説明

端子カバーと端子金具の組付け構造

【課題】作業性の向上を図る。
【解決手段】端子カバー10は、カバー本体11と蓋17とを合体して構成され、カバー本体11には、複数の端子金具30A,30Bを個別に嵌合させる複数の嵌合部15A,15Bが形成され、複数の嵌合部15A,15Bのうち少なくとも1つの嵌合部15Aは、端子金具30Aをカバー本体11からの離脱規制状態に嵌合させるようになっており、全ての端子金具30A,30Bは、嵌合部15A,15Bに嵌合された状態において、ボルト44の軸線と交差する方向において互いに相対変位可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子カバーと端子金具の組付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、相手側端子に対して個別にボルトで固定される複数の端子金具を、端子カバーに取り付ける構造が開示されている。端子カバーは、上部材と下部材とを合体して構成され、下部材には、複数の端子金具を個別に収容するための複数の凹部が形成されている。端子カバーに端子金具を組み付ける際には、下部材の凹部に端子金具を収容し、その後、上部材を下部材に被せるように合体させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−098103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の組付け構造においては、下部材の凹部は単に端子金具を収容しているだけなので、1つの端子金具を凹部に収容した後、別の端子金具を凹部に収容しようとするときに、収容済みの端子金具が凹部から離脱してしまう虞があり、作業性の点で改善が望まれる。
【0005】
また、上部材と下部材を合体させて複数の端子金具を端子カバーに組み付けた状態では、複数の端子金具が、全て、端子カバーに対して相対変位を規制された状態に固定されるようになっている。そのため、複数の相手側端子同士の間で位置ずれを生じていた場合には、いずれかの端子金具のボルト孔が相手側端子と整合しなくなり、ボルト締めの作業に支障を来す虞があり、この点においても、作業性の改善が望まれる。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、作業性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手側端子に対して個別にボルトで固定される複数の端子金具を、端子カバーに組み付けるための組付け構造であって、前記端子カバーは、カバー本体と蓋とを合体して構成され、前記カバー本体には、前記複数の端子金具を個別に嵌合させる複数の嵌合部が形成され、前記複数の嵌合部のうち少なくとも1つは、前記端子金具を前記カバー本体からの離脱規制状態に嵌合させるようになっており、全ての前記端子金具は、前記嵌合部に嵌合された状態において、前記ボルトの軸線と交差する方向において互いに相対変位可能とされているところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記嵌合部は、前記端子金具に形成した嵌合孔に対し貫通するように嵌合される突起状をなしているところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記嵌合部のうち前記端子金具を貫通した突出端側の位置には、前記蓋に形成した係止部を係止させることで前記カバー本体と前記蓋を合体状態にロック可能なロック部が形成されているところに特徴を有する。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のものにおいて、前記嵌合部は、前記カバー本体と前記蓋を合体した状態で前記蓋を貫通する形態とされており、前記蓋には、前記蓋の外面側に突出した形態であって、前記カバー本体と前記蓋を合体した状態で前記嵌合部の突出端部を包囲する筒状部が形成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
<請求項1の発明>
複数の嵌合部のうち少なくとも1つは、端子金具をカバー本体からの離脱規制状態に嵌合させるようになっているので、この嵌合部に端子金具を最初に嵌合しておけば、他の端子金具を嵌合部に嵌合する際に、嵌合済みの端子金具が嵌合部から離脱することがない。したがって、端子金具をカバー本体に組み付ける際の作業性に優れている。
【0012】
また、全ての端子金具は、嵌合部に嵌合された状態において、ボルトの軸線と交差する方向において互いに相対変位可能とされているので、複数の相手側端子同士の間で位置ずれが生じていた場合には、その位置ずれに応じて端子金具を相対変位させることにより、各端子金具と相手側端子とを整合させることができる。これにより、ボルト締めの作業を支障なく行うことができる。
