説明

端末装置、電子機器およびプログラム

【課題】接続された電子機器に関連するメディアコンテンツを簡単に取得することが可能となる端末装置、自身の電子機器に関連するメディアコンテンツを簡単に取得することが可能となる電子機器およびプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザが電子楽器を操作して動作状態を変化させると、メディアコンテンツ提供サーバは変化後の動作状態を示す状態データをクライアント端末を介して電子楽器から受信し、この状態データに基づいて通信ネットワーク上の多数のメディアコンテンツ蓄積サーバから電子楽器に関連し、かつ電子楽器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツのリストを受信し、クライアント端末のディスプレイ上に表示する。ユーザがそのリストからメディアコンテンツを選択し、取得を指示すると、メディアコンテンツ提供サーバは、当該メディアコンテンツデータを、蓄積サーバから取得して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を接続し、該接続した電子機器に関連するメディアコンテンツを取得する端末装置、自身の電子機器に関連するメディアコンテンツを取得する電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自身の電子機器に関連するメディアコンテンツとして、たとえばPDF(portable document format)ファイルなどの電子データで提供された取扱説明書(電子マニュアル)を取得し、表示装置上に表示させるようにした電子機器は、従来から知られている。
【0003】
このような電子機器として、その機器に備えられた各操作子と、取得した電子マニュアル内の当該各操作子に関連した記載がなされているページとの対応情報を記憶しておき、ユーザがある操作子を操作すると、対応情報を参照して、電子マニュアルの表示ページを当該操作子に関連した記載のあるページに切り替えるようにしたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−126240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の電子機器では、電子マニュアルは当該電子機器の提供者(メーカや販売業者など)によって提供されるものであるため、ユーザは、その提供者によって提供された基本的な情報について知ることができるものの、世の中のユーザが実際に当該電子機器を使ったときの感想やHowTo、Tipsなどの、いわゆるUGC(user-generated content)について知ることができなかった。通常、UGCを入手するには、インターネット上で提供されている動画共有サイト、写真共有サイト、SNS(social network service)サイト、ブログサイト、電子機器に関連する電子掲示板などの各種メディアコンテンツ情報提供サイト(サーバ)にユーザが自らアクセスし、検索条件を入力して検索する必要があった。
【0006】
本発明は、この点に着目してなされたものであり、接続された電子機器に関連するメディアコンテンツを簡単に取得することが可能となる端末装置、自身の電子機器に関連するメディアコンテンツを簡単に取得することが可能となる電子機器およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の端末装置は、電子機器と接続する第1の接続手段と、通信ネットワークを介してメディアコンテンツ提供サーバと接続する第2の接続手段と、前記電子機器から当該電子機器を特定する特定情報を取得する第1の取得手段と、前記電子機器から当該電子機器の動作状態を示す状態情報を取得する第2の取得手段と、前記第1の取得手段によって取得された特定情報および前記第2の取得手段によって取得された状態情報を前記メディアコンテンツ提供サーバに伝達することに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、前記電子機器に関連し、かつ前記電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧を取得する第3の取得手段と、前記第3の取得手段によって取得されたメディアコンテンツの一覧を表示装置上に表示させる表示手段と、前記表示手段によって前記表示装置上に表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツを、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得する第4の取得手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、請求項2に記載の電子機器は、通信ネットワークを介してメディアコンテンツ提供サーバと接続する接続手段と、自身の電子機器を特定する特定情報および自身の電子機器の動作状態を示す状態情報を前記メディアコンテンツ提供サーバに伝達することに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、自身の電子機器に関連し、かつ自身の電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧を取得する第1の取得手段と、前記第1の取得手段によって取得されたメディアコンテンツの一覧を表示装置上に表示させる表示手段と、前記表示手段によって前記表示装置上に表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツを、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得する第2の取得手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項3および4に記載のプログラムはそれぞれ、請求項1および2と同様の技術的思想によって実現できる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1または3に記載の発明によれば、第1の接続手段によって接続された電子機器から当該電子機器を特定する特定情報が取得され、前記接続された電子機器から当該電子機器の動作状態を示す状態情報が取得され、前記取得された特定情報および前記取得された状態情報が、第2の接続手段によって通信ネットワークを介して接続されたメディアコンテンツ提供サーバに伝達されたことに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、前記電子機器に関連し、かつ前記電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧が取得され、取得されたメディアコンテンツの一覧が表示装置上に表示され、この表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツが、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得されるので、ユーザは電子機器を操作中に、有用なメディアコンテンツデータを簡単に取得することができる。
