説明

端末システム

【課題】表示端末に所定の規則で表示画像が表示される端末システムにおいて、ガイダンス情報の表示が各オペレータごとに適切に行われるものを提供する。
【解決手段】オペレータ80に対し、所定の規則で表示画像(Dk)が表示される表示端末90と、前記所定の規則に基づいて前記表示画像(Dk)を表示する制御を行う制御装置(20)と、を有する端末システム1であって、前記制御装置(20)は、前記表示画像(Dk)に対応して行ってきた前記オペレータ80の操作習熟度に応じて、前記表示画像(Dk)の内容に対応した前記オペレータ80に対するガイダンス情報(Gkm)を前記表示端末90に表示させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置によって表示端末に所定の規則で表示画像が表示される端末システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業や官公庁において、所定の商品またはサービスについて外部から多数の問い合わせを受け付ける窓口を設け、かかる問い合わせに対してオペレータ(係員)が応答するコールセンタを設けることがある。コールセンタを設けることにより、外部の問い合わせ一件ごとに対して、オペレータが個別に回答を行うことができるので、顧客や住民の便宜を図ることができる。
【0003】
コールセンタ内では、各オペレータごとに表示端末が一台ずつ割り当てられている。そして、オペレータは、表示端末に所定の規則で表示される表示画像の内容を参照しながら、問い合わせへの対応を進行させる。
【0004】
図9(a)にはコールセンタで使用される端末70群からなる端末システム10、図9(b)には各端末70の一般的な構成例が示されている。
図9(a)に示すように、コールセンタは、外部からの問い合わせに対して個別にオペレータ80が回答を行うための端末70が、所内回線40を介して、顧客からの問い合わせを受けるサーバー60に接続された構成となっている。
【0005】
この構成により、サーバー60は外部からの問い合わせの一件一件を適切に各端末70に振り分けることにより、各端末70のオペレータ80が振り分けられた問い合わせに対して回答を行うことができる。
【0006】
図9(b)に、図9(a)で示した端末70の一般的な構成例が示されている。
図9(b)に示すように、外部からの問い合わせを授受している最中において、問い合わせ元の連絡先などの個別情報や、オペレータ80が問い合わせに対する回答の便宜のために所定の商品やサービスに関連した情報を表示する表示端末90が端末70に備えられている。表示端末90に表示される上記の情報の表示の制御は、図示しない制御装置の制御に応じて行われる。
【0007】
また、端末70には、外部からの問い合わせの内容に応じて回線40を介し、電話、ファクシミリ、電子メールなどの顧客の連絡手段に対して所定の情報、例えばメールに対する返信や口頭による顧客へのアドバイス、を送信したり、情報の表示内容を切替えるための、キーボードやマウス、又は、ヘッドシステムといった入力手段100が設けられている。
【0008】
ここで、オペレータ80が、問い合わせへの対応を進行させる場合は、問い合わせの進行状況に対応させて、表示端末90に表示される表示画像を適切に切替えていく必要がある。
【0009】
こういった切替えは、例えば、オペレータ80が入力手段100を操作するのに対応して、表示端末90に表示される表示画像を切替えるための制御を制御装置が行うことによって行われる。なお、表示画像の切替えは、制御装置が別途端末システム10を動作させるプログラムに従った所定の規則により、すなわち表示画像の切り替えが入力手段100による入力操作の内容に対応するように行う。
【0010】
しかし、表示端末90に表示される表示画像の切り替えを行うための入力手段100の操作をオペレータ80が行う際、オペレータ80が初心者の場合は、どのように入力手段100を操作すれば良いのかわからない場合がある。
【0011】
そこで、表示端末90には、図2に示したように、表示画像Dkとともに例えば入力手段100をどのように操作すれば良いかを示すガイダンス情報Gkmを表示させる。
ガイダンス情報Gkmが表示端末90に表示されれば、オペレータ80は初心者の場合であっても、ガイダンス情報Gkmを参照して戸惑うことなく入力手段100を操作することができる。
これにより、初心者のオペレータ80は、問い合わせの進行に対応させた表示画像Dkの切替えをスムーズに行うことができるようになる(特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】特開2004−295396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図2に示したように、表示端末90に表示画像Dkとともに例えば入力手段100をどのように操作すれば良いかを示すガイダンス情報Gkmを表示させれば、初心者のオペレータ80は、ガイダンス情報Gkmを参照して、入力手段100を的確に操作できるようになる。
【0014】
しかし、初心者のオペレータ80が入力手段100の操作に熟練してきた場合であっても、ガイダンス情報Gkmのすべてを表示端末90に表示される必要は無い。またそのような場合は、ガイダンス情報Gkmの表示が却ってオペレータにとって邪魔となることもある。
【0015】
逆に、オペレータ80が熟練者である場合であっても、ガイダンス情報Gkmが表示端末90に表示されていないと、入力手段100の操作に戸惑うこともある。例えば、ある表示画像Dkの表示頻度が少ない場合、その表示中において必要な入力手段100の操作が熟練者のオペレータ80にはわからないこともある。
【0016】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、表示端末に所定の規則で表示画像が表示される端末システムにおいて、ガイダンス情報の表示が各オペレータごとに適切に行われるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、オペレータに対し、所定の規則で表示画像が表示される表示端末と、前記所定の規則に基づいて前記表示画像を表示する制御を行う制御装置と、を有する端末システムであって、前記制御装置は、前記表示画像に対応して行ってきた前記オペレータの操作習熟度に応じて、前記表示画像の内容に対応した前記オペレータに対するガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を行う。
【0018】
好適には、前記制御装置は、前記表示画像に対応して行ってきた前記オペレータの操作習熟度に応じて、前記表示画像の内容に対応した前記オペレータに対する所定のガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を省略する。
【0019】
より好適には、前記制御装置は、前記所定のガイダンス情報が前記表示端末に表示させる制御を省略する場合であっても、前記表示画像に対する前記オペレータによる対応が行われない場合または当該対応に誤りがある場合は、前記所定のガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を行う。
【0020】
好適には、前記オペレータの操作習熟度を蓄積するデータベースを有し、前記制御装置は、前記データベースを参照して、前記ガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を行う。
【0021】
