説明

端末装置、配信システム、端末装置のデータ管理方法およびプログラム

【課題】 移動端末の状況に合わせてコンテンツを管理することで、移動端末の利用者に効率良くCMを視聴させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】
本発明の配信システム1は、コンテンツおよびCMを配信する配信サーバ10と、移動端末20と、を備える。移動端末20は、配信されたコンテンツとCMとの間のリンクを、現在の位置および時間に基づいて管理するデータ管理部211と、端末の現在の位置および時間に関する位置時間情報を取得する情報取得部212と、リンク情報に従ってコンテンツおよびCMを再生するデータ再生部213と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置および端末装置の実行するデータ管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
端末に蓄積されるコンテンツについて、一定の条件の下でこれらを管理するような技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンテンツの保持期限や、再生可能な地域等の条件に基づいて、不要なコンテンツを削除するような技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−169710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術は、各コンテンツを移動端末の状況に合わせて再生するものではないため、利用者の状況にそぐわないCMが再生される可能性があった。
【0006】
そこで、本発明では、移動端末の状況に合わせてコンテンツを管理することで、移動端末の利用者に、状況にあったCMを効率良く視聴させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の移動端末は、配信サーバから、コンテンツ、および、前記コンテンツのコンテンツメタデータ、を有するコンテンツ関連情報と、CM、および、前記CMの視聴が推奨される地域と時間帯とを特定する推奨情報を含むCMメタデータ、を有するCM関連情報と、前記コンテンツと前記CMとの関連付けを特定する第一のリンク情報と、を受信する処理と、位置と、時間と、を取得する処理と、取得した位置及び時間が、前記推奨情報から特定される地域及び時間帯に含まれる推奨情報を含むCMメタデータを有するCMを特定する処理と、特定したCMのCMメタデータに適合するコンテンツメタデータを有するコンテンツを特定し、特定したCMと、特定したコンテンツと、の関連付けを特定する第二のリンク情報を生成する処理と、コンテンツの再生指示に応じて、再生指示のあったコンテンツに関連付けされたCMを、前記第一のリンク情報及び前記第二のリンク情報の、少なくとも何れか一方から特定し、特定したCMを再生する処理と、を実行する制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明の移動端末によれば、利用者に効率良くCMを視聴させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
<第一の実施形態>
図1に、本発明の第一の実施形態にかかる配信システム1を示す。
【0010】
同図に示すように、配信システム1は、コンテンツおよびCMを配信する配信サーバ10と、配信サーバ10からネットワーク900およびアクセスポイント800を介して、コンテンツおよびCMの配信を受ける移動端末20と、から構成されている。
【0011】
ネットワーク900は、電話・携帯電話網やインターネット等を含む公衆通信網である。
【0012】
AP(アクセスポイント)800は、移動端末20とネットワーク900との接続を中継し、移動端末20は、AP800と無線電波を送受信することでネットワーク900と接続される。
【0013】
配信サーバ10は、コンテンツデータおよびCMデータを蓄積し、これらを移動端末20へと配信するものである。
【0014】
移動端末20は、例えば、携帯電話やポータブルプレイヤやヘッドマウントディスプレイであり、画像や音声が再生可能な端末であればその形態は限定されない。
【0015】
まず、配信サーバ10について詳細に説明する。
【0016】
配信サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、I/F部130と、を備えている。
【0017】
記憶部120は、コンテンツデータベース121と、CMデータベース122と、顧客情報123と、を記憶する。
