空気調和機
【課題】室内機の設置位置から部屋の壁面や部屋に置かれた家具など空気流の障害物までの距離を直接測定することにより最適な風量や風向きに制御することが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】室内機本体の前面に、画素毎に光源から投射されたパルス光が測定対象物により反射してきたときの遅れ時間を測定することにより測定対象物までの距離を検出する距離画像センサーを備え、距離画像センサーにより検出した対向壁までの距離データ、及び、左右壁までの距離データに基づき、部屋の中心位置を特定し、部屋の中心に向けて送風するように、室内ファンの回転数及び左右ルーバーの位置を調整する。
【解決手段】室内機本体の前面に、画素毎に光源から投射されたパルス光が測定対象物により反射してきたときの遅れ時間を測定することにより測定対象物までの距離を検出する距離画像センサーを備え、距離画像センサーにより検出した対向壁までの距離データ、及び、左右壁までの距離データに基づき、部屋の中心位置を特定し、部屋の中心に向けて送風するように、室内ファンの回転数及び左右ルーバーの位置を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、室内機、室外機から構成されるセパレート型の空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、その室内機の設置位置あるいは設置空間(部屋等)に関しての情報は基本的には持たない。従って、室内機の設置位置や設置空間に適した空調を行うためには設定温度や風量の調整だけでは不十分であり、ユーザー自身がリモコン等により吹出口に設けられたルーバーの角度を調整し、風向きを最適角度に変更することが必要であった。
【0003】
または、高級タイプ(ハイエンド機種)の空気調和機になると設置時に室内機の設置位置情報を入力することが可能であるが、あくまでも目安であり、本来の最適の角度にルーバーを移動したり、最適の回転数に調整しているものではない。
【0004】
また、部屋の中にいる人の認識にしても、焦電センサー(赤外線センサー)を用いて、熱源を探り出し人がいることを認識することはできたが、あくまで空気調和機に対してどの方向にいるか程度の情報しか得られず、距離や人数までは正確に測定できない。また、カメラ画像を画像処理を用いて行うこともできるが、2次元情報なので正確な距離はつかめない。また、カメラを2台設置することにより、距離データを検出することは可能であるが、処理が煩雑であり、現状では家庭用の空気調和機に搭載できるほどのコストでシステムを構成することはできない。
【0005】
また、特許文献1によれば、画面を区分けして、そこに人が入るかどうかを見極めることにより、人物までの方向及び距離などを推定しているが、そもそも市販の空気調和機にこのようなシステムを採用する場合では、室内機の設置位置により、イニシャライズする必要があり(取り付け場所の高さや、前後左右の壁までの距離により画面の区分けを調整する必要がある)、実用的ではない。また、同文献の実施形態には、2つのカメラを搭載したものを提案しているが、イニシャライズの方法については触れていない。
【0006】
また、空気調和機は基本的に、室温と設定温度の差を見ながらフィードバック制御により出力を調整している。しかしながら、人が入ってきた時などは、例えば冷房時では、人が入ってきて室温が上がったことを感知してから、出力を制御することとなり、後追い的な制御となる。すなわち、必ず室温が乱れた後から制御し始めることになり、温度変化を予測した制御は困難である。
【特許文献1】特開2006−220405号公報(段落[0020]、図13、図26)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、室内機の設置位置から部屋の壁面や部屋に置かれた家具など空気流の障害物までの距離を直接測定することにより最適な風量や風向きに制御することが可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために本発明は、室内機に設けられた室内熱交換器、室外機に設けられ回転数を制御可能な圧縮機、冷房運転と暖房運転で冷媒の流れを変える切替手段を、冷媒を循環させる冷媒回路により接続した冷凍サイクルを有し、室内機に回転数を変更可能な室内ファンを設け、部屋の空気を吸い込み空調された空気を吹出口から前記部屋へ吹き出す空気調和機において、室内機本体の前面に、画素毎に光源から投射されたパルス光が測定対象物により反射してきたときの遅れ時間を測定することにより測定対象物までの距離を検出する距離画像センサーを備え、該距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データに基づいて、前記室内機の設置位置と設置空間に適した前記室内ファンの回転数を決定することを特徴とする。
【0009】
(2)また、本発明の空気調和機は、室内機本体又はリモコンに位置確認ボタンを設け、該位置確認ボタンを押すと、前記距離画像センサーにより一定時間後に部屋の形状に関するデータを検出し、その値を固定値として記憶することにより、前記室内機の設置位置と設置空間に適した室内ファンの回転数を再度決定して更新することを特徴とする。
【0010】
(3)また、本発明の空気調和機は、前記吹出口に設けられ駆動機構により前記吹出口から吹き出される空気の風向を左右方向及び上下方向に位置を変更する左右ルーバー及び上下ルーバーを備え、前記距離画像センサーにより検出した対向壁までの距離データ、及び、左右壁までの距離データに基づき、部屋の中心位置を特定し、部屋の中心に向けて送風するように、前記室内ファンの回転数及び前記左右ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0011】
(4)また、本発明の空気調和機は、前記圧縮機の回転数の制御は、所定数の段階に割り振られた回転数群の中から1つを選択するものであり、前記距離画像センサーにより検出した天井までの距離データ、床までの距離データ、左右壁までの距離データ、及び、対向壁までの距離データに基づき、部屋の大きさを特定し、各段階へ割り振られる前記圧縮機の回転数の値を部屋の大きさに合わせて決定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された天井までの距離データ、対向壁までの距離データ、及び、左右の壁までの距離データに基づき、冷房運転時に、天井に沿って冷風を流すように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された床面までの距離データ、対向壁までの距離データ、及び、左右の壁までの距離データに基づき、暖房運転時に壁面に沿って床面まで届いて床面を最適に暖めるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、その人の近くに冷風及び温風を向けてその人の温度環境が良くなるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0015】
(5)また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間経過しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止することを特徴とする。
【0016】
(6)また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の空気調和機は、リモコンに風集中ボタンを設けて、該風集中ボタンを押した時には、部屋に人がいると判断された場合は、風を直接人に当てるように、前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の空気調和機は、部屋に人がいると判断された場合は、その人数をカウントし、人数が1人のときには、風を直接人に当てるように、前記左右・上下ルーバーの位置が変更され、人数が2人であればその間に送風するように、前記左右・上下ルーバーの位置が変更され、3人以上であれば部屋の中心に向けて送風することを特徴とする。
【0019】
(7)また、本発明の空気調和機は、部屋に人がいると判断された場合は、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定し、前記圧縮機の回転数を調整することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の空気調和機は、リモコンにお知らせボタンを設け、該お知らせボタンを所定回数押すと、部屋に人がいると判断された場合は、その人数をカウントし、リモコンの表示部に表示することを特徴とする。
【0021】
(8)また、本発明の空気調和機は、室内機本体またはリモコンに警備ボタンを設けて、該警備ボタンを押すと、空気調和機が運転停止中であっても、部屋に人がいると判断された場合は、警告を発し、その警告を一定時間内に解除しない場合に、不審者侵入のメールを携帯電話又はPCのアドレスに送信することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の空気調和機は、室温が設定温度に達してから所定時間経過しても、部屋に人がいると判断されない場合には、暖房運転ならば設定温度を下げ、冷房運転ならば設定温度を上げて省エネ運転を行うことを特徴とする。
【0023】
(9)また、本発明の空気調和機は、室温が設定温度に達してから所定時間経過しても、測定対象物が人と判定されない場合には、出力(例えば電流)検知を行なって出力を半分程度に抑制して省エネ運転を行うことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データに基づき、室内機前方の照明や室内機下方のタンスなどの障害物を検知したときには、障害物を避けるように、左右ルーバー及び上下ルーバーの角度にマスクをかけることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、室内機の設置位置から部屋の壁面や部屋に置かれた家具など空気流の障害物までの距離を直接測定することにより最適な風量や風向きに制御することが可能な空気調和機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の空気調和機の実施例を図により詳細に説明する。
【0027】
図1は、この発明の空気調和機の実施例における冷媒回路である。図において、冷媒を吐出する圧縮機101、この圧縮機吐出側に一端が接続され冷媒回路と暖房回路とを切換えるための切替手段として、四方弁102、四方弁102の他端に一端が接続された室外熱交換器103、この室外熱交換器103近傍には室外空気と室外熱交換器との熱交換を行わせる室外ファン104が配置されている。圧縮機101の回転数は、所定数の段階に割り振られた回転数群の中から1つを選択するように制御される。冷房運転と暖房運転で冷媒の流れを変える切替手段としては、四方弁でなくても、同等の働きをする複数の弁の組合せ等でも良い。
【0028】
室外熱交換器103の他端に一端が接続された減圧機としての膨張弁105が配置され、膨張弁105の他端に接続された室内熱交換器106、室内熱交換器106の近傍には部屋の空気と室内熱交換器106との熱交換を促進させる室内ファン109が配置されている。また圧縮機101の吸入側にはアキュムレータ110が接続され余剰冷媒を貯留させるなど設けられ、これらから冷媒回路を形成している。圧縮機101や室外熱交換器103などの部品は室外に配置された室外機内に収納され、開閉弁111、112を介して延長配管113、114にて室内熱交換器106を含む部屋に配置された室内機1へ冷媒を循環させている。この冷媒としては塩素を含まないフロン系冷媒や炭酸ガス、炭化水素、水などの自然冷媒やこれらの混合物などが使用される。なお室内機は壁掛け型、天井取り付け型、天井埋め込み型等どんなものでも良い。減圧機としては、膨張弁の他に、キャピラリーチューブ等がある。
【0029】
図1において、冷媒回路の動作を次に説明する。室内機で冷房を行う場合は、図において圧縮機101から吐出された高温高圧のガスは、圧縮機吐出側に一端が接続され冷媒回路と暖房回路とを切換えるための四方弁102を介して、室外熱交換器103にて室外ファン104が流す外気との熱交換を行い、即ち凝縮してガス冷媒の熱を外気に放出し温度を下げる。冷媒は膨張弁105にて膨張し圧力を下げると共に更に低温となり室内熱交換器106では冷却された冷媒と室内ファン109で循環される部屋の空気とが熱交換し、部屋の空気に対する冷房が行われる。暖房時は圧縮機101で圧縮された高温冷媒が四方弁102を切換えて先ず室内熱交換器106へ供給されるので部屋の空気が熱い冷媒ガスと熱交換して暖房が行われる。
【0030】
