説明

立体マスクとその使用方法

【課題】本発明は、着用時の快適性の低下を防止しつつ加湿効果に優れた立体マスクならびにこのような立体マスクの簡便なる使用方法の提供を課題としている。
【解決手段】立体マスクに係る本発明は、通気性を有するシート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されており、着用時に前方に膨出した立体形状が保持されるように前記マスク本体部が形成されている立体マスクであって、前記マスク本体部は、その厚み方向中間部に吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートが介装されており、しかも、内表面から前記吸水性シートまでの区間よりも外表面から前記吸水性シートまでの区間の方が高い透水性を有していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体マスクとその使用方法に関し、より詳しくは、通気性を有するシート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されており、着用時に前方に膨出した立体形状が保持されるように前記マスク本体部が形成されている立体マスクとその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガーゼや不織布などといった通気性を有するシート状の部材が着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部の形成に用いられたマスクが知られている。
このマスク本体部は、マスクを使用している間に、呼気に含まれる水分などによって湿気を帯びた状態になりやすく、マスク本体部が平坦なガーゼによって形成された、いわゆるガーゼマスクのようなものでは、この湿気を帯びたマスク本体部を肌に接触させやすく着用者に不快感を与えるおそれがある。
このようなことから、近年、少なくとも着用時において前方に膨出した立体形状が保持されるように形成された立体マスクと呼ばれるマスクが広く用いられており、この立体マスクは、左右二つ折りにされたマスク本体部が左右に広げられて立体形状となるものや、複数本のプリーツがマスク本体部に形成されており、該プリーツを広げることで立体形状となるもの、さらには、マスク本体部が硬質のカップ状となっているものなど、マスク本体部の形状を工夫することで着用者の口周りなどに湿気を帯びたマスク本体部が接触することを防止して快適性の向上を図っている。
【0003】
ところで、近年、咽頭部粘膜の保護などを目的として、マスク本体部に水分を保持させて吸気を加湿することが検討されており、例えば、下記特許文献1には、吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートを、マスク本体部を構成するガーゼの間に介装させたマスクが上記目的に有効であることが記載されている。
この特許文献1のようなマスクは、マスク本体部の内表面の多くの領域を着用者の口周りに接触させるものであり、しかも、マスク本体部が吸水性シートをガーゼの間に介装させて形成されていることから着用者に対して不快感を与えるおそれが高いものである。
【0004】
着用者に対する不快感を防止すべく、立体マスクのマスク本体部に水を含浸させた吸水性シートを収容させることも考え得るが、通常、立体マスクのマスク本体部は、着用時に立体形状が保持されるように複雑な形状に形成されており、マスク本体部から吸水性シートを取り出して水を含浸させた後に戻すことは多大な手間を要し、このような対応を採用することは実質上困難である。
また、立体マスクの製造時において、マスク本体部に予め水を含浸させた吸水性シートを収容させておくことも考え得るが、その場合には、実際に使用するまでに吸水性シートの乾燥が進行して十分な加湿効果が得られないおそれがあり、密封保存するなどして乾燥を防止したとしても、含浸させた水がマスク本体部の内表面側に滲出し、着用時における快適性を低下させるおそれを有する。
【0005】
すなわち、従来のマスクは、着用時における快適性の低下を抑制しつつ優れた加湿効果を発揮させることが困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2003−190307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、着用時の快適性の低下を防止しつつ加湿効果に優れた立体マスクならびにこのような立体マスクの簡便なる使用方法の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための、立体マスクに係る本発明は、通気性を有するシート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されており、着用時に前方に膨出した立体形状が保持されるように前記マスク本体部が形成されている立体マスクであって、前記マスク本体部は、その厚み方向中間部に吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートが介装されており、しかも、内表面から前記吸水性シートまでの区間よりも外表面から前記吸水性シートまでの区間の方が高い透水性を有していることを特徴としている。