【0018】
コンテンツデータベース121には、クライアント(ここでは、移動端末20のユーザ)へ配信されるコンテンツデータと、当該コンテンツデータに関連する情報を有するコンテンツメタデータと、を有するコンテンツ関連情報を予め蓄積する。コンテンツデータとは、例えば、音楽や映像、画像、文書等、あらゆるデジタルデータ全般である。
【0019】
なお、各コンテンツデータには、予めこれらを管理するためのメタデータが付与されている。メタデータとは、コンテンツを説明する複数の情報から構成されており、例えば、コンテンツのID、ジャンル、タイトル、作成地、予測される視聴者層の属性(例えば、年齢・居住地区・性別・嗜好等の情報)等の情報が格納されている。
【0020】
CMデータベース122は、広告情報を配信するためのいわゆるCM(コマーシャル)に関するCMデータと、当該CMデータに関連する情報を有するCMメタデータと、を有するCM関連情報を予め蓄積する。本発明におけるCMデータとは、クライアントに対する宣伝を目的とするデータであり、その形式は特に限定されない。
【0021】
なお、CMデータベース122に格納されるCMデータにも、これらを管理するための、例えば、図2に示すようなメタデータが予め付与されている。同図に示すように、CMデータに付与されるメタデータには、例えば、CMのID、タイトル、作成日、CMと関連し、視聴が推奨される地域および時間帯、ターゲットとする消費者層の属性(例えば、年齢・居住地区・性別・嗜好等の情報)、リンク先となるコンテンツのID等に関する情報が格納されている。
【0022】
ここで、各CMデータは、後述するデータ配信部112によってコンテンツデータと関連付けられ、利用者へと配信される。従って、このような関連付けに際して、データ配信部112は、クライアントに配信するCMデータに付与されるメタデータに、リンク先となるコンテンツデータのIDを記述する。
【0023】
なお、リンク対象となるコンテンツデータは、CMデータの配信や、移動端末20における再生タイミング等を定める処理に利用することが可能である。
【0024】
例えば、後述のデータ配信部112は、コンテンツを配信する際、当該コンテンツをリンク先としているCMデータをコンテンツデータに付加して、移動端末20へと送信する。また、移動端末20のデータ再生部213は、コンテンツ再生の際に、当該コンテンツをリンク先としているCMを、所定のタイミングで再生するような構成とすることができる。
【0025】
なお、1つのコンテンツを、複数のCMがリンク先として指定しても良い。
【0026】
また、配信するコンテンツが複数ある場合、複数のコンテンツが同一のCMをリンク先として指定しても良い。
【0027】
顧客情報123は、後述の顧客管理部111によって、クライアントごとに生成される情報である。顧客情報123には、例えば、移動端末20およびクライアントを識別するためのクライアントIDと、当該クライアントの年齢・性別・住所・嗜好等に関する個人情報をデータ化した属性情報と、から構成することができる(図示しない)。
【0028】
制御部110は、顧客情報123を生成する顧客管理部111と、クライアントへコンテンツおよびCMを配信するデータ配信部112と、を備えている。以下、配信サーバ10から移動端末20へのコンテンツおよびCMが送信される際には、メタデータを伴うコンテンツ関連情報およびCM関連情報が配信されているものとする。
【0029】
顧客管理部111は、予めクライアントからの情報を受け付けて、クライアントごとに顧客情報123を生成する。
【0030】
具体的に、顧客管理部111は、予めクライアントごとに年齢・性別・住所・嗜好等の属性情報を、ウェブページ等を介して受け付ける。そして、このような属性情報を、クライアントおよび移動端末20を識別するためのクライアントIDと対応付けて、顧客情報123として格納する。
【0031】
データ配信部112は、移動端末20へコンテンツおよびCMを配信する。
【0032】
コンテンツおよびCMの配信は、移動端末20からの配信要求に応じて実行される。なお、配信要求は、例えば、データ配信部112が予め移動端末20へ配信可能なコンテンツリストを提供し、利用者はこれに基づいて所望のコンテンツの配信を要求することが可能である。
【0033】
具体的に、データ配信部112は、移動端末20からコンテンツの配信要求を受け付けると、配信を要求されたコンテンツにCMデータを関連付けて、クライアントへと配信する。
【0034】
CMデータの関連付け処理に関しては、特にその手法や数を限定しない。以下、その一例を示す。
【0035】