図2は、空気調和機における画像データ処理部のシステム構成一例である。図において、1は室内機、2は室内機1に配置された距離画像センサー、4は距離画像センサーから取得した画像を処理する画像制御マイコン、5は室内制御マイコンである。6は運転モード、設定温度、左右風向や上下風向などを切換える赤外線信号をエアコンとの間で送受信させてエアコンの遠隔制御を行うリモコンである。室内制御マイコン5は、通信線や無線通信で携帯電話会社12などと接続されており、距離画像センサー2から取得した画像に基づいてメールを作成して携帯端末に通信プロトコルを使用して送信することができる。距離画像センサー2は室内機1に取りつけられる。距離画像センサー2にて取得された画像データは距離画像センサー2内部に配置された画像制御マイコン4にて画像データ処理が行われる。
【0031】
距離画像センサー2は室内機1の前面に設けられ、室内機1の下部に設けられた部屋へ空気を吹出す吹出口30の直ぐ上に配置される。この距離画像センサー2は室内機の内部においては室内熱交換器106の下であってドレンパン近傍の機内に取り付けられCDDカメラモジュール構造で室内に向けられる。距離画像センサー2や距離画像センサー2から取得した画像を処理する制御マイコンを駆動し動作させる電源は室内機1から電源を使用することにより特別な装置は不要である。距離画像センサー2は画像制御マイコン近接させてもよいし、レンズの裏側に基板を固定して一体化させたモジュールとしてもよい。
【0032】
図3は、距離画像センサーの一例の模式的な説明図である。距離画像センサー2は、図3に示すように、CCDカメラ(CMOSセンサー)2aにて部屋の測定対象物の画像を取り込むとともに、LED2bより近赤外線のパルスを測定対象物に対して照射し、その反射光をCCDカメラ2aが受光するまでの時間差を使用し、光速と時間差から距離を画像制御マイコン4で計算することにより、画素1点1点について距離データを出す(TOF(time of flight)方式)ものである。よって、室内機1が部屋の壁面に設置されたときは、画素1点1点について距離データを集計することによって室内の形状に関するデータを得ることができる。なお、バックグラウンドとなる室内の画像をあらかじめ固定物として記憶しておけば、その後に室内に人が入ってくると、距離データの差分を計算でき、人のみが浮かび上がることにより、移動物を判別することができる。実際に使用するCCDカメラは、8万画素のものを用いて行う。
【0033】
図4は冷房時の室内機1の断面図であり、図5は暖房時の室内機1の断面図である。これらの図において、7は吹出口30に回動自在に設けられ、吹出し気流を左右に吹き分けることが可能な左右ルーバーであり、8は同じく吹出口30に回動自在に設けられ、吹出し気流を上下に吹き分けることが可能な上下ルーバーを示している。上下ルーバー8の回角度を適切に調節することにより、冷房時は、図3に示すように、吹出口30より水平方向に対して前方上方に向けて冷気を吹出して部屋を冷房し、暖房時は、図4に示すように、吹出口30より水平方向に対して下方に向けて暖気を吹出して部屋を暖房するようにしている。
【0034】
左右ルーバー7は、吹出口30の中央付近で2分割され、左右それぞれ別のリンク棒にて接続され、このリンク棒は左右別々のパルスモータ(不図示)独立した制御が可能である。このパルスモータはリンク棒を左右に動かす位置であれば良く、例えば吹出口上部の壁面内部に設けられる。このリンク棒で一体に駆動される各ルーバーは吹出口30の上壁に回動自在に固定され、この上部固定点に対し左右に動いて風の流れを変更させることが出来る。この左右独立した左右ルーバー7は、それぞれ複数のルーバー片にて構成され各ルーバー間のピッチより風の流れる方向が同等程度以上に長い板状部分を有する。これにより気流方向を安定させて遠隔地点へも確実な送風を可能にしている。
【0035】
上下ルーバー8は、左右ルーバー7より室内機1の吹出口30の室内側即ちエアコンの外側に配置され、2枚から構成され、2個の独立したパルスモータにてそれぞれ独立した駆動が可能である。各ルーバーは吹出口30の左右の壁面に回動自在に固定され、この吹出口端部の固定部分にてパルスモータにて回動駆動されることにより気流を上下方向に変化させることが出来る。この上下独立した上下ルーバー8は、それぞれ複数のルーバー片にて構成され各ルーバー間のピッチより風の流れる方向が同等程度以上に長い板状部分を有する。これにより気流方向を安定させて遠隔地点へも確実な送風を可能にしている。
【0036】
図6はリモコンの開閉カバーを閉じた状態の平面図、図7はリモコンの開閉カバーを開けた状態の平面図である。リモコン6には、図6及び図7に示すように、上部に液晶表示部66が設けられ、下部にヒンジ式のカバー61が開閉自在に設けられている。カバー61自体には図6に示すように、風集中ボタン62とお知らせボタン65が設けられており、風集中ボタン62を押すと、部屋で人が集中するエリアを探し出し、そのエリアを局所的に急速に空調する機能が働くようになっている。お知らせボタン65を押すと、押す度にリモコン6の液晶画面66の日文字表示部(7セグメント表示部)66aに表示される内容が変更されるようになっている。また、図7に示すように、カバー61を開くと露出する部分には、位置確認ボタン63と警備ボタン64が設けられている。位置確認ボタン64を押すと、ユーザーが任意に距離画像センサー2による検出を開始させることができるようになっている。警備ボタン64を押すと、ユーザーが任意に距離画像センサー2による検出を開始させることができるようになっている。
【0037】
次に、以上のように構成された空気調和機を、距離画像センサーにより検出された画像及び距離データに基づく制御について具体的な実施形態を挙げて説明する。
【0038】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について図8を参照して説明する。図8は第1の実施形態を表すフローチャートである。まず、工事業者が室内機1を部屋の一つの壁面に設置し、電源を入れる(ステップS101)。すると、距離画像センサー2が働き(ステップS102)、CCDの1素子毎の距離を測定する。画像制御マイコン4は、それに基づき、対向壁までの距離、天井までの距離、床までの距離、左右壁までの距離を測定し、部屋の大きさ、自分のポジションを推定する(ステップS103)。そして、室内制御マイコン5は、室内機1の設置位置と設置空間に適した室内ファン109の回転数を決定する(ステップS104)。なお、この上記の動きは、あくまでも元に記憶したデータがない場合を示しており、下記に記述してあるように、位置確認ボタンを押したり、上記の一連の作業が終わり、位置データを記憶した後で、停電が起こった場合や、運転停止時から再び運転ONした場合は、記憶データが優先され、上記のような作業は行われない。
【0039】
第1の実施形態によると、室内ファン109の定格回転数の範囲内で、部屋の大きさに最適な回転数に設定することができる。
【0040】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について図9を参照して説明する。図9は第2の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS201〜S203の工程は、上記第1の実施形態のステップS101〜S103(図3)の工程と同一であるため重複説明を省く。
【0041】
ここで、リモコン6の位置確認ボタン63を押して(ステップS204)、一定時間後(ここでは10秒後とする)の画素毎の距離を測定して、その距離データは、固定物(人物ではない)として登録し、新たに先ほど行ったそれぞれの床・天井・壁までの距離を登録し直す(ステップS205)。なお、一定時間後(10秒後)にしたのは、ボタンを押してすぐに形状認識を行なうと、ユーザー自身を固定物として判定する恐れがあるために、時間差を持ってその間にユーザーにセンサー感知範囲から出てもらうためである。なお、その時に、10秒間の間は「ジー」、位置記憶する事には「カシャ」などの音を出すことにより、よりユーザーが安心して作業を行うことができる。また、時間差は10秒間に限られず、1秒間〜1分間の間で任意に設定できる。そして、室内制御マイコン5は、室内機1の設置位置と設置空間に適した室内ファン109の回転数を決定する(ステップS206)。
【0042】
第2の実施形態によると、室内ファン109の定格回転数の範囲内で、部屋の大きさに最適な回転数を任意のタイミングで決定して更新することができる。この実施形態は、部屋の模様替えにより部屋の家具のレイアウトが変更されたときなどに特に有用である。
【0043】
<第3の実施形態>
第3の実施形態について図10を参照して説明する。図10は第3の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS301〜S305の工程は、上記第2の実施形態のステップS201〜S205(図9)の工程と同一であるため重複説明を省く。
【0044】
ここで、室内制御マイコン5は、対向壁及び左右の壁までの距離データに基づき、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を特定し(ステップS306)、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7の位置を調整して部屋の中心に向かって冷風を送風する(ステップS307)。
【0045】
第3の実施形態によると、部屋の中心部に向かって空調を行なうことにより、効率的に部屋を冷房又は暖房することができる。
【0046】
<第4の実施形態>
第4の実施形態について図11を参照して説明する。図11は第4の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS401〜S405の工程は、上記第2の実施形態のステップS201〜S205(図9)の工程と同一であるため重複説明を省く。
【0047】
ここで、室内制御マイコン5は、対向壁及び左右の壁までの距離データに基づき、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を特定する(ステップS406)。室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7の位置を調整して部屋の中心に向かって冷風を送風する(ステップS407)。
【0048】
この時、室内制御マイコン5は、上記の距離データに基づき、部屋の大きさを概算し(ステップS406)、部屋の負荷を計算する。そして、圧縮機101の回転数の調整を行なう(ステップS407)。具体的には、FD値(表1参照)を用いてコントロールする。FD値は10段階程度あり、室温が設定温度になるに従って、FD値が下がってゆく。最大をFD=10とすれば、最小はFD=1、停止はFD=0であり、定格能力回転数はFD=6に設定してある。
【0049】
【表1】
【0050】
まず、部屋の大きさに合わせて、定格能力回転数を決定する。その定格能力値が得られるような、回転数をあらかじめ記憶している計算式より導き出す。例えば、表示能力より大きい部屋と判断した場合は、FD=6の値を初期の定格能力の出る回転数より上げる。そして、信頼性の保てる最大回転数(FD=10)と上げた回転数の差を4分割にして、新たにFD=6からFD=10までの回転数テーブルを作り直すと同時に、FD=1とFD=6の回転数差を計算して、新たに、FD=1からFD=6までの回転数テーブルを作り直す(表1参照)。
【0051】
また、逆に部屋が小さいと判断した場合、FD=6の回転数をその能力値と合うように設定する。そうして、信頼性を保てる最小回転数(FD=1)との差を計算して、新たにFD=1からFD=6までの回転数テーブルを作成すると同時に、最大回転数(FD=10)とFD=6の差を計算して、新たにFD=6からFD=10の回転数テーブルを作成し、圧縮機100の回転数テーブルの調整を行なう。但し、余りにも、部屋が大きすぎる場合や、小さすぎる場合は、極端に部屋が大きすぎれば、FD=1とFD=6の差が開きすぎて、その時のコントロール粗すぎてしまうし、部屋が極端に小さいと、今度はFD=10とFD=6でのコントロールが回転数の差が大きすぎて粗くなるので、限度がある。その限度は、だいたい初期の回転数テーブルでのFD=7の回転数から、FD=5の回転数の間までが妥当と思われ、FD=6の回転数の調整はそれ以上の調整は行なわない。
【0052】
第4の実施形態によると、部屋の大きさが分かるので、圧縮機の回転数をその部屋の負荷に合うように変更することにより、きめ細かく部屋を空調することが可能となる。
【0053】
<第5の実施形態>
第5の実施形態について図12を参照して説明する。図12は第5の実施形態を表すフローチャートである。図12に示すように、空気調和機の冷房運転を開始すると(ステップS501)、距離画像センサー2による検出を開始する(ステップS502)。具体的には、室内機1から部屋の天井、対向壁及び左右壁までの距離を画像制御マイコン4で測定し、その距離データが記憶される(ステップS503)。そして、これらの距離データを特定し(S504)、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整する(ステップS505)。
【0054】