【0009】
また、立体マスクの使用方法に係る本発明は、通気性を有するシート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されており、着用時に前方に膨出した立体形状が保持されるように前記マスク本体部が形成されている立体マスクの使用方法であって、前記マスク本体部が、その厚み方向中間部に吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートが介装されており、しかも、内表面から前記吸水性シートまでの区間よりも外表面から前記吸水性シートまでの区間の方が高い透水性を有している立体マスクを用いて、前記マスク本体部の外表面に水を接触させて内部に浸透させることにより、該水を前記吸水性シートに含浸させて使用することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の立体マスクは、マスク本体部の厚み方向中間部に吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートが介装されており、しかも、マスク本体部が、内表面から前記吸水性シートまでの区間よりも外表面から前記吸水性シートまでの区間の方が高い透水性を有している。
また、本発明の立体マスクの使用方法においては、マスク本体部の外表面に水を接触させて内部に浸透させることにより、前記吸水性シートに水が含浸されることとなる。
【0011】
本発明の立体マスクは、上記のような特徴を有することから、マスク本体部の外表面側から内表面側に向けた水の透過性を考えた場合に、外表面から吸水性シートにいたる区間に単位時間当たりに通過される水の量よりも、吸水性シートから内表面にいたる区間に単位時間に通過される水の量の方が少なくなる。
したがって、本発明の立体マスクの使用方法のごとく、マスク本体部の外表面側に水を接触させて水を内部に浸透させた際には、この透過水量の差によって吸水性シートが配されている箇所において水の滞留が生じることとなる。
しかも、このマスク本体部に配されている吸水性シートには、吸水性ポリマーが用いられていることから、この滞留する水の全部又は一部は、吸水性ポリマーに吸収させることができ、内表面側に透過する水量が全く生じないか、又は生じたとしてもわずかな量となる。
すなわち、本発明の立体マスクの使用方法によれば、マスク本体部の外表面に水を接触させるという簡便な方法によって、マスク本体部の内表面への水の付着を抑制させつつ吸水性シートに水を含浸させることができ、着用時における不快感を抑制することができる。
しかも、使用する直前に吸水性シートに水を含浸させうることから加湿効果に優れた状態で立体マスクを使用することができる。
このようなことから、本発明の立体マスクは、着用時における快適性が低下するおそれが十分抑制されうるものであり、且つ加湿効果に優れたものであるといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、シート状の繊維部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されている立体マスクを例示しつつ本発明の好ましい第一の実施形態について説明する。
【0013】
(第一実施形態)
まず、本発明に係る衛生マスクの第一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0014】
図1には、第一実施形態の立体マスク1を正面から見た正面図を示す。図2には、第一実施形態の立体マスク1が着用された状態を斜め上から見た斜視図を示す。また、図3には、図1における立体マスク1がA−A線において切断された断面図を示す。
【0015】
これらの図にも示されているように、第一実施形態の立体マスク1には、シート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部2が形成されており、該マスク本体部2を鼻及び口を覆う状態で着用者に装着させうるように耳掛部3が備えられている。
【0016】
前記マスク本体部2に用いられているシート状の部材は、着用時における息苦しさを着用者に与えることがないように十分な通気性が確保されたものであり、前記マスク本体部2は、使用前においては、このシート状の部材が折り畳まれて正面視横長矩形状となるように形成されている。より具体的には、横方向に延在する折り目4によって前記シート状の部材が上下方向に折り畳まれてマスク本体部2にプリーツ5が形成されている。
そして、マスク本体部2の左右両端部においては、プリーツ5を形成すべく折り畳まれたシート状の部材が、折り畳まれた状態で固定されており、使用時(着用時)において折り畳みを押し広げるようにしてマスク本体部2の中央部を伸展させることにより前方に膨出した立体形状となるように形成されている。
