説明

窓サイド用外壁材の取付構造

【課題】開口部用軸組の側枠材に安定して取り付けた窓サイド用外壁材を、屋外側からの操作によって簡単に取外可能とした窓サイド用外壁材の取付構造を提供する。
【解決手段】窓サイド用外壁材5の裏面に設けた取付部材29の第1プレート30を、第1止付部材50によって開口部用軸組1の側枠材13における正面側のフランジ13aに止め付け、取付部材29の第2プレート31を、第2止付部材60によって開口部用軸組1の側枠材13における側面側のリップ13b、13b間に跨るようにして止め付ける。第1及び第2止付部材50、60は、屋外側から窓サイド用外壁材5とこれに隣接する外壁材71との間の縦目地部72に挿入した工具80、81により操作することで、第1及び第2プレート30、31の止め付けを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄骨軸組構造の住宅における窓ユニットの側方に配置する窓サイド用外壁材の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世代を越えて循環利用できる社会的資産としての住宅の実現、普及に向けての開発が活発になされている。この種の住宅では、構造躯体については、高い耐久性が要求されるが、構造躯体に比べて耐久性の確保が困難な各種設備については、容易に維持管理(交換、修理等)を行うことができる良好なメンテナンス性が要求されており、これに伴い外壁部分に設ける窓ユニットにおいても、内装部分を取り壊すことなく、屋外側から簡単に取り外すことができる構造のものが望まれている。
【0003】
一般に、鉄骨軸組構造の住宅においては、開口部用軸組に窓ユニットが取り付けられている。開口部用軸組は、方形枠状の外周枠内に開口形成用枠を取り付けることによって、各種形状の窓取付用開口が形成されており、この窓取付用開口に窓ユニットが取り付けられ、窓ユニットの上下には窓上外壁材や窓下外壁材が取り付けられるようになっている。
【0004】
窓上外壁材や窓下外壁材は、屋外側から操作可能な止付部材によって開口部用軸組に止め付けられていて、屋外側からの操作によって止付部材による止め付けを解除することで簡単に取り外すことができる。そして、窓上外壁材や窓下外壁材を取り外すことで、窓ユニットの開口部用軸組に対する取付部位が露出して、窓ユニットを屋外側から取り外すことができるようになっている。
【0005】
一方、開口部用軸組の窓取付用開口よりも幅寸法の小さい窓ユニットを取り付けたり、意匠性を高めるために窓ユニットを屋内側へ後退させるように取り付けることがあるが、この場合、例えば特許文献1にも開示されているように、窓上外壁材や窓下外壁材以外に、窓ユニットの側方において窓サイド用外壁材を配置することがある。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3026394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような窓サイド用外壁材は、窓上外壁材や窓下外壁材のように開口部用軸組の枠材間に跨るようにして取り付けることができず、開口部用軸組の外周枠における片側の側枠材にのみ取り付けられることから、安定して取り付けるためには取付構造が複雑にならざるを得ず、窓上外壁材や窓下外壁材のように屋外側からの操作によって取り外すための技術が十分に確立されていなかった。このため、窓サイド用外壁材を配置した場合には、窓ユニットの取り外しに際して、内装部分の一部を取り壊すような面倒な作業を強いられることがあった。
【0008】
また、特許文献1に開示されているように、窓サイド用外壁材を屋外側から直接ビス止めした場合には、ビスを取り外すだけで、内装部分の一部を取り壊すことなく窓サイド用外壁材を簡単に取り外すことができるが、窓サイド用外壁材の外表面にビス頭部が露出して見栄えが悪くなるとともに、窓サイド用外壁材のビス貫通部分の防水対策等も別途必要となるといった不具合があった。
【0009】