【0011】
請求項2または4に記載の発明によれば、自身の電子機器を特定する特定情報および自身の電子機器の動作状態を示す状態情報が、接続手段によって通信ネットワークを介して接続されたメディアコンテンツ提供サーバに伝達されたことに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、自身の電子機器に関連し、かつ自身の電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧が取得され、取得されたメディアコンテンツの一覧が表示装置上に表示され、この表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツが、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得されるので、ユーザは電子機器を操作中に、有用なメディアコンテンツデータを簡単に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る端末装置に接続される電子機器を適用した電子楽器の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ネットワーク構成の一例を示す図である。
【図3】メディアコンテンツ提供サイトのトップページを図2中のクライアント端末のディスプレイに表示したときの画面の一例を示す図である。
【図4】図3の通信ネットワーク上の各機器間のデータの流れを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る各機器が協働して実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る各機器が協働して実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る端末装置(図2を用いて後述するクライアント端末102)に接続される電子機器を適用した電子楽器101の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
同図に示すように、電子楽器101は、音高情報を含む演奏情報を入力するための鍵盤を含む演奏操作子1と、各種情報を入力するための複数のスイッチやダイアル、ホイールを含む設定操作子2と、演奏操作子1の操作状態を検出する検出回路3と、設定操作子2の操作状態を検出する検出回路4と、装置全体の制御を司るCPU5と、該CPU5が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶するROM6と、演奏情報、各種入力情報および演算結果等を一時的に記憶するRAM7と、各種情報等を表示する、たとえば小型の液晶ディスプレイ(LCD)および発光ダイオード(LED)等を備えた表示器8と、前記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや各種楽曲データ、各種データ等を記憶する記憶装置9と、クライアント端末102を接続し、クライアント端末102とデータの送受信を行う通信インターフェース(I/F)10と、演奏操作子1を用いて入力された演奏情報や、前記記憶装置9に記憶されたいずれかの楽曲データを再生して得られた演奏情報等を楽音信号に変換するとともに、その楽音信号に各種効果を付与するための音源・効果回路11と、該音源・効果回路11からの楽音信号を音響に変換する、たとえば、DAC(digital-to-analog converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム12とにより構成されている。
【0016】
上記構成要素3〜11は、バス13を介して相互に接続され、音源・効果回路11にはサウンドシステム12が接続されている。
【0017】
記憶装置9は、たとえば、フレキシブルディスク(FD)、ハードディスク(HD)、CD−ROM、DVD(digital versatile disc)、光磁気ディスク(MO)および半導体メモリなどの記憶媒体とその駆動装置である。記憶媒体は、駆動装置から着脱可能であってもよいし、記憶装置9自体が、電子楽器101から着脱可能であってもよい。あるいは、記憶媒体も記憶装置9も着脱不可能であってもよい。なお、記憶装置9(の記憶媒体)には、前述のように、CPU5が実行する制御プログラムも記憶でき、ROM6に制御プログラムが記憶されていない場合には、この記憶装置9に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM7に読み込むことにより、ROM6に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU5にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。
【0018】
通信I/F10としては、たとえば、MIDI(musical instrument digital interface)信号などの音楽信号を専用に送受信する音楽専用有線I/F、USB(universal serial bus)やIEEE1394などの汎用近距離有線I/F、Ethernet(登録商標)などの汎用ネットワークI/F、無線LAN(local area network)やBluetooth(登録商標)などの汎用近距離無線I/Fを挙げることができる。本実施の形態では、通信I/F10としてUSBを採用しているが、これに代えて他の種類のI/Fを採用してもよいし、これに他の種類のI/Fを加えるようにしてもよい。
【0019】
なお本実施の形態では、電子楽器の形態として、鍵盤楽器の形態を採用したが、これに限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。また、電子楽器に限らず、カラオケ機器やゲーム機器、通信機器などの電子機器にも本発明を適用することができる。
【0020】
図2は、ネットワーク構成の一例を示す図である。
【0021】
同図に示すように、インターネット等の通信ネットワーク200には、クライアント端末102、電子楽器103および4種類のサーバ104,105a〜105cが接続されている。電子楽器101は、前述のようにクライアント端末102と接続され、クライアント端末102を介して通信ネットワーク200と接続されている。
【0022】