前記オペレータが前記表示画像の内容に対応した所定の入力操作を行うための入力装置を有する、としてもよく、前記データベースは、前記入力操作の的確度を、前記オペレータの操作習熟度として蓄積する、としてもよい。このとき、前記入力操作の迅速度、間違い頻度を前記入力操作の的確度とする、とすることが望ましい。
【0022】
前記表示画像に対応して行う前記オペレータの操作内容に関する事項が前記入力操作に含まれる、となっていてもよい。
なお、前記オペレータの操作習熟度は、前記オペレータの管理者の判断に基づいた要素が含まれる、としてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の端末システムでは、ガイダンス情報の表示が各オペレータごとに適切に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1(a)にはコールセンタで使用され、端末70群を有する端末システム1が示されている。そして、図1(b)には各端末70の一般的な構成例が示されている。
図1(a)に示すように、コールセンタでは、外部からの問い合わせに対して個別にオペレータ80が回答を行うための端末70が、所内回線40を介して、顧客からの問い合わせを受けるサーバー60に接続された構成となっている。
【0025】
図1(b)に、図1(a)で示した各端末70の一般的な構成例が示されている。
図1(a)で示した端末70は、ディスプレイなどの表示端末90とキーボードマウスなどの入力手段100を有する一般的なコンピューターが主として使用される。
【0026】
このような端末70を、コールセンタにおいて使用する場合は、外部からの問い合わせの授受が行われる。その最中において、図1(b)における、端末70に備えられている表示端末90が、問い合わせ元の連絡先などの個別情報や、オペレータ80が問い合わせに対する回答の便宜のために所定の商品やサービスに関連した情報を表示する。
表示端末90に表示される上記の情報の表示の制御は、以下で説明する制御装置の制御に応じて行われる。
【0027】
また、端末70には入力手段100が設けられている。入力手段100は、外部からの問い合わせの内容に応じて回線40を介し、電話、ファクシミリ、電子メールなどの顧客の連絡手段に対して所定の情報、例えばメールに対する返信や口頭による顧客へのアドバイス、を送信したり、情報の表示内容を切替える。
【0028】
ここで、オペレータ80が、問い合わせへの対応を進行させる場合は、問い合わせの進行状況に対応させて、表示端末90に表示される表示画像を適切に切替えていく必要がある。
【0029】
こういった切替えは、例えば、オペレータ80が入力手段100を操作するのに対応して、制御装置が表示端末90に表示される表示画像を切替えるための制御を行うことによって行われる。なお、表示画像の切替えは、制御装置が別途記憶された端末システム1を動作させるプログラムに従った所定の規則により、すなわち表示画像の切り替えが入力手段100による入力操作の内容に対応するように行う。
【0030】
さらに制御装置は、図2に示したように、表示端末90に端末システム1を動作させるプログラムにしたがって、表示画像Dkとともに例えば入力手段100をどのように操作すれば良いかを示すガイダンス情報Gkmを表示させる制御を行う。
【0031】
このように、制御装置によって、表示端末90に所定の規則で表示画像Dkが表示されたり、表示画像Dkとともにガイダンス情報Gkmが表示されるための必要な構成を示す図を図3に示した。
【0032】
図3に示された構成では、上記で説明した回線40の概念をも含む回線であって、バスやI/О(Input/Output)も包含される回線40に対して、制御装置20,記憶装置30a,30b,表示端末90,入力手段100が接続された構成となっている。
【0033】
記憶装置30aには、表示端末90に表示される表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmについてのデータや、表示端末90に表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmを表示させるためのプログラム、すなわち、端末システム1を動作させるプログラムが記憶されている。
【0034】
なお、記憶装置30b(図3ではDBと記する)は、データベースなどがあげられ、記憶装置30aに記憶されるデータや端末システム1を動作させるプログラム以外のデータを記憶する。例えば、以下で説明する各端末70に配置されたオペレータ80の操作習熟度に関するデータを一括して蓄積する。
【0035】
制御装置20は、記憶装置30aに記憶された端末システム1を動作させるプログラムに従って、表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmについてのデータを所定の規則で読み出す。そして、制御装置20は、読み出した表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmについてのデータを使用して、表示端末90に表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmを表示させる制御を上記プログラムに従って行う。
【0036】
さらに、制御装置20は、上記のように表示端末90に表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmを表示させる制御を行う際は、オペレータ80による入力装置100の入力操作の内容に対応した制御をも行う。こういった制御をどのように行うかについては、記憶装置30aに記憶された端末システム1を動作させるプログラムに従う。
【0037】
図2に示されたように、制御装置20によって、表示端末90に所定の規則で表示画像Dkが表示されたり、表示画像Dkとともにガイダンス情報Gkmが表示される動作が行われるための必要な構成は、概念的に示された構成となっているが、その詳細については以下で説明する。
【0038】
ここで、図3に示された制御装置20,記憶装置30aは、図1に示したサーバー60内の構成であってもよく、その場合サーバー60は接続された端末70のそれぞれに対して総括的に、表示端末90に表示画像Dkやガイダンス情報Gkmを表示させる制御を行う。
【0039】
もしくは、図3に示された制御装置20,記憶装置30aは、各端末70における構成要素であっても良く、その場合は各端末70において、表示端末90に表示画像Dkやガイダンス情報Gkmを表示させる制御が個別に行われる。
【0040】
記憶装置30bがデータベースである場合であって、各端末70に配置されたオペレータ80の操作習熟度に関するデータを一括して蓄積するような場合は、図1(a)において各端末70とサーバー60とを接続する回線40の外部に記憶装置30bが接続されても良い。
このようにすることで、各端末70やサーバー60は、オペレータ80の操作習熟度に関するデータに対して容易にアクセスすることができる。
【0041】
なお、記憶装置30bは必ずしも、各端末70に配置されたオペレータすべての操作習熟度に関するデータを一括して蓄積する必要はなく、個別のオペレータの操作習熟度に関するデータを別個に蓄積してもよい。このような場合は、記憶装置30bは、回線40の外部接続されるのではなく、個別の端末70ごとに設けられていても良い。
さらに、記憶装置30bは記憶装置30aとは必ずしも別々に設けられている必要は無く、記憶装置30bに記憶されるべきデータが記憶装置30aに記憶されても良い。
【0042】
以上説明した構成からなる本発明の実施形態に係る端末システム1の動作を図面とフローチャートを参照しながら説明する。
