説明

端子金具の接続構造

【課題】本発明は、挿入力が低減された端子金具の接続構造を提供する。
【解決手段】筒部31の内部に設けられた弾性接触片32は、自然状態では挿入空間50内に少なくとも一部が位置する。筒部31内の保持位置に配された保持部材40は、保持位置において弾性接触片32と当接して弾性接触片32を弾性変形させることで弾性接触片32を挿入空間50と異なる位置に保持すると共に、雄タブ14が挿入空間50の正規位置に挿入された状態で弾性接触片32と離間する解除位置に移動される。復帰変形した弾性接触片32は雄タブ14と弾性的に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子金具の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端子金具の接続構造として、雄端子金具に設けられた雄タブが、雌端子金具に設けられた筒部内に収容される構造が知られている。(特許文献1参照)。上記した雌端子金具の筒部内には弾性接触片が設けられている。雄タブが筒部内に挿入されると、雄タブは、筒部と弾性接触片との間に入り込む。すると、雄タブは、筒部の内壁と弾性接触片との間を拡開させつつ、弾性接触片を弾性変形させながら弾性接触片と摺接する。この弾性接触片の弾発力により、弾性接触片が雄タブに対して弾性的に接触する。これにより、雄端子金具と雌端子金具とが電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−294496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記の構成によると、雄タブに対する弾性接触片の接圧が比較的に大きな場合には、雄端子金具が弾性接触片を弾性変形させる際に、雄端子金具と弾性接触片との間の摩擦抵抗も大きくなってしまう。すると、雄タブを筒部内に挿入する際の挿入力が大きくなるため、雄端子金具と雌端子金具の接続作業の効率が低下することが懸念される。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、挿入力が低減された端子金具の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、端子金具の接続構造であって、雄タブを有する雄端子金具と、前記雄タブが挿入される挿入空間を含む筒部を備えた雌端子金具と、前記筒部の内部に設けられて、弾性変形可能であると共に自然状態では前記挿入空間内に少なくとも一部が位置する弾性接触片と、前記筒部内の保持位置に配されて、前記弾性接触片と当接して前記弾性接触片を弾性変形させることで前記弾性接触片を前記挿入空間と異なる位置に保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は前記雄タブが前記挿入空間の正規位置に挿入された状態で前記弾性接触片と離間する解除位置に移動され、復帰変形した前記弾性接触片が前記雄タブと弾性的に接触する。
【0007】
本発明によれば、弾性接触片は、保持位置に配された保持部材によって、弾性変形された状態で挿入空間と異なる位置に保持される。これにより、挿入空間内に雄タブを挿入する際に、雄タブと弾性接触片とが摺接することを抑制できる。
【0008】
次いで、挿入空間の正規位置に雄タブが挿入された後に、保持部材を解除位置に移動させる。すると、保持部材と離間した弾性接触片は挿入空間内へ復帰変形しようとする。これにより、復帰変形した弾性接触片と、挿入空間内に挿入された雄タブと、が弾性的に接触し、雄端子金具と雌端子金具とが電気的に接続される。このように本発明によれば、雄端子金具と雌端子金具とが電気的に接続される際に、雄タブと弾性接触片とが摺接することを抑制できる。
【0009】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記保持位置から前記解除位置への前記保持部材の移動方向は、前記挿入空間への前記雄タブの挿入方向と平行であることが好ましい。
【0010】
上記の態様によれば、作業者は、雄端子金具と雌端子金具との接続作業と、保持部材を移動させる作業とを、平行な方向から実行できる。このため、作業領域に制約があるために、雄端子金具と雌端子金具との接続作業とは異なる方向から作業を行うことが困難な場合に、本態様は有効である。
【0011】
前記保持部材と係合して、前記保持部材を前記保持位置から前記解除位置へ移動させる倍力機構を備えることが好ましい。
【0012】
