説明

空気調和機の室内機

【課題】 室内機の前面パネルを取り外したり電装部を分解することなく現場で据付工事ができるようにし、その工事の簡易化を図る。
【解決手段】 本体の下面又は側面に室外機との接続線を接続する接続端子13が設けられた空気調和機の室内機において、前記接続端子13を覆うよう端子保護具14を取り付け、前記端子保護具14に、前記接続端子13に接続される接続線16を固定する配線固定具15を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の下面、側面、又は裏面に室外機との接続線を接続する接続端子が設けられた空気調和機の室内機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
北米向け空気調和機では、火災その他の事故から人命や財産を保護するためのUL規格が適用され、電気配線保護具としてのコンジットチューブでケーブルを覆うことが要求される。このため、従来では、空気調和機の室内機と室外機の間にケーブルで電気配線を行う据付工事の際に、室内機の外観部品である前面パネルや電装部を取り外し、さらに電装部の一部を分解してコンジットチューブを取り付けるためのコンジット取付具を取り出す必要があった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−074904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、空気調和機の据付工事ごとに室内機の前面パネル取り外しや電装部の分解が必要となり、コンジットチューブ取り付けのために多大な手間がかかっていた。
【0004】
本発明の目的は、室内機の前面パネルを取り外したり電装部を分解することなく現場での据付工事ができるようにし、その工事の簡易化を図った室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1にかかる発明の空気調和機の室内機は、本体の下面又は側面に室外機との接続線を接続する接続端子を設け、該接続端子を覆うよう端子保護具を取り付け、該端子保護具に、前記接続端子に接続される接続線を固定する配線固定具を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の空気調和機の室内機において、前記配線固定具が、前記接続線を挿通するコンジットコネクタであることを特徴とする。
【0007】
請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機において、前記端子保護具には、複数の除去片が形成され、特定の除去片を除去して形成した穴に前記配線固定具が取り付けられるようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機の室内機において、前記接続端子が前記本体の底面又は側面に取り付けられ、前面パネル内の前記接続端子に対応する部分が該前面パネルに対して着脱自在となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本体の下面又は側面に室外機との接続線を接続する接続端子を設け、該接続端子を覆うよう端子保護具を取り付け、該端子保護具に、前記接続端子に接続される接続線を固定する配線固定具を備えたので、前面パネルを取り外したり電装部を分解する必要がない。このため、コンジットチューブ取付工事が極めて簡素化され、現場工事の効率化、配線工事の品質向上等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は室内機本体10の前面の斜視図、図2は図1のA部の拡大図である。図2において、前面パネル11の右下角部分はアンダーカバー12として着脱自在となっており、その奥の本体10の右下面には室外機との接続線であるケーブルを接続する接続端子13が設けられている。そして、接続端子13は着脱自在の端子保護具(コンジット取付具を兼用する)14により覆われている。この端子保護具14の両側には本体10への取付用のネジによる取付片14aが形成され、また現場取り外しの可能な複数の除去片14bが形成されている。
【0011】
以下、接続端子13へのケーブルの接続方法について説明する。まず、図3に示すように、配線固定具(コンジットコネクタ)15にケーブル16を挿通してから、その配線固定具15を端子保護具14の背面の除去片14bを除去して形成した穴14b’に挿通し、反対側からリング15aをその配線固定具15の雄ネジ部15bに螺合して、端子保護具14に対して、配線固定具15を一体化する。
【0012】
次に、図4に示すように、心線を露出したケーブル16の先端を接続端子13に電気的に接続する。そして、端子保護具14を接続端子13を覆うようにその取付片14aの部分においてネジ(図示せず)により本体10に固着する。
【0013】
次に、ケーブル16を覆うように挿入したコンジットチューブ(図示せず)を配線固定具15のネジ15c(図3参照)の締め付けにより固定し、アンダーカバー12の下部の除去片12aを除去して切り欠き穴12a’を形成し、その切り欠き穴12a’内にコンジットチューブが位置するようにそのアンダーカバー12を前面パネル11に取り付ければ、室内機の電気配線工事が完了しケーブル配線の防火構造が実現できる。
【0014】
以上のように、本実施例では、コンジットチューブの取り付けの際に、室内機本体10の下面において端子保護具14に配線固定具15を取り付けるので、前面パネル11を取り外す必要がない。また、ケーブル16は端子保護具14に挿通されるのでケーブル16の引き回しも僅かで済む。
【0015】
したがって、空気調和機の据付工事の現場において、コンジットチューブ取付工事が極めて簡素化され、現場工事の効率化、配線工事の品質向上等を図ることができる。
【0016】
なお、以上では配線固定具15によりコンジットチューブを固定する場合について説明したが、コンジットチューブを使用しない据付工事においては、ケーブル16が配線固定具15により直接固定されることになる。
【0017】
また、以上では本体10の右下面に接続端子13が設けられている場合について説明したが、右側面、左側面、左下面、中央下面、さらには裏面に端子が設けられている場合でも、その端子保護具14をコンジット取付具として利用するので、上記した作用効果は同じである。また、ケーブル16およびコンジットチューブの引出方向は、端子保護具14の複数の除去片14bのいずれを除去するかによって任意に決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例の室内機の前面斜視図である。
【図2】本実施例の室内機の右下面部分の拡大斜視図である。
【図3】本実施例の室内機の端子保護具への配線固定具の取付説明図である。
【図4】本実施例の室内機の接続端子への端子保護具、ケーブルおよび配線固定具の取付説明図である。
【図5】本実施例の室内機の接続端子への端子保護具、ケーブルおよび配線固定具の取付説明用の断面図である。
【符号の説明】
【0019】
10:室内機本体
11:前面パネル
12:アンダーカバー、12a:除去片、12a’:切り欠き穴
13:接続端子
14:端子保護具(コンジット取付具)、14a:取付片、14b:除去片、14b’:穴、
15:配線固定具(コンジットチューブを取り付ける際はコンジットコネクタとなる)、15a:リング、15b:雄ネジ部、15c:ネジ
16:ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の下面又は側面に室外機との接続線を接続する接続端子を設け、該接続端子を覆うよう端子保護具を取り付け、該端子保護具に、前記接続端子に接続される接続線を固定する配線固定具を備えたことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機の室内機において、
前記配線固定具が、前記接続線を挿通するコンジットコネクタであることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機において、
前記端子保護具には、複数の除去片が形成され、特定の除去片を除去して形成した穴に前記配線固定具が取り付けられるようにしたことを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機の室内機において、
前記接続端子が前記本体の底面又は側面に取り付けられ、前面パネル内の前記接続端子に対応する部分が該前面パネルに対して着脱自在となっていることを特徴とする空気調和機の室内機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−64298(P2006−64298A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247762(P2004−247762)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】