説明

立体映像表示装置および立体映像表示方法

【課題】電子シャッタ眼鏡の調整用の特別な装置の設置作業といった煩わしい作業を伴うことなく、クロストークが発生しているか否かを容易に確認することが可能となる。
【解決手段】立体映像表示装置110は、左眼用映像データと右眼用映像データとを取得する映像取得部150と、表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得するガイドデータ取得部160と、取得された第1ガイドデータを左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方にのみ重畳する映像加工部162と、第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方と、取得された左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方とをディスプレイに交互に表示させる表示制御部164と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両眼視差によって立体映像を知覚させることができる左右映像データを表示することが可能な立体映像表示装置および立体映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイの表示面上に、両眼視差のある左右2つの映像を表示し、ユーザ(観察者)に対してあたかもオブジェクトが立体的に存在するように知覚させる立体映像技術が脚光を浴びている。このような立体的な映像表示を実現するための技術については、様々な提案がなされており、例えば、電子シャッタ方式(アクティブタイプ)や、μpolやXpol(登録商標)といった偏光フィルタ方式(パッシブタイプ)が提案されている。
【0003】
前者の電子シャッタ方式を採用する場合、立体映像表示装置は、左眼用の映像データ(左眼用映像データ)と右眼用の映像データ(右眼用映像データ)とをそれぞれ交互に切換表示する。そして、ユーザは、左右の電子シャッタを左眼用映像データと右眼用映像データと(以下、単に左右映像データと称する)の切換表示に同期させて開閉する電子シャッタ眼鏡を通じて、左眼映像を左眼で、右眼映像を右眼で、時分割かつ交互に視認することで、両眼視差による立体映像を知覚することが可能となる。
【0004】
電子シャッタ方式では、左右映像データの切換表示と電子シャッタ眼鏡の開閉とが同期していないと、左眼で視認する際に右眼映像が、右眼で視認する際に左眼映像が混入する所謂クロストークが生じてしまう。また、左右映像データの切換表示と電子シャッタの開閉とを同期させても、左右映像データを表示する表示デバイス(ディスプレイ)の応答速度が遅かったり、電子シャッタ眼鏡の開閉の応答速度が遅かったりすると、同様にクロストークが生じ得る。そこで、電子シャッタ眼鏡の開時間を左シャッタと右シャッタとでそれぞれ短くすればクロストークを削減できるが、短くしすぎると輝度が低下してしまうといった問題があった。
【0005】
そこで、左眼用映像データと右眼用映像データそれぞれに判別マークを重畳してディスプレイに表示させ、判別マーク検出装置による判別マークの検出結果に応じて、電子シャッタ眼鏡の開閉タイミングを調整する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009―302270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献1の技術では、電子シャッタ眼鏡の開閉タイミングを調整するためだけに判別マーク検出装置を別途準備する必要があった。また、ユーザは、電子シャッタ眼鏡の調整のためだけに、わざわざ判別マーク検出装置をディスプレイに取り付けなければならず、煩わしい設置作業を強いられていた。さらに、電子シャッタ眼鏡の調整時以外は、判別マーク検出装置を別途保管する必要があり面倒であった。
【0008】
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、電子シャッタ眼鏡の調整用の特別な装置の設置作業といった煩わしい作業を伴うことなく、クロストークが発生しているか否かを容易に確認することが可能な立体映像表示装置および立体映像表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の立体映像表示装置は、立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得する映像取得部と、表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得するガイドデータ取得部と、取得された第1ガイドデータを左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方にのみ重畳する映像加工部と、第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方が1または複数回連続した第1セットデータと、取得された左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方を1または複数回連続した第2セットデータとをディスプレイに交互に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ガイドデータ取得部は、ディスプレイの表示画面垂直方向に延長され、第1オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第2オンスクリーンディスプレイ画像を示す第2ガイドデータをさらに取得し、映像加工部は、左眼用映像データおよび右眼用映像データのうち、第1ガイドデータを重畳していない映像データに第2ガイドデータを重畳し、表示制御部は、第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方と、第2ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方とをディスプレイに交互に表示させてもよい。
【0011】
ガイドデータ取得部は、ディスプレイの表示画面垂直方向に延長され、第1オンスクリーンディスプレイ画像および第2オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第3オンスクリーンディスプレイ画像を示す第3ガイドデータと、ディスプレイの表示画面垂直方向に延長され、第1オンスクリーンディスプレイ画像、第2オンスクリーンディスプレイ画像および第3オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第4オンスクリーンディスプレイ画像を示す第4ガイドデータをさらに取得し、映像加工部は、第1セットデータおよび第2セットデータのいずれかの一方のセットデータのうち、ディスプレイに表示させる最先の映像データに第1ガイドデータを、ディスプレイに表示させる最後の映像データに第3ガイドデータをそれぞれ重畳し、第1ガイドデータおよび第3ガイドデータを重畳していない、第1セットデータおよび第2セットデータの他方のセットデータのうち、ディスプレイに表示させる最先の映像データに第2ガイドデータを、ディスプレイに表示させる最後の映像データに第4ガイドデータをそれぞれ重畳し、表示制御部は、第1ガイドデータおよび第3ガイドデータが重畳されたセットデータと、第2ガイドデータおよび第4ガイドデータが重畳されたセットデータとをディスプレイに交互に表示させてもよい。
【0012】
第1オンスクリーンディスプレイ画像は、第1オンスクリーンディスプレイ画像自体の長さを把握可能な態様で形成されてもよい。
【0013】
ガイドデータ取得部は、ディスプレイの垂直方向の位置が把握可能な指標を示す指標データをさらに取得し、映像加工部は、左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方に指標データをさらに重畳してもよい。
【0014】
