説明

竪型噴流めっき装置

【課題】高生産性化及び高品質化を図ると共に、ストリップの両端部のエッジオーバーコートを防止して製品歩留まりの向上が可能な竪型噴流めっき装置を提供する。
【解決手段】貫通孔が並べて形成された電極12、13をめっき槽14内に対向して垂直配置した電極対15の間に、電極対15の上下方向の一側に設けられた給液ノズルから電解液を供給して電極対15内を満たすと共に、他側に設けられた排液ボックスで回収した電解液を排液手段で排出しながら、電極対15の間にストリップ18を垂直方向に走行させて電解めっきを行う竪型噴流めっき装置であって、電極対15内の幅方向両側には、電極対15内のストリップ18の幅方向両側部を上下方向に渡って連続して覆うエッジマスク19、20が、ストリップ18の幅方向に沿って進退自在にそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストリップ表面に電解めっき処理を行う竪型噴流めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属ストリップ(以下、単にストリップという)の電解めっき処理において、高生産性で高品質を達成できる電解めっき装置が求められている。ここで、生産性を向上させるには、電解液の流速を強制的に上げて高い電解電流密度を確保することが有効であるが、流速の大きな電解液がストリップの周囲を通過することに伴って、ストリップに振動が発生したりストリップが電極に接触したりする問題が生じる。そこで、電極間へ電解液を供給する給液ノズルと、電極間から排出される電解液を集積する排液ボックスを備えた排液装置と、給液ノズルと排液装置の間に位置する電極の幅方向の両端部にサイドシールを配設すると共に、電極の背面側にそれぞれ均圧室を設け、かつストリップが通板されるストリップ走行部と各均圧室とを導通する多数の貫通孔を電極に設け、電極、サイドシール、及び均圧室から形成される電極ボックスと、最下部に設けた電解液の流出を防止するシール装置から構成される竪型噴流めっき装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2588454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、電解に伴いストリップの幅方向両端部に電流集中が発生し、ストリップの両端部におけるめっき厚さが部分的に厚くなるエッジオーバーコートが生じ、製品歩留まりが低下するという問題が生じる。ここで、エッジオーバーコートの発生は、ストリップの幅方向の両側をそれぞれ覆うエッジマスクを設置すれば防止することができるが、幅が大きなストリップの場合、エッジマスクを設置しようとすると電極間の両端部にそれぞれ設けたサイドシールとエッジマスクが干渉して、サイドシールが設置できず、電極間を流れる電解液に、高生産性に必要な電解電流密度を確保できるような流速を与えることができないという問題が生じる。また、エッジマスクは、ストリップの通板位置の変化、ストリップの幅変化に対応させてストリップの幅方向に移動可能な構造にする必要があり、例えば、エッジマスクはストリップの幅方向に進退するロッド等の支持部材で支持される構造となる。このため、電極間に挿入される支持部材の長さを変えて電極間におけるエッジマスクの位置を調整すると、電極ボックス内を流れる電解液の分布状態が影響を受け、電極間を通過する電解液の流れが変化するという問題も生じる。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、高電解電流密度を確保するため電極間を通過する電解液の流速を大きくしても、ストリップの振動及び電極への接触を防止してめっき処理の高生産性化及び高品質化を図ると共に、ストリップの両端部のエッジオーバーコートを防止して製品歩留まりの向上が可能な竪型噴流めっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る竪型噴流めっき装置は、貫通孔が並べて形成された電極をめっき槽内に対向して垂直配置した電極対の間に、該電極対の上下方向の一側に設けられた給液ノズルから電解液を供給して該電極対内を満たすと共に、他側に設けられた排液ボックスで回収した電解液を排液手段で排出しながら、前記電極対の間にストリップを垂直方向に走行させて電解めっきを行う竪型噴流めっき装置であって、