具体的には、冷房運転の開始時に、対向壁までの距離から室内ファン109の最大風量の回転数を割り出す。そして、対向壁及び左右の壁までの距離から、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を計算し、左右ルーバー7を調整して部屋の中心に向かって冷風を約10分程度送風した後、または、設定温度に達したら天井からの距離を計算し、上下ルーバー8の角度を調整し、上向けに上下ルーバー8を向けて運転を行う。なお、この時に天井から吊るされている電灯があった場合には、そこに風が直接当たって対向壁に届かないことがないように考慮して角度を決める。また、天井との距離が約80cm以上室内機1と離れている場合(ホールなどに設置されている場合など)は天井方向に吹き上げても、コアンダ効果を得ることは困難なので、冷風を上に向けないという判断を行なう。設定温度に達した場合は、室内ファン109の回転数を落として部屋の温度を保てるように調整を行なう。なお、この時には、部屋の中心部に向かって空調を行なう事により、効率的に部屋を冷やすことができる。
【0055】
第5の実施形態によると、天井までの距離が分かり、より正確に上下方向の角度を付けること及び風量を合わせることができ、冷房運転時に室温が設定温度付近に達したとき、コアンダ効果により冷気のシャワーが降ってくるような状態を作り出すことが可能となる。
【0056】
<第6の実施形態>
第6の実施形態について図13を参照して説明する。図13は第6の実施形態を表すフローチャートである。図13に示すように、空気調和機の暖房運転を開始すると(ステップS601)、距離画像センサー2による検出を開始する(ステップS602)。具体的には、室内機1から部屋の床面、対向壁及び左右壁の各壁までの距離を画像制御マイコン4で測定し、その距離データが記憶される(ステップS603)。そして、これらの距離データを特定し(S604)、暖房運転時に壁面に沿って床面まで届いて床面を最適に暖めるように、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整する(ステップS605)。
【0057】
具体的には、暖房運転の開始時に、対向壁までの距離から室内ファン109の最大風量の回転数を割り出す。そして、対向壁及び左右の壁までの距離から、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を計算し、左右ルーバー7を調整して部屋の中心に向かって温風を約10分程度送風した後、または、設定温度に達したら床面からの距離を計算し、上下ルーバー8の角度を調整し、下向けに上下ルーバー8を向けて運転を行う。なお、この時にまた、下に家具があった場合には、風が家具に当たって、床まで流れないことがないように考慮して角度を決める。設定温度に達した場合は、室内ファン109の回転数を落として部屋の温度を保てるように調整を行なう。なお、この時には、部屋の中心部に向かって空調を行なう事により、効率的に部屋を暖めることができる。
【0058】
第6の実施形態によると、床面までの距離がわかり、より正確に上下方向の角度を付けること及び風量を合わせることができ、暖房運転時に温風を床面に貼り付けるように吹き出すことができる。
【0059】
<第7の実施形態>
第7の実施形態について図14を参照して説明する。図14は第7の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS701〜S707の工程は、上記第4の実施形態のステップS401〜S407(図11)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0060】
ここで、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する(ステップS708)。その人の近くに冷風及び温風を向けてその人の温度環境が良くなるように、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整する(ステップS709)。
【0061】
第7の実施形態によると、スポット空調のような制御ができるため、人のいる環境がより心地良くなるように空調することができる。
【0062】
<第8の実施形態>
第8の実施形態について図15を参照して説明する。図15は第8の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS801〜S809の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S709(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0063】
ここで、室内制御マイコン5は、一旦人と判断された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS810)。
【0064】
第8の実施形態によると、家具などを部屋に運んできた際に、距離画像センサーが反応して人と認識してしまったものに対しても、動かない物として認識を変更することが可能となる。よって、人と静物を識別することが可能になり、より正確な空調を行うことが可能となる。
【0065】
<第9の実施形態>
第9の実施形態について図16を参照して説明する。図16は第9の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS901〜S908の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S708(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0066】
ここで、室内制御マイコン5は、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し(ステップS909)、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置及び室内ファン109の回転数を調整する(ステップS910、S911)。
【0067】
そして、室内制御マイコン5は、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS912、S913)。
【0068】
第9の実施形態によると、大人と子供を識別することが可能となり、より体温の奪われやすい子供の場合は、大人よりも広範囲に送風することにより、子供の周囲温度が緩和された状態で変化していくので、子供が環境変化に対応しやすくなる。
【0069】
<第10の実施形態>
第10の実施形態について図17を参照して説明する。図17は第10の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1001〜S1008の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S708(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0070】
ここで、室内制御マイコン5は、リモコン6の風集中ボタン62が押されると(ステップS1010)、人と判定された測定対象物に風を直接当てるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置が調整される(ステップS1011)。
【0071】
風集中ボタン62が押されなかったときは、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し(S1012)、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置及び室内ファン109の回転数を調整する(ステップS1013、S1014)。
【0072】
そして、室内制御マイコン5は、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS1015、S1016)。
【0073】
第10の実施形態によると、部屋で人が移動しても、人に追随してその人に直接向かって集中して送風することができる。
【0074】
<第11の実施形態>
第11の実施形態について図18を参照して説明する。図18は第11の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1101〜S1108の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0075】
ここで、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断し、人が何人いるか(人数)を判定する(ステップS1108)。人数が1人のときには、リモコンの風集中ボタン62が押されると(ステップS1110)、風を直接人に当てるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置が変更される(ステップS1111)。ステップS1108で人数が2人以上であれば、2人か3人以上かをさらに判定し(ステップS1117)2人であればその間に送風するように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置が変更され(ステップS1118)、3人以上であればステップS1107に戻り、部屋の中心に向けて送風するようにする。なお、この時に風集中ボタン62を押しても対応できないので、反応しないか、ブザー音を出してユーザーに拒否していることを報知する。または、リモコン6の液所画面61に風集中ランプ(不図示)を設けて、その時には5秒間点滅した後に、消灯する。
【0076】
風集中ボタン62が押されなかったときは、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し(S1112)、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置及び室内ファン109の回転数を調整する(ステップS1113、S1114)。
【0077】
そして、室内制御マイコン5は、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS1115、S1116)。
【0078】
第11の実施形態によると、部屋にいる人の人数が2人の時に、その間に送風するようにすることで、2人を包み込むように効率よく空調することができる。
【0079】
<第12の実施形態>
第12の実施形態について図19を参照して説明する。図19は第12の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1101〜S1108の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0080】
ここで、室内制御マイコン5は、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1208)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1209)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1210)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1209、S1210の圧縮回転数の制御は逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0081】
具体的には、冷房運転では、人が部屋の中に入ってきた場合に、2人の場合にはFD値を1段階、4人の場合は2段階、室温が変化する前に上げる。すなわち、FD値を1人につき0.5段階上げる。暖房運転では、部屋に3人以上入ってきたら、FD値を1つ下げる。6人以上入ってきたら、FD値を2段階下げる。なお、FD値の上げ下げの値は、空気調和機の能力により違うので、一例である。このようにすることにより、部屋の温度の乱れを最小限に食い止めることができる。なお、熱負荷条件により、それでも室温が乱れた場合には、通常のフィードバック制御によりコントロールすれば即座に対応できる。
【0082】
なお、リモコン6のお知らせボタン65を押すたびに、図20に示すように、リモコン6の液晶画面66の日文字表示部66aに表示される内容を逐次変更させて室内機1が認識している人数を確認できるようにすれば、こうする事により、ユーザーが距離画像センサー2が働いているかどうかを確認することができ、無用なサービスコールをしなくて済むためユーザフレンドリーを実現できる。なお、人数を表示し何もしなければ、約10秒程度後に初期の画面に戻る。
【0083】
第12の実施形態によると、動いている測定対象物を人と判断して、人数を数え、その増減により、圧縮機101の回転数をあらかじめ調整することにより、フォワード制御によって部屋の温度の乱れを最小限に食い止めることが可能となる。
【0084】
<第13の実施形態>
第13の実施形態について図21を参照して説明する。図21は第13の実施形態を表すフローチャートである。図21に示すように、リモコン6の警備ボタン65を押すと(ステップS1301)、そのボタンを押して1分後から空気調和機が運転停止中であっても警備モードに入り、距離画像センサー2による検出が開始される(ステップS1302)。赤外線を使用しているので、警備モードが作動していても一般人には分からない。なお、警備ボタンは室内機1本体に設けてもよい。