【0013】
<請求項2の発明>
嵌合部を突起状としたので、嵌合部の突出寸法を長くして端子金具との嵌合代を大きく確保することができ、これにより、端子金具を確実に嵌合状態に保持することができる。
【0014】
<請求項3の発明>
嵌合部を利用して、カバー本体と蓋を合体状態にロックするようにしたので、嵌合部とは別にロック部を設ける場合に比べると、カバー本体の形状の簡素化を図ることが可能である。
【0015】
<請求項4の発明>
嵌合部の突出寸法を長くして端子金具との嵌合代を大きく確保しようとした場合、蓋を貫通して蓋の外面側に露出した嵌合部の突出端部が、他部材の干渉によって損壊することが懸念される。その点、本発明では、嵌合部の突出端部を、蓋の外面側へ突出させた筒状部で包囲して保護するようにしたので、嵌合部の突出端部の損壊を回避しながら、嵌合部と端子金具との嵌合代を大きく確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態1においてカバー本体に第1端子金具と第2端子金具を取り付けた状態をあらわす正面図
【図2】図1のX−X線断面図
【図3】図1の状態から蓋とカバー本体を合体した状態をあらわす正面図
【図4】図3のY−Y線断面図
【図5】蓋とカバー本体を合体した状態の側面図
【図6】蓋とカバー本体を合体する前の状態をあらわす正面図
【図7】第1端子金具と第2端子金具の正面図
【図8】端子金具を相手側端子に接続した状態をあらわす側面図
【図9】端子金具を相手側端子に接続した状態をあらわす平面図
【図10】実施形態2においてカバー本体に第1端子金具と第2端子金具を取り付けた状態をあらわす正面図
【図11】図10のM−M線断面図
【図12】図10の状態から蓋とカバー本体を合体した状態をあらわす正面図
【図13】図12のN−N線断面図
【図14】蓋とカバー本体を合体する前の状態をあらわす正面図
【図15】第1端子金具と第2端子金具の正面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。コネクタCaは、端子カバー10に第1と第2の2つの端子金具30A,30Bを組み付けることによって構成されており、図8に示すように、機器40に設けた端子台41に接続されるようになっている。接続に際しては、2つの端子金具30A,30Bが、軸線を上下方向に向けたボルト44により、端子台41の上面に設けた左右一対の相手側端子42A,42Bに対して個別に固定される。
【0018】
端子カバー10は、合成樹脂からなり、図6に示すように、カバー本体11と蓋17とをヒンジ20で連結した単一部品である。以下、カバー本体11と蓋17を合体する前の状態、即ち、金型成形された状態に基づいて、端子カバー10の形状、構造を説明する。
【0019】
カバー本体11は、全体として板厚方向を前後方向に向けた板状をなしている。カバー本体11には、その前面(図6にあらわれている面)を略L字形に凹ませた形態の第1凹部12Aと第2凹部12Bとが形成されている。第1凹部12Aは、上下方向に長い略長方形をなしていて深さ浅く且つ均一とされた第1収容凹部13Aと、第1収容凹部13Aの下端部から側方へ延びてカバー本体11の側縁に開口された第1弧状凹部14Aとから構成されている。第2凹部12Bは、略正方形をなしていて深さが均一の第2収容凹部13Bと、第2収容凹部13Bの下端部から側方へ延びてカバー本体11の側縁に開口された第2弧状凹部14Bとから構成されている。
【0020】
図2,4,6に示すように、第1凹部12Aには、第1収容凹部13Aの前面から前方へ突出した第1嵌合部15Aが一体に形成されている。第1嵌合部15Aは、第1収容凹部13Aの前面と直角をなす平板状をなし、板厚方向を左右方向(ボルト44の軸線と交差する方向)に向けている。つまり、前方から見ると、第1嵌合部15Aは縦長(上下方向)の細長い長方形をなしている。この形状は、第1嵌合部15Aの突出方向と直角な断面形状と同じ形状である。第1嵌合部15Aの突出寸法は、第1収容凹部13Aの深さ寸法、及び後述する第1端子金具30Aの板厚寸法(第1板状取付部32Aの厚さ寸法)よりも大きい。この第1嵌合部15Aには、左右方向(板厚方向)に貫通した孔状をなす第1ロック部16Aが形成されている。
【0021】
第2凹部12Bには、第2収容凹部13Bの前面から前方へ突出した第2嵌合部15Bが一体に形成されている。第2嵌合部15Bは、第2収容凹部13Bの前面と直角をなす平板状をなし、板厚方向を左右方向に向けている。つまり、前方から見ると、第2嵌合部15Bは縦長(上下方向)の細長い長方形をなしている。この形状は、第2嵌合部15Bの突出方向と直角な断面形状と同じ形状である。第2嵌合部15Bの突出寸法は、第2収容凹部13Bの深さ寸法、及び後述する第2端子金具30Bの板厚寸法(第2板状取付部32Bの厚さ寸法)よりも大きい。第2嵌合部15Bには、左右方向(板厚方向)に貫通した孔状をなす第2ロック部16Bが形成されている。第1嵌合部15Aと第2嵌合部15Bは、形状及び大きさが同一である。
