説明

端子台

【課題】保安用のアースをとったり複数の表示用プラス端子を接続したりする作業の効率向上を図ることができる端子台を提供する。
【解決手段】端子台30に使用される端子10では、共通板貫通孔14がレール係合部113の底面の中央部に形成されており、前面プレート21をレール160に沿って貫通させるための前面プレート貫通孔111aが板部111の上中央部に形成されており、接続ネジ23を導電板13の上面から下面に螺合させて貫通させるためのネジ孔が導電板13の中央部に形成されている。また、複数個の端子10のうち電気的に接続する端子10の導電板13と共通板20との電気的接続は、共通板貫通孔14に共通板20をレール160に沿って貫通させ、接続ネジ23を前面プレート21の貫通孔および導電板13のネジ孔に貫通させたのちに接続ネジ23の先端部を共通板20に接触させることにより行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台に関し、特に、BP盤において保安用のアースをとったり受電盤において複数の表示用プラス端子を接続したりするのに好適な端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
PB盤や受電盤の端子台(図7および図8に示す端子台130参照)において使用されている端子110は、図6(a)〜(c)に示すように、本体111と、内側端子(図7および図8に示す第1乃至第8の内側端子131I1〜131I8参照)を構成する内側ネジ112Iおよび外側端子(図7および図8に示す第1乃至第8の外側端子131O1〜131O8参照)を構成する外側ネジ112Oと、内側ネジ112Iと外側ネジ112Oとを電気的に導通させるための導電板113とを具備する。
【0003】
ここで、本体111は、板部1111と、板部1111と一体に板部1111の表面の中央上部に垂設された前面プレート支持部1112と、板部1111と一体に板部1111の表面の下部に垂設されたかつ端子110をレール160(図7および図8参照)に沿って並べて取り付けるためのレール係合部1113と、板部1111およびレール係合部1113と一体に板部1111の表面の中央両端部に垂設されたかつ導電板113の両端をそれぞれ支持するための第1および第2の導電板支持部11141,11142と、レール係合部1113と一体にレール係合部1113の上側両端にそれぞれ設けられた第1および第2の突起11151,11152と、板部1111と一体に板部1111の裏面の下部に垂設された凸部1116(図6(b)参照)と、板部1111の裏面の下両側にそれぞれ形成されたかつ端子110と他の端子110とをレール160に沿って並べて取り付ける際に他の端子110の第1および第2の突起11151,11152がそれぞれ挿入される第1および第2の穴11171,11172(図6(b)参照)とを備える。
板部1111の上中央部には、前面プレート(図7に示す前面プレート121’および図8に示す前面プレート121”参照)を貫通させるための前面プレート貫通孔1111aが形成されている。板部1111の上両側には、前面プレートカバー(不図示)を取り付けるための第1および第2のカバー係止穴1111b1,1111b2がそれぞれ形成されている。
レール係合部1113の下面は凹面とされており、レール係合部1113の下面の上両側には、レールを係合させるための第1および第2のレール係止穴1113a1,1113a2がそれぞれ形成されている。また、レール係合部1113の第1および第2の導電板支持部11141,11142との境界部には、端子110と他の端子110とをレール160に沿って並べて取り付ける際に他の端子110の凸部1116の両端がそれぞれ挿入される第1および第2の凹部1113b1,1113b2が形成されている。
【0004】
BP盤では、図7に示すように、複数個の端子110をレール160に沿って並べて取り付けたのちに上部止め金具161および下部止め金具(不図示)で固定するとともにレール160の上端部および下端部を端子台固定金具170に固定した端子台130を用いて、変流器2次回路(CT2次回路)からのR相電流線LR、S相電流線LS、T相電流線LTおよびN相電流線LNを端子台130の第1乃至第4の外側端子131O1〜131O4(図6(a)に示した外側ネジ112O)に圧着端子を用いてそれぞれ接続し、変流器3次回路(CT3次回路)からのh相電流線Lhおよびg相電流線Lgを端子台130の第6および第7の外側端子131O6,131O7にそれぞれ圧着端子を用いて接続するとともに、BP盤内部の配線を第1乃至第7の内側端子131I1〜131I7(図6(a)に示した内側ネジ112I)に圧着端子を用いて接続している。
また、保安用のアースは、端子台130の第4の内側端子131I4と第5の内側端子131I5との間でわたりを接続するとともに端子台130の第5の外側端子131O5とアース板140の第1のアース端子1411とを第1のIV線LIV1(ビニール絶縁電線)を用いて接続して変流器2次回路からのN相電流線LNをアースし、端子台130の第7の内側端子131I7と第8の内側端子131I8との間でわたりを接続するとともに端子台130の第8の外側端子131O8とアース板140の第2のアース端子1412とを第2のIV線LIV2を用いて接続して変流器3次回路からのg相電流線Lgをアースすることにより行っている。