【0085】
具体的には、室内機1から部屋の対向壁及び左右壁の各壁までの距離を画像制御マイコン4で測定し、その距離データが記憶される(ステップS1303)。室内制御マイコン5は、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、侵入者がいると判断し(ステップS1304)、30秒から2分の間警告音や警告ガイダンスを流して警告を発し(ステップS1305)、リモコン6の警備ボタン65を再び押して警備モードを一定時間内に解除しない場合に(ステップS1306)、不審者侵入のメールを検知した旨のメールを携帯電話又はPCのアドレスに送信する(ステップS1307)。ステップS1306で警備モードが解除された場合は、警備モードを終了する。インターネットとの接続に関しては、直接室内機と接続しなくても、外部の機器を中継器として繋いで、インターネットと接続する構成でもよい。
【0086】
第13の実施形態によると、侵入者を見張るセキュリティー機能を空気調和機に付加することができる。
【0087】
<第14の実施形態>
第14の実施形態について図22を参照して説明する。図22は第14の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1401〜S1408の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0088】
ここで、室内制御マイコン5は、室温が設定温度に達してから1時間経過しても、部屋に人がいると判断されない場合には(ステップS1408)、設定温度を自動的に緩めて省エネ運転を行う(ステップS1409)。このとき例えば、冷房運転時ならば、室温を2℃上げる。また、人を感知したら、再び設定温度を元に戻し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1410)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1411)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1412)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1406の設定温度の制御は逆になり、設定温度を下げるように制御され、ステップS1411、S1412の圧縮回転数の制御も逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0089】
第14の実施形態によると、部屋に人がいないと判断した場合には、設定温度を下げて省エネ運転を行うことが可能となる。
【0090】
<第15の実施形態>
第15の実施形態について図23を参照して説明する。図23は第15の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1501〜S1507の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0091】
ここで、室内制御マイコン5は、室温が設定温度に達してから1時間経過しても、部屋に人がいると判断されない場合には(ステップS1408)、例えば電流検知を行なって電流量を半分程度に抑制して省エネ運転を行うように、圧縮機101の回転数を低減する(ステップS1509)。また、人を感知したら、再び設定温度を元に戻し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1410)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1411)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1412)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1406の設定温度の制御は逆になり、設定温度を下げるように制御され、ステップS1411、S1412の圧縮回転数の制御も逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0092】
第15の実施形態によると、部屋に人がいないと判断した場合には、電流量すなわち、消費電力を抑えることにより、省エネ運転を行うことが可能となる。
【0093】
<第16の実施形態>
第16の実施形態について図24を参照して説明する。図24は第16の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1601〜S1607の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S706(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0094】
ここで、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データにより、室内機1の前方に照明や、エアコン下方にタンスなどの障害物を検知した時には(ステップS1607)、障害物を避けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の角度にマスク(その角度で止まって運転しない)をかける(ステップS1608)。
【0095】
ステップS1607で障害物を検知しないときは、部屋の中心位置に向けて送風するように、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整するとともに、部屋の大きさを特定し、各段階へ割り振られる圧縮機101の回転数の値を部屋の大きさに合わせて変更する(ステップS1609)。
【0096】
そして、室内制御マイコン5は、設定温度に達してからある1時間経過しても、人を認識できない場合には(ステップS1610)、電流検知を行なって電流量を半分程度に抑制して省エネ運転を行うように、前記圧縮機の回転数を低減する(ステップS1611)。また、人を感知したら、再び設定温度を元に戻し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1612)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1613)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1614)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1606の設定温度の制御は逆になり、設定温度を下げるように制御され、ステップS1411、S1412の圧縮回転数の制御も逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0097】
第16の実施形態によると、障害物に風の流れを乱されて、空調が妨げられるのを自動的に回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、空気調和機に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】は、この発明の空気調和機の実施例における冷媒回路図である。
【図2】は、空気調和機における画像データ処理部のシステム構成一例である。
【図3】は、距離画像センサーの一例の模式的な説明図である。
【図4】は、冷房時の室内機の断面図である。
【図5】は、暖房時の室内機の断面図である。
【図6】は、リモコンの開閉カバーを閉じた状態の平面図である。
【図7】は、リモコンの開閉カバーを開けた状態の平面図である。
【図8】は、この発明の第1の実施形態を表すフローチャートである。
【図9】は、この発明の第2の実施形態を表すフローチャートである。
【図10】は、この発明の第3の実施形態を表すフローチャートである。
【図11】は、この発明の第4の実施形態を表すフローチャートである。
【図12】は、この発明の第5の実施形態を表すフローチャートである。
【図13】は、この発明の第6の実施形態を表すフローチャートである。
【図14】は、この発明の第7の実施形態を表すフローチャートである。
【図15】は、この発明の第8の実施形態を表すフローチャートである。
【図16】は、この発明の第9の実施形態を表すフローチャートである。
【図17】は、この発明の第10の実施形態を表すフローチャートである。
【図18】は、この発明の第11の実施形態を表すフローチャートである。
【図19】は、この発明の第12の実施形態を表すフローチャートである。
【図20】は、リモコンのお知らせボタンを押す毎に表示される情報の移り変わりを示す図である。
【図21】は、この発明の第13の実施形態を表すフローチャートである。
【図22】は、この発明の第14の実施形態を表すフローチャートである。
【図23】は、この発明の第15の実施形態を表すフローチャートである。
【図24】は、この発明の第16の実施形態を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
1 室内機
2 距離画像センサー
4 画像処理マイコン
5 室内制御マイコン
6 リモコン
62 風集中ボタン
63 位置確認ボタン
64 警備ボタン
65 お知らせボタン
66 液晶画面
7 左右ルーバー
8 上下ルーバー
101 圧縮機
109 室内ファン
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、室内機、室外機から構成されるセパレート型の空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は、その室内機の設置位置あるいは設置空間(部屋等)に関しての情報は基本的には持たない。従って、室内機の設置位置や設置空間に適した空調を行うためには設定温度や風量の調整だけでは不十分であり、ユーザー自身がリモコン等により吹出口に設けられたルーバーの角度を調整し、風向きを最適角度に変更することが必要であった。
【0003】
または、高級タイプ(ハイエンド機種)の空気調和機になると設置時に室内機の設置位置情報を入力することが可能であるが、あくまでも目安であり、本来の最適の角度にルーバーを移動したり、最適の回転数に調整しているものではない。
【0004】
また、部屋の中にいる人の認識にしても、焦電センサー(赤外線センサー)を用いて、熱源を探り出し人がいることを認識することはできたが、あくまで空気調和機に対してどの方向にいるか程度の情報しか得られず、距離や人数までは正確に測定できない。また、カメラ画像を画像処理を用いて行うこともできるが、2次元情報なので正確な距離はつかめない。また、カメラを2台設置することにより、距離データを検出することは可能であるが、処理が煩雑であり、現状では家庭用の空気調和機に搭載できるほどのコストでシステムを構成することはできない。
【0005】
また、特許文献1によれば、画面を区分けして、そこに人が入るかどうかを見極めることにより、人物までの方向及び距離などを推定しているが、そもそも市販の空気調和機にこのようなシステムを採用する場合では、室内機の設置位置により、イニシャライズする必要があり(取り付け場所の高さや、前後左右の壁までの距離により画面の区分けを調整する必要がある)、実用的ではない。また、同文献の実施形態には、2つのカメラを搭載したものを提案しているが、イニシャライズの方法については触れていない。
【0006】
また、空気調和機は基本的に、室温と設定温度の差を見ながらフィードバック制御により出力を調整している。しかしながら、人が入ってきた時などは、例えば冷房時では、人が入ってきて室温が上がったことを感知してから、出力を制御することとなり、後追い的な制御となる。すなわち、必ず室温が乱れた後から制御し始めることになり、温度変化を予測した制御は困難である。
【特許文献1】特開2006−220405号公報(段落[0020]、図13、図26)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、室内機の設置位置から部屋の壁面や部屋に置かれた家具など空気流の障害物までの距離を直接測定することにより最適な風量や風向きに制御することが可能な空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために本発明は、室内機に設けられた室内熱交換器、室外機に設けられ回転数を制御可能な圧縮機、冷房運転と暖房運転で冷媒の流れを変える切替手段を、冷媒を循環させる冷媒回路により接続した冷凍サイクルを有し、室内機に回転数を変更可能な室内ファンを設け、部屋の空気を吸い込み空調された空気を吹出口から前記部屋へ吹き出す空気調和機において、室内機本体の前面に、画素毎に光源から投射されたパルス光が測定対象物により反射してきたときの遅れ時間を測定することにより測定対象物までの距離を検出する距離画像センサーを備え、該距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データに基づいて、前記室内機の設置位置と設置空間に適した前記室内ファンの回転数を決定することを特徴とする。