【0022】
蓋17は、全体として板厚方向を前後方向(ボルト44の軸線と交差する方向)に向けた板状をなしている。図6に示すように、この蓋17は、その上端縁においてカバー本体11の下端縁に対して左右一対の薄い平板状をなすヒンジ20を介して連結されている。蓋17とカバー本体11を合体する際には、ヒンジ20が略半円形に曲げ変形させられ、図5,8に示すように、蓋17が、ヒンジ20を支点として反転するように揺動変位し、カバー本体11に対して前方から接近して合体させる。図3に示すように、蓋17をカバー本体11に合体した状態では、第1凹部12Aの全領域と第2凹部12Bの全領域が、蓋17によって覆い隠されるようになっている。
【0023】
図4,6に示すように、蓋17には、その後面側(合体状態では端子カバー10の外部に露出する外面側)へ角筒状に突出した形態であって、蓋17を前後方向に貫通する第1筒状部18Aが形成されている。蓋17をカバー本体11に合体した状態では、第1嵌合部15Aと第1筒状部18Aとが嵌合され、第1嵌合部15Aが第1筒状部18A内に収容されるようになっている。第1筒状部18Aには、その内側面から突出した突起状をなす第1係止部19Aが形成されている。蓋17をカバー本体11に合体した状態では、第1係止部19Aが第1ロック部16Aに係止し、この係止作用によって蓋17とカバー本体11とが合体状態にロックされるようになっている。
【0024】
蓋17には、その後面側(合体状態では端子カバー10の外部に露出する外面側)へ角筒状に突出した形態であって、蓋17を前後方向に貫通する第2筒状部18Bが形成されている。蓋17をカバー本体11に合体した状態では、第2嵌合部15Bと第2筒状部18Bとが嵌合され、第2嵌合部15Bが第2筒状部18B内に収容されるようになっている。第2筒状部18Bには、その内側面から突出した突起状をなす第2係止部19Bが形成されている。蓋17をカバー本体11に合体した状態では、第2係止部19Bが第2ロック部16Bに係止し、この係止作用によって蓋17とカバー本体11とが合体状態にロックされるようになっている。
【0025】
図7に示すように、第1端子金具30Aは、所定の形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施して成形され、正面形状が略L字形をなしている。第1端子金具30Aは、側方から見てL字形をなす第1端子本体31Aと、第1端子本体31Aの下端部から側方へ延出した形態のオープンバレル状の第1圧着部35Aとから構成される。第1端子本体31Aは、板厚方向を前後方向に向けた第1板状取付部32Aと、第1板状取付部32Aの上端縁から前方へ突出した形態であって板厚方向を上下方向に向けた第1板状接続部33Aとから構成されている。第1板状接続部33Aには、その板厚方向(上下方向)に貫通する第1ボルト孔34Aが形成されている。第1圧着部35Aには、軸線を左右方向に向けた第1電線36Aの端末部が、圧着により導通可能に固着されている。
【0026】
第1板状取付部32Aには、板厚方向(前後方向)に貫通した形態の第1嵌合孔37Aが形成されている。第1嵌合孔37Aは、第1板状取付部32Aを第1収容凹部13Aに収容した状態で、第1嵌合部15Aに嵌合され、第1嵌合部15Aの突出端部(前端部)が第1板状取付部32Aから前方へ突出した状態となる。第1嵌合部15Aと第1嵌合孔37Aは、上下方向及び左右方向への相対移動を規制された状態で(ガタ付きなく)嵌合される。また、第1嵌合部15Aの左右寸法(板厚)は、第1嵌合孔37Aの左右寸法よりも少し大きい寸法とされているので、第1嵌合部15Aと第1嵌合孔37Aは、圧入状態で嵌合される。これにより、第1嵌合部15Aの外面と第1嵌合孔37Aの内面とが密着し、両面間の摩擦力により、第1端子金具30Aは、第1嵌合部15Aに対して前後方向への相対移動(つまり、カバー本体11からの離脱)を規制された状態に保持される。
【0027】
第1端子金具30Aをカバー本体11に組み付けた状態では、第1板状取付部32Aが第1収容凹部13Aに収容されるとともに、第1圧着部35Aが第1弧状凹部14Aに収容される。この状態から、蓋17をカバー本体11に組み付けて合体状態にすると、第1板状取付部32Aと第1圧着部35Aが蓋17によって覆い隠され、第1板状接続部33Aがカバー本体11の上端縁部付近から前方へ突出し、第1電線36Aがカバー本体11から側方へ導出された状態となる。また、第1嵌合部15Aの突出端部が第1筒状部18A内に収容され、第1筒状部18A内では、第1ロック部16Aと第1係止部19Aとが係止し、この係止作用によって蓋17とカバー本体11とが合体状態(組付け状態)にロックされる。
【0028】