さらに、各端子110の端子番号を示す数字“1”から“6”とアース端子を示す記号“E”とが表示された前面プレート121’を各端子110の前面プレート貫通孔1111a(図6(a)参照)に貫通させることにより、端子台130の内側端子(第1乃至第8の内側端子131I1〜131I8)と外側端子(第1乃至第8の外側端子131O1〜131O8)との間に前面プレート121’を取り付けている。
【0005】
受電盤では、保護継電器(リレー)ごとに表示用プラス端子が必要となるため、図8に示すように、複数個の端子110をレール160に沿って並べて取り付けたのちに上部止め金具161および下部止め金具(不図示)で固定するとともにレール160の上端部および下端部を端子台固定金具170に固定した端子台130を用いて、表示用プラス端子となる複数の内側端子(同図に示す例では、第1、第4および第7の内側端子131I1,131I4,131I7)間にわたりを接続している。
また、各端子110の端子番号を示す数字“1”および“2”と表示用プラス端子を示す記号“P”とが表示された前面プレート121”を各端子110の前面プレート貫通孔1111a(図6(a)参照)に貫通させることにより、端子台130の内側端子と外側端子との間に前面プレート121”を取り付けている。
【0006】
なお、下記の特許文献1には、アース端子の取付け位置を任意の台座部に設定することができ、設計の自由度を向上させることができ、様々な用途に対応可能なようにするために、3つの台座部と、少なくとも1つの金具と、上面に端子が取り付けられたかつ下面に開口が設けられたかつ側面に金具の一部が挿入される挿入孔とを有する端子台であって、金具が、断面ほぼコ字状の形状を有し、台座部の上面に配される上部位と、台座部の挿入孔に挿入される下部位と、下部位に設けられたかつ台座部の下方から開口を介して挿入されたネジがねじ込まれるネジ孔とを有する、端子台が開示されている。
また、下記の特許文献2には、電子装置内で発生する電磁波ノイズの低減、筐体外のケーブルを介して侵入する放射ノイズの抑制を図るために、本体の一方の中継端子側に両端の筐体ネジ取付部をつなぐ中継導電性金物が設けられ、さらに、本体にケーブル接続ネジ部を中心に回転可能に取り付けられた個別端子部が設けられ。各々の個別端子部が中継端子面のケーブル接続ネジ部を含む領域を個別導電性金物で形成し、他の領域は絶縁性材料で形成し、個別端子部を回転させることにより個別導電性金物と中継導電性金物とを電気的に接続可能にし、ケーブル接続ネジ部にアース用ケーブルを接続し、個別端子部を回転させることによりアース用ケーブルを筐体と電気的に接続可能にした、端子台のアース接続構造が開示されている。
【特許文献1】特開2005−332712号公報
【特許文献2】特開2002−100423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、BP盤における端子台130では、図7に示したように第5および第8の外側端子130O5,130O8と第1および第2のアース端子1411,1412とを第1および第2のIV線LIV1,LIV2とを用いてそれぞれ接続することにより保安用のアースをとっているため、第4の内側端子131I4と第5の内側端子131I5との間および第7の内側端子131I7と第8の内側端子131I8との間でわたりを接続する作業や、第1および第2のIV線LIV1,LIV2の長さを決めるとともに第1および第2のIV線LIV1,LIV2の両側端末処理を行う作業が必要であるので、作業時間がかかるという問題があった。また、端子台130とは別の箇所にアース板140を用意する必要があるという問題があった。
【0008】
また、受電盤における端子台130では、表示用プラス端子となる複数の内側端子(図8に示した第1、第4および第7の内側端子131I1,131I4,131I7)間にわたりを接続する作業が必要であるので、作業時間がかかるという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、保安用のアースをとったり複数の表示用プラス端子を接続したりする作業の効率向上を図ることができる端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の端子台は、複数個の端子(10;50)がレール(160)に沿って並べられて取り付けられた端子台(30)であって、前記複数個の端子がそれぞれ、本体(11;51)と、内側端子(31I1〜31I8)を構成する内側ネジ(12I;52I)および外側端子(31O1〜31O8)を構成する外側ネジ(12O;52O)と、該内側ネジと該外側ネジとを電気的に導通させるための導電板(13;53)とを具備し、前記本体が、板部(111;511)と、該板部の下部に垂設されたかつ前記端子を前記レールに取り付けるためのレール係合部(113;513)とを備え、前記レール係合部の底面に形成された共通板貫通孔(14;54)に共通板(20;60)を前記レールに沿って貫通させ、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を前記共通板とネジ(23;63)を用いて電気的に接続することを特徴とする。