この発明は、上記不具合を解消して、開口部用軸組の側枠材に直接ビス止めすることなく安定して取り付けた窓サイド用外壁材を、屋外側からの操作によって簡単に取り外すことができるようにした窓サイド用外壁材の取付構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明は、開口部用軸組1の側枠材13に取り付けて、前記開口部用軸組1に取り付けた窓ユニット2の側方に配置する窓サイド用外壁材5の取付構造であって、前記窓サイド用外壁材5の裏面に、前記側枠材13における前記窓サイド用外壁材5の裏面に対向する正面側にあてがう第1プレート30と、前記側枠材13における前記窓サイド用外壁材5の裏面に対して略直交する側面側にあてがう第2プレート31とを備えた取付部材29を設けるとともに、前記第1プレート30を前記側枠材13の正面側に止め付ける第1止付部材50と、前記第2プレート31を前記側枠材13の側面側に止め付ける第2止付部材60とを備え、これら第1及び第2止付部材50、60は、屋外側から前記窓サイド用外壁材5とこれに隣接する外壁材71との間の縦目地部72に挿入した工具80、81により操作可能な操作部52、63をそれぞれ備え、それら操作部52、63を操作することによって、前記第1及び第2止付部材50、60による前記第1及び第2プレート30、31の止め付けを解除して、前記窓サイド用外壁材5を取外可能としたことを特徴とする。
【0011】
具体的に、前記第1止付部材50は、前記側枠材13に係合する係合材51と、この係合材51に取り付けた回転軸52と、この回転軸52周りに回動可能に取り付けて、前記第1プレート30を前記側枠材13の正面側に押し付ける押さえ材53とを備え、前記縦目地部72に臨ませた前記操作部としての前記回転軸52を回転操作することで、前記押さえ材53を回転させて前記押さえ材53による押し付けを解除して、前記第1プレート30の屋外方向への引き抜きを可能とし、前記第2止付部材60は、前記第2プレート31に形成した屋内側端部が開放した屋内外方向の横溝43を貫通した状態で、前記側枠材13若しくは前記側枠材13に設けた支持材62にねじ込むことで、前記第2プレート31を前記側枠材13の側面側に押し付ける横ボルト61を備え、この横ボルト61の前記縦目地部72に臨ませた前記操作部として先端部63を回転操作することで、前記横ボルト61による押し付けを解除して、前記第2プレート31の屋外方向への引き抜きを可能としている。
【0012】
また、前記側枠材13は、リップ付き溝形鋼からなり、その正面側のフランジ13aに前記第1プレート30を止め付けるとともに、側面側のリップ13b、13b間に跨るようにして前記第2プレート31を止め付けるようにしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の窓サイド用外壁材の取付構造においては、窓サイド用外壁材の裏面に設けた取付部材の第1プレートを、第1止付部材によって開口部用軸組の側枠材の正面側に止め付けるとともに、取付部材の第2プレートを、第2止付部材によって開口部用軸組の側枠材の側面側に止め付けることで、窓サイド用外壁材をその裏面側において2方向から止め付けているので、窓サイド用外壁材を開口部用軸組の側枠材に直接ビス止めすることなく安定して取り付けることができる。
【0014】
しかも、第1及び第2止付部材は、屋外側から窓サイド用外壁材とこれに隣接する外壁材との間の縦目地部に挿入した工具により操作することで、第1及び第2プレートの止め付けを解除するので、窓サイド用外壁材を屋外側からの操作によって簡単に取り外すことができる。これにより、内装部分の一部を取り壊すような面倒な作業を強いられることなく、窓ユニットの開口部用軸組に対する取付部位を露出させて、窓ユニットを屋外側から簡単に取り外して、交換や修理といった維持管理を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、鉄骨軸組構造の住宅における窓を備えた外壁部分を示しており、1は開口部用軸組、2は窓ユニット、3、3は窓ユニット2の上方に配置した窓上外壁材、4、4は窓ユニット2の下方に配置した窓下外壁材、5、5は窓ユニット2の両側方に配置した窓サイド用外壁材である。
【0016】
開口部用軸組1は、方形枠状の外周枠10を備え、この外周枠10内の上側及び下側に開口形成用枠11、12をそれぞれ取り付けることによって構成されている。なお、この開口部用軸組1は、一般外壁部の軸組70・・とともに横並びに配置されている。