第2端子金具30Bは、所定の形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施して成形され、正面形状が略L字形をなしている。第2端子金具30Bは、側方から見てL字形をなす第2端子本体31Bと、第2端子本体31Bの下端部から側方へ延出した形態のオープンバレル状の第2圧着部35Bとから構成される。第2端子本体31Bは、板厚方向を前後方向に向けた第2板状取付部32Bと、第2板状取付部32Bの上端縁から前方へ突出した形態であって板厚方向を上下方向に向けた第2板状接続部33Bとから構成されている。第2板状接続部33Bには、その板厚方向(上下方向)に貫通する第2ボルト孔34Bが形成されている。第2圧着部35Bには、軸線を左右方向に向けた第2電線36Bの端末部が、圧着により導通可能に固着されている。
【0029】
第2板状取付部32Bには、板厚方向(前後方向)に貫通した形態の第2嵌合孔37Bが形成されている。第2嵌合孔37Bは、第2板状取付部32Bを第2収容凹部13Bに収容した状態で、第2嵌合部15Bに嵌合され、第2嵌合部15Bの突出端部(前端部)が第2板状取付部32Bから前方へ突出した状態となる。第2嵌合部15Bの上下寸法と左右寸法は、第2嵌合孔37Bの上下寸法と左右寸法よりも少し小さい寸法とされているので、第2嵌合部15Bと第2嵌合孔37Bは、上下方向及び左右方向への相対移動を許容された状態(ガタ付きを生じうる状態)で嵌合される。
【0030】
第2端子金具30Bをカバー本体11に組み付けた状態では、第2板状取付部32Bが第2収容凹部13Bに収容されるとともに、第2圧着部35Bが第2弧状凹部14Bに収容される。この収容状態では、第2板状取付部32Bと第2収容凹部13Bとの間に、第2端子金具30Bがカバー本体11に対して上下方向、左右方向及び上下方向へ相対変位するのを許容するクリアランス(図示省略)が確保されているとともに、第2圧着部35Bと第2弧状凹部14Bとの間にも、第2端子金具30Bがカバー本体11に対して上下方向、左右方向及び上下方向へ相対変位するのを許容するクリアランス(図示省略)が確保されている。
【0031】
第2端子金具30Bをカバー本体11に組み付けた状態から、蓋17をカバー本体11に組み付けて合体状態にすると、第2板状取付部32Bと第2圧着部35Bが蓋17によって覆い隠され、第2板状接続部33Bがカバー本体11の上端縁部付近から前方へ突出し、第2電線36Bがカバー本体11から側方へ導出された状態となる。この合体状態では、蓋17と第2端子金具30Bとの間に、第2端子金具30Bが端子カバー10に対して前後方向への相対変位を許容するクリアランス(図示省略)が確保されている。また、第2嵌合部15Bの突出端部が第2筒状部18B内に収容され、第2筒状部18B内では、第2ロック部16Bと第2係止部19Bとが係止し、この係止作用によって蓋17とカバー本体11とが合体状態(組付け状態)にロックされる。
【0032】
上記のように第1端子金具30Aは、前後方向、上下方向及び左右方向のいずれの方向においても、端子カバー10に対する相対変位を規制されているのに対し、第2端子金具30Bは、前後方向、上下方向及び左右方向のいずれの方向においても、端子カバー10に対する相対変位を許容されている。したがって、端子カバー10に取り付けられた第1端子金具30Aと第2端子金具30Bは、前後方向、上下方向及び左右方向のいずれの方向においても、互いに相対変位を許容された関係となっている。
【0033】
端子カバー10に第1端子金具30Aと第2端子金具30Bを組み付けて構成したコネクタCaを機器40に取り付ける際には、第1板状接続部33Aと第2板状接続部33Bを、夫々、第1相手側端子42Aと第2相手側端子42Bに対して上から重ね、第1ボルト孔34Aを第1相手側端子42Aの第1雌ネジ孔43Aに整合させるとともに、第2ボルト孔34Bを第2相手側端子42Bの第2雌ネジ孔43Bに整合させる。そして、第1ボルト孔34Aに差し込んだボルト44を、第1雌ネジ孔43Aに螺合して締め付けるとともに、第2ボルト孔34Bに差し込んだボルト44を、第2雌ネジ孔43Bに螺合して締め付ける。
【0034】
このボルト44による接続の際に、第1雌ネジ孔43Aと第2雌ネジ孔43Bの位置関係にバラツキがあっても、第2端子金具30Bは第1端子金具30Aに対して相対変位を許容された状態となっているので、両端子金具30A,30Bを相対変位させることにより、第1ボルト孔34Aと第2ボルト孔34Bを、夫々、第1雌ネジ孔43Aと第2雌ネジ孔43Bに整合させることができる。
【0035】
また、カバー本体11に第1端子金具30Aと第2端子金具30Bを組み付ける際には、先に第1端子金具30Aをカバー本体11に組み付けておく。組み付けられた第1端子金具30Aは、第1嵌合部15Aと第1嵌合孔37Aとの圧入による嵌合により、カバー本体11に対して離脱規制状態に保持されるので、作業者は、第1端子金具30Aから手を離して、第2端子金具30Bの組付け作業に取りかかることができる。したがって、端子カバー10に対する両端子金具30A,30Bの組付け作業が容易となっている。