このマスク本体部2を形成するシート状部材は、適度なコシを有しており、しかも、シート状部材どうしをその断面が合掌状態となるように溶着させた溶着ライン7がマスク本体部2の中央部を左右に横断するように設けられており、立体マスク1の使用時においてこの膨出形状を十分保持させ得るように形成されている。
【0017】
また、シート状部材が適度なコシを有していることから、本実施形態の立体マスク1は、プリーツ5を押し広げることによって、実際の使用時とは逆向きに内側に向けて外側から凹入する立体形状にもマスク本体部2の形状を保持させ得るように形成されている。
すなわち、本実施形態の立体マスク1は、外側への膨出形状と内側への凹入形状とのいずれの状態にも形状保持させうるように形成されている。
【0018】
前記マスク本体部2を構成するシート状の部材は、3枚の繊維シートが厚み方向に積層された積層シートであり、本実施形態の立体マスク1を着用した時に外気側となる外側シート2a、着用者側となる内側シート2b、この内側シート2bと前記外側シート2aとの中間に介装されている中間シート2cによって形成されている。
個々の繊維シート2a,2b,2cは、マスク本体部2を通気性に優れたものとし得るように繊維どうしの間に適度な空隙が形成されており、該空隙を通じて厚み方向への通気性が確保されている。
【0019】
このマスク本体部2を構成する3枚の繊維シートの内、外側シート2aと内側シート2bとの間に介装されている前記中間シート2cには、吸水性ポリマーが用いられており、該吸水性ポリマーに水を捕捉させ得るように形成されている。
本実施形態においては、吸水性ポリマーに水を捕捉させ得るように形成されている前記中間シート2c(以下「吸水性シート2c」ともいう)として、吸水性ポリマーが担持されている繊維シートが用いられており、より詳しくは、表面が吸水性ポリマーで被覆された親水性を有する繊維によって構成された繊維シートが用いられている。
この吸水性ポリマーを構成する親水性の繊維としてはパルプ繊維やレーヨン繊維などが挙げられる。
この吸水性シート2cは、上記のような親水性の繊維によって形成された不織布、織布、編物などの繊維シートに吸水性ポリマーを担持させることにより形成されうる。
なお、上記のような親水性の繊維によって不織布を形成させる際には、熱可塑性樹脂繊維などの繊維をさらに用いることによって繊維どうしの接着を実施することができる。
例えば、パルプ繊維とポリオレフィン系の合成樹脂繊維とによってウェブを形成させた後にこのウェブを加熱加圧し、繊維どうしの接着を実施して不織布状態の繊維シートを作製することができる。
【0020】
このような繊維シートに担持させる吸水性ポリマーとしては、その種類が特に限定されるものではないが、吸水性シートに対して優れた保水性ならびに水の除放性を付与することができ、立体マスクに優れた加湿効果を発揮させ得る点において(メタ)アクリル酸塩系樹脂から選択されることが好ましく、なかでもアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のナトリウム塩が特に好ましい。
なお、本明細書中における“(メタ)アクリル酸塩系樹脂”との用語は、“メタクリル酸塩系樹脂”と“アクリル酸塩系樹脂”との両方を包含する意味で用いている。
【0021】
本実施形態にかかる吸水性シート2cとしては、この(メタ)アクリル酸塩系樹脂が、水に対する不溶性が向上された状態で繊維シートに担持されているものが好ましく、(メタ)アクリル酸塩系樹脂が繊維表面に架橋された状態で被覆されている繊維シートが好適である。
このような、(メタ)アクリル酸塩系樹脂を架橋させるための架橋剤としては、(メタ)アクリル酸塩系樹脂の分子中に存在する官能基と反応可能な官能基を分子内に複数有する化合物を挙げることができ、例えば、ポリオールポリグリシジルエーテル等の水溶性エポキシ化合物;エチレンジアミン等の水溶性アミン類;エチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等の水溶性多価アルコール類:などが挙げられる。
【0022】
吸水性ポリマーとしてアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のナトリウム塩が用いられる場合においてはエチレングリコールジグリシジルエーテルのような多価アルコールのグリシジルエーテルによって架橋された状態で繊維表面に被覆されることが好ましい。
【0023】
また、例えば、ポリアクリル酸塩架橋物、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体、アクリルアミド共重合体架橋物の加水分解物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体中和物、カルボキシメチルセルロース塩の架橋物などを、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のナトリウム塩をエチレングリコールジグリシジルエーテルによって架橋させた架橋物に加えて担持させた繊維シートも吸水性シート2cとして用いることができる。