【0017】
外周枠10は、リップ付き溝形鋼からなる左右一対の側枠材13、13と、これら側枠材13、13の上端部間を連結するリップ付き溝形鋼からなる上枠材14と、側枠材13、13の下端部間を連結するリップ付き溝形鋼からなる下枠材15とから構成されており、これら側枠材13、13、上枠材14及び下枠材15は、それぞれの溝部開口が外周枠10内に向くようにして配置されている。
【0018】
上側の開口形成用枠11は、側枠材13、13間に差し渡された上側横枠材16と、上枠材14の中央部と上側横枠材16の中央部との間に差し渡された上側縦枠材17とを備えている。上側横枠材16は、溝部開口を上方に向けて配置した溝形鋼からなり、そのウエブ下面には一対の窓台16a、16aが取り付けられている。上側縦枠材17は、互いのウエブ部分を対向させるようにして配置した一対のリップ付き溝形鋼からなる。
【0019】
下側の開口形成用枠12は、側枠材13、13間に差し渡された下側横枠材18と、下枠材15の中央部と下側横枠材18の中央部との間に差し渡された下側縦枠材19とを備えている。下側横枠材18は、溝部開口を下方に向けて配置した溝形鋼からなり、そのウエブ上面には一対の窓台18a、18aが取り付けられている。下側縦枠材19は、互いのウエブ部分を対向させるようにして配置した一対のリップ付き溝形鋼からなる。
【0020】
この開口部用軸組1において、上下の開口形成用枠11、12の上側及び下側横枠材16、18と、外周枠10の側枠材13、13とによって囲まれた空間部分が、窓取付用開口Sとなっている。
【0021】
窓ユニット2は、方形枠状のサッシ枠20内にガラス障子21を回動可能に取り付けたもので、サッシ枠20の下端部には屋外側へ張り出すようにして水切り材22が設けられている。この窓ユニット2は、その幅寸法が開口部用軸組1の窓取付用開口Sの幅寸法よりも小さく設定されている。なお、窓ユニット2としては、サッシ枠にガラス障子を引き違い可能に取り付けたものや、サッシ枠にガラス障子を嵌め殺し状に取り付けたものであっても良い。
【0022】
窓上外壁材3、窓下外壁材4及び窓サイド用外壁材5は、押出しセメント板からなり、その内部には上下方向に貫通する複数の中空部25・・が間隔をあけて形成されている。なお、窓上外壁材3、窓下外壁材4及び窓サイド用外壁材5としては、中空部25・・が形成されていない構造のものであっても良い。
【0023】
そして、開口部用軸組1の窓取付用開口Sに窓ユニット2が取り付けられ、この窓ユニット2の上方において、外周枠10の側枠材13、13と上側の開口形成用枠11の上側縦枠材17とに跨って窓上外壁材3、3が横並びに取り付けられ、窓ユニット2の下方において、外周枠10の側枠材13、13と下側の開口形成用枠12の下側縦枠材19とに跨って窓下外壁材4、4が横並びに取り付けられ、さらに窓ユニット2の両側方において、外周枠10の側枠材13、13に窓サイド用外壁材5、5がそれぞれ取り付けられる。
【0024】
この取付状態において、窓ユニット2は、外壁材3、4、5・・の外表面よりも外壁材3、4、5・・の厚み分だけ屋内側へ後退するようにして配され、これにより窓上外壁材3、3の下端面及び窓サイド用外壁材5、5の側端面を屋外に露出させて重厚感や高級感を与えるようにしている。また、窓ユニット2の屋外側へ張り出した水切り材22によって、窓下外壁材4、4の上端面を覆い隠すようになっている。
【0025】
また、窓上外壁材3、3及び窓下外壁材4、4は、屋外側から操作可能な後述する第1止付部材50と同様の止付部材によって開口部用軸組1に止め付けられており、屋外側からの操作によって止付部材による止め付けを解除することで簡単に取り外すことができるようになっている。
【0026】
図2及び図3は、開口部用軸組1の側枠材13に対する窓サイド用外壁材5の取付構造を示している。なお、図2及び図3においては、一方の窓サイド用外壁材5(図1において右側の窓サイド用外壁材5)の取付構造を示しているが、他方の窓サイド用外壁材5(図1において左側の窓サイド用外壁材5)も同様の取付構造となっている。また、図3において、71は一般外壁部の軸組70に止め付けられた外壁材、72は窓サイド用外壁材5と外壁材71との間の縦目地部、73は縦目地部72に充填した目地材、74は内装材である。