【0036】
また、嵌合部15A,15Bは、嵌合孔37A,37Bに対し貫通するように嵌合される突起状をなしているので、嵌合部15A,15Bの突出寸法を長くして端子金具30A,30Bとの嵌合代を大きく確保することができる。これにより、端子金具30A,30Bを確実に嵌合状態に保持することができる。
【0037】
また、嵌合部15A,15Bのうち端子金具30A,30Bを貫通した突出端側の位置には、蓋17に形成した係止部19A,19Bを係止させることでカバー本体11と蓋17を合体状態にロック可能なロック部16A,16Bが形成されている。このように、本実施形態では、嵌合部15A,15Bを利用して、カバー本体11と蓋17を合体状態にロックするようにしたので、嵌合部とは別にロック部を設ける場合に比べると、カバー本体11の形状の簡素化を図ることが可能である。
【0038】
また、嵌合部15A,15Bは、カバー本体11と蓋17を合体した状態で蓋17を貫通する形態とされているのであるが、このように嵌合部15A,15Bの突出寸法を長くして端子金具30A,30Bとの嵌合代を大きく確保した場合、蓋17を貫通して蓋17の外面側に露出した嵌合部15A,15Bの突出端部が、他部材の干渉によって損壊することが懸念される。そこで本実施形態では、蓋17に、蓋17の外面側に突出した形態であって、カバー本体11と蓋17を合体した状態で嵌合部15A,15Bの突出端部を包囲する筒状部18A,18Bを形成している。この構成によれば、嵌合部15A,15Bの突出端部が筒状部18A,18Bで保護されるので、嵌合部15A,15Bの突出端部の損壊を回避しながら、嵌合部15A,15Bと端子金具30A,30Bとの嵌合代を大きく確保することができる。
【0039】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図10〜15を参照して説明する。コネクタCbは、端子カバー50に、第1と第2の2つの端子金具70A,70Bを組み付けることによって構成されており、実施形態1と同じ機器40に設けた端子台41に接続される。端子カバー50は、合成樹脂からなり、カバー本体51と蓋57とをヒンジ60で連結した単一部品である。以下、カバー本体51と蓋57を合体する前の状態、即ち、金型成形された状態に基づいて、端子カバー50の形状、構造を説明する。
【0040】
図14に示すように、カバー本体51は、全体として板厚方向を前後方向に向けた板状をなしている。カバー本体51には、その前面(図14にあらわれている面)を凹ませた形態の第1凹部52Aと第2凹部52Bとが形成されている。第1凹部52Aは、上下方向に長い略長方形をなしていて深さ浅く且つ均一とされた第1収容凹部53Aと、第1収容凹部53Aの下端部から下方へ延びてカバー本体51の下端縁に開口された第1弧状凹部54Aとから構成されている。第2凹部52Bは、上下方向に長い略長方形をなしていて深さ浅く且つ均一とされた第2収容凹部53Bと、第2収容凹部53Bの下端部から下方へ延びてカバー本体51の下端縁に開口された第2弧状凹部54Bとから構成されている。
【0041】
第1凹部52Aには、第1収容凹部53Aの前面から前方へ突出した第1嵌合部55Aが一体に形成されている。第1嵌合部55Aは、第1収容凹部53Aの前面と直角をなす平板状をなし、板厚方向を左右方向(ボルト44の軸線と交差する方向)に向けている。つまり、前方から見ると、第1嵌合部55Aは縦長(上下方向)の細長い長方形をなしている。この形状は、第1嵌合部55Aの突出方向と直角な断面形状と同じ形状である。第1嵌合部55Aの突出寸法は、第1収容凹部53Aの深さ寸法、及び後述する第1端子金具70Aの板厚寸法(第1板状取付部72Aの厚さ寸法)よりも大きい。第1嵌合部55Aには、左右方向(板厚方向)に貫通した孔状をなす第1ロック部56Aが形成されている。
【0042】
第2凹部52Bには、第2収容凹部53Bの前面から前方へ突出した第2嵌合部55Bが一体に形成されている。第2嵌合部55Bは、第2収容凹部53Bの前面と直角をなす平板状をなし、板厚方向を左右方向に向けている。つまり、前方から見ると、第2嵌合部55Bは縦長(上下方向)の細長い長方形をなしている。この形状は、第2嵌合部55Bの突出方向と直角な断面形状と同じ形状である。第2嵌合部55Bの突出寸法は、第2収容凹部53Bの深さ寸法、及び後述する第2端子金具70Bの板厚寸法(第2板状取付部72Bの厚さ寸法)よりも大きい。第2嵌合部55Bには、左右方向(板厚方向)に貫通した孔状をなす第2ロック部56Bが形成されている。第1嵌合部55Aと第2嵌合部55Bは、形状及び大きさが同一であるが、第1嵌合部55Aは、第2嵌合部55Bよりも下方に配置されている。
【0043】