クライアント端末102は、本実施の形態ではPC(パーソナルコンピュータ)によって構成されているので、電子楽器101の前記図1の構成から、演奏操作子1、設定操作子2、検出回路3,4、表示器8、音源・効果回路11およびサウンドシステム12を除き、その代わりに、キーボード、マウスおよび大型ディスプレイを加えたものによって構成されている。クライアント端末102は、図5を用いて後述するように、電子楽器101が送信したデータを受信し、所定の処理を施した上で、あるいは何の処理も施さずにそのまま、メディアコンテンツ提供サーバ104に送信し、さらに電子楽器101と協働せずに単独で、メディアコンテンツ提供サーバ104と各種データの送受信を行う。
【0023】
メディアコンテンツ提供サーバ104は、本実施の形態ではクライアント端末102(後述する第2の実施の形態では電子楽器103)からの指示に応じて、通信ネットワーク200に接続されている多数のメディアコンテンツ蓄積サーバ(図示例では、3台の蓄積サーバ105a〜105c)を巡回し、各メディアコンテンツ蓄積サーバにそれぞれ蓄積されている多数のメディアコンテンツのうち、電子楽器101(第2の実施の形態では電子楽器103)に関連するメディアコンテンツの情報を収集して、クライアント端末102に提供する。ユーザが、クライアント端末102に提供された情報の中からいずれかを選択し、その取得を指示すると、メディアコンテンツ提供サーバ104は、取得の指示されたメディアコンテンツデータを、それを蓄積しているメディアコンテンツ蓄積サーバから取得してクライアント端末102(第2の実施の形態では電子楽器103)に送信する。このように、クライアント端末102からメディアコンテンツ提供サーバ104へのアクセスはいつあるか分からないので、メディアコンテンツ提供サーバ104は常時、メディアコンテンツ提供サイト(を実現するソフトウェア)を起動し、メディアコンテンツ提供サイトへのクライアント端末102(第2の実施の形態では電子楽器103)からのアクセスに備えている。
【0024】
メディアコンテンツ蓄積サーバA105aは、いわゆる動画共有サイトを提供し、動画データを登録するとともに、登録されている動画データをストリーミング配信あるいはダウンロード配信する。メディアコンテンツ蓄積サーバB105bは、いわゆるブログサイトを提供し、ブログを登録するとともに、登録されているブログを公開する。メディアコンテンツ蓄積サーバC105cは、いわゆる電子掲示板を提供し、テーマ毎に様々な情報を書き込んだり、書き込まれた情報を閲覧したりできるようになっている。
【0025】
メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cは、通常のサーバ用コンピュータ、具体的には、電子楽器101の前記図1の構成から、演奏操作子1、設定操作子2、検出回路3,4、表示器8、音源・効果回路11およびサウンドシステム12を除き、その代わりに、キーボード、マウスおよび大型ディスプレイを加えたものによって構成される。なお本実施の形態では、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cは、それぞれ独立した1台のサーバ用コンピュータによって構成したが、これに限らず、一部または全部のサイトをまとめて、2台あるいは1台のサーバ用コンピュータによって構成するようにしてもよい。さらにメディアコンテンツ提供サーバ104の機能も、その2台あるいは1台のサーバ用コンピュータの中に含ませるようにしてもよい。また、メディアコンテンツ提供サーバ104を複数台で構成し、動画共有サイト、ブログサイトおよび電子掲示板のうち、1つあるいは複数を選択して担当させるようにしてもよい。さらに、動画共有サイト、ブログサイトおよび電子掲示板はいずれも、本実施の形態では、通信ネットワーク200上に1サイトのみ存在するとしているが、これは便宜上に過ぎず、通常は多数存在している。
【0026】
電子楽器103は、クライアント端末102を介することなく単独で通信ネットワーク200に接続し、メディアコンテンツ提供サーバ104とデータの送受信を行う。つまり、電子楽器103は、電子楽器101とクライアント端末102がそれぞれ実行する制御処理をまとめて、単独で実行するようにしたものである。電子楽器103が実行する制御処理については、第2の実施の形態で説明するので、本実施の形態では以降、電子楽器103について言及しない。
【0027】
クライアント端末102がメディアコンテンツ提供サイト(メディアコンテンツ提供サーバ104が提供するサイト)にアクセスすると、クライアント端末102の前記(大型)ディスプレイには、メディアコンテンツ提供サイトの、たとえばトップページが表示される。図3は、メディアコンテンツ提供サイトのトップページをクライアント端末102のディスプレイに表示したときの画面(以下、「トップページ画面」という)102aの一例を示す図である。
【0028】
トップページ画面102aは、電子楽器101のための専用の画面であり、クライアント端末102に接続されている機器が電子楽器101から他の機器に変われば、それに伴って、トップページ画面102aも当該他の機器専用の画面に変わる。ただし、画面のレイアウトまで変わる必要はないので、表示内容(特に、画面102a内の表示領域102b,102cおよび102j〜102lに表示される内容)だけ変わる。もちろん、画面のレイアウトあるいはデザインまで変わるようにしてもよい。
【0029】
トップページ画面102aには、製品名称表示領域102bと、製品写真表示領域102cと、検索条件入力枠102dと、“Search”ボタン102eと、“Home”ボタン102fと、機能(機能1〜3)ボタン102gと、“Latest”ボタン102hと、“Greatest”ボタン102iと、タグクラウド表示領域102jと、テキストコンテンツリスト表示領域102kと、動画コンテンツリスト表示領域102lとが設けられている。
【0030】
製品名称表示領域102bに表示される「製品名称」と、製品写真表示領域102cに表示される「製品写真」により、ユーザは、どの電子機器に関連するメディアコンテンツが提供されるかを把握できる。「製品写真」の次元は“2D”でも“3D”でも、もちろん構わない。“2D”の「製品写真」が表示された場合には、その「製品写真」は単なる静止画であるが、“3D”の「製品写真」が表示された場合には、ユーザは前記マウスやジョイスティック等を操作することで、その「製品写真」を回転させる(たとえば、側面や裏面を見たりする)ことができる。なお、この「製品写真」を回転させる処理は、公知技術であって、よく用いられているので、その説明は省略する。また、これらの“2D”や“3D”の「製品写真」は、マウス等の操作によって拡大/縮小表示を行えるようにしてもよい。
【0031】
検索条件入力枠102dおよび“Search”ボタン102eは、ユーザが自分の望むメディアコンテンツを探す際に、検索条件(検索ワード)を入力し、入力された検索条件で検索を指示するために用いられる。入力された検索条件で検索が指示されると、その検索条件に合致したメディアコンテンツのリスト(図示例では、「テキストコンテンツリスト」と「動画コンテンツリスト」)が、コンテンツリスト表示領域(図示例では、「テキストコンテンツリスト表示領域102k」と「動画コンテンツリスト表示領域102l」)に表示される。