【0009】
(2)また、本発明の空気調和機は、室内機本体又はリモコンに位置確認ボタンを設け、該位置確認ボタンを押すと、前記距離画像センサーにより一定時間後に部屋の形状に関するデータを検出し、その値を固定値として記憶することにより、前記室内機の設置位置と設置空間に適した室内ファンの回転数を再度決定して更新することを特徴とする。
【0010】
(3)また、本発明の空気調和機は、前記吹出口に設けられ駆動機構により前記吹出口から吹き出される空気の風向を左右方向及び上下方向に位置を変更する左右ルーバー及び上下ルーバーを備え、前記距離画像センサーにより検出した対向壁までの距離データ、及び、左右壁までの距離データに基づき、部屋の中心位置を特定し、部屋の中心に向けて送風するように、前記室内ファンの回転数及び前記左右ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0011】
(4)また、本発明の空気調和機は、前記圧縮機の回転数の制御は、所定数の段階に割り振られた回転数群の中から1つを選択するものであり、前記距離画像センサーにより検出した天井までの距離データ、床までの距離データ、左右壁までの距離データ、及び、対向壁までの距離データに基づき、部屋の大きさを特定し、各段階へ割り振られる前記圧縮機の回転数の値を部屋の大きさに合わせて決定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された天井までの距離データ、対向壁までの距離データ、及び、左右の壁までの距離データに基づき、冷房運転時に、天井に沿って冷風を流すように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された床面までの距離データ、対向壁までの距離データ、及び、左右の壁までの距離データに基づき、暖房運転時に壁面に沿って床面まで届いて床面を最適に暖めるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、その人の近くに冷風及び温風を向けてその人の温度環境が良くなるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0015】
(5)また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間経過しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止することを特徴とする。
【0016】
(6)また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の空気調和機は、リモコンに風集中ボタンを設けて、該風集中ボタンを押した時には、部屋に人がいると判断された場合は、風を直接人に当てるように、前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の空気調和機は、部屋に人がいると判断された場合は、その人数をカウントし、人数が1人のときには、風を直接人に当てるように、前記左右・上下ルーバーの位置が変更され、人数が2人であればその間に送風するように、前記左右・上下ルーバーの位置が変更され、3人以上であれば部屋の中心に向けて送風することを特徴とする。
【0019】
(7)また、本発明の空気調和機は、部屋に人がいると判断された場合は、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定し、前記圧縮機の回転数を調整することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の空気調和機は、リモコンにお知らせボタンを設け、該お知らせボタンを所定回数押すと、部屋に人がいると判断された場合は、その人数をカウントし、リモコンの表示部に表示することを特徴とする。
【0021】
(8)また、本発明の空気調和機は、室内機本体またはリモコンに警備ボタンを設けて、該警備ボタンを押すと、空気調和機が運転停止中であっても、部屋に人がいると判断された場合は、警告を発し、その警告を一定時間内に解除しない場合に、不審者侵入のメールを携帯電話又はPCのアドレスに送信することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の空気調和機は、室温が設定温度に達してから所定時間経過しても、部屋に人がいると判断されない場合には、暖房運転ならば設定温度を下げ、冷房運転ならば設定温度を上げて省エネ運転を行うことを特徴とする。
【0023】
(9)また、本発明の空気調和機は、室温が設定温度に達してから所定時間経過しても、測定対象物が人と判定されない場合には、出力(例えば電流)検知を行なって出力を半分程度に抑制して省エネ運転を行うことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の空気調和機は、前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データに基づき、室内機前方の照明や室内機下方のタンスなどの障害物を検知したときには、障害物を避けるように、左右ルーバー及び上下ルーバーの角度にマスクをかけることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、室内機の設置位置から部屋の壁面や部屋に置かれた家具など空気流の障害物までの距離を直接測定することにより最適な風量や風向きに制御することが可能な空気調和機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の空気調和機の実施例を図により詳細に説明する。
【0027】
図1は、この発明の空気調和機の実施例における冷媒回路である。図において、冷媒を吐出する圧縮機101、この圧縮機吐出側に一端が接続され冷媒回路と暖房回路とを切換えるための切替手段として、四方弁102、四方弁102の他端に一端が接続された室外熱交換器103、この室外熱交換器103近傍には室外空気と室外熱交換器との熱交換を行わせる室外ファン104が配置されている。圧縮機101の回転数は、所定数の段階に割り振られた回転数群の中から1つを選択するように制御される。冷房運転と暖房運転で冷媒の流れを変える切替手段としては、四方弁でなくても、同等の働きをする複数の弁の組合せ等でも良い。
【0028】
室外熱交換器103の他端に一端が接続された減圧機としての膨張弁105が配置され、膨張弁105の他端に接続された室内熱交換器106、室内熱交換器106の近傍には部屋の空気と室内熱交換器106との熱交換を促進させる室内ファン109が配置されている。また圧縮機101の吸入側にはアキュムレータ110が接続され余剰冷媒を貯留させるなど設けられ、これらから冷媒回路を形成している。圧縮機101や室外熱交換器103などの部品は室外に配置された室外機内に収納され、開閉弁111、112を介して延長配管113、114にて室内熱交換器106を含む部屋に配置された室内機1へ冷媒を循環させている。この冷媒としては塩素を含まないフロン系冷媒や炭酸ガス、炭化水素、水などの自然冷媒やこれらの混合物などが使用される。なお室内機は壁掛け型、天井取り付け型、天井埋め込み型等どんなものでも良い。減圧機としては、膨張弁の他に、キャピラリーチューブ等がある。
【0029】
図1において、冷媒回路の動作を次に説明する。室内機で冷房を行う場合は、図において圧縮機101から吐出された高温高圧のガスは、圧縮機吐出側に一端が接続され冷媒回路と暖房回路とを切換えるための四方弁102を介して、室外熱交換器103にて室外ファン104が流す外気との熱交換を行い、即ち凝縮してガス冷媒の熱を外気に放出し温度を下げる。冷媒は膨張弁105にて膨張し圧力を下げると共に更に低温となり室内熱交換器106では冷却された冷媒と室内ファン109で循環される部屋の空気とが熱交換し、部屋の空気に対する冷房が行われる。暖房時は圧縮機101で圧縮された高温冷媒が四方弁102を切換えて先ず室内熱交換器106へ供給されるので部屋の空気が熱い冷媒ガスと熱交換して暖房が行われる。
【0030】
図2は、空気調和機における画像データ処理部のシステム構成一例である。図において、1は室内機、2は室内機1に配置された距離画像センサー、4は距離画像センサーから取得した画像を処理する画像制御マイコン、5は室内制御マイコンである。6は運転モード、設定温度、左右風向や上下風向などを切換える赤外線信号をエアコンとの間で送受信させてエアコンの遠隔制御を行うリモコンである。室内制御マイコン5は、通信線や無線通信で携帯電話会社12などと接続されており、距離画像センサー2から取得した画像に基づいてメールを作成して携帯端末に通信プロトコルを使用して送信することができる。距離画像センサー2は室内機1に取りつけられる。距離画像センサー2にて取得された画像データは距離画像センサー2内部に配置された画像制御マイコン4にて画像データ処理が行われる。
【0031】
距離画像センサー2は室内機1の前面に設けられ、室内機1の下部に設けられた部屋へ空気を吹出す吹出口30の直ぐ上に配置される。この距離画像センサー2は室内機の内部においては室内熱交換器106の下であってドレンパン近傍の機内に取り付けられCDDカメラモジュール構造で室内に向けられる。距離画像センサー2や距離画像センサー2から取得した画像を処理する制御マイコンを駆動し動作させる電源は室内機1から電源を使用することにより特別な装置は不要である。距離画像センサー2は画像制御マイコン近接させてもよいし、レンズの裏側に基板を固定して一体化させたモジュールとしてもよい。
【0032】
図3は、距離画像センサーの一例の模式的な説明図である。距離画像センサー2は、図3に示すように、CCDカメラ(CMOSセンサー)2aにて部屋の測定対象物の画像を取り込むとともに、LED2bより近赤外線のパルスを測定対象物に対して照射し、その反射光をCCDカメラ2aが受光するまでの時間差を使用し、光速と時間差から距離を画像制御マイコン4で計算することにより、画素1点1点について距離データを出す(TOF(time of flight)方式)ものである。よって、室内機1が部屋の壁面に設置されたときは、画素1点1点について距離データを集計することによって室内の形状に関するデータを得ることができる。なお、バックグラウンドとなる室内の画像をあらかじめ固定物として記憶しておけば、その後に室内に人が入ってくると、距離データの差分を計算でき、人のみが浮かび上がることにより、移動物を判別することができる。実際に使用するCCDカメラは、8万画素のものを用いて行う。
【0033】
図4は冷房時の室内機1の断面図であり、図5は暖房時の室内機1の断面図である。これらの図において、7は吹出口30に回動自在に設けられ、吹出し気流を左右に吹き分けることが可能な左右ルーバーであり、8は同じく吹出口30に回動自在に設けられ、吹出し気流を上下に吹き分けることが可能な上下ルーバーを示している。上下ルーバー8の回角度を適切に調節することにより、冷房時は、図3に示すように、吹出口30より水平方向に対して前方上方に向けて冷気を吹出して部屋を冷房し、暖房時は、図4に示すように、吹出口30より水平方向に対して下方に向けて暖気を吹出して部屋を暖房するようにしている。
【0034】
左右ルーバー7は、吹出口30の中央付近で2分割され、左右それぞれ別のリンク棒にて接続され、このリンク棒は左右別々のパルスモータ(不図示)独立した制御が可能である。このパルスモータはリンク棒を左右に動かす位置であれば良く、例えば吹出口上部の壁面内部に設けられる。このリンク棒で一体に駆動される各ルーバーは吹出口30の上壁に回動自在に固定され、この上部固定点に対し左右に動いて風の流れを変更させることが出来る。この左右独立した左右ルーバー7は、それぞれ複数のルーバー片にて構成され各ルーバー間のピッチより風の流れる方向が同等程度以上に長い板状部分を有する。これにより気流方向を安定させて遠隔地点へも確実な送風を可能にしている。
【0035】
上下ルーバー8は、左右ルーバー7より室内機1の吹出口30の室内側即ちエアコンの外側に配置され、2枚から構成され、2個の独立したパルスモータにてそれぞれ独立した駆動が可能である。各ルーバーは吹出口30の左右の壁面に回動自在に固定され、この吹出口端部の固定部分にてパルスモータにて回動駆動されることにより気流を上下方向に変化させることが出来る。この上下独立した上下ルーバー8は、それぞれ複数のルーバー片にて構成され各ルーバー間のピッチより風の流れる方向が同等程度以上に長い板状部分を有する。これにより気流方向を安定させて遠隔地点へも確実な送風を可能にしている。
【0036】