蓋57は、全体として板厚方向を前後方向(ボルト44の軸線と交差する方向)に向けた板状をなしている。この蓋57は、その側縁においてカバー本体51の側縁に対して上下一対の薄い平板状をなすヒンジ60を介して連結されている。蓋57とカバー本体51を合体する際には、ヒンジ60が略半円形に曲げ変形させられ、蓋57が、ヒンジ60を支点として反転するように揺動変位し、カバー本体51に対して前方から接近して合体させる。蓋57をカバー本体51に合体した状態では、第1凹部52Aの全領域と第2凹部52Bの全領域が、蓋57によって覆い隠されるようになっている。
【0044】
図11,13に示すように、蓋57には、その後面側(合体状態では端子カバー50の外部に露出する外面側)へ角筒状に突出した形態であって、蓋57を前後方向に貫通する第1筒状部58Aが形成されている。蓋57をカバー本体51に合体した状態では、第1嵌合部55Aと第1筒状部58Aとが嵌合され、第1嵌合部55Aが第1筒状部58A内に収容されるようになっている。第1筒状部58Aには、その内側面から突出した突起状をなす第1係止部59Aが形成されている。蓋57をカバー本体51に合体した状態では、第1係止部59Aが第1ロック部56Aに係止し、この係止作用によって蓋57とカバー本体51とが合体状態にロックされるようになっている。
【0045】
蓋57には、その後面側(合体状態では端子カバー50の外部に露出する外面側)へ角筒状に突出した形態であって、蓋57を前後方向に貫通する第2筒状部58Bが形成されている。蓋57をカバー本体51に合体した状態では、第2嵌合部55Bと第2筒状部58Bとが嵌合され、第2嵌合部55Bが第2筒状部58B内に収容されるようになっている。第2筒状部58Bには、その内側面から突出した突起状をなす第2係止部59Bが形成されている。蓋57をカバー本体51に合体した状態では、第2係止部59Bが第2ロック部56Bに係止し、この係止作用によって蓋57とカバー本体51とが合体状態にロックされるようになっている。
【0046】
図15に示すように、第1端子金具70Aは、所定の形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施して成形され、上下方向に細長い形状をなしている。第1端子金具70Aは、側方から見てL字形をなす第1端子本体71Aと、第1端子本体71Aの下端部から下方へ延出した形態のオープンバレル状の第1圧着部75Aとから構成される。第1端子本体71Aは、板厚方向を前後方向に向けた第1板状取付部72Aと、第1板状取付部72Aの上端縁から前方へ突出した形態であって板厚方向を上下方向に向けた第1板状接続部73Aとから構成されている。第1板状接続部73Aには、その板厚方向(上下方向)に貫通する第1ボルト孔74Aが形成されている。第1圧着部75Aには、軸線を左右方向に向けた第1電線76Aの端末部が、圧着により導通可能に固着されている。
【0047】
第1板状取付部72Aには、板厚方向(前後方向)に貫通した形態の第1嵌合孔77Aが形成されている。第1嵌合孔77Aは、第1板状取付部72Aを第1収容凹部53Aに収容した状態で、第1嵌合部55Aに嵌合され、第1嵌合部55Aの突出端部(前端部)が第1板状取付部72Aから前方へ突出した状態となる。第1嵌合部55Aと第1嵌合孔77Aは、上下方向及び左右方向への相対移動を規制された状態で(ガタ付きなく)嵌合される。また、第1嵌合部55Aの左右寸法(板厚)は、第1嵌合孔77Aの左右寸法よりも少し大きい寸法とされているので、第1嵌合部55Aと第1嵌合孔77Aは、圧入状態で嵌合される。これにより、第1嵌合部55Aの外面と第1嵌合孔77Aの内面とが密着し、両面間の摩擦力により、第1端子金具70Aは、第1嵌合部55Aに対して前後方向への相対移動(つまり、カバー本体51からの離脱)を規制された状態に保持される。
【0048】
第1端子金具70Aをカバー本体51に組み付けた状態では、第1板状取付部72Aが第1収容凹部53Aに収容されるとともに、第1圧着部75Aが第1弧状凹部54Aに収容される。この状態から、蓋57をカバー本体51に組み付けて合体状態にすると、第1板状取付部72Aと第1圧着部75Aが蓋57によって覆い隠され、第1板状接続部73Aがカバー本体51の上端縁部付近から前方へ突出し、第1電線76Aがカバー本体51から下方へ導出された状態となる。また、第1嵌合部55Aの突出端部が第1筒状部58A内に収容され、第1筒状部58A内では、第1ロック部56Aと第1係止部59Aとが係止し、この係止作用によって蓋57とカバー本体51とが合体状態(組付け状態)にロックされる。
【0049】