前記電極対内の幅方向両側には、該電極対内の前記ストリップの幅方向両側部を上下方向に渡って連続して覆うエッジマスクが、前記ストリップの幅方向に沿って進退自在にそれぞれ設けられている。
【0007】
本発明に係る竪型噴流めっき装置において、前記めっき槽の幅方向両側部には、前記電極対の幅方向両端部にそれぞれ当接する絶縁部材が配置され、電解液が該めっき槽の幅方向両側部に移動するのを防止していることが好ましい。
これによって、エッジマスクが移動しても、めっき槽内では、めっき槽の幅方向両側部に配置された絶縁部材で挟まれた領域を電解液が通過することになる。その結果、電解液の流速が変動するのを防止でき、高い電解電流密度を安定して確保することができる。
【0008】
本発明に係る竪型噴流めっき装置において、前記絶縁部材の前記電極対の幅方向両端部に当接する面の中央部に、該電極対の内部と連通する溝部を上下方向に渡って連続して形成することが好ましい。
これによって、ストリップの幅が最大で、エッジマスクが後退限位置にあっても、ストリップ表面側及びストリップ裏面側の電解液の圧力を均一にできると共に、溝部と電極の貫通孔を通ってストリップ表面側とストリップ裏面側の間で電解液が流出入(往来)できる。
本発明に係る竪型噴流めっき装置において、前記エッジマスクは、前記ストリップの端部が隙間を有して嵌入する凹部が形成された断面コ字状のマスク部と、前記めっき槽の側壁を貫通して該マスク部に接続し該ストリップの幅方向に沿って進退する支持ロッドとを有することが好ましい。
これによって、支持ロッドを進退させることで、エッジマスクをストリップの幅方向に沿って進退させることができ、ストリップの通板位置が変化した場合や、ストリップの幅が変更になった場合でも、ストリップの幅方向両側部を容易かつ確実に覆うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る竪型噴流めっき装置においては、エッジマスクでストリップの幅方向両側部が覆われているので、ストリップの両端部に電流集中が発生するのを防止して、ストリップの両端部のエッジオーバーコートの発生を防止できる。
また、電極対内を通過する電解液の流速を大きくすることで、電極対内の電解液の圧力が変化しても、電極の貫通孔を介して電解液が移動することができ、更に、電極対の間でエッジマスクが移動して左右の対向するエッジマスクで囲まれた領域と左右のエッジマスクの外側(背面側)の領域において、電解液が通過する流路の断面積が変化しても、流路断面積が減少した側から電解液が電極の貫通孔を通過して電極対の外側に流出することができると共に、電極対の外側から電極の貫通孔を通過して電解液が流路断面積が増加した側に流入することができ、電極対内の電解液の圧力を均一に保つことができる。これによって、ストリップの振動及び電極への接触を防止してめっき処理の高生産性化及び高品質化を図ると共に、ストリップの両端部のエッジオーバーコートを防止して製品歩留まりの向上が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る竪型噴流めっき装置の正断面図、図2は同竪型噴流めっき装置の部分側断面図、図3は図1のP−P矢視断面図、図4、図5は同竪型噴流めっき装置のエッジマスクの説明図である。
【0011】
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る竪型噴流めっき装置10は、それぞれ複数の貫通孔11が並べて形成された電極12、13をめっき槽14内に対向して垂直配置した電極対15の間に、電極対15の上下方向の一側(この実施の形態では上側)に設けられた給液ノズル16から電解液を供給して電極対15内(めっき槽14内)を満たすと共に、他側(下側)に設けられた排液ボックス17で回収した電解液を排液手段の一例であるポンプを備えた電解液循環タンク(図示せず)へ排出しながら、電極対15の間にストリップ18を上方から下方に向けて走行させて電解めっきを行うものである。そして、電極対15内の幅方向両側には、電極対15内のストリップ18の幅方向両側部を上下方向に渡って連続して覆うエッジマスク19、20が、ストリップ18の幅方向に沿って進退自在にそれぞれ設けられている。以下詳細に説明する。
