竪型ミル
【課題】
水を必要とせず、更に粉塵を発生させずに、石炭を微細に粉砕して効率の良い選炭を行い得る竪型ミルを提供する。
【解決手段】
回転する粉砕テーブル5に複数の加圧ローラ9を押圧して石炭23を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口16が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミル1に於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置25が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成された。
水を必要とせず、更に粉塵を発生させずに、石炭を微細に粉砕して効率の良い選炭を行い得る竪型ミルを提供する。
【解決手段】
回転する粉砕テーブル5に複数の加圧ローラ9を押圧して石炭23を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口16が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミル1に於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置25が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭焚きボイラへ供給する石炭を粉砕する竪型ミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭を燃料とする石炭焚きボイラでは、塊状の石炭を竪型ミルにより粉砕して微粉炭とし、微粉炭を1次空気と共に燃焼装置であるバーナに供給している。
【0003】
燃料とされる石炭には、灰分、硫黄分、重金属元素等の不燃物質、不純物(以下不純物と称す)が含まれており、これら不純物は大気汚染等の原因となり、環境負担を軽減する為に除去する必要がある。
【0004】
従来、不純物を含む石炭を燃料とした場合、環境汚染を防止する為、石炭焚きボイラを有する発電設備等では、排ガス処理装置として脱硝装置、集塵装置、脱硫装置等が設けられている。
【0005】
石炭の不純物を、燃焼前に除去すれば、ボイラ排ガス処理装置に於ける不純物処理量が少なくなるという利点があり、石炭と不純物とを分離する選炭は有効な手段である。又、選炭により、低品位石炭の有効利用が図れる為、不燃物の除去は重要な課題となる。
【0006】
燃焼前に事前に不純物を石炭から除去する方法として、例えば、石炭を数センチの塊に粉砕して、比重の異なる液に浸すことにより分離する比重分離法(浮遊選鉱法)により不純物と石炭とを分離(選炭)している。
【0007】
不純物は石炭中に細かく分散して存在する為、選炭に際し、できるだけ細かく粉砕することが選炭効率の向上に寄与する。
【0008】
ところが、浮遊選鉱法により選炭を行う場合は、多量の水を使用することから、排水の問題や水が充分得られない場所での水の確保が問題となる。
【0009】
又、上記の様に、選炭効率を向上させるにはできるだけ細かく粉砕することが好ましいが、粉砕に要されるエネルギコストが増大する。更に、微細に粉砕すると、粉塵の処理の為の設備が必要となり、設備コストが上昇する。
【0010】
従って、実用的な粉砕の粒度は数センチとなるが、選炭効率は限られる。
【0011】
【特許文献1】特開昭61−212340号公報
【0012】
【特許文献2】特開平11−226447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は斯かる実情に鑑み、水を必要とせず、更に粉塵を発生させずに、石炭を微細に粉砕して効率の良い選炭を行い得る竪型ミルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、回転する粉砕テーブルに複数の加圧ローラを押圧して石炭を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミルに於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成された竪型ミルに係り、又前記回転ローラは、前記吹出し口の上方に位置する様に配設された竪型ミルに係るものである。
【0015】
又本発明は、前記粉砕テーブル、前記加圧ローラを収納するケーシングの下部に外部に膨出する分離部ケースが設けられ、前記回転ローラは前記分離部ケースに収納され、該分離部ケースの下部に不純物分離ダクトが設けられると共に前記回転ローラに摺接し、吸着した不純物を掻取り、前記不純物分離ダクトに導く様に不純物掻取り板が設けられた竪型ミルに係るものである。
【0016】