第2端子金具70Bは、所定の形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工等を施して成形され、上下方向に細長い形状をなしている。第2端子金具70Bは、側方から見てL字形をなす第2端子本体71Bと、第2端子本体71Bの下端部から下方へ延出した形態のオープンバレル状の第2圧着部75Bとから構成される。第2端子本体71Bは、板厚方向を前後方向に向けた第2板状取付部72Bと、第2板状取付部72Bの上端縁から前方へ突出した形態であって板厚方向を上下方向に向けた第2板状接続部73Bとから構成されている。第2板状接続部73Bには、その板厚方向(上下方向)に貫通する第2ボルト孔74Bが形成されている。第2圧着部75Bには、軸線を左右方向に向けた第2電線76Bの端末部が、圧着により導通可能に固着されている。
【0050】
第2板状取付部72Bには、板厚方向(前後方向)に貫通した形態の第2嵌合孔77Bが形成されている。第2嵌合孔77Bは、第2板状取付部72Bを第2収容凹部53Bに収容した状態で、第2嵌合部55Bに嵌合され、第2嵌合部55Bの突出端部(前端部)が第2板状取付部72Bから前方へ突出した状態となる。第2嵌合部55Bの上下寸法と左右寸法は、第2嵌合孔77Bの上下寸法と左右寸法よりも少し小さい寸法とされているので、第2嵌合部55Bと第2嵌合孔77Bは、上下方向及び左右方向への相対移動を許容された状態(ガタ付きを生じうる状態)で嵌合される。
【0051】
第2端子金具70Bをカバー本体51に組み付けた状態では、第2板状取付部72Bが第2収容凹部53Bに収容されるとともに、第2圧着部75Bが第2弧状凹部54Bに収容される。この収容状態では、第2板状取付部72Bと第2収容凹部53Bとの間に、第2端子金具70Bがカバー本体51に対して上下方向、左右方向及び上下方向へ相対変位するのを許容するクリアランス(図示省略)が確保されているとともに、第2圧着部75Bと第2弧状凹部54Bとの間にも、第2端子金具70Bがカバー本体51に対して上下方向、左右方向及び上下方向へ相対変位するのを許容するクリアランス(図示省略)が確保されている。
【0052】
第2端子金具70Bをカバー本体51に組み付けた状態から、蓋57をカバー本体51に組み付けて合体状態にすると、第2板状取付部72Bと第2圧着部75Bが蓋57によって覆い隠され、第2板状接続部73Bがカバー本体51の上端縁部付近から前方へ突出し、第2電線76Bがカバー本体51から下方へ導出された状態となる。この合体状態では、蓋57と第2端子金具70Bとの間に、第2端子金具70Bが端子カバー50に対して前後方向への相対変位を許容するクリアランス(図示省略)が確保されている。また、第2嵌合部55Bの突出端部が第2筒状部58B内に収容され、第2筒状部58B内では、第2ロック部56Bと第2係止部59Bとが係止し、この係止作用によって蓋57とカバー本体51とが合体状態(組付け状態)にロックされる。
【0053】
上記のように第1端子金具70Aは、前後方向、上下方向及び左右方向のいずれの方向においても、端子カバー50に対する相対変位を規制されているのに対し、第2端子金具70Bは、前後方向、上下方向及び左右方向のいずれの方向においても、端子カバー50に対する相対変位を許容されている。したがって、端子カバー50に取り付けられた第1端子金具70Aと第2端子金具70Bは、前後方向、上下方向及び左右方向のいずれの方向においても、互いに相対変位を許容された関係となっている。
【0054】
尚、端子カバー50に第1端子金具70Aと第2端子金具70Bを取り付ける作業行程、第1端子金具70Aと第2端子金具70Bを、機器40の第1相手側端子42Aと第2相手側端子42Bに接続する作業工程、それらの作業を実施することに伴う本実施形態の作用と効果は、上記実施形態1と同じであるため、説明は省略する。
【0055】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1,2では、1つの端子カバーに2つの端子金具を組み付ける場合について説明したが、本発明は、1つの端子カバーに3つ以上の端子金具を組み付ける場合にも適用できる。
(2)上記実施形態1,2では、2つの嵌合部のうち一方の嵌合部(第1嵌合部)が、端子金具をカバー本体からの離脱規制状態に嵌合させ、他方の嵌合部(第2嵌合部)が、端子金具をカバー本体からの離脱を許容するように嵌合させたが、これに限らず、第1嵌合部と第2嵌合部の両方が、端子金具をカバー本体からの離脱規制状態に嵌合させるようにしてもよい。
(3)上記実施形態1,2では、2つの嵌合部のうち一方の嵌合部(第1嵌合部)が、端子金具をボルトの軸線と交差する方向への相対変位を規制した状態に嵌合させ、他方の嵌合部(第2嵌合部)が、端子金具をボルトの軸線と交差する方向への相対変位を許容する状態に嵌合させたが、これに限らず、第1嵌合部が、端子金具をボルトの軸線と交差する方向への相対変位を許容する状態に嵌合させ、第2嵌合部が、端子金具をボルトの軸線と交差する方向への相対変位を規制した状態に嵌合させるようにしてもよく、第1嵌合部と第2嵌合部の両方が、端子金具をボルトの軸線と交差する方向への相対変位を許容する状態に嵌合させるようにしてもよい。