例えば、データ配信部112は、配信要求のあったコンテンツの内容と、予め顧客情報123として蓄積されるクライアントの属性情報と、に適合するCMを、CMデータベース122から選択する。
【0036】
具体的に、まず、データ配信部112は、配信要求のあったコンテンツの内容と、CMの内容と、を比較して、適合度を算出する。
【0037】
適合度は、例えば、CMに付与されたメタデータの項目に予め重み係数を配し、CMのメタデータとコンテンツのメタデータと照合して、一致する項目の重み係数の総和を算出することで推定することができる。
【0038】
データ配信部112は、この総和が大きければ大きいほど、コンテンツとCMとの適合度が高いと判断して、適合度の高い順に所定の数のCMデータを抽出する。
【0039】
同様に、データ配信部112は、抽出されたCMデータと、クライアントと、の適合度についても算出する。
【0040】
具体的に、クライアントの属性情報と、CMのメタデータと、を照合して、一致する項目の重み係数の総和を算出することにより、これらの適合度を推定することができる。データ配信部112は、適合度の高い順に所定の数のCMをさらに抽出する。
【0041】
そして、データ配信部112は、このようにして抽出されたCMを、配信要求のあったコンテンツに関連付けて、移動端末20へと配信する。なお、その際、データ配信部112は、配信するCMデータのメタデータに、リンク先となるコンテンツのID、すなわち、配信要求のあったコンテンツのIDを格納して、移動端末20へと送信する。
【0042】
また、配信するコンテンツが複数ある場合は、配信するCMデータのメタデータに、リンク先となるコンテンツのIDを複数格納して、送信しても良い。
【0043】
なお、CMデータの配信は、配信要求のあったコンテンツに付加して同時に実行しても良いし、別々のタイミングで行っても良い。
【0044】
I/F部130は、ネットワーク900や各機能部間におけるインターフェースを提供し、配信サーバ10を、ネットワーク900を介して移動端末20とデータの送受信可能に接続する。
【0045】
次に、移動端末20について詳細に説明する。
【0046】
移動端末20は、制御部210と、記憶部220と、I/F部230と、GPS受信部240と、音声出力部250と、表示部260と、入力部270と、を有する。
【0047】
制御部210は、データ管理部211と、情報取得部212と、データ再生部213と、を有する。
【0048】
データ管理部211は、入力部270を介して利用者からの指示操作を受け付けて、配信サーバ10へコンテンツの配信要求を出力する。そして、配信サーバ10からコンテンツおよびCMの配信を受け付ける。
【0049】
具体的に、データ管理部211は、入力部270を介して、利用者から所望のコンテンツの配信指示を受け付けると、配信サーバ10へ配信コンテンツを指定するコンテンツIDを含むコンテンツ配信要求を送信する。そして、配信サーバ10から供給されるコンテンツおよびCMを受信すると、記憶部220のデータ記憶領域221にこれらを記憶させる。
【0050】
さらに、データ管理部211は、配信を受けたコンテンツおよびCMに関する情報を、図3に示すようなリンクテーブルに登録する。
【0051】
リンクテーブル記憶領域222に記憶されるリンクテーブルは、コンテンツとCMとの関連付け(リンク情報)を管理するテーブルである。リンクテーブルは、データ記憶領域221に蓄積されるコンテンツのコンテンツIDが格納されるコンテンツID格納領域222aと、当該コンテンツをリンク先とするCMのIDが格納されるCMID格納領域222bと、からなる。
【0052】
まず、データ管理部211は、新たに配信サーバ10から供給を受けたコンテンツおよびCMのリンク情報を、リンクテーブルに登録する。
【0053】
具体的に、データ管理部211は、配信コンテンツのメタデータに含まれるコンテンツIDを、コンテンツID格納領域222aへと格納する。また、データ管理部211は、配信CMのメタデータのリンク先情報を参照して、リンク対象となるコンテンツIDを特定する。そして、リンクテーブルから当該コンテンツIDを格納するレコードを特定し、当該レコードのCMID格納領域222bに、配信CMのIDを格納する。
【0054】
以上、データ管理部211が、配信サーバ10からコンテンツおよびCMの配信を受けた際の処理について説明した。
【0055】
次に、データ管理部211が、移動端末20の状態に基づいて、コンテンツおよびCM間のリンクを増減させる処理について説明する。
【0056】
まず、データ管理部211は、移動端末の状況を判断する。
【0057】
