説明

穿孔装置用エアハンマー

【課題】ロッド端部に設けられて掘削作業を行う穿孔機用エアハンマーを提供する。
【解決手段】中空部を有するメイン本体、メイン本体の一端に結合されるソケット、メイン本体に結合される遮断部、長手方向に空気供給通路が形成され外周面に空気供給通路と連通される排出孔が形成されたピストンガイド部を有する第1ブッシュ部材、メイン本体の他端に設けられる第2ブッシュ部材、第2ブッシュ部材の端部に設けられるビットユニット、ガイド部と第2ブッシュ部材に上下端部が保持されて昇降され長手方向に貫通されるガイド孔が形成され第1及び第2ブッシュ部材の間のメイン本体空間を第1及び第2チャンバに区画するピストンハンマーを備え、第2ブッシュ部材の上端部側に形成されピストンハンマーの上昇時第2チャンバ内の空気を排出するための空圧排出部及びピストンハンマーに形成されソケットと第1ブッシュ部材のピストンガイド部の空圧供給通路と排出孔を介して供給される空圧を第1及び第2チャンバに選択的に供給してピストンハンマーを昇降させるための空圧分配部をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は穿孔装置に係り、さらに詳しくは相互連結されるロッドの端部に設けられて掘削作業を行う穿孔機用エアハンマーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、穿孔機はビットをただ回転させる方法(オシレータ工法とも言う)と、ビットまたはボールカッタを回転させると共に、加圧力を与える方法(R.C.D工法)などがある。オシレータ工法は、通常直径が800ないし3000mmのケーシングを油圧チャックでクランピングした状態で左右回転方向に設けられたシリンダの前後進作動で回動させながら穿孔する工法であり、前記R.O.C工法は端部にビットまたはボールカッタが設けられたドライブロッドを用いてビットまたはボールカッタを回転させて穿孔する方法である。前記オシレータ(OSCILLATOR)工法は作業場の土地条件が土だけよりなる領域を穿孔するには差し支えないが、地中の岩盤を穿孔する杭打機のような別の装置によって大きいハンマーを落下させて破壊する工程を必要とする。
【0003】
一方、前記R.O.C工法は、オシレータ工法に比べて進んだ穿孔効果を奏するもので、土砂層をオシレータまたはローテータ(rotator)で掘削した後軟岩と硬岩層を掘削しようとする際ドリルロッドの先端に取り付けられた特殊なビットを回転させて岩盤を掘削し、ドリルロッドパイプ(drill rod pipe)で循環水と破石をエアによってサクションして地上に排出しつつ掘削するもので、基礎工事などに使われる大口径現場打設及びトップダウン(top down)工法の核心の工法である。
【0004】
穿孔作業を行うためのエアハンマーの一例が、アメリカ特許3,941,196号、US 0430554号、US3991834号に開示されている。
【0005】
従来のエアハンマーは、打撃のためのハンマーがガイドから分離された状態で下降して打撃するようになるので、ハンマーの上下移動時振動が発生し、特にエアが各チャンバに吐き出される出口で断熱膨張されることによって急速に冷却されて、ピストンクラック発生の原因となる。そして、エアハンマーの上昇時、上死点におけるピストンを上昇させるための空気の変化がないので、衝撃力が相対的に大きくなる問題点がある。また、ビットユニットと衝突時反力が相対的に大きくなってビットの打撃力が不均一になる問題点がある。
【0006】
韓国特許登録第10-0372049号にクレーンを用いた穿孔機の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3941196号公報
【特許文献2】米国特許第0430554号公報
【特許文献3】米国特許第3991834号公報
【特許文献4】韓国特許第10−0372049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前述した従来の技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的はピストンハンマーの上下部を保持して、ピストンの揺れによるピストンの振動を減らせる穿孔機用エアハンマーを提供するところにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ピストンハンマーを通じて上下チャンバにエアの供給時空気の断熱膨張によってピストンが急冷されることによって脆性が発生し、ひいてはクラック発生の原因となることを防止できる穿孔機用エアハンマーを提供するところにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、ピストンハンマーの上昇及び下降時、圧力が最高点に達する時間を遅らせられる穿孔機用エアハンマーを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために本発明に係る穿孔機用エアハンマーは、中空部を有するメイン本体と、前記メイン本体の一側に結合されるソケットと、前記メイン本体に結合される遮断部と、該遮断部からメイン本体の中心軸と並んだ方向に延び、長手方向に空気供給通路が形成され、外周面に空気供給通路と連通される排出孔が形成されたピストンガイド部を有する第1ブッシュ部材と、前記メイン本体の他側端部に設けられる第2ブッシュ部材と、前記第2ブッシュ部材の端部に設けられるビットユニットと、前記ピストンガイド部と第2ブッシュ部材に上下端部が保持されて昇降されるもので、長手方向に貫通されるガイド孔が形成され、前記第1及び第2ブッシュ部材の間のメイン本体空間を第1及び第2チャンバに区画するピストンハンマーを備え、前記第2ブッシュ部材の上端部側にピストンの上昇時第2チャンバ内の空気を排出するための引込通路部が形成され、前記ピストンハンマーに形成されるものであって、ソケットと第1ブッシュ部材のピストンガイド部の空圧供給通路と排出孔を通じて供給される空圧を前記第1及び第2チャンバに選択的に供給してピストンハンマーを昇降させるための空圧分配部を備えてなることをその特徴とする。
【0012】
本発明における前記排出孔は、排出孔の中央部から上部と下部方向に断面積が次第に小さくなるように形成される。
【0013】
前記空圧分配部は、長手方向に形成されたガイド孔の内周面に相互所定間隔離隔される第1及び第2分配溝が形成され、前記第1分配溝はこれよりピストンハンマーの外周面にピストンハンマーを貫通する第1分配孔と連結され、第1分配孔はピストンハンマーの外周面の一部に形成されて本体の内周面と通路をなすための連結引込部と連結され、前記連結引込部は第2チャンバとピストンの外周面に形成されて第1分配引込部と連結され、前記第2分配溝は、これよりピストンハンマーの外周面にピストンハンマーを上部側に貫通する第2分配孔と連結され、第2分配孔はピストンハンマーの外周面に形成されて第1チャンバと連通される第2分配引込部と連結される。
【0014】
そして、前記第1及び第2分配引込部の出口側はその断面積が次第に広くなる拡開部を備えられる。
【0015】
また、前述した目的を達成するための本発明に係る穿孔機用エアハンマーは、中空部を有するメイン本体と、該メイン本体の一側に結合されるソケットと、前記メイン本体に結合される遮断部と、該遮断部からメイン本体の中心軸と並んだ方向に延び、長手方向に空気供給通路が形成され外周面に空気供給通路と連通される排出孔が形成されたピストンガイド部を有する第1ブッシュ部材と、前記メイン本体の他側端部に設けられる第2ブッシュ部材と、前記第2ブッシュ部材の端部に設けられるビットユニットと、前記ピストンガイド部と第2ブッシュ部材に前記ピストンガイド部が摺動自在に設けられるもので、長手方向に貫通するガイド孔が形成され、前記下端部が第2ブッシュ部材に摺動自在に保持され、前記第1及び第2ブッシュ部材の間のメイン本体空間を第1及び第2チャンバで区画するピストンハンマーを備え、前記第2ブッシュ部材の上端部側に設けられてピストンの上昇時第2チャンバ内の空気を排出するための空気排出部が備えられ、前記ピストンハンマーに形成されてピストンの下降時前記第2チャンバに空気を供給し、上昇時前記第1チャンバ内に空圧を供給する空圧供給部とを備えてなることをその特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、ピストンハンマーの昇降時、ピストンの上部側と下部側を保持することによって、ピストンハンマーが揺れて打撃力が分散することを防止でき、ピストンハンマーの上昇時慣性力を相対的に減らすことができる。
【0017】
そして、第1及び第2チャンバに空圧の供給時第1及び第2空圧供給通路の吐出口側で端熱膨張によって急冷されてピストンハンマーに脆性が発生して破損しやすくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明に係る穿孔装置を示した側面図である。
【図2】図2は、本発明に係るエアハンマーの断面図である。
【図3】図3は、図2に示されたエアハンマーの分離斜視図である。