【0043】
説明は、表示端末90に表示される表示画像(Dk)とガイダンス情報(Gkm)の概念を示した図2と、記憶装置30bにマトリックス状に記憶されたオペレータOPj毎の習熟度Sjkの概念を示した図4、及び、図5に示されたフローチャートを参照しながら行う。
【0044】
(表示端末に表示される表示画像Dkとガイダンス情報Gkm)
図2に示したように、端末70に備えられた表示端末90には、n種類の表示画像Dk(k=1〜n)が所定の規則により表示される。
【0045】
表示画像Dkの例として、端末70がコールセンタ仕様である場合は、オペレータ80のログイン画面、ログイン後のコールメイン画面、顧客の個人情報が列記された画面、入力手段100のキーボードなどを利用して、画面上において所定の文章や文字を入力する欄が設けられた画面、などがある。
【0046】
そして、これらの表示画像Dkは、オペレータ80による外部からの問い合わせが進行していくのに従って、オペレータ80の意思に基づき問い合わせを行うのに適切な表示画像Dkに切り替わる。
【0047】
たとえば、n種類の表示画像Dkが表示端末90において、どのような規則で連絡手段20の制御によって表示されるのかについては、別途記憶された端末システム1を動作させるプログラムのアルゴリズムに基づく所定の規則に従う。
【0048】
すなわち、表示端末90にある表示画像Dkが表示されているときに、オペレータ80が入力手段100に対して所定の操作を行うと、操作信号が制御装置20に伝わる。そして、操作信号の種類に応じ端末システム1を動作させるプログラムのアルゴリズムに従って、制御装置20は、表示端末90における表示画像Dkを別の表示画像Diに切替える。
【0049】
これを繰り返していくと、n種類の表示画像Dkが所定の規則により切り替わるが、オペレータ80による入力手段100の操作のやり方によっては、n種類の表示画像Dkの全てが表示されるとは限らない。すなわち、オペレータ80は問い合わせの対応においてn種類全ての表示画像Dkの表示が必要とは限らない。
【0050】
さらに、表示端末90において表示される表示画像Dkが表示されている間、オペレータ80は、その表示画像Dkとは異なる表示画像Diに切替えたい場合であっても、どのように入力手段100を操作したら良いのかわからない場合がある。そこで、ある表示画像Dkが表示されている状態において、オペレータ80が入力手段100をどのように操作を行うべきか、あるいは、どのような操作を行うことができるか、を示したガイダンス情報Gkmも併せて表示するようにする。
【0051】
なお、ある表示画像Dkが表示されている状態において、オペレータが行うことになる操作は複数の場合もありうるので、ガイダンス情報Gkmにおける、2番目の添え字mの数は任意となる。すなわち、ある表示画像Dkで表示されるガイダンス情報Gkmの数はmとなる。
【0052】
さらに、ガイダンス情報Gkmは、表示画像Dkを切替えるための入力手段100の操作方法に関連する情報のみに限らない。例えば、入力手段100の操作によって、表示画像Dkにおける入力欄に書き込みなどが行われる場合に、キーボードやマウスなどによる入力操作に基づく書き込みの旨をオペレータ80に喚起するためのガイダンス情報Gkmの表示もある。
【0053】
さらに、ガイダンス情報Gkmの表示内容は、上記のように入力手段100の操作についてのガイダンス情報に限らない。すなわち、オペレータ80は、外部からの問い合わせが進行していくのに従って、端末70に備えられた入力手段100以外の操作(行動)も行わなければならないことがあり、その操作は問い合わせの対応上必要な操作であることがある。
【0054】
そこで、ガイダンス情報Gkmの別の表示態様として、端末70の構成とは直接関連が無い事項を表示することもできる。そのようなガイダンス情報Gkmとしては、例えば、顧客や上司に連絡する旨、オペレータ80が顧客と対応する上で留意する旨を喚起させるものがある。
【0055】
(オペレータ毎における操作習熟度)
図2を参照しながら説明したように、オペレータ80毎で使用される端末70の表示端末90には、表示画像Dkとともにガイダンス情報Gkmが表示される。
ここで、各ガイダンス情報Gkmに対するオペレータ80による操作の習熟度についてはオペレータ80毎に個人差がある。
【0056】
そこで、図4に示したように、データベースなどの記憶装置30bにおいて、各ガイダンス情報Gkmに対する、オペレータOPj毎の操作の習熟度SKjkをマトリックス状に記憶させる。
【0057】
習熟度SKjkの値は、例えば、各ガイダンス情報Gkmに対するオペレータ80による操作の習熟度が高い場合には、高い値となり、操作の習熟度が低い場合には、低い値となる。
逆に、習熟度SKjkの値は、各ガイダンス情報Gkmに対するオペレータ80による操作の習熟度が高い場合には、低い値となり、操作の習熟度が低い場合には、高い値としてもよい。すなわち、習熟度の値の設定方法は、端末システム1の仕様に応じて任意に決定する。
【0058】
(端末システムの動作)
図5は、端末システム1の動作のフローを示したフローチャートである。このフローチャートと他の図面も併用しながら、端末システム1の動作を説明する。
まず、図1(a)に示された端末システム1の所定の端末70をオペレータOPjが操作する場合を考える。
【0059】
端末70に配置となったオペレータOPjは、問い合わせを始めるときに、操作手段100を操作してログイン操作等の、オペレータOPj認識のための操作を行う(ST1)。
このステップにおいて、操作手段100に所定の入力がされることにより、制御装置20が操作手段100の入力信号を受け取り、OPjに関する情報が記録された記憶装置30a,30bを参照しながら、OPjの認識が行われる。
【0060】
OPjの認識が完了すると、図2に示したように端末70の表示端末90には、所定の表示画像Dkが表示される(ST2)。表示画像Dkが表示される順序は上記で説明したとおり、表示の制御は端末システム1を動作させるプログラムに基づき、制御装置20によって所定の規則に基づいて行われる。
【0061】
そして、制御装置20は、表示端末90に表示されている表示画像Dkに対応するガイダンス情報Gkmを記憶装置30aから読み出す(ST3)。また、制御装置20は、ガイダンス情報Gkmと端末70を実際に使用しているOPjに対応する習熟度SKjkについてのデータを、記憶装置30bから読み出して参照する(ST4)。
【0062】
OPjに対応する習熟度SKjkについてのデータを読み出した制御装置20は、例えば、記憶装置30aに記憶された端末システム1を動作させるプログラムに含まれるデータにおける習熟度のしきい値SKjk(th)と、習熟度SKjkとを比較する(ST5)。
【0063】
比較の結果、習熟度SKjkがSKjk(th)よりも大きい場合は、ガイダンス情報Gkmに対するオペレータ80による操作の習熟度が高いこととなるので、制御装置20はガイダンス情報Gkmを表示させない(ST7へ進む)。
【0064】
また、比較の結果、習熟度SKjkがSKjk(th)以下の場合は、ガイダンス情報Gkmに対するオペレータ80による操作の習熟度が低いこととなるので、制御装置20はガイダンス情報Gkmを表示させる(ST6へ進む)。
【0065】
なお、比較の結果、習熟度SKjkがSKjk(th)以下の場合であっても、OPjの個別の事情により、ガイダンス情報Gkmを表示させる必要が無い場合もある。そのため、制御装置20は、習熟度SKjkがSKjk(th)以下の場合であっても、ガイダンス情報Gkmの表示を省略できるかを判断する(ST6)。OPjの個別の事情については以下で別途説明する。