具体的に、データ管理部211は、一定時間ごとに情報取得部212から出力される位置時間情報を取得する。
【0058】
情報取得部212は、予め定められた一定のタイミングごとに、GPS受信部240から位置と、時刻と、を特定するGPS信号を取得する。そして、当該GPS信号に基づいて、位置および時間を特定して、位置時間情報を生成してデータ管理部211へと供給する。
【0059】
なお、位置は、記憶部220に緯度・経度から国や地域等を判断するための図示しない地図情報を備えておくことによって、詳細に特定することができる。
【0060】
そして、データ管理部211は、情報取得部212から位置時間情報の供給を受けると、移動端末20の位置及び時間が、一定期間視聴が推奨される地域および時間帯に含まれないCMのリンク情報を削除する。
【0061】
具体的に、データ管理部211は、各CMのメタデータを参照して、移動端末20の位置および時間が、メタデータに格納される推奨地域および推奨時間帯に含まれないCMデータのCMIDを特定する。そして、抽出されたCMIDを、リンクテーブルのCMID格納領域222bから削除する。ただし、データ管理部は、配信サーバ10の構築したリンク、すなわち、CMのメタデータにリンク先情報として格納されるコンテンツとのリンクを示すレコードに格納されるCMIDについては削除せず、配信サーバ10の構築したデフォルトのリンクを維持する。
【0062】
そして、配信サーバ側でCMメタデータに特定の条件(地域や時間)を予め設定して、端末が上記条件の場合は、配信サーバ10の構築したデフォルトのリンクに戻すようにしても良い。
【0063】
また、配信サーバ側でCMメタデータにCM提供者がリンク情報固定フラグを予め設定して、フラグが有効な場合は端末の状況によらず配信サーバ10の構築したデフォルトのリンクを維持しても良い。
【0064】
次に、データ管理部211は、移動端末20の位置および時間が、メタデータに格納される視聴が推奨される推奨地域および推奨時間帯に含まれるCMデータを抽出する。
【0065】
具体的に、データ管理部211は、蓄積される各CMデータのメタデータに格納されている推奨地域に、移動端末20の位置が含まれ、かつ、推奨時間帯に、取得した時間が含まれるCMデータを選択する。
【0066】
なお、位置および時間の何れか一方が推奨地域および時間帯に含まれるようなCMデータを抽出しても良い。また、視聴が推奨されるCMの選択の条件は、地域や時間帯に限定されず、例えば、季節、天気、温度等の条件によっても良い。
【0067】
次に、データ管理部211は、選択された各CMについて、新たなリンク先の対象となるコンテンツを検索する。
【0068】
具体的に、データ管理部211は、選択された各CMのメタデータと、蓄積される各コンテンツのメタデータと、を照合して、一致する項目の重み係数の総和を算出し、適合度の高いコンテンツおよびCMの組み合わせを検出する。
【0069】
そして、データ管理部211は、適合度の高いコンテンツおよびCMの組み合わせが、リンクテーブルに登録されているか否かを判断する。当該組み合わせがリンクテーブルに未登録の場合、データ管理部211は、リンク対象となるコンテンツIDを含むレコードのCMID格納領域222bに、適合するCMIDを追加し、新たなリンク情報として登録する。
【0070】
なお、新たなリンク対象となるコンテンツは、CMと適合度の高いコンテンツに限定されない。例えば、最新に配信されたコンテンツや、図4に示すような再生履歴から、再生頻度の高いコンテンツを特定して、これらをリンク先対象としても良い。
【0071】
なお、ここでは、リンクの構築は情報取得部212が所定の時間ごとにGPS信号を受信し、位置時間情報をデータ管理部211に送信することで開始されるものとして説明した。しかしながら、処理の開始の条件はこれに限定されず、情報取得部212が移動端末20の位置が移動したと判断した場合に、位置時間情報を出力して開始されるような構成とすることもできる。
【0072】
データ再生部213は、入力部270を介して利用者からコンテンツの再生指示を受け付けると、コンテンツデータおよびCMデータを再生する。
【0073】
なお、CMの再生は、コンテンツの再生に伴って予め定められたタイミングで実行される。例えば、コンテンツの再生前や、コンテンツの再生時間が所定の長さに達した時、チャプタの終了時、コンテンツの停止時等である。
【0074】
また、データ再生部213は、図4に示すようなコンテンツおよびCMデータの再生履歴を生成して、再生履歴記憶領域223へと格納する。
【0075】
