭構造が球面形状を形成し、壁応力の低減を試みるのに伴って、顕著な強度および剛性を有する。図31Dに図示される構造バーの上面図では、構造バー3132は、角度3112φだけ前方および後方に歪曲されてもよい。一実施形態では、角度3112は、走者または運動者の腕の振りの平均角度と一致する。一実施形態では、角度αおよびφは、一連の伸縮および蝶着チューブ断片によって、調節可能である。
【0165】
図31Eは、調節可能角度および調節可能輪郭を伴う、構造バー3140の一実施形態を図示する。本特定の実施形態では、バー3146の幅は、長さ変更可能である一方、その構造的完全性を維持する伸縮バーまたは別の摺動機構によって、調節可能であってもよい。また、他の構成または調節機構が利用されてもよい。
【0166】
図31Cに図示されるように、構造バー3102の前方および後方は、腕および手の動作に対応するように、前方および後方と比較して、ユーザ3106の身体上により低く常設される、バー3102の側面よりも実質的に高くてもよい。バーの前方および後方の高さは、走行歩様の前進における膝による自由な動作を可能にし、バッグの高さは、構造に接触することなく、一般に、長距離走者に見られる動作である踵の蹴り上げを可能にする。バー3102の低側方部分は、個人の腕の振りに備える。
【0167】
外郭構造高さ調節、回転シール、平行移動シール、外郭構造輪郭調節等に関して上述の特徴はすべて、可能な限り、自然かつ通常の運動として、経験が提供されることを保証することを目的とする。ユーザが、その腕の振りまた位置を調節しなければならない場合、これは、その歩様を歪め、不快感をもたらす場合がある。歩様の歪みおよび腕の振りの調節問題は歩行またはジョギング状況と対比して、全力疾走の状況下において悪化する場合があるが、外郭構造への接触に対して抵抗を感じる、または気にするユーザは、決して、完全に自然であると感じることはないと考えられる。上述の実施形態は、布地から構築されるチャンバと、または可撓性(例えば、布地)上部を伴う下方部分として、最小変形剛性材料を備える複合型外郭構造と、併用されてもよい。
【0168】
一実施形態では、バーによって輪郭形成されるチャンバの布地がバーを越えて移動するのを制限し、したがって、布地の上部形状をバーの上方に固定するように、支持バーがチャンバに取着される。異なる身長のユーザのために実装されるために、バーの下方の布地は、種々の身長のユーザに対応するように折畳または拡張および変形可能である。図11に図示されるように、運動者に適合する適切な高さを維持するように、バーは、係止または掛止機構によって、垂直位置に固着可能である。バーの高さは、いくつかの変形例では、歩行または走行動作の間、動的に制御され、歩様周期を通して、身体に対して、位置を維持してもよい。
【0169】
一実施形態では、輪郭形成バーの概念は、最小変形外郭構造封入体に統合されてもよい。図32Aは、空気差圧システムのための輪郭形成上部構造の一実施形態を図示する。その特定の実施形態では、システム3200は、封入体3208を備える。封入体の上部3202は、ユーザの臀部の側では狭くかつ低い輪郭を含む基礎形状、または、例えば、図31A−31Eのバーによって生み出されるようなより複雑なサドル形状を提供するように成形あるいは形成される。最小変形上部外郭構造部分3202は、最小変形封入体の一部であってもよく、またはユーザ3204の腰を囲繞し、チャンバの下方布地部分3208に実質的に気密態様で取着されるチャンバの上部であってもよい。一実施形態では、最小変形上方部分3202の垂直調節は、動作の間、ユーザによって接触される可能性のある外郭構造の形状を維持しながら可能である。本上方部分3202は、プラスチックまたはガラス繊維等の任意の構造的に丈夫な材料から形成されてもよい。一実施形態では、ユーザは、完全硬質外郭構造の一部ではない場合、上方部分を揚上する必要があり得るため、軽量材料が利用される。一実施形態では、高さ調節は、ストラップ3206によって提供されてもよいが、しかしながら、本明細書に記載される他の形態の高さ調節が利用され、上方部分3202の高さを調節および固定してもよい。
【0170】
図32Bは、最小変形外郭構造封入体の別の実施形態の上部の上面図を図示する。本特定の実施形態では、空気差圧システムの外郭構造は、最小変形材料から完全に作製され、輪郭形成上部3211を有する。蝶番(図示せず)によって示されるように、外郭構造の上部3211は、扉または二枚貝式アタッチメントの一部であって、ユーザは、ユニットに乗り込む必要なく、外郭構造内にアクセス可能であってもよい。本実施形態では、ピンまたは留金等の係止機構3212を使用して、構造的完全性を維持し、圧力下、二枚貝または扉の半体の変形あるいは分離を防止する。
【0171】
図32Cおよび32Dは、空気差圧システムのチャンバ(外郭構造)のための最小変形上部のさらなる実施形態を図示する。また、一実施形態では、最小変形上部3222は、外郭構造の布地部分へのアタッチメントとして使用されてもよい。本特定の実施形態では、ユーザは、上部3222を選択し、チャンバ内に固着後、選択された上部3222を布地外郭構造3224Aまたは囲繞構造の一部に接続してもよい。その後、ユーザは、収縮外郭構造3224Aを膨張させ、本最小変形外郭構造上部3222下に膨張外郭構造3224Bを形成し、いくつかの事例では、上部3222の縁の周囲に膨出可能である。外郭構造上部3222の輪郭形成構成は、上述同様に、ユーザの自由な動作を可能にする。
【0172】
図33は、従来の負荷軽減デバイス内で使用するための外郭構造の最小変形部分の一実施形態を図示する。一実施形態では、負荷軽減システムは、馬具システムであって、揚上ケーブルまたは部材3302が、最小変形輪郭形成外郭構造3304の縁に取着され、それによって、接触し得るケーブルまたは他の構造部材の無い領域をユーザ3306の周囲に残す。図34は、図33に関して論じられたものに類似する、外郭構造の最小変形部分と併用するための圧縮および引張システムの一実施形態を図示する。