又本発明は、前記回転ローラは回転軸に所定間隔で軸着された複数の円板状の磁石で構成された竪型ミルに係り、又前記回転ローラは、円筒形状であり、外周面が磁石となっている竪型ミルに係り、更に又前記回転ローラは、円周方向に複数等分された電磁石を有し、該電磁石は独立して励磁、非励磁可能であり、前記混合流から外れた位置で順次非励磁とされる様構成された竪型ミルに係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転する粉砕テーブルに複数の加圧ローラを押圧して石炭を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミルに於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成されたので、竪型ミルと一体に不純物分離装置が設けられており、不純物分離装置としては石炭を粉砕する機能、動力は不要であり、ランニングコストが低減すると共に竪型ミルにより充分粒径が小さく粉砕されるので、不純物の分離は効果的に行われる。更に、石炭を燃焼する前に不純物を分離除去するので、排ガス処理装置である脱硝装置、集塵装置、脱硫装置等が必要なくなり、設備コストが低減する。
【0018】
又本発明によれば、前記粉砕テーブル、前記加圧ローラを収納するケーシングの下部に外部に膨出する分離部ケースが設けられ、前記回転ローラは前記分離部ケースに収納され、該分離部ケースの下部に不純物分離ダクトが設けられると共に前記回転ローラに摺接し、吸着した不純物を掻取り、前記不純物分離ダクトに導く様に不純物掻取り板が設けられたので、簡単な構成で、連続的に、又永続的に不純物の分離回収が可能である。
【0019】
又本発明によれば、前記回転ローラは回転軸に所定間隔で軸着された複数の円板状の磁石で構成されたので、混合流と磁石との接触面積を大きくとれ、不純物を能率良く吸着できる。
【0020】
又本発明によれば、前記回転ローラは、円周方向に複数等分された電磁石を有し、該電磁石は独立して励磁、非励磁可能であり、前記混合流から外れた位置で順次非励磁とされる様構成されたので、不純物の分離回収が容易に行える等の優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明が実施される竪型ミルの一例を示している。
【0023】
基台2に立設されたケーシング3によって密閉された空間が形成され、該空間の下部にテーブル駆動装置4を介して粉砕テーブル5が設置され、該粉砕テーブル5は前記テーブル駆動装置4によって定速で回転される。前記粉砕テーブル5の上面には断面が円弧状である凹溝6を有するテーブルセグメント7が設けられている。
【0024】
前記粉砕テーブル5の回転中心から放射状に所要数組、例えば3組の加圧ローラユニット8が設けられている。該加圧ローラユニット8は、加圧ローラ9を有し、水平支持軸11を中心に傾動自在となっている。又、前記ケーシング3の下部には、放射状に貫通する3組のローラ加圧装置12が設けられている。該ローラ加圧装置12は、アクチュエータ、例えば油圧シリンダ10を具備し、該油圧シリンダ10によって前記加圧ローラ9を前記凹溝6に押圧する様になっている。
【0025】
前記粉砕テーブル5の下方は1次空気室13が形成され、前記ケーシング3内部の前記粉砕テーブル5より上方は、分級室14となっている。
【0026】
前記ケーシング3の下部には1次空気供給口15が取付けられ、該1次空気供給口15は図示しない送風機に接続されると共に、前記1次空気室13に連通している。前記粉砕テーブル5の周囲には1次空気の吹出し口16が全周に設けられている。
【0027】
前記ケーシング3の上側には石炭給排部17が設けられており、該石炭給排部17の中心部を貫通する様にパイプ状のシュート18が設けられ、該シュート18は前記ケーシング3の内部に延出している。前記シュート18には石炭23が供給され、供給された石炭23は前記粉砕テーブル5上に落下する様になっている。
【0028】
前記シュート18の中途部に分級器19が回転自在に設けられ、該分級器19は円周方向に所要ピッチで配設された短冊状のブレード21を有し、前記分級器19は回転駆動部(図示せず)によって回転される様になっている。
【0029】
前記石炭給排部17にはボイラのバーナに粉砕された微粉炭を送給する微粉炭送給管22が接続されている。
【0030】
前記ケーシング3の下部、前記吹出し口16の上方に位置して、不純物分離装置25が設けられる。該不純物分離装置25は、前記ローラ加圧装置12,12の間に、該ローラ加圧装置12、前記加圧ローラ9と干渉しない様に設けられている。
【0031】
前記不純物分離装置25の第1の実施の形態について、図2、図3を参照して説明する。
【0032】
前記ケーシング3の下部に半円筒状に膨出する分離部ケース26を設け、該分離部ケース26に回転ローラ27を水平な回転軸28を介して回転自在に設ける。
【0033】
又前記分離部ケース26の側面には分離部モータ29を設け、該分離部モータ29の出力軸と前記回転軸28とを連結し、前記分離部モータ29によって前記回転ローラ27を図2中、時計方向に所定の速度で回転可能とする。
【0034】