再生履歴は、利用者の指示により実行されるコンテンツおよびCMの再生処理の履歴であり、制御対象となったコンテンツおよびCMのIDを格納するコンテンツ/CMID格納領域223aと、制御が終了した日時等を格納する更新時格納領域223bと、からなる。
【0076】
GPS受信部240は、GPS(Global Positioning System)衛星から信号を受信する。
【0077】
I/F部230は、アクセスポイント800や各機能部間におけるインターフェース(例えば、USB等)を提供し、移動端末20を他の機器とデータの送受信可能に接続する。
【0078】
入力部270は、例えば操作スイッチを備え、利用者からの指示操作を受け付ける。操作指示とは、例えば、各コンテンツやCMの選択および再生、停止等の処理である。
【0079】
表示部260は、例えば、LCD等のディスプレイであり、データ再生部213によって供給される画像信号に基づいて画像を表示する。
【0080】
音声出力部250は、データ再生部213によって供給される音声信号を音声に変換して出力する。
【0081】
なお、これらの各装置は、例えば、図8に示すようなコンピュータ810により構成することができる。
【0082】
コンピュータ810は、ハードディスク等の補助メモリ803と、メモリ802と、CPU(Central Processing Unit)801と、NIC(Network Interface Card)804等の通信装置と、これらを接続するバス805と、を備えており、各制御部は、補助メモリ803に記憶されている所定のプログラムを、メモリ802に読み込みCPU801で実行することにより実現可能である。
【0083】
次に、移動端末20のデータ管理部211が、情報取得部212から位置および時間を示す位置時間情報を取得した際の処理について、図5を用いて説明する。図5は、データ管理部211が、情報取得部212から位置時間情報を取得した際に実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
データ管理部211は、移動端末20の位置および時間に関する位置時間情報を取得したか否かを判断する(S11)。
【0085】
次に、データ管理部211は、情報取得部212から位置時間情報の供給を受けると、移動端末20の位置及び時間が、一定期間視聴が推奨される地域および時間帯に含まれないCMのリンク情報を削除する(S12)。
【0086】
具体的に、データ管理部211は、CMのメタデータを参照して、移動端末20の位置および時間が、メタデータに格納される推奨地域および推奨時間帯に含まれないCMデータのCMIDが、CMID格納領域222bに格納されているレコードをリンクテーブルから抽出する。そして、抽出されたレコードのうち、各CMのメタデータのリンク先情報で特定されるコンテンツ以外のコンテンツが、対応するコンテンツID格納領域222aに格納されているCMIDを、CMID格納領域222bから削除する。
【0087】
そして、データ管理部211は、移動端末20の位置および時間に、各CMに予め定められた推奨地域および推奨時間帯が含まれるCMデータを選択する(S13)。
【0088】
次に、データ管理部211は、ステップ13で選択された各CMについて、新たなリンク先の対象となるコンテンツを検索する(S14)。
【0089】
具体的に、データ管理部211は、ステップ13で選択された各CMのメタデータと、蓄積される各コンテンツのメタデータと、を照合して、各CMデータについて適合度の高いコンテンツを、所定の数、特定する。
【0090】
さらに、データ管理部211は、ステップ14で特定したコンテンツおよびCMの組み合わせが、リンクテーブルに登録されているか否かを判断する(S15)。当該組み合わせが、リンクテーブルに未登録の場合(NO)、データ管理部211は、リンク対象となるコンテンツのレコードのCMID格納領域222bに適合するCMIDを追加し、新たなリンク情報を登録する(S16)。当該組み合わせが既にリンクテーブルに存在している場合(YES)、データ管理部211は処理を終了する。
【0091】
以上、移動端末20が、コンテンツおよびCMの配信を受けた際に実行する処理について説明した。
【0092】
上記のような構成によれば、移動端末20の状況に適合するCMが、常に関連するコンテンツにリンクされているため、利用者に効果的にCMを視聴させることが可能である。
【0093】
<第二の実施形態>
次に、第二の実施形態にかかるCM配信システム2について説明する。
【0094】
第二の実施形態にかかる配信システム2は、配信サーバ10と、移動端末30と、からなる。以下、第一の実施形態にかかる配信システム1と比較して、異なる部分について説明する。
【0095】
本実施形態において、移動端末30は、コンテンツおよびCM間のリンクを削除する。