上記の態様によれば、保持部材は、倍力機構により保持位置から解除位置へ移動される。これにより、保持部材を移動させる際に必要とされる力を低減できるので、保持部材の移動作業の効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、雄端子金具の雄タブを、雌端子金具の筒部内に挿入する際の挿入力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る端子金具の接続構造を示す断面図
【図2】自然状態における弾性接触片を示す要部拡大断面図
【図3】ケースにコネクタが組み付けられた状態であって、保持部材が保持位置に配されている状態を示す断面図
【図4】図3における要部拡大断面図
【図5】保持部材が解除位置に移動された状態を示す要部拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を、図示しない機器と、この機器の外部に配索される電線10と、を接続するコネクタ11に適用した一実施形態を図1ないし図5を参照しつつ説明する。
【0016】
(雄端子金具15)
図示しない機器は金属製のケース12内に収容されている。図1に示すように、ケース12には図1における上下方向に貫通する貫通孔13が形成されている。機器には、雄タブ14を有する雄端子金具15が接続されている。雄端子金具15は銅、銅合金等、公知の金属からなる。本実施形態においては、雄端子金具15は、雄タブ14の板面が図1における左右方向に向く姿勢で、且つ、左右方向に並んで設けられている。雄タブ14は、ケース12の貫通孔13を貫通してケース12の外方(図1における上方)に突出して配されている。本実施形態では6つの雄端子金具15が設けられている。この雄端子金具15は1つないし5つ、または7つ以上設けられる構成としてもよい。
【0017】
(シェル19)
図1に示すように、ケース12の上面には、貫通孔13の径方向外側の位置に、貫通孔13を包囲するようにシェル19が取り付けられている。シェル19は金属製であって、図1における上下方向に開口する筒状の基部21を有する。図1における下側に位置する基部21の開口縁の径寸法は、ケース12に設けられた貫通孔13の径寸法よりも大きく設定されている。基部21には、図1における下側の開口縁に、基部21を構成する壁部の肉厚方向外方に突出して、ケース12に取り付けられる取り付け部22が設けられている。
【0018】
取り付け部22には、図1における上下方向に貫通する第1挿通孔23が形成されている。図1に示すように、本実施形態に係る第1挿通孔23は2つ形成されているが、第1挿通孔23は1つでもよく、また3つ以上の複数でもよい。ケース12には第1挿通孔23に整合する位置に第1ねじ孔24が形成されている。第1ねじ孔24と、第1挿通孔23とが整合するようにして取り付け部22が配されて、第1ねじ孔24及び第1挿通孔23に、第1ボルト25が、第1ワッシャ26を介して螺合されることにより、取り付け部22がケース12に固定される。これにより、ケース12とシェル19とが電気的に接続される。
【0019】
基部21には、図1における上側の位置に、コネクタハウジング18を収容する筒状の収容部27が、2つ形成されている。収容部27は1つでもよく、また、3つ以上の複数でもよい。収容部27は、図1における左右方向に並ぶと共に、基部21の上壁から上方に突出して設けられている。
【0020】
(コネクタ11)
図1に示すように、コネクタ11は、電線10に接続された雌端子金具17と、雌端子金具17を内部に収容する合成樹脂製のコネクタハウジング18と、コネクタハウジング18の外側に配設されたシェル筒部20と、を備える。
【0021】
(コネクタハウジング18)
図1に示すように、各収容部27の内部には、合成樹脂製のコネクタハウジング18が収容されている。各コネクタハウジング18には、3つのキャビティ28が図1における左右方向に並ぶと共に上下方向に開口して形成されている。コネクタハウジング18に形成されるキャビティ28は、1つ又は2つでもよく、また、4つ以上でもよい。
【0022】
(雌端子金具17)
図1に示すように、各キャビティ28内には、雌端子金具17が収容される。雌端子金具17は、銅、銅合金等、公知の金属板材をプレス加工してなる。
【0023】
図1に示すように、キャビティ28内には、図1における上方から電線10が導入される。雌端子金具17には、キャビティ28内に導入された電線10の端末に圧着されるバレル部30と、このバレル部30から図1における下方に延びて雄タブ14を挿入可能な筒部31と、を備える。雄タブ14は、筒部31内に、図1における下方から挿入される。