【0173】
一実施形態では、内骨格または外骨格等の構造が利用され、空気差圧システムの布地封入体を拘束してもよい。図35は、布地空気差圧システム封入体を拘束および成形するための骨組構造3500の一実施形態を図示する。本特定の実施形態では、外郭構造3504が膨張されると、骨組3502は、外郭構造3504を骨組3504の形状に拘束する。一実施形態では、外骨格または内骨格3502は、接続された軽量構造支持部材から構築され、封入体の基礎外郭構造形状を形成する。部材は、例えば、ともに溶接される、ABS管連結におけるような管継手を介して接続される、または軸鞘を介して接続されてもよい。本明細書で論じられるように、内骨格は、外郭構造封入体の内側にあるとみなされる構造であるのに対して、外骨格は、封入体の外側にあるとみなされる。
【0174】
骨組設計は、上述の最小変形外郭構造に類似するが、ゲート3506として作用し、チャンバへのユーザのアクセスを制御するバーを含むことによって、重量、加工コスト、および潜在的に、チャンバへの進入およびそこからの退出を低減させる。一実施形態では、バー3506が設置され、布地外郭構造3504が外側に拡張し、腕の振りに干渉するのを拘束する。一実施形態では、骨組3502の上方部分と前方および後方部分は、上述の同等形状を提供し、使用の際、ユーザの四肢の自由な動作を可能にするように輪郭形成される。例示的構造は、ジオデシックドームであってもよい。一実施形態では、骨組3502は、垂直に調節可能であってもよく、骨組3502のある部材は、手すりとしての役割を果たしてもよい。
【0175】
図36Aおよび36Bは、空気差圧システムバッグを拘束および成形するための別の実施形態を図示する。一実施形態では、バッグ3602Aが、ユーザの側方に沿って狭く維持されるが、依然として、バッグの長さと前方および後方の高さを可能にすることを保証するために、1つ以上の入れ子式支索またはリング3604から3604等の1つ以上の入れ子式最小変形リングが、例えば、提灯のように、外郭構造を囲繞する。可撓性(例えば、布地)バッグを囲繞する一連の最小変形リングは、バッグが収縮されると、構成3602A内の支索またはリング間の布地を折畳し、構成3602Bを形成させる。
【0176】
一実施形態では、リング3604から3604は、バッグ3602が自由に圧壊するのではなく、系統的に収縮するように、略同心円状に成形される。このようにリングを構成することによって、さらに布地の形状を収縮状態3602Bに制御する補助となり、収納部を清潔にするとともに、ユーザが、皺または襞につまずくことなく、収縮バッグ上を歩行しやすくすることが可能である。
【0177】
一実施形態では、図36Cに図示されるように、入れ子式リングの代わりに、1つ以上の入れ子式硬質構造が利用されてもよい。プラスチック3682から3682または他の硬質材料の区画は、互いに干渉するように拡張し、ピラミッド式構造3684を形成してもよい。拡張されると、入れ子式硬質構造3682…3682は、互いに接触し、垂直に延在し、チャンバ3686を形成する。硬質断片は、いくつかの変形例では、各層(図示せず)間に配置されるシールを有し、チャンバ3686内に十分に気密性の環境を生成してもよい。
【0178】
図37は、空気差圧システム内の輪郭形成軟質封入体のさらなる実施形態を図示する。本特定の実施形態では、外郭構造部分3702から3702等の1つ以上の最小変形外郭構造部分が、封入体3704に取着され、膨張されると、最小変形外郭構造部分または複数の部分の形状に封入体を一致させる。いくつかの変形例では、封入体3704上に位置する種々のサイズの複数の外郭構造部分が存在可能である。外郭構造部分は、任意の好適なアタッチメント技術または手段、例えば、非限定的実施例として、ポケットとして縫着される、または封入体に貼付されることによって、封入体に添着されてもよい。外郭構造部分は、いくつかの状況においては、局所的硬質性を提供し、ユーザのためのチャンバを形成する完全硬質外郭構造のような容積または重量を伴うことなく、封入体3704を構築可能である。
【0179】
図38は、空気差圧システム内の輪郭形成軟質外郭構造封入体のさらなる実施形態を図示する。本特定の実施形態では、ストラップが締着されると、ストラップが、圧力下、可撓性(例えば、布地)封入体の一部が拡張するのを拘束するように、ストラップ3810および輪郭形成バー3812が、封入体3802の一部に添着されてもよい。一実施形態では、そのようなストラップは、複数の位置(図示されるものに加えて)に設置されてもよく、運動の間、ユーザが占有する封入体の任意の部分(図示されるものと異なる)上に常設されてもよい。一実施形態では、ストラップ3810は、空気差圧システム封入体に恒久的に取着可能である。別の実施形態では、空気差圧システム封入体の分離可能部分、例えば、ユーザシールに添着可能であって、封入体の主要部分に添着され、封入体をを完成してもよい。
【0180】
上述のように、硬質および軟質外郭構造空気差圧システム事例の表面は、輪郭形成されてもよい。輪郭形成は、運動または療法の際、可能な限り自然な広範囲の運動自由度を可能にする。さらに、上述のように、輪郭形成は、使用の際、ユーザ、トレーナー、またはルーチンを観察する療法士によって、容易に調節されてもよく、また、輪郭形成表面の高さは、本明細書に記載または別様に周知の任意の方法によって、調節可能であってもよい。任意に、上述の輪郭形成方法は、本明細書に開示される他の発明のいずれかと組み合わせて、とりわけ、運動自由度および/またはユーザ人間工学を促進してもよい。
【0181】
(空気差圧システムの用途)
上述のように、異なる身長および身体サイズのユーザのために調節可能である、空気差圧システムが記載される。さらに、異なる角度、速度等で空気差圧システムを操作可能にする一方、ユーザは、快適かつ安全であるとともに、幅広いユーザ動作を可能にする、支持システムおよび機構が記載される。本明細書に記載されるシステム(例えば、図1または図2に関連して)のいずれかのような空気差圧システムの用途および使用の実施形態は、以下に記載される。