【0012】
電極12、13の隙間は、15〜60mmであり、ストリップ18は電極12、13間の中央部を通過する。また、電極12、13に並べて形成される貫通孔11の孔径は、電極12、13の内表面(対向面)とストリップ18中心との距離の1〜10倍である。貫通孔11の総面積は、電極12、13の外形状から求まる見掛けの電極面積に対して5〜10%である。また、隣り合う貫通孔11の中心間距離(ピッチ)は、電極12、13の内表面とストリップ18中心との距離の5〜20倍である。
【0013】
ここで、対向して垂直配置された電極12、13において、電極12外面側の上部一方側(ここでは左側)には接続端子部21が形成され、接続端子部21をその外側から囲むようにスリーブ部材21aが立設されている。電極13外面側の下部両側にはそれぞれ接続端子部22が形成され、各接続端子部22をその外側から囲むようにスリーブ部材22aが立設されている。また、電極12、13の内面側には、貫通孔11を避ける位置に、水平配置された絶縁性の桟部材23がそれぞれ対向して多段に設けられている。
【0014】
なお、めっき槽14の側部の上、下部両側にはそれぞれ窪み部22bが形成され、電極12、13に設けられたスリーブ部材21a、22aは対向する窪み部22bの底部を貫通してめっき槽14から露出している。また、電極12、13の外側面とめっき槽14の内側面との距離は、電極12、13内面とストリップ18中心との距離の2〜4倍に設定されている。
【0015】
給液ノズル16は、電極対15の上端部に設けられ、給液管24より供給された電解液をストリップ18の幅方向及び厚み方向の両側に供給するものである。そして、給液ノズル16をノズル取付けフランジ31を介してめっき槽14の上端部に取付けることで、電解液の流路を形成して、ストリップ18の厚み方向の両側における電解液の流速と、ストリップ18の幅方向における電解液の流速を均一にすることができる。
【0016】
排液ボックス17は、電極対15の下端部に接続する開口部32を備え、めっき槽14の下端部にボックス取付けフランジ33によって取付けられ、電解液循環タンクと接続する排液配管36を有している。
【0017】
これによって、めっき槽14に電解液を貯めながらめっき槽14から排出された電解液を排液配管36を介して電解液循環タンクに戻すことができる。排液ボックス17は、電極対15内から電解液を、ストリップ18の幅方向及びストリップ18の厚み方向の両側から均一に排出する。その結果、電極対15内でのストリップ18の幅方向における電解液の流速及びストリップ18の厚み方向両側における電解液の流速の均一化を更に図ることができる。
【0018】
図2、図3に示すように、めっき槽14の幅方向両側部には、電極対15の幅方向両端部にそれぞれ当接する絶縁部材37、38が配置されている。ここで、絶縁部材37、38の上下両端面は、めっき槽14の上下内面にそれそれ当接している。また、平面視した絶縁部材37、38において、電極対15の幅方向両端部に当接する面を除いた残りの面は、めっき槽14の内面にそれぞれ当接している。また、電極対15の幅方向両端部にそれぞれ当接する面の中央部には、電極対15の内部と連通する溝部39、40が上下方向に渡って連続して形成されている。
【0019】
電極対15の幅方向両外側に電極対15の端部をシールして絶縁部材37、38をそれぞれ配置することで、電解液がめっき槽14の幅方向両側部に流入するのを防止することができる。また、めっき槽14内に、電極12、13の外面、めっき槽14の内面、及び絶縁部材37、38でそれぞれ囲まれ、上、下をノズル取付けフランジ31及びボックス取付けフランジ33でそれぞれ囲まれた第1、第2の空間部41、42を形成することができる。ここで、第1、第2の空間部41、42の幅、電極12、13の幅、給液ノズル16で電解液が流入する部分の幅、及び排液ボックス17で電解液が排水される部分の幅は、いずれも同一の幅Wに形成され、電解液の流路幅の拡大及び縮小を避けて、電解液の流れの均一化を図っている。
【0020】