【0024】
バレル部30が電線10の端末に圧着されることにより、電線10と、雌端子金具17とが電気的に接続される。
【0025】
筒部31の内部には、図1における左側又は右側の位置に、筒部31内に挿入された雄タブ14と弾性的に接触可能な弾性接触片32が配設されている。弾性接触片32は、金属板材を曲げ加工されてなる。図1に示すように、弾性接触片32は側方からみて概ね山形状をなしている。弾性接触片32は、銅、銅合金等、金属板材をプレス加工することにより形成される。
【0026】
筒部31には、弾性接触片32が設けられた壁部と反対側の壁部に、キャビティ28内に突出して形成されたランス33と係合するランス孔34が形成されている。このランス孔34にランス33が係合することにより、雌端子金具17の、図1における上方への抜け止めがなされるようになっている。
【0027】
また、筒部31のうち、図1における下壁が、キャビティ28の下壁と、上方から当接することにより、雌端子金具17の、図1における下方への移動が規制されるようになっている。
【0028】
図2に、正規位置に挿入された雄タブ14が省略して記載された、仮想的な図を示す。図2に示すように、筒部31の内部において、雄タブ14が挿入される空間は、挿入空間50とされる。挿入空間50は、筒部内に、図2における上下方向に延びて形成されている。弾性接触片32は、自然状態において、山形状の頂上部分が挿入空間50の内部に位置するようになっている。
【0029】
電線10には、ゴム栓35が外嵌されている。このゴム栓35の外周面は、キャビティ28の内面と密着することにより、電線10とコネクタハウジング18との間をシールするようになっている。図1に示すように、キャビティ28内には、ゴム栓35の上方の位置に、ゴム栓ホルダ36が配設されている。ゴム栓ホルダ36は、図示しない係合手段により、コネクタハウジング18に取り付けられる。これにより、ゴム栓35の、図1における上方への抜け止めがなされるようになっている。
【0030】
コネクタハウジング18の外側には、図1における上端から下方に向かって略半分の位置まで、金属製のシェル筒部20が外嵌されている。このシェル筒部20の下端部は、シェル19の上端部と接続されており、シェル筒部20とシェル19とは電気的に接続される。シェル筒部20には、図示しない編組線が配設されるようになっており、シェル筒部20と編組線とは電気的に接続されるようになっている。この編組線は、コネクタハウジング18から導出される複数(本実施形態では3本)の電線10を一括して包囲するようになっている。
【0031】
(可動部材38)
図1に示すように、シェル19の基部21の内部には、図1における上下方向に移動可能な可動部材38が収容されている。可動部材38は、図1における左右方向に細長い直方体形状をなしている。可動部材38の外径寸法は、貫通孔13の径寸法よりもやや大きく設定されている。この結果、図1における可動部材38の下面がケース12の上面と当接することにより、可動部材38が貫通孔13からケース12内に落下することが規制されるようになっている。可動部材38には、雄タブ14に整合する位置に、図1における上下方向に貫通する雄タブ挿通孔39が形成されている。雄タブ挿通孔39の断面形状は、雄タブ14の断面形状に倣って長方形状に形成されている。
【0032】
可動部材38には、雄タブ挿通孔39の近傍の位置に、板状をなす保持部材40が配設されている。保持部材40は、金属板材を所定の形状にプレス加工して形成される。保持部材40を構成する金属材料としては、銅、銅合金、SUS等、任意の金属材料を用いることができる。
【0033】
可動部材38は、保持部材40を合成樹脂材によりモールド成形してなる。保持部材40は、図1における下端部が可動部材38の内部に埋設されている。保持部材40のうち、可動部材38に埋設された領域は、雄タブ挿通孔39の内部に露出して、雄タブ挿通孔39の内面の一部を構成している。雄タブ挿通孔39内に露出した保持部材40の表面は、雄タブ挿通孔39の内壁面と面一になっている。保持部材40のうち可動部材38から突出した部分の、図1における左右方向の厚さ寸法は、雄タブ14の、図1における左右方向の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。
【0034】
また、保持部材40の上端部は、可動部材38の上端部から上方に突出して設けられている。一方、保持部材40の図1における下端部は、保持部材40の延びる方向(図1における上下方向)と交差する方向に曲げ形成されて返し部41とされており、保持部材40が図1における上下方向に変位することを規制するようになっている。