【図4】図4は、第1ブッシュ部材を抜粋して示した斜視図である。
【図5】図5は、図2に示されたピストンハンマーと第2ブッシュ部材を抜粋して示した一部切除斜視図である。
【図6】図6は、本発明に係るエアハンマーの作動状態を示した断面図である。
【図7】図7は、本発明に係るエアハンマーの作動状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付した図面に基づき詳述する。
【0020】
本発明に係るエアハンマーは、穿孔機のドライブロッドに設けられてビットに掘削のための打撃力を提供するもので、その一実施形態を図1及び図2に示した。
【0021】
図面を参照すれば、穿孔機1は機械本体2に垂設されるリーダ3と、該リーダ3により昇降自在にガイドされるヘッド部5と、該ヘッド部5の駆動軸と結合されて昇降及び回転されるドライブロッド6の端部に設けられるエアハンマー10を備える。そして、図示されていないが、機械本体2には前記ドライブロッドを介してエアハンマーに空圧を供給するためのコンプレッサが設けられる。
【0022】
この穿孔機用エアハンマー10は、第1中空部11を有するメイン本体12と、該メイン本体12の上部側端部に結合されるソケット13と、該ソケット13と隣接するメイン本体12に設けられ、ピストンガイド部21を有する第1ブッシュ部材20と、前記メイン本体12の端部に設けられる第2ブッシュ部材30と、該第2ブッシュ部材30の下端部側に設けられて掘削作業を行うビットユニット60と、前記ピストンガイド部20に摺動自在に設けられるもので、長手方向に貫通されるガイド孔51が形成され、前記下端部が第2ブッシュ部材30に形成された中空型ガイド部31に摺動自在に保持され、前記第1及び第2ブッシュ部材20、30の間のメイン本体12空間を第1及び第2チャンバ100、200に区画するピストンハンマー50を備える。
【0023】
そして、前記ソケット13と第1ブッシュ部材20のピストンガイド部21を通じて供給される空圧を前記第1及び第2チャンバ100、200に選択的に供給して、ピストンハンマー50を昇降させるための空圧分配部70を備える。
【0024】
前述したように構成された本発明に係る穿孔機用エアハンマー10をさらに詳しく説明する。
【0025】
本発明に係る穿孔機用エアハンマー10のメイン本体12は円筒形の管状よりなるもので、好ましくはドライブロッド6の直径と前記メイン本体12の直径を同じく形成するのが望ましい。前記メイン本体12の上端部側に設けられるソケット13はドライブロッド6のうち端部側ドライブロッドと結合するためのもので、外周面に螺合部が形成され、長手方向に前記ドライブロッド6の中空部を通じて供給される高圧を供給するための第1空圧供給通路13aが形成される。そして、前記ソケット13の下部側には前記第1空圧供給通路13aを通じて第1ブッシュ部材20側に供給される空圧が逆流することを防止するためのチェックバルブ14が設けられる。このチェックバルブ14はソケット12に形成されるシート部材14aと、該シート部材14aに接触及び結合されて遮断するチェックバルブ部材14b、前記ソケット13と結合されたチェックバルブ部材14bを上方に付勢させる弾性部材14cと、ソケット13と結合されて弾性部材14cを保持するためのストッパ14dを備える。前記ストッパ14dには前記第1空圧供給通路13aを通じて供給される空圧を前記第1ブッシュ部材20側に供給するための貫通孔14eが形成される。
【0026】
前記第1ブッシュ部材20は、ソケット13の下部側のメイン本体12の内部に設けられて、ソケット13の第1空圧供給通路13aを通じて供給される空圧をピストンハンマー50に設けられた空圧分配部70に供給するためのもので、図2ないし図4に示した。
前記第1ブッシュ部材20は、メイン本体11に保持される遮断部22と、遮断部22から下方であるビットユニット60側に延びてピストンハンマー50をガイドするためのピストンガイド部21を備える。このピストンガイド部21には前記ソケット13の第1空圧供給通路13aとチェックバルブ14を経由して供給された空圧を伝達できるように長手方向に第2空圧供給通路23が形成されるが、この第2空圧供給通路23はピストンガイド部21を貫通しない。前記ピストンガイド部21の端部は第2空圧供給通路23がピストンガイド部21を貫通しないように閉鎖されている。
【0027】