図4に示すように、エッジマスク20(エッジマスク19も同様)は、ストリップ18の幅方向端部が隙間を有して嵌入する凹部43が先側に形成された断面コ字状(溝状)のマスク部44と、めっき槽14の側壁及び側壁に当接して配置された絶縁部材38をそれぞれ貫通してマスク部44の基部に先部が接続する支持ロッド45とを有している。なお、支持ロッド45は、シール部材46(例えば、グランドパッキン)を介して支持部材47に保持され、支持部材47はめっき槽14の側壁に取付けたフランジ48に取付けられている。そして、支持ロッド45の基側は、図示しない進退駆動機構(例えば、流体圧シリンダ)に接続されている。これにより、図5に示すように、幅狭のストリップ49を走行させる場合も、マスク部44を、電極対15内でストリップ49の幅方向に沿って移動させることができ、ストリップ49の両側を覆うことができる。
【0021】
ここで、ストリップ18の幅方向両端部に電流集中が発生しないようにするには、ストリップ18の端から0mm、又は0を超え25mm以下の範囲Xをマスク部44で覆う必要がある。また、ストリップ18の両側と中央部におけるめっき速度を均一にするには、マスク部44で覆われたストリップ18の側部を通過する電解液の流速を確保する必要があり、ストリップ18の表面とこれに対向するマスク部44の凹部43側面との距離Zは8〜50mm、ストリップ18の端とこれに対向する凹部43底面との距離Yは20〜50mmとする。
【0022】
電極12、13には、貫通孔11が並べて形成されているので、貫通孔11を介して電極対15間と第1、第2の空間部41、42はそれぞれ連通している。更に、エッジマスク19、20のマスク部44の背側で電極12、13と絶縁部材37、38の溝部39、40で囲まれた領域は、電極12、13の貫通孔11を介して第1の空間部41と第2の空間部42を接続する導通部50として作用する。
【0023】
図1に示すように、排液ボックス17の下部には、排液ボックス17内から電解液の流出を防止してストリップ18のみを排出させるシール機構51が設けられている。ここで、シール機構51は、排液ボックス17の下方に連接して設けられ、回転しながらストリップ18を厚み方向に挟持する対となるダムロール56、57と、開口部32に連通し中央をストリップ18が挿通する開口部52の出口側に一端側が取付けられ他端側がダムロール56、57にそれぞれ当接して、開口部52から排出されダムロール56、57に挟持されるまでの範囲のストリップ18を取囲むシール板部材58、59とを有している。これによって、ストリップ18のみを通過させて電解液の流出を防止でき、めっき槽14内に電解液を貯留することができる。
【0024】
続いて、本発明の一実施の形態に係る竪型噴流めっき装置10の作用について説明する。
図3、図4に示すように、エッジマスク19、20のマスク部44でストリップ18の幅方向両側部が覆われているので、ストリップ18の両端部に電流集中が発生するのを防止して、ストリップ18の両端部のエッジオーバーコートの発生を防止できる。そして、図5に示すように、幅狭のストリップ49を走行させる場合も、電極対15の間でエッジマスク19、20を移動させてマスク部44でストリップ49の幅方向両側部を覆って、ストリップ49の両端部のエッジオーバーコートの発生を防止できる。
【0025】
また、エッジマスク19、20の進退に伴って、エッジマスク19、20の前、後における電解液の流路断面積に増減が生じても、流路断面積が減少した側から電解液が電極12、13の貫通孔11を通過して電極対15の外側の第1、第2の空間部41、42に流出することができると共に、第1、第2の空間部41、42から電極12、13の貫通孔11を通過して電解液が流路断面積が増加した側に流入することができ、電極対15内の電解液の圧力を均一に保つことができる。その結果、ストリップ18、49に均一なめっきを施す(高品質化を図る)ことができる。
【0026】