該回転ローラ27は、複数の吸着円板31が所定の間隔で前記回転軸28に軸着されたものであり、前記各吸着円板31は永久磁石となっており、該各吸着円板31,31の対向面は磁極が異なる様に配置されている。
【0035】
前記分離部ケース26の下部には、不純物分離ダクト32が連設され、該不純物分離ダクト32の下端には前記分級室14の気密を維持して不純物の排出が可能な不純物排出弁、例えばロータリゲート33が設けられる。
【0036】
前記不純物分離ダクト32の内面には、不純物掻取り板34が固着されており、該不純物掻取り板34は先端部が櫛歯状となっており、前記各吸着円板31,31間に挿入され、該吸着円板31の両面に摺接する様になっている。
【0037】
竪型ミル1の作用について説明する。
【0038】
前記粉砕テーブル5が回転され、前記1次空気供給口15より1次空気が導入された状態で、前記シュート18より塊状の石炭23が投入される。塊状の石炭23は前記シュート18の下端より前記粉砕テーブル5の中心に流落し、該粉砕テーブル5上に供給される。
【0039】
該粉砕テーブル5上の石炭23は、遠心力で外周方向に移動し、前記加圧ローラ9に噛込まれ粉砕され粉状となり、更に遠心力により外周に移動する。前記粉砕テーブル5から溢れた微粉炭は、前記吹出し口16を吹上がる1次空気に乗って上昇する。
【0040】
微粉炭を含む1次空気(混合流と称す)は、前記吸着円板31,31間を通って上昇し、前記分級室14に到達する。混合流が前記吸着円板31,31間を流通する際に、磁化されない微粉炭は前記吸着円板31に吸着されることなく通過する。
【0041】
石炭23に含まれる不純物としては、硫黄、鉄、水銀、灰分等が含まれており、鉄、水銀等の金属は硫黄と化合しており、又灰分も硫黄と一体化した状態となっている。従って、硫黄と化合した鉄が前記吸着円板31に吸着されることで、水銀等の重金属も硫黄を介在して鉄と共に前記前記吸着円板31に吸着される。
【0042】
次に、石炭23に含まれる灰分の量、及び灰分の組成を図8に示す。
【0043】
図8に示される様に、石炭23の銘柄A〜Hに於いて、灰分の含有量は、最小で1.40W%、最大で10.00W%となっている。
【0044】
又、灰分の組成として、鉄分(Fe2 O3 )が含まれている。鉄分は、最小で2.56W%、最大で26.90W%含まれ、全体としては、略10W%前後の鉄分が含まれていることが分る。
【0045】
従って、灰分についても、磁石による吸着が可能であり、前記回転ローラ27を混合流が通過することで、金属類、灰分が前記吸着円板31に吸着され、石炭23から不純物が分離される。更に、前記加圧ローラ9により粉砕された、微粉炭の粒径は、30μm〜50μmと微細であり、高効率で不純物の分離(選炭)が可能である。
【0046】
而して、微粉炭は、前記吸着円板31を通過し、不純物は該吸着円板31に吸着され、石炭23から除去される。
【0047】
次に、前記吸着円板31は前記分離部モータ29によって回転されており、前記吸着円板31の回転により前記不純物掻取り板34で不純物が前記吸着円板31から掻取られる。
【0048】
掻取られた不純物は、前記不純物掻取り板34によって前記不純物分離ダクト32に導かれ、該不純物分離ダクト32で一時的に貯溜され、前記ロータリゲート33の弁体(図示せず)の回転により、不純物が間欠的に排出される。従って、粉砕された微粉炭から不純物の除去が、連続的且つ永続的に実施される。
【0049】
尚、前記不純物分離装置25は、前記加圧ローラ9の部分には存在しないが、該加圧ローラ9が粉砕炭層を押圧している領域では、前記加圧ローラ9により微粉炭の外周側への移動が拘束されているので、前記加圧ローラ9の部分に前記不純物分離装置25が存在しなくても、全体として微粉炭からの不純物分離には支障はない。
【0050】
不純物が除去され、前記分級室14を上昇する微粉炭は、前記分級器19で分級され、所定粒子以上の微粉炭は前記粉砕テーブル5上に落下し、所定粒子以下の微粉炭が前記微粉炭送給管22より送出される。
【0051】
図4、図5は、不純物分離装置25の第2の実施の形態を示している。尚、図中、図2、図3中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0052】
前記不純物分離装置25では、回転ローラ27を円筒ドラム35として、該円筒ドラム35の外周面を磁石としたものであり、不純物掻取り板34は前記円筒ドラム35の外周面に摺接する様に設けられている。
【0053】
本不純物分離装置25に於いても、外周面に不純物が付着し、前記不純物掻取り板34によって掻取られ、更に掻取られた不純物は該不純物掻取り板34によって不純物分離ダクト32に導かれる。
【0054】
図6、図7は、不純物分離装置25の第3の実施の形態を示している。尚、図中、図2、図3中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0055】