【0066】
同様にして、比較の結果、習熟度SKjkがSKjk(th)よりも大きいであっても、すなわちオペレータ80による所定の操作の習熟度が高いとされていても、ガイダンス情報Gkmを表示させる必要がある場合もある。そのため、制御装置20は、習熟度SKjkがSKjk(th)より大きい場合であっても、ガイダンス情報Gkmを表示させる必要があるかを判断する(ST7)。
【0067】
オペレータ80による所定の操作の習熟度が高いとされているにもかかわらず、ガイダンス情報Gkmを表示させることが必要な場合とは、表示端末90に表示画像Dkが表示されている間において、オペレータ80による必要な対応が行われていないような場合が該当しうる。
【0068】
すなわち、習熟度SKjkがSKjk(th)よりも大きく、ガイダンス情報Gkmに対するオペレータ80による操作の習熟度が高いと判断されたとしても、当該操作をオペレータ80がうっかり忘れたり間違ったりしたような場合が、オペレータ80による必要な対応が行われていない場合に該当する。
【0069】
特に、習熟度SKjkが高い値になっている場合であっても、その習熟度SKjkが最後に更新された時から時間が経過しているような場合は、現在におけるオペレータ80の当該習熟度SKjkに対応する操作の練度が低下していることもある。そのような場合は、当該操作を忘れたり、間違った操作が行われることもあるため、ガイダンス情報Gkmを表示させ、オペレータ80に適切な操作を行わせることに意義がある。
【0070】
ST6において、ガイダンス情報Gkmの表示を省略できないと判断され、または、ST7においてガイダンス情報Gkmを表示させる必要があると判断された場合は、制御装置20は、表示端末90にガイダンス情報Gkmを表示させる制御を行う(ST8)。
【0071】
表示端末90にガイダンス情報Gkmが表示された場合は、オペレータ80はそのガイダンス情報Gkmを参照して、入力手段100を操作して表示画像Dkを別の表示画像に切替えたり、表示画像Dkにおける入力欄に書き込みなどを行う。
【0072】
また、オペレータ80は、ガイダンス情報Gkmにおいて表示されている端末70に備えられた入力手段100以外の行うべき操作(行動)も実行する。そして、オペレータ80は。その操作(行動)の実行が完了した場合は、例えば、表示端末90におけるガイダンス情報Gkmの表示領域におけるチェック欄を入力手段100としてのマウスのクリックをすることにより、操作(行動)の完了を制御装置20が認識できるようにする。
【0073】
このように、ガイダンス情報Gkmが表示端末90に表示されれば、未熟なオペレータ80はその情報を参照して、適切な操作を行うことができるようになる。一方で習熟度などに応じて、上記のように無用なガイダンス情報Gkmが表示端末90に表示されないようにすれば、熟練したオペレータ80にとっては、邪魔な情報の表示が排除される。
【0074】
上記のオペレータ80による操作(行動)が完了後、制御装置20は、習熟度SKjkの再判定を行う(ST9)。判定においては、以下に別途詳しく説明するが、オペレータ80による入力手段100の操作の的確度を基準とする。
【0075】
習熟度SKjkの再判定が行われた結果、上記的確度が高い場合は記憶装置3bに記憶されている習熟度SKjkの値を高く設定する更新を、そして上記的確度が低い場合は習熟度SKjkの値を低く設定する更新を制御装置20が行う(ST10)。
【0076】
なお、習熟度SKjkの更新は、制御装置20が自動的に行うだけではなく、オペレータOPjの特性に対応させて、別途行うこともできる(ST11)。かかる更新の詳細は以下で説明する。
【0077】
ST11における習熟度SKjkの更新が完了すると、ST2において表示端末90において表示されている表示画像Dkとは異なる表示画像を表示させるため、フローは再度ST2に戻る。
【0078】
(習熟度SKjkの再判定)
図5に示されたフローチャートのST9における習熟度SKjkの再判定の方法を、図6に示したフローチャートを参照しながら説明する。本フローチャートは、オペレータ80
による入力手段100の操作の的確度を判定するためのフローを示すものである。
【0079】
図3に示した入力装置100の入力操作に関する信号が回線40を通じて制御装置20に送信され、制御装置20は、記憶装置30aに記憶された端末システム1を動作させるプログラムのアルゴリズムに従い、送られた信号を解析することにより、操作習熟度SKjkの判定を行う。
【0080】
まず、表示端末90においてガイダンス情報Gkmが表示された後、オペレータ80による入力手段100の入力操作の迅速性を判定する(ST21)。判定の結果、入力操作が所定時間内に行われなかった場合は、制御装置20は入力操作の迅速性が低いと判断し、習熟度SKjkを低くする(ST22)。一方で、入力操作が所定時間内に行われた場合は、制御装置20は入力操作の迅速性が高いと判断し、習熟度SKjkを高くする(ST23)。
【0081】
ここで、入力手段100の入力操作には、上記のように表示画像Dkを切替えるための入力操作や、表示画像Dkにおける入力欄に書き込みをするための入力操作があり、これらの操作をオペレータ80が迅速に行うことができるほど、入力手段100の操作の的確度が良好であることになる。
【0082】
さらに、端末70に備えられた入力手段100以外の操作(行動)についても、オペレータ80が迅速に実行し、例えば、ガイダンス情報Gkmの表示領域におけるチェック欄に対して入力手段100を用いてチェックを速く行うほど、入力手段100の操作の的確度が良好であり、当該オペレータ80の操作習熟度が高いことになる。
【0083】
他の判定方法として、表示端末90においてガイダンス情報Gkmが表示された後、オペレータ80による入力手段100の入力操作の間違い頻度を判定する(ST31)。判定の結果、入力操作の間違いが少なかった場合は、習熟度SKjkを高くする(ST32)。一方で、入力操作の間違いが多かった場合は、習熟度SKjkを低くする(ST33)。
【0084】
ここでいう、入力手段100の入力操作の間違いとは、例えば、表示画像Dkを切替えるために表示画像Dk上でマウスクリックすべき箇所を間違えたり、表示画像Dkにおける入力欄の書き込みに誤りがあったりすることをいう。さらに、入力操作の間違いの頻度とは、例えば、表示画像Dkに対応して行うべき操作が複数ある場合に、複数の操作中の間違った操作の頻度である。
【0085】
(習熟度SKjkの別途更新)
図5に示されたフローチャートのST11における習熟度SKjkの別途更新の方法を、図7に示したフローチャートを参照しながら説明する。
図6に示されたフローチャートに基づく習熟度SKjkの再判定では、主として入力手段100の入力操作の迅速性及び入力間違いの頻度の観点のみから制御装置20が自動的に判定を行っていた。
【0086】
しかし、これらの観点のみではオペレータ80の習熟度SKjkを的確に判定できない場合がある。すなわち、各オペレータ80は、個々の人間であるので様々な個性がある。そのため、オペレータ80の習熟度SKjkを機械的に判定するよりも、オペレータ80の管理者が各オペレータ80の習熟度SKjkを判断する方が、各オペレータの実情に沿った判定ができる。
【0087】
そこで、図7のフローチャートでは、オペレータ80の管理者が各オペレータ80の習熟度SKjkを判断する方法を説明している。
まず、管理者は各オペレータ80ごとの習熟度SKjkに対応する操作の評価を行う。評価の観点は例えば、各オペレータ80がガイダンス情報Gkmに基づいて、例えば、顧客や上司に連絡したり、顧客と対応した場合に、管理者はその行動について所定の考課基準で評価を行う(ST41)。