そして、前記ピストンガイド部21の端部側の外周面には空圧を分配するための排出孔24が形成される。前記各排出孔24は中央部から上下部(ピストンガイドの上部側と端部側)側に行くほど空圧の排出のための断面積が次第に小さく形成される。ここで、前記各排出孔24はその中央部に空圧排出のための断面積均一区間24aをさらに具備でき、前記ピストンガイド部21は遮断部22からメイン本体11の長手方向の中心軸cに沿って形成され、前記排出孔24はピストンガイド部21の端部から同じ高さの外周面に形成される。
【0028】
前記第2ブッシュ部材30は前記メイン本体12の下部側に結合されるもので、円筒形よりなっており、第2ブッシュ部材30の端部側には空圧吐出のための空圧吐出孔61が形成されたビットユニット60が設けられる。
【0029】
前記第2ブッシュ部材30の上端部側はピストンハンマー50の下端部をガイドするようになる。前記ピストンハンマー50の下端部をガイドする第2ブッシュ部材30の内周面にはピストンハンマー50の上昇時、第2チャンバ200内部の空圧を前記ビットユニット60の空圧吐出孔61側に排出するための空圧排出部32が形成される。該空圧排出部32は上面から長手方向に複数の第1通路部32aが形成され、第1通路部32aの端部側に第1中空ガイド部31の内周面から円周方向に引き込まれた第2通路部32bが形成され、ピストンの上昇時第2チャンバ200の内部の空圧、すなわち空気が第1通路部32aと第2通路部32bを通じて空圧吐出孔61に排出される。
【0030】
前記第2ブッシュ部材30の端部に設けられるビットユニット60は下端部側に掘削のためのチップ(図示せず)が形成され、前記下面には空圧吐出孔61から吐き出される空圧の吐出しが十分に行えるように空圧分岐吐出部63が形成される。この空圧分岐吐出部63は空圧吐出孔61を介して吐き出される空圧によりビットユニットが上昇されないように放射状に形成するのが望ましい。前記空圧分岐吐出部63は掘削時地面と接触するビットユニットの端部面積を縮められるように下面に空圧吐出孔61と連結される引込部よりなりうるが、この引込部はビットユニットの下面から外周面へ形成されうる。
【0031】
前記ピストンハンマー50は、前述したようにメイン本体12と前記第1ブッシュ部材20のピストンガイド部21に摺動自在に設けられるように中心部に長手方向にガイド孔51が形成される。そして、前記ピストンハンマー50の下端部側は相対的に小さな直径に形成され、前記第2ブッシュ部材30の中空ガイド部31に挿入されてガイドされる。前記ピストンハンマー50の下端部が第2通路部32bを遮断及び開閉するようにすることで、第2チャンバ200が密閉されたり、第2チャンバ200内の空気が第2通路部33を介して空圧吐出孔61に排出される。
【0032】
そして、前記ピストンハンマー50には、前記ソケット13とピストンガイド部21の排出孔24を介して供給される空圧を前記第1及び第2チャンバ100、200に選択的に供給するための空圧分配部70が形成される。
【0033】
前記空圧分配部70は、図5に示したように、長手方向に形成されたガイド孔51の内周面に相互所定間隔離隔される第1及び第2分配溝71、72が形成される。前記第1及び第2分配溝71、72はそれぞれ前記第1ガイド孔51の内面から引き込まれた環状に形成される。前記第1及び第2分配溝71、72はガイド孔51の長手方向に対して直角方向に形成される。
【0034】
また、前記第1分配溝71は、これよりピストンハンマー50の外周面にピストンハンマー50を貫通する第1分配孔73と連結され、第1分配孔73はメイン本体12の内周面と通路をなすためにピストンハンマー50の外周面に形成された連結引込部74と連結される。そして、前記ピストンハンマー50の外周面には前記連結引込部74と第2チャンバとを連結する第1分配引込部75が形成される。前記第1分配引込部75の断面積は第1分配孔73の断面積より相対的に小さく形成され、空気の膨張が第1分配引込部75で行われるようにするのが望ましい。
【0035】
従って、前記ピストンハンマー50を上昇させるための空圧は前記排出孔24から第1分配孔73と連結引込部74及び第1分配引込部75を介して第2チャンバ200に供給される。
【0036】
そして、前記第2分配溝72は、これよりピストンハンマー50の外周面にピストンハンマー50を上部側に貫通する第2分配孔76と連結され、第2分配孔76はピストンの外周面に形成され第1チャンバ100と連通される第2分配引込部77と連結される。従って、前記ピストンハンマー50を下降させるための空圧は前記排出孔24から第2分配溝72と第2分配孔76及び第2分配引込部77を介して第1チャンバ100に供給される。
【0037】