【0027】
以下、この取付構造の詳細について説明する。まず、窓サイド用外壁材5の裏面に、取付部材29を設けている。この取付部材29は、側枠材13における窓サイド用外壁材5の裏面に対向する正面側のフランジ13aにあてがう第1プレート30と、側枠材13における窓サイド用外壁材5の裏面に対して略直交する側面側のリップ13b、13b間に跨るようにあてがう第2プレート31・・とを備えている。
【0028】
第1プレート30は、窓サイド用外壁材5の裏面に沿って上下方向に配され、その要所要所を屋外側に略L字状に切り起こしてなる複数の取付片32・・が上下方向に間隔をあけて形成されている。この第1プレート30には、複数のボルト挿通孔33・・が上下方向に間隔をあけて形成されている。また、取付片32・・には、ビス挿通孔34が夫々形成されている。そして、取付片32・・を、窓サイド用外壁材5の裏面に形成した略L字状の切欠部分35に収めるようにして、それらビス挿通孔34・・に挿通させたビス36・・を、側枠材13の中空部25に挿入した裏当て材37にねじ込むことで、第1プレート30が窓サイド用外壁材5の裏面に固定されている。なお、第1プレート30の固定に際しては、必ずしも上記のようにビス36・・止めする必要はなく、例えば接着剤によって接着したり、窓サイド用外壁材5の成形時に一体的に固設しても良い。
【0029】
第2プレート31・・は、略L字状に形成されて、上下方向に間隔をあけて配されている。この第2プレート31の正面片40には、図4に示すように、第1プレート30のボルト挿通孔33に対応するボルト挿通孔42が形成されている。また、第2プレート31の側面片41には、屋内側端部が開放した屋内外方向の横溝43が形成されている。そして、正面片40を、そのボルト挿通孔42を第1プレート30のボルト挿通孔33に一致させながら第1プレート30に屋内側から重ね合わせるようにして、それらボルト挿通孔33、42に挿通させたボルト44にナット45を螺合して締め付けることによって、第2プレート31が第1プレート30に固定されている。
【0030】
このようにして、窓サイド用外壁材5の裏面に設けた取付部材29は、その第1プレート30が第1止付部材50・・によって側枠材13の正面側のフランジ13aに止め付けられ、第2プレート31・・の側面片41・・が第2止付部材60・・によって側枠材13の側面側のリップ13b、13b間に跨るようにして止め付けられている。なお、これら第1止付部材50・・及び第2止付部材60・・は、図2及び図3において図示していないが上下方向に間隔をあけて複数設けられている。また、図2において、上下の第1止付部材50、50を図示しているが、上側の第1止付部材50は、一般外壁部の軸組70に外壁材71を止め付けるためのもので、下側の第1止付部材50が上記の第1プレート30を止め付けるためのものであり、これらは同じ構造となっている。
【0031】
第1止付部材50は、側枠材13に係合する係合材51と、この係合材51に取り付けた回転軸52と、この回転軸52周りに回動可能に取り付けられて、第1プレート30を側枠材13の正面側のフランジ13aに押し付ける押さえ材53とを備えている。
【0032】
係合材51は、両端部に爪部を有する略コ字状の係止片55と、この係止片55に固定された略平板状の基片56とを備え、係止片55の爪部を側枠材13のリップ13b、13bに引っ掛けながら、係止片55を側枠材13に外嵌させることで、側枠材13に係合されている。
【0033】
回転軸52は、係合材51の基片56にねじ込まれたボルトからなり、その頭部には、例えば六角レンチ等の工具80を係合するための係合孔52aが形成されている。この回転軸52は、図3に示すように、窓サイド用外壁材5とこれに隣接する外壁材71との間の縦目地部72に臨むようにして配置されている。
【0034】
押さえ材53は、その先端部が折曲されていて、その基端部に回転軸52が挿通されている。この押さえ材53は、回転軸52周りに回動することよって、第1プレート30を押し付け可能とする第1位置(図2の2点鎖線で示す位置)と、第1プレート30から離間して第1プレート30を屋外方向への引き抜き可能とする第2位置(図2の実線で示す位置)との間で切換可能となっている。また、押さえ材53の基端部と係合材51の基片56との間には、押さえ材53を屋外方向へ付勢するバネ57が介装されている。