【0032】
“Home”ボタン102fおよび機能1〜3のボタン102gは、上記検索条件と同様に、ユーザが自分の望むメディアコンテンツを絞り込むためのものであり、検索条件のうちの代表的なもの(電子楽器101が備えている機能であって、たとえば「スタイル」、「ソング」、「ボイス」など)が、機能1〜3に割り当てられる。ただし“Home”ボタン102fは、「検索条件なし」(すべてのメディアコンテンツについてのリストを表示すること)を選択するものである。なお、機能1〜3に割り当てられる検索条件は、電子楽器101の現在の動作状態に応じて変動する方が好ましい。
【0033】
“Latest”ボタン102hおよび“Greatest”ボタン102iは、メディアコンテンツリストに各メディアコンテンツの概要(たとえば、タイトル)を並べる際の優先順位を指定するためのものである。“Latest”ボタン102hが押下されると、最新のメディアコンテンツが上位に来るリストが作成される一方、“Greatest”ボタン102iが押下されると、人気の高い(よく閲覧されている)メディアコンテンツが上位に来るリストが作成される。
【0034】
タグクラウド表示領域102jに表示される「タグクラウド」は、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cに蓄積されている各メディアコンテンツに付与されたタグ(キーワード)を(重複するタグについては1つだけ)並べて、雲のように表示したものである。そして、タグのうち、数が多いものが強調して(たとえば、文字を大きくあるいは太く、色を濃くあるいは明るくなど、目立つ表示態様で)表示され、数が少ないものが強調されずに表示される。あるいは、メディアコンテンツの閲覧回数が多いものを強調して表示してもよい。
【0035】
テキストコンテンツリスト表示領域102kに表示される「テキストコンテンツリスト」は、SNSサイト、ブログサイト、電子機器に関する電子掲示板などから収集された、電子楽器101に関連するテキストコンテンツの概要(タイトルや一部のテキスト、リンク等)をリスト化したものである。
【0036】
動画コンテンツリスト表示領域102lに表示される「動画コンテンツリスト」は、動画共有サイトなどから収集された、電子楽器101に関連する動画コンテンツの概要(タイトルや動画のサムネイル、リンク等)をリスト化したものである。
【0037】
各メディアコンテンツは、典型的には、電子楽器101を世の中のユーザが実際に使った感想やHow To、Tipsなどのテキスト、電子楽器101を操作あるいは演奏している風景の動画、電子楽器101のある機能について解説している動画などであるが、これらに限られない。静止画や音声(オーディオ)などでもよい。なお、各メディアコンテンツリスト(図示例では、「テキストコンテンツリスト」および「動画コンテンツリスト」)は、特定の1つのメディアコンテンツ蓄積サーバのみから情報を収集して生成してもよいし、複数のメディアコンテンツ蓄積サーバを巡回して情報を収集し、複数のサーバからの情報を混在させて生成してもよい。
【0038】
以上のように構成された電子楽器101、クライアント端末102、メディアコンテンツ提供サーバ104および各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cが実行する制御処理を、まず図4(a)を参照してその概要を説明し、次に図5を参照して詳細に説明する。
【0039】
図4(a)は、電子楽器101、クライアント端末102、メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105c間のデータの流れを示す図である。
【0040】
同図(a)において、まずクライアント端末102が、メディアコンテンツ提供サーバ104に対して、電子楽器101に関連するメディアコンテンツ提供画面情報(図5では、前記図3のトップページ画面102aを表示するための「トップページ表示データ」に相当する)を要求する(矢印#1)と、メディアコンテンツ提供サーバ104は、各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cに対して、電子楽器101に関連するタグクラウドおよびメディアコンテンツリストを生成するための情報を要求する(矢印#2)。これに応じて各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cは、当該情報をメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(矢印#3)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、タグクラウドおよびメディアコンテンツリストについては、各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cからの情報に基づいて生成し、タグクラウドおよびメディアコンテンツリスト以外については、自身の記憶装置に記録されている情報に基づいて生成し、両者を合体させることにより、電子楽器101に関連するメディアコンテンツ提供画面情報を生成し、生成したメディアコンテンツ提供画面情報をクライアント端末102に送信する(矢印#4)。クライアント端末102は、受信したメディアコンテンツ提供画面情報を前記ディスプレイに表示する。
【0041】
ユーザが、前記演奏操作子1および設定操作子2に含まれるいずれかの操作子を操作することにより、電子楽器101の動作状態が変化すると、電子楽器101は、その変化後の動作状態を示す状態データを送信する(矢印#5)。クライアント端末102は、この状態データを受信し、そのままメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(矢印#6)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、受信した状態データに基づいて検索条件データを作成し、作成した検索条件データを各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cに送信する(矢印#7)。各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cは、検索条件データに合致する検索結果を返送する(矢印#8)。
【0042】