ユーザの操作入力を受け付ける操作部と、ユーザの操作入力に応じて、電子シャッタを備える電子シャッタ眼鏡の左右の電子シャッタの開閉を制御するシャッタ信号の開始時点と終了時点を調整するシャッタ信号調整部と、調整されたシャッタ信号を電子シャッタ眼鏡に送信する信号送信部と、をさらに備えてもよい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の立体映像表示装置は、立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得する映像取得部と、表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得するガイドデータ取得部と、左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方のみを、取得された第1ガイドデータに置換する映像加工部と、第1ガイドデータと、取得された左眼用映像データおよび右眼用映像データのうち、第1ガイドデータに置換されていない映像データとをディスプレイに交互に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の立体映像表示方法は、立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得し、表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得し、取得した第1ガイドデータを左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方にのみ重畳し、第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方が1または複数回連続した第1セットデータと、取得した左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方を1または複数回連続した第2セットデータとをディスプレイに交互に表示させることを特徴とする。
【0017】
上述した立体映像表示装置の技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該立体映像表示方法にも適用可能である。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明は、クロストークが発生しているか否かを容易に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態にかかる立体映像表示システムを構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。
【図2】倍速処理機能を用いた表示処理と、電子シャッタ眼鏡の開閉タイミングを説明するための説明図である。
【図3】第1の実施形態にかかる立体映像表示装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図4】アドレス制御部の処理を説明するための説明図である。
【図5】映像加工部の処理を説明するための説明図である。
【図6】映像加工部の構成の一例を説明するための説明図である。
【図7】映像加工部の他の構成例を説明するための説明図である。
【図8】シャッタ信号調整部の処理を説明するための説明図である。
【図9】映像取得部、映像処理部、フレームメモリ、映像加工部の他の構成を説明するための説明図である。
【図10】第1の実施形態にかかる立体映像表示方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】第2の実施形態にかかる立体映像表示装置の概略的な機能を示した機能ブロック図である。
【図12】アドレス制御部の処理を説明するための説明図である。
【図13】映像加工部の処理を説明するための説明図である。
【図14】第2の実施形態にかかる立体映像表示方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0021】
(第1の実施形態:立体映像表示システム100)
図1は、第1の実施形態にかかる立体映像表示システム100を構成する各装置の概略的な関係を示した説明図である。図1に示すように、立体映像表示システム100は、立体映像表示装置110と、電子シャッタ眼鏡120とを含んで構成される。立体映像表示装置110は、例えば、放送電波を通じて放送局112から、もしくは、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線等の通信網114を通じてサーバ装置116から、または、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリといった記憶媒体118から、水平視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得し、装置自体に搭載されたディスプレイに表示する。
【0022】
電子シャッタ眼鏡120は、ユーザの左眼に対応する左の電子シャッタ(例えば、液晶シャッタ)と右眼に対応する右の電子シャッタが設けられ、左眼用映像データと右眼用映像データ(左右映像データ)の切り換えタイミングに同期させて、左眼用映像データを表示させているときには左の電子シャッタ(以下、単に左シャッタと称する)を開、右の電子シャッタ(以下、単に右シャッタと称する)を閉にし、右眼用映像データを表示させているときには左シャッタを閉、右シャッタを開にする。ユーザは、電子シャッタ眼鏡120を装着することによって、立体映像表示装置110で表示される左眼用映像データのみを左眼で、右眼用映像データのみを右眼で視認して、両眼視差による立体映像を知覚することができる。
【0023】
本実施形態の立体映像表示装置110は、左眼用映像データおよび右眼用映像データを2系統で並行に取得したときのフレーム周波数(フレームレート)が例えば60Hzである場合、取得したフレーム周波数の4倍(240Hz)の周波数で、同一の左眼用映像データと、同一の右眼用映像データとを2回ずつ交互にディスプレイに表示させる倍速処理機能を有している。
【0024】
図2は、上記倍速処理機能を用いた表示処理と、電子シャッタ眼鏡120の開閉タイミングを説明するための説明図である。立体映像表示装置110が、左眼用映像データと右眼用映像データとで構成される映像信号である左右映像データを、例えば、60Hzのフレーム周波数で、2系統で並行に取得する。ここで、フレームシーケンシャル方式における、1画面を表示するための全画素の情報を有する左眼用映像データと1画面を表示するための全画素の情報を有する右眼用映像データをそれぞれフレームデータといい、立体映像表示装置110は、フレーム周波数に従ったフレーム期間でフレームデータをディスプレイに表示させる。
【0025】
ここで立体映像表示装置110に上記倍速処理機能を用いない場合、左眼用映像データと、右眼用映像データとを、取得したフレーム周波数の2倍(120Hz)で交互に表示することとなる。
【0026】
立体映像表示装置110に上記倍速処理機能を用いる場合、ディスプレイ(例えば、走査線が1080本)は、図2(a)に示すように、同一の左眼用映像データ(図2中クロスハッチングで示す)と同一の右眼用映像データ(図2中白色で示す)とをそれぞれ2回ずつ繰り返し表示するので、映像データを2系統で並行して取得した場合のフレーム周期の間に(1フレーム期間)、同一の左眼用映像データ(図2中、FRD1、2)を連続して2回、同一の右眼用映像データ(図2中、FRD3、4)を連続して2回表示することになる。したがって、上記倍速処理機能を用いた場合のディスプレイに表示させる際のフレーム周波数は、映像データを2系統で並行して取得した場合のフレーム周波数の4倍(2系統で並行して取得した場合のフレーム周波数が60Hzの場合240Hz)となる。
【0027】
かかる倍率処理機能を用いることで、ディスプレイによる左右映像データの走査時間(走査開始から走査終了までの時間)を短縮することができる。したがって、上記倍速処理機能を用いない場合と比較して、左右映像データの書き換え(切り換え)時間を短くし、片眼用映像データのみが画面に表示されている時間を長くとることができるので、電子シャッタ眼鏡120の電子シャッタを開にできる時間を延長させて左右映像データの輝度を向上することが可能となる。
【0028】
ここで右眼用映像データから左眼用映像データに移行する走査期間Xと、左眼用映像データから右眼用映像データに移行する走査期間Yは、左眼用映像データと右眼用映像データとが混在する状態であるため、走査期間X、Yで電子シャッタ眼鏡120が開になっているとクロストークを生じてしまう。
【0029】
そこで、図2(b)に示すように、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタを、FRD0の右眼用映像データの表示終了時点から開とし、FRD3の右眼用映像データが表示開始する前に閉とするように調整すればクロストークが生じない。本実施形態では、電子シャッタ眼鏡120の右シャッタについても左シャッタと同様の調整を行うが、説明の便宜のため、左シャッタについてのみ説明し、右シャッタについては説明を省略する。
【0030】