また、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のナトリウム塩をエチレングリコールジグリシジルエーテルによって架橋させた架橋物に代えてこれらが繊維表面に被覆されている繊維シートも吸水性シート2cとして採用することができる。
【0024】
なお、吸水性シート2cは、繊維シート全面に吸水性ポリマーを担持させる必要はなく、むしろ、部分的に吸水性ポリマーが担持されていない箇所を形成させることによって、この吸水性シートの通気性を向上させることができ、ひいては、立体マスク1の使用時における息苦しさを低減することができる。
このような場合においては、例えば、吸水性ポリマーが担持されている領域を、幅数mmのライン状として、このライン状の吸水性ポリマー担持領域を1本、又は複数本形成させたり、あるいは、複数本のライン状の吸水性ポリマー担持領域を交差させて格子状の吸水性ポリマー担持領域を形成させたりすることができる。
また、直径数mmの円形や、矩形状の吸水性ポリマー担持領域を配列させた状態とすることもできる。
【0025】
この吸水性シート2cは、加湿機能の観点から吸水性シート単体の吸水倍率(吸水後のシート重量を吸水前のシート重量で除した値)が5〜10倍の何れかの値となるように吸水性ポリマーの担持量が調整されていることが好ましい。
吸水性シート2cの吸水倍率として、このような範囲内であることが好ましいのは、吸水倍率が5倍未満では加湿性能が十分でなく、吸水倍率が10倍を超えると吸水後のマスク重量が重くなり、立体マスクを装着した時に着用者が重く感じたり、立体マスクがズリ落ちたりしてしまうといった問題を生じるおそれがあるためである。
この様な吸水性シートとしての吸水倍率に調整するためには吸水性ポリマーそのものの吸水倍率が、50〜200倍の何れかであることが好ましく、吸水性シートにおける単位面積あたりの吸水性ポリマーの担持量が0.5〜4g/m2であることが好ましい。特に、吸水性ポリマーそのものの吸水倍率が100〜150倍の何れかであり、吸水性ポリマーの担持量が1〜2g/m2であることが好ましい。
【0026】
吸水性ポリマーが担持される前の繊維シート(以下「基材シート」ともいう)は、その目付けが、10〜50g/m2の何れかであることが好ましい。
基材シートの目付けが、このような範囲内の何れかであることが好ましいのは、目付けが10g/m2未満の場合には吸水性シート2cの吸水量が少なくなり、50g/m2を超えると立体マスク製造時における加工性を低下させるおそれを有するためである。
また、通気性を確保し、着用者が息苦しさを感じないという観点から吸水性シート2cを吸水させた後の圧力損失は49Pa以下であることが好ましい。
吸水後の吸水性シートの圧力損失を49Pa以下に調整するためには、例えば、前記のように吸水性ポリマーが担持されていない領域を設け、この領域と吸水性ポリマーが担持されている領域との面積比率を調整する方法が挙げられる。
また、例えば、部分的に打ち抜き孔を設けた繊維シートを吸水性シートに用い、その孔径や孔数を調整する方法が挙げられる。
なお、この圧力損失については、例えば、図9に示す装置を用いて、空気流量を12 l/分に設定し、繊維シート(吸水性シート)を空気が通過する線速度を6cm/秒となるようにして通過させ、繊維シート通過前後における圧力差を差圧計で測定して求めることができる。
【0027】
前記外側シート2aと前記内側シート2bについては、通気性を有するシートであればその構造が特に限定されるものではなく、通常、吸水性シートに比べて無視できる程度に低い通気抵抗の繊維シートを採用することができる。
ただし、外表面から吸水性シートまでの区間を構成する外側シート2aが、内表面から吸水性シートまでの区間を構成する内側シート2bよりも透水性が高いことが重要である。
【0028】
例えば、この外側シート2aに、織布、編物等の繊維間に大きな空隙が形成された(目の粗い)繊維シートを採用する一方で、この外側シート2aよりも細かな空隙を有する不織布等を内側シート2bに採用することによって外側シート2aの透水性を内側シート2bよりも高くさせることができる。
なお、この外側シート2aや内側シート2bの透水性については、略垂直に立設させたパイプの上端部に両面テープを貼付した後、評価する繊維シートを、パイプの開口を覆った状態でパイプの上端に前記両面テープによって張り付け、その後、繊維シートの上部10mmの位置から容量10mlのビュレットを用いて水滴を1滴落とし、この水滴がシート上から見えなくなるまでの時間を比較することによって判定することができる。
すなわち、よりすばやく水滴が吸収される繊維シートを、透水性に優れた繊維シートとして判定することができる。
【0029】