本不純物分離装置25では、回転ローラ27を複数の電磁石36(図示では36a,36b,36c,36dの4個)で構成したものである。
【0056】
中空の円筒ドラムの表面に電磁石36a,36b,36c,36dを取付け、中空ドラムの内部には前記電磁石36a,36b,36c,36dを独立して励磁、非励磁とする励磁コイルが収納され、又励磁コイルへの通電状態を切替える切替え回路が収納されている。
【0057】
不純物分離ダクト32に取付けられた不純物掻取り板34は前記回転ローラ27の外周面に摺接する様になっている。
【0058】
該回転ローラ27は分離部モータ29によって回転され、更に前記電磁石36a,36b,36c,36dの内、3つの電磁石36が励磁され、1つの電磁石36が非励磁とされる。
【0059】
図示では、電磁石36aが非励磁であり、電磁石36b,36c,36dが励磁となっている。従って、電磁石36b,36c,36dには不純物が吸着され、電磁石36aには吸着されない。
【0060】
前記回転ローラ27は連続的に回転されており、電磁石36bが図示の電磁石36aの位置、即ち電磁石36bが混合流から外れ、前記不純物分離ダクト32に接近した位置に来ると、通電が停止され、非励磁となる。又、前記電磁石36aが前記不純物掻取り板34を超えた位置で、励磁状態にされる。非励磁となった電磁石36bから不純物が解放され、前記不純物掻取り板34に落下し、前記不純物分離ダクト32に導かれる。又、前記電磁石36aが励磁されることで、不純物が前記電磁石36aに吸着される。
【0061】
而して、前記電磁石36a,36b,36c,36dの励磁、非励磁が順次繰返されることで、不純物が吸着、回収され、微粉炭から分離除去される。
【0062】
尚、前記不純物分離装置25が設けられる位置は、加圧ローラ9,9の間、前記吹出し口16の上方が、密度の濃い混合流と前記回転ローラ27とが接触するので好ましいが、混合流の流路に設けられればよく、混合流と磁石とを接触させる構成で、微粉炭から不純物を分離除去できる。
【0063】
又、分離部ケース26をケーシング3に対して着脱可能とし、前記回転ローラ27の交換、保守等を簡単に行える様にしてもよい。
【0064】
上記した様に、本発明によれば、竪型ミルと一体に不純物分離装置が設けられており、不純物分離装置としては石炭を粉砕する機能、動力は不要であり、ランニングコストが低減する、又竪型ミルにより充分粒径が小さく粉砕されるので、不純物の分離は効果的に行われる。更に、石炭を燃焼する前に不純物を分離除去するので、ボイラ設備として燃焼後の排ガス処理装置である脱硝装置、集塵装置、脱硫装置等が必要なくなり、設備コストが低減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る竪型ミルの概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係る不純物分離装置の正面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る不純物分離装置の側面図である。
【図4】第2の実施の形態に係る不純物分離装置の正面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る不純物分離装置の側面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る不純物分離装置の正面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る不純物分離装置の側面図である。
【図8】石炭に含まれる灰分の含有率、灰分の組成を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 竪型ミル
3 ケーシング
5 粉砕テーブル
9 加圧ローラ
12 ローラ加圧装置
14 分級室
16 吹出し口
25 不純物分離装置
26 分離部ケース
27 回転ローラ
31 吸着円板
32 不純物分離ダクト
33 ロータリゲート
34 不純物掻取り板
35 円筒ドラム
36 電磁石
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭焚きボイラへ供給する石炭を粉砕する竪型ミルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭を燃料とする石炭焚きボイラでは、塊状の石炭を竪型ミルにより粉砕して微粉炭とし、微粉炭を1次空気と共に燃焼装置であるバーナに供給している。
【0003】
燃料とされる石炭には、灰分、硫黄分、重金属元素等の不燃物質、不純物(以下不純物と称す)が含まれており、これら不純物は大気汚染等の原因となり、環境負担を軽減する為に除去する必要がある。
【0004】
従来、不純物を含む石炭を燃料とした場合、環境汚染を防止する為、石炭焚きボイラを有する発電設備等では、排ガス処理装置として脱硝装置、集塵装置、脱硫装置等が設けられている。
【0005】