メディアコンテンツ提供サーバ104は、受信した検索結果に基づいてメディアコンテンツリストを作成し、このメディアコンテンツリストで、前記メディアコンテンツ提供画面情報内のメディアコンテンツリストを書き替え、書き替え後のメディアコンテンツ提供画面情報(図5では、「検索結果表示データ」に相当する)をクライアント端末102へ送信する(矢印#9)。クライアント端末102は、受信したメディアコンテンツ提供画面情報を表示する。ユーザが、表示されたメディアコンテンツリストから、いずれかのメディアコンテンツ(の概要)を選択すると、クライアント端末102は、選択されたメディアコンテンツに対応する実データ、つまりメディアコンテンツデータの取得要求をメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(矢印#10)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、受信した取得要求内に含まれる、たとえばリンク情報に基づいて、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cのうち、当該メディアコンテンツデータが蓄積されているサーバにアクセスする(矢印#11)。アクセスされたメディアコンテンツ蓄積サーバは、自身の記憶装置から当該メディアコンテンツデータを読み出して、メディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(矢印#12)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、このメディアコンテンツデータを受信して、そのままクライアント端末102に転送する(矢印#13)。
【0043】
クライアント端末102は、このメディアコンテンツデータを受信し、このメディアコンテンツデータの種類に応じて、表示ないしは再生を行う。
【0044】
このように本実施の形態では、ユーザが電子楽器101を実際に操作して、その動作状態を変化させると、通信ネットワーク200上の多数のメディアコンテンツ蓄積サーバにそれぞれ蓄積されている多数のメディアコンテンツのうち、電子楽器101に関連し、かつ電子楽器101の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツのリストがクライアント端末102のディスプレイ上に表示され、ユーザがそのリストからいずれかのメディアコンテンツを選択し、その取得を指示すると、当該メディアコンテンツデータが、それを蓄積しているメディアコンテンツ蓄積サーバから取得されて、クライアント端末102によって自動的に表示ないし再生がなされるので、ユーザは、電子楽器101を操作あるいは演奏中に、有用なメディアコンテンツデータを簡単に取得することができる。
【0045】
次に、この制御処理を詳細に説明する。
【0046】
図5は、電子楽器101、クライアント端末102、メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cが協働して実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。なお図5のフローチャートでは、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cが実行する制御処理は、1台のメディアコンテンツ蓄積サーバが実行する制御処理についてのみ記載されているが、これは、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cのいずれでも同様の制御処理を実行するので、いずれか1台が実行する制御処理の手順を図示しておけば十分だからである。したがって実際には、各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cが並行して、同図の制御処理を実行している。また同図中、電子楽器101およびクライアント端末102がそれぞれ実行する制御処理は「終了」で終わっているのに対して、メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバがそれぞれ実行する制御処理は「リターン」で終わっている。これは、各サーバでは通常、同図の「制御処理」の他にも様々な「制御処理」が実行されるので、同図の「制御処理」が、各サーバでそれぞれ実行される多数の「制御処理」のうちの1つであることを示すためである。もちろん実際には、電子楽器101でもクライアント端末102でも、同図の「制御処理」の他にも様々な「制御処理」が実行されているが、本発明を説明する上では、同図の「制御処理」で各機器101および102の処理が完結しているとみなしても問題はないからである。
【0047】
ユーザが、たとえば電子楽器101の前記設定操作子2に含まれる電源スイッチ(図示せず)を押下して、電子楽器101に電源が供給されると、電子楽器101(のCPU5)は、メインルーチン、つまり図5の電子楽器101についての「制御処理」を起動する。メインルーチンが起動されると、電子楽器101は、まず図示しない初期設定処理を実行した後、自身の電子機器IDを、前記通信I/F10を介してクライアント端末102に送信する(ステップS1)。このとき、クライアント端末102にも電源が供給されて、図5のクライアント端末102についての「制御処理」が起動されていることは、言うまでもない。なお、電子楽器101の上記メインルーチンもクライアント端末102の上記「制御処理」も、ユーザが所定の終了指示を行うと、終了する(ステップS5→終了、ステップS107→終了)。
【0048】
クライアント端末102は、この機器IDを受信し、この機器IDに対応したコンテンツ提供ページにアクセスする(ステップS101,#1)。ここで“#n”(nは、1〜13のいずれかの整数)は、前記図4(a)の矢印に付与された“#n”に対応する(この事情は、図4(b)と図6についても同様である)。クライアント端末102の記憶装置には、各種電子機器の機器IDとコンテンツ提供ページの通信ネットワーク200上のアドレス(インターネット上では、URL(uniform resource locator))とを対応付けたテーブルが予め記憶されており、上記ステップS101では、クライアント端末102は、このテーブルを参照して目的のコンテンツ提供ページにアクセスしている。このテーブルは、クライアント端末102が実行する図5の「制御処理」のソフトウェアをクライアント端末102にインストールするときに、自動的にインストールされるようにしてもよいし、クライアント端末102が上記「制御処理」を起動してから初めてメディアコンテンツ提供サーバ104にアクセスしたときに、メディアコンテンツ提供サーバ104から取得するようにしてもよい。
【0049】
クライアント端末102から、機器IDに対応したコンテンツ提供ページへのアクセスがあると、メディアコンテンツ提供サーバ104は、機器IDに応じた検索条件データを生成し、各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cに送信する(ステップS201,#2)。クライアント端末102が機器IDに対応したコンテンツ提供ページにアクセスした時点で、機器IDは一意的に決まるので、メディアコンテンツ提供サーバ104は、その機器IDに応じた検索条件データを生成することができる。ここで生成された「検索条件データ」は、コンテンツ提供ページのトップページ、つまり初期画面を表示させるために用いられるので、広い範囲の検索結果が得られるように少ない個数の検索ワードを含ませるようにした方がよい。たとえば、電子楽器101の「製品名称」のみ含ませるというようにである。なお、機器IDを「製品名称」と一致させておくと、機器IDがそのまま検索条件となり、便利である。