【0182】
現在、肥満は、寝たきりの状態にまで追いやる。ますます肥満体となるにつれ、人は、その体重を支えることが不可能となる、あるいは長時間の歩行またはジョギングを持続する体力が無くなる場合がある。さらに、そのような人の関節は、関節にかかる過剰な荷重によって、歩行または他の動作の応力に耐えることが不可能となる場合がある。結果として、肥満者の運動量は少なくなり、悪循環が続く。肥満者に開かれた選択肢の1つは、プール内での運動である。しかしながら、多くの場合、肥満者は、プールに入ることに恥じらい、いくつかの状況においては、実際に水に入るために、昇降機または他の煩雑な手段を必要とする場合がある。また、健康ではない人の場合、溺れる危険がある。歩行およびジョギングは、カロリー燃焼量のため、水中運動またはハンドバイクよりも、減量のための優れた運動形態である。実践的馬具システムは、ストラップが支持しなければならない荷重のため、非常に不快感があり、皮膚に食い込み始める場合もあるため、肥満者には利用不可能である。また、ストラップは、大幅な設定時間と、機械内への進入時に複数人による補助を必要とするであろう。
【0183】
大柄な人のために構成(または専用に設計)され得る空気差圧システムのいくつかの実施形態は、水中運動または馬具システムよりもはるかに容易な入退出を可能にし、その気圧によって、相当な荷重支持を提供可能である。空気差圧システムの用途は、肥満の治療用として後述されるが、また、人の運動系(例えば、多発性硬化症、脳性麻痺、またはダウン症候群)あるいは人の運動耐性(例えば、心疾患等)に影響を及ぼす病態等の他の疾患のために、後述の技術を利用してもよい。
【0184】
図39は、空気差圧システムを適用して、病態、例えば、肥満、心疾患、多発性硬化症、脳性麻痺、またはダウン症候群を治療するためのプロセス3900の一実施形態のフロー図である。プロセスは、ハードウェア(回路網、専用論理等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用機械上で実行されるような)、または両方の組み合わせを備え得る、処理論理によって行なうことが可能である。一実施形態では、プロセッサ処理論理は、図1のプロセッサ122または図2のプロセッサ208内に常駐する。
【0185】
次に、図39を参照すると、プロセスは、処理論理が、ユーザに対する初期設定を生成するステップから開始する(処理ブロック3902)。一実施形態では、初期設定は、肥満ユーザのためのものであるが、他の疾患または病態が、本明細書に記載されるように治療されてもよい。本初期ユーザ設定は、心拍数、主観的運動強度、疼痛、医師の推奨、療法士の治療計画等の診断値に基づいてもよい。さらに、初期設定は、身体トレーナー、栄養士、または他の医療従事者によって選択される設定に基づいてもよい。初期設定のための多くの選択肢およびソースが存在する。
【0186】
次いで、処理論理は、ユーザに対する初期設定に基づいて、治療計画を開発する(処理ブロック3904)。肥満に対抗する計画は、チャンバ内の圧力を調節する、トレッドミルの勾配を調節する、運動の際の激しい活動と激しくない活動との間に間隔を含める等、またはそれらの任意の組み合わせによって、運動の激しさを漸次的かつ系統的に増加させるステップを含んでもよい。加えて、処理論理は、経時的またはセッションからセッションのユーザの進度を追跡し、ユーザの減量または身体的状態を監視してもよい。さらに、治療計画は、処理論理、ユーザ、外部観察者、医療従事者等によって調節され、治療計画の有効性を常に改良してもよい。本明細書に記載される空気差圧システムおよび方法を使用して、ユーザがトレーニングを行なう力を精密に制御することによって、減量とともに、筋力および心臓血管の健康を同時に構築するための精密に制御され、かつ定量化可能な計画によって、減量の積極的治療計画が可能となる場合がある。さらに、空気差圧システムは、ある程度、肥満ユーザが自己調節可能である。例えば、治療プログラムは、ユーザが減量するために、その体重のある割合でユーザが運動するように設計されてもよく、チャンバ内の圧力は、その新しい減量体重の同割合でユーザが運動を維持するように、自動的に降下してもよい。減量は、どのようにユーザが運動可能であるかに大きく影響を及ぼすため、これは重要である。これによって、例えば、システムを肥満治療においてより積極的なものにすることが可能である。システムは、荷重が減少し、ユーザの体重が変化し始めるのに伴う、定期的再較正から成り立ってもよい。これを拡張し、複数の運動期間にわたって、較正を記録することによって、ユーザの減量を得ることが可能である。次いで、減量は、速度、勾配等の他の運動測定基準に影響を及ぼし得る。これらの測定基準の複合は、ユーザが遂げた進度に関して、目に見えるフィードバックを与え、運動調節のための提案を行ない、ユーザのより積極的に減量、運動性の回復、心臓血管の健康改善等を支援することが可能である。その結果、肥満を患う人のための一貫した安全な運動が、空気差圧システムによって提供される。
【0187】
(疼痛滴定を介した空気差圧システムの較正)
疼痛は、特に、傷害のリハビリを行なっている人々にとって、有用な運動測定基準である。一実施形態では、疼痛滴定は、運動を記録、調節、および計画するために、本明細書で論じられる空気差圧システム等の負荷軽減デバイスにおいて利用される。これは、医師が患者のための一貫した運動を生成可能となるとともに、患者の回復プロセスまたは傷害の評価のための確かな分析データを記憶および提供することによって、有益となり得る。さらにまた、空気差圧システムの使用によって、医師または他の医療従事者に依存せずに、その疼痛が正確かつ即座に制御され得るため、ユーザは、運動をより迅速に開始および完了可能となる。
【0188】