ここで、ディスプレイの応答速度が遅かったり、電子シャッタ眼鏡120の開閉の応答速度が遅かったりするとやはりクロストークが生じ得る。そこで、図2(c)に示すように、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタを、FRD0の右眼用映像データの表示終了時点からディスプレイの応答時間Pを加算した時点に開とし、FRD3の右眼用映像データの表示開始時点から電子シャッタ眼鏡120の応答時間Qを考慮して早めた(前倒しした)時点に閉とするように調整すれば、クロストークを発生させることなくユーザに立体映像を知覚させることができる。しかし、室温の変化や経時等によってディスプレイや電子シャッタ眼鏡120の応答速度が変わった場合や、調整した電子シャッタ眼鏡120以外の他の電子シャッタ眼鏡を用いる場合には、やはりクロストークが生じてしまう。
【0031】
そこで、本実施形態は、クロストークが発生しているか否かを容易に確認でき、さらにクロストークが生じている場合において電子シャッタの開閉タイミングを調整することが可能な立体映像表示装置110について説明する。以下、立体映像表示装置110を構成する各機能部について説明し、その後、当該立体映像表示110を用いた立体映像表示方法を詳述する。
【0032】
(立体映像表示装置110)
図3は、第1の実施形態にかかる立体映像表示装置110の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図3に示すように、立体映像表示装置110は、映像取得部150と、映像処理部152と、フレームメモリ154と、アドレス制御部156と、ガイドデータ生成部158と、ガイドデータ取得部160と、映像加工部162と、表示制御部164と、ディスプレイ166と、シャッタ信号生成部168と、操作部170と、シャッタ信号調整部172と、信号送信部174とを含んで構成される。
【0033】
映像取得部150は、立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データ(左右映像データ)を、例えば、それぞれ60Hzのフレーム周波数で取得する。映像取得部150は、左眼用映像データと右眼用映像データとを異なる経路(回線)から2系統で個々に取得してもよいし、1の経路から(1系統で)フレーム周波数120Hzの一体的なデータとして取得してもよい。以下、映像取得部150が左右映像データを2系統で並行に取得したときのフレーム周波数が60Hzである場合について説明する。
【0034】
映像処理部152は、映像取得部150から出力された左右映像データに、R(Red)G(Green)B(Blue)処理やエンハンス処理等の映像信号処理を施して、フレームメモリ154に書き込む。
【0035】
フレームメモリ154は、RAM等の記憶媒体で構成され、映像処理部152が映像信号処理を施した左右映像データをフレーム単位で一時的に保持する。
【0036】
アドレス制御部156は、映像取得部150が取得した左右映像データのフレーム周波数の4倍の周波数の垂直同期信号を生成し、かかる垂直同期信号に基づいて、フレームメモリ154から読み出した映像データの各フレームデータが左眼用映像データであるか右眼用映像データであるかを示す第1トグル信号、および、映像加工部162がフレームメモリ154から左右映像データを読み出すためのリードアドレスを生成する。そしてアドレス制御部156は、自体が生成したリードアドレスを用いて映像加工部162にフレームメモリ154から左眼用映像データおよび右眼用映像データを交互に読み出させる。
【0037】
図4は、アドレス制御部156の処理を説明するための説明図である。ここでは、図4(a)に示すメモリマップのように、フレームメモリ154に保持される左右映像データの左眼用映像データのアドレスの先頭が0であり、右眼用映像データのアドレスが、左眼用映像データに対してOFST分オフセットされている例について説明する。
【0038】
図4(b)に示すように、映像処理部152は、映像取得部150が2系統で並行に左右映像データを取得した際のフレーム周波数(ここでは60Hz)で、左右映像データをフレームメモリ154に書き込む。そして、アドレス制御部156は、左右映像データが書き込まれた際(左右映像データを取得した際)のフレーム周波数の4倍の周波数の垂直同期信号(図4(d)参照)に基づいて、FRD1、2で「0」を示し、FRD3、4で「1」を示すような、低レベル信号と高レベル信号とを交互に繰り返す第1トグル信号(図4(e)参照)を生成する。さらに、図4(f)に示すように、アドレス制御部156は、第1トグル信号が0を示す場合にオフセット無しとし、第1トグル信号が1を示す場合にOFST分オフセットされたリードアドレスを生成する。
【0039】
そして図4(c)に示すように、映像処理部152がフレームBを書き込んでいる間、アドレス制御部156はリードアドレス(図4(f)参照)を用いて、2系統で並行に左右映像データを取得した際のフレーム周波数の4倍の周波数(240Hz)で、映像加工部162にフレームメモリ154が保持しているフレームAの左眼用映像データ(図4中、ALで示す)を2回繰り返し読み出させ、続いてフレームAの右眼用映像データ(図4中、ARで示す)を2回繰り返し読み出させる。
【0040】
またアドレス制御部156は、第1トグル信号を映像加工部162に、垂直同期信号および水平同期信号を表示制御部164に、垂直同期信号および第1トグル信号をシャッタ信号生成部168に出力する。
【0041】
ガイドデータ生成部158は、第1ガイドデータ、第2ガイドデータおよび指標データを生成する。第1ガイドデータ、第2ガイドデータおよび指標データについては後に詳述する。
【0042】
ガイドデータ取得部160は、ガイドデータ生成部158が生成した第1ガイドデータ、第2ガイドデータおよび指標データを取得する。本実施形態においてガイドデータ取得部160は、ガイドデータ生成部158が生成した第1ガイドデータ、第2ガイドデータおよび指標データを取得しているが、第1ガイドデータ、第2ガイドデータおよび指標データの群から選択される1または複数のデータを図示しないメモリに予め保持させておき、かかるメモリから取得することもできる。
【0043】
映像加工部162は、ユーザによる操作部170等への操作入力に応じて、クロストークが発生しているか否かを確認する確認モードが選択されると、アドレス制御部156が出力した第1トグル信号に基づいて、左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方のみに、ガイドデータ取得部160が取得した第1ガイドデータを重畳する。また、映像加工部162は、左眼用映像データおよび右眼用映像データのうち、第1ガイドデータを重畳していない映像データに、ガイドデータ取得部160が取得した第2ガイドデータを重畳する。さらに映像加工部162は、左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方に、ガイドデータ取得部160が取得した指標データを重畳する。
【0044】
本実施形態では、電子シャッタ眼鏡120の片眼側の電子シャッタのみを有効にしたり、他の眼側の電子シャッタを閉じたりすることで片眼毎にクロストークの有無を確認している。したがって、映像加工部162は、具体的に、クロストークが発生しているか否かを確認する眼用の映像データに第2ガイドデータを重畳し、クロストークが発生しているか否かを確認する眼ではない方の眼用の映像データに第1ガイドデータを重畳する。このように第1ガイドデータと第2ガイドデータは確認対象とする眼が左右いずれであるかによって重畳先の映像データが相対的に変化する。以下では、説明の便宜のため、左眼用映像データに左眼ガイドデータを右眼用映像データに右眼ガイドデータを絶対的に重畳する。したがって、確認対象とする眼が左右いずれであるかによって、左眼ガイドデータが第1ガイドデータに対応していたり、第2ガイドデータに対応することとなる。
【0045】
ここでは、左眼用映像データに対する右眼用映像データのクロストークを確認する場合(左眼用映像データのみ視認する場合)について説明する。映像加工部162は、上述したように、左眼ガイドデータを左眼用映像データに重畳し、右眼ガイドデータを右眼用映像データに重畳する。そして、左眼ガイドデータは第2ガイドデータとして機能し、右眼ガイドデータは第1ガイドデータとして機能する。また、ここでは、確認対象となる左眼用映像データのみに指標データを重畳する例を挙げている。
【0046】
図5は、映像加工部162の処理を説明するための説明図である。映像加工部162は、図5(a)に示すようにフレームメモリ154から左右映像データ180(左眼用映像データ180aおよび右眼用映像データ180b)を読み出し、図5(b)に示すように、左眼用映像データ180aに左眼ガイドデータ182aを重畳し、右眼用映像データ180bに右眼ガイドデータ182bを重畳し、左眼用映像データ180aに指標データ184を重畳する。
【0047】