石炭の不純物を、燃焼前に除去すれば、ボイラ排ガス処理装置に於ける不純物処理量が少なくなるという利点があり、石炭と不純物とを分離する選炭は有効な手段である。又、選炭により、低品位石炭の有効利用が図れる為、不燃物の除去は重要な課題となる。
【0006】
燃焼前に事前に不純物を石炭から除去する方法として、例えば、石炭を数センチの塊に粉砕して、比重の異なる液に浸すことにより分離する比重分離法(浮遊選鉱法)により不純物と石炭とを分離(選炭)している。
【0007】
不純物は石炭中に細かく分散して存在する為、選炭に際し、できるだけ細かく粉砕することが選炭効率の向上に寄与する。
【0008】
ところが、浮遊選鉱法により選炭を行う場合は、多量の水を使用することから、排水の問題や水が充分得られない場所での水の確保が問題となる。
【0009】
又、上記の様に、選炭効率を向上させるにはできるだけ細かく粉砕することが好ましいが、粉砕に要されるエネルギコストが増大する。更に、微細に粉砕すると、粉塵の処理の為の設備が必要となり、設備コストが上昇する。
【0010】
従って、実用的な粉砕の粒度は数センチとなるが、選炭効率は限られる。
【0011】
【特許文献1】特開昭61−212340号公報
【0012】
【特許文献2】特開平11−226447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は斯かる実情に鑑み、水を必要とせず、更に粉塵を発生させずに、石炭を微細に粉砕して効率の良い選炭を行い得る竪型ミルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、回転する粉砕テーブルに複数の加圧ローラを押圧して石炭を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミルに於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成された竪型ミルに係り、又前記回転ローラは、前記吹出し口の上方に位置する様に配設された竪型ミルに係るものである。
【0015】
又本発明は、前記粉砕テーブル、前記加圧ローラを収納するケーシングの下部に外部に膨出する分離部ケースが設けられ、前記回転ローラは前記分離部ケースに収納され、該分離部ケースの下部に不純物分離ダクトが設けられると共に前記回転ローラに摺接し、吸着した不純物を掻取り、前記不純物分離ダクトに導く様に不純物掻取り板が設けられた竪型ミルに係るものである。
【0016】
又本発明は、前記回転ローラは回転軸に所定間隔で軸着された複数の円板状の磁石で構成された竪型ミルに係り、又前記回転ローラは、円筒形状であり、外周面が磁石となっている竪型ミルに係り、更に又前記回転ローラは、円周方向に複数等分された電磁石を有し、該電磁石は独立して励磁、非励磁可能であり、前記混合流から外れた位置で順次非励磁とされる様構成された竪型ミルに係るものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転する粉砕テーブルに複数の加圧ローラを押圧して石炭を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミルに於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成されたので、竪型ミルと一体に不純物分離装置が設けられており、不純物分離装置としては石炭を粉砕する機能、動力は不要であり、ランニングコストが低減すると共に竪型ミルにより充分粒径が小さく粉砕されるので、不純物の分離は効果的に行われる。更に、石炭を燃焼する前に不純物を分離除去するので、排ガス処理装置である脱硝装置、集塵装置、脱硫装置等が必要なくなり、設備コストが低減する。
【0018】
又本発明によれば、前記粉砕テーブル、前記加圧ローラを収納するケーシングの下部に外部に膨出する分離部ケースが設けられ、前記回転ローラは前記分離部ケースに収納され、該分離部ケースの下部に不純物分離ダクトが設けられると共に前記回転ローラに摺接し、吸着した不純物を掻取り、前記不純物分離ダクトに導く様に不純物掻取り板が設けられたので、簡単な構成で、連続的に、又永続的に不純物の分離回収が可能である。
【0019】
又本発明によれば、前記回転ローラは回転軸に所定間隔で軸着された複数の円板状の磁石で構成されたので、混合流と磁石との接触面積を大きくとれ、不純物を能率良く吸着できる。
【0020】
又本発明によれば、前記回転ローラは、円周方向に複数等分された電磁石を有し、該電磁石は独立して励磁、非励磁可能であり、前記混合流から外れた位置で順次非励磁とされる様構成されたので、不純物の分離回収が容易に行える等の優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
【0022】
図1は、本発明が実施される竪型ミルの一例を示している。
【0023】