【0050】
各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cは、検索条件データを受信し、該当するメディアコンテンツを自身の記憶装置から検索し(ステップS301)、その検索結果をメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(ステップS302,#3)。
【0051】
メディアコンテンツ提供サーバ104は、検索結果を受信し、この検索結果に基づいてトップページ表示データを生成し、生成したトップページ表示データをクライアント端末102に送信する(ステップS202,#4)。ここでトップページ表示データは、前記図3のトップページ画面102aを表示するためのデータである。そして検索結果は、タグクラウド表示領域102j、テキストコンテンツリスト表示領域102kおよび動画コンテンツリスト表示領域102lにそれぞれの表示を行うための基礎となるものである。したがってメディアコンテンツ提供サーバ104は、トップページ表示データに含まれる表示要素のうち、タグクラウド表示領域102j、テキストコンテンツリスト表示領域102kおよび動画コンテンツリスト表示領域102lにそれぞれ表示させる各表示要素については、検索結果に基づいて生成し、それ以外の表示要素については、自身の記憶装置に記憶されているデータに基づいて生成し、両者を合体させることにより、トップページ表示データを生成する。
【0052】
クライアント端末102は、トップページ表示データを受信し、前記ディスプレイ上に表示する(ステップS102)。これにより、ディスプレイ上には、トップページ画面102aが表示される。
【0053】
次に電子楽器101は、ユーザが前記演奏操作子1および設定操作子2に含まれるいずれかの操作子を操作したかどうかを常時監視し、いずれかの操作子が操作されると、その操作子の操作を検出する(ステップS2)。そして電子楽器101は、検出した操作子の操作に応じた状態に動作状態を設定する(ステップS3)。さらに電子楽器101は、設定した動作状態を示す状態データを生成して、クライアント端末102に送信する(ステップS4,#5)。操作子の操作に応じて電子楽器101の動作状態(内部状態を含む)は変化する(画面の表示内容が変化したり、動作モードが変化したりするなど)が、状態データは、その変化後の動作状態を所定のデータ形式で表現したものである。具体的には、所定のデータ形式として、たとえばテキストデータを採用したときに、動作モードが「演奏モード」から「再生モード」に変化した場合、「動作モード:再生モード」と記載されたテキストファイルが生成され、動作モードが「演奏モード」を継続したままで、ボリューム操作子が操作されて、ボリューム値が“5”から“10”に変化した場合には、「動作モード:演奏モード;ボリューム値:10」と記載されたテキストファイルが生成されるなどである。
【0054】
クライアント端末102は、電子楽器101からの状態データを受信し、そのままメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(ステップS103,#6)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、この状態データを受信し、たとえば自身のRAM内に確保した状態データ格納領域(図示せず)に格納する(ステップS203)。RAM内には、前回受信した状態データを保存しておくための旧状態データ保存領域(図示せず)も確保されている。したがって、状態データ格納領域に既に有効な状態データが格納されているときに、新たな状態データを受信して状態データ格納領域内の状態データを更新する場合には、メディアコンテンツ提供サーバ104は、状態データ格納領域内の状態データを読み出して旧状態データ保存領域に保存した上で、新たな状態データで状態データ格納領域を上書きする。
【0055】
次にメディアコンテンツ提供サーバ104は、状態データ格納領域に格納した状態データを解析し、電子楽器101の動作状態に応じた検索条件データを生成し、各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cに送信する(ステップS204,#7)。ここで、検索条件データを生成するに際してメディアコンテンツ提供サーバ104は、旧状態データ保存領域内に有効な旧状態データ(前回受信した状態データ)が保存されている場合には、新状態データと旧状態データとの差分を算出し、この差分に基づいて電子楽器101の状態がどのように変化したか、つまりユーザがどのような操作を行ったかを判定し、その判定結果に応じて検索条件データを生成する。具体的には、旧状態データが「動作モード:演奏モード」であり、新状態データが「動作モード:再生モード」である場合には、その差分は「再生モード−演奏モード」と算出されるので、動作モードが「演奏モード」から「再生モード」に変化したこと、つまり、ユーザが動作モードを変更する操作を行ったことが判定される。一方、旧状態データが「動作モード:演奏モード;ボリューム値:5」であり、新状態データが「動作モード:演奏モード;ボリューム値:10」である場合には、その差分は「ボリューム値:5」と算出されるので、動作モードは変化しないで、「ボリューム値」が“5”だけ増加したこと、つまり、ユーザが動作モードを変更せずに、ボリューム操作子を増加方向に“5”だけ操作したことが判定される。この結果、前者の具体例では、たとえば「再生モード」と「演奏モードから再生モードへのモード移行」という検索ワードを含む「検索条件データ」が生成され、後者の具体例では、たとえば「演奏モード」と「ボリューム操作子の操作」という検索ワードを含む「検索条件データ」が生成される。
【0056】
各メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cは、前記ステップS301およびS302の処理と同様の処理により、検索条件データを受信し、該当するメディアコンテンツを自身の記憶装置から検索し(ステップS303)、その検索結果をメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(ステップS304,#8)。
【0057】