図5(b)に示すように、左眼ガイドデータ182aは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長された第2オンスクリーンディスプレイ画像を示し、右眼ガイドデータ182bは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す。本実施形態において第1オンスクリーンディスプレイ画像および第2オンスクリーンディスプレイ画像は、ディスプレイ166の表示画面の最上部のラインから最下部のラインに亘る水平方向の幅が略等しい矩形で形成される。また、指標データ184は、ディスプレイ166上の垂直位置を把握可能な指標を示す。ここで、左眼ガイドデータ182aおよび右眼ガイドデータ182bは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長されたオンスクリーンディスプレイ画像(第1オンスクリーンディスプレイ画像、第2オンスクリーンディスプレイ画像)としているが、これに限定されず、任意の形状を示してもよい。
【0048】
左眼用映像データ180aに右眼用映像データ180bが混入してクロストークを起こしている場合、図5(c)に示すように、右眼用映像データ180bの一部が左眼用映像データ180aに混入する。
【0049】
一般的に、左眼用映像データ180aと右眼用映像データ180bとは、被写体の水平方向の位置が異なるだけであり映像上の差異が少ないので、左眼用映像データ180aと右眼用映像データ180bのみを表示してもクロストークが発生しているか否かを確認するのが容易ではなかった。しかし、本実施形態にかかる映像加工部162が、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長された第1ガイドデータとしての右眼ガイドデータ182bを右眼用映像データ180bにのみ重畳することにより、右眼ガイドデータ182bが視認されるか否かで、クロストークの発生を容易に確認することができる。
【0050】
本実施形態では、右眼ガイドデータ182b(第1ガイドデータ)は、左眼ガイドデータ182a(第2ガイドデータ)と異なる表示位置に重畳されるように形成される。これにより、ユーザに右眼ガイドデータ182bが示す第1オンスクリーンディスプレイ画像と左眼ガイドデータ182aが示す第2オンスクリーンディスプレイ画像とを区別して視認させることができる。第1オンスクリーンディスプレイ画像と第2オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なればよく、表示位置が異なることに限らず、表示色が異なるとしてもよい。
【0051】
図6は、映像加工部162の構成の一例を説明するための説明図である。例えば、ガイドデータ取得部160は、左眼ガイドデータ182a、右眼ガイドデータ182bおよび指標データ184を取得するとともに、左眼ガイドデータ182aが配される画素領域を「1」、右眼ガイドデータ182bが配される画素領域を「2」、指標データ184が配される画素領域を「3」、これら以外の画素領域を「0」とするガイドデータ制御信号を生成する。そして、図6に示すように、映像加工部162のスイッチ162aは、ガイドデータ制御信号に応じて画素単位で出力信号を切り換える。
【0052】
本実施形態において映像加工部162は、左右映像データ180の加工手段として、第1ガイドデータを左眼用映像データ180aおよび右眼用映像データ180bのいずれか一方に重畳(画素単位で置換)するが、これに限定されず、他の加工手段を採用することもできる。
【0053】
例えば、左眼用映像データ180aにおけるクロストークの発生を確認する場合、映像加工部162は、映像取得部150が取得した左右映像データ180を変換して無地を示すデータとし、無地を示すデータとして変換された右眼用映像データに、ガイドデータ取得部160が取得した右眼ガイドデータ182b(第1ガイドデータ)を重畳し、無地を示すデータとして変換された左眼用映像データに左眼ガイドデータ182a(第2ガイドデータ)および指標データ184を重畳してもよい。これにより、背景となる左右映像データが無地を示すため、右眼ガイドデータ182b(第1ガイドデータ)、左眼ガイドデータ182a(第2ガイドデータ)および指標データ184の視認性を向上することができ、クロストークの発生をより容易に確認することが可能となる。
【0054】
また、映像加工部162は、映像取得部150が取得した左眼用映像データ180aおよび右眼用映像データ180bのいずれか一方のみを、ガイドデータ取得部160が取得した第1ガイドデータに置換することもできる。
【0055】
図7は、映像加工部162の他の構成例を説明するための説明図である。映像加工部162が置換を行う場合、ガイドデータ生成部158は、図7(a)に示すような、左眼ガイドデータ182aを含み他の領域を無地とする、左眼用映像データ180aと同サイズの左眼置換データ186aと、右眼ガイドデータ182bを含み他の領域を無地とする、右眼用映像データ180bと同サイズの右眼置換データ186bと、を生成する。
【0056】
ガイドデータ取得部160は、左眼置換データ186aに置換するフレーム期間を「1」、右眼置換データ186bに置換するフレーム期間を「2」、左右映像データ180をそのまま表示させるフレーム期間を「0」となるようなガイドデータ制御信号を生成する。そして、図7(b)に示すように、映像加工部162のスイッチ162bは、ガイドデータ制御信号に応じてフレーム単位で出力信号を切り換える。このように、左眼用映像データ180aを左眼置換データ186aに置換する、または右眼ガイドデータ182bを右眼置換データ186bに置換するだけで、クロストークの発生を容易に確認することができる。
【0057】
表示制御部164は、左眼ガイドデータ182aおよび指標データ184が重畳された左眼用映像データ180aが1または複数(ここでは2回)連続した左セットデータ(第1セットデータ)と、右眼ガイドデータ182bが重畳された右眼用映像データ180bが1または複数(ここでは2回)連続した右セットデータ(第2セットデータ)とを垂直同期信号に基づいてディスプレイ166に交互に表示させる。
【0058】
ディスプレイ166は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、表示制御部164の制御指令に応じて、指示されたデータ(例えば、左眼ガイドデータ182aおよび指標データ184が重畳された左眼用映像データ180aと、右眼ガイドデータ182bが重畳された右眼用映像データ180b)を表示する。
【0059】
シャッタ信号生成部168は、電子シャッタ眼鏡120の左右の電子シャッタの開閉を制御するシャッタ信号を垂直同期信号および第1トグル信号に基づいて左シャッタ、右シャッタそれぞれに対して生成する。シャッタ信号は、例えば、図2(b)や図2(c)で示したような電子シャッタの開区間を「1」、閉区間を「0」とする信号であり、開区間を開始するタイミング(開始時点)と、開区間を終了するタイミング(終了時点)を1ラインの走査時間単位で調整することができる。また、シャッタ信号は、調整前の初期状態では、左シャッタの開区間は第1トグル信号が「0」の区間、右シャッタの開区間は第1トグル信号が「1」の区間と等しいタイミングで生成される。
【0060】
ここでシャッタ信号生成部168は、開区間を開始するタイミングと、閉区間を開始するタイミングを決定することで電子シャッタの開区間を設定しているが、これに限定されず開区間を設定できるものであればよく、開区間を開始するタイミングと開区間幅を決定することで開区間を設定してもよい。
【0061】
操作部170は、操作キー、十字キー、ジョイスティック等のスイッチから構成され、ユーザの操作入力を受け付ける。また、遠隔操作のためのリモートコントローラが設けられる場合、当該リモートコントローラも操作部170として機能する。
【0062】
シャッタ信号調整部172は、操作部170を通じたユーザの操作入力に応じて、シャッタ信号生成部168が生成したシャッタ信号の開始時点(開タイミング)と終了時点(閉タイミング)を調整する。
【0063】
図8は、シャッタ信号調整部172の処理を説明するための説明図である。図8では、理解を容易にするために、左眼用映像データ180aおよび右眼用映像データ180bは無地を示すデータとする。左眼用映像データ180aに右眼用映像データ180bの一部が混入してクロストークを起こしている場合、その混入した右眼用映像データ180bの一部の映像は、例えば図8(a)や図8(b)に示すように視認される。
【0064】
画像の走査はディスプレイ166の上から開始されるので、図8(a)に示すクロストークが生じた場合、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの開タイミングが早すぎるのがクロストークの原因であるため、左シャッタの開タイミングを遅延させていくと、右眼用映像データ180bおよびこれに重畳された第1ガイドデータとしての右眼ガイドデータ182bは上から順に表示されなくなる。