後述のように、疼痛値は、ノブ、数値入力、図形入力、一連の質問からの任意の尺度、またはユーザからの入力を容認するための他の分断的尺度法を使用して、測定あるいは予測されてもよい。ユーザによって提供され得る上述の疼痛レベル入力のいずれかが使用され、運動または療法セッションにおける1度以上の瞬間にユーザが感じる疼痛のレベルを評価するとともに、運動と関連付けられた測定基準を調節(すなわち、一定疼痛レベルを維持)可能である。
【0189】
さらに、ユーザ疼痛レベル入力を使用して、運動または療法セッションの間の運動を調節可能である。これは、ユーザ入力に基づいて、(現在および今後の)運動の調節を可能にする。いくつかの実施形態では、ユーザからの疼痛レベル入力を使用して、1つ以上のプロトコルを生成し、順に、ユーザの疼痛レベルに基づいて、運動または一連の運動を生成可能である。運動設定に対応する1つ以上のプロトコルの生成は、単独ユーザによる一連の異なる運動から、または汎用疼痛尺度に正規化された複数のユーザにわたる運動によって、ユーザ、医師、および他の医療従事者が、治癒の一貫した測定基準を得ることを可能とする。さらに、疼痛測定基準を記憶または別様に出力することによって、ユーザは、その進度を監視可能であって、医師あるいは他の医療従事者は、その患者の進度を監視可能であって、いくつかの事例においては、その患者の進度と、類似傷害もしくは病態を有する人々からの治癒の統計とを比較してもよい。単独個人または個人集団のための本種類のデータ収集は、運動のさらなる精緻化を可能にし、治癒プロセスを補助し得る。
【0190】
運動は、新しい傷害から回復するため、あるいは慢性傷害または病態を管理するために設計可能である。能力を向上させ、一時的傷害を治癒するように設計される運動は、概して、慢性傷害を有する人のための運動処方計画を提供するものと異なる。例えば、医療従事者は、急性疲労骨折傷害に対しては、全快に到達するために、ある一定割合の治癒を期待する一方、慢性傷害または変性病態に対しては、緩徐的進行、停滞的遂行、または減退的遂行を期待することさえあるため、疲労骨折から回復しようとする人にかける負荷を増加させるためのプロトコルは、関節炎を有する人の運動を補助するためのプロトコルとは異なる可能性がある。
【0191】
いくつかの実施形態では、疼痛入力および/または疼痛レベル示度数を使用して、治癒率を予測可能である。そのような相関によって、ユーザまたは医師は、最も適切な活動を予測し、回復周期のある時点における活動を許容あるいは制限可能となり得る。疼痛入力および疼痛入力と関連付けられた予測治癒率を使用して、患者が傷害を受けた身体部位の正常または安全な使用(例えば、傷害のため以前は不可能であった身体部位の使用)を回復可能となる時機を予測可能である。本能力は、例えば、傷害を受けた運動選手が試合に復活可能である時機を決定しようとする場合、有用となり得る。本能力は、運動選手の場合以外の他の用途も有する。例えば、疼痛入力および疼痛入力と関連付けられた予測治癒率は、作業関連の傷害ならびにユーザの作業活動復活能力および/または時機に適用可能である。運動選手または作業者がその通常の活動に復活するかどうかを決定する、あるいは治療過程を決定する場合、いくつかの状況においては、空気差圧システムを使用して得ることが可能な系統的疼痛データは、そのような決定を行なうためのより定量的基礎を提供してもよい。
【0192】
さらに、いくつかの変形例では、疼痛入力/示度数は、傷害源を判定するための診断ツールとして使用可能である。医師は、多くの場合、疼痛部位を判定するために、手動刺激を使用する。本システムによって、ユーザは、制御下、運動における変数を変更し、回復運動のためのプロトコルを有することが可能となり、ユーザから得られた疼痛入力は、医師または他の医療従事者のために、病態のより具体的描写を露呈する場合がある。さらに、疼痛入力を使用して、傷害の程度を評価可能である。傷害の程度は、手動刺激の際の疼痛によって、または走査(X線、MRI、CAT等)を通して、予測可能である。ユーザから疼痛入力を受信するように構成される空気差圧システムによって、ユーザは、速度、勾配、および有効体重等を含むが、それらに限定されない、運動定数を変更し、傷害にかかる容認可能な負荷を識別可能となる。システムは、機能的システムパラメータの所与の集合に対する進度および異なる疼痛レベルと、調節の複数時点における疼痛のレベルに基づいて開発されたプロトコルを記録してもよい。任意に、これらのデータは、新しい別個のプロトコルの生成またはシステム生成プロトコルの調節のために、医師または他の医療従事者に出力されてもよい。
【0193】
いくつかの実施形態では、ユーザ疼痛入力は、空気差圧システムのセンサ、例えば、腫脹、血圧、筋労作、組織歪み、血流、脳活動等、またはそれらの任意の組み合わせ等、ユーザの生物学的パラメータを感知するセンサに提供されてもよい。これらの余剰センサは、ユーザに直接接続されてもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。これらの構成では、システムは、ユーザからの直接疼痛示度数の代わりに、またはそれに加えて、疼痛とリンクされる他の外部要因を利用し、運動を管理および修正してもよい。センサは、機械的または電気的センサであることが可能であるが、それらに限定されない。
【0194】
疼痛入力、運動決定、傷害評価、および/または較正は、個々に、または互いに関連させて行ない、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはハードウェアおよびソフトウェアの両方で行なうことが可能である。ソフトウェアは、機械本体あるいは外部コンピュータまたは評価センター上に常駐してもよい。データは、記憶デバイスによって、機械から転送される、またはネットワーク、例えば、無線ネットワークを介して、伝送されてもよい。
【0195】
異なる病態は、空気差圧システムのための異なるプログラムおよび設定を必要とし得るため、システムが較正され得る。いくつかの変形例では、システム較正は、病態、ユーザの個人的要因、疾患等に基づいて、行なわれる。例えば、その膝に前十字靱帯損傷(ACL)を有する人は、空気差圧システムにおいて、肥満を患う人、またはウン症候群を患う小児と同一初期設定を必要としない場合がある。