基台2に立設されたケーシング3によって密閉された空間が形成され、該空間の下部にテーブル駆動装置4を介して粉砕テーブル5が設置され、該粉砕テーブル5は前記テーブル駆動装置4によって定速で回転される。前記粉砕テーブル5の上面には断面が円弧状である凹溝6を有するテーブルセグメント7が設けられている。
【0024】
前記粉砕テーブル5の回転中心から放射状に所要数組、例えば3組の加圧ローラユニット8が設けられている。該加圧ローラユニット8は、加圧ローラ9を有し、水平支持軸11を中心に傾動自在となっている。又、前記ケーシング3の下部には、放射状に貫通する3組のローラ加圧装置12が設けられている。該ローラ加圧装置12は、アクチュエータ、例えば油圧シリンダ10を具備し、該油圧シリンダ10によって前記加圧ローラ9を前記凹溝6に押圧する様になっている。
【0025】
前記粉砕テーブル5の下方は1次空気室13が形成され、前記ケーシング3内部の前記粉砕テーブル5より上方は、分級室14となっている。
【0026】
前記ケーシング3の下部には1次空気供給口15が取付けられ、該1次空気供給口15は図示しない送風機に接続されると共に、前記1次空気室13に連通している。前記粉砕テーブル5の周囲には1次空気の吹出し口16が全周に設けられている。
【0027】
前記ケーシング3の上側には石炭給排部17が設けられており、該石炭給排部17の中心部を貫通する様にパイプ状のシュート18が設けられ、該シュート18は前記ケーシング3の内部に延出している。前記シュート18には石炭23が供給され、供給された石炭23は前記粉砕テーブル5上に落下する様になっている。
【0028】
前記シュート18の中途部に分級器19が回転自在に設けられ、該分級器19は円周方向に所要ピッチで配設された短冊状のブレード21を有し、前記分級器19は回転駆動部(図示せず)によって回転される様になっている。
【0029】
前記石炭給排部17にはボイラのバーナに粉砕された微粉炭を送給する微粉炭送給管22が接続されている。
【0030】
前記ケーシング3の下部、前記吹出し口16の上方に位置して、不純物分離装置25が設けられる。該不純物分離装置25は、前記ローラ加圧装置12,12の間に、該ローラ加圧装置12、前記加圧ローラ9と干渉しない様に設けられている。
【0031】
前記不純物分離装置25の第1の実施の形態について、図2、図3を参照して説明する。
【0032】
前記ケーシング3の下部に半円筒状に膨出する分離部ケース26を設け、該分離部ケース26に回転ローラ27を水平な回転軸28を介して回転自在に設ける。
【0033】
又前記分離部ケース26の側面には分離部モータ29を設け、該分離部モータ29の出力軸と前記回転軸28とを連結し、前記分離部モータ29によって前記回転ローラ27を図2中、時計方向に所定の速度で回転可能とする。
【0034】
該回転ローラ27は、複数の吸着円板31が所定の間隔で前記回転軸28に軸着されたものであり、前記各吸着円板31は永久磁石となっており、該各吸着円板31,31の対向面は磁極が異なる様に配置されている。
【0035】
前記分離部ケース26の下部には、不純物分離ダクト32が連設され、該不純物分離ダクト32の下端には前記分級室14の気密を維持して不純物の排出が可能な不純物排出弁、例えばロータリゲート33が設けられる。
【0036】
前記不純物分離ダクト32の内面には、不純物掻取り板34が固着されており、該不純物掻取り板34は先端部が櫛歯状となっており、前記各吸着円板31,31間に挿入され、該吸着円板31の両面に摺接する様になっている。
【0037】
竪型ミル1の作用について説明する。
【0038】
前記粉砕テーブル5が回転され、前記1次空気供給口15より1次空気が導入された状態で、前記シュート18より塊状の石炭23が投入される。塊状の石炭23は前記シュート18の下端より前記粉砕テーブル5の中心に流落し、該粉砕テーブル5上に供給される。
【0039】
該粉砕テーブル5上の石炭23は、遠心力で外周方向に移動し、前記加圧ローラ9に噛込まれ粉砕され粉状となり、更に遠心力により外周に移動する。前記粉砕テーブル5から溢れた微粉炭は、前記吹出し口16を吹上がる1次空気に乗って上昇する。
【0040】
微粉炭を含む1次空気(混合流と称す)は、前記吸着円板31,31間を通って上昇し、前記分級室14に到達する。混合流が前記吸着円板31,31間を流通する際に、磁化されない微粉炭は前記吸着円板31に吸着されることなく通過する。
【0041】
石炭23に含まれる不純物としては、硫黄、鉄、水銀、灰分等が含まれており、鉄、水銀等の金属は硫黄と化合しており、又灰分も硫黄と一体化した状態となっている。従って、硫黄と化合した鉄が前記吸着円板31に吸着されることで、水銀等の重金属も硫黄を介在して鉄と共に前記前記吸着円板31に吸着される。
【0042】
次に、石炭23に含まれる灰分の量、及び灰分の組成を図8に示す。
【0043】
図8に示される様に、石炭23の銘柄A〜Hに於いて、灰分の含有量は、最小で1.40W%、最大で10.00W%となっている。
【0044】