【0035】
図1に示すように、シェル19の基部21の上壁には、左右方向に並ぶ収容部27の間の位置に、上下方向に貫通する第2挿通孔42が形成されている。また、可動部材38の図1における上面には、第2挿通孔42と整合する位置に、上下方向を向く第2ねじ孔43(特許請求の範囲に記載の倍力機構に相当)が形成されている。第2挿通孔42及び第2ねじ孔43の内部には第2ボルト44(特許請求の範囲に記載の倍力機構に相当)が第2ワッシャ45を介して螺合される。第2ボルト44を第2ねじ孔43に螺合することにより、可動部材38は、収容部27材内を、図1における上下方向に移動可能になっている。この可動部材38の移動方向は、筒部31内へ雄タブ14が挿入される方向と平行に設定されている。
【0036】
(保持位置)
図3に示すように、第2ボルト44が第2ねじ孔43に螺合された状態では、可動部材38は収容部27の上端部寄りの位置に配される。この位置においては、可動部材38に取り付けられた保持部材40は、筒部31の内壁面と、弾性接触片32との間に位置するようになっている。この状態における保持部材40の位置が、保持位置とされる。保持位置に保持された状態においては、保持部材40は、弾性接触片32の山形状をなす頂上部分と当接している。これにより弾性接触片32は弾性的に撓み変形するようになっている。
【0037】
図4に示すように、保持部材40が保持位置に配された状態では、保持部材40が弾性接触片32と当接することにより、弾性接触片32の山形状をなす頂上部分は、筒部31内において雄タブ14が挿入された挿入空間50とは、異なる位置に保持される。
【0038】
(解除位置)
また、図1に示すように、第2ボルト44の下端部が第2ボルト44孔に螺合された状態では、可動部材38は、収容部27の下端部寄りの位置に配されて、収容部27の下面がケース12の上面に対して上方から当接している。この状態においては、保持部材40は、弾性接触片32から離間した位置に配されている。この状態における保持部材40の位置が、解除位置とされる。保持部材40が、保持位置から解除位置へ移動する方向は、図1における上下方向となっている。
【0039】
図5に示すように、保持部材40が解除位置に配された状態では、保持部材40は、弾性接触片32に山形状をなす頂上部分の下方に位置するようになっている。これにより、弾性接触片32は復帰変形して、挿入空間50内に位置する雄タブ14と弾性的に接触するようになっている。
【0040】
(組み付け工程)
続いて、ケース12に対するコネクタ11の組み付け工程の一例について説明する。まず、図3に示すように、第2ボルト44を第2ねじ孔43にねじ込んで、可動部材38を図3に示す上方に移動させる。第2ボルト44を第2ねじ孔43に螺合すると、可動部材38は、図3における基部21の上端部寄りの位置にまで移動する。
【0041】
この状態で、コネクタ11を、図3における上方から、シェル19の収容部27内に嵌入させる。すると、ケース12の貫通孔13から突出すると共に可動部材38の雄タブ挿通孔39内に挿通された雄タブ14の先端が、コネクタハウジング18のキャビティ28内に導入され、更に、雌端子金具17の筒部31内に挿入される。雄タブ14は、正規位置に挿入された状態において、筒部31内の挿入空間内に位置する。
【0042】
このとき、保持部材40は保持位置に配されており、図4に示すように、保持部材40の図4における上端部が、雄タブ14と弾性接触片32との間に挿入される。保持部材40は、弾性接触片32の山形状をなす頂上部分と当接することで弾性接触片32を撓み変形させる。これにより、弾性接触片32は挿入空間50と異なる位置に保持される。
【0043】
続いて、図1に示す位置まで、第2ボルト44を緩めて、可動部材38を下方に移動させる。すると、保持部材40が下方に移動して解除位置に配され、弾性接触片32と離間する。これにより、図5に示すように、弾性接触片32が復帰変形して、雄タブ14と、弾性的に接触する。この結果、雄端子金具15と雌端子金具17とが電気的に接続される。
【0044】
(作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態によれば、弾性接触片32は、保持位置に配された保持部材40によって、弾性変形された状態で挿入空間50と異なる位置に保持される。これにより、挿入空間50内に雄タブ14を挿入する際に、雄タブ14と弾性接触片32とが摺接することを抑制できる。
【0045】