【0196】
図40は、ユーザ疼痛レベルに基づいて、空気差圧デバイスを較正するためのプロセス4000の一実施形態のフロー図である。プロセスは、ハードウェア(回路網、専用論理等)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステまたは専用機械上で実行されるような)、またはハードウェアおよびソフトウェア両方の組み合わせを備え得る、処理論理によって行なわれてもよい。一実施形態では、処理論理は、図1のプロセッサ122または図2のプロセッサ208内に常駐する。
【0197】
図40を参照すると、プロセスは、処理論理が、ユーザの病態に基づいて、ユーザに対する初期設定を予測するステップから開始する(処理ブロック4002)。一実施形態では、圧力量(例えば、活性体重の減少)に関しての経験に基づく推測によって、初期設定を提供してもよい。いくつかの状況においては、予測は、所与の特定の病態に対して、慎重過ぎるぐらい慎重に行なわれる。例えば、前十字靱帯損傷(ACL)を有するユーザの場合、処理論理は、空気差圧システムが、ユーザの体重の30%に構成されるべきであると指定し得る一方で、処理論理は、小児の場合、ユーザの体重の50%を指定してもよい。
【0198】
次いで、処理論理は、初期設定に従って、空気差圧システムを操作する(処理ブロック4004)。
【0199】
処理論理は、ユーザの疼痛レベルの指標をさらに受信してもよい(処理ブロック4006)。種々の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース(コントロールパネル118上にあってもよい)を操作して、例えば、ボタンを押下する、ダイヤルを回す、話す、画面または他のタッチセンサに触れる等して、疼痛を受けていることを示す、あるいは経験している疼痛のレベルを示してもよい。一実施形態では、処理論理は、任意のユーザ作動ダイヤルから、ユーザの疼痛に対応するデータを受信してもよい。例えば、空気差圧システムのコントロールパネル118は、それぞれ、ゼロ圧力から全圧に対応する0−100のダイヤルおよび/または疼痛のレベルを示すための0−10の尺度を含んでもよい。本ダイヤルは、圧力設定点を制御することになり、したがって、患者がノブを操作する初回は、80(すなわち、全体重ではなく、全圧の80%を意味する)に設定され得、その後、疼痛レベルに基づいて、システム調節を行なうことが可能である。圧力ダイヤルおよび/または疼痛ダイヤルの位置は、将来的治療において、処理論理によって調節可能である。
【0200】
ユーザ疼痛を示す受信データに基づいて、システム内の気圧は、荷重を増加する(処理ブロック4008)または減少する(処理ブロック4010)ように調節される。いくつかの変形例では、ユーザが疼痛を感じている、またはあるベルの疼痛を感じていることを示すデータが受信される場合、ユーザによって経験される荷重は、疼痛が感じなくなる、または疼痛が所望の範囲内にあることを示すデータが受信されるまで、チャンバ圧を上昇させることによって、少しずつ低減される。さらに、ユーザが、疼痛を感じないことを示す場合、ユーザによって経験される体重は、ユーザがその傷害の疼痛を感じ始めるまで、チャンバ圧を降下させることによって、増加されてもよい。次いで、ユーザによって示されるおよび/または上述の1つ以上のセンサによって感知される疼痛が、周知の閾値を下回るように、ユーザによって経験される荷重は、圧力を使用して調節される(処理ブロック4012)。方法のいくつかの変形例では、体重の割合が、調節当たり数%ずつ低減されるように、圧力が調節される。
【0201】
処理論理は、本時点(処理ブロック4014)、例えば、ユーザが疼痛またはある量の疼痛を感じ始める圧力を示すデータを記憶する。その結果、記憶されたデータ点(例えば、有効体重の指標としての印加圧力)は、その後、ユーザが治療を受ける次回、チャンバ圧を開始、増加、または減少させる基準として、処理論理によって使用されてもよい(処理ブロック4016)。さらに、データ点は、経時的に記憶および追跡され、治療の相対的進度を提供してもよい。
【0202】
異なる実施形態では、ユーザ疼痛示度数は、負荷軽減セッション前、間、または後に生じ得る。疼痛示度数は、使用されるプロトコルに応じて、任意の時間または略随時、測定可能であるため、システムは、ユーザの運動を期待される疼痛レベルに較正するだけではなく、また、運動の間の任意の時点において、較正および/または運動を動的に修正する機会を有する。疼痛入力は、地面反力、荷重、着地力、トルク、またはそれらの力の組み合わせを含むが、それらに限定されない、静的または動的力を伴うことが可能である。さらに、これらの力またはトルクに基づく較正によって、医師(または他の医療従事者)あるいはシステムは、特定の傷害をより直接的に標的とする運動を考案可能となってもよい。いくつかの傷害は、身体部位に直接的地表力よりもトルクを受ける傾向があり、その逆も然りである。
【0203】
疼痛滴定は、多くの疾患を治療するために、医学の分野で使用される。上述のプロセスおよびシステムは、ユーザの荷重を除荷するための正確かつ反復可能制御と併せて、微調節を可能にしてもよい。さらに、典型的には、定量化可能ではない、または実際には、定量化されない、疼痛の測定を定量的に考慮および較正するための効率的方法が提供される。さらに、設定が記憶および追跡され、治療プログラムをさらに精緻化するとともに、将来的治療、将来的デバイス設定等を予測および処方してもよい。例えば、足首に傷害を有するユーザが、50分の第2の運動を残し、45分の第1の運動のみ行なうことが可能である場合、将来的開始設定予測値(例えば、55分の運動)が設定され、進度が計測されてもよい。
【0204】
本明細書に記載される実施形態のいくつかの変形例では、ユーザの疼痛閾値等の測定基準が使用され、システムを較正するため、初期指定体重または圧力の関数としての体重の割合を把握あるいは測定する必要がない場合がある。