【0096】
このような移動端末30を用いた本発明の第二の実施形態について、以下、図6を参照しながら説明する。図6は、第二の実施形態にかかる配信システム2の機能構成を示すブロック図である。
【0097】
配信サーバ10は、第一の実施形態とほぼ同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0098】
移動端末30の制御部310は、データ管理部311と、情報取得部212と、データ再生部313と、を備えている。
【0099】
制御部310は、第一の実施形態と同様の処理に加えて、CMの再生回数に応じてコンテンツおよびCM間のリンクを削除する処理を実行する。
【0100】
まず、データ再生部313について説明する。
【0101】
データ再生部313は、第一の実施形態にかかるデータ再生部213と同様の処理を実行し、図4に示すようなコンテンツおよびCMの再生履歴を記録する。
【0102】
さらに、本実施形態にかかるデータ再生部313は、CMの再生履歴を記録する際、再生履歴から当該CMの再生回数を算出する。そして、所定の回数以上再生がなされているCMデータが存在する場合には、当該CMのIDを含んだ削除要求を、データ管理部311へと出力する。
【0103】
データ管理部311は、データ再生部313からの削除要求を受け付けると、リンクテーブルのCMID格納領域222bから、削除要求に含まれるCMのIDを全て削除する。
【0104】
また、本実施形態にかかるデータ管理部311は、情報取得部212から位置時間情報の提供を受け付けると(図5、ステップ11)、まず、蓄積されるCMデータの中に、CMID格納領域222bにIDが格納されていないものがあるか否かを判断し、リンク情報の無いCMデータを削除する。なお、一定時間リンク情報が無いCMデータのみを削除しても良い。その後、ステップ12へと進み、第一の実施形態と同様の処理を実行する。
【0105】
以上のような構成により、本実施形態にかかる配信システム2は、所定の回数以上再生されたCMデータが自動的に削除されるため、利用者が視聴済みのCMが繰り返し再生されることなく、効率的な視聴が可能となる。
【0106】
また、CMデータによる、限られた移動端末のストレージの圧迫を防止できる。
【0107】
なお、データ再生部313によるCMデータの削除要求が出力される条件は、上述の再生回数に限定しない。例えば、CMデータの受信日時を予め記憶部に登録しておき、ダウンロード後の経過時間が所定の値以上となったCMデータについて、削除要求を出力しても良い。また、CMデータの作成日からの経過日数等の条件を、さらに組み合わせることもできる。
【0108】
<第三の実施形態>
次に、第三の実施形態にかかる配信システム3について、以下、図7を参照しながら説明する。図7は、第三の実施形態にかかる配信システム3の機能構成を示すブロック図である。
説明する。
【0109】
第三の実施形態にかかる配信システム3は、配信サーバ10と、移動端末40と、からなる。以下、第一の実施形態にかかる配信システム1と比較して、異なる部分について説明する。
【0110】
本実施形態において、移動端末40は、利用者によって削除指示のあったコンテンツおよびCM間のリンクを削除する。
【0111】
配信サーバ10は、第一の実施形態とほぼ同様の構成であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0112】
移動端末40の制御部410は、データ管理部411と、情報取得部212と、データ再生部213と、を備えている。
【0113】
制御部410は、第一の実施形態と同様の処理に加え、利用者からのコンテンツデータの削除指示に応じて、当該コンテンツおよびCM間のリンクを削除する処理を実行する。
【0114】
データ管理部411は、利用者からコンテンツの削除指示を受け付けると、当該コンテンツデータを削除する。そして、リンクテーブルから、コンテンツID格納領域222aに削除されたコンテンツのIDが含まれるレコードを特定し、当該レコードについても削除する。
【0115】
なお、データ管理部411は、第二の実施形態にかかるデータ管理部311と同様に、情報取得部212から位置時間情報の提供を受けると、蓄積されるCMデータ中で、CMID格納領域222bにIDが格納されていないCMデータを削除する。
【0116】
以上のような構成により、本実施形態にかかる配信システム3は、削除されたコンテンツとCMとの間のリンク情報を自動的に削除することが可能である。従って、削除指示のあったコンテンツのみをリンク対象としているCMデータについても削除されるため、リンク情報が無く再生がなされないようなCMの蓄積を防止することができる。