ここで、前記共通板貫通孔(14)が、前記レール係合部(113)の底面の中央部に形成されており、前面プレート(21,21’,21”)を前記レールに沿って貫通させるための前面プレート貫通孔(111a)が、前記板部(111)の上中央部に形成されており、接続ネジ(23)を前記導電板(13)の上面から下面に螺合させて貫通させるためのネジ孔が、該導電板の中央部に形成されており、前記接続ネジを前記前面プレートおよび前記導電板のネジ孔に貫通させたのちに該接続ネジの先端部を前記共通板(20)に接触させて、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を該共通板と電気的に接続してもよい。
前記前面プレート(21’,21”)の前記電気的に接続する端子を示す箇所に、前記接続ネジを貫通させるための貫通孔が形成されており、前記接続ネジを前記前面プレートの前記貫通孔および前記導電板の前記ネジ孔に貫通させたのちに該接続ネジの先端部を前記共通板に接触させて、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を該共通板と電気的に接続してもよい。
前記共通板貫通孔(54)が、前記レール係合部(513)の底面の前記外側ネジ(52O)の下方に形成されており、前記外側ネジの代わりに長ネジ(63)を用いて、該長ネジの先端部を前記共通板(60)に接触させて、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を該共通板と電気的に接続してもよい。
前記共通板(20;60)に、前記接続ネジまたは前記長ネジが螺合するネジ孔が形成されていてもよい。
前記共通板(20;60)の端部が、前記レールの端部が固定されたかつアースされた端子台固定金具(170)に固定されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の端子台は、以下に示す効果を奏する。
(1)レール係合部の底面に形成された共通板貫通孔に共通板をレールに沿って貫通させ、複数個の端子のうち電気的に接続する端子の導電板を共通板とネジを用いて電気的に接続することにより、複数個の端子のうち電気的に接続する端子の内側端子間でわたりを接続する作業や、IV線の長さを決めたりIV線の両側端末処理を行ったりする作業を不要とすることができるので、保安用のアースをとったり複数の表示用プラス端子を接続したりする作業の効率向上を図ることができる
(2)アースされた端子台固定金具に共通板を固定することにより、共通板をアース板として使用することができるので、端子台とは別の箇所にアース板を用意する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
上記の目的を、レール係合部の底面の中央部に形成された共通板貫通孔に共通板をレールに沿って貫通させ、接続ネジを前面プレートおよび導電板に形成したネジ孔に貫通させたのちに接続ネジの先端部を共通板に接触させて、複数個の端子のうち電気的に接続する端子の導電板を共通板と電気的に接続することにより実現した。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の端子台の実施例について図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施例による端子台30について、図1乃至図4を参照して説明する。
本実施例による端子台30(図3および図4参照)において使用される端子10は、以下に示す点で、図6(a)〜(c)に示した従来の端子110と異なる。
(1)端子10では、図1(a),(c)に示すように、第1および第2の前面プレート支持部1121,1122が板部111の表面の前面プレート貫通孔111aの下方両側部にそれぞれ垂設されている。
(2)端子10では、図2(a)に示すように、接続ネジ23を導電板13の上面から下面に螺合させて貫通させるためのネジ孔が導電板13の中央部に形成されている。
(3)端子10では、図1(a)〜(c)に示すように、共通板20(図2(b)参照)をレール160(図3および図4参照)に沿って(すなわち、レール係合部113の表面から裏面に)貫通させるための共通板貫通孔14がレール係合部113の底面の中央部に形成されている。また、図2(a)に示すように、接続ネジ23の先端部を共通板20に接触させるために接続ネジ23が螺合するネジ孔がレール係合部113の底面に形成されている。
【0014】