又、灰分の組成として、鉄分(Fe2 O3 )が含まれている。鉄分は、最小で2.56W%、最大で26.90W%含まれ、全体としては、略10W%前後の鉄分が含まれていることが分る。
【0045】
従って、灰分についても、磁石による吸着が可能であり、前記回転ローラ27を混合流が通過することで、金属類、灰分が前記吸着円板31に吸着され、石炭23から不純物が分離される。更に、前記加圧ローラ9により粉砕された、微粉炭の粒径は、30μm〜50μmと微細であり、高効率で不純物の分離(選炭)が可能である。
【0046】
而して、微粉炭は、前記吸着円板31を通過し、不純物は該吸着円板31に吸着され、石炭23から除去される。
【0047】
次に、前記吸着円板31は前記分離部モータ29によって回転されており、前記吸着円板31の回転により前記不純物掻取り板34で不純物が前記吸着円板31から掻取られる。
【0048】
掻取られた不純物は、前記不純物掻取り板34によって前記不純物分離ダクト32に導かれ、該不純物分離ダクト32で一時的に貯溜され、前記ロータリゲート33の弁体(図示せず)の回転により、不純物が間欠的に排出される。従って、粉砕された微粉炭から不純物の除去が、連続的且つ永続的に実施される。
【0049】
尚、前記不純物分離装置25は、前記加圧ローラ9の部分には存在しないが、該加圧ローラ9が粉砕炭層を押圧している領域では、前記加圧ローラ9により微粉炭の外周側への移動が拘束されているので、前記加圧ローラ9の部分に前記不純物分離装置25が存在しなくても、全体として微粉炭からの不純物分離には支障はない。
【0050】
不純物が除去され、前記分級室14を上昇する微粉炭は、前記分級器19で分級され、所定粒子以上の微粉炭は前記粉砕テーブル5上に落下し、所定粒子以下の微粉炭が前記微粉炭送給管22より送出される。
【0051】
図4、図5は、不純物分離装置25の第2の実施の形態を示している。尚、図中、図2、図3中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0052】
前記不純物分離装置25では、回転ローラ27を円筒ドラム35として、該円筒ドラム35の外周面を磁石としたものであり、不純物掻取り板34は前記円筒ドラム35の外周面に摺接する様に設けられている。
【0053】
本不純物分離装置25に於いても、外周面に不純物が付着し、前記不純物掻取り板34によって掻取られ、更に掻取られた不純物は該不純物掻取り板34によって不純物分離ダクト32に導かれる。
【0054】
図6、図7は、不純物分離装置25の第3の実施の形態を示している。尚、図中、図2、図3中で示したものと同等のものには同符号を付してある。
【0055】
本不純物分離装置25では、回転ローラ27を複数の電磁石36(図示では36a,36b,36c,36dの4個)で構成したものである。
【0056】
中空の円筒ドラムの表面に電磁石36a,36b,36c,36dを取付け、中空ドラムの内部には前記電磁石36a,36b,36c,36dを独立して励磁、非励磁とする励磁コイルが収納され、又励磁コイルへの通電状態を切替える切替え回路が収納されている。
【0057】
不純物分離ダクト32に取付けられた不純物掻取り板34は前記回転ローラ27の外周面に摺接する様になっている。
【0058】
該回転ローラ27は分離部モータ29によって回転され、更に前記電磁石36a,36b,36c,36dの内、3つの電磁石36が励磁され、1つの電磁石36が非励磁とされる。
【0059】
図示では、電磁石36aが非励磁であり、電磁石36b,36c,36dが励磁となっている。従って、電磁石36b,36c,36dには不純物が吸着され、電磁石36aには吸着されない。
【0060】
前記回転ローラ27は連続的に回転されており、電磁石36bが図示の電磁石36aの位置、即ち電磁石36bが混合流から外れ、前記不純物分離ダクト32に接近した位置に来ると、通電が停止され、非励磁となる。又、前記電磁石36aが前記不純物掻取り板34を超えた位置で、励磁状態にされる。非励磁となった電磁石36bから不純物が解放され、前記不純物掻取り板34に落下し、前記不純物分離ダクト32に導かれる。又、前記電磁石36aが励磁されることで、不純物が前記電磁石36aに吸着される。
【0061】
而して、前記電磁石36a,36b,36c,36dの励磁、非励磁が順次繰返されることで、不純物が吸着、回収され、微粉炭から分離除去される。
【0062】
尚、前記不純物分離装置25が設けられる位置は、加圧ローラ9,9の間、前記吹出し口16の上方が、密度の濃い混合流と前記回転ローラ27とが接触するので好ましいが、混合流の流路に設けられればよく、混合流と磁石とを接触させる構成で、微粉炭から不純物を分離除去できる。
【0063】
又、分離部ケース26をケーシング3に対して着脱可能とし、前記回転ローラ27の交換、保守等を簡単に行える様にしてもよい。
【0064】