メディアコンテンツ提供サーバ104は、検索結果を受信し、この検索結果に基づいて検索結果表示データを生成し、生成した検索結果表示データをクライアント端末102に送信する(ステップS205,#9)。ここで検索結果表示データは、前記ステップS202のトップページ表示データに対して、タグクラウド表示領域102j、テキストコンテンツリスト表示領域102kおよび動画コンテンツリスト表示領域102lにそれぞれ表示される内容が主として異なるのみであり、その他の表示内容はほぼ異ならない。そして、前記ステップS304の「検索結果」は、前記ステップS302の「検索結果」と同様に、タグクラウド表示領域102j、テキストコンテンツリスト表示領域102kおよび動画コンテンツリスト表示領域102lにそれぞれの表示を行うための基礎となるものである。したがって上記ステップS205では、メディアコンテンツ提供サーバ104は、トップページ表示データに含まれる表示要素のうち、タグクラウド表示領域102j、テキストコンテンツリスト表示領域102kおよび動画コンテンツリスト表示領域102lにそれぞれ表示させる各表示要素を、前記ステップS304の「検索結果」に基づいて生成した各表示要素で置き換えることことにより、検索結果表示データを生成する。
【0058】
クライアント端末102は、検索結果表示データを受信し、自身のディスプレイに表示する(ステップS104)。これにより、ディスプレイ上には、前記図3のトップページ画面102aと同様の画面、ただし、タグクラウド表示領域102j、テキストコンテンツリスト表示領域102kおよび動画コンテンツリスト表示領域102lの各表示が更新されたものが表示される。
【0059】
ユーザがディスプレイに表示された検索結果から所望の、つまり取得したいメディアコンテンツの概要(たとえば、タイトル)を選択すると、クライアント端末102は、当該メディアコンテンツデータを取得するための取得要求データをメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(ステップS105,#10)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、この取得要求データを、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているメディアコンテンツ蓄積サーバに転送する(ステップS206,#11)。このとき、メディアコンテンツ提供サーバ104は、クライアント端末102からメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cのいずれかへ取得要求データを中継する役割しか果たしていないので、クライアント端末102は、メディアコンテンツ提供サーバ104を中継せずに、メディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cうちのいずれかへ直接、取得要求データを送信するようにしてもよい。
【0060】
取得要求データを受信したメディアコンテンツ蓄積サーバは、自身の記憶装置に蓄積されている当該メディアコンテンツデータを読み出して、メディアコンテンツ提供サーバ104に送信する(ステップS305,#12)。メディアコンテンツ提供サーバ104は、このメディアコンテンツデータを受信して、そのままクライアント端末102に転送する(ステップS207,#13)。このとき、メディアコンテンツ提供サーバ104は、メディアコンテンツ蓄積サーバからクライアント端末102へメディアコンテンツデータを中継する役割しか果たしていないので、メディアコンテンツ蓄積サーバは、メディアコンテンツ提供サーバ104を中継せずに、クライアント端末102へ直接、メディアコンテンツデータを送信するようにしてもよい。
【0061】
クライアント端末102は、メディアコンテンツ提供サーバ104からのメディアコンテンツデータを受信し、メディアコンテンツデータの種類に応じて表示ないしは再生を行う(ステップS106)。
【0062】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0063】
本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、電子楽器101とクライアント端末102がそれぞれ実行していた制御処理をまとめて、電子楽器103に単独で実行させるようにした点が異なっている。したがって、電子楽器103のハードウェアは、電子楽器101のハードウェア、つまり前記図1のハードウェアをそのまま用いることにする。ただし電子楽器101では、表示器8を小型のLCDによって構成したが、小型のLCDでは、前記図3のトップページ画面102aは大きすぎて表示がし難いので、この画面102aを無理なく表示できるだけの大きさのLCDを採用した方が好ましい。また通信I/F10は、上記第1の実施の形態ではUSBを採用しているが、これでは通信ネットワーク200に接続できないので、通信ネットワーク200に接続可能な通信I/Fを採用する必要がある。なお、メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cの各ハードウェアは、上記第1の実施の形態で説明したものをそのまま用いればよい。
【0064】
図4(b)は、電子楽器103、メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105c間のデータの流れを示す図である。図4(b)と図4(a)を比較すれば分かるように、図4(b)は、図4(a)の矢印#5を削除するとともに矢印#6を矢印#6′に変更することによって構成されている。ただし、本実施の形態における#1〜#4および#7〜#13の各処理では、前記第1の実施の形態における#1〜#4および#7〜#13の各処理内の「クライアント端末102」を「電子楽器103」で読み替える必要がある。そして、上記第1の実施の形態における#6の処理に代えて、
#6′:ユーザが、前記演奏操作子1および設定操作子2に含まれるいずれかの操作子を操作することにより、電子楽器103の動作状態が変化すると、電子楽器103は、その変化後の動作状態を示す状態データをメディアコンテンツ提供サーバ104に送信する
という処理を行う。
【0065】
図6は、電子楽器103、メディアコンテンツ提供サーバ104およびメディアコンテンツ蓄積サーバA〜C105a〜105cが協働して実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。図6中、図5中の処理と同じ処理を行うステップには、同一ステップ番号が付与されている。
【0066】
図6と図5を比較すれば分かるように、図6における電子楽器103の制御処理が、図5の電子楽器101およびクライアント端末102の各制御処理を合成して構成されている。このように、図6の制御処理は図5の制御処理から簡単に類推できるので、図6の制御処理についての詳細な説明は省略する。ただし、電子楽器103に対応したコンテンツ提供ページを表示した状態で、ユーザがいずれかの操作子を操作すると、その操作子の操作によってはLCD上の表示内容が変化する(動作状態に応じた表示画面になる)場合があるが、この場合、表示中のコンテンツ提供ページ(トップページ画面あるいは検索結果表示データの表示結果である検索結果表示画面)がユーザの意図とは異なる画面に変わってしまうため、ユーザは、少なからず違和感を感じることになる。そこで、