また、電極対15内をストリップ18、49が走行している際に、例えば電極12側を通過する電解液の液圧が電極13側を通過する電解液の液圧より大きくなると、図4、図5に示すように、電極対15内の電極12側を通過する電解液の一部は電極12の貫通孔11を通過して第1の空間部41に流入する。これに伴い、第1の空間部41内の電解液の一部は電極12の貫通孔11を介して連通する導通部50内に流入し、導通部50内の電解液の一部は、電極13の貫通孔11を介して第2の空間部42内に流入し、更に第2の空間部42から電極13の貫通孔11を介して電極対15内の電極13側に流入する。その結果、ストリップ18、49の厚み方向両側において電解液の液圧に差が発生しても、電解液の液圧が高い側から液圧が低い側に電解液が移動して、ストリップ18、49の両側において電解液の液圧差が解消され、ストリップ18、49の振動及び電極13への接触が防止される。その結果、ストリップ18、49に均一なめっきを施す(高品質化を図る)ことができる。
【0027】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、ストリップが下方から上方に向けて走行する場合、めっき槽の上部に排液ボックス、下部に給液ノズルを配置すると共に、給液ノズルの上流側にシール機構を設置することができる。
また、給液ノズルについては、ストリップの幅方向及び厚み方向の両側に電解液を均一に供給できるものであればよい。更に、排液ノズルについても、ストリップの幅方向及び厚み方向の両側から電解液を均一に排出できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態に係る竪型噴流めっき装置の正断面図である。
【図2】同竪型噴流めっき装置の部分側断面図である。
【図3】図1のP−P矢視断面図である。
【図4】同竪型噴流めっき装置のエッジマスクの説明図である。
【図5】同竪型噴流めっき装置のエッジマスクの説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10:竪型噴流めっき装置、11:貫通孔、12、13:電極、14:めっき槽、15:電極対、16:給液ノズル、17:排液ボックス、18:ストリップ、19、20:エッジマスク、21:接続端子部、21a:スリーブ部材、22:接続端子部、22a:スリーブ部材、22b:窪み部、23:桟部材、24:給液管、31:ノズル取付けフランジ、32:開口部、33:ボックス取付けフランジ、36:排液配管、37、38:絶縁部材、39、40:溝部、41:第1の空間部、42:第2の空間部、43:凹部、44:マスク部、45:支持ロッド、46:シール部材、47:支持部材、48:フランジ、49:ストリップ、50:導通部、51:シール機構、52:開口部、56、57:ダムロール、58、59:シール板部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が並べて形成された電極をめっき槽内に対向して垂直配置した電極対の間に、該電極対の上下方向の一側に設けられた給液ノズルから電解液を供給して該電極対内を満たすと共に、他側に設けられた排液ボックスで回収した電解液を排液手段で排出しながら、前記電極対の間にストリップを垂直方向に走行させて電解めっきを行う竪型噴流めっき装置であって、
前記電極対内の幅方向両側には、該電極対内の前記ストリップの幅方向両側部を上下方向に渡って連続して覆うエッジマスクが、前記ストリップの幅方向に沿って進退自在にそれぞれ設けられていることを特徴とする竪型噴流めっき装置。
【請求項2】
請求項1記載の竪型噴流めっき装置において、前記めっき槽の幅方向両側部には、前記電極対の幅方向両端部にそれぞれ当接する絶縁部材が配置され、電解液が該めっき槽の幅方向両側部に移動するのを防止していることを特徴とする竪型噴流めっき装置。
【請求項3】
請求項2記載の竪型噴流めっき装置において、前記絶縁部材の前記電極対の幅方向両端部に当接する面の中央部に、該電極対の内部と連通する溝部を上下方向に渡って連続して形成することを特徴とする竪型噴流めっき装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の竪型噴流めっき装置において、前記エッジマスクは、前記ストリップの端部が隙間を有して嵌入する凹部が形成された断面コ字状のマスク部と、前記めっき槽の側壁を貫通して該マスク部に接続し該ストリップの幅方向に沿って進退する支持ロッドとを有することを特徴とする竪型噴流めっき装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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