図6はリモコンの開閉カバーを閉じた状態の平面図、図7はリモコンの開閉カバーを開けた状態の平面図である。リモコン6には、図6及び図7に示すように、上部に液晶表示部66が設けられ、下部にヒンジ式のカバー61が開閉自在に設けられている。カバー61自体には図6に示すように、風集中ボタン62とお知らせボタン65が設けられており、風集中ボタン62を押すと、部屋で人が集中するエリアを探し出し、そのエリアを局所的に急速に空調する機能が働くようになっている。お知らせボタン65を押すと、押す度にリモコン6の液晶画面66の日文字表示部(7セグメント表示部)66aに表示される内容が変更されるようになっている。また、図7に示すように、カバー61を開くと露出する部分には、位置確認ボタン63と警備ボタン64が設けられている。位置確認ボタン64を押すと、ユーザーが任意に距離画像センサー2による検出を開始させることができるようになっている。警備ボタン64を押すと、ユーザーが任意に距離画像センサー2による検出を開始させることができるようになっている。
【0037】
次に、以上のように構成された空気調和機を、距離画像センサーにより検出された画像及び距離データに基づく制御について具体的な実施形態を挙げて説明する。
【0038】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について図8を参照して説明する。図8は第1の実施形態を表すフローチャートである。まず、工事業者が室内機1を部屋の一つの壁面に設置し、電源を入れる(ステップS101)。すると、距離画像センサー2が働き(ステップS102)、CCDの1素子毎の距離を測定する。画像制御マイコン4は、それに基づき、対向壁までの距離、天井までの距離、床までの距離、左右壁までの距離を測定し、部屋の大きさ、自分のポジションを推定する(ステップS103)。そして、室内制御マイコン5は、室内機1の設置位置と設置空間に適した室内ファン109の回転数を決定する(ステップS104)。なお、この上記の動きは、あくまでも元に記憶したデータがない場合を示しており、下記に記述してあるように、位置確認ボタンを押したり、上記の一連の作業が終わり、位置データを記憶した後で、停電が起こった場合や、運転停止時から再び運転ONした場合は、記憶データが優先され、上記のような作業は行われない。
【0039】
第1の実施形態によると、室内ファン109の定格回転数の範囲内で、部屋の大きさに最適な回転数に設定することができる。
【0040】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について図9を参照して説明する。図9は第2の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS201〜S203の工程は、上記第1の実施形態のステップS101〜S103(図3)の工程と同一であるため重複説明を省く。
【0041】
ここで、リモコン6の位置確認ボタン63を押して(ステップS204)、一定時間後(ここでは10秒後とする)の画素毎の距離を測定して、その距離データは、固定物(人物ではない)として登録し、新たに先ほど行ったそれぞれの床・天井・壁までの距離を登録し直す(ステップS205)。なお、一定時間後(10秒後)にしたのは、ボタンを押してすぐに形状認識を行なうと、ユーザー自身を固定物として判定する恐れがあるために、時間差を持ってその間にユーザーにセンサー感知範囲から出てもらうためである。なお、その時に、10秒間の間は「ジー」、位置記憶する事には「カシャ」などの音を出すことにより、よりユーザーが安心して作業を行うことができる。また、時間差は10秒間に限られず、1秒間〜1分間の間で任意に設定できる。そして、室内制御マイコン5は、室内機1の設置位置と設置空間に適した室内ファン109の回転数を決定する(ステップS206)。
【0042】
第2の実施形態によると、室内ファン109の定格回転数の範囲内で、部屋の大きさに最適な回転数を任意のタイミングで決定して更新することができる。この実施形態は、部屋の模様替えにより部屋の家具のレイアウトが変更されたときなどに特に有用である。
【0043】
<第3の実施形態>
第3の実施形態について図10を参照して説明する。図10は第3の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS301〜S305の工程は、上記第2の実施形態のステップS201〜S205(図9)の工程と同一であるため重複説明を省く。
【0044】
ここで、室内制御マイコン5は、対向壁及び左右の壁までの距離データに基づき、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を特定し(ステップS306)、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7の位置を調整して部屋の中心に向かって冷風を送風する(ステップS307)。
【0045】
第3の実施形態によると、部屋の中心部に向かって空調を行なうことにより、効率的に部屋を冷房又は暖房することができる。
【0046】
<第4の実施形態>
第4の実施形態について図11を参照して説明する。図11は第4の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS401〜S405の工程は、上記第2の実施形態のステップS201〜S205(図9)の工程と同一であるため重複説明を省く。
【0047】
ここで、室内制御マイコン5は、対向壁及び左右の壁までの距離データに基づき、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を特定する(ステップS406)。室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7の位置を調整して部屋の中心に向かって冷風を送風する(ステップS407)。
【0048】
この時、室内制御マイコン5は、上記の距離データに基づき、部屋の大きさを概算し(ステップS406)、部屋の負荷を計算する。そして、圧縮機101の回転数の調整を行なう(ステップS407)。具体的には、FD値(表1参照)を用いてコントロールする。FD値は10段階程度あり、室温が設定温度になるに従って、FD値が下がってゆく。最大をFD=10とすれば、最小はFD=1、停止はFD=0であり、定格能力回転数はFD=6に設定してある。
【0049】
【表1】
【0050】
まず、部屋の大きさに合わせて、定格能力回転数を決定する。その定格能力値が得られるような、回転数をあらかじめ記憶している計算式より導き出す。例えば、表示能力より大きい部屋と判断した場合は、FD=6の値を初期の定格能力の出る回転数より上げる。そして、信頼性の保てる最大回転数(FD=10)と上げた回転数の差を4分割にして、新たにFD=6からFD=10までの回転数テーブルを作り直すと同時に、FD=1とFD=6の回転数差を計算して、新たに、FD=1からFD=6までの回転数テーブルを作り直す(表1参照)。
【0051】
また、逆に部屋が小さいと判断した場合、FD=6の回転数をその能力値と合うように設定する。そうして、信頼性を保てる最小回転数(FD=1)との差を計算して、新たにFD=1からFD=6までの回転数テーブルを作成すると同時に、最大回転数(FD=10)とFD=6の差を計算して、新たにFD=6からFD=10の回転数テーブルを作成し、圧縮機100の回転数テーブルの調整を行なう。但し、余りにも、部屋が大きすぎる場合や、小さすぎる場合は、極端に部屋が大きすぎれば、FD=1とFD=6の差が開きすぎて、その時のコントロール粗すぎてしまうし、部屋が極端に小さいと、今度はFD=10とFD=6でのコントロールが回転数の差が大きすぎて粗くなるので、限度がある。その限度は、だいたい初期の回転数テーブルでのFD=7の回転数から、FD=5の回転数の間までが妥当と思われ、FD=6の回転数の調整はそれ以上の調整は行なわない。
【0052】
第4の実施形態によると、部屋の大きさが分かるので、圧縮機の回転数をその部屋の負荷に合うように変更することにより、きめ細かく部屋を空調することが可能となる。
【0053】
<第5の実施形態>
第5の実施形態について図12を参照して説明する。図12は第5の実施形態を表すフローチャートである。図12に示すように、空気調和機の冷房運転を開始すると(ステップS501)、距離画像センサー2による検出を開始する(ステップS502)。具体的には、室内機1から部屋の天井、対向壁及び左右壁までの距離を画像制御マイコン4で測定し、その距離データが記憶される(ステップS503)。そして、これらの距離データを特定し(S504)、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整する(ステップS505)。
【0054】
具体的には、冷房運転の開始時に、対向壁までの距離から室内ファン109の最大風量の回転数を割り出す。そして、対向壁及び左右の壁までの距離から、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を計算し、左右ルーバー7を調整して部屋の中心に向かって冷風を約10分程度送風した後、または、設定温度に達したら天井からの距離を計算し、上下ルーバー8の角度を調整し、上向けに上下ルーバー8を向けて運転を行う。なお、この時に天井から吊るされている電灯があった場合には、そこに風が直接当たって対向壁に届かないことがないように考慮して角度を決める。また、天井との距離が約80cm以上室内機1と離れている場合(ホールなどに設置されている場合など)は天井方向に吹き上げても、コアンダ効果を得ることは困難なので、冷風を上に向けないという判断を行なう。設定温度に達した場合は、室内ファン109の回転数を落として部屋の温度を保てるように調整を行なう。なお、この時には、部屋の中心部に向かって空調を行なう事により、効率的に部屋を冷やすことができる。
【0055】
第5の実施形態によると、天井までの距離が分かり、より正確に上下方向の角度を付けること及び風量を合わせることができ、冷房運転時に室温が設定温度付近に達したとき、コアンダ効果により冷気のシャワーが降ってくるような状態を作り出すことが可能となる。
【0056】
<第6の実施形態>
第6の実施形態について図13を参照して説明する。図13は第6の実施形態を表すフローチャートである。図13に示すように、空気調和機の暖房運転を開始すると(ステップS601)、距離画像センサー2による検出を開始する(ステップS602)。具体的には、室内機1から部屋の床面、対向壁及び左右壁の各壁までの距離を画像制御マイコン4で測定し、その距離データが記憶される(ステップS603)。そして、これらの距離データを特定し(S604)、暖房運転時に壁面に沿って床面まで届いて床面を最適に暖めるように、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整する(ステップS605)。
【0057】
具体的には、暖房運転の開始時に、対向壁までの距離から室内ファン109の最大風量の回転数を割り出す。そして、対向壁及び左右の壁までの距離から、室内機1がどの位置に設置されているか計算して、部屋の中心を計算し、左右ルーバー7を調整して部屋の中心に向かって温風を約10分程度送風した後、または、設定温度に達したら床面からの距離を計算し、上下ルーバー8の角度を調整し、下向けに上下ルーバー8を向けて運転を行う。なお、この時にまた、下に家具があった場合には、風が家具に当たって、床まで流れないことがないように考慮して角度を決める。設定温度に達した場合は、室内ファン109の回転数を落として部屋の温度を保てるように調整を行なう。なお、この時には、部屋の中心部に向かって空調を行なう事により、効率的に部屋を暖めることができる。
【0058】
第6の実施形態によると、床面までの距離がわかり、より正確に上下方向の角度を付けること及び風量を合わせることができ、暖房運転時に温風を床面に貼り付けるように吹き出すことができる。
【0059】
<第7の実施形態>
第7の実施形態について図14を参照して説明する。図14は第7の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS701〜S707の工程は、上記第4の実施形態のステップS401〜S407(図11)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0060】
ここで、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する(ステップS708)。その人の近くに冷風及び温風を向けてその人の温度環境が良くなるように、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整する(ステップS709)。
【0061】
第7の実施形態によると、スポット空調のような制御ができるため、人のいる環境がより心地良くなるように空調することができる。
【0062】
<第8の実施形態>
第8の実施形態について図15を参照して説明する。図15は第8の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS801〜S809の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S709(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0063】
ここで、室内制御マイコン5は、一旦人と判断された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS810)。