【0065】
一方、図8(b)に示すクロストークが生じた場合、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの閉タイミングが遅すぎるのがクロストークの原因であるため、左シャッタの閉タイミングを早めていくと、右眼用映像データ180bおよびこれに重畳された第1ガイドデータとしての右眼ガイドデータ182bは下から順に表示されなくなる。
【0066】
したがって、シャッタ信号調整部172は、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの開タイミングを遅延させたり、閉タイミングを早めたりすることで、右眼ガイドデータ182b(第1ガイドデータ)が表示されなくなるように、シャッタ信号生成部168が生成したシャッタ信号の開始時点と終了時点を調整する。これにより、クロストークが排除された立体映像をユーザに知覚させることが可能となる。
【0067】
ここで、映像加工部162は、ディスプレイ166の垂直方向の位置が把握可能な指標を示す指標データ184を、左眼用映像データ180aに重畳している。指標データ184を重畳する構成により、ユーザは、クロストークの度合いを定量的に計ることができ、その定量値を他のユーザに伝達すれば他のユーザであっても画一的な調整が可能となる。また、他の電子シャッタ眼鏡を利用する場合であっても、その定量値を記憶しておけば同様のクロストークの調整量を再現することができる。
【0068】
また、本実施形態において第1オンスクリーンディスプレイ画像は、ディスプレイ166の表示画面の最上部のラインから最下部のラインに亘る水平方向の幅が略等しい矩形で形成されるが、これに限定されず、図8(c)に示す第1ガイドデータ188が示す第1オンスクリーンディスプレイ画像のような第1オンスクリーンディスプレイ画像自体の長さを、例えば縞の数等で把握可能な態様で形成されてもよい。これにより、指標データ184を重畳させずとも、ユーザは、クロストークの度合いを定量的に計ることができ、その定量値を記憶または他のユーザに伝達すれば画一的な調整が可能となる。
【0069】
ところで、映像加工部162は、左眼用映像データ180aに第2ガイドデータ(図8中、左眼ガイドデータ182a)を重畳している。クロストークを削減するためには、右眼ガイドデータ182b(第1ガイドデータ)が消えるように電子シャッタ眼鏡120の開タイミングを遅延させるか、または閉タイミングを早めればよい。しかし右眼ガイドデータ182b(第1ガイドデータ)のみを視認して電子シャッタ眼鏡120の開閉タイミングを調整すると、開タイミングを遅延させすぎたり、閉タイミングを早めすぎたりして、クロストークは無くなるものの左右映像データ180の輝度が低下してしまうおそれがある。
【0070】
そこで、映像加工部162は、調整する眼用の映像データに第2ガイドデータを重畳する。そうすると、電子シャッタ眼鏡120の開タイミングを遅延させすぎたり、閉タイミングを早めすぎたりした場合、第2ガイドデータまでもが欠けることになる。したがって、シャッタ信号調整部172は、第1ガイドデータが消え、第2ガイドデータが残るように電子シャッタ眼鏡120の開閉タイミングを調整することで、調整しすぎによる左右映像データ180の輝度が不必要に低下してしまう事態を回避することが可能となる。
【0071】
信号送信部174は、赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11a/b/g/n等の無線通信や有線通信を通じて、シャッタ信号調整部172が調整したシャッタ信号を電子シャッタ眼鏡120自体や電子シャッタ眼鏡120の制御を行う制御装置に送信する。
【0072】
本実施形態にかかる立体映像表示装置110は、操作部170を介して電子シャッタ眼鏡120の開閉タイミングを調整することができるため、どのような電子シャッタ眼鏡でも立体映像表示装置110に適した開閉タイミングを調整することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態において、映像処理部152がフレームメモリ154の前段にある構成を説明したが、映像取得部150が取得した左右映像データのフォーマットには、左眼用映像データと右眼用映像データとを隔行で表示させるラインシーケンシャルフォーマットや、左眼用映像データと右眼用映像データとを市松模様のように上下左右交互に表示させるチェッカーボードフォーマットなど、1つの映像データ内で左眼用映像データの領域と右眼用映像データの領域が混在している場合があり、映像処理部152がフレームメモリ154の前段にある構成であると周辺画素を参照するエンハンス処理などの映像信号処理が行えない場合がある。
【0074】
このような場合には、フレームメモリ154を介して、左眼用映像データと右眼用映像データを分離する処理を行った後に、映像信号処理を施す必要があるので、図9に示すように、連動した3つのスイッチ190a、190b、190cを備える構成にし、映像取得部150が取得したフォーマットに応じて映像処理部152、フレームメモリ154、映像加工部162の入力信号を切り換える。例えば、映像取得部150が取得したフォーマットがラインシーケンシャルフォーマットやチェッカーボードフォーマットである場合、図9に破線で示すようにスイッチ190a、190b、190cを切り換える。
【0075】
また、信号送信部174は、シャッタ信号調整部172が開区間を調整したシャッタ信号を送信しているが、電子シャッタ眼鏡120自体、または電子シャッタ眼鏡120の制御装置に、開区間を調整する機能が備わっている場合、信号送信部174は、第1トグル信号のようなフレームの同期信号自体を送信してもよい。この場合、電子シャッタ眼鏡120は、フレームの同期信号に基づいてシャッタ信号を生成する。
【0076】
さらに、上述した例では、左眼用映像データ180aのクロストークを確認する場合について説明したので、右眼ガイドデータ182bが第1ガイドデータとして機能し、左眼ガイドデータ182aが第2ガイドデータとして機能したが、右眼用映像データ180bのクロストークを確認する場合は左眼ガイドデータ182aが第1ガイドデータとして機能し、右眼ガイドデータ182bが第2ガイドデータとして機能する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態にかかる立体映像表示装置110によれば、クロストークが発生しているか否かを容易に確認することが可能となる。また、操作部170を介して電子シャッタ眼鏡120の開閉タイミングを調整することができるため、シャッタ信号を認識可能であれば、どのような電子シャッタ眼鏡でも調整することが可能となる。したがって、予め立体映像表示装置110と組み合わせて販売された電子シャッタ眼鏡120だけでなく、互換性のある他の電子シャッタ眼鏡であっても開閉タイミングを調整することができ、どのような電子シャッタ眼鏡120であってもクロストークがなく、高輝度の立体映像をユーザに知覚させることが可能となる。
【0078】
(立体映像表示方法)
また、上述した立体映像表示装置110を用いた立体映像表示方法も提供される。図10は、第1の実施形態にかかる立体映像表示方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【0079】
映像取得部150が水平視差を有する左眼用映像データ180aと右眼用映像データ180bを取得すると(S200)、ガイドデータ取得部160は、第1ガイドデータ、第2ガイドデータおよび指標データ184を取得する(S202)。
【0080】
そして、映像加工部162は、ガイドデータ取得ステップS202で取得した第1ガイドデータおよび第2ガイドデータとしての左眼ガイドデータ182aと、指標データ184とを左眼用映像データ180aに、第1ガイドデータおよび第2ガイドデータとしての右眼ガイドデータ182bと、指標データ184とを右眼用映像データに重畳する(S204)。
【0081】
そして、表示制御部164は、データ重畳ステップS204で生成された左眼用映像データと右眼用映像データとをディスプレイ166に交互に表示させる(S206)。
【0082】
ここで、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの開閉タイミングを調整する場合(S208におけるYES)、右シャッタは調整期間中、閉状態を維持する(S210)。そして、シャッタ信号調整部172は、ユーザによる操作部170を介した操作入力に応じて、左シャッタ用のシャッタ信号の開閉タイミングを伸縮し(S212)、左シャッタ用のシャッタ信号は、ディスプレイ166に表示された右眼ガイドデータ182bが消え、左眼ガイドデータ182aが残るように調整される。