(4)上記実施形態1,2では、2つの嵌合部を同じ形状で同じ寸法としたが、2つの嵌合部は、同じ形状であって異なる寸法にしてもよく、互いに異なる形状としてもよい。
(5)上記実施形態1,2では、嵌合部を板状に突出する形状としたが、嵌合部はブロック状でもよい。
(6)上記実施形態1,2では、嵌合部の突出方向と直角な断面形状を長方形としたが、嵌合部の突出方向と直角な断面形状は、正方形でもよく、方形以外の多角形でもよく、曲線からなる形状(円形、楕円形、長円形等)でもよく、直線と曲線とで構成された形状でもよい。
(7)上記実施形態では、1つの端子金具に1つの嵌合部を嵌合させたが、1つの端子金具に複数の嵌合部を嵌合させてもよい。
(8)上記実施形態1,2では、嵌合部を突起状として端子金具に貫通させる形態としたが、嵌合部は、端子金具を収容可能な凹部と、凹部の開口縁に形成して端子金具を係止させる係止突起とによって構成されていてもよい。
(9)上記実施形態1,2では、嵌合部に、カバー本体と蓋を合体状態にロックするためのロック部を形成したが、カバー本体と蓋を合体状態にロックするためのロック部は、嵌合部以外の部位に形成してもよい。
(10)上記実施形態1,2では、ロック部に係止される係止部を、筒状部の内部に形成したが、係止部は筒状部の外部に形成してもよい。
(11)上記実施形態1,2では、カバー本体と蓋を合体した状態では、嵌合部の突出端部を、蓋の筒状部で包囲して露出しないようにしたが、嵌合部の突出端部を、筒状部で包囲せずに蓋の外面側に露出させてもよい。
(12)上記実施形態1,2では、カバー本体に、端子金具を収容して位置決めするための凹部を形成したが、カバー本体に凹部を形成せず、嵌合部だけで端子金具を位置決めしてもよい。
(13)上記実施形態1,2では、カバー本体と蓋をヒンジで連結して端子カバーを単一の部品としたが、カバー本体と蓋を別体の部品としてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…端子カバー
11…カバー本体
15A…第1嵌合部
15B…第2嵌合部
16A…第1ロック部
16B…第2ロック部
17…蓋
18A…第1筒状部
18B…第2筒状部
19A…第1係止部
19B…第2係止部
30A…第1端子金具
30B…第2端子金具
37A…第1嵌合孔
37B…第2嵌合孔
42A…第1相手側端子
42B…第2相手側端子
44…ボルト
50…端子カバー
51…カバー本体
55A…第1嵌合部
55B…第2嵌合部
56A…第1ロック部
56B…第2ロック部
57…蓋
58A…第1筒状部
58B…第2筒状部
59A…第1係止部
59B…第2係止部
70A…第1端子金具
70B…第2端子金具
77A…第1嵌合孔
77B…第2嵌合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側端子に対して個別にボルトで固定される複数の端子金具を、端子カバーに組み付けるための組付け構造であって、
前記端子カバーは、カバー本体と蓋とを合体して構成され、
前記カバー本体には、前記複数の端子金具を個別に嵌合させる複数の嵌合部が形成され、
前記複数の嵌合部のうち少なくとも1つは、前記端子金具を前記カバー本体からの離脱規制状態に嵌合させるようになっており、
全ての前記端子金具は、前記嵌合部に嵌合された状態において、前記ボルトの軸線と交差する方向において互いに相対変位可能とされていることを特徴とする端子カバーと端子金具の組付け構造。
【請求項2】
前記嵌合部は、前記端子金具に形成した嵌合孔に対し貫通するように嵌合される突起状をなしていることを特徴とする請求項1記載の端子カバーと端子金具の組付け構造。
【請求項3】
前記嵌合部のうち前記端子金具を貫通した突出端側の位置には、前記蓋に形成した係止部を係止させることで前記カバー本体と前記蓋を合体状態にロック可能なロック部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の端子カバーと端子金具の組付け構造。
【請求項4】
前記嵌合部は、前記カバー本体と前記蓋を合体した状態で前記蓋を貫通する形態とされており、
前記蓋には、前記蓋の外面側に突出した形態であって、前記カバー本体と前記蓋を合体した状態で前記嵌合部の突出端部を包囲する筒状部が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の端子カバーと端子金具の組付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−69271(P2012−69271A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210784(P2010−210784)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】