(A)コンテンツ提供ページの画面に固定する(操作子の操作があっても、動作状態に応じた画面に変わらない)モードを用意する
(B)コンテンツ提供ページを表示するための専用の表示器を用意する
(C)コンテンツ提供ページを表示するための専用操作子を用意し、操作子の操作により動作状態に応じた画面に変わった後、当該専用操作子の操作により、直ちにコンテンツ提供ページの画面に切り替えるようにする
などの工夫をした方が好ましい。
【0067】
なお、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0068】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードおよび該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0069】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、通信ネットワークを介してサーバコンピュータからプログラムコードが供給されるようにしてもよい。
【0070】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0071】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0072】
5…CPU(第1の取得手段、表示手段、第2の取得手段),8…表示器(表示装置),10…通信I/F(接続手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と接続する第1の接続手段と、
通信ネットワークを介してメディアコンテンツ提供サーバと接続する第2の接続手段と、
前記電子機器から当該電子機器を特定する特定情報を取得する第1の取得手段と、
前記電子機器から当該電子機器の動作状態を示す状態情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段によって取得された特定情報および前記第2の取得手段によって取得された状態情報を前記メディアコンテンツ提供サーバに伝達することに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、前記電子機器に関連し、かつ前記電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧を取得する第3の取得手段と、
前記第3の取得手段によって取得されたメディアコンテンツの一覧を表示装置上に表示させる表示手段と、
前記表示手段によって前記表示装置上に表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツを、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得する第4の取得手段と
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
通信ネットワークを介してメディアコンテンツ提供サーバと接続する接続手段と、
自身の電子機器を特定する特定情報および自身の電子機器の動作状態を示す状態情報を前記メディアコンテンツ提供サーバに伝達することに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、自身の電子機器に関連し、かつ自身の電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧を取得する第1の取得手段と、
前記第1の取得手段によって取得されたメディアコンテンツの一覧を表示装置上に表示させる表示手段と、
前記表示手段によって前記表示装置上に表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツを、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得する第2の取得手段と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
第1の接続手段によって接続された電子機器から当該電子機器を特定する特定情報を取得する第1の取得手順と、
前記接続された電子機器から当該電子機器の動作状態を示す状態情報を取得する第2の取得手順と、
前記第1の取得手順によって取得された特定情報および前記第2の取得手順によって取得された状態情報を、第2の接続手段によって通信ネットワークを介して接続されたメディアコンテンツ提供サーバに伝達することに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、前記電子機器に関連し、かつ前記電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧を取得する第3の取得手順と、
前記第3の取得手順によって取得されたメディアコンテンツの一覧を表示装置上に表示させる表示手順と、
前記表示手順によって前記表示装置上に表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツを、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得する第4の取得手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項4】
自身の電子機器を特定する特定情報および自身の電子機器の動作状態を示す状態情報を、接続手段によって通信ネットワークを介して接続されたメディアコンテンツ提供サーバに伝達することに応じて、当該メディアコンテンツ提供サーバが前記通信ネットワーク上に存在する複数のメディアコンテンツ蓄積サイトから収集した、自身の電子機器に関連し、かつ自身の電子機器の現在の動作状態に合致するメディアコンテンツの一覧を取得する第1の取得手順と、
前記第1の取得手順によって取得されたメディアコンテンツの一覧を表示装置上に表示させる表示手順と、
前記表示手順によって前記表示装置上に表示されたメディアコンテンツの一覧から、ユーザが取得を指示したメディアコンテンツを、前記複数のメディアコンテンツ蓄積サイトのうち、当該メディアコンテンツを蓄積しているサイトから取得する第2の取得手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−215182(P2011−215182A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80309(P2010−80309)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】