【0117】
また、本発明は、上記のような実施形態には制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0118】
例えば、上述の各実施形態にかかる各システムは、コンテンツを配信するコンテンツ配信サーバと、CMを配信するCM配信サーバと、を別々に有していても良い。
【0119】
また、位置および時間に関する情報は、GPSを利用せずに、最寄りのAP800から位置時間情報を取得することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】図1は、第一の実施形態にかかる配信システム1の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、CMに付与されるメタデータの概略図である。
【図3】図3は、リンクテーブルの概略図である。
【図4】図4は、再生履歴の概略図である。
【図5】図5は、データ管理部211が、情報取得部212から位置時間情報を取得した際に実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、第二の実施形態にかかる配信システム2の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第三の実施形態にかかる配信システム3の機能構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、各装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0121】
1・2・3:配信システム、10:配信サーバ、20・30・40:移動端末、121:コンテンツデータベース、122:CMデータベース、123:顧客情報、800:AP、900:ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信サーバから、コンテンツ、および、前記コンテンツのコンテンツメタデータ、を有するコンテンツ関連情報と、CM、および、前記CMの視聴が推奨される地域と時間帯とを特定する推奨情報を含むCMメタデータ、を有するCM関連情報と、前記コンテンツと前記CMとの関連付けを特定する第一のリンク情報と、を受信する処理と、
位置と、時間と、を取得する処理と、
取得した位置及び時間が、前記推奨情報から特定される地域及び時間帯に含まれる推奨情報を含むCMメタデータを有するCMを特定する処理と、
特定したCMのCMメタデータに適合するコンテンツメタデータを有するコンテンツを特定し、特定したCMと、特定したコンテンツと、の関連付けを特定する第二のリンク情報を生成する処理と、
コンテンツの再生指示に応じて、再生指示のあったコンテンツに関連付けされたCMを、前記第一のリンク情報及び前記第二のリンク情報の、少なくとも何れか一方から特定し、特定したCMを再生する処理と、
を実行する制御部を備えること、
を特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記制御部は、
取得した位置及び時間が、前記推奨情報から特定される地域及び時間帯に含まれない推奨情報を含むCMメタデータを有するCMと、コンテンツと、の関連付けを特定する第二のリンク情報を、削除する処理をさらに実行すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記制御部は、
CMの再生回数を算出する処理と、
再生回数が所定の値に達したCMと、コンテンツと、の関連付けを特定する第一のリンク情報及び第二のリンク情報を、削除する処理をさらに実行すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の端末装置であって、
前記制御部は、
コンテンツを削除する処理を実行する際に、削除するコンテンツと、第一のリンク情報及び第二のリンク情報で関連付けされたCMと、前記第一のリンク情報及び前記第二のリンク情報と、を共に削除する処理を、さらに実行すること、
を特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の端末装置であって、
前記制御部は、
コンテンツとの関連付けを特定する第一のリンク情報及び第二のリンク情報が存在しないCMを削除する処理を、さらに実行すること
を特徴とする端末装置。
【請求項6】
端末装置と、
配信サーバと、