【0088】
評価の結果、低評価の場合は、管理者は記憶装置30bに記憶された習熟度SKjkの値を下げる操作を行う(ST42)。一方で、評価の結果、高評価の場合は、管理者は記憶装置30bに記憶された習熟度SKjkの値を上げる操作を行う(ST43)。
【0089】
このように、ガイダンス情報Gkmを受けて行ってきたオペレータ80の操作が、制御装置20では自動的に判定できないより複雑な要素が絡んでいる場合であっても、管理者がその操作について適切に評価することができる。
【0090】
なお、この評価は図5に示したフローチャートのST6において、OPjの個別の事情として考慮させることができる。すなわち、端末システム1を動作させるプログラムのアルゴリズムに、上記のようにOPjの個別の事情が存在する場合は、ガイダンス情報Gkmの省略はできないとすると規定することができる。
【0091】
(実施例)
以上の実施形態についてのより具体的な端末システム1について、図1,3及び図8を参照しながら説明する。
本実施例に係る端末システム1に関するコールセンタは、図1に示したように、外部からの問い合わせに対して個別にオペレータ80が回答を行うための端末70が、所内回線40を介して、顧客からの問い合わせを受けるサーバー60に接続された構成となっている。
【0092】
また、図1に示された各端末70は、I/Оが包含される図3に示す端末内の回線40に対して、制御装置20,記憶装置30a,表示端末90,入力手段100が接続された構成となっている。
【0093】
制御装置20はCPU(Central Processing Unit)からなり、記憶装置30aはRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)や磁気ディスク装置からなっている。そして、表示端末90はディスプレイからなり、入力手段100はマウスやキーボードからなっている。
すなわち、図1に示された各端末70は、一般的なパーソナルコンピューターが有する構成と同様な構成を有している。
【0094】
記憶装置30aには、表示端末90に表示される表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmについてのデータや、表示端末90に表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmを表示させるためのプログラム、すなわち、端末システム1を動作させるプログラムが記憶されている。
【0095】
記憶装置30aに記憶されている上記プログラムは、図5及び図6で示したフローチャートに基づく端末システム1の動作に関するアルゴリズムに基づいて記載されている。制御装置20は、記憶装置30aに記憶されているプログラムのアルゴリズムに従って、必要に応じて、記憶装置30aに記憶されている表示画像Dk,ガイダンス情報Gkmについてのデータを読み出す。
そして、上記プログラムは、読み出したデータに関する画像を表示端末90に表示させて、上記のアルゴリズムに従って動作する端末システム1を具現化させる。
【0096】
なお、本実施例における図1に示した各端末70の構成では、図3に示された回線40におけるLAN回線40(図1参照)は含まれていない。そのため、本実施例においては、LAN回線40は、各端末70のそれぞれに対して接続されているものとする。
【0097】
また、図1に示した各端末70の構成には、図3で示したデータベースに係る記憶装置30bは含まれて居ない。本実施例では、データベースに係る記憶装置30bは、図1に示したLAN回線40に接続されているものとする。
ここで、本実施例におけるデータベースに係る記憶装置30bには、各端末70に配置されるオペレータ80の操作習熟度に関するデータが一括して蓄積されている。
【0098】
上記の構成からなる本実施例における端末システム1を動作させた場合、各端末70の表示端末90に表示される画像について、図8を参照しながら説明する。
説明の便宜上、本実施例における端末システム1の各端末70の表示端末90に表示される表示画像Dkは、図8(a)〜(c)に示すように、表示画像D1,D2,D3の3種類である。ここで、表示画像D1,D2,D3の表示の制御は、制御装置20によって行われるが、これらの表示画像が表示されるタイミングは、記憶装置30aに記憶されているプログラムのアルゴリズムに従う。
【0099】
図8(a)に示された表示画像D1の画面内には、ガイダンス情報G11が連絡手段20の制御に従って表示されるものとする。
ガイダンス情報G11には、端末70に備えられた入力手段100の操作以外の、オペレータ80が行うべき操作(行動)が列記されている。すなわち、オペレータ80が受け付け業務で実施すべき事項1)〜5)(内容は、図8(a)参照)が列記されている。
【0100】
さらに、ガイダンス情報G11の表示領域内には、チェック欄となる「OK」欄が設けられている。そして、オペレータ80が入力手段100としてのマウスを操作してマウスの操作に連動して動く画面上のカーソルを「OK」欄上にもって行き、クリックをすることにより、クリック信号が制御装置20に伝わり、操作(行動)の完了を制御装置20が認識できるようになっている。
【0101】
図8(b)に示された表示画像D2の画面内には、ガイダンス情報G21が連絡手段20の制御に従って表示されるものとする。
ガイダンス情報G21には、表示画像D2の入力欄となる「タイトル」欄に対して、入力装置100を使用して記入すべき事項が何であるかが表示されている。
そして、「タイトル」欄に対して、記入すべき事項が入力手段100によって入力された場合には、その入力手段100の操作の信号が制御装置20に伝わり、制御装置20がその操作を認識できるようになっている。
【0102】
図8(c)に示された表示画像D3の画面内には、ガイダンス情報G31が連絡手段20の制御に従って表示されるものとする。
ガイダンス情報G31には、表示画像D3の入力欄となる「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に所定の事項が記載されていることを確認する旨をオペレータ80に喚起する事項が表示されている。
【0103】
そして、オペレータ80が上記3つの欄に所定の事項が記載されている旨を確認できた場合には、その確認行動の完了をした旨を、制御装置20が認識できるように、表示画像D3には「保存」欄を設けている。
【0104】
すなわち、オペレータ80が入力手段100としてのマウスを操作してマウスの操作に連動して動く画面上のカーソルを「保存」欄上にもって行き、クリックをすることにより、確認行動の完了を制御装置20が認識できるようになっている。
【0105】
さらに、マウスのクリックが行われた場合には、その旨に関する入力手段100の信号が制御装置20に送られると共に、「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄において入力手段100であるキーボードによって入力された内容についての信号も制御装置20に送られるようにする。
【0106】
これにより、確認行動の完了を制御装置20によって認識されたときに、「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄おいて入力手段100の入力操作が行われていたのか否かを制御装置20が認識できるようになる。
【0107】
以上説明した端末システム1をオペレータ80が実際に使用する場合を考える。