【0035】
このような第1止付部材50においては、回転軸52を基片56にねじ込むことによって、押さえ材53が回転軸52の回転に伴って連れ回りながら第1位置まで回転して、この状態から回転軸52をさらにねじ込むことで押さえ材53がバネ57の付勢力に抗して屋内側に移動して、第1プレート30を押し付けるようになっている。また、回転軸52のねじ込みを緩めることによって、押さえ材53がバネ57の付勢力により屋外側へ移動して第1プレート30の押し付けを解除し、この状態から回転軸52をさらに緩めることで、押さえ材53が回転軸52の回転に伴って連れ回りながら第2位置まで回転するようになっている。
【0036】
第2止付部材60は、横ボルト61と、この横ボルト61を螺合させる支持材62とを備えている。横ボルト61の先端部63は、例えばスパナ等の工具81を係合するために角柱状に形成されている。支持材62は、略平板状に形成されて、側枠材13の溝部内においてリップ13b、13b裏面にあてがうようにして配されている。この支持材62には、ボルト孔64が形成されている。
【0037】
このような第2止付部材60においては、横ボルト61を、図4に示すように第2プレート31の側面片41の横溝43を貫通させた状態で、側枠材13のリップ13b、13b間の隙間を通して、支持材62のボルト孔64にねじ込むことで、横ボルト61によって第2プレート31の側面片41を側枠材13の側面側のリップ13b、13b間に跨るようにして押し付けるようになっている。また、この押し付け状態において、横ボルト61の先端部63は、開口部用軸組1及び一般外壁部の軸組70の側枠材13、13に形成されている挿通孔65、65を貫通して、窓サイド用外壁材5とこれに隣接する外壁材71との間の縦目地部72に臨むようにして配置されている。
【0038】
上記構成において、窓サイド用外壁材5を取り外す場合には、まず第1止付部材50による第1プレート30の止め付けを解除する。すなわち、図5に示すように、屋外側から縦目地部72に挿入した六角レンチ等の工具80を、縦目地部72に臨ませた操作部としての回転軸52の係合孔52aに係合して、回転軸52を回転操作して緩めることで、押さえ材53による第1プレート30の押し付けを解除するとともに、押さえ材53を第2位置まで回転させて、第1プレート30の屋外方向への引き抜きを可能とする。
【0039】
続いて、第2止付部材60による第2プレート31の止め付けを解除する。すなわち、図6に示すように、屋外側から縦目地部72に挿入したスパナ等の工具81を、縦目地部72に臨ませた操作部としての横ボルト61の先端部63に係合して、この先端部63を回転操作して横ボルト61の締め付けを緩めることで、横ボルト61による第2プレート31の押し付けを解除して、第2プレート31の屋外方向への引き抜きを可能とする。なお、横ボルト61は、第2プレート31の屋内側端部が開放した屋内外方向の横溝43を貫通しているので、横ボルト61の押し付けを解除さえすれば、第2プレート31を屋外方向へ引き抜くことができる。
【0040】
このようにして第1及び第2止付部材50、60・・による第1及び第2プレート30、31・・の止め付けを解除した後、図7に示すように、窓サイド用外壁材5を屋外方向へ引き出すことで、窓サイド用外壁材5を開口部用軸組1の側枠材13から簡単に取り外すことができる。なお、窓サイド用外壁材5を再び取り付ける場合には、上記作業と逆の作業を行うようにすれば良い。
【0041】
そして、従来のように窓上外壁材3、3及び窓下外壁材4、4についても、屋外側からの操作によって簡単に取り外すことで、窓ユニット2の開口部用軸組1に対する取付部位が露出して、内装材74等を取り壊すことなく、窓ユニット2を屋外側から簡単に取り外して、交換や修理といった維持管理を容易に行うことができる。
【0042】
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】鉄骨軸組構造の住宅における窓を備えた外壁部分の分解斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る窓サイド用外壁材の取付構造を示す分解斜視図である。