なお、前記内側シート2bについては、着用者の肌に接する側となることから、ベタツキ感をなくして、着用時の快適性を向上させるべくポリオレフィン系樹脂など撥水性の繊維によって形成された繊維シートが用いられることが好ましい。
【0030】
前記耳掛部3については、従来の立体マスクに用いられているものと同様のものを用いることができ、伸縮性の布地やゴム紐等をその構成部材として採用することができる。
【0031】
この第一実施形態に係る立体マスク1の製造方法については、例えば、マスク本体部2と横方向の寸法が略同一で、縦方向の寸法がプリーツ5の部分において重なり合う分だけマスク本体部2の縦方向寸法よりも長い縦長矩形状に裁断された内側シート2b、吸水性シート、及び外側シート2aの各シートを用意してこれらを重ね合わせ、この重ね合わされたものを、作製するマスク本体部2と同じ大きさとなるように上下に折り畳んでプリーツ形状を形成させるとともに、この折り畳まれたシートの縦方向中央部を断面合掌状態となるように外側につまんだ状態でシートどうしを溶着し、この溶着を左右に横断するラインに沿って実施することによって溶着ライン7を形成させる方法が挙げられる。
その後、さらに、四周部にスポット溶着箇所8を形成して3枚の繊維シートを一体化させてマスク本体部2を形成し、これに耳掛部3を取り付ける方法などによって第一実施形態の立体マスク1を作製することができる。
【0032】
なお、このような立体マスクの全体構造の形成に先立って、前記基材シートに吸水性ポリマーを担持させて吸水性シートを作製する必要があるが、この吸水性シートの作製に際しては、吸水性ポリマーを架橋剤とともに水やアルコールなどの溶媒中に分散させた溶液を作製し、この溶液を基材シートに吹きつけるなどしてその表面に塗工した後に、加熱して溶媒を除去させるとともに架橋剤による吸水性ポリマーの熱架橋を実施する方法が好適である。
このような方法を採用することにより、繊維の表面に吸水性ポリマーの強固な被膜が形成されることとなり、水との接触面積が大きく確保された状態で吸水性ポリマーが担持されている繊維シートを得ることができる。
また、このとき基材シートへの溶液の吹き付けを部分的なものとすることで、吸水性ポリマーが担持されている領域と、吸水性ポリマーが担持されていない領域とが形成された吸水性シートを作製することができる。
【0033】
このようにして形成された立体マスク1は、マスク本体部の外表面に水を接触させるという簡便な方法によって、マスク本体部の内表面への水の付着を抑制させつつ吸水性シートに水を含浸させることができ、着用時における不快感を抑制することができる。
しかも、使用する直前に吸水性シートに水を含浸させうることから吸水性シートに十分水を含浸させることができ加湿効果に優れた状態で立体マスクを使用することができる。
このようなことから、本実施形態の立体マスクは、着用時における快適性が低下するおそれが十分抑制されうるものであり、且つ加湿効果に優れたものであるといえる。
【0034】
なお、本実施形態においては、吸水性ポリマーが担持されている繊維シートを吸水性シートに用いる場合を例に立体マスクを説明したが、吸水性ポリマーによって形成された繊維で形成された繊維シートを吸水性シートに用いる場合も本発明の意図する範囲である。
また、その他にも上記例示に限定されることなく各種の変更を加えることができ、本発明の効果が著しく損なわれない範囲においては、従来公知の立体マスクに採用されている技術事項を本実施形態の立体マスクに採用することができる。
【0035】
(第二実施形態)
次いで、本発明の第二の実施形態について、図4、図5を参照しつつ説明する。
図4は、第二実施形態にかかる立体マスク1’が右辺側と左辺側とが重なり合うように半分に折りたたまれた様子を右辺側から見た場合の側面図である。
この図4に示すように、本実施形態にかかる立体マスク1’も、第一実施形態の立体マスク1と同様に、着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部2’と、該マスク本体部2’の両側部に取り付けられた左右一対の耳掛部3’とから構成されている。
【0036】
前記マスク本体部2’が、3枚の繊維シートが積層されたシート部材で構成されており、3枚の繊維シートの内の中央の繊維シートに吸水性ポリマーが担持されている点は、第一実施形態の立体マスク1と同じである。
この第二実施形態の立体マスク1’のマスク本体部2’には、V字状の切り欠きが接合された接合部が設けられていることで図4に示す左右二つ折りにされた状態から左右に広げられた際に前方に膨出する立体形状が形成される点において、プリーツ5を広げることで立体形状が形成される第一実施形態の立体マスク1とは異なっている。
【0037】
すなわち、第二実施形態の立体マスク1’のマスク本体部2’には、その上縁側中央部から下縁側に向けて形成されたV字状の切り欠きが、そのV字を形成する一方の斜辺に相当する箇所と他方の斜辺に相当する箇所とを当接させた状態となるように接合されてなる接合部25が設けられている。