ここで想定するオペレータ80は、初心者であるオペレータ80Xと熟練者であるオペレータ80Yの2者とする。
オペレータ80X及びオペレータ80Yが上記の表示画像D1,D2,D3に対応して行うべき操作の習熟度は、データベースである記憶装置30bにおいて記憶されている。
【0108】
ここで、表示画像に対応して行うべき操作とは、D1の場合は、ガイダンス情報G11に列記された事項1)〜5)に関する行動であり、D2の場合は、ガイダンス情報G21に関連した「タイトル」欄に問い合わせの概要を入力手段100によって入力する操作である。そして、D3の場合は、ガイダンス情報G31に関連した「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に所定の事項が入力されたことを確認した旨を入力手段100によって入力する操作である。
【0109】
さらに、ガイダンス情報G11に関連して行うべき操作の習熟度はSK11で表され、ガイダンス情報G21に関連して行うべき操作の習熟度はSK21で表され、そして、ガイダンス情報G31に関連して行うべき操作の習熟度はSK31で表されている。
【0110】
オペレータ80Xは初心者であるので、上記の操作全てについて慣れていないと考えられるので、習熟度SK11,SK21,SK31は所定のしきい値SK11(th),SK21(th),SK31(th)よりも低い値に記憶されている。すなわち、オペレータ80Xの習熟度SK11,SK21,SK31は、SK11(Low),SK21(Low),SK31(Low)として記憶装置30bにおいて記憶される。
【0111】
一方で、オペレータ80Yは熟練者であるので、上記の操作全てについて慣れていると考えられるので、習熟度SK11,SK21,SK31は所定のしきい値SK11(th),SK21(th),SK31(th)よりも高い値に記憶されている。すなわち、オペレータ80Yの習熟度SK11,SK21,SK31は、SK11(High),SK21(High),SK31(High)として記憶装置30bにおいて記憶される。
【0112】
オペレータ80が端末70の操作を実際に行った場合について説明する。
まず、初心者であるオペレータ80Xが端末70の操作を開始するためのログイン操作を行うと、制御装置20はオペレータ80Xを認識する。そして、オペレータ80Xが端末70の操作を進行させていくと、図8(a)に示されているように、表示画像D1が表示端末90に表示される。
【0113】
このとき、制御装置20は、記憶装置30bから、オペレータ80Xの習熟度SK11のデータを読み出し、そして、所定のしきい値SK11(th)と比較する。ここで、習熟度SK11はSK11(Low)であるので、制御装置20はガイダンス情報G11を表示端末90に表示させる必要があると判断する。その後、図8(a)に示されているように、ガイダンス情報G11が表示端末90に表示される。
【0114】
表示端末90に表示されたガイダンス情報G11を見たオペレータ80Xは、ガイダンス情報G11に列記された事項1)〜5)に関する行動を行うべきであると認識する。そして、認識が完了後、オペレータ80Xは、オペレータ80が入力手段100としてのマウスを操作してマウスの操作に連動して動く画面上のカーソルを「OK」欄上にもって行き、クリックをする。
【0115】
このとき、オペレータ80Xがクリックを行う時期が早ければ早いほど、オペレータ80Xは行うべき行動を良く認識していると考えられる。そのため、クリックを行った時期が所定の時期よりも早い場合には、制御装置20は、記憶装置30bに記憶された習熟度SK11のデータをSK11(Low)からSK11(High)に書き換える制御を行う。
【0116】
さらに、オペレータ80Xが端末70の操作を進行させていくと、図8(b)に示されているように、表示画像D2が表示端末90に表示される。
【0117】
このとき、制御装置20は、記憶装置30bから、オペレータ80Xの習熟度SK21のデータを読み出し、そして、所定のしきい値SK21(th)と比較する。ここで、習熟度SK21はSK21(Low)であるので、制御装置20はガイダンス情報G21を表示端末90に表示させる必要があると判断する。その後、図8(b)に示されているように、ガイダンス情報G21が表示端末90に表示される。
【0118】
表示端末90に表示されたガイダンス情報G21を見たオペレータ80Xは、ガイダンス情報G21に表示されているように、表示画像D2の入力欄となる「タイトル」欄に対して、入力装置100を使用して記入すべき事項が何であるのかを認識する。そして、認識が完了後、オペレータXは、「タイトル」欄に対して、記入すべき事項を入力手段100によって入力する。
【0119】
このとき、オペレータ80Xによる入力操作が早いほど、オペレータ80Xは行うべき操作を良く認識していると考えられる。そこで、入力操作を行う時期が所定の時期よりも早いか否かについて、制御装置20が判断する。
【0120】
また、同時に「タイトル」欄に対して記入すべき所定の事項(キーワード検索などを用いる)が記入されずに、次の操作に進んでしまったか否かについても、制御装置20は判断する。このとき、所定の事項の記入が行われていた場合には、入力手段100による操作の間違いが無かったと判断する。
【0121】
制御装置20が、クリックを行う時期が所定の時期よりも早く、かつ、所定の事項の記入が正しく行われていたと判断すると、記憶装置30bに記憶された習熟度SK21のデータをSK21(Low)からSK21(High)に書き換える制御を行う。
【0122】
さらに、オペレータ80Xが端末70の操作を進行させていくと、図8(c)に示すように、表示画像D3が表示端末90に表示される。
【0123】
このとき、制御装置20は、記憶装置30bから、オペレータ80Xの習熟度SK31のデータを読み出し、そして、所定のしきい値SK31(th)と比較する。ここで、習熟度SK31はSK31(Low)であるので、制御装置20はガイダンス情報G31を表示端末90に表示させる必要があると判断する。その後、図8(c)に示すように、ガイダンス情報G31が表示端末90に表示される。
【0124】
表示端末90に表示されたガイダンス情報G31を見たオペレータ80Xは、ガイダンス情報G31に表示されているように、表示画像D3の「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に所定の事項が入力されているのかを確認する。そして、オペレータXは確認後、表示画像D3に設けられている「保存」欄上にマウスのカーソルをもって行き、クリックをすることにより、確認行動を行う。
【0125】
クリックがなされる場合、オペレータ80Xによる確認行動に基づく入力操作が早いほど、オペレータ80Xは行うべき操作を良く認識していると考えられる。そこで、クリックを行う時期が所定の時期よりも早いか否かについて、制御装置20が判断する。
【0126】
また、同時に「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に対して記入すべき所定の事項(キーワード検索などを用いる)が記入されずに、次の操作に進んでしまったか否かについても、制御装置20は判断する。このとき、所定の事項の記入が正しく行われていた場合には、入力手段100による操作の間違いが無かったと判断する。
【0127】
制御装置20が、確認行動に基づく入力操作が所定の時期よりも早く、かつ、欄内に所定の事項の記入が正しく行われていたと判断すると、記憶装置30bに記憶された習熟度SK31のデータをSK31(Low)からSK31(High)に書き換える制御を行う。