【0083】
一方、電子シャッタ眼鏡120の右シャッタの開閉タイミングを調整する場合(S208におけるNO)、左シャッタは調整期間中、閉状態を維持する(S214)。そして、シャッタ信号調整部172は、ユーザによる操作部170を介した操作入力に応じて、右シャッタ用のシャッタ信号の開閉タイミングを伸縮し(S216)、右シャッタ用のシャッタ信号は、ディスプレイ166に表示された左眼ガイドデータ182aが消え、右眼ガイドデータ182bが残るように調整される。
【0084】
そして信号送信部174は、調整ステップS212、216で調整された左シャッタ用のシャッタ信号および右シャッタ用のシャッタ信号を電子シャッタ眼鏡120に送信する(S218)。
【0085】
以上説明したように、本実施形態にかかる立体映像表示方法においても、クロストークが発生しているか否かを容易に確認することが可能となる。
【0086】
(第2の実施形態:立体映像表示装置310)
上述した第1の実施形態では、同一の左眼用映像データ180aを連続して2回、同一の右眼用映像データ180bを連続して2回と、左左、右右、左左、右右、…、の順で左右映像データを表示させているので、左眼用映像データ180aにおけるクロストークを確認する場合、同一の右眼用映像データ180bが連続するフレーム期間両方に第1ガイドデータとしての右眼ガイドデータ182bを重畳したが、第2の実施形態では、同一の右眼用映像データ180bが連続するフレーム期間のうち、それぞれのフレーム期間に異なるガイドデータを重畳することで、電子シャッタ眼鏡120の調整を容易に行うことのできる立体映像表示装置310について説明する。
【0087】
図11は、第2の実施形態にかかる立体映像表示装置310の概略的な機能を示した機能ブロック図である。図11に示すように、立体映像表示装置310は、映像取得部150と、映像処理部152と、フレームメモリ154と、アドレス制御部356と、ガイドデータ生成部358と、ガイドデータ取得部360と、映像加工部362と、表示制御部164と、ディスプレイ166と、シャッタ信号生成部168と、操作部170と、シャッタ信号調整部172と、信号送信部174とを含んで構成される。第1の実施形態における構成要素として既に述べた映像取得部150と、映像処理部152と、フレームメモリ154と、表示制御部164と、ディスプレイ166と、シャッタ信号生成部168と、操作部170と、シャッタ信号調整部172と、信号送信部174とは、実質的に機能が同一なので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違するアドレス制御部356、ガイドデータ生成部358、ガイドデータ取得部360、映像加工部362を主に説明する。
【0088】
アドレス制御部356は、映像取得部150が2系統で並行に取得した左右映像データのフレーム周波数の4倍の周波数の垂直同期信号を生成し、かかる垂直同期信号に基づいて、第1トグル信号およびリードアドレスを生成する。本実施形態においてアドレス制御部356は、垂直同期信号に基づいて、第2トグル信号を生成する。
【0089】
図12は、アドレス制御部356の処理を説明するための説明図である。図12(a)に示すように、映像処理部152は、映像取得部150が左右映像データを取得した際のフレーム周波数(ここでは60Hz)で、左右映像データをフレームメモリ154に書き込む。なお、図12(b)〜(e)の、左右映像データの読み出し、垂直同期信号の生成、第1トグル信号の生成、リードアドレスの生成については、上述した第1の実施形態の図4(d)〜(f)に示すアドレス制御部156の処理と実質的に同一なので説明を省略する。
【0090】
本実施形態において、アドレス制御部356は、図12(c)に示す垂直同期信号に基づいて、図12(f)に示すように、表示制御部164におけるフレーム周波数(ここでは240Hz)のフレーム単位を示す第2トグル信号を生成する。そしてアドレス制御部356は、第1トグル信号および第2トグル信号を映像加工部362に、垂直同期信号および水平同期信号を表示制御部164に、垂直同期信号および第1トグル信号をシャッタ信号生成部168に出力する。
【0091】
ガイドデータ生成部358は、第1ガイドデータ、第2ガイドデータ、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータを生成する。第1ガイドデータは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示し、第2ガイドデータは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長され、第1オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第2オンスクリーンディスプレイ画像を示す。第3ガイドデータは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長され、第1オンスクリーンディスプレイ画像および第2オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第3オンスクリーンディスプレイ画像を示す。第4ガイドデータは、ディスプレイ166の表示画面垂直方向に延長され、第1オンスクリーンディスプレイ画像、第2オンスクリーンディスプレイ画像および第3オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第4オンスクリーンディスプレイ画像を示す。本実施形態において、第1ガイドデータ、第2ガイドデータ、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータは、それぞれ異なる表示位置に重畳されるように形成され、それぞれ異なる表示色を示すように形成される。
【0092】
ガイドデータ取得部360は、第1ガイドデータ、第2ガイドデータ、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータを取得する。
【0093】
映像加工部362は、左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方を所定回数繰り返したセットデータのうち、ディスプレイ166に表示させる最先の映像データに第1ガイドデータを、ディスプレイ166に表示させる最後の映像データに第3ガイドデータをそれぞれ重畳し、第1ガイドデータおよび第3ガイドデータを重畳していない、左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方のセットデータのうち、ディスプレイ166に表示させる最先の映像データに第2ガイドデータを、ディスプレイ166に表示させる最後の映像データに第4ガイドデータをそれぞれ重畳する。
【0094】
本実施形態では、電子シャッタ眼鏡120の片眼側の電子シャッタのみを有効にしたり、他の眼側の電子シャッタを閉じたりすることで片眼毎にクロストークの有無を確認している。したがって、映像加工部362は、具体的に、クロストークが発生しているか否かを確認する眼用の映像データに第2ガイドデータおよび第4ガイドデータを重畳し、クロストークが発生しているか否かを確認する眼ではない方の眼用の映像データに第1ガイドデータおよび第3ガイドデータを重畳する。このように第1ガイドデータ、第2ガイドデータ、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータは確認対象とする眼が左右いずれであるかによって重畳先の映像データが相対的に変化する。また、以下では、説明の便宜のため、左眼用映像データに第1左眼ガイドデータおよび第2左眼ガイドデータを、右眼用映像データに第1右眼ガイドデータおよび第2右眼ガイドデータを絶対的に重畳する。したがって、確認対象とする眼が左右いずれであるかによって、第1左眼ガイドデータが第1ガイドデータに対応していたり、第2ガイドデータに対応していたり、第2左眼ガイドデータが第3ガイドデータに対応していたり、第4ガイドデータに対応することとなる。
【0095】
ここでは、上述した第1の実施形態と同様に、左眼用映像データに対する右眼用映像データのクロストークを確認する場合(左眼用映像データのみ視認する場合)について説明する。映像加工部362は、左眼用映像データを所定回数(ここでは2回)繰り返した左セットデータのうち、ディスプレイ166に表示させる最先の左眼用映像データに第1左眼ガイドデータを、左セットデータのうち、ディスプレイ166に表示させる最後の左眼用映像データに第2左眼ガイドデータをそれぞれ重畳し、右眼用映像データを所定回数繰り返した右セットデータのうち、ディスプレイ166に表示させる最先の右眼用映像データに第1右眼ガイドデータを、右セットデータのうち、ディスプレイ166に表示させる最後の右眼用映像データに第2右眼ガイドデータをそれぞれ重畳する。そして、第1左眼ガイドデータは第2ガイドデータとして機能し、第2左眼ガイドデータは第4ガイドデータとして機能し、第1右眼ガイドデータは第1ガイドデータとして機能し、第2右眼ガイドデータは第3ガイドデータとして機能する。