さらに、前記マスク本体部2’には、その下縁側中央部から上縁側に向けて形成されたV字状の切り欠きが、そのV字を形成する一方の斜辺と他方の斜辺とを当接させた状態となるように接合されてなる接合部26が設けられており、この上縁側の接合部25と下縁側の接合部26が設けられることにより、左右に広げられた状態での前記マスク本体部2’が、着用者の鼻や口を覆うように前方に膨出した立体形状となる。
なお、マスク本体部2’の形成に適度なコシを有する通気性のシート部材が用いられていることで、マスク本体部2’が、外側への膨出形状と内側への凹入形状とのいずれの状態にも形状保持させうるように形成されている点についても第一実施形態の立体マスク1と同じである。
【0038】
この第二実施形態の立体マスク製造方法について、図5を参照しつつ説明する。
図5の(a)は、本実施形態にかかる立体マスク1の製造方法を示す平面図であり、(b)は、図5(a)におけるX−X’線矢視断面図である。
まず、第一実施形態における内側シート2b、吸水性シート2c、外側シート2aに相当する繊維シートを長尺帯状の状態で用意し、これらを3枚重ね合わせた積層体30Mを用意する。
次いで、耳掛部3’の形成に用いられる2枚の長尺帯状の伸縮性繊維シート30R、30Lを用意し、この伸縮性繊維シート30R、30Lを積層体30Mの幅よりも短い距離だけ離間させた状態で平行に並べ、この2枚の長尺帯状の伸縮性繊維シート30R、30Lの間に積層体30Mを配置して、その両側縁を2枚の伸縮性繊維シート30R、30Lの側縁にそれぞれ重ね合わせるとともにこの重ね合わされた部分に沿って溶着を実施して積層体30Mの両側縁部に沿った帯状のスポット溶着箇所8’を形成させて積層体30Mの両側に伸縮性繊維シート30R、30Lが接着された幅広な長尺帯状の原料シートを作製する。
【0039】
次に、一方の伸縮性繊維シート30Rと他方の伸縮性繊維シート30Lとを、端縁がそろえられた状態となるように重なり合わせるべく、積層体30Mの中心線Cに沿って原料シートを二つ折りにする。
このとき、図中“V1”にて示すV字状の長破線の一方の斜辺と、他方の斜辺とが重なりあう状態となるとともに、図中“V2”にて示す逆V字状の長破線の一方の斜辺と、他方の斜辺とが重なりあう状態となる。
そして、この重なり合った長破線部分を溶着し“V1”にて示される箇所を接合部25とし、“V2”にて示される箇所を接合部26として形成させる。
その後、原料シートが半分に折りたたまれている状態のまま、図中“Z”にて示す破線に沿った切断状態となるように外形を打ち抜くことにより、図4に示すような右辺側と左辺側とが重なり合うように半分に折りたたまれた状態の立体マスク1’を製造することができる。
【0040】
この第二実施形態の立体マスク1’も、マスク本体部の外表面に水を接触させるという簡便な方法によって、マスク本体部の内表面への水の付着を抑制させつつ吸水性シートに水を含浸させることができ、着用時における不快感を抑制することができる点においては第一実施形態の立体マスク1と同様である。
また、第一実施形態において説明した変更事項を本実施形態の立体マスクにも採用が可能である。
【0041】
(立体マスクの使用方法)
この第一実施形態の立体マスク1、ならびに第二実施形態の立体マスク1’は、その使用に際しては以下に示すような手順を採用することができる。
この使用方法を第一実施形態の立体マスク1を例に説明する。
まず、立体マスク1のプリーツ5を押し広げてマスク本体部2を立体形状にさせる。
このとき、実際の着用状態とは逆向きの立体形状とさせる。
すなわち、外側シート2aを内向きに凹入させ、内側シート2bを膨出させた状態とし、外側シート2a側を上面に向けてこの凹入部に水を注ぎ入れる。
その状態でしばらく静置して、外側シート2aの側から水を浸透させて吸水性シート2cに水を含浸させた後に、余分の水を廃棄し、マスク本体部2の立体形状を本来の使用状態(体前方側に膨出する状態)となるように整えて装着する。
【0042】
この使用方法においては、水を外側シート2aに接触させた状態で貯留することから、この貯留している水の水圧によってその浸透力を加勢させることができ、よりすばやく吸水性シート2cに水を含浸させることができる。
しかも、貯留する水量が目視にて確認できることから、余分な水が吸水性シート2cを通過して内側シート2bを濡らしてしまうことを防止することができる。
このように、上記使用方法によれば、吸水性シート単体をマスクから取り外して水分を含浸させるような従来の使用方法に比べて、簡便なる方法で着用時における優れた加湿効果を得ることができる。
【0043】
一方で、例えば、上記のような使用方法に代えて、プリーツ5を押し広げることなく、マスク本体部2を平坦な状態とさせておいて、水を連続的に供給して、マスク本体部2の外表面を伝って流れ落ちる状態にして吸水性シート2cに水を含浸させる方法も採用可能である。
この場合には、吸水性シート2cに十分水が含浸された際に外側シート2aから吸い込まれる水の量が変化することから、この水の吸収状況を観察することで吸水性シート2cを通過した水によって内側シート2bを濡らしてしまうことを防止することができる。