【0128】
なお、キーワード検索による欄に対して記入すべき所定の事項のチェックは制御装置20が行っていたが、欄に対して記入された事項の文脈の内容などまでについては、制御装置20がチェックを行うのは困難である。
【0129】
そこで、オペレータ80Xの管理者は定期的に、欄に対して記入された事項を確認し、その記入事項の良否について評価を行う。記入事項の内容が低評価であると判断された場合、管理者は記憶装置30bに記憶された習熟度SK21,SK31のデータがSK21(High),SK31(High)となっていても、これらのデータをSK21(Low),SK31(Low)に書き換える操作を行う。
【0130】
また、記入事項の内容が高評価である判断された場合、管理者は記憶装置30bに記憶された習熟度SK21,SK31のデータがSK21(Low),SK31(Low)となっていても、これらのデータをSK21(High),SK31(High)に書き換える操作を行ってもよい。
【0131】
さらに、端末70に備えられた入力手段100以外の操作は、制御装置20によって操作の的確度を客観的に判断することは困難である。すなわち、ガイダンス情報G11関連した、オペレータ80が受け付け業務で実施すべき事項1)〜5)についての行動は、オペレータ80である人間による行動であるので、管理者による評価の方が適切である。
【0132】
そこで、オペレータ80Xの管理者は定期的に、オペレータ80Xによる事項1)〜5)についての行動を観察し その行動の良否について評価を行う。行動状況が低評価である判断された場合、管理者は記憶装置30bに記憶された習熟度SK11のデータがSK11(High)となっていても、これらのデータをSK11(Low)に書き換える操作を行う。
【0133】
行動状況が高評価である判断した場合、管理者は記憶装置に記憶された習熟度SK11のデータがSK11(Low)となっていても、これらのデータをSK11(High)に書き換える操作を行う。
【0134】
次に、熟練者であるオペレータ80Yが端末70の操作を開始するためのログイン操作を行うと、制御装置20はオペレータ80Yを認識する。そして、オペレータ80Yが端末70の操作を進行させていくと、図8(a)に示すように、表示画像D1が表示端末90に表示される。
【0135】
このとき、制御装置20は、記憶装置30bから、オペレータ80Yの習熟度SK11のデータを読み出し、そして、所定のしきい値SK11(th)と比較する。ここで、習熟度SK11はSK11(High)であるので、制御装置20はガイダンス情報G11を表示端末90に表示させる必要がないと判断する。そのため、制御装置20は、図8(a)において表示端末90に表示させるべきガイダンス情報G11を表示させない。
【0136】
さらに、オペレータ80Yが端末70の操作を進行させていくと、図8(b)に示すように、表示画像D2が表示端末90に表示される。
【0137】
このとき、制御装置20は、記憶装置30bから、オペレータ80Yの習熟度SK21のデータを読み出し、そして、所定のしきい値SK21(th)と比較する。ここで、習熟度SK21はSK21(High)であるので、制御装置20はガイダンス情報G21を表示端末90に表示させる必要がないと判断する。そのため、制御装置20は、図8(b)において表示端末90に表示させるべきガイダンス情報G21を表示させない。
【0138】
オペレータ80Yは熟練者であるので、ガイダンス情報G21を参照しなくても、表示画像D2の入力欄となる「タイトル」欄に対して、入力装置100を使用して記入すべき事項が何であるのかは認識していると想定される。そのため、オペレータYは、「タイトル」欄に対して、記入すべき事項を入力手段100によって入力するはずである。
【0139】
また、オペレータ80Yによる入力操作が早いほど、オペレータ80Yは行うべき操作を依然として良く認識していると考えられる。そこで、入力操作を行う時期が所定の時期よりも早いか否かについて、制御装置20が判断する。
【0140】
なお、オペレータ80Yが入力操作の手順を忘れていた場合には、入力操作を行う時期が遅くなったり、入力操作を忘れてしまうこともある。その点に関しても、制御装置20が判断する。
【0141】
さらに、同時に「タイトル」欄に対して記入すべき所定の事項(キーワード検索などを用いる)が記入されずに、次の操作に進んでしまったか否かについても、制御装置20は判断する。このとき、所定の事項の記入が行われていた場合には、入力手段100による操作の間違いが無かったと判断する。
【0142】
制御装置20が、オペレータ80Yの入力操作を行う時期が遅くなったり、オペレータ80Yが入力操作を忘れていた場合で、次の操作に進もうとした場合には、制御装置20は、図8(b)に示すように、ガイダンス情報G21を表示端末90に表示させる。
【0143】
制御装置20が、入力操作を行う時期が所定の時期よりも早く、かつ、所定の事項の記入が行われていたと判断すると、記憶装置30bに記憶された習熟度SK21のデータをSK21(High)をSK21(High)のまま維持させる。
【0144】
しかし、制御装置20が、入力を行う時期が所定の時期よりも遅く、かつ、所定の事項の記入が正しく行われていなかったと判断すると、記憶装置30bに記憶された習熟度SK21のデータをSK21(High)からSK21(Low)に書き換える操作を行う。
【0145】
さらに、オペレータ80Xが端末70の操作を進行させていくと、図8(c)に示すように、表示画像D3が表示端末90に表示される。
【0146】
このとき、制御装置20は、記憶装置30bから、オペレータ80Yの習熟度SK31のデータを読み出し、そして、所定のしきい値SK31(th)と比較する。ここで、習熟度SK31はSK31(High)であるので、制御装置20はガイダンス情報G31を表示端末90に表示させる必要がないと判断する。そのため、制御装置20は、図8(c)において表示端末90に表示させるべきガイダンス情報G31を表示させない。
【0147】
オペレータ80Yは熟練者であるので、ガイダンス情報G31を参照しなくても、表示画像D3の「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に所定の事項が入力されているのかを確認することは認識していると想定される。そのため、オペレータYは、先旨を確認後、表示画像D3に設けられている「保存」欄上にマウスのカーソルをもって行き、クリックをすることにより、確認行動を行うはずである。
【0148】
このとき、オペレータ80Yによるクリックが早いほど、オペレータ80Yは行うべき操作を依然として良く認識していると考えられる。そこで、クリックを行う時期が所定の時期よりも早いか否かについて、制御装置20が判断する。
【0149】
なお、オペレータ80Yが確認行動を忘れていた場合には、クリックを行う時期が遅くなったり、クリックを忘れてしまうこともある。その点に関しても、制御装置20が判断する。
【0150】
さらに、オペレータ80Yがクリックを行わずに、次の操作に進んだか否かについても、制御装置20は判断する。このとき、クリックが行われていた場合には、入力手段100による操作の間違いが無かったと判断する。
【0151】
また、同時に「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に対して記入すべき所定の事項(キーワード検索などを用いる)が記入されずに、次の操作に進んでしまったか否かについても、制御装置20は判断する。このとき、所定の事項の記入が正しく行われていた場合には、入力手段100による操作の間違いが無かったと判断する。