【図3】同じくその横断面図である。
【図4】第2プレートを示す斜視図である。
【図5】第1止付部材の止め付け解除操作を示す横断面図である。
【図6】第2止付部材の止め付け解除操作を示す横断面図である。
【図7】窓サイド用外壁材の取り外した状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1・・開口部用軸組、2・・窓ユニット、5・・窓サイド用外壁材、13・・側枠材、13a・・フランジ、13b・・リップ、29・・取付部材、30・・第1プレート、31・・第2プレート、43・・横溝、50・・第1止付部材、51・・係合材、52・・回転軸(操作部)、53・・押さえ材、60・・第2止付部材、61・・横ボルト、62・・支持材、63・・先端部(操作部)、71・・外壁材、72・・縦目地部、80、81・・工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部用軸組(1)の側枠材(13)に取り付けて、前記開口部用軸組(1)に取り付けた窓ユニット(2)の側方に配置する窓サイド用外壁材(5)の取付構造であって、前記窓サイド用外壁材(5)の裏面に、前記側枠材(13)における前記窓サイド用外壁材(5)の裏面に対向する正面側にあてがう第1プレート(30)と、前記側枠材(13)における前記窓サイド用外壁材(5)の裏面に対して略直交する側面側にあてがう第2プレート(31)とを備えた取付部材(29)を設けるとともに、前記第1プレート(30)を前記側枠材(13)の正面側に止め付ける第1止付部材(50)と、前記第2プレート(31)を前記側枠材(13)の側面側に止め付ける第2止付部材(60)とを備え、これら第1及び第2止付部材(50)(60)は、屋外側から前記窓サイド用外壁材(5)とこれに隣接する外壁材(71)との間の縦目地部(72)に挿入した工具(80)(81)により操作可能な操作部(52)(63)をそれぞれ備え、それら操作部(52)(63)を操作することによって、前記第1及び第2止付部材(50)(60)による前記第1及び第2プレート(30)(31)の止め付けを解除して、前記窓サイド用外壁材(5)を取外可能としたことを特徴とする窓サイド用外壁材の取付構造。
【請求項2】
前記第1止付部材(50)は、前記側枠材(13)に係合する係合材(51)と、この係合材(51)に取り付けた回転軸(52)と、この回転軸(52)周りに回動可能に取り付けて、前記第1プレート(30)を前記側枠材(13)の正面側に押し付ける押さえ材(53)とを備え、前記縦目地部(72)に臨ませた前記操作部としての前記回転軸(52)を回転操作することで、前記押さえ材(53)を回転させて前記押さえ材(53)による押し付けを解除して、前記第1プレート(30)の屋外方向への引き抜きを可能とし、前記第2止付部材(60)は、前記第2プレート(31)に形成した屋内側端部が開放した屋内外方向の横溝(43)を貫通した状態で、前記側枠材(13)若しくは前記側枠材(13)に設けた支持材(62)にねじ込むことで、前記第2プレート(31)を前記側枠材(13)の側面側に押し付ける横ボルト(61)を備え、この横ボルト(61)の前記縦目地部(72)に臨ませた前記操作部として先端部(63)を回転操作することで、前記横ボルト(61)による押し付けを解除して、前記第2プレート(31)の屋外方向への引き抜きを可能とした請求項1記載の窓サイド用外壁材の取付構造。
【請求項3】
前記側枠材(13)は、リップ付き溝形鋼からなり、その正面側のフランジ(13a)に前記第1プレート(30)を止め付けるとともに、側面側のリップ(13b)(13b)間に跨るようにして前記第2プレート(31)を止め付けるようにした請求項1又は2記載の窓サイド用外壁材の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−270323(P2009−270323A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121068(P2008−121068)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】