【0205】
(例示的コンピュータシステム)
図41は、本明細書に記載される操作のうちの1つ以上を行ない得る、例示的コンピュータシステムのブロック図である。図41を参照すると、コンピュータシステム4100は、例示的クライアントまたはサーバコンピュータシステムを備えてもよい。コンピュータシステム4100は、情報を通信するための通信機構またはバス4111を備え、プロセッサ4112は、情報を処理するためのバス4111と連結される。プロセッサ4112は、いくつかの変形例では、マイクロプロセッサであってもよいが、マイクロプロセッサに限定されない。
【0206】
システム4100は、プロセッサ4112によって実行される情報および命令を記憶するためのバス4111に連結される、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の動的記憶デバイス4104(メインメモリと称される)をさらに備える。また、メインメモリ4104は、プロセッサ4112による命令の実行の間、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。
【0207】
また、コンピュータシステム4100は、プロセッサ4112のための静的情報ならびに命令を記憶するために、バス4111に連結される読み出し専用メモリ(ROM)および/または他の静的記憶デバイス4106と、磁気ディスクまたは光ディスクならびにその対応するディスクドライブ等のデータ記憶デバイス4107と、を備える。データ記憶デバイス4107は、情報および命令を記憶するために、バス4111に連結される。
【0208】
コンピュータシステム4100は、コンピュータユーザに情報を表示するためにバス4111に連結される、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイデバイス4121にさらに連結されてもよい。また、英数字および他のキーを含む英数字入力デバイス4122は、プロセッサ4112に情報およびコマンドを通信するために、バス4111に連結されてもよい。さらなるユーザ入力デバイスは、プロセッサ4112に方向情報およびコマンド選択を通信するため、かつディスプレイ4121上のカーソル移動を制御するためにバス4111に連結される、マウス、トラックボール、トラックパッド、スタイラス、またはカーソル方向キー等のカーソル制御4123である。
【0209】
バス4111に連結され得る別のデバイスは、紙、フィルム、または類似種類の媒体等の媒体上に情報を生成するために使用され得る、ハードコピーデバイス4124である。バス4111に連結され得る別のデバイスは、電話または携帯型の手のひらサイズのデバイスに通信するための有線/無線通信能力4125である。
【0210】
システム4100の構成要素の一部または全部および付随ハードウェアが、本発明において使用されてもよいことに留意されたい。しかしながら、コンピュータシステムの他の構成が、デバイスの一部または全部を含んでもよいことを理解されたい。システム4100のある変形例は、図41に図示されない周辺機器または構成要素、例えば、可聴入力等の異なる種類のユーザ入力またはタッチスクリーン等のタッチセンサを受信するように構成される構成要素を含んでもよい。
【0211】
ある実施形態は、機械可読媒体上に記憶される命令を含み得る、コンピュータプログラム製品として実装されてもよい。これらの命令を使用して、汎用または特殊用途プロセッサをプログラムし、記載の操作を行なってもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)による可読形態(例えば、ソフトウェア、処理アプリケーション)において、情報を記憶または伝送するための任意の機構を含む。機械可読媒体は、磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)、光記憶媒体(例えば、CD−ROM)、光磁気記憶媒体、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消却・プログラム可能メモリ(例えば、EPROMおよびEEPROM)、フラッシュメモリ、電気、光、音響、または他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、あるいは電子命令を記憶するために好適な別の種類の媒体を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0212】
加えて、いくつかの実施形態は、機械可読媒体が2つ以上のコンピュータシステム上に記憶される、および/またはそれらによって実行される、分散コンピューティング環境において実践されてもよい。加えて、コンピュータシステム間で転送される情報は、コンピュータシステムを接続する通信媒体にわたって、プルまたはプッシュ配信されてもよい。
【0213】
本明細書に記載されるデジタル処理デバイスは、マイクロプロセッサまたは中央処理装置等の1つ以上の汎用処理デバイス、コントローラ等を含んでもよい。代替として、デジタル処理デバイスは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等の1つ以上の特殊用途処理デバイスを含んでもよい。代替実施形態では、例えば、デジタル処理デバイスは、中心ユニットおよび複数のマイクロエンジンを含む、複数のプロセッサを有するネットワークプロセッサであってもよい。加えて、デジタル処理デバイスは、汎用処理デバイスおよび特殊用途処理デバイスの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0214】
本明細書の方法の操作は、特定の順番で図示および記載されるが、各方法の操作の順番は、ある操作が逆の順番で行なわれ得るように、またはある操作が、少なくとも部分的に、他の操作と併用して行なわれ得るように、変更されてもよい。別の実施形態では、命令または個別操作のサブ操作は、断続的および/または代替的態様であってもよい。