【0044】
さらには、この立体マスク1全体を水中に没して、外側シート2aと内側シート2bとの両面から吸水性シート2cに水を含浸させることも可能である。
この場合には、内側シート2bに水を付着させてしまうこととなるが、吸水性シート2cへのすばやい水の含浸を行うことができる。
そして、水の含浸後には、マスク本体部2を緩く絞って余分な水を脱水し、必要に応じて内側シート2bに付着した水分をふき取るなどして使用することができる。
【0045】
本実施形態の立体マスクは、吸水性シートに吸水性ポリマーが用いられていることから、保水性に優れるとともに水の除放性に優れており、睡眠時における使用においてその効果が顕著に発揮される。特に、冬場などの乾燥時期において外気に対して加湿を行って吸入させることで咽頭粘膜を保護させることができる。
また、本実施形態の立体マスクは、保水性に優れることから寝具を濡らしてしまうおそれが低く、しかも、睡眠期間中に長期連続的に適度な水分を着用者の吸気に付加させることができる。
上記例示の方法によって使用することで上記効果が得られる点については、第二実施形態に示した立体マスク1’も同様である。
なお、本発明は、立体マスクの使用方法をこのような例示の方法に限定するものではなく種々の方法によって使用することができる。
例えば、水に香料や薬効成分等を加えてこれらを着用者に吸引させることも可能である。
【実施例】
【0046】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
(吸水性シートの製造)
アクリル酸−アクリル酸エステル系共重合体ナトリウム塩(互応化学工業社製、商品名「RD−144」)100重量部に対し、0.2重量部となるポリオールポリグリシジルエーテル(互応化学工業社製、商品名「RD−144A」)をイオン交換水で10倍に希釈した水溶液を加えて、この水溶液にアクリル酸−アクリル酸エステル系共重合体ナトリウム塩が分散された吸水性ポリマー溶液を作製した。
パルプ繊維が用いられてなる基材シート(金星製紙株式会社製、目付け45g/m2の不織布、商品名「AL045TCDPH」)に吸水性ポリマー溶液を、5g/m2(wet)の塗布量となるように塗布し後に130℃×10分間の乾燥(架橋)を実施して、乾燥後の吸水性ポリマーの担持量が1.5g/m2となるようにして吸水性シートを作製した。
また、この吸水性シートには、直径2mmの孔を1100個/m2の割合で設け、通気性の向上を図った。
【0048】
(立体マスクの作製)
下記に示す素材が用いられた幅180mmの長尺帯状の繊維シートを(外側シート/吸水性シート/内側シート)の順に積層して、両側縁部を超音波溶着させてマスク本体部を形成させるためのシート状の部材を作製した。

外側シート :レーヨンサーマルボンド不織布(金星製紙株式会社製、目付け18g/
2の不織布、商品名「18DR」)
吸水性シート:上記製造した吸水性シート
内側シート :ポリオレフィン系樹脂繊維が用いられてなる不織布(金星製紙株式会社
製、目付け20g/m2の不織布、商品名「20J」)
【0049】
(実施例1)
このシート状の部材に、その幅方向に沿って延在する折り目を設けて所定長さで切断することにより、三本のプリーツが設けられた、長さ95mm×幅180mmのマスク本体部を作製して実施例1の立体マスクを作製した。
【0050】
(実施例2)
先のシート状の部材を、図4に示すような立体マスクのマスク本体部の作製に用いて実施例2の立体マスクを作製した。
【0051】
(装着試験)
実施例1及び実施例2の立体マスクを水中に浸漬させて内部に介装させた吸水性シートに水を含浸させた。
その後、水中から引き上げて軽く振って余分な水分を除去した後に装着した。
このとき、いずれの実施例の立体マスクも肌に濡れた感覚は伴わず不快感を生じることはなかった。
【0052】
(加湿性評価)
実施例1、実施例2の立体マスクにそれぞれ装着試験と同様にして、吸水性シートに水を含浸させ、気温24℃、相対湿度60%、無風の恒温室内においてその重量変化を測定した。
また、吸水性シートに代えて、吸水性ポリマーを担持させずに繊維シート(基材シート)のみを用いたこと以外は実施例1の立体マスクと同様に作製した立体マスク(比較例)についても同様に重量変化を測定した。
結果を、図6〜8に示す。
【0053】
この図6〜8からもわかるように、本発明によれば、加湿効果に優れた立体マスクが提供されうることがわかる。
しかも、本発明の立体マスクは、簡便なる方法で長期持続性を有する加湿効果を得ることができ、就寝前に装着して睡眠中も着用を継続させるような使用態様において好適なものであることもわかる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】一実施形態の立体マスクを示す平面図。
【図2】一実施形態の立体マスクを示す斜視図。
【図3】図1におけるA−A線矢視断面図。
【図4】他実施形態の立体マスクを示す側面図。
【図5】他実施形態の立体マスクの製造方法を示す平面図(a)及びX−X’線矢視断面図(b)。