これにより、端子10では、図2(a)に示すように接続ネジ23を回しながら前面プレート21の上面から下面に貫通させたのち導電板13のネジ孔およびレール係合部113の底面のネジ孔に貫通させて接続ネジ23を共通板20のネジ孔に螺合させれば、内側ネジ12Iおよび外側ネジ12Oと共通板20とを接続ネジ23および導電板13を介して電気的に接続することができる。
その結果、図2(b)に示すように接続ネジ23を取り付けた端子10(同図左から2番目の端子10および5番目の端子10)については共通板20を介して電気的に接続することができるので、たとえば共通板20をアースすることにより内側ネジ12Iおよび外側ネジ12Oをアースすることができる。
【0015】
次に、複数個の端子10を具備した端子台30をBP盤に用いた場合の一例について、図3を参照して説明する。
端子台30では、複数個の端子10はレール160に沿って並べて取り付けられたのちに上部止め金具161および下部止め金具(不図示)で固定されている。また、端子台30はレール160の上端部および下端部を端子台固定金具170に固定することによりBP盤に取り付けられている。
【0016】
変流器2次回路(CT2次回路)からのR相電流線LR、S相電流線LS、T相電流線LTおよびN相電流線LNは端子台30の第1乃至第4の外側端子31O1〜31O4(図1(a)に示した外側ネジ12O)に圧着端子を用いてそれぞれ接続されており、変流器3次回路(CT3次回路)からのh相電流線Lhおよびg相電流線Lgは端子台30の第5および第6の外側端子31O5,31O6にそれぞれ圧着端子を用いて接続されているとともに、BP盤内部の配線は第1乃至第6の内側端子31I1〜31I6(図1(a)に示した内側ネジ12I)に圧着端子を用いて接続されている。
【0017】
作業員は、前面プレート21’を各端子10の前面プレート貫通孔111a(図1(a)参照)に貫通させることにより、端子台30の内側端子(第1乃至第8の内側端子31I1〜31I8)と外側端子(第1乃至第8の外側端子31O1〜31O8)との間に前面プレート21’を取り付ける。
【0018】
作業員は、共通板20を各端子10の共通板貫通孔14に貫通させたのち(図2(b)参照)、共通板20を端子台固定金具170(アースされている。)に固定することにより共通板20をアースする。
【0019】
保安用のアースをとるために、作業員は、第4の内側端子31I4と第4の外側端子31O4との間の前面プレート21’に接続ネジ23を差し込んだのち、接続ネジ23が共通板20のネジ穴に螺合するまで接続ネジ23を回して、接続ネジ23を端子10に取り付ける。同様に、保安用のアースをとるために、作業員は、第6の内側端子31I6と第6の外側端子31O6との間の前面プレート21’に接続ネジ23を差し込んだのち、接続ネジ23が共通板20のネジ穴に螺合するまで接続ネジ23を回して、接続ネジ23を端子10に取り付ける。
【0020】
このとき、共通板20に接続ネジ23が螺合するネジ孔を形成しておくことにより、接続ネジ23の先端部を共通板20に完全に接触させることができるとともに、作業員が接続ネジ23の先端部が共通板20に接触しないうちに接続ネジ23の取付け作業を止めてしまうことを防止することができる。
【0021】
また、前面プレート21’には各端子10の端子番号を示す数字“1”から“6”を表示しておくが、保安用のアースをとる第4の内側端子31I4および第4の外側端子31O4と第6の内側端子31I6および第6の外側端子31O6とについては端子番号を示す数字“4”および“6”の代わりに接続ネジ23を貫通させるための貫通孔を形成しておくことにより、作業員は前面プレート21’の貫通孔が形成された端子10について接続ネジ23を取り付けることにより保安用のアースをとることができるので、誤って別の端子10に接続ネジ23を取り付けることを防止することができるとともに、一般に端子台30には4回線分の数の端子10が取り付けられために保安用のアースをとる端子10の数は8個(=2端子×4回線)となるので、接続ネジ23を取り付ける作業性を向上させることができる。
【0022】
さらに、保安用のアースをとる端子10は端子台30によって異なる場合があるため、保安用のアースをとる端子10に対応させて貫通孔の形成位置を異ならせた(すなわち、電気的に接続する端子を示す箇所に貫通孔が形成された)前面プレート21’を端子台30ごとに用意しておくことにより、作業員が誤って別の端子10に接続ネジ23を取り付けることを防止することができる。
【0023】
次に、複数個の端子10を具備した端子台30を受電盤に用いた場合の一例について、図4を参照して説明する。
端子台30では、複数個の端子10はレール160に沿って並べて取り付けられたのちに上部止め金具161および下部止め金具(不図示)で固定されている。また、端子台30はレール160の上端部および下端部を端子台固定金具170に固定することにより受電盤に取り付けられている。
【0024】
各保護継電器(リレー)からの信号線は端子台30の第1乃至第8の外側端子31O1〜31O8(図1(a)に示した外側ネジ12O)に圧着端子を用いてそれぞれ接続されている。
【0025】