【0096】
図12に示すように、本実施形態においてフレームメモリ154から読み出される左右映像データは、映像データを2系統で並行して取得した場合の1フレーム期間に、左眼用映像データを2回繰り返した左セットデータ370aと、右眼用映像データを2回繰り返した右セットデータ370bを含んでいる。
【0097】
図13は、映像加工部362の処理を説明するための説明図である。映像加工部362は、図13(a)、(b)に示すように、左セットデータ370aのうち最先の左眼用映像データL1に第2ガイドデータとしての第1左眼ガイドデータ380aを、左セットデータ370aのうち最後の左眼用映像データL2に第4ガイドデータとしての第2左眼ガイドデータ380cを、右セットデータ370bのうち最先の右眼用映像データR1に第1ガイドデータとしての第1右眼ガイドデータ380bを、右セットデータ370bのうち最後の右眼用映像データR2に第3ガイドデータとしての第2右眼ガイドデータ380dを重畳する。
【0098】
表示制御部164は、第1左眼ガイドデータ380aが重畳された左眼用映像データL1、第2左眼ガイドデータ380cが重畳された左眼用映像データL2、第1右眼ガイドデータ380bが重畳された右眼用映像データR1、第2右眼ガイドデータ380dが重畳された右眼用映像データR2を順にディスプレイ166に表示させる。
【0099】
ここで、左眼用映像データにおけるクロストークを確認する場合であって、図13(c)に示すように第1右眼ガイドデータ380bが表示される場合、第1右眼ガイドデータ380bは右セットデータ370bのうち最先の右眼用映像データR1に重畳されているデータであるため、左セットデータ370aのうち最後の左眼用映像データL2に右眼用映像データR1が混入していることが分かる。
【0100】
したがって、ディスプレイ166に表示されたガイドデータをユーザに視認させるだけで、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの閉タイミングを早めていけばクロストークが無くなるということを直感的に把握させることができる。
【0101】
同様に、図13(d)に示すように、第2右眼ガイドデータ380dが表示される場合、第2右眼ガイドデータ380dは右セットデータ370bのうち最後の右眼用映像データR2に重畳されているデータであるため、左セットデータ370aのうち最先の左眼用映像データL1に右眼用映像データR2が混入していることが分かる。
【0102】
したがって、ディスプレイ166に表示されたガイドデータをユーザに視認させるだけで、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの開タイミングを遅延させていけばクロストークが無くなるということを直感的に把握させることができる。
【0103】
本実施形態において、ガイドデータ生成部358は、第1左眼ガイドデータ380a、第1右眼ガイドデータ380b、第2左眼ガイドデータ380c、第2右眼ガイドデータ380dを、異なる表示位置に重畳されるように形成するが、これに限定されず、第1左眼ガイドデータ380a、第1右眼ガイドデータ380b、第2左眼ガイドデータ380c、第2右眼ガイドデータ380dをそれぞれ相異なる表示色として、同一の表示位置に重畳されるように形成してもよい。
【0104】
また、セットデータのうち最先の映像データに重畳されるガイドデータ(第1左眼ガイドデータ380aと第1右眼ガイドデータ380b)の表示位置を同一とし、最後の映像データに重畳されるガイドデータ(第2左眼ガイドデータ380cと第2右眼ガイドデータ380d)の表示位置を同一として、さらに左眼用映像データに重畳されるガイドデータ(第1左眼ガイドデータ380aと第2左眼ガイドデータ380c)の表示色を同一(例えば赤色)とし、右眼用映像データに重畳されるガイドデータ(第1右眼ガイドデータ380bと第2右眼ガイドデータ380d)の表示色を同一(例えば青色)にしてもよい。
【0105】
こうすることで、左シャッタの開閉タイミングを調整する場合であって、第1左眼ガイドデータ380aが配される場所の画像の色が紫色に視認される場合、第1右眼ガイドデータ380bが混入していることになり、第2左眼ガイドデータ380cが配される場所の画像の色が紫色に視認される場合、第2右眼ガイドデータ380dが混入していることになる。したがって、ユーザはディスプレイ166に表示されるオンスクリーンディスプレイ画像の色を視認するだけで、クロストークが発生しているか否かを容易に確認することができ、クロストークが発生している場合に電子シャッタを開くタイミングを遅延させればいいのか電子シャッタを閉じるタイミングを早めればいいのかを簡単に把握することが可能となる。
【0106】
以上説明したように、本実施形態にかかる立体映像表示装置310によれば、クロストークが発生している場合に、ディスプレイ166を見ただけで、電子シャッタ眼鏡120の開タイミングを調整すればよいか、閉タイミングを調整すればよいかを表示位置や表示色によってユーザに直感的に把握させることが可能となる。
【0107】
なお、ここでは理解を容易にするために、指標データを重畳していないが、指標データを重畳して、クロストークの度合いをユーザに定量的に把握させてもよい。また、上述した第1の実施形態のガイドデータ取得部160と同様に、第1ガイドデータ、第2ガイドデータ、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータの群から選択される1または複数を図示しないメモリに予め保持させておき、ガイドデータ取得部360は、かかるメモリから取得することもできる。
【0108】
(立体映像表示方法)
図14は、第2の実施形態にかかる立体映像表示方法の具体的な処理を説明するためのフローチャートである。
【0109】
映像取得部150が水平視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データを取得すると(S400)、ガイドデータ取得部360は、第1ガイドデータ、第2ガイドデータ、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータを取得する(S402)。
【0110】
そして、映像加工部362は、ガイドデータ取得ステップS402で取得した第1ガイドデータおよび第2ガイドデータとしての第1左眼ガイドデータ380aを左セットデータ370aのうち最先の左眼用映像データL1に、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータとしての第2左眼ガイドデータ380cを左セットデータ370aのうち最後の左眼用映像データL2に、第1ガイドデータおよび第2ガイドデータとしての第1右眼ガイドデータ380bを右セットデータ370bのうち最先の右眼用映像データR1に、第3ガイドデータおよび第4ガイドデータとしての第2右眼ガイドデータ380dを右セットデータ370bのうち最後の右眼用映像データR2にそれぞれ重畳する(S404)。
【0111】
そして、表示制御部164は、データ重畳ステップS404で生成された左セットデータと右セットデータとをディスプレイ166に交互に表示させる(S406)。
【0112】
ここで、電子シャッタ眼鏡120の左シャッタの開閉タイミングを調整する場合(S408におけるYES)、右シャッタは調整期間中、閉状態を維持する(S410)。そして、シャッタ信号調整部172は、ユーザによる操作部170を介した操作入力に応じて、左シャッタ用のシャッタ信号の開タイミングを調整し(S412)、左シャッタ用のシャッタ信号は、ディスプレイ166に表示された第2右眼ガイドデータ380dが消え、第1左眼ガイドデータ380aが残るように調整される。また、シャッタ信号調整部172は、ユーザによる操作部170を介した操作入力に応じて、左シャッタ用のシャッタ信号の閉タイミングを調整し(S414)、左シャッタ用のシャッタ信号は、ディスプレイ166に表示された第1右眼ガイドデータ380bが消え、第2左眼ガイドデータ380cが残るように調整される。
【0113】