【図6】実施例1の立体マスクの加湿性能を示す重量変化グラフ。
【図7】実施例2の立体マスクの加湿性能を示す重量変化グラフ。
【図8】比較例の立体マスクの加湿性能を示す重量変化グラフ。
【図9】圧力損失の測定方法を示す概略図。
【符号の説明】
【0055】
1,1’:立体マスク、2,2’:マスク本体部、2a:外側シート、2b:内側シート、2c:中間シート(吸水性シート)、3,3’,3R,3L:耳掛部、4:折り目、5:プリーツ、7:溶着ライン、8、8’:スポット溶着箇所、21:第一の不織布、22:第二の不織布、25:接合部、26:接合部、30R、30L:伸縮性繊維シート、31:耳掛け孔、C:中心線、Z:打ち抜き加工線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性を有するシート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されており、着用時に前方に膨出した立体形状が保持されるように前記マスク本体部が形成されている立体マスクであって、
前記マスク本体部は、その厚み方向中間部に吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートが介装されており、しかも、内表面から前記吸水性シートまでの区間よりも外表面から前記吸水性シートまでの区間の方が高い透水性を有していることを特徴とする立体マスク。
【請求項2】
前記吸水性シートには、吸水性ポリマーが担持されている繊維シートが用いられている請求項1記載の立体マスク。
【請求項3】
前記吸水性ポリマーは、該吸水性ポリマーが溶媒中に分散された溶液が作製された後に、該溶液が繊維シートの表面に塗布、乾燥されることにより、繊維シートに担持されている請求項2記載の立体マスク。
【請求項4】
前記溶液が、前記繊維シートに部分的に塗布されることにより、前記吸水性シートには、吸水性ポリマーが担持されている領域と、吸水性ポリマーが担持されていない領域とが形成されている請求項3記載の立体マスク。
【請求項5】
前記溶媒中に分散される吸水性ポリマーとして、(メタ)アクリル酸塩系樹脂から選ばれる少なくとも1種が用いられており、該吸水性ポリマーを含む溶液が繊維シートに塗布された後に前記吸水性ポリマーが架橋されて、該架橋された吸水性ポリマーが前記繊維シートに担持されている請求項3又は4に記載の立体マスク。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸塩系樹脂が、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体のナトリウム塩であり、多価アルコールのグリシジルエーテルによって前記架橋されている請求項5記載の立体マスク。
【請求項7】
睡眠中の着用者に外気を加湿して吸気させるべく、前記吸水性シートに水を含浸させた状態で用いられる請求項1乃至6の何れか1項に記載の立体マスク。
【請求項8】
着用時における膨出形状とは逆向きにマスク本体部を凹入させて、該凹入箇所に水を貯留することによりマスク本体部の外表面側から水を浸透させて吸水性シートに水を含浸させ得るように、前方に膨出する立体形状と、逆向きに凹入する立体形状とのいずれにも形状保持させ得るマスク本体部が備えられている請求項1乃至7の何れか1項に記載の立体マスク。
【請求項9】
通気性を有するシート状の部材によって着用者の鼻及び口を覆うマスク本体部が形成されており、着用時に前方に膨出した立体形状が保持されるように前記マスク本体部が形成されている立体マスクの使用方法であって、
前記マスク本体部が、その厚み方向中間部に吸水性ポリマーが用いられてなる吸水性シートが介装されており、しかも、内表面から前記吸水性シートまでの区間よりも外表面から前記吸水性シートまでの区間の方が高い透水性を有している立体マスクを用いて、前記マスク本体部の外表面に水を接触させて内部に浸透させることにより、該水を前記吸水性シートに含浸させて使用することを特徴とする立体マスクの使用方法。
【請求項10】
前記マスク本体部を、水中に浸漬させることにより前記吸水性シートへの水の含浸を実施する請求項9記載の立体マスクの使用方法。
【請求項11】
着用時における膨出形状とは逆向きに凹入する立体形状を保持させ得るマスク本体部が備えられている立体マスクを用いて、マスク本体部を前記凹入する形状に保持させて、該凹入箇所に水を貯留することによりマスク本体部の外表面側から水を浸透させて吸水性シートに水を含浸させる請求項9記載の立体マスクの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−35563(P2010−35563A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197895(P2008−197895)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】