作業員は、前面プレート21”を各端子10の前面プレート貫通孔111a(図1(a)参照)に貫通させることにより、端子台30の内側端子(第1乃至第8の内側端子31I1〜31I8)と外側端子(第1乃至第8の外側端子31O1〜31O8)との間に前面プレート21”を取り付ける。
【0026】
作業員は、共通板20を各端子10の共通板貫通孔14に貫通させる(図2(b)参照)。なお、共通板20は電気的に絶縁された状態とする。
【0027】
作業員は、表示用プラス端子となる第4の内側端子31I4と第4の外側端子31O4との間の前面プレート21”に接続ネジ23を差し込んだのち、接続ネジ23が共通板20のネジ穴に螺合するまで接続ネジ23を回して、接続ネジ23を端子10に取り付ける。同様に、作業員は、表示用プラス端子となる第7の内側端子31I7と第7の外側端子31O7との間の前面プレート21”に接続ネジ23を差し込んだのち、接続ネジ23が共通板20のネジ穴に螺合するまで接続ネジ23を回して、接続ネジ23を端子10に取り付ける。
【0028】
このとき、共通板20に接続ネジ23が螺合するネジ孔を形成しておくことにより、接続ネジ23の先端部を共通板20に完全に接触させることができるとともに、作業員が接続ネジ23の先端部が共通板20に接触しないうちに接続ネジ23の取付け作業を止めてしまうことを防止することができる。
【0029】
また、前面プレート21”には各端子10の端子番号を示す数字“1”および“2”と表示用プラス端子を示す記号“P”とを表示しておくが、表示用プラス端子となる第4の内側端子31I4および第4の外側端子31O4と第7の内側端子31I7および第7の外側端子31O7とについては表示用プラス端子を示す記号“P”の代わりに接続ネジ23を貫通させるための貫通孔を形成しておくことにより、作業員は前面プレート21”の貫通孔が形成された端子10について接続ネジ23を取り付ければよいので、誤って別の端子10に接続ネジ23を取り付けることを防止することができるとともに、一般に端子台30には多数個の端子10が装着されるために表示用プラス端子となる端子10の数も多数となるので、接続ネジ23を取り付ける作業性を向上させることができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施例による端子台について、図5を参照して説明する。
本実施例による端子台において使用される端子50は、図5(a)に示すように共通板60(図5(b)参照)をレール係合部513の表面から裏面に貫通させるための共通板貫通孔54がレール係合部513の底面の外側ネジ52Oの下方に形成されている点と、図5(b)に示すように長ネジ63の先端部を共通板60に接触させるために長ネジ63が螺合するネジ孔がレール係合部513の底面に形成されている点とで、図6(a)〜(c)に示した従来の端子110と異なる。
【0031】
これにより、端子50では、図5(b)に示すように、外側ネジ52Oの代わりに長ネジ63を使用し、長ネジ63を回しながらレール係合部513の底面のネジ孔に貫通させたのち共通板60のネジ孔に螺合させれば、内側ネジ52Iと共通板60とを長ネジ63および導電板53を介して電気的に接続することができる。
その結果、長ネジ63を取り付けた端子50については共通板60を介して電気的に接続することができるので、たとえば共通板60をアースすることによりこの端子50をアースしたり、共通板60を電気的に絶縁させることにより表示用プラス端子となる端子50を電気的に接続したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施例による端子台30に使用される端子10の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図である。
【図2】端子10に共通板20、前面プレート21および接続ネジ23を取り付けた状態を示す図である。
【図3】複数個の端子10を具備した端子台30をBP盤に用いた場合の一例について説明するための図である。
【図4】複数個の端子10を具備した端子台30を受電盤に用いた場合の一例について説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施例による端子台に使用される端子50の構成を示す図であり、(a)は端子50の正面図、(b)は共通板60、前面プレート21および長ネジ63を取り付けた状態を示す図である。
【図6】従来の端子110の構造を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は右側面図である。
【図7】従来のBP盤における端子台構成について説明するための図である。
【図8】従来の受電盤における端子台構成について説明するための図である。
【符号の説明】
【0033】
10,50,110 端子
11,51,111 本体
111,511,1111 板部
111a,511a,1111a 前面プレート貫通孔
111b1,111b2,511b1,511b2,1111b1,1111b2 第1および第2のカバー係止穴