【0152】
制御装置20が、オペレータ80Yによるクリックが行われる時期が遅くなったり、オペレータ80Yがクリックを忘れていた場合で、次の操作に進もうとした場合には、制御装置20は、図8(c)に示すように、ガイダンス情報G31を表示端末90に表示させる。
【0153】
同様に、オペレータ80Yが「タイトル」欄、「問題詳細」欄、「回答詳細」欄に対して記入すべき所定の事項が記入されていなくて、次の操作に進もうとした場合には、制御装置20は、図8(c)に示すように、ガイダンス情報G31を表示端末90に表示させる。
【0154】
制御装置20が、確認行動に基づくクリックの時期が所定の時期よりも早く、かつ、欄内に所定の事項の記入が正しく行われていたと判断すると、記憶装置30bに記憶された習熟度SK31(High)をSK31(High)のまま維持させる。
【0155】
しかし、制御装置20が、クリックの時期が所定の時期よりも遅く、かつ、所定の事項の記入が行われていなかったと判断すると、記憶装置30bに記憶された習熟度SK21のデータをSK31(High)からSK31(Low)に書き換える操作を行う。
【0156】
なお、オペレータ80Yの管理者が定期的に、オペレータYにより欄に対して記入された事項を確認し、その記入事項の良否について評価を行うことにより、習熟度SKのデータの書き換えする操作をすることは、オペレータXの場合と同様である。
【0157】
また、オペレータ80Yの管理者は定期的に、オペレータ80Yによる事項1)〜5)についての行動を観察し その行動の良否について評価を行うことにより、習熟度SKのデータの書き換えする操作をすることは、オペレータXの場合と同様である。
【0158】
このように、本実施例による端末システム1でもガイダンス情報の表示が、初心者であるオペレータ80Xの場合でも熟練者であるオペレータ80Yの場合でも、適切に行われる。
【0159】
すなわち、初心者であるオペレータ80Xにとっては、慣れない対応のすべてについて、ガイダンス情報Gkmを参照することができるので、入力手段100を的確に操作できる。
【0160】
一方で、熟練者であるオペレータYにとっては、邪魔なガイダンス情報Gkmが表示されないので、入力手段100をスムーズに操作することができるし、万一対応忘れ等が起こったとしても、その場合はガイダンス情報Gkmが表示されるので、対応漏れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】(a)は、本発明の実施形態に係る端末システムの構成図であり、(b)は端末システムで使用される個別の端末を示した図である。
【図2】端末システムの表示端末に表示される表示画像とガイダンス情報の概念を示した図である。
【図3】本発明の実施形態に係る端末システムの構成要素の接続関係の概念を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る端末システムの記憶装置(データベース)に記憶されるオペレータOPj毎の習熟度Sjkをマトリックス状に示したものである。
【図5】本発明の実施形態に係る端末システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る端末システムにおいて、オペレータOPj毎の習熟度Sjkの判定ステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る端末システムにおいて、オペレータOPj毎の習熟度Sjkをオペレータの管理者の判断で更新するステップを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る端末システムの表示端末に表示される表示画像とガイダンス情報の具体的な表示例を示す図である。
【図9】(a)は、従来技術に係る端末システムの構成図であり、(b)は端末システムで使用される個別の端末を示した図である。
【符号の説明】
【0162】
1…端末システム, 10…端末システム, 20…連絡手段20…記憶装置, 40…回線, 60…サーバー, 70…端末, 80…オペレータ, 90…表示端末, 100…入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータに対し、所定の規則で表示画像が表示される表示端末と、
前記所定の規則に基づいて前記表示画像を表示する制御を行う制御装置と、
を有する端末システムであって、
前記制御装置は、前記表示画像に対応して行ってきた前記オペレータの操作習熟度に応じて、前記表示画像の内容に対応した前記オペレータに対するガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を行う、
端末システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記表示画像に対応して行ってきた前記オペレータの操作習熟度に応じて、前記表示画像の内容に対応した前記オペレータに対する所定のガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を省略する、
請求項1に記載の端末システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記所定のガイダンス情報が前記表示端末に表示させる制御を省略する場合であっても、前記表示画像に対する前記オペレータによる対応が行われない場合または当該対応に誤りがある場合は、前記所定のガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を行う、
請求項2に記載の端末システム。
【請求項4】
前記オペレータの操作習熟度を蓄積するデータベース
を有し、
前記制御装置は、前記データベースを参照して、前記ガイダンス情報を前記表示端末に表示させる制御を行う、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の端末システム。
【請求項5】
前記オペレータが前記表示画像の内容に対応した所定の入力操作を行うための入力装置を有する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の端末システム。
【請求項6】
前記データベースは、前記入力操作の的確度を、前記オペレータの操作習熟度として蓄積する、
請求項5に記載の端末システム。
【請求項7】
前記入力操作の迅速度、間違い頻度を前記入力操作の的確度とする、
請求項5に記載の端末システム。
【請求項8】
前記表示画像に対応して行う前記オペレータの操作内容に関する事項が前記入力操作に含まれる、
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の端末システム。
【請求項9】
前記オペレータの操作習熟度は、前記オペレータの管理者の判断に基づいた要素が含まれる、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の端末システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−108393(P2010−108393A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282023(P2008−282023)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(399056820)テクマトリックス株式会社 (20)
【Fターム(参考)】