【0064】
第8の実施形態によると、家具などを部屋に運んできた際に、距離画像センサーが反応して人と認識してしまったものに対しても、動かない物として認識を変更することが可能となる。よって、人と静物を識別することが可能になり、より正確な空調を行うことが可能となる。
【0065】
<第9の実施形態>
第9の実施形態について図16を参照して説明する。図16は第9の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS901〜S908の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S708(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0066】
ここで、室内制御マイコン5は、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し(ステップS909)、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置及び室内ファン109の回転数を調整する(ステップS910、S911)。
【0067】
そして、室内制御マイコン5は、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS912、S913)。
【0068】
第9の実施形態によると、大人と子供を識別することが可能となり、より体温の奪われやすい子供の場合は、大人よりも広範囲に送風することにより、子供の周囲温度が緩和された状態で変化していくので、子供が環境変化に対応しやすくなる。
【0069】
<第10の実施形態>
第10の実施形態について図17を参照して説明する。図17は第10の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1001〜S1008の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S708(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0070】
ここで、室内制御マイコン5は、リモコン6の風集中ボタン62が押されると(ステップS1010)、人と判定された測定対象物に風を直接当てるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置が調整される(ステップS1011)。
【0071】
風集中ボタン62が押されなかったときは、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し(S1012)、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置及び室内ファン109の回転数を調整する(ステップS1013、S1014)。
【0072】
そして、室内制御マイコン5は、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS1015、S1016)。
【0073】
第10の実施形態によると、部屋で人が移動しても、人に追随してその人に直接向かって集中して送風することができる。
【0074】
<第11の実施形態>
第11の実施形態について図18を参照して説明する。図18は第11の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1101〜S1108の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0075】
ここで、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断し、人が何人いるか(人数)を判定する(ステップS1108)。人数が1人のときには、リモコンの風集中ボタン62が押されると(ステップS1110)、風を直接人に当てるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置が変更される(ステップS1111)。ステップS1108で人数が2人以上であれば、2人か3人以上かをさらに判定し(ステップS1117)2人であればその間に送風するように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置が変更され(ステップS1118)、3人以上であればステップS1107に戻り、部屋の中心に向けて送風するようにする。なお、この時に風集中ボタン62を押しても対応できないので、反応しないか、ブザー音を出してユーザーに拒否していることを報知する。または、リモコン6の液所画面61に風集中ランプ(不図示)を設けて、その時には5秒間点滅した後に、消灯する。
【0076】
風集中ボタン62が押されなかったときは、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し(S1112)、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置及び室内ファン109の回転数を調整する(ステップS1113、S1114)。
【0077】
そして、室内制御マイコン5は、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間到達しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止する(ステップS1115、S1116)。
【0078】
第11の実施形態によると、部屋にいる人の人数が2人の時に、その間に送風するようにすることで、2人を包み込むように効率よく空調することができる。
【0079】
<第12の実施形態>
第12の実施形態について図19を参照して説明する。図19は第12の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1101〜S1108の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0080】
ここで、室内制御マイコン5は、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1208)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1209)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1210)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1209、S1210の圧縮回転数の制御は逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0081】
具体的には、冷房運転では、人が部屋の中に入ってきた場合に、2人の場合にはFD値を1段階、4人の場合は2段階、室温が変化する前に上げる。すなわち、FD値を1人につき0.5段階上げる。暖房運転では、部屋に3人以上入ってきたら、FD値を1つ下げる。6人以上入ってきたら、FD値を2段階下げる。なお、FD値の上げ下げの値は、空気調和機の能力により違うので、一例である。このようにすることにより、部屋の温度の乱れを最小限に食い止めることができる。なお、熱負荷条件により、それでも室温が乱れた場合には、通常のフィードバック制御によりコントロールすれば即座に対応できる。
【0082】
なお、リモコン6のお知らせボタン65を押すたびに、図20に示すように、リモコン6の液晶画面66の日文字表示部66aに表示される内容を逐次変更させて室内機1が認識している人数を確認できるようにすれば、こうする事により、ユーザーが距離画像センサー2が働いているかどうかを確認することができ、無用なサービスコールをしなくて済むためユーザフレンドリーを実現できる。なお、人数を表示し何もしなければ、約10秒程度後に初期の画面に戻る。
【0083】
第12の実施形態によると、動いている測定対象物を人と判断して、人数を数え、その増減により、圧縮機101の回転数をあらかじめ調整することにより、フォワード制御によって部屋の温度の乱れを最小限に食い止めることが可能となる。
【0084】
<第13の実施形態>
第13の実施形態について図21を参照して説明する。図21は第13の実施形態を表すフローチャートである。図21に示すように、リモコン6の警備ボタン65を押すと(ステップS1301)、そのボタンを押して1分後から空気調和機が運転停止中であっても警備モードに入り、距離画像センサー2による検出が開始される(ステップS1302)。赤外線を使用しているので、警備モードが作動していても一般人には分からない。なお、警備ボタンは室内機1本体に設けてもよい。
【0085】
具体的には、室内機1から部屋の対向壁及び左右壁の各壁までの距離を画像制御マイコン4で測定し、その距離データが記憶される(ステップS1303)。室内制御マイコン5は、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、侵入者がいると判断し(ステップS1304)、30秒から2分の間警告音や警告ガイダンスを流して警告を発し(ステップS1305)、リモコン6の警備ボタン65を再び押して警備モードを一定時間内に解除しない場合に(ステップS1306)、不審者侵入のメールを検知した旨のメールを携帯電話又はPCのアドレスに送信する(ステップS1307)。ステップS1306で警備モードが解除された場合は、警備モードを終了する。インターネットとの接続に関しては、直接室内機と接続しなくても、外部の機器を中継器として繋いで、インターネットと接続する構成でもよい。
【0086】
第13の実施形態によると、侵入者を見張るセキュリティー機能を空気調和機に付加することができる。
【0087】
<第14の実施形態>
第14の実施形態について図22を参照して説明する。図22は第14の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1401〜S1408の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0088】
ここで、室内制御マイコン5は、室温が設定温度に達してから1時間経過しても、部屋に人がいると判断されない場合には(ステップS1408)、設定温度を自動的に緩めて省エネ運転を行う(ステップS1409)。このとき例えば、冷房運転時ならば、室温を2℃上げる。また、人を感知したら、再び設定温度を元に戻し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1410)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1411)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1412)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1406の設定温度の制御は逆になり、設定温度を下げるように制御され、ステップS1411、S1412の圧縮回転数の制御も逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0089】
第14の実施形態によると、部屋に人がいないと判断した場合には、設定温度を下げて省エネ運転を行うことが可能となる。
【0090】
<第15の実施形態>
第15の実施形態について図23を参照して説明する。図23は第15の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1501〜S1507の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S707(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0091】
ここで、室内制御マイコン5は、室温が設定温度に達してから1時間経過しても、部屋に人がいると判断されない場合には(ステップS1408)、例えば電流検知を行なって電流量を半分程度に抑制して省エネ運転を行うように、圧縮機101の回転数を低減する(ステップS1509)。また、人を感知したら、再び設定温度を元に戻し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1410)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1411)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1412)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1406の設定温度の制御は逆になり、設定温度を下げるように制御され、ステップS1411、S1412の圧縮回転数の制御も逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0092】