1121,1122 第1および第2の前面プレート支持部
113,513,1113 レール係合部
113a1,113a2,513a1,513a2,1113a1,1113a2 第1および第2のレール係止穴
113b1,113b2,513b1,513b2,1113b1,1113b2 第1および第2の凹部
1141,1142,5141,5142,11141,11142 第1および第2の導電板支持部
1151,1152,5151,5152,11151,11152 第1および第2の突起
116,1116 凸部
1171,1172,11171,11172 第1および第2の穴
12I,112I 内側ネジ
12O,112O 外側ネジ
13,53,113 導電板
14,54 共通板貫通孔
20,60 共通板
21,21’,21”,121,121’,121” 前面プレート
30,130 端子台
31I 1〜31I 8,131I 1〜131I 8 第1乃至第8の内側端子
31O 1〜31O 8,131O 1〜131O 8 第1乃至第8の外側端子
512,1112 前面プレート支持部
63 長ネジ
140 アース板
1411,1412 第1および第2のアース端子
160 レール
161 上部止め金具
170 端子台固定金具
R,LS,LT,LN,Lh,Lg R相、S相、T相、N相、h相およびg相電流線
IV1,LIV2 第1および第2のIV線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の端子(10;50)がレール(160)に沿って並べられて取り付けられた端子台(30)であって、
前記複数個の端子がそれぞれ、本体(11;51)と、内側端子(31I1〜31I8)を構成する内側ネジ(12I;52I)および外側端子(31O1〜31O8)を構成する外側ネジ(12O;52O)と、該内側ネジと該外側ネジとを電気的に導通させるための導電板(13;53)とを具備し、
前記本体が、板部(111;511)と、該板部の下部に垂設されたかつ前記端子を前記レールに取り付けるためのレール係合部(113;513)とを備え、
前記レール係合部の底面に形成された共通板貫通孔(14;54)に共通板(20;60)を前記レールに沿って貫通させ、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を前記共通板とネジ(23;63)を用いて電気的に接続する、
ことを特徴とする、端子台。
【請求項2】
前記共通板貫通孔(14)が、前記レール係合部(113)の底面の中央部に形成されており、
前面プレート(21,21’,21”)を前記レールに沿って貫通させるための前面プレート貫通孔(111a)が、前記板部(111)の上中央部に形成されており、
接続ネジ(23)を前記導電板(13)の上面から下面に螺合させて貫通させるためのネジ孔が、該導電板の中央部に形成されており、
前記接続ネジを前記前面プレートおよび前記導電板の前記ネジ孔に貫通させたのちに該接続ネジの先端部を前記共通板(20)に接触させて、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を該共通板と電気的に接続する、
ことを特徴とする、請求項1記載の端子台。
【請求項3】
前記前面プレート(21’,21”)の前記電気的に接続する端子を示す箇所に、前記接続ネジを貫通させるための貫通孔が形成されており、
前記接続ネジを前記前面プレートの前記貫通孔および前記導電板の前記ネジ孔に貫通させたのちに該接続ネジの先端部を前記共通板に接触させて、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を該共通板と電気的に接続する、
ことを特徴とする、請求項2記載の端子台。
【請求項4】
前記共通板貫通孔(54)が、前記レール係合部(513)の底面の前記外側ネジ(52O)の下方に形成されており、
前記外側ネジの代わりに長ネジ(63)を用いて、該長ネジの先端部を前記共通板(60)に接触させて、前記複数個の端子のうち電気的に接続する端子の前記導電板を該共通板と電気的に接続する、
ことを特徴とする、請求項1記載の端子台。
【請求項5】
前記共通板(20;60)に、前記接続ネジまたは前記長ネジが螺合するネジ孔が形成されていることを特徴とする、請求項2乃至4いずれかに記載の端子台。
【請求項6】
前記共通板(20;60)の端部が、前記レールの端部が固定されたかつアースされた端子台固定金具(170)に固定されていることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の端子台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−277569(P2009−277569A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129257(P2008−129257)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】