【0215】
本発明の実施形態および用途が図示および説明されたが、本明細書の本発明の概念から逸脱することなく、上述より多くの修正例が可能であることは、本開示の利点を有する当業者には明白であろう。例えば、本発明は、上半身、胴体部等、身体の任意の部分を含有するものに適用されてもよい。したがって、本発明は、添付の請求項の精神を除き、制限されるものではない。さらに、本明細書に記載されるシステム、装置、および方法の実施形態は、個々に、または組み合わせて、実践されてもよい。多くの異なる組み合わせが、本開示の利点を有する当業者には明白であるだろう。
【0216】
本明細書に記載される概念のいずれも、ともに結合され、または組み合わされて、有用な発明を形成し得ることを理解されたい。例えば、調節可能オリフィスは、輪郭形成外郭構造と組み合わせて、使用または種々の身体種類を容認し、自然な走行経験を維持するための効果的手段を提供してもよい。便宜上、かつ上述の個々の概念を曖昧にすることを回避するため、本明細書に記載される本発明の全組み合わせが列挙されているわけではないが、組み合わせは、本特許の範囲内にあるものとする。加えて、加圧チャンバについて記載するシステムは、陽圧および陰圧力構成の両方を含むように構築されてもよいことを理解されたい。陽圧対陰圧は、本発明の異なる構成を要求し得るが、本明細書に明示的に記載されるものからのそのような修正例は、本特許の範囲内にあるとみなされるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気差圧システム内にユーザの身体の一部を封入および密封するための構造物であって、該構造物は、
チャンバと、
該チャンバに連結されるユーザシールであって、該ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である調節可能な開口部を備えることにより、該ユーザの身体の少なくとも一部が該チャンバ内に密封される、ユーザシールと
を備え、
十分に気密性の接合が、該ユーザの身体と該チャンバとの間に形成されることにより、非ゼロ差圧が該チャンバ内に維持されることが可能であり、該調節可能な開口部は、ユーザの身体サイズの範囲を収容可能である、構造物。
【請求項2】
前記ユーザシールは、ユーザシールの周縁の周囲において、円周方向に分布する複数の拡張スリットを備え、該拡張スリットのうちの1つ以上は、前記ユーザによって、選択的に開閉されて、該ユーザシール内の該開口部のサイズを調節することが可能である、請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
差圧システム内での使用のために構成されるユーザシールであって、
該ユーザシールは、差圧システムのチャンバに連結されるように構成され、
該ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備えることにより、該ユーザの身体の少なくとも一部が該チャンバ内に密封され、
十分に気密性の接合が、該ユーザの身体と該チャンバとの間に形成されることにより、非ゼロ差圧を該チャンバ内に維持可能であり、該ユーザシールは、該ユーザが該チャンバに対してその身体を回転することを許容する一方で、該チャンバと該ユーザの身体との間に該十分に気密性の接合を維持するように構成される、ユーザシール。
【請求項4】
前記チャンバに連結される、外側構造と、
前記ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える、内側構造と
を備え、
該内側構造は、該外側構造と嵌合するように構成され、該内側構造は、該外側構造の回転軸の周りを該外側構造に対して回転するように構成される、請求項3に記載のユーザシール。
【請求項5】
差圧システム内での使用のために構成されるユーザシールであって、
該ユーザシールは、差圧システムのチャンバに連結されるように構成され、
該ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備えることにより、該ユーザの身体の少なくとも一部が該チャンバ内に密封され、
十分に気密性の接合が、該ユーザの身体と前記チャンバとの間に形成されることにより、非ゼロ差圧を該チャンバ内に維持することが可能であり、該ユーザシールは、該ユーザの身体に係留されるように構成されることにより、該チャンバ内の圧力が変動させられるときに、該ユーザの身体に沿って比較的安定した垂直位置を維持する、ユーザシール。
【請求項6】
ユーザの身体に係留される身体用巻装体を備え、該身体用巻装体は、複数の可撓性フラップを備え、該複数の可撓性フラップは、該ユーザの1つ以上の身体部位の周囲に巻装され、かつ、該身体用巻装体と該ユーザの身体との間に握着を提供するように固着される、請求項5に記載のユーザシール。
【請求項7】
差圧システム内での使用のために構成されるユーザシールであって、
該ユーザシールは、差圧システムのチャンバに連結されるように構成され、
該ユーザシールは、ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備えることにより、該ユーザの身体の少なくとも一部が該チャンバ内に密封され、
十分に気密性の接合が、該ユーザの身体と該チャンバとの間に形成されることにより、非ゼロ差圧が該チャンバ内に維持されることが可能であり、該ユーザシールは、該ユーザが該チャンバの軸に沿ってその身体を平行移動することを許容する一方で、該チャンバと該ユーザの身体との間に該十分に気密性の接合を維持するように構成される、ユーザシール。
【請求項8】
ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える、第1の区画と、
前記チャンバに連結される、第2の区画であって、該第1と第2の区画とは、その間に接合を形成するように摺動可能に連結される、第2の区画と
を備え、