上記した様に、本発明によれば、竪型ミルと一体に不純物分離装置が設けられており、不純物分離装置としては石炭を粉砕する機能、動力は不要であり、ランニングコストが低減する、又竪型ミルにより充分粒径が小さく粉砕されるので、不純物の分離は効果的に行われる。更に、石炭を燃焼する前に不純物を分離除去するので、ボイラ設備として燃焼後の排ガス処理装置である脱硝装置、集塵装置、脱硫装置等が必要なくなり、設備コストが低減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る竪型ミルの概略図である。
【図2】第1の実施の形態に係る不純物分離装置の正面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る不純物分離装置の側面図である。
【図4】第2の実施の形態に係る不純物分離装置の正面図である。
【図5】第2の実施の形態に係る不純物分離装置の側面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る不純物分離装置の正面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る不純物分離装置の側面図である。
【図8】石炭に含まれる灰分の含有率、灰分の組成を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
1 竪型ミル
3 ケーシング
5 粉砕テーブル
9 加圧ローラ
12 ローラ加圧装置
14 分級室
16 吹出し口
25 不純物分離装置
26 分離部ケース
27 回転ローラ
31 吸着円板
32 不純物分離ダクト
33 ロータリゲート
34 不純物掻取り板
35 円筒ドラム
36 電磁石
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する粉砕テーブルに複数の加圧ローラを押圧して石炭を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミルに於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成されたことを特徴とする竪型ミル。
【請求項2】
前記回転ローラは、前記吹出し口の上方に位置する様に配設された請求項1の竪型ミル。
【請求項3】
前記粉砕テーブル、前記加圧ローラを収納するケーシングの下部に外部に膨出する分離部ケースが設けられ、前記回転ローラは前記分離部ケースに収納され、該分離部ケースの下部に不純物分離ダクトが設けられると共に前記回転ローラに摺接し、吸着した不純物を掻取り、前記不純物分離ダクトに導く様に不純物掻取り板が設けられた請求項1又は請求項2の竪型ミル。
【請求項4】
前記回転ローラは回転軸に所定間隔で軸着された複数の円板状の磁石で構成された請求項3の竪型ミル。
【請求項5】
前記回転ローラは、円筒形状であり、外周面が磁石となっている請求項3の竪型ミル。
【請求項6】
前記回転ローラは、円周方向に複数等分された電磁石を有し、該電磁石は独立して励磁、非励磁可能であり、前記混合流から外れた位置で順次非励磁とされる様構成された請求項3の竪型ミル。
【請求項1】
回転する粉砕テーブルに複数の加圧ローラを押圧して石炭を粉砕し、前記粉砕テーブルの周囲に吹出し口が設けられ、該吹出し口から空気が噴出され、粉砕された微粉炭が吹上げられる様になっている竪型ミルに於いて、微粉炭を含む混合流の流れの中に位置する回転ローラを具備する不純物分離装置が設けられ、前記回転ローラは磁力で微粉炭中の不純物を吸着して分離する様構成されたことを特徴とする竪型ミル。
【請求項2】
前記回転ローラは、前記吹出し口の上方に位置する様に配設された請求項1の竪型ミル。
【請求項3】
前記粉砕テーブル、前記加圧ローラを収納するケーシングの下部に外部に膨出する分離部ケースが設けられ、前記回転ローラは前記分離部ケースに収納され、該分離部ケースの下部に不純物分離ダクトが設けられると共に前記回転ローラに摺接し、吸着した不純物を掻取り、前記不純物分離ダクトに導く様に不純物掻取り板が設けられた請求項1又は請求項2の竪型ミル。
【請求項4】
前記回転ローラは回転軸に所定間隔で軸着された複数の円板状の磁石で構成された請求項3の竪型ミル。
【請求項5】
前記回転ローラは、円筒形状であり、外周面が磁石となっている請求項3の竪型ミル。
【請求項6】
前記回転ローラは、円周方向に複数等分された電磁石を有し、該電磁石は独立して励磁、非励磁可能であり、前記混合流から外れた位置で順次非励磁とされる様構成された請求項3の竪型ミル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−119922(P2010−119922A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293769(P2008−293769)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
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