前記配信サーバに設けられ、コンテンツ、および、前記コンテンツのコンテンツメタデータ、を有するコンテンツ関連情報と、CM、および、前記CMの視聴が推奨される地域と時間帯とを特定する推奨情報を含むCMメタデータ、を有するCM関連情報と、クライアントID毎に、前記クライアントIDで特定されるクライアントに関する属性情報と、を記憶する記憶部と、
前記配信サーバに設けられ、前記端末装置より、コンテンツ配信要求を受信する処理と、受信したコンテンツ配信要求に含まれるクライアントIDに対応する属性情報と、コンテンツ配信要求に含まれるコンテンツIDに対応するコンテンツのコンテンツメタデータと、に適合するCMメタデータを有するCMを特定する処理と、特定したCMと、コンテンツ配信要求に含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツと、の関連付けを特定する第一のリンク情報を生成し、特定したコンテンツのコンテンツ関連情報と、特定したCMのCM関連情報と、第一のリンク情報と、をコンテンツ配信要求を送信してきた端末装置に送信する処理と、を行う制御部と、
前記端末装置に設けられ、 前記配信サーバに、クライアントID及びコンテンツIDを含むコンテンツ配信要求を送信する処理と、前記配信サーバからのコンテンツ関連情報と、CM関連情報と、第一のリンク情報と、を受信する処理と、位置と、時間と、を取得する処理と、取得した位置及び時間が、前記推奨情報から特定される地域及び時間帯に含まれる推奨情報を含むCMメタデータを有するCMを特定する処理と、特定したCMのCMメタデータに適合するコンテンツメタデータを有するコンテンツを特定し、特定したCMと、特定したコンテンツと、の関連付けを特定する第二のリンク情報を生成する処理と、コンテンツの再生指示に応じて、前記第一のリンク情報及び前記第二のリンク情報の、少なくとも何れか一方から、再生指示のあったコンテンツに関連付けされたCMを特定し、特定したCMを再生する処理と、を実行する制御部と、を備えること、
を特徴とする配信システム。
【請求項7】
端末装置が、前記配信サーバから、コンテンツ、および、当該コンテンツのコンテンツメタデータ、を有するコンテンツ関連情報と、CM、および、当該CMの視聴が推奨される位置と時間とを特定する推奨情報を含むCMメタデータ、を有するCM関連情報と、前記コンテンツと、前記CMと、の関連付けを特定する第一のリンク情報と、を受信する過程と、
前記端末装置が、位置と、時間と、を取得する過程と、
前記端末装置が、取得した位置及び時間と、前記推奨情報から特定される位置及び時間と、が適合する推奨情報を含むCMメタデータを有するCMを特定する過程と、
前記端末装置が、特定したCMのCMメタデータに適合するコンテンツメタデータを有するコンテンツを特定し、特定したCMと、特定したコンテンツと、の関連付けを特定する第二のリンク情報を生成する過程と、
前記端末装置が、コンテンツの再生指示に応じて、再生指示のあったコンテンツに関連付けされたCMを、前記第一のリンク情報及び前記第二のリンク情報の、少なくとも何れか一方から特定し、特定したCMを再生する過程と、
を備えていること、
を特徴とする端末装置のデータ管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
コンテンツ、および、前記コンテンツのコンテンツメタデータ、を有するコンテンツ関連情報と、CM、および、前記CMの視聴が推奨される地域と時間帯とを特定する推奨情報を含むCMメタデータ、を有するCM関連情報と、前記コンテンツと、前記CMと、の関連付けを特定する第一のリンク情報と、を記憶する記憶手段、制御手段、として機能させ、
前記制御手段は、
位置と、時間と、を取得する処理と、
取得した位置及び時間が、前記推奨情報から特定される地域及び時間帯に含まれる推奨情報を含むCMメタデータを有するCMを特定する処理と、
特定したCMのCMメタデータに適合するコンテンツメタデータを有するコンテンツを特定し、特定したCMと、特定したコンテンツと、の関連付けを特定する第二のリンク情報を生成する処理と、
コンテンツの再生指示に応じて、再生指示のあったコンテンツに関連付けされたCMを、前記第一のリンク情報及び前記第二のリンク情報の、少なくとも何れか一方から特定し、特定したCMを再生する処理と、
を実行すること、
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−61354(P2010−61354A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225853(P2008−225853)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】