十分に気密性の接合が、該ユーザの身体と該第1の区画との間、該第1の区画と該第2の区画との間、および該第2の区画と該チャンバとの間に形成されることにより、該ユーザの身体の少なくとも一部が、該チャンバ内に密封され、非ゼロ差圧を該チャンバ内に維持することが可能であり、該ユーザが該チャンバの軸に沿って平行移動することを許容する一方で、該チャンバ内に非ゼロ差圧を実質的に維持するように、該第1の区画は、該第2の区画に対して平行移動することが可能である、請求項7に記載のユーザシール。
【請求項9】
空気差圧システム内での使用のために構成されるユーザシールであって、該ユーザシールは、
ユーザの身体を受容および周辺密封することが可能である開口部を備える、下方区画と、
該下方区画の上面上に配置されて、該上方区画と下方区画との間に接合を形成し、該上方区画はチャンバに連結される、上方区画と
を備え、
十分に気密性の接合が、該ユーザの身体と該下方区画との間、該上方区画と下方区画との間、および該上方区画と該チャンバとの間に形成されることにより、該ユーザの身体の少なくとも一部が該チャンバ内に密封され、非ゼロ差圧を該チャンバ内で維持することが可能である、ユーザシール。
【請求項10】
空気差圧システムのための加圧可能なチャンバであって、該チャンバは、
可撓性材料から形成される、膨張可能な封入体と、
該膨張可能な封入体に連結可能である、調節可能なフレームと
を備え、
該調節可能なフレームは、膨張状態にある封入体の幅および高さのうちの少なくとも1つを制御することにより、ユーザの腕および/または脚の動作との該膨張した封入体の干渉を低減し、該ユーザの下半身は該加圧可能なチャンバ内に密封され、該ユーザの上半身は該加圧可能なチャンバの外側にある、チャンバ。
【請求項11】
前記調節可能なフレームは、少なくとも1つの輪郭形成区画を備えることにより、前記ユーザの腕および/または脚の動作に対応する、請求項10に記載の加圧可能なチャンバ。
【請求項12】
前記調節可能なフレームは、可変長を有する少なくとも1つの伸縮部材を備え、該少なくとも1つの伸縮部材の長さは、該フレームの寸法を調節するために変更される、請求項10に記載の加圧可能なチャンバ。
【請求項13】
空気差圧システムのためのチャンバであって、該チャンバは、
膨張可能な封入体と、
該封入体の周囲に配置される高さ調節可能なフレームであって、つまずきまたは転倒の場合にユーザの体重を支持可能である、フレームと
を備え、
該高さ調節可能なフレームは、後方垂直支持部および前方垂直支持部を備え、該後方垂直支持部および前方垂直支持部のうちの少なくとも1つは、該後方垂直支持部と該前方垂直支持部との間に延在して、該フレームの高さを調節する該フレームの縦方向横断部材に係合するための高さ調節装置を備える、チャンバ。
【請求項14】
前記高さ調節装置は、一連の垂直に配列されたスロットを備え、前記フレームの前記縦方向横断部材は、該高さ調節装置の該スロットのうちの1つの中に係合されて、該フレームの高さを調節する、請求項13に記載のチャンバ。
【請求項15】
治療方法であって、
空気差圧システムのチャンバ内に差圧を生じさせることあって、該チャンバは、ユーザの身体の少なくとも一部を受容し、該チャンバ内の圧力を調節することによって該ユーザの身体にかかる力を調節するように構成される、ことと、
該ユーザに対して決定された病態関連測定基準に応じて、該チャンバ内の圧力を調節することと、
該圧力の調節に関する該病態関連測定基準の依存度に基づいて、該ユーザに対して該空気差圧システムの初期設定を生成することと、
該ユーザに対する該初期設定に基づいて、該病態に対する個別化された治療プロトコルを生成することと
を備える、方法。
【請求項16】
肥満を治療するための、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
治療方法であって、
空気差圧システムのチャンバ内に差圧を生じさせることであって、該チャンバは、ユーザの身体の少なくとも一部を受容し、該チャンバ内の圧力を調節することによって該ユーザの身体にかかる力を調節するように構成される、ことと、
該ユーザの病態に基づいて、該空気差圧システムに対する初期設定を予測することと、
該チャンバ内の圧力の関数として、該ユーザによって経験される疼痛の指標を受信することと、
1つ以上の圧力レベルにおける該疼痛の指標を使用して、該病態に対する治療過程を設定または修正することと
を備える、方法。
【請求項18】
慢性傷害を治療するための、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記疼痛の指標は、前記ユーザから直接受信される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記疼痛の指標は、前記ユーザの生物学的パラメータを感知する1つ以上のセンサから受信される、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図31D】
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【図31E】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図32D】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公表番号】特表2011−500149(P2011−500149A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528910(P2010−528910)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/011832
【国際公開番号】WO2009/051765
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(510104403)アルターグ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】