一方、電子シャッタ眼鏡120の右シャッタの開閉タイミングを調整する場合(S408におけるNO)、左シャッタは調整期間中、閉状態を維持する(S416)。そして、シャッタ信号調整部172は、ユーザによる操作部170を介した操作入力に応じて、右シャッタ用のシャッタ信号の開タイミングを調整し(S418)、右シャッタ用のシャッタ信号は、ディスプレイ166に表示された第2左眼ガイドデータ380cが消え、第1右眼ガイドデータ380bが残るように調整される。また、シャッタ信号調整部172は、ユーザによる操作部170を介した操作入力に応じて、右シャッタ用のシャッタ信号の閉タイミングを調整し(S420)、右シャッタ用のシャッタ信号は、ディスプレイ166に表示された第1左眼ガイドデータ380aが消え、第2右眼ガイドデータ380dが残るように調整される。
【0114】
そして信号送信部174は、調整ステップS412、414、418、420で調整された左シャッタ用のシャッタ信号および右シャッタ用のシャッタ信号を電子シャッタ眼鏡120に送信する(S422)。
【0115】
以上説明したように、本実施形態にかかる立体映像表示方法においても、クロストークが発生している場合に、ディスプレイ166を見ただけで、電子シャッタ眼鏡120の開タイミングを調整すればよいか、閉タイミングを調整すればよいかをユーザに直感的に把握させることが可能となる。
【0116】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0117】
なお、本明細書の立体映像表示方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、両眼視差によって立体映像を知覚させることができる左右映像データを表示することが可能な立体映像表示装置および立体映像表示方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0119】
110、310 …立体映像表示装置
120 …電子シャッタ眼鏡
150 …映像取得部
152 …映像処理部
160、360 …ガイドデータ取得部
162、362 …映像加工部
164 …表示制御部
166 …ディスプレイ
168 …シャッタ信号生成部
170 …操作部
172 …シャッタ信号調整部
174 …信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得する映像取得部と、
表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得するガイドデータ取得部と、
取得された前記第1ガイドデータを前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データのいずれか一方にのみ重畳する映像加工部と、
前記第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方が1または複数回連続した第1セットデータと、前記取得された左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方を1または複数回連続した第2セットデータとをディスプレイに交互に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする立体映像表示装置。
【請求項2】
前記ガイドデータ取得部は、前記ディスプレイの表示画面垂直方向に延長され、前記第1オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第2オンスクリーンディスプレイ画像を示す第2ガイドデータをさらに取得し、
前記映像加工部は、前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データのうち、前記第1ガイドデータを重畳していない映像データに前記第2ガイドデータを重畳し、
前記表示制御部は、前記第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方と、前記第2ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方とを前記ディスプレイに交互に表示させることを特徴とする請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記ガイドデータ取得部は、前記ディスプレイの表示画面垂直方向に延長され、前記第1オンスクリーンディスプレイ画像および第2オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第3オンスクリーンディスプレイ画像を示す第3ガイドデータと、前記ディスプレイの表示画面垂直方向に延長され、前記第1オンスクリーンディスプレイ画像、第2オンスクリーンディスプレイ画像および第3オンスクリーンディスプレイ画像とは表示態様が異なる第4オンスクリーンディスプレイ画像を示す第4ガイドデータをさらに取得し、
前記映像加工部は、前記第1セットデータおよび前記第2セットデータのいずれかの一方のセットデータのうち、前記ディスプレイに表示させる最先の映像データに前記第1ガイドデータを、前記ディスプレイに表示させる最後の映像データに前記第3ガイドデータをそれぞれ重畳し、前記第1ガイドデータおよび前記第3ガイドデータを重畳していない、前記第1セットデータおよび前記第2セットデータの他方のセットデータのうち、前記ディスプレイに表示させる最先の映像データに前記第2ガイドデータを、前記ディスプレイに表示させる最後の映像データに前記第4ガイドデータをそれぞれ重畳し、
前記表示制御部は、前記第1ガイドデータおよび第3ガイドデータが重畳されたセットデータと、前記第2ガイドデータおよび第4ガイドデータが重畳されたセットデータとを前記ディスプレイに交互に表示させることを特徴とする請求項2に記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記第1オンスクリーンディスプレイ画像は、前記第1オンスクリーンディスプレイ画像自体の長さを把握可能な態様で形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記ガイドデータ取得部は、前記ディスプレイの垂直方向の位置が把握可能な指標を示す指標データをさらに取得し、
前記映像加工部は、左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方に前記指標データをさらに重畳することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の立体映像表示装置。
【請求項6】
ユーザの操作入力を受け付ける操作部と、
前記ユーザの操作入力に応じて、電子シャッタを備える電子シャッタ眼鏡の左右の電子シャッタの開閉を制御するシャッタ信号の開始時点と終了時点を調整するシャッタ信号調整部と、
調整された前記シャッタ信号を前記電子シャッタ眼鏡に送信する信号送信部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の立体映像表示装置。
【請求項7】
立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得する映像取得部と、
表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得するガイドデータ取得部と、
前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データのいずれか一方のみを、取得された前記第1ガイドデータに置換する映像加工部と、
前記第1ガイドデータと、前記取得された左眼用映像データおよび右眼用映像データのうち、前記第1ガイドデータに置換されていない映像データとをディスプレイに交互に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする立体映像表示装置。
【請求項8】
立体映像を知覚させるための両眼視差を有する左眼用映像データと右眼用映像データとを取得し、
表示画面垂直方向に延長された第1オンスクリーンディスプレイ画像を示す第1ガイドデータを取得し、
取得した前記第1ガイドデータを前記左眼用映像データおよび前記右眼用映像データのいずれか一方にのみ重畳し、
前記第1ガイドデータが重畳された左眼用映像データおよび右眼用映像データのいずれか一方が1または複数回連続した第1セットデータと、前記取得した左眼用映像データおよび右眼用映像データの他方を1または複数回連続した第2セットデータとをディスプレイに交互に表示させることを特徴とする立体映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−239257(P2011−239257A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109941(P2010−109941)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】