前記第1及び第2分配引込部75、77はそれぞれ断面積が第1及び第2分配孔の断面積より小さく形成するのが望ましい。前記第1及び第2分配引込部75、77の端部、すなわち第2チャンバ200と第1チャンバ100とを連結する連結部位には拡開部が形成されうる。
【0038】
前述したように構成された本発明に係るエアハンマーは、穿孔機のヘッド部5と連結されたドライブロッド6と結合された状態で穿孔作業を行うようになる。穿孔作業はヘッド部5によりドライブロッド6と連結されたエアハンマー10を回転させると共に、ドライブロッド6を介してエアハンマー10に高い空圧を供給してビットユニット60を打撃するようになる。
【0039】
前記ドライブロッド6を介して供給されるエアハンマー10の作用は次の通りである。前記ドライブロッド6を介して供給される空圧は前記ソケット13に設けられたチェックバルブ14のバルブ部材14bに加わって弾性部材14cの弾性力を克服し、バルブ部材14bを下降させるようになる。そして、この空圧は貫通孔14eを通じて第1ブッシュ部材20の第2空圧供給通路23に流入される。
【0040】
前述したように第2空圧供給通路23に流入された空圧は、図6に示したように、ピストンハンマー50が下降している状態で排出孔24と第1分配溝71、第1分配孔73、連結引込部74及び第1分配引込部75を通じて第2チャンバ200に供給されピストンハンマー50を上昇させるようになる。この過程で、前記第1分配引込部75は第1分配孔73の断面積より相対的に小さく形成されているので、第2チャンバ200に流入される第1分配引込部75で膨張、すなわち断熱膨張されることによってピストンハンマー50が急冷されて脆性が発生することを抑えられる。前述したように、第2チャンバ200に空圧が供給されることによってピストンハンマー50が上昇するようになる。
【0041】
前記ピストンハンマー50が上昇すれば、前記排出孔24は第1分配溝71から外れるようになり、ピストンハンマー50が上死点に達する時点で排出孔24は第2分配溝72と連結される。この際、前記第2ブッシュ部材30によりガイドされるピストンハンマー50の下端部は上昇して第2通路部32bを外れるようになる。従って、前記第2チャンバ200の空圧は第1通路部32と第2通路部33を通じて空圧吐出孔61に排出される。
【0042】
そして、前記排出孔24から第2分配溝72と第2分配孔76及び第2分配引込部77を介して第1チャンバ100に空圧が供給される。この過程で前記排出孔24は中央部から上下部側に行くほど排出断面積が次第に小さく形成されているので、上死点に達する時点で空圧、すなわち空気の供給量が次第に減少するようになって、ピストンハンマー50の上昇力を次第に減少できるのみならず、圧力が最高点に達する時間を遅らせられる。従って、ピストンハンマー50の上昇による運動エネルギーが最小になる時点でピストンハンマー50に下降力を供給できるので、下降による運動エネルギーを極大化することができる。
【0043】
これをさらに詳しく説明すれば、前記ピストンハンマー50が上昇することによって排出孔24は下端部から第2分配溝72に露出されるが、ピストンガイド部21の下端部から上部側へ行くほどその断面積が小さく形成されているので、排出孔24を介して流入される空気量が急激に増加されず、次第に増加するので、第1チャンバ100内の空圧が急激に最高点に達することを防止することができ、さらにはピストンハンマー50の下降が上昇による運動エネルギーが最小化する時点でピストンハンマー50の下降のための空圧が最高点に達するようにしてピストンハンマー50の下降力を極大化することができる。
【0044】
前述したように、第2チャンバ200の空圧は排出され、第1チャンバ100は空気の供給により内部の圧力が高まった状態であることから、ピストンハンマー50が急激に下降するようになって前記ビットユニット60を打撃するようになる。
【0045】
前述したような作動の繰り返しによって、ピストンハンマー50は昇降して、ビットユニット60に連続的な衝撃力を加えて掘削作業を行うようになる。
【0046】
前述したように掘削作業が行われる過程で、前記ビットユニット60の空圧吐出孔61を介して吐き出される空気、すなわち空圧は穿孔作業を行っているビットユニット60の下端面と地面との密着力によって円滑に排出できなくてビットユニット60が上昇されうる。しかし、本発明のビットユニット60の下面には空圧分岐吐出部63が形成されているので、排出できなかった空圧によりビットユニット60に上方に反発力が働くことを防止することができる。