第15の実施形態によると、部屋に人がいないと判断した場合には、電流量すなわち、消費電力を抑えることにより、省エネ運転を行うことが可能となる。
【0093】
<第16の実施形態>
第16の実施形態について図24を参照して説明する。図24は第16の実施形態を表すフローチャートである。この図において、ステップS1601〜S1607の工程は、上記第7の実施形態のステップS701〜S706(図14)の工程と同一であるため重複説明を省略する。
【0094】
ここで、室内制御マイコン5は、距離画像センサー2により検出された画素毎の測定対象物までの距離データにより、室内機1の前方に照明や、エアコン下方にタンスなどの障害物を検知した時には(ステップS1607)、障害物を避けるように、左右ルーバー7及び上下ルーバー8の角度にマスク(その角度で止まって運転しない)をかける(ステップS1608)。
【0095】
ステップS1607で障害物を検知しないときは、部屋の中心位置に向けて送風するように、室内ファン109の回転数及び左右ルーバー7及び上下ルーバー8の位置を調整するとともに、部屋の大きさを特定し、各段階へ割り振られる圧縮機101の回転数の値を部屋の大きさに合わせて変更する(ステップS1609)。
【0096】
そして、室内制御マイコン5は、設定温度に達してからある1時間経過しても、人を認識できない場合には(ステップS1610)、電流検知を行なって電流量を半分程度に抑制して省エネ運転を行うように、前記圧縮機の回転数を低減する(ステップS1611)。また、人を感知したら、再び設定温度を元に戻し、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定する(ステップS1612)。そして、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を減少させ(ステップS1613)、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を増大させる(ステップS1614)。なお、暖房運転の場合は、ステップS1606の設定温度の制御は逆になり、設定温度を下げるように制御され、ステップS1411、S1412の圧縮回転数の制御も逆になり、人数が増えた場合は圧縮機101の回転数を増大させ、人数が減った場合は圧縮機101の回転数を減少させる。
【0097】
第16の実施形態によると、障害物に風の流れを乱されて、空調が妨げられるのを自動的に回避することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、空気調和機に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】は、この発明の空気調和機の実施例における冷媒回路図である。
【図2】は、空気調和機における画像データ処理部のシステム構成一例である。
【図3】は、距離画像センサーの一例の模式的な説明図である。
【図4】は、冷房時の室内機の断面図である。
【図5】は、暖房時の室内機の断面図である。
【図6】は、リモコンの開閉カバーを閉じた状態の平面図である。
【図7】は、リモコンの開閉カバーを開けた状態の平面図である。
【図8】は、この発明の第1の実施形態を表すフローチャートである。
【図9】は、この発明の第2の実施形態を表すフローチャートである。
【図10】は、この発明の第3の実施形態を表すフローチャートである。
【図11】は、この発明の第4の実施形態を表すフローチャートである。
【図12】は、この発明の第5の実施形態を表すフローチャートである。
【図13】は、この発明の第6の実施形態を表すフローチャートである。
【図14】は、この発明の第7の実施形態を表すフローチャートである。
【図15】は、この発明の第8の実施形態を表すフローチャートである。
【図16】は、この発明の第9の実施形態を表すフローチャートである。
【図17】は、この発明の第10の実施形態を表すフローチャートである。
【図18】は、この発明の第11の実施形態を表すフローチャートである。
【図19】は、この発明の第12の実施形態を表すフローチャートである。
【図20】は、リモコンのお知らせボタンを押す毎に表示される情報の移り変わりを示す図である。
【図21】は、この発明の第13の実施形態を表すフローチャートである。
【図22】は、この発明の第14の実施形態を表すフローチャートである。
【図23】は、この発明の第15の実施形態を表すフローチャートである。
【図24】は、この発明の第16の実施形態を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0100】
1 室内機
2 距離画像センサー
4 画像処理マイコン
5 室内制御マイコン
6 リモコン
62 風集中ボタン
63 位置確認ボタン
64 警備ボタン
65 お知らせボタン
66 液晶画面
7 左右ルーバー
8 上下ルーバー
101 圧縮機
109 室内ファン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機に設けられた室内熱交換器、室外機に設けられ回転数を制御可能な圧縮機、冷房運転と暖房運転で冷媒の流れを変える切替手段を、冷媒を循環させる冷媒回路により接続した冷凍サイクルを有し、室内機に回転数を変更可能な室内ファンを設け、部屋の空気を吸い込み空調された空気を吹出口から前記部屋へ吹き出す空気調和機において、
室内機本体の前面に、画素毎に光源から投射されたパルス光が測定対象物により反射してきたときの遅れ時間を測定することにより測定対象物までの距離を検出する距離画像センサーを備え、
該距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データに基づいて、前記室内機の設置位置と設置空間に適した前記室内ファンの回転数を決定することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
室内機本体又はリモコンに位置確認ボタンを設け、該位置確認ボタンを押すと、前記距離画像センサーにより一定時間後に部屋の形状に関するデータを検出し、その値を固定値として記憶することにより、前記室内機の設置位置と設置空間に適した室内ファンの回転数を再度決定して更新することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記吹出口に設けられ駆動機構により前記吹出口から吹き出される空気の風向を左右方向及び上下方向に位置を変更する左右ルーバー及び上下ルーバーを備え、
前記距離画像センサーにより検出した対向壁までの距離データ、及び、左右壁までの距離データに基づき、部屋の中心位置を特定し、部屋の中心に向けて送風するように、前記室内ファンの回転数及び前記左右ルーバーの位置を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記圧縮機の回転数の制御は、所定数の段階に割り振られた回転数群の中から1つを選択するものであり、
前記距離画像センサーにより検出した天井までの距離データ、床までの距離データ、左右壁までの距離データ、及び、対向壁までの距離データに基づき、部屋の大きさを特定し、各段階へ割り振られる前記圧縮機の回転数の値を部屋の大きさに合わせて決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間経過しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止することを特徴とする請求項3又は4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項7】
部屋に人がいると判断された場合は、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定し、前記圧縮機の回転数を調整することを特徴とする請求項5又は6に記載の空気調和機。
【請求項8】
室内機本体またはリモコンに警備ボタンを設けて、該警備ボタンを押すと、空気調和機が運転停止中であっても、部屋に人がいると判断された場合は、警告を発し、その警告を一定時間内に解除しない場合に、不審者侵入のメールを携帯電話又はPCのアドレスに送信することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項9】
室温が設定温度に達してから所定時間経過しても、測定対象物が人と判定されない場合には、出力を半分程度に抑制して省エネ運転を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項1】
室内機に設けられた室内熱交換器、室外機に設けられ回転数を制御可能な圧縮機、冷房運転と暖房運転で冷媒の流れを変える切替手段を、冷媒を循環させる冷媒回路により接続した冷凍サイクルを有し、室内機に回転数を変更可能な室内ファンを設け、部屋の空気を吸い込み空調された空気を吹出口から前記部屋へ吹き出す空気調和機において、
室内機本体の前面に、画素毎に光源から投射されたパルス光が測定対象物により反射してきたときの遅れ時間を測定することにより測定対象物までの距離を検出する距離画像センサーを備え、
該距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データに基づいて、前記室内機の設置位置と設置空間に適した前記室内ファンの回転数を決定することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
室内機本体又はリモコンに位置確認ボタンを設け、該位置確認ボタンを押すと、前記距離画像センサーにより一定時間後に部屋の形状に関するデータを検出し、その値を固定値として記憶することにより、前記室内機の設置位置と設置空間に適した室内ファンの回転数を再度決定して更新することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記吹出口に設けられ駆動機構により前記吹出口から吹き出される空気の風向を左右方向及び上下方向に位置を変更する左右ルーバー及び上下ルーバーを備え、
前記距離画像センサーにより検出した対向壁までの距離データ、及び、左右壁までの距離データに基づき、部屋の中心位置を特定し、部屋の中心に向けて送風するように、前記室内ファンの回転数及び前記左右ルーバーの位置を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記圧縮機の回転数の制御は、所定数の段階に割り振られた回転数群の中から1つを選択するものであり、
前記距離画像センサーにより検出した天井までの距離データ、床までの距離データ、左右壁までの距離データ、及び、対向壁までの距離データに基づき、部屋の大きさを特定し、各段階へ割り振られる前記圧縮機の回転数の値を部屋の大きさに合わせて決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、一旦人と判定された測定対象物が、ある一定時間経過しても距離データが変わらないとき、家具などの動かない物と判断して、人としての判定を中止することを特徴とする請求項3又は4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記距離画像センサーにより検出された画素毎の測定対象物までの距離データを、記憶した固定物の距離データと比較してそのデータとずれた場所が発生した場合に、そこに人がいると判断する空気調和機であって、人と判定された測定対象物の形状認識を行い、子供か大人かを判断し、大人と判断した場合には、風をその人の周りに集中させ、子供の場合は、直接当てずにやや離れた所に風を向けるように、前記室内ファンの回転数及び前記左右・上下ルーバーの位置を調整することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項7】
部屋に人がいると判断された場合は、人の人数が所定時間後増えたか否かを判定し、前記圧縮機の回転数を調整することを特徴とする請求項5又は6に記載の空気調和機。
【請求項8】
室内機本体またはリモコンに警備ボタンを設けて、該警備ボタンを押すと、空気調和機が運転停止中であっても、部屋に人がいると判断された場合は、警告を発し、その警告を一定時間内に解除しない場合に、不審者侵入のメールを携帯電話又はPCのアドレスに送信することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項9】
室温が設定温度に達してから所定時間経過しても、測定対象物が人と判定されない場合には、出力を半分程度に抑制して省エネ運転を行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−139010(P2009−139010A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315456(P2007−315456)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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