次いで、挿入空間50の正規位置に雄タブ14が挿入された後に、保持部材40を解除位置に移動させる。すると、保持部材40と離間した弾性接触片32は挿入空間50内へ復帰変形しようとする。これにより、復帰変形した弾性接触片32と、挿入空間50内に挿入された雄タブ14と、が弾性的に接触し、雄端子金具15と雌端子金具17とが電気的に接続される。このように本実施形態によれば、雄端子金具15と雌端子金具17とが電気的に接続される際に、雄タブ14と弾性接触片32とが摺接することを抑制できる。
【0046】
また、本実施形態によれば、保持位置から解除位置への保持部材40の移動方向(図1における上下方向)は、挿入空間50への雄タブ14の挿入方向(図1における上下方向)と平行になっている。これにより、作業者は、雄端子金具15と雌端子金具17との接続作業と、保持部材40を移動させる作業とを、平行な方向から実行できる。このため、作業領域に制約があるために、保持部材40を移動させる作業、雄端子金具15と雌端子金具17との接続作業とは異なる方向から作業を行うことが困難な場合に、本実施形態は有効である。
【0047】
また、本実施形態によれば、保持部材40は、第2ボルト44を第2ねじ孔43に螺合された第2ボルト44を緩めることにより、保持位置から解除位置に移動される。これにより、例えば可動部材38を手作業で移動させて保持部材40を移動させる場合に比べて、保持部材40を移動させる際に必要とされる力を低減できる。これにより保持部材40の移動作業の効率を向上させることができる。
【0048】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、コネクタ11は、機器と、この機器の外部に配索される電線10とを接続する構成としたが、これに限られず、一の機器と他の機器とを接続する構成としてもよい。また、電線同士を接続する構成としてもよい。
(2)本実施形態においては、保持部材40は金属製としたが、これに限られず、保持部材40は合成樹脂製であってもよく、必要に応じて任意の材料から製造できる。
(3)本実施形態においては、倍力機構として、第2ボルト44と第2ねじ孔43を用いたが、これに限られず、例えばレバー機構等、公知の倍力機構を用いる構成としてもよい。
(4)本実施形態においては、1つの第2ボルト44を、シェル19に設けた第2ねじ孔43に螺合する構成としたが、シェル19に複数のねじ孔を設け、各ねじ孔のそれぞれにボルトを螺合することにより、可動部材38を移動可能に構成してもよい。
(5)本実施系形態においては、可動部材38に配設された複数の保持部材40は、可動部材38の移動に伴って、概ね同時に保持位置から解除位置に移動される構成としたが、これに限られず、各保持部材40が個別に移動される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0049】
14…雄タブ
15…雄端子金具
17…雌端子金具
31…筒部
32…弾性接触片
40…保持部材
43…第2ねじ孔(倍力機構)
44…第2ボルト(倍力機構)
50…挿入空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄タブを有する雄端子金具と、前記雄タブが挿入される挿入空間を含む筒部を備えた雌端子金具と、前記筒部の内部に設けられて、弾性変形可能であると共に自然状態では前記挿入空間内に少なくとも一部が位置する弾性接触片と、前記筒部内の保持位置に配されて、前記弾性接触片と当接して前記弾性接触片を弾性変形させることで前記弾性接触片を前記挿入空間と異なる位置に保持する保持部材と、を備え、
前記保持部材は前記雄タブが前記挿入空間の正規位置に挿入された状態で前記弾性接触片と離間する解除位置に移動され、復帰変形した前記弾性接触片が前記雄タブと弾性的に接触する端子金具の接続構造。
【請求項2】
前記保持位置から前記解除位置への前記保持部材の移動方向は、前記挿入空間への前記雄タブの挿入方向と平行である請求項1に記載の端子金具の接続構造。
【請求項3】
前記保持部材と係合して、前記保持部材を前記保持位置から前記解除位置へ移動させる倍力機構を備えた請求項1または請求項2に記載の端子金具の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−287329(P2010−287329A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138228(P2009−138228)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】