【0047】
以上述べたように、本発明はピストンガイド部21と第2ブッシュ部材30によってピストンハンマー50の上下部を保持するようになるので、ピストンハンマー50の昇降時安定的にピストンハンマー50を保持でき、さらには振動発生を低減することができる。また、ピストンガイド部21に形成された排出孔24が中央部から上下方向にその断面積が次第に小さく形成されているので、ピストンが急激に上昇することによる衝撃力を減少できる。
【0048】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範疇に属するものと解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の穿孔機用エアハンマーは各種の地下孔の形成に幅広く使用されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有するメイン本体と、
前記メイン本体の一側に結合されるソケットと、
前記メイン本体に結合される遮断部と、該遮断部からメイン本体の中心軸と並んだ方向に延び、長手方向に空気供給通路が形成され外周面に空気供給通路と連通される排出孔が形成されたピストンガイド部を有する第1ブッシュ部材と、
前記メイン本体の他側端部に設けられる第2ブッシュ部材と、該第2ブッシュ部材の端部に設けられるビットユニットと、
前記ピストンガイド部と第2ブッシュ部材に上下端部が保持されて昇降するもので、長手方向に貫通されるガイド孔が形成され、前記第1及び第2ブッシュ部材の間のメイン本体空間を第1及び第2チャンバに区画するピストンハンマーを備え、
前記ピストンハンマーの下端部を保持する第2ブッシュ部材の上端部側に形成されピストンハンマーの上昇時第2チャンバ内の空気を排出するための空圧排出部と、
前記ピストンハンマーに形成されるもので、ソケットと第1ブッシュ部材のピストンガイド部の空圧供給通路と排出孔を介して供給される空圧を前記第1及び第2チャンバに選択的に供給してピストンハンマーを昇降させるための空圧分配部と、を備えてなることを特徴とする穿孔装置用エアハンマー。
【請求項2】
前記排出孔はその中央部からピストンガイド部の上下部側に行くほど両端部の断面積が小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置用のエアハンマー。
【請求項3】
前記空圧分配部は長手方向に形成されたガイド孔の内周面に相互所定間隔離隔される第1及び第2分配溝が形成され、前記第1分配溝はこれよりピストンハンマーの外周面にピストンハンマーを貫通する第1分配孔と連結され、第1分配孔はピストンハンマーの外周面の一部に形成され、メイン本体の内周面と通路をなすための連結引込部と連結され、前記連結引込部は第2チャンバとピストンの外周面に形成され第1分配引込部と連結され、
前記第2分配溝はこれよりピストンハンマーの上端部に貫通する第2分配孔と連結され、第2分配孔はピストンハンマーの外周面に形成され第1チャンバと連通される第2分配引込部と連結されることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置用エアハンマー。
【請求項4】
前記空圧排出部は中空ガイド部が形成された第2ブッシュ部材の上面から長手方向に複数の第1通路部が形成され、前記中空ガイド部の内周面に沿って円周方向に第1通路部の端部と連通される第2通路部が第2ブッシュ部材に形成されることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置用エアハンマー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−515182(P2013−515182A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545824(P2012−545824)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007692
【国際公開番号】WO2011/078421
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512188764)
【氏名又は名称原語表記】IN,Suk Shin
【住所又は居所原語表記】101−903,Ssangyong Yega Apt.,999,Yongbong−dong,Buk−gu,Gwangju 500−715,Korea
【Fターム(参考)】